JP3875687B2 - マルチチャンバ型チューブ - Google Patents

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Description

本発明は、チューブの各チャンバに収容された異なる成分を含む組成物を均一に分配するための特に多相歯磨剤組成物を分配するのに有用であるマルチチャンバ型チューブに関する。
チューブを圧搾した時に異なる物質を同時に供給するためのマルチチャンバ型チューブが以前から知られている。断面がほぼ円形であって、容量がほぼ等しいチャンバが入れ子になって設けられた同軸型チューブ、及びチャンバが通常互いに隣接している並行型チューブが提案されてきた。いずれの場合も、容器のどこを、どのように圧搾するかにかかわらず、同型の管状容器から各成分を同時に分配させることが、課題として残っている。別の継続的な問題は、かかるチューブに収容された、分配される多成分組成物を魅力的に演出することである。
マルチチャンバ型チューブの各チャンバから分配される物質の量は、チャンバの壁の変形によって生じるチャンバ容量の減少に応じて変わる。この変形及びひいては分配される物質の量は、分配すべき物質の相対レオロジー及び粘度、物質が分配されるオリフィスの大きさ及び形状、チューブにかかる圧力、並びにチューブ及びチャンバの構成を含む幾つかの要因に応じて変わる。同軸チャンバ型チューブは、一般には、内側チャンバの外壁との接触が増大することに起因して、同軸チューブの外側チャンバ内の組成物による表面摩擦が増大するために、並行チャンバ型チューブと比べてあまり望ましくないと考えられている。
1999年7月27日にマック(Mack)らに対して発行された「二重チャンバ管状容器(Dual Chamber Tubular Container)」という米国特許第5,927,550号は、管状チャンバの側壁に長手方向に取り付けられる分割壁を有する並行型管状容器を開示している。分配出口の仕切り壁面は、チューブ底部でのクリンプ封止の面から、好ましくは約90°ずれている。その他既述の管状容器としては、例えば、米国特許第1,894,115号及び3,788,520号、並びに独国特許第2017292号などのクリンプ封止と出口仕切り壁が同一面にある容器が挙げられる。
しかしながら、上述のマック(Mack)らの米国特許に記載された管状容器は、分割壁を管状チャンバの側壁に取り付けるという点、及び更に、チューブショルダーの射出成形された分割壁にチューブの分割壁を接続するという点に関して、製造するのが困難であると考えられている。従って、このチューブは、製造するのが困難であり、費用効率的ではないと考えられている。
「均一に分配するマルチチャンバ管状容器(Uniform Dispensing Multichamber Tubular Containers)」という米国特許第5,954,234号、「物理的に分離された歯磨剤の一定の比率での共分配(Codispensing of Physically Segregated Dentifrices at Consistent Ratio)」というPCT国際公開特許WO97/46462、及び「均一に分配するマルチチャンバ管状容器(Uniform Dispensing Multichamber Tubular Containers)」というPCT国際公開特許WO97/46463には、それぞれ、外壁と内側仕切り壁が特定の物理特性を有するマルチチャンバ容器が記載されている。このチューブの内側隔壁は、圧搾の間、チューブ外壁の圧縮による変位に対応すべく、横方向に移動する。従って、この隔壁はできる限り薄く、且つ可撓性であるように作られる。
内側の仕切り壁が薄くて柔軟であるので、このチューブからの分配均一性は理想よりも低く、従って、特に製品の成分組成物が大きく異なる相対レオロジー及び粘度を有する場合に、製品の均一な分配を維持すべく、チャンバ内において所要の圧力を生成するのが困難になっていると考えられる。更に、このチューブには流れを制御するための装置がないので、分配時にチャンバ全体にわたる均一な容量変化を維持するのが困難になっている。
前述の記載によれば、どのようにチューブを圧搾するかにかかわらず、各チャンバ内に収容された成分組成物の同じ量、形状、及び大きさを同じ分配速度で一貫して供給することができるマルチチャンバ型分配チューブに対する継続的な必要性がある。また、かかるチューブが、費用効率的であると共に、製造が容易である必要性もある。本発明の利点や利益の全てを提供する既存の技術は存在しない。
