JP3874213B2 - 酸化膜除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半田等の溶融ろう材を満たした槽内の湯面に対して水平移動して該湯面の酸化膜を除去する酸化膜除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
予め部品を仮付けしたプリント基板を半田等の溶融ろう材を満たした溶融ろう浴槽内に浸してろう付けする方法がある。このような溶融ろう浴槽に満たされたろう材の湯面に酸化膜が生じると、ろう付け不良の原因となるため、従来より溶融ろう材の湯面に酸化膜除去部材を浸した状態で移動させることにより、酸化膜除去を行っている。
【0003】
従来の酸化膜除去装置は、特開昭58−112652号公報(文献1)に記載されているように、板状の除去具を湯面に対して一定の高さを保持して移動させるものや、特開昭62−9771号公報(文献2)に記載されているように、湯面上を走行する移動部材に長孔等の高さ調節用スペースを設け、該スペース内に摺動可能に除去具を設置したものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の板状の除去具を用いた酸化膜除去装置では、図4に示すように除去具を湯面に対してできる限り小さな角度に傾けて湯面すれすれに移動させると酸化膜を効率よく除去できる。
除去具が湯面内に一部沈んだ状態や進行方向面が湯面に対してある角度以上ある状態で除去具を移動させると、除去具の進行方向面で押される溶融ろう材が除去具の両側から後方へ回り込むため、図5に示すように掃き取ったはずの酸化膜が一緒に後方に逃れてしまったり、湯面の揺れを誘発し、除去後の湯面に酸化膜が形成されやすい。
【0005】
しかしながら、文献1に記載さたれものは、除去具の高さを調整する機能を開示しておらず溶融ろう材の増減による湯面の変動を考慮していないと共に、湯面に対する進行方向面の角度を規定していないため、溶融ろう材の後方への回り込みや、湯面の揺れを回避できない。
一方、文献2に記載のものは、高さ調節手段を備えるものであるが、その高さ調節手段は、除去具を長孔をガイドとしてスライドさせる複雑な構成であり、しかも湯面上で調整しなければならず、作業性やコスト面などから、浴槽のサイドで調整するものに比べ不利である。
【0006】
また、文献2に記載のものも、文献1と同様に湯面に対する進行方向面の角度をできる限り小さくすることを考慮していない。
従って、本発明の一つの目的は、簡単な動作で湯面の変動に応じて除去部材の高さを調節できる簡潔な構成の酸化膜除去装置を提供することにある。
更に本発明の他の目的は、湯面の変動にかかわらず除去部材の進行方向面が湯面に対してできる限り小さな角度を保持し、酸化膜を効率よく除去できる酸化膜除去装置を提供することを解決すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題の少なくとも一つを解決するため、本発明では、溶融ろう浴槽が底部に設置される作業室部と、該溶融ろう浴槽内に満たされたろう材の湯面から所定高さ位置を保って該作業室部内を移動可能に支持された移動シャフトと、該移動シャフトの先端に保持され先端に水平方向に延びる円柱形状の酸化膜除去部材をもつ揺動先端部と、該揺動先端部を揺動させ該酸化膜除去部材の高さ位置を調節する高さ調節手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
【作用】
このように構成された酸化膜除去装置では、作業室部内を移動する移動シャフトの先端に揺動可能な揺動先端部を設け、該揺動先端部の先端に水平方向に延びる酸化膜除去部材を取付けたものであるから、該揺動先端部を揺動させるだけで酸化膜除去部材の高さを調節することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る酸化膜除去装置においては、揺動先端部の酸化膜除去部材を円柱形状に形成することが好ましい。このように酸化膜除去部材が円柱形状であると、湯面の高さに応じて酸化膜除去部材の高さを変更しても、酸化膜除去部材の進行方向面を常に酸化膜除去部材の曲率で決るできる限り小さな角度で湯面に当てることができるため、湯面を揺らさず酸化膜を効率よく除去することができる。この場合、酸化膜除去部材は揺動先端部に固定されても、例えば移動シャフトの移動に連動して酸化膜除去部材が回転するようにしてもよい。
【0010】
本発明に係る酸化膜除去装置において高さ調節手段は、移動シャフト内に移動自在に貫通された貫通シャフトをもち、該貫通シャフトが揺動先端部に当接可能に構成することができる。
本発明に係る酸化膜除去装置において作業室部は、窒素ガスを充填可能に構成することができる。このような密閉空間においても本発明は前記特徴を損わず酸化膜を除去することができる。
