JP3875128B2 - 表示装置および表示方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL(Electro Luminescence)素子やFED(Field Emission Device)素子等の電気光学素子をマトリックス状に配置して構成される表示装置および表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、前記有機EL素子やFED素子等の自発光デバイスを用いた薄型表示装置の開発が活発に行われている。これら自発光デバイスでは、素子の発光輝度が素子を流れる電流密度に比例することが知られている。そして、有機EL素子をアクティブ素子で駆動する場合、階調表示を実現する手法は、アナログ階調制御とデジタル階調制御とに大別することができる。
【0003】
アナログ階調制御は、有機EL素子を流れる電流値を制御する方法である。しかし、このアクティブ素子は閾値や移動度などの素子特性がバラツキ易いので、このバラツキを克服してアナログ階調を得る手段が各種考案されている。
【0004】
一方、デジタル階調制御は、画素分割階調と時間分割階調とに区分することができ、画素分割階調は1つの画素を複数の有機EL素子で構成し、各有機EL素子を選択的にon/off駆動することで階調表示を行う方法であり、時間分割階調は有機EL素子を流れる電流の時間を制御する方法である。前記画素分割階調は、前記のように1つの画素を複数の有機EL素子で構成するので、高精細な用途には適さない。このため、PDP(Plasma Display Panel)等では、デジタル階調制御として時間分割階調が用いられている。
【0005】
そこで、時間分割階調の駆動方法として、特開昭63−226178号公報の駆動方法を使用する例を図15に示す。同図は、その先行技術での駆動方法を示す図である。この図15の例では、マトリクス型ディスプレイの走査信号線はG1〜G15の15本で1つの単位と想定されており、各走査信号線G1〜G15の選択状態を、図15(3)〜(17)でそれぞれ示している。そして、各画素で16階調(4bit)の階調表示を実現しており、各bitの重み1:2:4:8に比例した時間だけ、各画素は対応した2値表示を行う。図15(1)は単位時間を示し、1フレーム期間Tfは15の単位時間から構成されている。図15(2)は、前記bitの重みを示す。
【0006】
各画素は表示状態を保持するメモリ素子を備えており、図15(3)〜(17)において、斜線は走査信号線によって選択されていることを表し、次の斜線まで、その状態を保持する。こうして、各bitの表示期間の比率が、前記1:2:4:8となる。
【0007】
しかしながら、共通のデータ信号線を用いて、異なる走査信号線にそれぞれ対応した複数の各画素へ異なるデータを同時に書込むことは不可能なので、この特開昭63−226178号では、図16(2)に部分時間として示すように、図15(1)の各単位時間を、さらにbitの数4で分割し、その各単位時間の第1の部分時間では1bit目の書込みを行い、第2の部分時間では2bit目の書込みを行い、第3の部分時間では3bit目の書込みを行い、第4の部分時間では4bit目の書込みを行うことで、図15で示すような時間分割の階調制御を可能にしている。なお、図16(1)の単位時間は図15(1)に、図16(3)のビットの重みは図15(2)に、図16(4)〜(18)の選択状態は図15(3)〜(17)に、それぞれ対応している。また、図16(19)は、部分時間の通算の表示である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特開昭63−226178号公報に記載されている時間分割階調の駆動方法では、図16に示すように、実際の部分表示期間の通算は1:2:4:8の比率ではなく、5:9:13:29となっている。すなわち、実際の部分表示期間は、各bitの重み1:2:4:8に比例した時間にはなっていない。このように、上記公報に記載の駆動方法は表示期間の比率を厳密に調整して、各bitの重みに対応した比率とすることが困難であるという問題点がある。
【0009】
また、図16の(19)の通算時間01〜05に示すように、走査信号線G1を選択した後、走査信号線G15、G13、G9、G2を順に選択することとなる。すなわち、走査信号線を連続的に選択するのではなく、離散的な選択を行うので、上記した問題点に加えて、外部から入力される同期信号に応答して、各走査信号線に選択信号を出力するコントロール回路(走査コントローラ)の制御が複雑になるという問題点もある。
【0010】
本発明の目的は、各ビットの表示期間とビットの重みとを厳密に一致させることができるとともに、コントロール回路の制御を容易に行うことができる表示装置および表示方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の表示装置は、相互に交差する複数の第1および第2の信号線で区画された各領域に電気光学素子を備え、その電気光学素子が、それぞれ対応する第1のアクティブ素子によって、前記第1の信号線で選択されている間に、第2の信号線に出力される信号レベルに対応した表示を行うように駆動される表示装置において、前記電気光学素子に対応して配置される複数個の第2のアクティブ素子と、前記複数個の第2のアクティブ素子によって取込まれた信号レベルをそれぞれ保持する複数個の画素メモリと、前記第1のアクティブ素子によって取込まれた信号レベルを保持する電位保持手段と、前記複数個の第2のアクティブ素子をそれぞれ選択駆動する複数本のビット選択線とを備えており、前記第1の信号線が選択状態で、前記第1のアクティブ素子を介して前記電位保持手段に表示信号レベルが設定されるとともに、前記第2のアクティブ素子が選択駆動されることで前記画素メモリにもその表示信号レベルが設定され、前記第1の信号線の非選択状態で、前記第2のアクティブ素子が選択駆動されて、前記電気光学素子の表示信号レベルが前記画素メモリに対応した表示信号レベルに切換えられることを特徴とする。
【0012】
なお、前記画素メモリR1,R2の表示信号レベルは、前記第1のアクティブ素子Q1および第2のアクティブ素子Q2とを介して設定される場合と、新たな第6のアクティブ素子を介して設定される場合とがある。
【0013】
前者の構成によれば、第1の信号線Gの走査によって表示が行われるとともに、ビット選択線Sa,Sbを選択することで、そのビット選択線Sa,Sbに対応する画素メモリR1,R2に表示信号レベルを書込んでおくことができる。そして、第1の信号線Gの非選択状態でビット選択線Sa,Sbを選択することで、前記画素メモリR1,R2から表示信号レベルを読出すことができる。
【0014】
また、後者の構成によれば、第6のアクティブ素子が選択されている間に画素メモリR1,R2に表示信号レベルを書込んでおくことができる。そして、第1の信号線Gの非選択状態でビット選択線Sa,Sbを選択することで、前記画素メモリR1,R2から表示信号レベルを読出すことができる。
【0015】
したがって、第1の信号線Gを順に走査してゆく1走査期間内で、下位のビットのデータを表示して残った時間を上位のビットのデータ表示に用いることができる。このため、各ビットの表示期間と各ビットの重みとを厳密に一致させることができる。例えば、4bitのデータ表示を行う場合に、各ビットの表示期間を各ビットの重みに対応する1:2:4:8に厳密に一致させることが可能となる。また、各ビットの選択期間を隣り合う走査信号線Gで連続させることができるので、外部から入力される同期信号に応答して、各走査信号線Gに選択信号を出力するコントロール回路(走査コントローラ)の制御が容易となる。
【0016】
