JP3874168B2 - 保護開閉器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、低圧屋内電路や機器の過電流保護を目的する遮断器ないしは開閉器として用いられる保護開閉器に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の保護開閉器は、過電流を検出すると開閉機構の係止部材に作用し、その鎖錠を外して遮断動作(トリップ)を起こさせる過電流引外し装置を内蔵している。過電流引外し装置は通常、過負荷電流に対しては電流値に応じた遅延時間の経過後にトリップさせる時延引外しを行ない、短絡電流のような大電流に対しては直ちにトリップさせる瞬時引外しを行う。また、この保護開閉器の附属スイッチとして警報スイッチがあり、これは大きな事故電流により保護開閉器が瞬時に引き外された場合、電気的信号により外部に警報するものである。
【0003】
更に、上記の保護開閉器の引外し手段には、電圧引外し装置や不足電圧引外し装置がある。電圧引外し装置は遠方から保護開閉器を制御するもので、所定の電圧が印加されると保護開閉器をトリップさせる。一方、不足電圧引外し装置は回路電圧を常時監視し、この回路電圧が規定値以下になると保護開閉器をトリップさせるものである。これらの警報スイッチや外部引外し装置は通常、保護開閉器の本体ケース側面に装着される。
【0004】
図6は、過電流引外し装置として、瞬時引外し特性を有する電磁式の過電流引外し機構(「瞬時引外し機構」と呼ぶものとする。)と時延引外し特性を有する熱動式の過電流引外し機構(「時延引外し機構」と呼ぶものとする。)とを有する3極保護開閉器を示す縦断面図である。図6において、絶縁物からなる箱形の本体ケース1に収容された各相電路は互いに対向する一対の固定接触子2及び3と、それらを橋絡する可動接触子4とからなり、可動接触子4はケース底部1aとの間に挿入された圧縮コイルばねからなる接触スプリング5により固定接触子2,3に押圧され、電路を閉路している。可動接触子4は絶縁物からなる3相一体の可動接触子ホルダ6に保持され、また可動接触子ホルダ6は本体ケース1により、ケース底部に対して垂直方向(図6の上下方向)に移動自在に案内されている。
【0005】
固定接触子2には電源側端子7が一体形成され、固定接触子3は時延引外し機構8のバイメタル8aの下端に接続され、バイメタル8aの上端はヒータ8bの一端に接続されている。ヒータ8bは図示しない絶縁材を介してバイメタル8aに巻き付けられ、その他端は瞬時引外し機構9の電磁コイル9aの一端に接続されている。また、電磁コイル9aの他端は負荷側端子10に接続されている。瞬時引外し機構9は、コ字状のヨーク9bの内側に、円筒状のボビン9cに巻かれた電磁コイル9aがケース底部1aに垂直に配置され、ボビン9cに円筒状のプランジャ9dがスライド自在に挿入されている。プランジャ9dの頭部には、板体からなる操作部材9eが結合され、復帰スプリング9fにより図6の上向きに付勢されたプランジャ9dは、操作部材9eがヨーク9bの上端に突き当たって停止している。
【0006】
開閉機構11は、開閉軸12を中心に回動する左右一対の開閉レバー13を有し、その先端は図示閉路状態において、中央極の瞬時引外し機構9の両側で可動接触子ホルダ6の上方に待機している。開閉機構11は本体ケース1から突出する蝶形の操作ハンドル14により操作され、捩りばねからなる図示しない遮断スプリングに蓄勢した状態で鎖錠されている。
【0007】
図7は図6のVII−VII線に沿って見た開閉機構11のリセット状態の正面図、図8は図7の開閉機構のトリップ状態の正面図である。開閉機構11は、前後に側板を有するフレーム15に機構部品が支持されてユニット化されている(図7及び図8では手前側の側板は除かれている。)。フレーム15には、操作ハンドル14がハンドル軸16を介して回動可能に支持され、またこのハンドル軸16にはラッチ17が回動自在に支持されている。一方、操作ハンドル14には上リンク18の上端が軸19を介して連結され、上リンク18の下端には下リンク20の上端がコ字形ピン21の一端21aを介して連結されている。コ字形ピン21は他端21bがラッチ17に架けられ、上リンク18及び下リンク20をラッチ17に対して拘束している。上リンク18と下リンク20とは、トグルリンクを構成する。
【0008】