【0011】
(付記項)
前記酸化膜除去部材は円柱形状である請求項1記載の酸化膜除去装置。
前記高さ調節手段は、前記移動シャフト内に移動自在に貫通された貫通シャフトをもち、該貫通シャフトは前記揺動先端部に当接可能に構成される請求項1記載の酸化膜除去装置。
【0012】
【実施例】
以下、本発明に係る酸化膜除去装置の一実施例を図面に基づいて説明する。図1および図2において、酸化膜除去装置は、底部に溶融ろう浴槽10が設置される作業室部12と、該作業室部12に結合された補助室部14と、該補助室部14を貫通し先端が作業室部12内に延出可能な操作体16とから構成されている。作業室部12と補助室部14とは連通し、操作体16は作業室部12と補助室部14との結合側に対向した補助室側壁の筒部材18に支持されている。
【0013】
操作体16は図1〜図3に示すように、前記筒部材18および補助室側壁に挿通された長尺筒状の移動シャフト20と、該移動シャフト20内に移動自在に貫通された貫通シャフト22と、前記移動シャフト20の先端に設けたブラケット24に一端を固定されたバネ付き兆番26aおよび該兆番26aの他端に支持された板部材26bからなり、該バネ付き兆番26aの付勢力にて該板部材26bが該移動シャフト20の先端より突出する該貫通シャフト22に常に当接した状態で、該板部材26bが該バネ付き兆番26aの軸26cを中心に揺動する揺動先端部26と、前記移動シャフト20の手元操作側となる基端側に固定され、該移動シャフト20より突出した前記貫通シャフト22の端部を内側でガイドするガイド部30と一体構造となった頭部28および該ガイド部30の外周に雄ねじ30aを有し、該雄ねじ30aに締結されその締結量により該貫通シャフト22を該移動シャフト20の先端より突出する突出量を決める押出し調節部材34と、該押出し調節部材34の基端を貫通して該貫通シャフト22に結合されたつまみ36とから構成されている。
【0014】
そして、貫通シャフト22と押出し調節部材34とは本発明の高さ調節手段を構成している。揺動先端部26の先端には円柱形状の酸化膜除去部材38(以下、除去部材という)が取付けられている。この除去部材38は、例えばアルミ等の金属を円筒状に構成したものであり、板部材26bの下端に溶接等により固着あるいは脱着可能なようにねじ、ばね等で固定してある。
【0015】
また、前記頭部28には例えば湯面に平行な面に対し平行に検知棒40が延びている。該検知棒40は前記除去部材38が作業室部12に位置し、かつ板部材26bが下向きとなる操作体16の回転角のとき前記補助室部14から延びた案内棒42の上をスライド可能に構成される。なお、つまみ36には操作体16の回転角を指示する指標を表示することが好ましい。
【0016】
更に前記作業室部12にはノズル44が設けられており、窒素ガス等を注入することができる。また、補助室部14は除去部材38に付着した酸化膜を掃除するためのスペースであり、ガスの導入管46が設けられる。また実施例の場合、作業室部12は内部が視認でき、湯面に対する除去部材38の浸漬状態を確認できることが望ましい。さらに、電気的導通を検知することにより、湯面に対する除去部材38の浸漬状態を制御できる構造としてもよい。
【0017】
(作用)
上記構成の酸化膜除去装置は、図1に示すように移動シャフト20先端の除去部材38が作業室部12内に押出された状態において、操作体16を、除去部材38が湯面S上を移動するように操作する。除去部材38が湯面S上を移動するときは、検知棒40が案内棒42にガイドされ、移動シャフト20の水平移動を制御して湯面Sに対する除去部材38の正確な掃き取り動作を確保する。
【0018】
そして、頭部28の雄ねじ30aに対する押出し調節部材34の締結量を多くすると、図3からわかるように貫通シャフト22が図で左側へシフトされ、移動シャフト20の先端より突出する貫通シャフト22の突出量が増加し、軸26cを中心にして板部材26aを右回りに揺動させ、除去部材38の位置を高い方向に移動させて、高い湯面Sに対応できる。反対に押出し調節部材34の締結量を少なくすると、貫通シャフト22の突出量が減少し、板部材26aを左回りに揺動させ、除去部材38の位置を低い方向に移動させて、低い湯面Sに対応できる。これは往復の移動方向で有効であり、板状の除去具の場合のように該除去具の傾きを往路と復路で変化させる必要はない。
【0019】
実施例において除去部材38が湯面Sに浸漬される部位は、調節された高さ位置に応じて変化するが、該浸漬される部位の湯面Sに対する進行方向面の角度は、除去部材38が円柱形状のため常に湯面Sに対し理想的に小さくなり、湯面Sを揺らすことなくかつ湯面Sに回込みの流れを誘発することなく酸化膜を効率よく除去することができる。
