JP3875545B2 - 下水道設備の運用装置及びその運用方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は下水道管路、管路に併設された雨水貯留設備、ポンプ場などの下水処理設備において、下水道管路内の下水を計測して機器や設備への悪質な下水の流による機能の阻害を低減する運用装置及び運用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水道の利用者には排水の水質値を一定の基準値以下にするように定められている。しかし、基準を満たさない悪質な下水(以下、悪質下水)が下水道管路に流入する場合があり、施設の損傷や機能を低下させたり、或いは水処理機能を阻害し処理場からの放流水質を悪化させる恐れがあった。悪質下水発生時の対策には、ポンプ場でポンプを停止し、管内貯留により希釈後放流する方法や、終末処理場で処理水により希釈する方法がある。
【0003】
一方、大雨時の浸水の防除や、降雨時の埃や管路堆積物による汚濁物質の負荷低減を目的として、地下調整池や雨水貯留管等の雨水貯留施設が建設されている。雨水貯留施設は降雨時の雨水や下水が対象であり、悪質下水を対象とした運用はされていない。尚、排水処理装置として特許番号第2,976,272号公報を挙げることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に下水道施設は運転開始後、下水の流入を止めることなく処理しなくてはならない。このため、施設の維持管理は重要である。維持管理を適切に行うためには、悪質下水をなるべく上流で早期発見、早期対処することが望ましい。
【0005】
しかし、従来の技術ではポンプ場や終末処理場で悪質下水が発見された後に、ポンプ場や終末処理場で対処するため、施設の損傷や機能が低下する恐れがあった。
【0006】
また、雨水貯留施設は豪雨時や長期間晴天が続き下水道管路に堆積物が蓄積した場合、初期降雨が下水道管路に流入した時に活用されているが、稼働率が低いという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、悪質下水発生時に雨水貯留施設を有効に活用し、悪質下水が及ぼす下水道設備への負担を低減する下水道設備の運用装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、本発明では、下水道管路の途中に設置された貯留設備に下水を取込む取込み手段より、下水道管路内に設置され水質計測手段からの情報により水質値が基準値以上を検出すると、取込み手段を開放して下水を貯留設備に流す指示を出す制御手段を設けることを特徴とする。
【0009】
また、下水道管路内に設置した水質を計測する水質計測手段の情報からの水質値が基準値以上を検出すると、取込み手段を開放して下水を貯留設備に貯留水として貯える指示する制御手段と、水質計測手段より上流側下水道管路内に設置された貯留水を下水道管路に流す返送手段とを備え、制御手段により、返送手段からの貯留水を下水に希釈放出する際に希釈水の水質値が基準値以下に維持するように貯留水の流量を制御することを特徴とする。
【0010】
更に、貯留設備内及び下水道管路内に水質を計測する水質計測手段を夫々設置し、水質計測手段からの下水道管路内の水質値より貯留水の水質値の方が基準値以下を検出すると、前記制御手段により、前記下水の水質値が基準値以下になるように前記返送手段からの貯留水を下水に希釈放出する際に希釈水の水質値が基準値以下になるように貯留水の流量を制御することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1に本発明の一実施例における下水道設備の運用装置を示す。下水道管路1と、下水道管路1内を流れる下水は、一時的に貯留可能な地下調整池や雨水貯留管などからなる貯留設備2に貯留水として貯える。下水道管路1内に貯留設備2が併設されていない場合は、新たに下水を一時貯留できる施設を設けてもよい。下水の下水道管路1から貯留設備2への移送は可動式の堰などからなる取込み手段3を介して行われる。取込み手段3はマイクロコンピュータ等からなる制御手段4からの信号によって開閉が制御される。
【0012】