また、本発明の表示装置は、相互に交差する複数の第1および第2の信号線で区画された各領域に電気光学素子を備え、その電気光学素子が、それぞれ対応する第1のアクティブ素子によって、前記第1の信号線で選択されている間に、第2の信号線に出力される信号レベルに対応した表示を行うように駆動され、前記電気光学素子に対応して配置される1または複数の第2のアクティブ素子と、前記第2のアクティブ素子によって取込まれた信号レベルを保持する画素メモリと、前記第1のアクティブ素子によって取込まれた信号レベルを保持する電位保持手段と、前記第2のアクティブ素子を選択駆動するビット選択線とを備えており、前記第1の信号線が選択状態で、第1のアクティブ素子を介して前記電位保持手段に表示信号レベルが設定されるとともに、前記第2のアクティブ素子が選択駆動されることで前記画素メモリにもその表示信号レベルが設定され、前記第1の信号線の非選択状態で、前記第2のアクティブ素子が選択駆動されて、前記電気光学素子の表示信号レベルが前記画素メモリに対応した表示信号レベルに切換えられる表示装置において、前記電位保持手段に関連して、前記第1の信号線とは択一的に選択出力が導出される第3の信号線からの選択出力に応答し、前記第2の信号線とは独立した信号レベルを前記電位保持手段に与える第3のアクティブ素子をさらに備え、前記第1のアクティブ素子によって表示信号レベルが設定され、前記第3のアクティブ素子によって消去信号レベルが設定されることを特徴とする。
【0017】
上記の構成によれば、第1の信号線Gの走査により表示が開始された後、その走査が総ての第1の信号線Gについて終了する以前に、第3の信号線Sの走査によって、前記表示を消去してゆくことができる。すなわち、単位表示時間を、走査期間よりも短くすることができる。
【0018】
したがって、デジタル階調制御を行うにあたって、下位のビットのデータにも、そのビットの重みに対応した短時間の表示を正確に行わせることができ、ビット数の多い細かな階調制御を行うことができる。
【0019】
さらにまた、本発明の表示装置では、前記電位保持手段は、コンデンサによって構成されており、前記コンデンサと前記第2のアクティブ素子との間に第4のアクティブ素子を配置したことを特徴とする。
【0020】
上記の構成によれば、第1の信号線Gの非選択状態で、第2のアクティブ素子Q10が選択駆動されたとき、前記第4のアクティブ素子Q4を非選択駆動することで、画素メモリR1,R2に保持される表示信号レベルが前記コンデンサC1の影響によって不必要に書変わってしまうことを防止することができる。
【0021】
したがって、コンデンサC1の容量を大きくすることができるので、時間経過に伴う該コンデンサC1の電位変化を少なくでき、好適である。
【0022】
また、本発明の表示装置は、前記画素メモリの入出力端子間に第5のアクティブ素子が配置され、前記第5のアクティブ素子が非選択駆動されている間に、前記画素メモリの表示信号レベルが設定され、前記電位保持手段に表示信号レベルを設定する動作と、前記電気光学素子の表示信号レベルを、前記画素メモリに対応した表示信号レベルに切換える動作とが、1フレーム期間内に行われることを特徴とする。
【0023】
上記の構成によれば、画素メモリR1,R2として主に2つのインバータ回路INV1,INV2の入出力端子間が相互に接続されたスタティックメモリの構成を想定すると、第1のインバータ回路INV1の入力端子と第2のインバータ回路INV2の出力端子とが直接接続される場合、第1のインバータ回路INV1の入力に第2のインバータ回路INV2の出力が影響するので、第2のインバータ回路INV2の出力があっても、第1のインバータ回路INV1の入力端子に前記第2の信号線Dの信号が正しく入力されるように第2のインバータ回路INV2の出力インピーダンスを調整しなければならないのに対して、第1のインバータ回路INV1の入力端子と第2のインバータ回路INV2の出力端子との間に第5のアクティブ素子Q5を配置することで、前記第1のインバータ回路INV1の入力端子に前記第2の信号線Dの信号を入力するにあたって、該第5のアクティブ素子Q5を非選択状態とすることで、前記第2のインバータ回路INV2の出力が第1のインバータ回路INV1の入力端子に印加されることを防止し、画素メモリR1,R2の表示信号レベルを設定することができる。
【0024】
また、前記第1の信号線Gが非選択状態で、前記第5のアクティブ素子Q5を選択状態とすることで、前記画素メモリR1,R2の出力を入力端子へ印加してスタティックメモリ回路を構成し、前記画素メモリR1,R2の表示信号レベルが保持される。
【0025】
さらにまた、本発明の表示装置では、前記画素メモリには、前記電気光学素子へ負荷電流を供給する第1の電源線から電源を供給することを特徴とする。
【0026】
上記の構成によれば、第1のアクティブ素子Q1が選択されている間に、第1の電源線Eの電位を前記負荷電流が流れない電位、たとえばGND電位とすることで、表示を行うことなく、電位保持手段C1や画素メモリR1,R2への信号レベルの書込みのみを行うことができる。また、電位保持手段C1や画素メモリR1,R2に記憶されたデータに基づく電気光学素子Pの表示期間を、第1のアクティブ素子Q1の走査期間とは独立に制御可能となり、表示期間で時間分割階調表示を実現することもできる。
【0027】
本発明の表示方法は、相互に交差する複数の第1および第2の信号線で区画された各領域に電気光学素子を備え、その電気光学素子が、それぞれ対応する第1のアクティブ素子によって、前記第1の信号線で選択されている間に、第2の信号線に出力される信号レベルに対応した表示を行い、前記第1の信号線が選択状態である間に、第1のアクティブ素子を介して電位保持手段に表示信号レベルが設定されるとともに、前記第2のアクティブ素子が選択駆動されて、前記画素メモリにその表示信号レベルが設定される表示信号レベル設定ステップと、前記第1の信号線が非選択状態である間に、前記第2のアクティブ素子が選択駆動されて、前記電気光学素子の表示信号レベルが前記画素メモリに対応した表示信号レベルに切換えられる表示信号切換ステップとを含む表示方法において、ビット走査期間において、前記第1の信号線が選択状態である間に、前記表示信号レベルのデータを表示した後、前記複数の第1信号線の何れも選択されていない状態で、前記電気光学素子の表示信号レベルが前記画素メモリに対応した表示信号レベルに切換えられることを特徴とする表示方法。
【0028】
上記の構成によれば、上記説明した本発明の表示装置と同様に、各ビットの表示期間とビットの重みとを厳密に一致させることができる。また、各ビットの選択期間を隣り合う走査信号線で連続させることができるので、コントロール回路の制御が容易となる。
さらにまた、本発明の表示装置では、前記複数個の画素メモリが、ダイナミックメモリによって構成されていることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の第1の形態について、図1および図2に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0030】
図1は、本発明の実施の第1の形態の表示装置における素子回路Abの電気回路図である。この素子回路Abは、有機ELディスプレイの素子回路であり、図1では、マトリクス状に配列される各素子回路の内、任意の1つを示している。この素子回路Abは、画素の等価回路であり、相互に交差する複数の第1および第2の信号線G,D(この図1では、1つの素子回路に対応したそれぞれ1本しか図示せず)で区画された各領域に形成されており、走査信号線Gで選択されている間に、対応するデータ信号線Dからデータ信号を取込むn型のTFTQ1と、前記TFTQ1で取込まれたデータ信号を保持するコンデンサC1と、有機EL素子Pと、前記コンデンサC1の充電電圧に対応して、電源線Eから有機EL素子Pに流れる電流を制御するp型のTFTQ2と、複数(図1の例では2つ)の画素メモリR1,R2とを備えて構成される。
【0031】
前記電気光学素子Pは、それぞれ対応する第1のアクティブ素子Q1によって、前記第1の信号線Gで選択されている間に、第2の信号線Dに出力される信号レベルに対応した表示を行うように駆動される。また、前記画素メモリR1,R2の記憶内容が、対応したビット選択線Sa,Sbの選択によって電位保持手段であるコンデンサC1にセットされることで、該コンデンサC1の保持する信号レベルに対応した表示を行う。なお、前記ビット選択線Sa,Sb等は図示しないコントローラにより制御される。前記ビット選択線Sa,Sbは、有機ELパネル上で、前記素子回路Abを貫くように、前記走査信号線Gと平行に配設されている。
