JP3872747B2 - カスケード接続回路およびその回路を備えた電子装置 - Google Patents

カスケード接続回路およびその回路を備えた電子装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカスケード接続回路およびそのカスケード接続回路を備えた電子装置に関し、特に複数の半導体集積回路装置にスタート信号を順次読込むカスケード接続回路およびそのカスケード接続回路を備えた電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドットマトリックス型表示装置として、液晶表示装置が、薄型、軽量、低電力という特長から、パソコンなど様々な装置に用いられ、特に画質を高精細に制御するのに有利であるアクティブマトリックス方式のカラー液晶表示装置が主流を占めている。
【0003】
この種の液晶表示装置の液晶表示モジュールは、図6に示すように、液晶パネル(LCDパネル)1と、半導体集積回路装置(以下、ICという)からなる制御回路(以下、コントローラという)2と、ICからなる複数個の走査側駆動回路(以下、走査側ドライバという)3およびデータ側駆動回路(以下、データ側ドライバという)4とを具備している。液晶パネル1は、詳細を図示しないが、透明な画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)を配置した半導体基板と、面全体に1つの透明な電極を形成した対向基板と、これら2枚の基板を対向させて間に液晶を封入した構造からなり、スイッチング機能を持つTFTを制御することにより各画素電極に所定の電圧を印加し、各画素電極と対向基板電極との間の電位差により液晶の透過率を変化させて画像を表示するものである。半導体基板上には、各画素電極へ印加する階調電圧を送るデータ線と、TFTのスイッチング制御信号(走査信号)を送る走査線とが配線されている。
【0004】
コントローラ2は、入力側がPC(パソコン)5に接続され、出力側が走査側ドライバ3およびデータ側ドライバ4に接続されている。走査側ドライバ3およびデータ側ドライバ4の出力側は、液晶パネル1の走査線およびデータ線にそれぞれ接続されている。走査側ドライバ3およびデータ側ドライバ4は、製造上の制限よりチップサイズが制限され、従って、IC1個で出力できる走査線およびデータ線に対応する出力数も制限され、液晶パネル1のサイズが大きい場合、それぞれ複数個を液晶パネル1の外周に配置する必要がある。例えばXGA(1024×768画素)カラー表示の液晶パネルの場合の各ドライバ3,4のモジュールへの実装は、
▲1▼走査側ドライバ3は、768本のゲート線を駆動する必要があり、例えば192本分の駆動能力を有する場合、4個必要とし、液晶パネル1の左側外周にカスケード接続で片側配置される。
▲2▼データ側ドライバ4は、1画素をカラー表示するためにデータ線はR(赤)、G(緑)、B(青)用の3本が必要なため、1024×3=3072本のデータ線を駆動する必要があり、例えば、384本分の駆動能力を有する場合、液晶パネル1の上側外周にカスケード接続の8個(A、B、…、H)で片側配置される。
【0005】
PC5から画像データが液晶表示モジュールのコントローラ2に送られ、コントローラ2から走査側ドライバ3には、クロック信号等が各走査側ドライバ3に並列に送られ、垂直同期用のスタート信号STVが初段の走査側ドライバ3に送られ、カスケード接続された次段以降の走査側ドライバ3に順次転送されていく。また、コントローラ2からデータ側ドライバ4には、クロック信号CLK等のタイミング信号やデータ信号DATAが各データ側ドライバ4に並列に送られ、水平同期用のスタート信号STHが初段のデータ側ドライバAに送られ、カスケード接続された次段以降のデータ側ドライバB、C、…、Hに順次転送されていく。そして、走査側ドライバ3から各走査線にはパルス状の走査信号が送られ、走査線に印加された走査信号がハイレベルのとき、その走査線につながるTFTが全てオンとなり、そのときデータ側ドライバ4からデータ線に送られた階調電圧が、オンとなったTFTを介して画素電極に印加される。そして、走査信号がローレベルとなり、TFTがオフ状態に変化すると、画素電極と対向基板電極との電位差は、次の階調電圧が画素電極に印加されるまでの間保持される。そして、各走査線に順次走査信号を送ることにより、全ての画素電極に所定の階調電圧が印加され、フレーム周期で階調電圧の書き替えを行うことにより画像を表示することができる。
