JP3872496B2 - Icカードアクセス制御体 - Google Patents
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Description
非接触ICカードのICカードアクセス制御体は非接触ICカードとカードリーダとの間の電磁結合を制御するものである。
第1の非接触ICカードのICカードアクセス制御体は、二枚の非接触ICカードの間に挟んで両者を分離する薄型シート状のものであって、カードリーダが放射する所定周波数の発振磁界に対して非接触ICカードを電磁結合させて読み取る際に、選択的に一つの非接触ICカードのみを反応させて他の非接触カードとの反応を防止し、二枚の非接触ICカードが同時に反応するという干渉の問題を防止するものである。
第2の非接触ICカードのICカードアクセス制御体は、基板の一方の面をスキミング防止面とし、他方の面をICカード利用面とし、非接触ICカードを前記ICカード利用面側に沿わせて保持し、前記非接触ICカードのスキミング防止と利用支援とを制御するものである。
非接触ICカードは、アンテナコイルとICチップとを内蔵したもので、用途は限定されないが、例えば、交通機関の改札カード、金融機関のキャッシュカードやクレジットカード、入退室管理カードなどの用途が想定できる。
これら非接触ICカードとの間で通信を確立する技術としてRFID(Radio Frequency Identification)技術が用いられている。RFIDは非接触ICカードとカードリーダとの間でID情報を交換して相手側を認識し、各種データを通信する自動認識技術の一つである。
このように非接触ICカードを用いたカードシステムは広がりつつあるが、特に利用者数が多く、実際に先行して導入されているものとして交通機関の改札カードシステムが挙げられる。
いわゆる利用者の乗車券や定期券が非接触ICカードであり、改札機上面にカードリーダが組み込まれ、改札機内に制御システムが組み込まれている。利用者は乗車券や定期券である非接触ICカードを改札機上面のカードリーダにかざすと、改札機と非接触ICカードとの間でID情報と必要なデータが交換され、改札機の改札ゲートの適切に開閉処理が行われる。
第1の問題は複数の非接触ICカードを用いる場合の干渉の問題である。
第2の問題はスキミングによる情報盗用の問題である。
まず、第1の干渉の問題について述べる。
現在、ICカードの利用範囲の拡大に伴って、利用者が携帯するICカードの枚数が増えてきている。
交通機関のカードの場合で言えば、利用者が通勤に2つの鉄道会社の路線を乗り継ぐものであり、鉄道会社間で改札カードシステムの相互乗り入れがされていなければ、つまり、一つの同じ非接触ICカードを共用利用できないものであれば、利用者は2つの非接触ICカードを保持し、使い分けなければならない。
このような問題を解消するため、例えば下記特許文献1には、2枚の非接触ICカードの間に導電性シートを挟んで一対の磁性シートを積層した干渉防止体を介装させたICカード用ホルダーが提案されている。なお、この特許文献1では特別なICカード用ホルダーの筐体が設けられた例であるが、2枚の非接触ICカードの間に導電性シートを挟んで両者の干渉を防ぐ原理を説明するため、筐体を除き、干渉防止体のみを取り出してその原理を説明する。
図28には正面図および側面図とともに、構造が良く分かるように分解参考図を付けた。干渉防止体1000は、アルミニウムなどの導電性シート1001を挟んで一対の軟磁気特性を備えた磁性シート1002を積層して構成されている。この導電性シート1001と磁性シート1002はともに非接触ICカードと略同一の形状、大きさに成型されている。
二枚の非接触ICカードC1,C2を保持する場合、この干渉防止体1000を非接触ICカードC1,C2の間に挟んで重ね合わせた状態で定期券入れなどに入れておく。例えば、一方の非接触ICカードC1を使用する際、当該非接触ICカードC1がカードリーダ側に(つまり改札機に向けるので下向側に)なるように定期券入れの姿勢を調整して改札機のカードリーダにかざし、非接触ICカードC1のみカードリーダと電磁結合させて通信させ、非接触ICカードC2とカードリーダの電磁結合を遮断して通信させないという働きを持つ。