【0032】
前記画素メモリR1,R2は、相互に等しく構成され、前記データ信号の書込み/読出しを制御する第2のアクティブ素子であるn型のTFTQ10と、p型のTFTQ11およびn型のTFTQ12から成る1段目のCMOSインバータINV1と、p型のTFTQ13およびn型のTFTQ14から成る2段目のCMOSインバータINV2とを備えて構成される。CMOSインバータINV1,INV2の電源電圧は、前記電源線Eと接地電位との間の電圧となり、1段目のCMOSインバータINV1の出力が2段目のCMOSインバータINV2の入力に与えられ、該2段目のCMOSインバータINV2の出力が1段目のCMOSインバータINV1の入力に帰還されて、自己保持、すなわちメモリ動作が行われる。画素メモリR1,R2のゲートには、それぞれ前記ビット選択線Sa,Sbが接続されている。
【0033】
前記2段目のCMOSインバータINV2の出力インピーダンスは、前記データ信号線Dと、TFTQ1と、TFTQ10との出力インピーダンスを合計した値よりも大きく選ばれる。このように設定することで、1段目のCMOSインバータINV1の入力に2段目のCMOSインバータINV2の出力が印加されていても、前記1段目のCMOSインバータINV1の入力に、前記データ信号線Dの電位を正しく入力することができる。
【0034】
したがって、前記走査信号線Gが選択されると、第1のアクティブ素子であるTFTQ1が導通して、データ信号線DからコンデンサC1にデータ信号が書込まれる。この状態で、ビット選択線Sa,Sbが選択されてTFTQ10が導通すると、画素メモリR1,R2へも、前記データ信号線Dからのデータ信号が書込まれる。
【0035】
そして、走査信号線Gが非選択、すなわちTFTQ1が遮断している状態で、ビット選択線Sa,Sbが選択されてTFTQ10が導通すると、画素メモリR1,R2から前記データ信号が読出され、コンデンサC1にセットされる。また、ビット選択線Sa,Sbが非選択、すなわちTFTQ10が遮断している状態で、走査信号線Gが選択され、すなわちTFTQ1が導通すると、前記画素メモリR1,R2にデータ信号が書込まれることなく、コンデンサC1にだけセットされる。
【0036】
なお、画素メモリR1,R2から読出したデータ信号をコンデンサC1にセットするためには、コンデンサC1に貯えられていた電荷によって、逆に画素メモリR1,R2の記憶内容が書換えられてしまわないように、コンデンサC1の容量は、制御すべき最長の時間に亘ってTFTQ2を制御することができる範囲で、可能な限り小さな値に設定することが望ましい。
【0037】
また、前記画素メモリR1,R2に表示信号レベルを設定するにあたって、前記TFTQ1,Q2を用いるのではなく、各画素メモリR1,R2の2段目のCMOSインバータINV2の入力(=1段目のCMOSインバータINV1の出力)と前記データ信号線Dとの間に、新たな第6のアクティブ素子を用いるようにしてもよい。これによって、前記TFTQ1,Q2が共に非選択状態でも、前記画素メモリR1,R2に表示信号レベルを設定することができる。
【0038】
図2は、上述のように構成される有機ELディスプレイを用いた本発明の表示方法である時間分割階調での駆動方法(表示方法)の一例を示す図である。この図2においては、有機ELパネルの走査信号線はG1〜G15の15本で1つの単位と想定されており、各走査信号線G1〜G15の選択状態を、図2(7)〜(21)で示している。図2(1)は単位時間表示であり、図2(22)は通算の時間表示(単位時間数)である。図2(3)はbit4のデータの通算表示時間を示し、図2(5)はbit3のデータの通算表示時間を示す。図2(6)は、ビットの重みを示す。
【0039】
注目すべきは、図2(2)に示す前記ビット選択線Sa1(前記走査信号線G1〜G15に対応してSa1〜Sa15を記載すべきところ、図面の簡略化のためにSa1のみとしている。以下のビット選択線Sbについても同様。)の選択走査および図2(4)に示す前記ビット選択線Sb1の選択走査である。各ビット選択線Sa,Sbは、特に記載しない限り、非選択状態であり、前記図2(2),(4)では、ハイレベルHが選択状態を表す。画素メモリR1,R2には、bit4のデータおよびbit3のデータがそれぞれ記憶されるものとする。各走査期間Ts1〜Ts4は、15単位時間で構成される。
【0040】
表示期間Taの最初の走査期間Ts1において、走査信号線G1〜G15が順に選択されてbit4のデータを表示させながら、ビット選択線Saが選択されて該bit4のデータが画素メモリR1に書込まれてゆく。走査信号線G1〜G15の選択を終了するまで、したがって15単位時間に亘って、該bit4のデータが表示される。
【0041】
走査期間Ts1が終了すると、連続して次の走査期間Ts2に入り、表示をbit4に対応したデータからbit3のデータヘ切換えながら、ビット選択線Sbが選択されて該bit3のデータが画素メモリR2に書込まれてゆく。そして、この走査期間Ts2で該bit3のデータを9単位時間に亘って表示した後、走査信号線G1〜G15が選択されていない状態で、その選択を追いかけるように、ビット選択線Saが選択されてbit4のデータが画素メモリR1から読出され、残りの6単位時間に亘って表示される。これによって、bit4のデータの通算表示時間は21単位時間となる。
【0042】
こうして走査期間Ts2を終了すると、走査期間Ts3では、表示をbit4に対応したデータからbit2のデータヘ切換え、8単位時間に亘って表示した後、走査信号線G1〜G15が選択されていない状態で、その選択を追いかけるように、ビット選択線Sbが選択されてbit3のデータが画素メモリR2から読出され、残りの7単位時間に亘って表示される。これによって、bit3のデータの通算表示時間は16単位時間となる。
【0043】
走査期間Ts4では、表示をbit3に対応したデータからbit1のデータヘ切換え、4単位時間に亘って表示した後、ビット選択線Saが選択されてbit4のデータが画素メモリR1から再び読出され、残りの11単位時間に亘って表示される。これによって、bit4のデータの通算表示時間は32単位時間となり、各bitの表示期間の比率が、厳密に前記1:2:4:8となる。
【0044】
このように画素メモリR1,R2を用い、走査信号線Gで選択されていないときに、ビット選択線Sa,Sbを選択することで、任意のタイミングで上位のビットのデータを読出し、表示を行うことができる。これによって、下位のビットのデータでの表示が終了すると、そのビットの走査期間Ts内での残りの時間を上位のビットのデータの表示に用いることができる。このため、複数の各ビットに対して等間隔の走査期間を設定しても、表示期間Taの中で走査してない期間や発光に使われていない時間を短縮することができる新規な時間分割階調表示(表示方法)を実現することができる。なお、図2に示した時間分割階調表示においては、発光期間Td=表示期間Ta=フレーム期間Tfとなっている。
【0045】
このように本発明の表示方法では、前述の特開昭63−226178号の時間分割階調表示方法と比べて、各ビットの表示期間が厳密に各ビットの重みになるという効果と、走査を1ライン毎に順番に行うので、制御が楽になるという効果を得ることができる。
【0046】
なお、本駆動方法では、
発光に使用される時間=時間分割階調表示に必要な走査時間 …(1)
となるように走査信号線Gの数を15本と設定している。この式1を満足する条件を、4bit階調表示について調ベた結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