【0006】
データ側ドライバ4は、カスケード接続によりスタート信号STHを順次転送するために、小さなカスケード出力遅延で駆動させる必要があり、本出願人は、この種の改善をしたデータ側ドライバに関して出願している(特許文献1を参照。)。以下、特許文献1を参考に従来のデータ側ドライバ4に含まれるカスケード接続によりスタート信号STHを順次転送するための回路について図7を参照して説明する。データ側ドライバ4は、カスケード接続によりスタート信号STHを順次転送するための回路として、外部クロック信号CLKAの入力端子6、スタート信号STHの入力端子7およびスタート信号STHの出力端子8と、入力端子6に供給された外部クロック信号CLKAを所定時間td1だけ遅延させて内部クロック信号CLKBとして出力するクロックストップ回路を有するクロック信号の入出力回路9と、シフトレジスタ10とを有している。
【0007】
シフトレジスタ10は、例えば、64段のフリップフロップを有し、1段目に初段のフリップフロップ11、2〜63段目に中間段のフリップフロップ12,12,…,12,12、64段目に最終段のフリップフロップ13を有している。初段及び中間段の各フリップフロップ11,12のクロック入力端子(C)は入出力回路9を介して入力端子6に接続されている。初段のフリップフロップ11のデータ入力端子(D)は入力端子7に接続され、中間段の各フリップフロップ12のデータ入力端子(D)は各手前の段のフリップフロップ11,12の正規出力端子(Q)に接続されている。初段及び中間段の各フリップフロップ11,12の相補出力端子(Qバー)は各フリップフロップ11,12と対応して設けられた後段の図示しないデータレジスタ回路の各レジスタにそれぞれ接続されている。最終段のフリップフロップ13は第1のフリップフロップ13aと第2のフリップフロップ13bとに分割構成され、第1のフリップフロップ13aのクロック入力端子(C)が入出力回路9を介して入力端子6、データ入力端子(D)が63段目のフリップフロップ12の正規出力端子(Q)及び相補出力端子(Qバー)がフリップフロップ13aと対応して設けられた後段の図示しないデータレジスタ回路のレジスタにそれぞれ接続され、第2のフリップフロップ13bのクロック入力端子(C)が入出力回路9を介さずに直接、入力端子6、データ入力端子(D)が63段目のフリップフロップ12の正規出力端子(Q)及び正規出力端子(Q)が出力端子8にそれぞれ接続されている。
【0008】
上記構成回路の動作を図8を参照して説明する。外部クロック信号CLKAが入力端子6に供給されると、入出力回路9を介して内部クロック信号CLKBとしてシフトレジスタ10の初段及び中間段の各フリップフロップ11,12と最終段の第1のフリップフロップ13aに供給されるとともに、直接、最終段の第2のフリップフロップ13bに供給される。この状態でスタート信号STHが入力端子7に供給されると、このスタート信号STHが初段のフリップフロップ11から最終段の第1のフリップフロップ13aまで順に内部クロック信号CLKBによりサンプリングされて転送され、初段及び中間段のフリップフロップ11,12と最終段の第1のフリップフロップ13aとから後段の図示しないデータレジスタ回路にデータ信号を取り込む制御信号を出力するとともに、63段目のフリップフロップ12からの転送信号が最終段の第2のフリップフロップ13bに転送され、直接、外部クロック信号CLKAによりサンプリングされて、最終段の第2のフリップフロップ13bから次段にカスケード接続されるデータ側ドライバ4のスタート信号STHとして出力端子8に出力される。
【0009】
従って、最終段の第2のフリップフロップ13bの出力であるスタート信号STHが次段のデータ側ドライバ4に入力されるときの外部クロック信号CLKAに対する遅延時間(以下、カスケード遅延時間という)tdには、外部クロック信号CLKAに対する内部クロック信号CLKBの遅延時間td1は加わらず、カスケード接続されるデータ側ドライバ4間の寄生抵抗および寄生容量による遅延時間td2が加わるだけなのでカスケード遅延時間td=td2となる。