本発明は、異なるレオロジー特性及び粘度特性を有する部分を含む内容物を収容し、且つ分配するためのマルチチャンバ型チューブに関し、前記チューブは、(a)少なくとも1つの本体仕切りによって、それぞれの本体チャンバが前記内容物の一部分を収容する少なくとも2つの本体チャンバに分割されると共にクリンプ封止によって一端を封止され、各本体仕切りの一端が前記クリンプ封止内に封止される本体であって、前記本体仕切りが実質的に剛体材料から作られると共に前記本体への圧縮力の印加に対して実質的に非変位性である本体と、(b)前記本体に取り付けられたショルダーベース及び少なくとも2つの開口を備えた面を有するショルダーノズルを備えるショルダーであって、少なくとも1つの開口が前記本体チャンバのそれぞれと連通し、各本体仕切りの他端が前記ショルダー内に配置されると共に、前記ショルダーノズルの面で封止されるショルダーと、(c)分配オリフィスを備えたキャップ本体及び該キャップ本体を少なくとも2つのキャップチャンバに分離する少なくとも1つのキャップ仕切りを備え、各キャップチャンバが前記ショルダーノズルの面にある前記開口の少なくとも1つを介して前記本体チャンバの1つと連通し、前記キャップチャンバは、分配される組成物の流動を調整するダンパーであり、前記ショルダーノズルが、前記キャップと前記ショルダーが組み立てられる時に、前記キャップ本体内に受容されるキャップとを備える。
本発明は、更に、マルチチャンバ型チューブ本体と共に使用するためのキャップとショルダーの組立体に関する。
本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、本開示を読むことにより当業者にとって明白となる。
本明細書は、本発明を特に指摘して明確に請求する請求項にまとめられているが、好ましい実施形態についての以下の説明を、同じ参照番号が同一の要素を特定する添付図面と共に理解することにより、本発明はより良く理解されるであろうと考えられる。以下の詳細な説明は、主に、二相歯磨剤製品を収容するためのチューブについて述べられているが、このチューブは、異なる組成物又は成分の混合が分配時のみに行われるチューブの別個のチャンバ内に、それらの組成物又は組成物の異なる成分を収容するのが望ましい場合であれば、他の製品を収容し、且つ分配するのに有用であることが理解される。例えば、かかる組成物又は成分としては、二相歯磨剤などの口腔ケア組成物、食品、ヘアケア製品、化粧製品などが挙げられる。更に、本明細書中における用語「歯磨剤」の使用は、歯磨ペースト、ゲル、及びかかるペーストとゲルとの組合せなどの口腔ケア組成物を非制限的に含むものと理解すべきである。
更に、本明細書における説明は、主に、2つのチャンバを有する本体について述べられているが、本発明の本体及びキャップを、そのそれぞれが組成物の成分部分を収容する複数のチャンバに分割してもよいことが理解される。このような実施形態は、本発明の範囲内である。
図1を参照すると、本発明のマルチチャンバ型チューブ10の好ましい実施形態が示されている。チューブ10は、一般には、内側本体仕切り22を有するチューブ本体20と、ショルダー30(図2参照)と、チューブ本体がユーザによって圧搾されると、所望量のチューブ内容物を分配することができる分配オリフィス50を備えるキャップ40(図3参照)とを備える。キャップ40は、好ましくは、キャップ本体44にヒンジ結合されたフリップ開放式の蓋60を備える。あるいは、ねじ止め式のキャップ(図面では図示せず)も提供可能である。
図1の実施形態では、二重チャンバ型チューブ10が示されている。本体20は、本体仕切り22によって、2つの並行チャンバに分割される。第一本体チャンバ18は内容物の第一部分を収容し、第二本体チャンバ19は内容物の第二部分を収容する。かかるチューブは、例えば、内容物の第一部分が、内容物の第二部分に収容された成分と反応する成分を含む二相歯磨剤組成物を収容する際に有用である。非限定例は、第一部分が可溶性フッ化物イオン源を含み、第二部分が線状の「ガラス状」ポリホスフェートなどのポリホスフェート源を含む歯磨製剤である。かかるポリホスフェートは、口腔用組成物中のイオンフッ化物と室温で著しく反応するが、この反応は、安定なイオンフッ化物及びポリホスフェートを口腔表面に与えることができるという口腔用組成物の能力を弱める。従って、二成分組成物は、実際に使用する時まで、物理的に分離されたままでなければならない。かかる歯磨剤は、例えば、1998年5月28日に公開された「ポリホスフェート及びフッ化物を含有する歯磨剤組成物(Dentifrice Compositions Containing Polyphosphate and Fluoride)」というPCT国際公開特許WO98/22079に記載されている。