表1において、(a)はbit数、(b)は走査信号線数、(c)は走査信号線数×bit数=時間分割階調表示に必要な走査時間、(d)は1階調当りの表示期間、(e)は発光に使用される階調表示期間である。(f)は判定であり、「▲」とあるのは走査信号線数×bit数>時間分割階調表示となって本構成では階調表示ができない場合であり、「△」とあるのは走査を不連続にすれば4bit階調表示が可能な場合であり、「○」とあるのが上記式1を満たし、階調表示可能な場合である。
【0049】
また、(f)で「△」とあり、階調表示は可能であるが、走査を不連続としない限り表示階調数が制限される場合に、走査を連続にして表示可能な階調数を(g)に示している。さらにまた、(h)は必要な画素メモリの素子数であり、「○」の数だけ電位保持手段が必要であることを表す。なお、この表1に示したのは、必要メモリ数が2以下の場合だけである。
【0050】
一方、表2には、同様に2bitの階調表示の場合での実現可能性の判定結果を示し、(a)〜(h)の内容は、それぞれ表1に対応している。
【0051】
【表2】
【0052】
この表2から、走査信号線数が3の倍数本のとき、前記式1を満たすことが理解される。なお、この表1に示したのは、必要メモリ数が1の場合だけである。
【0053】
また、表3には、同様に3bitの階調表示の場合での実現可能性の判定結果を示し、(a)〜(h)の内容は、それぞれ前記の表1および表2に対応している。
【0054】
【表3】
【0055】
この表3から、走査信号線数が7の倍数本のとき、前記式1を満たすことが理解される。なお、表3に示したのは、必要メモリ数が1の場合だけである。
【0056】
本発明の実施の第2の形態について、図3〜図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0057】
図3は、本発明の実施の第2の形態の有機ELディスプレイにおける素子回路Acの電気回路図である。この素子回路Acは、前述の図1で示す素子回路Abに類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この素子回路Acでは、1つの画素メモリR1を備えるとともに、コンデンサC1(および画素メモリR1)を初期化電位に接続することで、記憶されたデータを消去する第3のアクティブ素子であるTFTQ3が設けられていることである。また、そのTFTQ3を駆動するために、前記走査信号線Gと平行に、走査信号線Sが設けられている。
【0058】
このような素子回路Acを用いた駆動方法(表示方法)は、図4に示すようになる。図4(1)は走査期間Tsを8等分した部分時間を示し、図4(3)はbit4のデータの通算表示時間を示し、図4(5)はビットの重みを示し、図4(22)は通算の表示時間を示す。図4(2)にはビット選択線Sa1の選択走査を示し、図4(4)は走査信号線S1の選択走査を示す。一方、この例では走査信号線はG1〜G16の16本で1つの単位と想定されており、図4(6)〜(21)はそれぞれの選択状態を示す。
【0059】
表示期間Taの最初の走査期間Ts1にbit4のデータを表示させながら、TFTQ10を介してそのデータを画素メモリR1に記憶させておく。走査信号線G1〜G16まで選択を終了すると、連続して次の走査期間Ts2に入り、表示をbit4に対応したデータからbit3に対応したデータに切換える。このとき、走査期間Tsをbit3に対応したデータの表示期間より大き目に設定し、前述のようにbit3に対応したデータの表示期間が終了すると、その走査を追いかけるように、表示させるべきデータを、bit4に対応したデータに切換える走査を行ってもよい。しかしながら、この図4の例では、走査期間Ts=bit3に対応したデータ表示期間となっているので、そのような走査は挿入されていない。
【0060】
bit3に対応したデータを表示させる走査を走査信号線G1〜G16まで終了すると、連続して次の走査期間Ts3に入り、表示をbit2に対応したデータに切換える。この走査を追いかけるように、4部分時間後からビット選択線Saの選択走査を開始し、TFTQ10を介して前記画素メモリR1からデータを読出して、再びbit4に対応したデータの表示を行う。bit2に対応したデータをコンデンサC1に保持させる走査を走査信号線G1〜G16まで終了したら、連続して次の走査期間Ts4に入り、表示をbit1に対応したデータに切換える。この走査を追いかけるように、2部分時間後に、画素メモリR1からデータを読出して、再びbit4に対応したデータの表示を行う。この最後のbit4のデータに対応した表示までに、8+4=12部分時間だけ表示しているので、この走査を追いかけるように、4部分時間後に走査信号線Sを選択走査し、コンデンサC1のデータを消去して、ブランク表示を行う。
【0061】
このように、図3の回路構成では、最後の走査期間Ts4において、bit4に対応したデータの表示(=総てのデータの表示)を終了した後、余分な時間が残されていると、その時点で、走査信号線G1〜G16やビット選択線Saとは独立した走査を行うことができる。これによって、前述の実施の形態では、nbit分の発光に使用される時間=nbit分の走査に必要な時間でないと、余分な走査時間が必要であったり、表示階調数が減ってしまう等の不具合があるのに対して、本実施の形態では、走査信号線Sの選択走査によって消去走査を行うことで、そのような不具合を解消することができる。
【0062】
なお、図4では走査信号線数を16本としたけれども、これは、
走査信号線数≧bit3の表示期間 …(2)
発光に使用される時間
≧走査信号線数×(bit数4−1)+bit1の表示期間 …(3)
時間分割階調表示に必要な走査時間≧発光に使用される時間 …(4)
の各条件を満たす走査信号線数から選ばれている。これらの式2〜4を満たす条件を、4bit階調表示について調べた結果を表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】
表4において、(a)はbit数、(b)は走査信号線数、(c)は走査信号線数×bit数=時間分割階調表示に必要な走査時間、(d)は1階調当りの表示期間、(e)はbit3の表示期間、(f)は走査信号線数×(bit数4−1)+bit1の表示期間、(g)は発光に使用される階調表示期間である。(h)は判定であり、「▲」とあるのは4bit階調で表示可能であるけれども発光期間が不連続となる場合であり、「△」とあるのは4bit階調で表示可能で、かつ発光期間が連続となる場合であり、「○」とあるのが上記式2〜4を満足する場合である。
【0065】
表4から、走査信号線数が4,8,9,12,13,14,16本(以下続くが省略)の場合に、上記式2〜4を満足することが理解される。前記図4では、走査信号線はG1〜G16の16本で、4bit階調表示であり、実線で示すように表示走査が連続的に行われており、この表4の結果に合致している。
【0066】
一方、表5には、同様に2bitの階調表示の場合での実現可能性の判定結果を示し、(a)〜(h)の内容は、それぞれ表4に対応している。
【0067】
【表5】
【0068】
この表5から、走査信号線数が2,3,4,5,6(以下続くが省略)の場合に、前記式2〜4を満足することが理解される。
【0069】
また、表6には、同様に3bitの階調表示の場合での実現可能性の判定結果を示し、(a)〜(h)の内容は、それぞれ前記の表4および表5に対応している。
【0070】
【表6】
【0071】
この表6から、走査信号線数が3,5,6,7,8,9,10(以下続くが省略)の場合に、前記式2〜4を満足することが理解される。
【0072】
なお、図5に、前記表4における発光が不連続となる場合の駆動方法の一例を示す。この図5の例は、前記表4(h)において「▲」である4bit階調で表示可能であるけれども発光期間が不連続となる判定例である走査信号線がG1〜G10の10本の場合を示す。図5(1)〜(5),(16)は、図4(1)〜(5),(22)にそれぞれ対応しており、前記走査信号線G1〜G10の選択状態はそれぞれ図5(6)〜(15)である。図5(1)では、走査期間Tsは、10等分されている。
【0073】