【0010】
以上のように、シフトレジスタ10内の最終段のフリップフロップ13を、クロック入力端子(C)に内部クロック信号CLKBが入力される第1のフリップフロップ13aと、クロック入力端子(C)に外部クロック信号CLKAが直接入力され正規出力端子(Q)が出力端子8に接続されるフリップフロップ13bとで分割構成することにより、出力端子8への信号出力タイミングは外部クロック信号CLKAに直接同期させることができ、カスケード遅延時間tdを短くできる。そして、カスケード接続時の最大クロック周波数(以下fmax と省略する)はデータ側ドライバ4間の信号読み込み時間tsと上記のカスケード遅延時間td により決まり、下記(1)式で表され、カスケード遅延時間tdを短くできることによりfmax を大きくすることができる。
fmax =1/(ts +td)……… (1)
【0011】
【特許文献1】
特開平9−281924号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のデータ側ドライバ4は、カスケード接続された次段以降のデータ側ドライバB、C、…、Hにてスタート信号STHをクロック信号の立ち上がりエッジで読込むとき、入力端子6に供給された外部クロック信号CLKAをそのまま直に用いた場合、パルスbの立ち上がりエッジで読込む必要があるが、データ側ドライバ4間でのスタート信号STHの遅延時間td2の大きさによっては、本来の読込み用のパルスbの立ち上がりエッジで読込むことができず、1つ後のパルスcの立ち上がりエッジで読込む虞があるため、このスタート信号STHの遅延時間td2を考慮して、外部クロック信号CLKAを時間td1だけ遅延させた内部クロック信号CLKBのパルスb’の立ち上がりエッジで読込むようにしている。しかし、液晶パネル1が今後更に大型化し、画素数が増加してくると、更に高速動作が必要となり、それに伴い、クロック信号CLKBのパルス幅に対するスタート信号STHの遅延時間td2の比率が高くなり、内部クロック信号CLKBの立ち上がりエッジで読込むとき、更に1つ後のパルスc’の立ち上がりエッジで読込む虞があり、スタート信号STHのデータ側ドライバ4間の転送が不確実となる虞があるという問題がある。
従って、本発明の目的は、複数のカスケード接続された半導体集積回路装置間でスタート信号STHの転送が確実に行われるカスケード接続回路およびその回路を備えた電子装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のカスケード接続回路は、カスケード接続された複数の半導体集積回路装置にスタート信号が順次読込まれ、スタート信号がカスケード接続の前段側の半導体集積回路装置に読込まれてからカスケード接続の後段側の半導体集積回路装置に読込まれるまでの期間に、前記前段側の半導体集積回路装置にデータが読み込まれるカスケード接続回路において、前記各半導体集積回路装置が、イネーブル信号の入力によりスタート信号を読込むスタート信号読込み回路と、スタート信号読込み回路からのスタート信号をクロック信号のエッジで内部の複数段のフリップフロップを順次シフトさせるシフトレジスタとを備え、前記フリップフロップの初段から最終段より1乃至2段前までのフリップフロップのうち1つの出力が後段側の半導体集積回路装置へのイネーブル信号として出力されることを特徴とする。
本発明の電子装置は、カスケード接続された複数の半導体集積回路装置にスタート信号が順次読込まれ、スタート信号がカスケード接続の前段側の半導体集積回路装置に読込まれてからカスケード接続の後段側の半導体集積回路装置に読込まれるまでの期間に、前記前段側の半導体集積回路装置にデータが読み込まれる電子装置において、前記各半導体集積回路装置が、イネーブル信号の入力によりスタート信号を読込むスタート信号読込み回路と、スタート信号読込み回路からのスタート信号をクロック信号のエッジで内部の複数段のフリップフロップを順次シフトさせるシフトレジスタとを備え、前記フリップフロップの初段から最終段より1乃至2段前までのフリップフロップのうち1つの出力が後段側の半導体集積回路装置へのイネーブル信号として出力されることを特徴とする。