下リンク20の下端には伝動ピン22が結合され、この伝動ピン22の両端はフレーム側板にあけられた長穴23に滑動自在に挿入されている。そして、伝動ピン16とクロスするように、開閉レバー13にもう一方の伝動ピン24が結合されている。ここで、一対の開閉レバー13は、両端が開閉軸12に間隔を介して結合され、伝動ピン24は左右の開閉レバー13,13間に渡るように結合されている。開閉軸12は本体ケース1に回動自在に支持され、両端に一対の遮断スプリング25がそれぞれ嵌め込まれるとともに、遮断スプリング25の一端は伝動ピン24に係合され、他端はフレーム15に係合されている。遮断スプリング6は図7のON状態において捩られた蓄勢状態にあり、開閉レバー13を図6の時計方向に回動させようとして、伝動ピン24から伝動ピン22に対して、図7に示すように押上げ力Pを作用させている。
【0009】
上記押上げ力Pにより下リンク20の伝動ピン22は長穴23に沿って上方に移動しようとし、その結果として下リンク20は全体として図6の反時計方向に回動しようとするが、上端がコ字形ピン21で拘束されているため動けず、図示姿勢を保っている。また、ラッチ17には下リンク20から、コ字形ピン21を介して引張力Qが作用する。そのため、ラッチ17はハンドル軸16を支点に図6の時計方向に回動しようとするが、係止部材としてのラッチ受け26に係止されて図示姿勢を保っている。ラッチ受け26は、上下に延びる板体の略中間に左右一対の腕26aが折り曲げ形成され、かつこの腕26aの近傍で板体部分に方形の窓穴があけられた形状で、腕26aを貫通する軸27を介してフレーム15に回動自在に支持され、窓穴下縁の係合部26bがラッチ17のL曲げ部17aと係合し、ラッチ17の回動を係止している。ラッチ受け26はラッチ17から反力を受け、図7の時計方向に回動しようとするが、左右に突出する舌片26cがフレーム15の切欠端縁に当接して回動を阻止され、図示直立姿勢に保たれている。なお、ラッチ受け26の下端部とフレーム15との間には、圧縮コイルばねからなる復帰スプリング28が挿入され、ラッチ受け26は図7の時計方向に付勢されている。
【0010】
図6の閉路状態において、電流は電源側端子7から、固定接触子2、可動接触子4、固定接触子3、バイメタル8a、ヒータ8b及び電磁コイル9aを経て負荷側端子10に流れる。いま、保護開閉器を通流する電流が、例えば定格の2〜3倍の過負荷状態になると、ヒータ8bの発熱により加熱されたバイメタル8aの湾曲により、電流値に応じた遅延時間の経過後に、図示しない伝達機構を介してラッチ受け26の操作端部が図7に示す引外し操作力Rを受け、反時計方向に回動する。これにより、開閉機構11は鎖錠が外され、ラッチ17は時計方向に回動する。その結果、トグルリンク18,20はく字状に崩れ、開閉レバー13は遮断スプリング25の蓄勢力により図6の時計方向に回転駆動される。この開閉レバー13は可動接触子ホルダ6を介して可動接触子4を押し下げ、これを固定接触子2,3から開離させて電流を遮断する(時延トリップ動作)。
【0011】
図8はこのトリップ状態の開閉機構11を示している。トリップ状態の開閉機構11を再び図7の状態にリセットするには、操作ハンドル14を図8の時計方向に回動操作する。すると、トグルリンク18,20が引っ張られて伸びるため、コ字形ピン21が右に押される。これにより、ラッチ17がハンドル軸16を支点に反時計方向に持ち上げられ、ラッチ17のL曲げ部17aが復帰スプリング28により直立状態に戻されたラッチ受け26の係合部26bに係合してリセットが完了する。
【0012】
一方、例えば定格の12〜13倍以上の大電流(インスタント電流と呼ぶものとする。)が流れたときには、瞬時引外し機構9が動作して瞬時にトリップする。すなわち、上記した大電流が電磁コイル9aを流れると、プランジャ9dが復帰スプリング9fに抗して瞬時に吸引され、このプランジャ9dは操作部材9eにより、釈放カム29(図6)を介して、ラッチ受け26によるラッチ17の係止を外す。これにより、保護開閉器はトリップする(瞬時トリップ動作)。ここで、釈放カム29は絶縁物の板材からなり、図6において開閉機構11のフレーム側板に沿い、かつ各相の瞬時引外し機構9に跨り、本体ケース1の溝に案内されて、本体ケース1の底部1aに対して垂直に運動するように設けられている。
【0013】
図9は、従来の釈放カム29を示す透視的に示す正面図である。図9において、釈放カム29は、板面から立ち上げ形成された左右2本の突条35が本体ケース1の溝36に滑動可能に挿入されることにより昇降自在に案内されている。そして、釈放カム29の上端面には、各極瞬時引外し機構9の操作部材9eの先端と対向するプランジャ作用部29aが3箇所に形成されている。また、釈放カム29には、ラッチ受け26が嵌入する窓穴30があけられ、その周縁の一部にラッチ受け26を押す傾斜面からなる係止部材(ラッチ受け)操作部29bが形成されている。一方、本体ケース1の図9の右側面には、電圧引外し装置又は不足電圧引外し装置からなる外部引外し装置33が装着され、その動作を出力する作動部材33aは釈放カム29の右肩部の引外し作動部29cに近接して対向している。