このように、非接触ICカードとカードリーダの間に導電性シート1001を置けば、カードリーダが放射する発振磁界を相殺し、非接触ICカードに対して発振磁界が届かない。
磁性シート1002を導電性シート1001上に積層しておく理由は、読み取るべき非接触ICカードを正確に読み取るための磁路の形成を助けるためである。二枚の非接触ICカードの間に剥き出しの導電性シート1001のみを挟み込んだ場合、改札機のカードリーダに正対して発振磁界を直接受ける非接触ICカードであってもその背後に導電性シート1001があると、読み取るべき非接触ICカードを通過した発振磁界は導電性シート1001に相殺されてしまい、カードリーダ側に戻る磁路が形成されない。つまり、カードリーダは読み取るべき非接触ICカードとの通信ができない。そこで、導電性シート1001の表面に磁性シート1002を設けておき、発振磁界を引き込んでカードリーダ側に返し、非接触ICカードC1とカードリーダとの間の磁路の形成を助ける。
なお、他方の非接触ICカードC2を読み取らせる場合、当該非接触ICカードC2がカードリーダ側に(つまり改札機に向けるので下向側に)なるように定期券入れの姿勢を調整して改札機のカードリーダにかざせば、上記と同様の原理により非接触ICカードC2とカードリーダとの通信が可能となる。
従来のスキミングは、磁気ストライプに情報を記録せしめた銀行のキャッシュカードや信販会社のクレジットカードなどを不正にカードリーダに通し、磁気ストライプ上に記録されている情報を盗用するものが多かった。
しかし、近年のスキミング技術の向上と、銀行のキャッシュカードや信販会社のクレジットカードなどの非接触ICカード化の進展により、電磁波を用いた非接触による情報盗用というスキミング犯罪の広がりが懸念されている。非接触ICカードが入っている利用者のポケットやかばんの近くにカードリーダをかざし、電磁結合により非接触でICカード内に記録されている情報を盗用する犯罪は被害者が気付きにくいため、スキミングの防止技術の向上が求められている。
また、本発明は上述の問題に鑑み、非接触ICカードをカードケースに入れたままカードリーダにかざせば非接触ICカードを使用できるというメリットを維持しつつ、外部からのスキミングを確実に防止することができるICカードアクセス制御体を提供することを目的とする。
上記構成により、カードリーダとはICカードアクセス制御体を挟んで反対側に位置する磁性シートによる磁力線の引き込み・再放射の防止効果を得ることができ、ICカードアクセス制御体を挟んで存在する複数の非接触ICカードによる干渉を防止する働きを持つ。磁力線の引き込み・再放射の防止効果は、磁性シートの形状を上記のように工夫することにより、ICカードアクセス制御体の導電性シートの外周縁端のやや外側を通過した磁力線が磁性シートの外周縁端から引き込まれて磁性シート内へ回り込む磁路が形成されることを防止することにより得られる。
しかし、本発明のICカードアクセス制御体であれば、磁性シートの外周縁端は導電性シートの外周縁端より内側にあるので、導電性シートの外周縁端のやや外側を通過した磁力線が磁性シートの外周縁端から引き込まれることはない。
上記構成により、カードリーダと対向する磁性シートによる磁力線の引き込み・再放射の支援効果が得られる。つまり、改札機のカードリーダから対向する非接触ICカードに向けて放射された発振磁界は磁性シートにより効率的に引き込まれてアンテナコイルのループ内を下側から上側に貫いたのちアンテナコイルより外側に向けて再放射されアンテナコイルのループ外を上側から下側に通過して改札機のカードリーダに戻る磁路をスムーズに形成することができる。
つまり、カードリーダとはICカードアクセス制御体を挟んで反対側に位置する磁性シートによる磁力線の引き込み・再放射の防止効果に加え、カードリーダと対向する磁性シートによる磁力線の引き込み・再放射の支援効果の両方が得られる。
上記構成の本発明のICカードアクセス制御体では、磁性シートを導電性シートの外周縁部分には積層しない構造とし、磁性シートの外周縁は空隙が設けられている構造となっているが、前記磁性シートの形状を、前記導電性シートの外周縁部分には前記磁性シートを積層せずに前記導電性シートの形状より小さい形状とし、前記磁性シートの外周縁の外側部分の前記導電性シート上に非導電性材料からなる帯体を設け、磁性シートの外周縁部分の空隙を非導電性材料により埋める構造としても良い。例えばプラスチックフィルムなど非導電性材料であれば磁性シートのように磁力線を引き込むことはなく、上記した本発明の原理を実現することができる。