表示期間Taの最初の走査期間Ts1にbit4のデータを表示させながら、TFTQ10を介してそのデータが画素メモリR1に記憶されるが、直ちにその走査を追いかけるように、1部分時間後から走査信号線Sを選択走査し、コンデンサC1のデータを消去して、ブランク表示が行われる。この走査によって、走査信号線G1〜G10まで選択を終了すると、連続して次の走査期間Ts2に入り、表示をbit4に対応したデータからbit1に対応したデータに切換える。この走査を追いかけるように、2部分時間後からビット選択線Saを選択走査し、TFTQ10を介して前記画素メモリR1からデータを読出して、bit4に対応したデータの表示を行う。
【0074】
bit1に対応したデータを表示させる走査を走査信号線G1〜G10まで終了すると、連続して次の走査期間Ts3に入り、表示をbit3に対応したデータに切換える。この走査を追いかけるように、8部分時間後からビット選択線Saの選択走査を開始し、TFTQ10を介して前記画素メモリR1からデータを読出して、再びbit4に対応したデータの表示を行う。bit3に対応したデータをコンデンサC1に保持させる走査を走査信号線G1〜G10まで終了したら、連続して次の走査期間Ts4に入り、表示をbit2に対応したデータに切換える。この走査を追いかけるように、4部分時間後に、画素メモリR1からデータを読出して、再びbit4に対応したデータの表示を行う。この最後のbit4のデータに対応した表示までに、1+8+2=11部分時間だけ表示しているので、この走査を追いかけるように、5部分時間後に走査信号線Sを選択走査し、コンデンサC1のデータを消去するブランク表示を行う。
【0075】
このように、1フレーム期間Tfに離散する発光期間Tdが存在することを許容するのであれば、前記図4の走査と同様に、nbit分の発光に使用される時間≠nbit分の走査に必要な時間での走査を実現することができる。
【0076】
本発明の実施の第3の形態について、図6および図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0077】
図6は、本発明の実施の第3の形態の有機ELディスプレイにおける素子回路Adの電気回路図である。この素子回路Adは、前述の図3で示す素子回路Acに類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この素子回路Adでは、前記電源線Eとは独立したロジック用の第2の電源線Eaを備えるとともに、コンデンサC1および画素メモリR1は、その電源線Eaに接続されることである。
【0078】
この新たなロジック用の電源線Eaを備えることで、前記図5で示す走査を、図7のように変化することができる。図7(1)〜(3),(5)〜(17)は、図5(1)〜(3),(4)〜(16)にそれぞれ対応している。図7(4)は、前記電源線Eの電圧を示し、この例では、VDD電位とGND電位との間で変化可能となっている。
【0079】
先ず、1フレーム期間Tfの最初の走査期間Ts1では、電源線EをGND電位として、bit4のデータが画素メモリR1に記憶されてゆく。この走査を追いかけるように、1単位時間後に、ブランク表示とされ、コンデンサC1には非発光状態に対応した電位が保持されてゆく。この走査期間Ts1では、電源線Eの電位が前述のようにGND電位であるので、有機EL素子Pは発光しない。
【0080】
このようなbit4のデータの画素メモリR1への書込みが走査信号線G1〜G10に対して順に行われると、電源線EがVDD電位とされた後、次の走査期間Ts2に入り、bit1に対応したデータが表示される。そして、この走査を追いかけるように、2単位時間後に、画素メモリR1のデータが読出されて、bit4のデータに対応した表示が始めて行われる。
【0081】
走査期間Ts3に入り、bit3に対応したデータが表示され、この走査を追いかけるように、8単位時間後に、画素メモリR1のデータが読出されて、bit4のデータに対応した表示が再び行われる。走査期間Ts4でも、bit2に対応したデータが表示された後、4単位時間後に、画素メモリR1のデータが読出されて、bit4のデータに対応した表示が再び行われる。こうして、bit4に対応したデータは、8+2+6=16単位時間表示される。
【0082】
このように、有機EL素子Pの電源線Eを制御しながら画素メモリR1ヘデータを書込んでゆくことで、表4の判定(h)で「▲」となっている走査信号線数の総て(の同一1フレームの表示)を連続的に表示可能にすることができ、前記走査信号線数の制限をなくすことができる。
【0083】
本発明の実施の第4の形態について、図8および図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0084】
図8は、本発明の実施の第4の形態の有機ELディスプレイにおける素子回路Aeの電気回路図である。この素子回路Aeは、前述の図6で示す素子回路Adに類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この素子回路Aeでは、前記選択信号線Sおよびそれに対応したTFTQ3が設けられていないことである。すなわち、前述の素子回路Adのように、有機EL素子Pの電源線Eと画素メモリR1の電源線Eaとを個別に制御している場合、この素子回路Aeのように初期化用のTFTQ3を持たない構成であっても、同等の表示を行うことができる。また、コンデンサC1は、TFTQ3を改めて形成しなくても、TFTQ2のゲート浮遊容量等を用いて電位を保持することもできる。
【0085】
図9は、前記素子回路Aeの駆動方法(表示方法)の一例を示す図である。図9(1)〜(4),(5),(14)は、図7(1)〜(4),(6),(17)にそれぞれ対応している。この例では、走査信号線はG1〜G8の8本であり、その選択状態はそれぞれ図9(6)〜(13)で示される。図9(1)では、走査期間Tsは、8等分されている。
【0086】
先ず、1フレーム期間Tfの最初の走査期間Ts1では、電源線EをGND電位として、bit4のデータが画素メモリR1に記憶されてゆく。この走査を追いかけるように、前述の素子回路Adでは1単位時間後にブランク表示のデータがコンデンサC1にセットされていたのに対して、この素子回路Aeではブランク走査が行われないけれども、電源線Eの電位が前述のようにGND電位であるので、有機EL素子Pは発光しない。
【0087】
このようなbit4のデータの画素メモリR1への書込みが走査信号線G1〜G8に対して順に行われると、電源線EがVDD電位とされた後、次の走査期間Ts2に入り、bit1に対応したデータが表示される。そして、この走査を追いかけるように、2単位時間後に、画素メモリR1のデータが読出されて、bit4のデータに対応した表示が始めて行われる。
【0088】
走査期間Ts3に入り、bit3に対応したデータが該走査期間Ts3の8単位時間の全長に亘って表示され、bit3のデータの表示が終了すると、次の走査期間Ts4に入り、bit2に対応したデータが表示された後、4単位時間後に、画素メモリR1のデータが読出されて、bit4のデータに対応した表示が再び行われる。このbit4のデータの読出しが総ての走査信号線G1〜G8に対して終了すると、該bit4に対応したデータは、6+8=14単位時間表示されたことになるので、さらに2単位時間後に、消去期間Tsaとなり、電源線Eの電位がGND電位とされる。
【0089】
ここで、上記のような走査が可能となる条件は、
発光に使用される時間
≧(走査信号線数×(bit数4−1)+bit1の表示期間)…(5)
である。そこで、表1の判定(f)において「▲」を記し、表示できないとした条件でも、上記式5は満足するので、この図9のように走査は不連続となるけれども、設定された4bit階調での表示は可能となる。このように、本駆動方法を採用することによって、前述の走査信号線数の制限の課題を緩和することができる。
【0090】
本発明の実施の第5の形態について、図10および図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0091】