本体仕切り22並びにチャンバ18及び19は、図1aにおいて容易に見ることができ、図1aは、図1の線A−Aに沿って切り取った本体の断面図を示す。本体20は、分配オリフィス50と反対の位置にあるチューブの端部でクリンプ封止25によって封止される。図1bを参照すると、本体仕切り22の平面図が示されている。本体仕切り22の一端部(クリンプ封止端部)22aは、クリンプ封止25内で封止される。本体仕切り22は、クリンプ封止25から本体20内部及びショルダー30内部まで延在する。本体仕切り22の他端部(ショルダー端部)22bは、ショルダー30内で、より具体的には、ショルダーノズル34の内側表面に封止される。より詳細には、ショルダー端部22bは、ショルダーノズルの面36で封止される。本体仕切り22の長手方向縁部22c及び22dは、本体20及びショルダー30の内側表面に沿って封止される。長手方向縁部22c及び22dのこれらの部分は、図1bではL1としてだいたい示されている。L2としてだいたい示された部分は、ショルダーベース32に封止され、L3としてだいたい示された部分は、ショルダーノズル34に封止される。
従って、二相歯磨剤組成物などの組成物の異なる成分をチャンバ18及び19のそれぞれに入れ、実際に使用する時まで物理的に分離しておくことが可能である。各成分は、異なる粘度及びレオロジー特性を有するので、ユーザによりチューブに圧縮(圧搾)力がかけられると、異なる流動特性を有する。従って、これは均一な分配における問題の原因になる。
PCT国際公開特許WO97/46462に記載されるように、印加された圧縮力に応じた流動の差を較正するために、容器に収容された組成物の成分は、各成分を流動させるのに必要な圧縮力が実質的に等しくなるよう配合されてもよい。しかしながら、容器などに収容され得る配合物のタイプ並びに配合者の成分選択は極めて制限される。
成分の降伏応力及び剪断指数(indicies)が著しく異なる組成物は、分配するのが特に困難であると考えられている。降伏応力及び剪断指数は、以下のハーシェル−バルクレー(Hershcel-Bulkley)の粘度モデルに従った粘度に関連する。
粘度=(降伏応力/剪断速度)+(濃度係数×(剪断速度)(n1)
本発明によれば、各成分を流動させるのに必要な圧縮力が実質的に等しくなるように、容器内に収容された組成物を配合する必要がない。本発明の容器、及び特に本発明のキャップとショルダーの組立体は、均一な分配を行うべく、成分それぞれの流速を調節する。従って、広範な配合物及び成分を、制限なく、本発明の容器と共に使用してもよい。
図1aを参照すると、クリンプ封止25から分配オリフィス50までの約半分の点、例えば、図1の断面線A−Aで切り取った本体の断面図が見られる。本体仕切り22によって分割された2つのチャンバ18及び19が示されている。好ましくは、本体仕切り22は、クリンプ封止25から本体20内部を通ってショルダー30までにおいて螺旋状のねじり(spiraling)を受けない。換言すると、本体仕切り22は、湾曲している必要もないし、キャップ仕切り42の曲率に合った正弦曲線状の湾曲を有する必要もない。本体仕切り22は、好ましくは、チューブの本体内では「回転」しない。その機能は、本体を2つのチャンバに分離し、以下に更に述べるように、均一した分配を提供することである。
従って、分配直前の2つの成分の流れの「回転」は、キャップ仕切り42の構成の結果として、キャップ40内のみで起こる。湾曲しているか、又は正弦曲線状である本体仕切り(先に参照したマック(Mack)らの米国特許第5,927,550号に記載されるものなど)をチューブ本体内に取り付けることは困難であると考えられている。更に、かかる曲率を湾曲したチューブ仕切りと適合させることは、製造中には非常に困難であると考えられている。更に、湾曲するか又は正弦曲線状であるこのようなチューブ仕切りを有するチューブに製品を実際に充填することは非常に困難であり、本発明によるチューブに充填するよりも効率的ではないと考えられている。
故に、本発明のチューブは、以前に開発された並行二重チャンバ型チューブ及び同軸二重チャンバ型チューブに勝る製造上の利点を提供すると考えられている。本明細書の好ましい実施形態による、本体20及び本体仕切り22を備えるチューブ10は、単純で費用効率的な従来のチューブ製造方法を用いて組み立てられてもよい。仕切り22は単に、本体20に挿入され、以下のように縁部に沿って封止される。チューブ本体20が形成されるウェブは、丸められて、ほぼ円形又は楕円形の形状に成形される。仕切り22は、予備仕上げされた円形状の本体に挿入され、次いで仕切り22は、本体内に正しく配置された(図1及び図1a参照)後、チューブ縁部に沿って長手方向に封止される。