上記構成により、ICカード利用面に対向するようにカードリーダが位置した場合、カードリーダから放射された所定の周波数の発振磁界を磁性シートにより引き込み・再放射することができ、当該非接触ICカードとカードリーダの電磁結合を支援することができ、また、スキミング防止面に対向するようにカードリーダが位置した場合、カードリーダから放射された所定周波数の発振磁界を導電性シートにより遮断でき、また、ICカード利用面側の磁性シートでは磁力線の引き込み・再放射の防止効果が得られており、当該非接触ICカードと発振磁界との電磁結合を防止することができる。このように、非接触ICカードをカードケースに入れたままカードリーダにかざせば非接触ICカードを使用できるというメリットを維持しつつ、外部からのスキミングを確実に防止することができる。
上記構成により、ICカード利用面側に位置するカードリーダから放射された発振磁界は磁性シートにより効率的に引き込まれてアンテナコイルのループ内を下側から上側に貫いたのちアンテナコイルより外側に向けて再放射されアンテナコイルのループ外を上側から下側に通過してカードリーダに戻る磁路をスムーズに形成することができる。つまり、第2のICカードアクセス制御体100を挟んでスキミング防止面に位置するカードリーダからのスキミングを防止する働きに加え、効率的にICカード利用面側に位置するカードリーダと非接触ICカードを電磁結合する働きを制御することができる。
また、第1のICカードアクセス制御体と同様、磁性シートの外周縁の外側部分の導電性シート上に非導電性材料からなる帯体を設け、磁性シートの外周縁部分の空隙を非導電性材料により埋める構造とすることも可能である。
本発明のICカードアクセス制御体によれば、非接触ICカードをICカードアクセス制御体に沿わせて使用することにより、非接触ICカードをカードケースに入れたままカードリーダにかざせば非接触ICカードを使用できるというメリットを維持しつつ、外部からのスキミングを確実に防止することができる。
実施例1にかかる第1のICカードアクセス制御体は、導電性シートと、導電性シートの表面側および裏面側にそれぞれ積層した磁性シートを備え、磁性シートの形状を、導電性シートの外周縁部分には磁性シートを積層しない形状としたことを特徴としている。
図1(a)は、本発明の第1のICカードアクセス制御体100の平面図および側面図を模式的に示す図である。なお、図1(b)は本発明と比較するために従来技術の干渉防止体1000の平面図および側面図を模式的に示している。
図2(a)は、本発明の第1のICカードアクセス制御体100を用いて二枚の非接触ICカードをカードリーダにかざした場合に干渉が起こらない様子を側面(横断面)から模式的に示した図である。なお、図2(b)は、本発明と比較するために従来技術の干渉防止体1000では実際には干渉が起こってしまう様子を側面(横断面)から模式的に示している。
どの程度内側とするかは、カードリーダの発振磁界の強さや、非接触ICカードに内蔵されているアンテナコイルの位置などを考慮する。この点については後述する。
なお、導電性シートの大きさであるが、非接触ICカードとICカードアクセス制御体を重ね合わせた状態において、導電性シートの外周縁がアンテナコイルが設けられているエリア外周縁より外側に位置するものとする。つまり、干渉を防止するために、導電性シートが、ICカードアクセス制御体の上側に載せ置かれた非接触ICカードのアンテナコイルを覆う大きさと位置関係を有するものとする。
上記構成の第1のICカードアクセス制御体100を二枚の非接触ICカードの間に挟み込み、改札機のカードリーダにかざした場合の電磁結合の様子を検討する。
図2(b)の横断面図において、下に改札機のカードリーダ300があり、従来技術の干渉防止体1000を挟んで上側に非接触ICカード200a、下側に非接触ICカード200bが位置している。横断面となっており、アンテナコイル210はループ状のアンテナコイルの断面が模式的に示されている。