図10は、本発明の実施の第5の形態の有機ELディスプレイにおける素子回路Afの電気回路図である。この素子回路Afは、前述の図6で示す素子回路Adに類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この素子回路Afでは、2つの画素メモリR21,R22を備えており、それらはコンデンサC21,C22と、それに直列に挿入されるn型のTFTQ21,Q22とによって構成されていることである。一方、前記コンデンサC1はn型のTFTQ20を介して電源線Eに接続され、前記TFTQ20は選択線Scによって制御される。
【0092】
したがって、前述の画素メモリR1,R2が、CMOSインバータINV1,INV2から成るスタティックメモリ構成でデジタルデータをストアしていたのに対して、この画素メモリR21,R22は、コンデンサC21,C22から成るダイナミックメモリ構成でアナログデータをストアするので、前述のデジタル階調制御と、電圧値によるアナログ階調制御とを併用することができる。画素メモリR21,R22に要求される記憶時間が、数Hz以上の1フレーム期間Tf以内である場合には、このように画素メモリR21,R22がダイナミックメモリ構成であっても、コンデンサC1に直列にアクティブ素子Q20を配置すれば、支障があまりない。また、コンデンサC21,C22を改めて形成しなくとも、TFTQ20等のアクティブ素子や有機EL素子Pに付随する浮遊容量を用いて電位を保持することもできる。
【0093】
ビット選択線Sa,SbによってTFTQ21,Q22の何れも非導通状態とされているときに、前記選択線ScによってTFTQ20が導通され、コンデンサC1へのデータの書込み・消去/読出しが行われる。このように構成することによって、有機EL素子Pの輝度補正を、前記のように、デジタル階調制御とアナログ階調制御とを併用して行うことができる。
【0094】
また、図11の素子回路Agは、上述の素子回路Afに類似したものであり、有機EL素子Pの非発光状態を、コンデンサC1へのデータの書込み・消去/読出し状態の制御とを個別に実現するブランク表示を行うものである。
【0095】
本発明の実施の第6の形態について、図12および図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0096】
図12は、本発明の実施の第6の形態の有機ELディスプレイにおける素子回路Ahの電気回路図である。この素子回路Ahは、前述の図1で示す素子回路Abに類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。この素子回路Ahでは、前記素子回路Abにおける画素メモリR2が設けられておらず、画素メモリR1のみを備えている。この素子回路Ahは、1つの画素メモリR1であっても、前記の素子回路Aeのように走査を不連続とすることで、以下に詳述するように、前記素子回路Abと同様に、4bit階調表示が可能となっている。
【0097】
図13は、前記素子回路Ahの駆動方法(表示方法)の一例を示す図である。この図13では、走査信号線はG1〜G14の14本で1つの単位と想定されており、各走査信号線G1〜G14の選択状態を、図13(5)〜(18)で示している。図13(1)は単位時間表示であり、図13(19)は通算の時間表示(単位時間数)である。図13(3)はbit4のデータの通算表示時間を示し、図13(4)は、ビットの重みを示す。図13(2)は、ビット選択線Sa1の選択走査を示す。
【0098】
表示期間Taの最初の走査期間Ts1において、走査信号線G1〜G14が順に選択されてbit4のデータを表示させながら、ビット選択線Saが選択されて該bit4のデータが画素メモリR1に書込まれてゆく。走査信号線G1〜G14の選択を終了するまで、したがって14単位時間に亘って、該bit4のデータが表示される。
【0099】
走査期間Ts1が終了すると、連続して次の走査期間Ts2に入り、表示をbit4に対応したデータからbit3のデータヘ切換えながら、該bit3のデータを前記16単位時間に亘って表示する。ここで、走査期間Ts2は14単位時間であるので、走査信号線G14が選択走査された後、2単位時間は休止期間となる。
【0100】
前記休止期間を終了すると、走査期間Ts3では、表示をbit3に対応したデータからbit2のデータヘ切換え、8単位時間に亘って表示した後、走査信号線G1〜G14が選択されていない状態で、その選択を追いかけるように、ビット選択線Saが選択されてbit4のデータが画素メモリR1から読出され、残りの6単位時間に亘って表示される。これによって、bit4のデータの通算表示時間は20単位時間となる。
【0101】
走査期間Ts4では、表示をbit4に対応したデータからbit1のデータヘ切換え、4単位時間に亘って表示した後、ビット選択線Saが選択されてbit4のデータが画素メモリR1から再び読出され、残りの10単位時間に亘って表示される。そして、走査期間Ts4の後の2単位時間の休止期間も、前記bit4のデータは表示され続ける。これによって、該bit4のデータの通算表示時間は32単位時間となり、各bitの表示期間の比率が、厳密に前記1:2:4:8となる。
【0102】
このような走査休止期間を挿入した不連続な走査を行うことで、1つの画素メモリR1であっても、4bit階調表示を可能とすることができる。すなわち、任意のbit数と走査信号線に対応することができる。実際に走査に使用する時間は、前記図3の素子回路Acのように消去用のTFTQ3を備える構成に比べて長くなる。その比率を表7に示す。
【0103】
【表7】
【0104】
表7において、(a)はbit数(図13では4)、(b)は走査信号線数(図13では14)、(c)は本来走査に必要な時間(図13では4×14=56単位時間)、(d)は1階調当りの表示期間、(e)は第2位のbitの表示期間(図13では16単位時間)、(f)は本駆動方法に実際に使用する時間(図13では60単位時間)、(h)は実際に使用する時間/本来走査に必要な時間の比である。
【0105】
この表7には、前記図13の条件も含め、bit数が4,5,6の場合をそれぞれ幾つか例示している。この表7から、表示期間に占める走査時間の比率が2割程度低下するけれども、前記の不連続な走査を行うことで、前記消去用のTFTQ3およびその走査信号線Sを追加することによるTFTおよび配線数の増加を回避することができる。
【0106】
ところで、前述の図3で示す素子回路Acでは、図4で示すように非発光期間が存在するのに対して、図12で示す素子回路Ahでは、この図13で示すように非発光期間が存在しないので、その分好ましいと言える。すなわち、非発光期間が存在しなければ、その分、1フレーム期間Tfの平均輝度として必要な輝度を得るための単位時間当りの輝度を下げることができる。有機EL素子は、同じ発光輝度でも、瞬時発光輝度が低い程寿命が長くなる傾向があるので、図13の駆動方法(表示方法)の方が、図4の駆動方法(表示方法)より、その点で有利と言える。
【0107】
本発明の実施の第7の形態について、図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0108】
図14は、本発明の実施の第7の形態の有機ELディスプレイにおける素子回路Aiの電気回路図である。この素子回路Aiは、前述の図1で示す素子回路Abに類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この素子回路Aiでは、前記電位保持手段が、第4のアクティブ素子であるTFTQ4と、それに直列に接続されるコンデンサC1とから構成されることである。
【0109】
前述のように、前記素子回路Abでは、画素メモリR1,R2から読出したデータ信号をコンデンサC1にセットするにあたって、コンデンサC1に貯えられていた電荷によって画素メモリR1,R2の記憶内容が書換えられてしまわないように、コンデンサC1の容量が可能な限り小さな値に設定されている。
