JP3873885B2 - 燃料電池用ホース材料およびそれを用いてなる燃料電池用ホース - Google Patents

燃料電池用ホース材料およびそれを用いてなる燃料電池用ホース Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用ホース材料およびそれを用いてなる燃料電池用ホースに関するものであり、詳しくは、燃料電池の水系ホース等に用いられる、燃料電池用ホース材料およびそれを用いてなる燃料電池用ホースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
次世代の発電方法として、燃料電池システムを用いた発電方法が有力視されている。この燃料電池システムにおける発電部位は、金属イオン等の外的混入物によって著しく性能が低下する。よって、燃料電池システムに用いられる、燃料電池用ホース材料にも、低抽出性(ホース内を流通する水等により抽出されにくい性質)でクリーンであることが要求される。また、この燃料電池用ホース材料には、静電気のスパークによる引火防止や、迷走電流や燃料電池本体からの漏電による感電防止の観点から、電気絶縁性(高電気抵抗性)も要求され、さらに負圧性や騒音対策の点から、高い硬度をもちつつ、高い機械的物性を併せ持つことも要求される。
【0003】
このような燃料電池用ホース材料としては、従来より、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)に、カーボンブラックを配合した材料が用いられている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この燃料電池用ホース材料を用いて燃料電池用ホースを成形した場合、機械的特性が低く、また電気絶縁性にも劣るという難点がある。この場合、EPDMに配合するカーボンブラックを増量、すなわち、カーボンブラックを高充填にすることにより、高硬度化することも考えられる。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−180941号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにカーボンブラックを高充填にして高硬度化すると、カーボンブラックの粒子が接近するため、電気抵抗がより低下して導電性がより上昇し、電気絶縁性に著しく劣るという難点がある。また、ホースの伸びが低下し、スコーチも悪化するという難点もある。そこで、カーボンブラックを高充填するのではなく、カーボンブラックを増量せずに、カーボンブラックと、シリカを併用することが考えられる。しかし、この材料は、電気絶縁性に優れているが、シリカ中のSi元素の溶出等により、低抽出性が著しく劣るという難点がある。このように、低抽出性と電気絶縁性の両立を図ることができ、しかも優れた機械的特性をもつ燃料電池用ホース材料は、未だ得られていないのが実情であり、このような材料の開発が待望されている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、低抽出性および電気絶縁性の双方の特性に優れ、しかも機械的特性にも優れた燃料電池用ホース材料およびそれを用いてなる燃料電池用ホースの提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、メタロセン系触媒により製造したエチレン・α−オレフィン共重合体を有機フィラーとして、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体100重量部に対して、2〜40重量部の範囲内で配合してなる燃料電池用ホース材料を第1の要旨とし、この燃料電池用ホース材料を用いて、ホース形状に成形してなる燃料電池用ホースを第2の要旨とする。
【0008】
本発明者らは、低抽出性および電気絶縁性の双方の特性に優れ、しかも優れた機械的特性をもった燃料電池用ホースを得るべく、燃料電池用ホース材料を中心に鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、メタロセン系触媒により製造したエチレン・α−オレフィン共重合体(以下、適宜「エチレン・α−オレフィン共重合体」と略す)に着目し、これをポリマーとして用いるのではなく、有機フィラーとして、EPDM中に配合すると、電気絶縁性に優れるとともに、シリカ等の無機フィラーを用いた場合のような、Si元素やイオンの溶出等もないため、低抽出性に優れることも突き止めた。また、このエチレン・α−オレフィン共重合体を有機フィラーとして用いた場合には、このエチレン・α−オレフィン共重合体が、EPDM中にいわば相溶したかのような状態で分散するため、EPDMの機械的物性を損なうこともなく、両者の混練性にも優れている。また、エチレン・α−オレフィン共重合体は、ポリエチレン樹脂等の通常の樹脂に比べて、結晶性が低く、エラストマーと樹脂との中間の結晶性を備え、エラストマーと樹脂の双方の特徴を併せ持つため、このエチレン・α−オレフィン共重合体を有機フィラーとして用いた場合には、圧縮永久歪み特性も良好となる。
【0009】
なお、研究当初は、ポリエチレン樹脂に着目し、これをポリマーとしてではなく、有機フィラーとして用いて実験を行ったが、ポリエチレン樹脂は、結晶性が高いため、圧縮永久歪み特性が悪化するという不都合を生じた。このような圧縮永久歪み特性の悪化は、上記材料からなるホースは、クリップ止めして締めつけた場合、そのままの形となって復元しないことを意味する。これは、ホースに用いる場合には致命的である。