【0014】
また、本体ケース1の図9の左側面には、保護開閉器の瞬時トリップ動作を電気的信号として外部に伝える警報スイッチ34が装着され、そのアクチュエータ34aは、コ字状の切欠31の上縁部に形成されたスイッチ操作部29dと対向している。アクチュエータ34aは軸34bにより回動可能に支持されたレバーとして構成され、図示しない捩りばねにより図9の反時計方向に付勢されている。
【0015】
図9の実線の釈放カム29はリセット状態にあり、破線はトリップ状態の釈放カム29を示している。釈放カム29は圧縮コイルばねからなるバックスプリング32により、ケース底部1aから離反する方向に付勢され、リセット状態では開閉機構11のフレーム15(図7)に折り曲げ形成された図示しないストッパに突き当たって、実線位置に保持されている。そして、瞬時引外し機構9の操作部材9eは、釈放カム29のプランジャ作用部29aに近接して対向している。
【0016】
図6の保護開閉器において、短絡電流のような大電流が流れると、瞬時引外し機構9は瞬時にプランジャ9dを本体ケース1の底部1aに対して垂直下向きに吸引する。その結果、図9に破線で示すように、操作部材9eはプランジャ作用部29aを介して釈放カム29をストロークSだけ押し下げる。そこで、下降した釈放カム29は、斜面からなるラッチ受け操作部29bでラッチ受け26を図9の右に回動させる。これにより、開閉機構11の鎖錠が外れ、保護開閉器はトリップする。同時に、釈放カム29はスイッチ操作部29dを介して警報スイッチ34のアクチュエータ34aを回動させる。これにより、警報接点が切り換わりトリップ信号が送出される。
【0017】
また、図9において、電圧引外し装置に引外し指令が入力され、あるいは不足電圧引外し装置が回路電圧の低下を検出し、外部引外し装置33が作動すると、作動部材33aがプランジャ9dと同方向、つまり図9の垂直下向きに移動し、引外し作動部29cを介して釈放カム29を押し下げる。これによってもラッチ受け26が動かされ、保護開閉器はトリップする。ここで、実線で示した釈放カム29のリセット状態において、釈放カム29のスイッチ操作部29dと警報スイッチ34のアクチュエータ34aとの間には隙間Gが設けられ、かつ外部引外し装置33の動作時の下降ストロークsは隙間Gよりも小さく設定されている(s<G<S)。そのため、外部引外し装置33の動作時には、下降した釈放カム29のスイッチ操作部29dはアクチュエータ34aに届かず、従って警報スイッチ34は動作しない。これにより、外部引外し装置33によるトリップ動作と瞬時引外し機構9の動作による瞬時トリップ動作とは区別され、瞬時トリップ動作の場合のみ警報スイッチ34が動作するようになっている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
このような保護開閉器において、釈放カム29は本体ケース1の横幅いっぱいに広がり、突条35を介して本体ケース1に、その底部1aに垂直に運動するように案内されている。ところが、このような釈放カム29に瞬時引外し機構9や外部引外し装置33から操作力を加える場合、特に左右極のプランジャ9dや外部引外し装置33の作動部材33aの操作力の作用点は、釈放カム29の左右中心から横方向に大きくずれているため、釈放カム29に回転モーメントが働き、突条35と溝36との間の摩擦力が大きくなり、引外し動作特性が不安定になるとともに、突条35や溝36に磨耗が生じやすいという問題があった。摩擦力による運動伝達ロスを軽減するには、釈放カム29を直線運動ではなく回転運動させることが有効であるが、各相の瞬時引外し機構9は通常横並びに配設されるため、それらのプランジャ9dの直線的な吸引動作を回転運動を介して開閉機構11の係止部材26に伝えることは困難であった。
【0019】