図2(b)に示すように、従来技術の干渉防止体1000では、下側に位置する非接触ICカード200bのアンテナコイル210bを通過する磁路FLbが形成され、さらに、導電性シートの外周縁端部分にも磁性シートが設けられているので導電性シートの外周縁端のやや外側を通過した磁力線が磁性シートの外周縁端から磁性シートの内側に引き込まれ、磁性シートの内側部分から再び出射し、改札機のカードリーダに戻るという磁路FLaも形成されてしまう。上側の非接触ICカード200aのアンテナコイル210aを通過する磁路となっており、結局、下側の非接触ICカード200bと上側の非接触ICカード200aの両者が改札機300のカードリーダと電磁結合して干渉が起こることとなる。このように従来技術の干渉防止体1000では実際には干渉が起こってしまうという問題が生じる。
図2(a)は本発明の第1のICカードアクセス制御体100によって干渉が防止される様子を側面(横断面)から模式的に示した図である。図2(a)においても、下に改札機のカードリーダがあり、本発明の第1のICカードアクセス制御体100を挟んで上側に非接触ICカード200a、下側に非接触ICカード200bが位置している。横断面となっており、アンテナコイル210はループ状のアンテナコイルの断面が模式的に示されている。
図2(a)に示すように、本発明の第1のICカードアクセス制御体100では、下側に位置する非接触ICカード200bのアンテナコイル210bを通過する磁路FLbが形成され、さらに、磁性シートの外周縁端は導電性シートのやや内側にあるため、導電性シートの外周縁端のやや外側を通過した磁力線は磁性シート102によって磁力線が引き込まれることなくそのまま第1のICカードアクセス制御体100の外側を通過して改札機のカードリーダ300へ戻る磁路FLaが形成されることとなる。この磁路FLaは上側の非接触ICカードのアンテナコイル210aを通過しない磁路となり、結局、改札機のカードリーダと電磁結合するのは下側の非接触ICカード200bのみとなり、上側の非接触ICカード200aが干渉することはない。このように本発明の第1のICカードアクセス制御体100では有効に干渉の発生を防止することができる。
以上が本発明の第1のICカードアクセス制御体の基本原理である。
本発明の第1のICカードアクセス制御体100では、図3(a)に示すように、非接触ICカードと第1のICカードアクセス制御体を重ね合わせた状態において、導電性シートの外周縁101がアンテナコイル210a,210bが設けられているエリア外周縁より外側に位置し、磁性シート102の外周縁が導電性シート101の外周縁より内側かつアンテナコイル210a,210bが設けられているエリア内周縁より外側に位置している。
このような位置関係であれば、導電性シート101の外周縁のすぐ外側を通過する磁力線は磁性シート102により引き込まれることなくそのままカードリーダ300に戻る磁路FLaを形成する。また、下側の非接触ICカード200bのやや内側から出射した磁力線は下側の磁性シート102により引き込まれ、下側の磁性シート102の外周縁端付近から再出射されてカードリーダに戻る磁路FLbを形成する。FLbは下側の非接触ICカードのアンテナコイル210bと交わり磁路となっており、電磁結合する。このように、上側の非接触ICカード200aとカードリーダの通信を遮断するとともに、下側の非接触ICカード200bとカードリーダの通信感度を上げる効果を持つ。
この場合、導電性シート101の外周縁のすぐ外側を通過する磁力線は図3(a)と同様、磁性シート102により引き込まれることなくそのままカードリーダ300に戻る磁路FLaを形成し、下側の非接触ICカード200bのやや内側から出射した磁力線は下側の磁性シート102により引き込まれ、下側の磁性シート102の外周縁端付近から再出射されてカードリーダに戻る磁路FLbを形成するが、磁路FLaおよび磁路FLbのいずれも、非接触ICカードのアンテナコイル210a,210bと交わらない磁路となっており、電磁結合は起こらない。このように、磁性シートと非接触ICカードのアンテナコイルとの位置関係が図3(b)に示す位置関係であれば、上側の非接触ICカード200aのみならず下側の非接触ICカード200bとの通信も遮断されてしまい、ICカードアクセス制御体としては不適当なものであることが分かる。