【0010】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0011】
本発明の燃料電池用ホース材料は、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)に、エチレン・α−オレフィン共重合体を有機フィラーとして配合して用いられる。
【0012】
上記エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)は、特に限定するものではないが、ヨウ素価が6〜30の範囲、エチレン比率が48〜70重量%の範囲のものが好ましく、特に好ましくはヨウ素価が10〜24の範囲、エチレン比率が50〜60重量%の範囲のものである。このようなEPDMは、高温高圧化での安定性に優れている。また、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)も使用可能である。
【0013】
このEPDMに含まれるジエン系モノマー(第3成分)としては、特に限定はないが、炭素数5〜20のジエン系モノマーが好ましく、具体的には、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン等があげられる。これらジエン系モノマー(第3成分)のなかでも、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が好ましい。
【0014】
本発明では、EPDMとともに、エチレン・α−オレフィン共重合体を有機フィラーとして用いることが最大の特徴である。このエチレン・α−オレフィン共重合体としては、特に限定はなく、例えば、エチレンと、炭素数3〜10のα−オレフィンとを共重合させたもの等があげられる。この炭素数3〜10のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、上記エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレンと、炭素数6〜10のα−オレフィンとを共重合させたものが、機械的強度、ラジカル架橋性のバランスに優れるため好ましく、特に好ましくは、エチレンと、オクテン−1とを共重合させてなるエチレン−オクテン系樹脂である。
【0015】
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、公知のメタロセン系触媒により製造することができる。このメタロセン系触媒は、チタン,ジルコニウム等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘導体と、助触媒とからなるものをいい、重合触媒として超高活性であるだけでなく、従来の触媒、例えば、チーグラー系触媒と比較して、得られる共重合体の分子量分布が狭く、共重合体中のコモノマーである炭素数3〜10のα−オレフィンの分布が均一であり、触媒種が均一であることを特徴としている。
【0016】
メタロセン系触媒を用いたエチレン・α−オレフィン共重合体は、チーグラー系触媒等を用いた場合と比較して、重合触媒が超高活性であるため、コモノマーのα−オレフィンの組成を従来よりも大幅に高めることが可能となり、可塑剤を含まない状態でも柔軟性に優れたエラストマー状の共重合体を得ることができるという特徴がある。
【0017】
このエチレン・α−オレフィン共重合体の配合割合は、EPDM100重量部(以下「部」と略す)に対して、2〜40部の範囲内であり、好ましくは5〜20部の範囲内である。すなわち、エチレン−オレフィン系樹脂の配合割合が2部未満であると、高電気抵抗性や、低抽出性等の効果が劣、逆に40部を超えると、ホースがいわばサメ肌状になり、ホース外観が悪くなり、またロール加工性も悪化するからである。
【0018】
本発明の燃料電池用ホース材料には、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、およびエチレン・α−オレフィン共重合体とともに、カーボンブラック、過酸化物架橋剤、共架橋剤、プロセスオイル、老化防止剤等を、必要に応じて配合しても差し支えない。
【0019】
上記カーボンブラックとしては、押出加工性に優れ、かつ補強性に優れたものであれば特に限定はなく、例えば、SRF級カーボンブラック等があげられる。特に高電気抵抗性に設計されたカーボンブラックは、一般的に未燃分が多く、トルエン着色透過度が20%と低い傾向があるが、これに代えて、トルエン着色透過度が少し高めの30〜50%程度のカーボンブラックを用いることで、高電気抵抗性を維持しつつ、低抽出性にさらに優れるようになる。
【0020】
このカーボンブラックの配合割合は、EPDM100部に対して、20〜140部の範囲内が好ましく、特に好ましくは60〜120部の範囲内である。すなわち、カーボンブラックが20部未満であると、補強性の効果が乏しく、高硬度化が困難となり、逆に140部を超えると、電気抵抗が低くなり、電気絶縁性が悪くなる傾向がみられるからである。
【0021】
上記過酸化物架橋剤としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類や、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類や、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類や、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類や、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、臭気の問題がない点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンが好適に用いられる。