下水道管路1内の下水の水質を計測する水質計測手段5が、取込み手段3よりも上流の下水道管路1内に設置され、計測した水質情報を制御手段4に送る。取込み手段3及び水質計測手段5から制御手段4への信号の伝達は、下水道に整備されている光ファイバーを利用するとよい。また、水質計測手段5はpH計、伝導度計、油膜検知器、毒物センサー、温度計のいずれか一台以上を用いるのが望ましい。
【0013】
次に、本発明の運用方法について説明する。
【0014】
本発明によると、制御手段4は水質計測手段5からの水質情報を元に、下水の水質が予め設定した水質値が基準値以上を検出すると、取込み手段3を制御つまり開放して、下水を貯留設備2に貯留する。
【0015】
水質値が基準値以上とは、特定事業所の排水基準などを参考にして設定されるが、この実施例では、水質値が基準値以上とは、悪質下水の流下による下水道設備の損傷や機能の低下といった被害を生じることを云う。またpH計を使用する場合には、上限値と下限値との範囲内を基準値と称し、範囲外を水質値が基準値以上と称する。上限値を逸脱した悪質下水を貯留設備2に貯留することにより、悪質下水の流下による下水道設備の損傷や機能の低下といった被害を防止できる。また、降雨時以外に活用されていなかった雨水貯留施設を有効に利用できる。(実施例2)
図2に本発明の他の実施例を示す。対象とする流域内に下水道管路11、下水道管路12、下水道管路13、下水道管路14の下水道管路があり、下水は次第に合流しながらポンプ場6に流れる。ポンプ場6は終末処理場であっても良い。各下水道管路には下水の水量を計測する流量計測手段71、流量計測手段72、流量計測手段73、流量計測手段74が設置されている。各下水道管路の流量の情報は制御手段4に伝えられる。
【0016】
また、下水道管路11には貯留設備2、取込み手段3及び取込み手段3の上流に水質計測手段5が設置されている。制御手段4は取込み手段3を水質計測手段5と、流量計測手段71、流量計測手段72、流量計測手段73及び流量計測手段74の情報によって制御する。
【0017】
図2の実施例の制御フローは図3を用いて説明すると、図3の水質計測手段5はpH計を使用しているので、上限値と下限値との範囲内を基準値と称し、この範囲外を水質値が基準値以上となる。
【0018】
制御手段4は水質計測手段5から下水の水質情報Aを受け取る。制御手段4は水質情報Aが第1下限値AL以上で、かつ第1上限値AH以下の範囲か判定する。水質情報Aが上記範囲内の場合は終了する。尚、貯留施設2に下水を貯留している場合は貯留を中止後に終了する。
【0019】
次に、水質情報Aが第1下限値AL以上で、かつ第1上限値AH以下の範囲外の場合、制御手段4は水質情報Aが第2下限値ALL以上で、かつ第2上限値AHH以下の範囲か判定する。第2下限値ALLは第1下限値ALより小さく、第2上限値AHHは第1上限値AHよりも大きい。
【0020】
水質情報Aが第2下限値ALL以上で、かつ第2上限値AHH以下の範囲の場合、制御手段4はポンプ場6に流達する水量(a)と、悪質下水の水量(b)との流量比率Q(b/a)を算出し、流量比率Qと流量基準値αとを比較する。ポンプ場6に流通する下水の流量は、流量計測手段71、流量計測手段72、流量計測手段73、流量計測手段74の計測値の合計から得られる。
【0021】
また、悪質下水の流量は流量計測手段71の計測値から得られる。制御手段4は流量比率Qが流量基準値αより小さい場合に終了する。尚、貯留設備2に下水を貯留している場合には、貯留を中止後に終了する。流量比率Qが流量基準値αより大きい場合、制御手段4は取込み手段3を制御し、下水を貯留手段2に貯留する。
【0022】
次に、水質情報Aが第2下限値ALL以上で、かつ第2上限値AHH以下の範囲外の場合、制御手段4はポンプ場6に流通する水量と、悪質下水の水量との流量比率Qを算出し、流量比率Qと流量基準値βとを比較する。制御手段4は流量比率Qが流量基準値βより小さい場合に終了する。
【0023】
尚、貯留設備2に下水を貯留している場合には貯留を中止後に終了する。流量比率Qが流量基準値βより大きい場合、制御手段4は取込み手段3を制御し、下水を貯留手段2に貯留する。流量基準値αは流量基準値βより小さい値とする。
【0024】
また、下水道管路12、下水道管路13、下水道管路14のいずれか一つ以上にポンプ場が設置されている場合には、ポンプ場のポンプが制御手段4で制御できるようにし、水質計測手段5の水質情報Aが第1下限値AL以下で、かつ第1上限値AH以上になると、ポンプ場のポンプ揚水量を増加する。ポンプ場6に流通する水量(a)が増加するため、悪質下水を希釈できる。