次いで、中に仕切り22が封止されたチューブ本体20は、以下のように、1ステップで同時にチューブショルダー30に取り付けられる。熱いドーナツ型のHDPE材料片をチューブショルダー成形体に突刺し、次いで、中に仕切りが固定された円形のチューブ本体を熱いドーナツ型HDPEに圧縮して、チューブショルダーを形成する。
この本体とショルダーの組み立て方法は、広く使用されてきた。例えば、かかるチューブ本体とショルダーの組み立て方法は、1998年3月24日にシェーフェル(F.Scheifele)に対して公開された「マルチチャンバ包装チューブの製造方法(Process for the Production of a Multi-Chamber Packaging Tube)」というカナダ特許出願第2,229,879号に開示されている。先に示したように、この既知の組み立て方法は、予備仕上げされたチューブ本体に本体仕切りを長手方向に封止する工程を追加することにより、本発明のチューブの製造に容易に適合できる。本体仕切りの剛性及びより広い充填空間のため、本発明によるチューブに充填することも容易である。
あるいは、チューブの本体及び仕切り壁は、以下のように組み立てることができる。チューブ本体の側壁を構成するウェブを丸めて、予備仕上げされた管状形状とする前に、まず、本体仕切りをこのウェブに封止する。ウェブを丸めて管状形状にした後、次いで、本体仕切りが2つの並行チャンバを作り出すように、その本体仕切りを膨らませる。かかる実施形態において、本体仕切りは、通常、チャンバを作り出すべく膨らむように、チューブ本体を形成する材料と比べて剛性が低い材料から作られる。かかるチューブの断面が、図1cに示されている。しかしながら、このタイプのチューブは、概して、上述した剛性の本体仕切り壁を有する好ましい実施形態よりも、製造及び充填するのがより困難であると考えられている。かかる設計の別の潜在的な欠点は、本体仕切りが、2つのチャンバ間の分離を維持する代わりに、チューブ本体の側壁の形状に接触し、追随する傾向にあるということである。
チューブ本体の別の代替構成において、本体は、2つの別個のチャンバ、即ち「D」字形の第一チャンバ18と、第一チャンバ18の鏡像である第二チャンバ19とを備える。かかるチューブ本体の断面が、図1dに示されている。かかる実施形態において、仕切り壁は、図1、図1a、及び図1bに示す好ましい実施形態におけるような別個の要素ではない。
チューブ本体20及び本体仕切り22は、チューブ内に収容される歯磨剤又は他の製品を適切に保存する当業者に既知のいかなる材料を含んでもよい。本体20を構成する材料は、内容物が消費者の使用にとって危険、又はさもなければ不適当となり得るような、内容物を構成する成分との反応があるべきではない。勿論、それらはまた、例えば、漏れたり、裂けたり、又は壊れたりすることなく、通常の消費者の使用に耐えるに十分な程、耐久性でなければならない。
歯磨剤製品を収容するためのチューブ本体を構成する好適な材料の非限定例としては、低密度ポリエチレン(「LDPE」)、線状低密度ポリエチレン(「LLDPE」)、中密度ポリエチレン(「MDPE」)及び高密度ポリエチレン(「HDPE」)などのポリエチレン、アクリル酸エチレン(「EAA」)、アルミニウムホイルなどのホイル、又は、例えば積層構造として形成される、上記材料のいかなる組合せもが挙げられる。チューブ本体20の側壁は、好ましくは、約0.1mm〜約0.4mmの厚さであり、約0.3mmが一般的に好ましい。より厚いか、より薄い側壁を提供することも可能であるが、このようなものは、特に費用効率的ではなく、必ずしも更なる分配利益を提供するわけではないと考えられている。積層材料が、本体の側壁に好ましい。
本体仕切りは、好ましくは、約0.05mm〜約0.30mm、好ましくは約0.1mm〜約0.25mmの厚さである。好ましくは、本体仕切り22は、ショルダー30及びキャップ40と協働して、大きく変化する相対粘度及びレオロジーを有する成分を含む組成物を均一に分配すべく、実質的に剛性の材料から作られる。「剛性」とは、本明細書で使用する時、本体仕切り22が、チューブ内部に存在する圧力差に応じて、最小又はごく僅かの横方向への移動を受けることを意味する。これは、各成分が本体チャンバ18、19からキャップチャンバ48、49へ均一な容量で流動するために重要である。本体仕切り22は、どちらの方向へも折り畳むことはできず、仕切り全体の圧力差によって、どちらの方向へも移動されない。本体仕切り22は、実質的に、チューブ本体への圧縮力の印加に応じて非変位性である。仕切り壁用の好ましい材料は、HDPEである。