上記電子装置は、表示装置として用いられ、半導体集積回路装置がデータ側駆動回路であることを特徴とする。
上記表示装置は、液晶表示装置として用いられることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施例について、図1乃至図5を参照して説明する。尚、図6および図7と同一のものは同一符号を付して、その説明を省略する。図1において、液晶表示装置の液晶表示モジュールは、液晶パネル1と、コントローラ2と、複数個の走査側ドライバ3およびデータ側ドライバ40とを具備している。コントローラ2からデータ側ドライバ40に送られるスタート信号STHは、各データ側ドライバ40に並列に送られる。
【0015】
データ側ドライバ40は、カスケード接続によりスタート信号STHを順次転送するための回路として、図2に示すように、図7に示した入力端子6、7および入出力回路9の外に、シフトレジスタ41と、シフトレジスタ41にスタート信号STHを読込むスタート信号読込み回路42と、スタート信号読込み回路42を制御するイネーブル信号ENの入力端子43と、次段のデータ側ドライバ40へのイネーブル信号ENの出力端子44とを備えている。
【0016】
シフトレジスタ41は、例えば、Dフリフロで構成される64段のフリップフロップ45を有している。各フリップフロップ45のクロック入力端子(C)は入出力回路9を介して入力端子6に接続されている。初段のフリップフロップ45のデータ入力端子(D)はスタート信号読込み回路42を介して入力端子7に接続され、次段以降の各フリップフロップ45のデータ入力端子(D)は各手前の段のフリップフロップ45の正規出力端子(Q)に接続されている。各フリップフロップ45の相補出力端子(Qバー)は各フリップフロップ45と対応して設けられた後段の図示しないデータレジスタ回路の各レジスタにそれぞれ接続されている。また、初段のフリップフロップ45の正規出力端子(Q)は出力端子44に接続されている。尚、各フリップフロップ45からデータレジスタ回路への出力は、相補出力端子(Qバーから)ではなく正規出力端子(Q)からでもよい。また、出力端子44に正規出力端子(Q)が接続されるフリップフロップ45は、イネーブル信号EN入力とスタート信号STHAのパルスのタイミングが重ならなければ、初段のフリップフロップ45ではなく、次段から最終段の1つ乃至2つ手前までのフリップフロップ45でもよい。
【0017】
スタート信号読込み回路42は、図3に示すように、RSラッチ46と、RSラッチ46からの出力により内部スタート信号STHBを生成する内部スタート信号生成回路47とを有している。RSラッチ46は、セット端子(S)がスタート信号STHAの入力端子7に接続され、リセット入力端子(R)がイネーブル信号ENの入力端子43に接続され、正規出力端子(Q)が内部スタート信号生成回路47の入力端に接続される。RSラッチ46にスタート信号STHAおよびイネーブル信号ENが入力されると、RSラッチ46の正規出力端子(Q)の出力は、図4に示すように、イネーブル信号ENが時刻T1に“H”レベルになると“L”レベルになり、時刻T2に“L”レベルになってもそのまま“L”レベルが保持される。そして、スタート信号STHAが時刻T3に“H”レベルになると“H”レベルになり、イネーブル信号ENが再び“H”レベルになるまで“H”レベルが保持される。RSラッチ46の正規出力端子(Q)からの出力が内部スタート信号生成回路47に入力されると、内部スタート信号生成回路47の出力は、図4に示すように、時刻T3に“H”レベルになり、時刻T3から1クロック周期分の時刻T4に“L”レベルになり、内部スタート信号STHBとして出力される。
【0018】
次に、データ側ドライバ40のカスケード接続における動作を図5を参照して説明する。コントローラ2から各データ側ドライバ40の入力端子6に外部クロック信号CLKAが供給される。入力端子6に供給された外部クロック信号CLKAは、入出力回路9に供給され、入出力回路9に供給されたクロック信号CLKAは、所定時間td1だけ遅延され内部クロック信号CLKBとして各フリップフロップ45のデータ入力端子(D)に供給される。
【0019】