【0025】
本発明によると、次の利点がある。
1)上限値や下限値を逸脱した悪質下水を貯留設備2に貯留し、悪質下水の流通を防止でき、悪質下水の流下による下水道設備の損傷や機能の低下といった被害を防止できる。
2)降雨時以外に活用されていなかった雨水貯留施設を有効利用できる。
3)悪質下水でも、ポンプ場施設6に達する前に、下水の合流によって一定倍率以上に希釈される場合には貯留を見送り、過度な貯留を防止できる。
【0026】
このように、図2では下水道管路1の水質値が基準値以上であっても下水道管路12、下水道管路13、下水道管路14の水質値が基準値以下であり、ポンプ場施設6に流れる時には、全下水道管路の水質値が基準値以下あれば、下水を貯留設備2に貯留することなく、ポンプ場施設6に流す。つまり、制御手段4は取込み手段3を作動しないように制御する。この場合、予め下水道管路12〜14の下水が水質値の基準値以下であることが判っている場合には、問題ないが、判らない場合にはポンプ場施設6と連通している下水道管路内に水質計測手段5Aを設置しておくことは云までもない。
(実施例3)
図4に貯留した悪質下水を下水道管路1に返送する機能を加えた実施例を示す。貯留設備2内の貯留水を下水道管路1に返送するポンプなどからなる返送手段8と、返送された貯留水の下水道管路1への出口となる貯留水排出口9が設けてある。返送手段8は制御手段4からの信号により制御される。貯留水排出口9は水質計測手段5の上流に設けてある。
【0027】
本実施例は悪質下水が終息し、下水の貯留を停止した後、貯留した悪質下水を下水道管路1内に流れる下水で希釈する希釈水の処理方法である。本実施例は悪質下水と下水の混合水が水質計測手段5を通過するので、水質計測手段5によって混合水の水質値が基準値以下になるように制御手段4により監視している。
【0028】
制御手段4は、水質計測手段5の水質情報Aを受け取り、混合水の水質が予め設定した基準値内に収まるように返送手段8の流量Fを制御し、悪質下水が下水道管路1により排出されるのを防止する。
【0029】
水質計測手段5にpH計を用いた場合には、基準値の下限値ALと上限値AHとの範囲を5.8〜8.6に設定するとよい。それは、下限値ALを5.8以下に下げるのは、酸性が強過ぎて下水処理場で使用する微生物によって有機物を除去しているが、この微生物が死んでしまうと共に、下流側で使用している金属を劣化されるからである。また上限値AHが8.6以上にする場合には、アルカリ性が強過ぎて前述と同様な欠点を生じるからである。
【0030】
図4の本実施例の制御フローを図5により説明する。
【0031】
先ず、ステップS1で制御手段4は返送手段8を起動させ、貯留水の返送を開始する。返送手段8の流量Fはなるべく小さい値にするとよい。
【0032】
次に、ステップS2では、水質情報Aが下限値AL以上で、かつ上限値AH以下の範囲か判定する。水質情報Aは返送した貯留水が水質計測手段5まで達する時間の遅れを考慮するとよい。水質情報Aが下限値AL以上で、かつ上限値AH以下の範囲内の場合には、ステップS3へ、範囲外の場合にはステップS7へ移行する。
【0033】
ステップS3では、流量Fが、最大流量FH以下か判定する。流量Fが、最大流量FHに達したときは終了する。流量Fが最大流量FH以下の場合は、ステップ4に移行する。ステップS4では、流量Fを一定量(△F)増加させ、ステップS5へ移行する。ステップS5では、水質情報Aが下限値AL以上で、かつ上限値AH以下の範囲か判定する。範囲内の場合には再びステップS3へ戻り、範囲外の場合にはステップ6へ移行する。
【0034】
ステップS6では、流量Fを一定量(△F)減少し、終了する。流量Fの減少量は、ステップS4の増加量と等しくする。ステップS6ではステップS4で増加した流量を元に戻したことになるので、水質は下限値AL以上で、かつ上限値AH以下の範囲にできる。
【0035】
ステップS7では流量Fが、最低流量FL以上か判定する。流量Fが、最低流量FL以上の場合には、ステップS8へ、流量Fが、最低流量FLに達したときにステップS10へ移行する。
【0036】
ステップS8では、流量Fを一定量(△F)減少し、ステップS9へ移行する。ステップS9では、水質情報Aが下限値AL以上で、かつ上限値AH以下の範囲か判定する。範囲内の場合には終了し、範囲外の場合には再びステップS7に戻る。ステップS10では返送手段8を停止する。