チューブ本体20は、分配オリフィス50の反対側に位置するチューブの端部でクリンプ封止25される。チューブ本体20の他端は、チューブの内容物が接合部29において漏出しないように、連続的に結合又は封止により接触させてショルダー30に取り付けられる。キャップ40は、同様にチューブの内容物が漏出しないように、以下に詳細に述べるように、ショルダー30と共に組み立てられる。
キャップ40及びショルダー30は、望ましくは、例えば、射出成型により作られる。以下により完全に述べるように、好ましい実施形態において、それらは、好ましくは、互いにしっかりと嵌合される別個の部分を含む。更に、キャップ40及びショルダー30は、好ましくは、異なる材料組成物を有するが、別の方法としては、同じ材料を含んでもよい。ショルダー及びキャップが構成される好適な材料の非限定例としては、上述のポリエチレンが挙げられる。ショルダー/キャップの組立体が、図4に示されている。
図1、図1a、及び図1bに示すチューブ本体及び仕切り壁の実施形態は、本明細書において好ましいが、本発明のショルダーとキャップの組立体を、例えば、図1c及び図1dに示し、上述した代替のチューブ本体/仕切り壁の組合せと組合せることも可能であり、かかる他の組合せは、本発明の範囲内である。
図2aを参照し、ここで、ショルダー30の好ましい実施形態についてより詳細に述べる。ショルダー30は、一般に、ショルダーベース32と、ショルダーノズル34とを備える。ショルダー30は、チューブの内容物がこの接合部において漏出しないように、連続的に結合又は封止により接触29させてショルダーベース32においてチューブ本体20に取り付けられる。ショルダーノズル34は、チューブ本体20から離れて上方にショルダーベース32より延在し、ショルダー及びキャップが組み立てられると、キャップ40内に受容される。組み立てられた時には、分配中に内容物の漏出があるべきではない。
ショルダーノズル34及びショルダーベース32は、好ましくは、図2aに示すように、(例えば、射出成型により)単一の材料片から連続的に形成される。別の方法としては、それらは、溶接された、又はさもなければ当業者に既知の手段によって互いにしっかりと取り付けられた別個の片から構成されてもよい。例えば、ショルダー36は、射出成型若しくは圧縮成型によりチューブ本体の一体型部品であるか、噛合ねじの使用によりチューブにねじ止めされるか、又は開口16、17を有するショルダー面36をチューブショルダーに固定すべく、熱封止若しくは接着され得る。
更に、ショルダーノズル34及びショルダーベース32は、好ましくは、同じ材料組成物を有するが、別の方法としては、異なる材料組成物を含んでもよい。好適な材料の非限定例としては、上述のポリエチレンが挙げられる。
図2bは、図2aに示すチューブとショルダーの上面図である(キャップは外してある)。ショルダーノズル34の面36を、図2bに明確に見ることができる。図2bを参照すると、ショルダー面36は、好ましくは、溝33によって区画分けされる。好ましくは、ショルダー面36は、少なくとも第一区画36aと、第二区画36bとを備える。ショルダー面36は、チューブが有するチャンバの数と同じ数の区画を有する。例えば、図面に示す好ましい実施形態において、チューブ20は、2つのチャンバ18及び19を有し、相応して、ショルダー面36は、第一区画36a及び第二区画36bという2つの区画を有する。ショルダー面の第一区画36a及びショルダー面の第二区画36bは、一体型の単品要素であり得るか、又は別個の部分であってもよい。
ショルダー面36は、少なくとも2つの開口を備える。少なくとも1つの開口16は、第一本体チャンバ19と連通し、同様に、少なくとも1つの開口17は、第二本体チャンバ18と連通している。換言すると、少なくとも1つの開口は、その本体チャンバ内に収容された成分の流体路を提供すべく、各本体チャンバと連通している。
図面では、チャンバ1つにつき1つの開口のみが示されているが、本発明はかかる構成に制限されないことを理解すべきである。ショルダー面36の各区画の開口数、並びに各開口の形状及び寸法などの各開口の特性は、チューブの各チャンバ内に収容された成分の粘度及びレオロジーを合わせることにより決定される。これは、圧搾中、各チャンバの開口を通って均一な容量が流動するようにする。従って、チューブの各チャンバに収容された内容物が同時に均一な分配速度で分配される。各チャンバと連通している複数の開口が設けられてもよく、それらは、適当なそれぞれの流速を提供すべく選択される限り、いかなる大きさ及び/又は形状のものでもよい。