コントローラ2からデータ側ドライバAの入力端子43に時刻t0の“H”レベルへの立ち上がりでイネーブル信号ENが供給され、データ側ドライバAのスタート信号読込み回路42のRSラッチ46がリセットされる。この状態でコントローラ2から各データ側ドライバ40の入力端子7にスタート信号STHAが、時刻t1の“H”レベルへの立ち上がりで供給されると、それに同期してデータ側ドライバAのスタート信号読込み回路42のRSラッチ46がセットされ、データ側ドライバAのスタート信号読込み回路42の内部スタート信号生成回路47で内部スタート信号STHBが生成される。この内部スタート信号STHBは、データ側ドライバAの初段のフリップフロップ45のデータ入力端子(D)に供給され、この内部スタート信号STHBが時刻t3に内部クロック信号CLKBのパルスb’の立ち上がりによりサンプリングされてデータ側ドライバAの各フリップフロップ45を順次転送され、各フリップフロップ45から後段の図示しないデータレジスタ回路にデータ信号を取り込む制御信号を出力する。そして、データ側ドライバAの1段目のフリップフロップ45の正規出力端子(Q)から時刻t3の内部クロック信号CLKBのパルスb’の立ち上がりに同期して出力端子44に次段のデータ側ドライバBへのイネーブル信号ENが出力される。
【0020】
次に、次段のデータ側ドライバBの入力端子43に、時刻t3から所定時間遅延した時刻t0’の“H”レベルへの立ち上がりでイネーブル信号ENが供給され、それに同期してデータ側ドライバBのスタート信号読込み回路42のRSラッチ46がリセットされる。この状態でコントローラ2から各データ側ドライバ40の入力端子7にスタート信号STHAが、時刻t1’の“H”レベルへの立ち上がりで供給されると、それに同期してデータ側ドライバBのスタート信号読込み回路42のRSラッチ46がセットされ、データ側ドライバBのスタート信号読込み回路42の内部スタート信号生成回路47で内部スタート信号STHBが生成される。この内部スタート信号STHBは、データ側ドライバBの初段のフリップフロップ45のデータ入力端子(D)に供給され、この内部スタート信号STHBが時刻t3’に内部クロック信号CLKBのパルスb’の立ち上がりによりサンプリングされてデータ側ドライバBの各フリップフロップ45を順次転送され、データ側ドライバBの各フリップフロップ45から後段の図示しないデータレジスタ回路にデータ信号を取り込む制御信号を出力する。そして、データ側ドライバBの1段目のフリップフロップ45の正規出力端子(Q)から時刻t3’の内部クロック信号CLKBのパルスb’の立ち上がりに同期して出力端子44に次段のデータ側ドライバCへのイネーブル信号ENが出力される。
【0021】
以下、同様にして、3段目以降のデータ側ドライバC、D、…、G、Hの入力端子43にイネーブル信号ENが供給され、内部スタート信号STHBが各データ側ドライバC、D、…、G、Hの各フリップフロップ45を順次転送されていく。そしてデータ側ドライバHまでの転送が完了すると、再度イネーブル信号ENがデータ側ドライバAに送られることで、同様の動作が開始される。
【0022】
以上に説明したように、スタート信号STHAを読込み制御するためのイネーブル信号ENをデータ側ドライバAの入力端子43に供給し、以下、データ側ドライバB、C、…、G、Hの入力端子43へと転送していくことにより、各データ側ドライバB、C、…、G、Hのスタート信号読込み回路42のRSラッチ46が順にリセットされ、スタート信号STHAが各データ側ドライバA、B、…、G、Hに順に読込まれ、データ側ドライバA、B、…、G、Hの各フリップフロップ45を順に転送されていく。スタート信号STHAは、コントローラ2から各データ側ドライバA、B、…、G、Hに並列に供給されるため、各データ側ドライバA、B、…、G、Hにおいて内部スタート信号STHBの入力タイミングが同条件となり、各データ側ドライバA、B、…、G、Hとも内部クロック信号CLKBの本来の読込み用のパルスb’の立ち上がりエッジで、それぞれ内部スタート信号STHBを正常に読込むことができる。
【0023】