【0022】
この過酸化物架橋剤の配合割合は、EPDM100部に対して、1.5〜20部の範囲内が好ましい。すなわち、過酸化物架橋剤が1.5部未満であると、架橋が不充分で、ホースの強度に劣り、逆に過酸化物架橋剤が20部を超えると、硬くなりすぎ、ホースの柔軟性に劣る傾向がみられるからである。
【0023】
また、共架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好適に用いられ、これらとともに、トリアリルシアヌレート、ダイアセトンジアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジイソプロペニルベンゼン、p−キノンジオキシム、p,p−ジベンゾイルキノンジオキシム、フェニルマレイミド、アリルメタクリレート、N,N−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、1,2−ポリブタジエン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0024】
この共架橋剤の配合割合は、EPDM100部に対して、0.1〜10部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜7.0部の範囲内である。
【0025】
上記プロセスオイルの配合割合は、EPDM100部に対して、5〜100部の範囲内が好ましく、特に好ましくは20〜80部の範囲内である。
【0026】
また、老化防止剤としては、例えば、カルバメート系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、ワックス類等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0027】
この老化防止剤の配合割合は、EPDM100部に対して、0.2〜2部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜1.0部の範囲内である。
【0028】
本発明の燃料電池用ホース材料は、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)に、エチレン・α−オレフィン共重合体を有機フィラーとして配合するとともに、必要に応じて、カーボンブラック、過酸化物架橋剤、共架橋剤、プロセスオイル、老化防止剤等を配合し、これらをニーダー,バンバリーミキサー,ロール等の混練機を用いて混練することにより、調製することができる。
【0029】
このようにして得られる本発明の燃料電池用ホース材料においては、例えば、図1に示すように、エチレン・α−オレフィン共重合体2は、その界面が、EPDM1中に、いわば相溶化したような状態で有機フィラーとして分散しているため、EPDM1の機械的物性を損なうことがなく、両者の混練性等にも優れている。図において、3はカーボンブラックを示す。
【0030】
本発明の燃料電池用ホースは、例えば、前記のようにして調製した本発明の燃料電池用ホース材料を、押し出し成形した後、マンドレルを用いてその全体を所定の条件で加硫し、ついで、マンドレルから引き抜くことにより作製することができる。
【0031】
このようにして得られる本発明の燃料電池用ホースは、厚みが、通常、1.5〜12mmの範囲内であり、の内径が、通常、5〜50mmの範囲内である。
【0032】
なお、本発明の燃料電池用ホースは、先に述べたような単層構造に限定されるものではなく、2層以上の多層構造であっても差し支えない。この場合、本発明の燃料電池用ホースの最内層は、低抽出性および電気絶縁性の観点から、本発明の燃料電池用ホース材料を用いて形成することが好ましい。
【0033】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0034】
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
【0035】
〔EPDM〕
住友化学工業社製、エスプレン501A〔ヨウ素価:12、エチレン比率:50重量%、ムーニー粘度(ML1+4 100℃):43〕
【0036】
〔エチレン−オクテン系樹脂〕
DEX PLASTOMERS社製、EXACT 0210
【0037】
〔カーボンブラック(1)
SRF級カーボンブラック(昭和キャボット社製、ショウブラック IP−200、トルエン着色透過度:20%)
【0038】
〔カーボンブラック(2)
SRF級カーボンブラック(旭カーボン社製、旭♯52、トルエン着色透過度:40%)
【0039】
〔プロセスオイル〕
出光興産社製、ダイアナプロセスPW−380
【0040】
〔過酸化物架橋剤〕
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン(日本油脂社製、パーヘキサ25B)
【0041】
〔共架橋剤〕
エチレングリコールジメタクリレート(精工化学社製、ハイクロスED)
【0042】
〔フェニルアミン系老化防止剤〕
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(精工化学社製、オゾノン3C)
【0043】
〔シリカ〕
日本シリカ工業社製、ニプシールER
【0044】
〔ポリエチレン樹脂〕