【0110】
これに対して、コンデンサC1にTFTQ4を直列に接続することで、走査信号線Gの非選択状態で、TFTQ10が選択駆動されたとき、該TFTQ4を非選択駆動することで、画素メモリR1,R2に保持される表示信号レベルが前記コンデンサC1の影響によって不必要に書変わってしまうことを防止することができる。
【0111】
そして、再びコンデンサC1に表示信号レベルを書込む場合に、前記TFTQ4は選択駆動される。ただし、TFTQ1が選択駆動されて画素メモリR1,R2に表示信号レベルが書込まれる際に、前記TFTQ4も選択駆動され、コンデンサC1に表示信号レベルが書込まれてもよい。
【0112】
これによって、コンデンサC1の容量を大きくすることができるので、時間経過に伴う該コンデンサC1の電位変化を少なくでき、好適である。
【0113】
また、注目すべきは、この素子回路Aiでは、画素メモリR1,R2の入出力端子間に第5のアクティブ素子であるTFTQ5が配置されており、前記画素メモリR1,R2の表示信号レベルが設定される前記走査信号線Gの選択時には、該TFTQ5が非選択状態となることである。
【0114】
したがって、走査信号線Gの非選択時には、該TFTQ5が選択状態となり、2段目のCMOSインバータINV2の出力が1段目のCMOSインバータINV1の入力に帰還される前記スタティックメモリの構成とする一方、該TFTQ5の非選択時には、2段目のCMOSインバータINV2の出力が1段目のCMOSインバータINV1の入力に影響しないようにすることができる。
【0115】
これによって、前記2段目のCMOSインバータINV2の出力インピーダンスを細かく調整する必要がない。
【0116】
なお、前記有機EL素子Pの構造としては、たとえばガラス基板の上にITO等の透明な陽極を形成し、その上に有機多層膜、さらにAl等の陰極を形成した構成で実現することができる。また、前記有機多層膜にも幾つかの構造があるけれども、たとえば、正孔入層(または陽極バッファ層)としてCuPcを、正孔輸送層としてTPDを、発光層としてDPVBi、Zn(oxz)2、DCMをドーパントとしたAlq等を、電子輸送層としてはAlq等を積層した構成が好ましい。
【0117】
一方、上述のような有機EL素子Pを駆動するためのTFTは、電荷移動度の大きな多結晶シリコンプロセスで製作されたTFTを用いる必要があり、たとえば特開平10−301536号公報などで実現することができる。上記の工程では、プロセスの最高温度を、ゲート絶縁膜形成時の600℃程度に抑えることができ、高耐熱性ガラスを使用することができる。
【0118】
【発明の効果】
本発明の表示装置は、以上のように、相互に交差する複数の第1および第2の信号線で区画された各領域に電気光学素子を備え、その電気光学素子が、それぞれ対応する第1のアクティブ素子によって、前記第1の信号線で選択されている間に、第2の信号線に出力される信号レベルに対応した表示を行うように駆動される表示装置において、前記電気光学素子に対応して配置される複数個の第2のアクティブ素子と、前記複数個の第2のアクティブ素子によって取込まれた信号レベルをそれぞれ保持する複数個の画素メモリと、前記第1のアクティブ素子によって取込まれた信号レベルを保持する電位保持手段と、前記複数個の第2のアクティブ素子をそれぞれ選択駆動する複数本のビット選択線とを備えており、前記第1の信号線が選択状態で、前記第1のアクティブ素子を介して前記電位保持手段に表示信号レベルが設定されるとともに、前記第2のアクティブ素子が選択駆動されることで前記画素メモリにもその表示信号レベルが設定され、前記第1の信号線の非選択状態で、前記第2のアクティブ素子が選択駆動されて、前記電気光学素子の表示信号レベルが前記画素メモリに対応した表示信号レベルに切換えられる。
【0119】
それゆえ、1走査期間内で、下位のビットのデータを表示して残った時間を画素メモリに蓄えた上位のビットのデータの表示に用いることができ、各ビットの表示期間を厳密に各ビットの重みに合わせることができる時間分割階調表示を実現することができる。
【0120】
また、本発明の表示装置は、以上のように、相互に交差する複数の第1および第2の信号線で区画された各領域に電気光学素子を備え、その電気光学素子が、それぞれ対応する第1のアクティブ素子によって、前記第1の信号線で選択されている間に、第2の信号線に出力される信号レベルに対応した表示を行うように駆動され、前記電気光学素子に対応して配置される1または複数の第2のアクティブ素子と、前記第2のアクティブ素子によって取込まれた信号レベルを保持する画素メモリと、前記第1のアクティブ素子によって取込まれた信号レベルを保持する電位保持手段と、前記第2のアクティブ素子を選択駆動するビット選択線とを備えており、前記第1の信号線が選択状態で、第1のアクティブ素子を介して前記電位保持手段に表示信号レベルが設定されるとともに、前記第2のアクティブ素子が選択駆動されることで前記画素メモリにもその表示信号レベルが設定され、前記第1の信号線の非選択状態で、前記第2のアクティブ素子が選択駆動されて、前記電気光学素子の表示信号レベルが前記画素メモリに対応した表示信号レベルに切換えられる表示装置において、前記電位保持手段に関連して、前記第1の信号線とは択一的に選択出力が導出される第3の信号線からの選択出力に応答し、前記第2の信号線とは独立した信号レベルを前記電位保持手段に与える第3のアクティブ素子をさらに備え、前記第1のアクティブ素子によって表示信号レベルが設定され、前記第3のアクティブ素子によって消去信号レベルが設定される。
【0121】
それゆえ、第1のアクティブ素子の選択走査によって表示が開始された後、その選択走査が総ての第1のアクティブ素子について終了する以前に、第3のアクティブ素子の選択走査によって前記表示を消去することができ、単位表示時間を、走査期間よりも短くすることができる。これによって、デジタル階調制御を行うにあたって、下位のビットのデータにも、そのビットの重みに対応した短時間の表示を正確に行わせることができ、ビット数の多い細かな階調制御を行うことができる。
【0122】
さらにまた、本発明の表示装置は、以上のように、前記電位保持手段は、コンデンサによって構成されており、前記コンデンサと前記第2のアクティブ素子との間に第4のアクティブ素子を配置している。
【0123】
それゆえ、第1のアクティブ素子の非選択状態で、第2のアクティブ素子が選択駆動されたとき、前記第4のアクティブ素子を非選択駆動することで、画素メモリに保持される表示信号レベルが前記コンデンサの影響によって不必要に書変わってしまうことを防止することができる。これによって、コンデンサの容量を大きくすることができるので、時間経過に伴う該コンデンサの電位変化を少なくでき、好適である。
【0124】
また、本発明の表示装置は、以上のように、前記画素メモリの入出力端子間に第5のアクティブ素子が配置され、前記第5のアクティブ素子が非選択駆動されている間に、前記画素メモリの表示信号レベルが設定され、前記電位保持手段に表示信号レベルを設定する動作と、前記電気光学素子の表示信号レベルを、前記画素メモリに対応した表示信号レベルに切換える動作とが、1フレーム期間内に行われる。
【0125】
それゆえ、前記画素メモリとして2段構成のインバータ回路を想定した場合、第1のインバータ回路の入力端子に前記表示信号レベルを入力するにあたって、該第5のアクティブ素子を非選択状態とすることで、前記第2のインバータ回路の出力が第1のインバータ回路の入力端子に印加される表示信号レベルに影響を与えることを防止することができる。
【0126】
さらにまた、本発明の表示装置は、以上のように、前記画素メモリには、前記電気光学素子へ負荷電流を供給する第1の電源線から電源を供給する。
【0127】
それゆえ、第1のアクティブ素子が選択されている間に、第1の電源線の電位を前記負荷電流が流れない電位、たとえばGND電位とすることで、表示を行うことなく、電位保持手段や画素メモリへの信号レベルの書込みのみを行うことができる。また、電位保持手段や画素メモリに記憶されたデータに基づく電気光学素子の表示期間を、第1のアクティブ素子の走査期間とは独立に制御可能となり、表示期間で時間分割階調表示を実現することもできる。