そこで、この発明の課題は、本体ケースに移動自在に案内された板状の釈放カムを有する保護開閉器において、過電流引外し装置や外部引外し装置の操作力を釈放カムを介して開閉機構の係止部材に円滑に伝え、引外し特性の安定を図ることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、絶縁物からなる箱形の本体ケース内に各相別に横並びに配設され、過電流を検出すると前記本体ケースの底部に対して垂直にプランジャを吸引する電磁式の過電流引外し機構と、前記プランジャの吸引方向と同方向に動作する操作部材を有し、前記本体ケースの一方の側面に装着される外部引外し装置と、各相の前記過電流引外し機構に跨り、かつ前記本体ケースの底部に移動可能に案内された板状の釈放カムとを備え、この釈放カムは前記過電流引外し機構又は外部引外し装置の動作時に、前記プランジャ又は操作部材の動作を開閉機構の係止部材に伝え、前記開閉機構の鎖錠を解いてトリップを生じさせる保護開閉器において、
前記釈放カムを前記プランジャの吸引方向に沿う直線運動及びその板面内での回転運動の両方の運動が可能なように前記本体ケースに案内させ、前記プランジャ又は操作部材の動作を前記直線運動及び回転運動の複合運動により前記係止部材に伝えるようにするものである(請求項1)。
【0021】
この発明によれば、釈放カムは直線運動と回転運動の両方が可能なので、過電流引外し装置あるいは外部引外し装置からの操作力の作用点に応じて柔軟に運動し、摩擦力を逃がすことができる。
【0022】
請求項1の保護開閉器は、前記釈放カムの前記外部引外し装置と反対側の下端部に、下部ガイドを板面から立ち上げ形成し、この下部ガイドを本体ケースにその底部に垂直に形成した溝に滑動可能に案内させ、また前記釈放カムの左右中心を挟んで前記下部ガイドと反対側の上部に、上部ガイドを板面から立ち上げ形成し、この上部ガイドを前記本体ケースにその底部に垂直に形成した溝に隙間を介して案内させ、更に前記釈放カムの前記下部ガイドと同側の上部に、上方に向う突部を形成するとともに、この突部を前記釈放カムと前記本体ケースの底部との間に挿入した圧縮ばねからなるバックスプリングにより、前記本体ケースと一体のストッパに突き当てるようにして構成することができる(請求項2)。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5に基づいて、図6の保護開閉器にこの発明を適用した実施の形態を説明する。図1〜図5はいずれも釈放カムの透視正面図で、図1はリセット状態にある。図1において、釈放カム29には、外部引外し装置33と反対側の下端部に、円柱状の下部ガイド37が板面から立ち上げ形成され、この下部ガイド37は本体ケース1にその底部1aに垂直に形成された溝38に滑動可能に案内されている。また、釈放カム29の左右中心を挟んで下部ガイド37と反対側の上部には、突条状の上部ガイド39が板面から立ち上げ形成され、この上部ガイド39は本体ケース1にその底部1aに垂直に形成された溝40に隙間wを介して滑動可能に案内されている。更に、釈放カム29には、下部ガイド37と同側の上部に上方に向う突部29eが形成され、この突部29eはバックスプリング32のばね力により、本体ケース1と一体の板状のストッパ41の下面に突き当てられている。図1のリセット状態において、釈放カム29はバックスプリング32のばね力により、ストッパ41を支点に反時計方向に回転力を受け、上部ガイド39は溝40の左側面に当たっている。
【0024】
このような保護開閉器において、外部引外し装置33が作動し、操作部材33aが垂直下方に移動すると、バックスプリング32との相互作用により釈放カム29に時計方向の回転モーメントが働く。そこで、釈放カム29は下部ガイド37付近を回転中心として、突部29eがストッパ41に対して滑りながら隙間wの範囲内で時計方向に回転する。図2は、回転後の状態を示している。釈放カム29は、この回転により操作部29bでラッチ受け26を図2の右に回動させる。その結果、開閉機構11(図6)は鎖錠が外れ、保護開閉器がトリップする。
【0025】
一方、瞬時引外し機構9(図6)が作動したときには、釈放カム29の動きは相位置により異なる。比較的小さなインスタント電流が電磁コイル9aに流れて、瞬時引外し機構9が作動した場合、図1の右極の操作部材9e-1はバックスプリング32の右側にあるため、外部引外し装置33が作動したときと同様に釈放カム29は時計方向に回転し、図2の状態になって保護開閉器はトリップする。これに対して、中央極及び左極の操作部材9e-2及び9e-3はバックスプリング32より左側にあるため、釈放カム29には反時計方向の回転モーメントが作用するが、釈放カム29は上部ガイド39が溝40の左側面に当たって反時計方向には回転できないため、回転せずに真下に移動する。このとき、操作部29bでラッチ受け26を図2の右に回動させ、保護開閉器はトリップする。図3は、左極の瞬時引外し機構9が作動したときの釈放カム29の状態を示している。