尚、上記実施例では、スタート信号の読込みおよび転送を内部クロック信号の立ち上がりエッジで行うことで説明したが、立ち下がりエッジまたは立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジのダブルエッジで行ってもよい。また、液晶表示装置を例として説明したが、これに限定されることなく、他の表示装置のデータ側ドライバ間をカスケード接続してスタート信号を転送する場合にも用いることができる。また、さらに、表示装置に限定されることなく、データが転送される他の電子装置において、半導体集積回路装置間をカスケード接続してスタート信号を転送する場合にも用いることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、半導体集積回路装置を複数使用し、半導体集積回路装置間をカスケード接続によりスタート信号を転送する時、スタート信号を読込み制御するためのイネーブル信号ENを初段の半導体集積回路装置に供給し、以下次段以降の半導体集積回路装置へと転送していくことにより、各半導体集積回路装置に並列に供給されるスタート信号が各半導体集積回路装置に順に読込まれるので、各半導体集積回路装置においてスタート信号の入力タイミングが同条件となり、各半導体集積回路装置ともクロック信号の本来の読込み用のパルスの立ち上がりエッジで、それぞれスタート信号を正常に読込むことができ、スタート信号の確実な転送が可能になり安定した動作が保証される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の液晶表示装置の回路を示す回路図。
【図2】 図1に示すデータ側ドライバの要部回路図。
【図3】 図2に示すデータ側ドライバに使用されるスタート信号読込み回路の一例を示す回路図。
【図4】 図3に示すスタート信号読込み回路の動作を説明する波形図。
【図5】 図1に示すデータ側ドライバの動作を説明する波形図。
【図6】 従来の液晶表示装置の回路を示す回路図。
【図7】 図6に示すデータ側ドライバの要部回路図。
【図8】 図7に示すデータ側ドライバの動作を説明する波形図。
【符号の説明】
1 液晶パネル
6 クロック信号入力端子
7 スタート信号入力端子
9 入出力回路
40 データ側ドライバ
41 シフトレジスタ
42 スタート信号読込み回路
43 イネーブル信号の入力端子
44 イネーブル信号の出力端子
45 フリップフロップ
46 RSラッチ
47 内部スタート信号生成回路

Claims (4)

  1. カスケード接続された複数の半導体集積回路装置にスタート信号が順次読込まれ、スタート信号がカスケード接続の前段側の半導体集積回路装置に読込まれてからカスケード接続の後段側の半導体集積回路装置に読込まれるまでの期間に、前記前段側の半導体集積回路装置にデータが読み込まれるカスケード接続回路において、
    前記各半導体集積回路装置が、イネーブル信号の入力によりスタート信号を読込むスタート信号読込み回路と、スタート信号読込み回路からのスタート信号をクロック信号のエッジで内部の複数段のフリップフロップを順次シフトさせるシフトレジスタとを備え、前記フリップフロップの初段から最終段より1乃至2段前までのフリップフロップのうち1つの出力が後段側の半導体集積回路装置へのイネーブル信号として出力されることを特徴とするカスケード接続回路。
  2. カスケード接続された複数の半導体集積回路装置にスタート信号が順次読込まれ、スタート信号がカスケード接続の前段側の半導体集積回路装置に読込まれてからカスケード接続の後段側の半導体集積回路装置に読込まれるまでの期間に、前記前段側の半導体集積回路装置にデータが読み込まれる電子装置において、
    前記各半導体集積回路装置が、イネーブル信号の入力によりスタート信号を読込むスタート信号読込み回路と、スタート信号読込み回路からのスタート信号をクロック信号のエッジで内部の複数段のフリップフロップを順次シフトさせるシフトレジスタとを備え、前記フリップフロップの初段から最終段より1乃至2段前までのフリップフロップのうち1つの出力が後段側の半導体集積回路装置へのイネーブル信号として出力されることを特徴とする電子装置。
  3. 表示装置として用いられ、前記半導体集積回路装置がデータ側駆動回路であることを特徴とする請求項2記載の電子装置。
  4. 液晶表示装置として用いられることを特徴とする請求項3記載の電子装置。
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