【0128】
本発明の表示方法は、以上のように、相互に交差する複数の第1および第2の信号線で区画された各領域に電気光学素子を備え、その電気光学素子が、それぞれ対応する第1のアクティブ素子によって、前記第1の信号線で選択されている間に、第2の信号線に出力される信号レベルに対応した表示を行い、前記第1の信号線が選択状態である間に、第1のアクティブ素子を介して電位保持手段に表示信号レベルが設定されるとともに、前記第2のアクティブ素子が選択駆動されて、前記画素メモリにその表示信号レベルが設定される表示信号レベル設定ステップと、前記第1の信号線が非選択状態である間に、前記第2のアクティブ素子が選択駆動されて、前記電気光学素子の表示信号レベルが前記画素メモリに対応した表示信号レベルに切換えられる表示信号切換ステップとを含む表示方法において、ビット走査期間において、前記第1の信号線が選択状態である間に、前記表示信号レベルのデータを表示した後、前記複数の第1信号線の何れも選択されていない状態で、前記電気光学素子の表示信号レベルが前記画素メモリに対応した表示信号レベルに切換えられる。
【0129】
それゆえ、上記説明した本発明の表示装置と同様に、各ビットの表示期間とビットの重みとを厳密に一致させることができる。また、各ビットの選択期間を隣り合う走査信号線で連続させることができるので、コントロール回路の制御が容易になるという効果を奏する。
さらにまた、本発明の表示装置は、前記複数個の画素メモリが、ダイナミックメモリによって構成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態の有機ELディスプレイにおける素子回路の電気回路図である。
【図2】本発明の実施の第1の形態における駆動方法を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の第2の形態の有機ELディスプレイにおける素子回路の電気回路図である。
【図4】本発明の実施の第2の形態における駆動方法を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の第2の形態における駆動方法の他の例を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の第3の形態の有機ELディスプレイにおける素子回路の電気回路図である。
【図7】本発明の実施の第3の形態における駆動方法を説明するための図である。
【図8】本発明の実施の第4の形態の有機ELディスプレイにおける素子回路の電気回路図である。
【図9】本発明の実施の第4の形態における駆動方法を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の第5の形態の有機ELディスプレイにおける素子回路の電気回路図である。
【図11】図10で示す素子回路の類似構成を示す電気回路図である。
【図12】本発明の実施の第6の形態の有機ELディスプレイにおける素子回路の電気回路図である。
【図13】本発明の実施の第6の形態における駆動方法を説明するための図である。
【図14】本発明の実施の第7の形態の有機ELディスプレイにおける素子回路の電気回路図である。
【図15】従来のディスプレイの駆動方法を示す図である。
【図16】図15で示す駆動方法の一部を詳しく示す図である。
【符号の説明】
Ab;Ac;Ad;Ae;Af;Ag;Ah;Ai 素子回路
C1 コンデンサ(電位保持手段)
C21,C22 コンデンサ
D データ信号線(第2の信号線)
E 電源線(第1の電源線)
Ea 電源線(第2の電源線)
G 走査信号線(第1の信号線)
INV1,INV2 CMOSインバータ
P 有機EL素子
Q1 TFT(第1のアクティブ素子)
Q2,Q11〜Q14,Q20〜Q22 TFT
Q3 TFT(第3のアクティブ素子)
Q4 TFT(第4のアクティブ素子)
Q5 TFT(第5のアクティブ素子)
Q10 TFT(第2のアクティブ素子)
S 走査信号線(第3の信号線)
Sa,Sb ビット選択線
Sc 選択線
R1,R2 画素メモリ
Claims (6)
- 相互に交差する複数の第1および第2の信号線で区画された各領域に電気光学素子を備え、その電気光学素子が、それぞれ対応する第1のアクティブ素子によって、前記第1の信号線で選択されている間に、第2の信号線に出力される信号レベルに対応した表示を行うように駆動される表示装置において、
前記電気光学素子に対応して配置される複数個の第2のアクティブ素子と、
前記複数個の第2のアクティブ素子によって取込まれた信号レベルをそれぞれ保持する複数個の画素メモリと、
前記第1のアクティブ素子によって取込まれた信号レベルを保持する電位保持手段と、
前記複数個の第2のアクティブ素子をそれぞれ選択駆動する複数本のビット選択線とを備えており、
前記第1の信号線が選択状態で、前記第1のアクティブ素子を介して前記電位保持手段に表示信号レベルが設定されるとともに、前記第2のアクティブ素子が選択駆動されることで前記画素メモリにもその表示信号レベルが設定され、前記第1の信号線の非選択状態で、前記第2のアクティブ素子が選択駆動されて、前記電気光学素子の表示信号レベルが前記画素メモリに対応した表示信号レベルに切換えられることを特徴とする表示装置。 - 相互に交差する複数の第1および第2の信号線で区画された各領域に電気光学素子を備え、その電気光学素子が、それぞれ対応する第1のアクティブ素子によって、前記第1の信号線で選択されている間に、第2の信号線に出力される信号レベルに対応した表示を行うように駆動され、
前記電気光学素子に対応して配置される1または複数の第2のアクティブ素子と、
前記第2のアクティブ素子によって取込まれた信号レベルを保持する画素メモリと、
前記第1のアクティブ素子によって取込まれた信号レベルを保持する電位保持手段と、
前記第2のアクティブ素子を選択駆動するビット選択線とを備えており、
前記第1の信号線が選択状態で、第1のアクティブ素子を介して前記電位保持手段に表示信号レベルが設定されるとともに、前記第2のアクティブ素子が選択駆動されることで前記画素メモリにもその表示信号レベルが設定され、前記第1の信号線の非選択状態で、
前記第2のアクティブ素子が選択駆動されて、前記電気光学素子の表示信号レベルが前記画素メモリに対応した表示信号レベルに切換えられる表示装置において、
前記電位保持手段に関連して、前記第1の信号線とは択一的に選択出力が導出される第3の信号線からの選択出力に応答し、前記第2の信号線とは独立した信号レベルを前記電位保持手段に与える第3のアクティブ素子をさらに備え、
前記第1のアクティブ素子によって表示信号レベルが設定され、前記第3のアクティブ素子によって消去信号レベルが設定されることを特徴とする表示装置。 - 前記電位保持手段は、コンデンサによって構成されており、
前記コンデンサと前記第2のアクティブ素子との間に第4のアクティブ素子を配置したことを特徴とする請求項1または2記載の表示装置。 - 前記画素メモリの入出力端子間に第5のアクティブ素子が配置され、前記第5のアクティブ素子が非選択駆動されている間に、前記画素メモリの表示信号レベルが設定され、
前記電位保持手段に表示信号レベルを設定する動作と、前記電気光学素子の表示信号レベルを、前記画素メモリに対応した表示信号レベルに切換える動作とが、1フレーム期間内に行われることを特徴とする請求項1または2記載の表示装置。 - 前記画素メモリには、前記電気光学素子へ負荷電流を供給する第1の電源線から電源を供給することを特徴とする請求項1または2記載の表示装置。
- 前記複数個の画素メモリが、コンデンサとTFTとを直列に配置して構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の表示装置。
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