【0026】
瞬時引外し機構9の電磁コイル9aに、短絡電流のような更に大きい電流が流れた場合、トリップ後の操作部材9e-1〜9e-3は図2,図3の状態に留まらず、更に下に移動する。その場合、右極の瞬時引外し機構9が作動したときには、図2において上部カム39が溝40に当たったまま、釈放カム29はそれ以上は回転できず、その状態のままで移動して図4に示した状態になる。また、中央極又は左極の瞬時引外し機構9が作動したときは、図3の状態のまま更に下に移動し、図5の状態になる。これら図4及び図5の状態において、釈放カム29は本体ケース1の底部1aに達するまで下降し、スイッチ操作部29dを介して警報スイッチ34のアクチュエータ34aを回動させ、トリップ信号を送出させる。
【0027】
【発明の効果】
以上の通り、この発明によれば、釈放カムを直線運動と回転運動の双方を複合させて過電流引外し装置や外部引外し装置に応動させることにより、直線運動のみの場合に釈放カムの回転により本体ケースの案内面との間に生じる摩擦力が減少し、引外し負荷が軽減されるとともに案内面の磨耗が少なくなり、安定した引外し特性を長期間維持することができる。また、この作用効果は低温時や高温時など使用環境が厳しい場合ほど大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示す保護開閉器の釈放カムのリセット状態の透視正面図である。
【図2】図1の釈放カムが外部引外し装置の作動により下降した状態を示す透視正面図である。
【図3】図1の釈放カムが左極の過電流引外し装置の作動により下降した状態を示す透視正面図である。
【図4】右極の過電流引外し装置に大電流が流れ、図2の状態からが釈放カムが更に押し下げられた状態を示す透視正面図である。
【図5】左極の過電流引外し装置に大電流が流れ、図3の状態からが釈放カムが更に押し下げられた状態を示す透視正面図である。
【図6】この発明を適用する保護開閉器を示す縦断面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿って見た開閉機構のリセット状態の正面図である。
【図8】図7の開閉機構のトリップ状態の正面図である。
【図9】従来の保護開閉器における釈放カムのリセット状態の透視正面図である。
【符号の説明】
1 本体ケース
1a ケース底部
9 電磁式過電流引外し機構
9a 電磁コイル
9d プランジャ
9e 操作部材
11 開閉機構
26 係止部材
29 釈放カム
29e 突部
32 バックスプリング
33 外部引外し装置
34 警報スイッチ
37 下部ガイド
39 上部ガイド
40 ストッパ
Claims (2)
- 絶縁物からなる箱形の本体ケース内に各相別に横並びに配設され、過電流を検出すると前記本体ケースの底部に対して垂直にプランジャを吸引する電磁式の過電流引外し機構と、前記プランジャの吸引方向と同方向に動作する操作部材を有し、前記本体ケースの一方の側面に装着される外部引外し装置と、各相の前記過電流引外し機構に跨り、かつ前記本体ケースの底部に滑動可能に案内された板状の釈放カムとを備え、この釈放カムは前記過電流引外し機構又は外部引外し装置の動作時に、前記プランジャ又は操作部材の動作を開閉機構の係止部材に伝え、前記開閉機構の鎖錠を解いてトリップを生じさせる保護開閉器において、
前記釈放カムを前記プランジャの吸引方向に沿う直線運動及びその板面内での回転運動の両方の運動が可能なように前記本体ケースに案内させ、前記プランジャ又は操作部材の動作を前記直線運動及び回転運動の複合運動により前記係止部材に伝えるようにしたことを特徴とする保護開閉器。 - 前記釈放カムの前記外部引外し装置と反対側の下端部に、下部ガイドを板面から立ち上げ形成し、この下部ガイドを本体ケースにその底部に垂直に形成した溝に滑動可能に案内させ、また前記釈放カムの左右中心を挟んで前記下部ガイドと反対側の上部に、上部ガイドを板面から立ち上げ形成し、この上部ガイドを前記本体ケースにその底部に垂直に形成した溝に隙間を介して案内させ、更に前記釈放カムの前記下部ガイドと同側の上部に、上方に向う突部を形成するとともに、この突部を前記釈放カムと前記本体ケースの底部との間に挿入した圧縮ばねからなるバックスプリングにより、前記本体ケースと一体のストッパに突き当てるようにしたことを特徴とする請求項1記載の保護開閉器。
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