旭化成工業社製、サンテックLD M6545
【0045】
【実施例1〜5、比較例1〜4】
後記の表1および表2に示す各成分を同表に示す割合で配合し、バンバリーミキサーおよびロールを用いて混練して、燃料電池用ホース材料を調製した。
【0046】
このようにして得られた実施例品および比較例品の燃料電池用ホース材料を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1および表2に併せて示した。
【0047】
〔引張強さ(TB)、伸び(EB)〕
各燃料電池用ホース材料を160℃で45分間プレス加硫して、厚み2mmの加硫ゴムシートを作製した。ついで、JIS 5号ダンベルを打ち抜き、JIS K 6251に準じて、引張強さ(TB)および伸び(EB)を評価した。なお、引張強さ(TB)および伸び(EB)については、値が大きい程良好といえる。
【0048】
〔硬度(HA)〕
上記のようにして作製した加硫ゴムシートを用いて、JIS K 6253に準じて、硬度(デュロメータタイプA)を測定した。
【0049】
〔圧縮永久歪み〕
各燃料電池用ホース材料を用いて、JIS K 6262に準じて、−25℃×24時間の条件で、圧縮永久歪みを測定した。
【0050】
〔体積抵抗率〕
各燃料電池用ホース材料を用いて、JIS K 6911に準じて、体積抵抗率を測定した。体積抵抗率については、値が高い程、電気絶縁性に優れているといえる。
【0051】
〔抽出溶液の導電率〕
上記のようにして作成した加硫ゴムシートを、28mm×28mm×2mmの大きさに打ち抜いた。これを、プロピレン製容器に50mlの純水(1.0μS/cm)とともに封入し、100℃で168時間熱処理した後、得られた抽出溶液の25℃における導電率を、導電率計(堀場製作所社製、CONDUCTIVITYMETER D−24)を用いて測定した。低抽出性の評価は、導電率が3μS/cm未満の場合を◎、導電率が3〜5μS/cmの場合を○、導電率が5μS/cmを超える場合を×として評価した。
【0052】
【表1】
Figure 0003873885
【0053】
【表2】
Figure 0003873885
【0054】
上記結果より、実施例品は、いずれも、硬度が高く、圧縮永久歪み特性、電気絶縁性、低抽出性の全ての特性に優れていることがわかる。実施例5品は、トルエン着色透過度が従来よりも高め、すなわち未燃分量の少ないクリーンなカーボンブラックを用いているため、低抽出性がさらに向上することがわかる。
【0055】
これに対して、比較例1品は、エチレン・α−オレフィン共重合体を有機フィラーとして配合していないため、伸びが低下し、低硬度で、電気絶縁性に劣ることがわかる。比較例2品は、カーボンブラックを高充填しているため、高硬度ではあるが、伸び、電気絶縁性が悪くなることがわかる。比較例3品は、カーボンブラックとシリカを併用しているため、電気絶縁性は優れているが、低抽出性が著しく劣ることがわかる。比較例4品は、ポリエチレン樹脂をフィラーとして配合しているが、ポリエチレン樹脂の結晶性が高いため、圧縮永久歪み特性に劣ることがわかる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明の燃料電池用ホース材料は、メタロセン系触媒により製造したエチレン・α−オレフィン共重合体を有機フィラーとして、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)100部に対して、2〜40部の範囲内で配合してなるものである。このように、本発明は、エチレン・α−オレフィン共重合体をポリマーとして用いるのではなく、有機フィラーとして、EPDM中に配合しているため、電気絶縁性に優れるとともに、シリカ等の無機フィラーを用いた場合のような、Si元素やイオンの溶出等もないため、低抽出性にも優れている。また、有機フィラーとして用いたエチレン・α−オレフィン共重合体が、EPDM中にいわば相溶したかのような状態で分散するため、EPDMの機械的物性を損なうこともなく、両者の混練性にも優れている。また、エチレン・α−オレフィン共重合体は、ポリエチレン樹脂等の通常の樹脂に比べて、結晶性が低く、エラストマーと樹脂との中間の結晶性を備え、エラストマーと樹脂の双方の特徴を併せ持つため、圧縮永久歪み特性も良好である。
【0057】
また、エチレン・α−オレフィン共重合体の配合割合を、特定の範囲に設定しているため、低抽出性および電気絶縁性がさらに向上するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の燃料電池用ホース材料における、エチレン・α−オレフィン共重合体の分散状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 EPDM
2 エチレン・α−オレフィン共重合体
3 カーボンブラック

Claims (3)

  1. メタロセン系触媒により製造したエチレン・α−オレフィン共重合体を有機フィラーとして、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体100重量部に対して、2〜40重量部の範囲内で配合してなることを特徴とする燃料電池用ホース材料。
  2. 上記エチレン・α−オレフィン共重合体が、エチレン−オクテン系樹脂である請求項1記載の燃料電池用ホース材料。
  3. 請求項1または2記載の燃料電池用ホース材料を用いて、ホース形状に成形してなる燃料電池用ホース。
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