【0037】
次いで、ステップS11では、貯留設備2内に下水を一定量貯留する。最低流量FLでも合流水の水質値が基準を満たさないので、下水を貯留し貯留設備2内で悪質下水を希釈する。その後、再びステップS1へ戻る。必要に応じて貯留設備2内に攪拌手段を設けてもよい。
【0038】
下水の流量や水質は変化するので、混合水が水質値の基準値を満足するためには混合水の流量Fを適宜変更する必要がある。このため、本制御フローは、返送開始時だけでなく、返送中も定期的に実施するとよい。尚、返送中はステップS2から実行する。
【0039】
このように、本発明によると、悪質下水発生時には悪質下水を貯留施設2に貯留し、悪質下水終息後には貯留した悪質下水と下水を、水質の基準値を満足する流量比率で希釈しながら希釈水を放流できる。これにより、悪質下水の流下による下水道設備の損傷や機能の低下といった被害を防止できる。また、降雨時以外に活用されていなかった雨水貯留施設を有効利用できる。
【0040】
つまり、水質計測手段からの水質値が基準値以下を検出すると、制御手段により、返送手段からの貯留水の流量を下水の水質値を基準値に維持するように制御して希釈水として放出する。
【0041】
そして、返送手段8及び貯留水排出口9を水質計測手段5の上流側の下水道管路1内に設置すれば、貯留施設2の悪質下水が下水に混合した希釈水が基準値であるかごうかを確実に1台の水質計測手段5で検出できる。また希釈水が基準値以上を検出したら制御手段5により取込み手段3を閉じて、基準値以上の希釈水を再び下流に排水することなく、貯留施設2に留ることができるので、前述の効果を達成することが出来る。
【0042】
更に、下水道管路1内及び貯留設備2内に水質を計測する水質計測手段5,5Aを夫々設置し、水質計測手段5からの下水道管路内の水質値より、貯留水質計測手段5Aにより貯留施設2における貯留水の水質値の方が基準値以下を検出した場合には、制御手段4により、返送手段8からの貯留水の流量を下水の水質値が基準値以下になるように制御して希釈水として放出すれば、資源を有効に利用することが出来る。
(実施例4)
図6に図4に類似する実施例を示す。本実施例では貯留水排出口9が水質計測手段5の下流に設けてある。また、貯留水排出口9の下流に水質計測手段51を設け、水質計測手段51の水質情報は、制御手段4に送信される。水質計測手段51は水質計測手段5と同じ計測器にすることが望ましい。
【0043】
本実施例では悪質下水と下水の混合水の水質を水質計測手段51によって監視する。制御手段4は混合水の水質が予め設定した基準値内に収まるように返送手段8を制御し、悪質下水の流通を防止できる。本実施例のフローは図5に示した水質情報Aを水質計測手段51から受取ることで同様の機能を実行できる。
(実施例5)
図7の実施例では、貯留施設2内に薬剤を供給するための薬剤供給手段20が設けてある。薬剤供給手段20は制御手段4からの信号により制御される。貯留施設2内には貯留水の水質を計測する貯留水質計測手段21が設けてある。貯留水質計測手段21の水質情報は制御手段4に伝えられる。貯留水質計測手段21は水質計測手段5と同様の計測器を用いるのが望ましい。また、必要に応じて貯留施設2内を攪拌する手段を設けてもよい。
【0044】
制御手段4は水質計測手段5からの水質情報を元に、下水の水質が予め設定した上限値以上、または下限値以下になった場合、取込み手段3を制御し、下水を貯留設備2に貯留する。次に、制御手段4は薬剤供給手段20で薬剤を注入する。制御手段4は貯留水質計測手段21の水質情報が予め設定した下限値と上限値との範囲内になった場合、薬剤供給手段20の薬剤供給を停止する。次に、制御手段4は返送手段8を起動し、貯留施設2内の貯留水を下水道管路1に返送する。
【0045】
本発明によると、悪質下水を一時的に貯留施設2に貯留し、悪質下水を貯留施設2内で薬剤による処理を実施後、下水道管路1に返送でき、悪質下水の流下による下水道設備の損傷や機能の低下といった被害を防止できる。また、降雨時以外に活用されていなかった雨水貯留施設を有効に利用できる。
【0046】