図2b及び図4に示すように、溝33は、好ましくは、ショルダー30及びキャップ40が組み立てられた時に(図4参照)、キャップ仕切り42の少なくとも一部が溝に嵌合するような形状をなす。ショルダー30及びキャップ40がこのように組み立てられると、この溝33は、キャップ40とショルダー30の間での漏出がないようにしっかりと嵌合すべく、これに相当する形状のキャップ仕切り42の最下端を受容する(図3cも参照)。溝33は、波形又は正弦波形を有するものとして図面に示されているが、他の形状も本発明の範囲内であることを理解すべきである。しかしながら、分配された組成物に美的に魅力的な外観を提供するという点に関して、例証した波形のキャップ仕切り42が望ましいと考えられている。
溝33の一方側にある第一区画36aに位置する(1つ以上の)開口17により、チューブの第一チャンバ18内に収容された成分は、開口17を通過し、キャップ40を経由して分配オリフィス50に向かう。同様に、溝33の他方側にある第二区画36bに位置する(1つ以上の)開口16により、チューブの第二チャンバ19内に収容された成分は、開口16を通過し、キャップ40を経由して分配オリフィス50に向かう。
ショルダーノズル34には、ショルダーノズル34の外周の周りに位置する1つ以上の配列凸部35が更に設けられてもよい(図2a参照)。例証目的で、図2aにはかかる凸部35が1つのみ示されているが、いかなる数のかかる凸部も本発明の範囲内であることを理解すべきである。
1つ以上のかかる凸部35が、ショルダーノズルに設けられている場合、キャップ本体44の内部には、嵌合リング46の内面に、同数のスロットが設けられている(スロットは図面には示されていない)。従って、ショルダー30及びキャップ40が組み立てられると、配列凸部35は、キャップとショルダー間の嵌合の安定性を与えるべく、スロット内に位置する。
図3a〜図3bを参照すると、本発明のキャップ40の好ましい実施形態が示されている。図3aを参照すると、キャップ40は、分配オリフィス50を備えたキャップ本体44と、キャップ仕切り42とを有する。キャップ仕切り42は、キャップ本体40を第一キャップチャンバ48と第二キャップチャンバ49との2つのチャンバに分離する。キャップ仕切り42は、チューブ本体仕切り22の延長部として作用する。また、キャップ40には、キャップ本体44に70でヒンジ結合されるフリップ開放式蓋60が設けられてもよい。しかしながら、ねじ止めキャップなど、他のタイプのキャップを設けることができ、これは本発明の範囲内である。図面には、2つのキャップチャンバが示されているが、本発明のキャップは3つ以上のチャンバを有してもよいことを理解すべきである。一般に、少なくとも1つのキャップ仕切りが、キャップ本体を、チューブ本体チャンバの数と同じ数のキャップチャンバに分離する。各キャップチャンバは、ショルダーノズルの面にある少なくとも1つの開口を介して、本体チャンバの1つと連通しており、ショルダーノズルは、キャップとショルダーが組み立てられる時に、キャップ本体内に受容される。
キャップ本体44はショルダー30にしっかりと嵌合され、キャップ40とショルダー30がそのように嵌合される時に、キャップ本体44は、ショルダーノズル34を受容し、この接合部で漏出が生じないように、その周りを密に囲む。このキャップ本体44とショルダー30の間のしっかりとした嵌合は、例えば、成型部品44及び30の一体化若しくはねじ止め嵌合によって、又は熱封止若しくは接着剤により提供されてもよい。従って、ショルダーノズル34の面36に設けられた溝33並びに開口17及び16は、キャップ40とショルダー30が組み立てられる時に、キャップ本体44内に受容される。この組立体は、各本体チャンバ18、19から各キャップチャンバ48、49へと流動する成分の流れが分配オリフィス50を介してチューブから最終的に分配される直前に混合される前に、その流れのための連続経路を提供する。
本発明のキャップチャンバ48、49はまた、分配される組成物の流動(容量/時間)を更に調整するダンパーとしての役割を果たす。キャップチャンバ48、49は、製品がオリフィス50から出る前に、容量を回復する(rebuild)ための領域を提供する。