【0020】
また、除去部材38は移動シャフト20を手元側へ引くことにより補助室部14内に導き、付着した酸化膜を除去することができる。この場合は、図2に示すように移動シャフト20を90度回転して板部材26aを横向きにした状態で補助室部14内に導く。
このように本実施例の酸化膜除去装置では、作業室部の外部から作業室部内の揺動先端部を揺動させるだけで除去部材の高さを変更できると共に、除去部材の掃除も簡単に行うことができる。
【0021】
なお、湯面高さの検出と押出し調節部材34の締結量の調節とをマイコンシステムを用いた自動で行うように構成することは容易である。
また、本発明の除去部材は、多角柱状でもよい。この場合、面が湯面に接するようにして移動させても、稜線が湯面に接するようにして移動させてもよい。
更に、除去部材の長さが溶融ろう浴槽10の湯面幅より小さい場合は、例えば溶融ろう浴槽10に対し本装置全体を左右にスライドできるように構成することにより、数回の移動によって湯面全体の酸化膜を除去することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、酸化膜除去部材を先端に保持した揺動先端部を揺動させるだけの簡単な構成でもって湯面の高さに応じた除去部材の高さ調節を行うことができる共に、湯面に対する除去部材の進行方向面を常に理想的な角度にでき、進行方向面後方への流れ込みや湯面を揺らさず酸化膜を効率よく除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る酸化膜除去装置の一実施例を示す側断面図である。
【図2】 同装置の上断面図である。
【図3】 本発明の高さ調節手段を有する操作体の断面図である。
【図4】 湯面に対する除去具の進行方向面ができだけ小さい方がよいことを表した説明図である。
【図5】 従来の除去具における問題点を表した説明図である。
【符号の説明】
12…作業室部、16…操作体、20…移動シャフト、22貫通シャフト、26…揺動先端部、26a…バネ付き兆番、26b…板部材、28…頭部、34…押出し調節部材、38…除去部材。
Claims (2)
- 溶融ろう浴槽が底部に設置される作業室部と、該溶融ろう浴槽内に満たされたろう材の湯面から所定高さ位置を保って該作業室部内を移動可能に支持された移動シャフトと、該移動シャフトの先端に保持され先端に水平方向に延びる円柱形状の酸化膜除去部材をもつ揺動先端部と、該揺動先端部を揺動させ該酸化膜除去部材の高さ位置を調節する高さ調節手段とを具備することを特徴とする酸化膜除去装置。
- 前記高さ調節手段は、前記移動シャフト内に移動自在に貫通された貫通シャフトをもち、該貫通シャフトは前記揺動先端部に当接可能に構成される請求項1記載の酸化膜除去装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP12720397A JP3874213B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 酸化膜除去装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP12720397A JP3874213B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 酸化膜除去装置 |
Publications (2)
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JPH10314935A JPH10314935A (ja) | 1998-12-02 |
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ID=14954273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12720397A Expired - Fee Related JP3874213B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 酸化膜除去装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3874213B2 (ja) |
-
1997
- 1997-05-16 JP JP12720397A patent/JP3874213B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10314935A (ja) | 1998-12-02 |
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