更に、悪質下水を貯留施設2内で薬剤による処理後、悪質下水が基準値以下になれば、基準値以下の下水は下水道管路1を流れる基準値以上の下水を希釈する希釈水として再利用することができる。更に、薬剤供給手段20から投下された薬剤は貯留施設2と取込み手段3との間を連通する連絡管2A内の下水と一緒に流通するようにすれば、薬剤は下水により良く撹拌されるので、攪拌する手段を設けることなく、薬剤量を減少することができる。
(実施例6)
図8に実施例1から実施例5に用いた水質計測手段5の洗浄方法を示す。地面81Aに雨水採取口81が設けられている。雨水採取口81はフィルタなどを介して雨水を採取する。採取された雨水は雨水タンク82に貯められる。洗浄手段83は雨水タンク82内の雨水を用いて水質計測手段5を洗浄する。雨水タンク82の雨水量の情報は洗浄手段制御装置84に伝えられる。洗浄手段制御装置84は洗浄手段83を制御する。
【0047】
水質計測手段5は長期間安定して計測することが望まれている。そのためには、定期的な洗浄が有効である。しかし、下水道管路内では、洗浄に適する水を確保することが困難である。
【0048】
そこで、本発明では地表に降った雨水を用いて水質計測手段5を定期的に洗浄する。本発明により、実施例1から実施例5に用いた水質計測手段5が定期的に洗浄でき、悪質下水を検知する機能を維持できる。
(実施例7)
図9に本発明のフローチャートを示す。
【0049】
まず、下水採取分析工程91では、悪質下水検知時に下水道管路内の下水を採取する。水質計測手段とともに採取器を設置するとよい。採取した下水は、水質計測手段よりも多くの項目について分析するとよい。
【0050】
次に、悪質下水原因物質特定工程92では、下水採取分析工程91で得られた水質情報と、悪質下水が検知されていない下水の水質情報と比較し、悪質下水の原因物質を推定する。
【0051】
次に、発生源推定手段である発生源特定工程93では、データベース94から、悪質下水の検出地点の上流にある事業所の、1)水質汚濁防止法の特定事業所情報、2)PRTR情報などを参照し、悪質下水原因物質特定工程92で推定した原因物質と同様の物質を排出する恐れのある事業所を抽出する。
【0052】
また、水質計測手段の上流に採水器を複数設け、悪質下水の発生時に採水することで、悪質下水の発生源の範囲を限定でき、悪質下水の発生源の推定精度を向上することが出来る。
【0053】
このように本発明では、悪質下水の発生源を推定できるため、発生源に対する指導及び是正措置を講じることで、悪質下水の再発を防止でき、悪質下水の流下による下水道設備の損傷や機能の低下といった被害を防止できる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、悪質下水発生時に雨水貯留施設を有効に活用し、悪質下水が及ぼす下水道設備への負荷を低減する運用方法及び運用装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である下水道施設の運用装置を示す図である。
【図2】本発明の他の実施例による下水道施設の運用装置を示す図である。
【図3】図2の運転制御における工程を示したフロー図である。
【図4】本発明の他の実施例による下水道施設の運用装置を示す図である。
【図5】図4の運転制御における工程を示したフロー図である。
【図6】本発明の他の実施例による下水道施設の運用装置を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例による下水道施設の運用装置を示す図である。
【図8】本発明の洗浄機能を設けた下水道施設の運用装置を示す図である。
【図9】本発明の発生源を特定する工程を示したフロー図である。
【符号の説明】
1…下水道管路、11,12,13,14…下水道管路、2…貯留施設、3…取込み手段、4…制御手段、5…水質計測手段、6…ポンプ場、8…返送手段、9…貯留水排出手段、20…薬剤供給手段、21…貯留水質計測手段、51…水質計測手段、71…流量計測手段、72…流量計測手段、73…流量計測手段、74…流量計測手段、81…雨水採取口、82…雨水タンク、83…洗浄手段、84…洗浄手段制御装置、91…下水採取分析工程、92…悪質下水原因物質特定工程、93…発生源推定工程、94…データベース。

Claims (6)