本発明のキャップ40の好ましい実施形態の底面図を示す図3cにおいて、キャップ仕切り42が見られる。更に、嵌合リング46が見られる。嵌合リング46は、キャップ40をショルダー30に固定するためのものである。嵌合リング46は、好ましくは、その周囲に幾つかの切り欠き47を有する。切り欠き47は、キャップ40をショルダーノズル34に固定するのを助ける一定量の可撓性を嵌合リング46に与える。更に、ショルダーノズル34には、好ましくは、環状の突出リング31が設けられてもよく(特に図2b及び図4参照)、この突出リング31の上に、キャップ40の嵌合リング46が嵌合され得る。キャップ40とショルダー30が組み立てられる時、この嵌合リング46は、ショルダーノズル34をしっかりと囲んで保持する。
嵌合リング46は、キャップ本体44の外側部分45内に同軸的に配置され(図3a及び図3c参照)、キャップの外側部分45と嵌合リング46の間には小さな隙間34が存在する。キャップ40とショルダー30/本体20が組み立てられる時、キャップの外側部分45は、チューブ本体20と接触し、ほぼ連続する外観を呈する(図1及び図4参照)。ショルダー30は、組み立てられたチューブ10の外観の一部としては認められない。
キャップ仕切り42は、好ましくは、キャップとショルダーが組み立てられる時、ショルダーノズル34の面36にある対応する形状の溝33と噛合する。その他端では、キャップ仕切り42は、好ましくは、ノズルの開口部オリフィス50の面の直下の位置まで延在する、即ち、好ましくは約1mm〜約3mm分、オリフィス50の面から僅かに奥まった所にある(図3a参照)。この凹所52により、成分の流れ、即ち第一チャンバ18に収容された内容物の第一部分及び第二チャンバ19に収容された内容物の第二部分が、キャップ仕切り42の最上端から出た直後であって、実際にオリフィス50を出る直前に合流する。この合流は、二相製品がチューブから均一に分配されたという外観を確保するために重要である。一般に比較粘度が高い成分の流れは、比較粘度が低い成分の流れを「引っ張」って、2つの流れがオリフィスから出る時に分離してしまうことを防止するのに役立ち得る。故に、2つの異なる成分部分を含む分配された組成物は、分配される時、魅力的で均一な外観を有する。
図3b(キャップの上面図)に示すように、蓋60には、望ましくは、蓋が閉鎖された時に分配オリフィス50の周囲に嵌合する蓋リング62が設けられる。蓋60が閉鎖された時に、蓋突出部64がキャップ仕切り42の最上端と噛合接触して凹所52内に配置されるように、蓋リング62内に、キャップ仕切り42の形状に噛合する蓋突出部64を設けることが更に望ましい。これは、一回の使用の後であって、次に続く使用の前に、組成物が乾燥してしまうのを防止する。
本説明によれば、キャップ40/ショルダー30の組立体を剛性の本体仕切り22と組み合わせて、均一且つ同時の分配を行うことが理解できる。流速及び分配特性は、主にキャップ40とショルダー30の設計によって決まるので、仕切り22を有するチューブ本体20の設計は複雑である必要はない。従ってチューブの製造及び充填、並びに仕切り壁のチューブ本体への封止は、高価である必要はない従来のチューブ製造方法を使用して行うことができる。更に、本発明のチューブは、現在利用可能な二重チャンバ型チューブの設計では困難であると考えられている、例えば50グラム未満の小容量サイズを含む多数の異なるサイズで作ることができる。
二相組成物の成分のチューブは、第一本体チャンバ及び第二本体チャンバにそれぞれ収容される。チューブが圧搾されると、各成分は、その本体チャンバからショルダーノズルの面にあるそれぞれの開口を通って、それぞれのキャップチャンバへと流動する。この間中、成分は本体仕切り及びキャップ仕切りによって物理的に分離して維持される。
成分は、互いにかなり異なり得るレオロジー特性及び粘度特性を有するので、それらの本来の傾向は、異なる流速でそれぞれのチャンバを進むことである。しかしながら、より速く流動する方の成分がそのキャップチャンバをより早く充填することができないのは、容量/時間に対する成分の流動が、そのチャンバに対応するショルダーノズル面の開口によって決定されるからであり、より速く流動する方の成分の場合、容量/時間に対する成分の流動は、開口によって減速される。
同様に、よりゆっくりと流動する方の成分がそのキャップチャンバへ流動する速度は、そのチャンバに対応するショルダーノズル面の開口によって決定される。サイズなどの開口の特性は、この成分の粘度及びレオロジー特性により決定されたので、この成分は、より速く流動する方の成分の速度と同様の速度でそのキャップチャンバを充填しなければならない。
各成分がそのキャップチャンバを充填すると、それら成分は、均一の速度で分配オリフィスから同時に分配され、魅力的な外観を呈する。
前述の例によって表されたこれらの実施形態は、数多くの利点を有する。例えば、それらの実施形態は、各チャンバに収容された同じ量、形状、及び大きさの成分組成物を、同じ分配速度下で一貫して同時に供給することができるマルチチャンバ型分配チューブを提供する。特に、本発明の容器は、大きく異なる相対粘度及びレオロジー特性を有し、同様の粘度及びレオロジー特性の成分に限定される必要はない成分を均一に分配するのに効果的である。本発明の容器は、実質的に同等の圧縮力で容器から押出し可能であるように配合される組成物との使用に限定されない(即ち、組成物の成分を始動させる圧縮力は、実質的に同等である必要はない)。本明細書における好ましい実施形態はまた、製造するのに費用効率的でもある。
用語「含む」とは、本明細書において使用する時、最終結果に影響しない他の工程及び他の成分を加え得ることを意味する。この用語には、「からなる」及び「から本質的になる」という用語が包含される。
本明細書に記載する実施例及び実施形態は、例示することのみが目的であり、これらを考慮して様々な変更又は変形が、本発明の範囲から逸脱することなく当業者に提起されることが、理解されるであろう。
本体と、ショルダーと、キャップとを備える本発明のチューブ組立体の好ましい実施形態の側面図であり、組立体の内部が点線で透視図で示されている。 図1の線A−Aに沿って切り取った断面図である。 図1に示す仕切り壁22の平面図である。 図1の線A−Aに沿って切り取った本発明の別の好ましい実施形態の断面図である。 図1の線A−Aに沿って切り取った本発明の更に別の好ましい実施形態の断面図である。 キャップを外した状態の、図1のチューブの一部の透視図である。 図2aに示すチューブの一部の上面図である。 本発明のキャップの好ましい実施形態の側面図であり、キャップの内部が点線で示されている。 本発明のキャップの好ましい実施形態の上面図である。 本発明のキャップの好ましい実施形態の底面図である。 図1のチューブの好ましい実施形態の一部であり、ショルダーとキャップの組立体を示している。

Claims (6)

  1. 異なるレオロジー特性及び粘度特性を有する部分を含む内容物を収容し、且つ分配するためのマルチチャンバ型チューブであって、
    (a)少なくとも1つの本体仕切りによって、それぞれの本体チャンバが前記内容物の一部分を収容する少なくとも2つの本体チャンバに分割されると共にクリンプ封止によって一端を封止され、各本体仕切りの一端が前記クリンプ封止内に封止される本体であって、前記本体仕切りが実質的に剛体材料から作られると共に前記本体への圧縮力の印加に対して実質的に非変位性である本体と、
    (b)前記本体に取り付けられたショルダーベース及び少なくとも2つの開口を備えた面を有するショルダーノズルを備えるショルダーであって、少なくとも1つの開口が前記本体チャンバのそれぞれと連通し、各本体仕切りの他端が前記ショルダー内に配置されると共に、前記ショルダーノズルの面で封止されるショルダーと、
    (c)分配オリフィスを備えたキャップ本体及び該キャップ本体を少なくとも2つのキャップチャンバに分離する少なくとも1つのキャップ仕切りを備え、各キャップチャンバが前記ショルダーノズルの面にある前記開口の少なくとも1つを介して前記本体チャンバの1つと連通し、前記キャップチャンバは、分配される組成物の流動を調整するダンパーであり、前記ショルダーノズルが、前記キャップと前記ショルダーが組み立てられる時に、前記キャップ本体内に受容されるキャップと
    を備えるマルチチャンバ型チューブ。
  2. 前記マルチチャンバ型チューブは2つの本体チャンバを有する、請求項1に記載のマルチチャンバ型チューブ。
  3. 前記本体仕切りが、約0.05mm〜約0.3mmの厚さを有する請求項1又は2に記載のマルチチャンバ型チューブ。
  4. 前記ショルダー面にある前記開口の特性及び数が、前記内容物の部分の粘度及びレオロジー特性に基づいて決定される請求項1又は2に記載のマルチチャンバ型チューブ。
  5. 前記内容物が多相歯磨剤組成物であり、各相が別個の本体チャンバに収容される請求項1又は2に記載のマルチチャンバ型チューブ。
  6. 前記ショルダーノズルの面は、各キャップ仕切りの一部が受容される少なくとも1つの溝を備える、請求項1に記載のマルチチャンバ型チューブ。
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