  1. 下水道管路と、前記下水道管路に流れる下水を貯留する貯留設備と、前記下水道管路の途中に設置された前記貯留設備に下水を取込む取込み手段とを備えた下水道設備の運用装置において、前記取込み手段よりも上流側の前記下水道管路を流れる下水の水質を計測する水質計測手段と、前記貯留設備に貯留されている貯留水を前記水質計測手段よりも上流側の前記下水道管路に返送する返送手段と、前記取込み手段および前記返送手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は前記水質計測手段からの水質値が基準値以上の悪質下水になっていることを検出すると前記取込み手段を開放して下水を前記貯留設備に貯える指示を出し、前記下水道管路を流れる悪質下水が終息すると前記貯留設備内の貯留水を前記下水道管路に返送する指示を出し、且つ、前記水質計測手段による水質計測値が基準値以下を維持するように前記返送手段により返送される貯留水の流量を制御することを特徴とする下水道設備の運用装置。
  2. 下水道管路と、前記下水道管路に流れる下水を貯留する貯留設備と、前記下水道管路の途中に設置された前記貯留設備に下水を取込む取込み手段とを備えた下水道設備の運用装置において、前記取込み手段よりも下流側の前記下水道管路に前記貯留設備に貯留された貯留水を返送する返送手段と、前記取込み手段よりも上流側の前記下水道管路を流れる下水の水質を計測する水質計測手段と、前記貯留設備の貯留水が前記下水道管路に返送された後の混合水の水質を計測する水質計測手段と、前記取込み手段および前記返送手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は前記取込み手段よりも上流側の前記水質計測手段による水質値が基準値以上の悪質下水になっていることを検出すると前記取込み手段を開放して下水を前記貯留設備に貯える指示を出し、前記下水道管路を流れる悪質下水が終息すると前記貯留設備に貯留されている貯留水を返送する指示を出し、且つ、返送された貯留水が前記下水道管路を流れる下水と合流する地点よりも下流にある前記水質計測手段の水質値が基準値以下を維持するように前記返送手段から返送される貯留水の流量を制御することを特徴とする下水道設備の運用装置。
  3. 下水道管路と、前記下水道管路に流れる下水を貯留する貯留設備と、前記下水道管路の途中に設置された前記貯留設備に下水を取込む取込み手段とを備えた下水道設備の運用装置において、前記取込み手段よりも下流側の前記下水道管路に前記貯留設備に貯留された貯留水を返送する返送手段と、前記取込み手段よりも上流側の前記下水道管路を流れる下水の水質を計測する水質計測手段と、前記貯留設備の貯留水の水質を計測する貯留水質計測手段と、前記貯留設備の貯留水に薬剤を供給する薬剤供給手段と、前記取込み手段と前記薬剤供給手段および前記返送手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は前記取込み手段よりも上流側の前記水質計測手段による水質値が基準値以上になっていることを検出すると前記取込み手段を開放して下水を前記貯留設備に貯える指示と前記薬剤供給手段により薬剤を供給する指示を出し、前記貯留水質計測手段の水質値が基準値以下になった場合に前記薬剤供給手段による薬剤供給を停止する指示と前記返送手段を起動して前記貯留設備に貯留されている貯留水を前記下水道管路に返送する指示を出すことを特徴とする下水道設備の運用装置。
  4. 前記下水道管路の途中に複数本の下水道管路が連通し、これらの下水道管路を合わせた全下水道管路の水質値が基準値以下であるときには、制御手段により取込み手段を作動しないようにすることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の下水道設備の運用装置。
  5. 前記取込み手段よりも上流側に設置される前記水質計測手段としてpH計、伝導度計、油膜検知器、毒物センサー、温度計の少なくとも一台以上を備えることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の下水道設備の運用装置。
  6. 地表の雨水を採取する雨水採取口と、前記雨水採取口からの雨水を貯める雨水タンクと、前記雨水タンクの雨水を用いて前記取込み手段よりも上流側の前記水質計測手段を洗浄する洗浄手段と、前記洗浄手段を制御する洗浄手段制御装置とを設けたことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の下水道設備の運用装置。
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