次に、上記した本発明の第1のICカードアクセス制御体を試作し、カードリーダを用いて、第1のICカードアクセス制御体の上側に位置する非接触ICカードの干渉防止性能と、下側に位置する非接触ICカードの読み取り性能を確認した。
カードリーダとして、JR西日本(西日本旅客鉄道株式会社)の改札機のカードリーダ部分を用いた。
非接触ICカードとして、JR西日本(西日本旅客鉄道株式会社)が発行している「ICOCA(TM)」を用いた。
比較実験とするため、磁性シートの形状として、図5に示すような4パターンの形状を作り、それぞれの性能を確認した。なお、各パターンのICカードアクセス制御体の導電性シートの大きさは非接触ICカードと略同一の大きさである。また、各パターンのICカードアクセス制御体と非接触ICカードを重ね合わせた場合に非接触ICカード内のアンテナコイルがどのあたりに重なるのかを把握しやすいように、各パターンのICカードアクセス制御体の磁性シート上にアンテナコイルが重なる部分を薄い破線として書き込んでいる。この例ではアンテナコイル形状がアンチコリジョンタイプのいわゆる木の葉型をしている。
パターン2は、パターン1の磁性シートの外周縁を5mm幅にて取り除いたものである。このパターン2は、本発明の第1のICカードアクセス制御体100の磁性シートの条件を備えたパターンとなっており、磁性シート102の外周縁が導電性シート101の外周縁より内側かつアンテナコイル210a,210bが設けられているエリア内周縁(パターン中に破線で示した木の葉型の内周縁)より外側に位置しているものとなっている。
パターン3は、パターン1のうち、非接触ICカードと重ね合わせた場合に非接触ICカードのアンテナコイルが重なる部分の磁性シートを除いたものとなっている。つまり、アンチコリジョンタイプのいわゆる木の葉型にくり抜かれたものとなっている。
パターン4は、パターン1の磁性シートの内側を取り除いたものとなっており、非接触ICカードと重ね合わせた場合に非接触ICカードのアンテナコイルと重なる部分の内側を取り除いたものとなっている。
上記4つのパターンのうち、パターン2が本発明の実施例1にかかる第1のICカードアクセス制御体の一構成例となっている。つまり、導電性シートの外周縁部分には磁性シートを積層しない形状となっており、また、導電性シートの外周縁がアンテナコイルが設けられているエリア外周縁より外側に位置し、磁性シートの外周縁が導電性シートの外周縁より内側かつアンテナコイルが設けられているエリア内周縁より外側に位置しているものとなっている。
上側の非接触ICカードの通信遮断性能実験と下側の非接触ICカードの通信性能実験を同時に行うことは難しいので、それぞれ別々に行った。
図6(a)は上側の非接触ICカードの通信遮断性能実験の方法を説明する図である。本発明の第1のICカードアクセス制御体100の上側(カードリーダとは反対側)に非接触ICカード200aを載せ置き、そのまま、カードリーダに対して近づけて行き、カードリーダによって非接触ICカード200aが読み取られた時点で通信遮断が失敗したと判定する。つまり、この非接触ICカード200aが読み取られた時点の距離(反応距離)を通信遮断性能と評価する。
図6(b)は下側の非接触ICカードの通信性能実験の方法を説明する図である。本発明の第1のICカードアクセス制御体100の下側(カードリーダ側)に非接触ICカード200bを持ち、そのまま、カードリーダに対して近づけて行き、カードリーダによって非接触ICカード200bが読み取られた時点で通信が成功したと判定する。つまり、この非接触ICカード200bが読み取られた時点の距離(反応距離)を通信性能と評価する。
縦軸は反応距離である。横軸は磁性シートのパターンであり、左からパターン1、パターン2、パターン3、パターン4となっている。
各パターンにおいて、左側の棒グラフが上側の非接触ICカードの通信遮断性能を示すグラフであり、右側の棒グラフが下側の非接触ICカードの通信性能を示すグラフである。
本発明の第1のICカードアクセス制御体のように、パターン2の形状の磁性シートとすると、第1のICカードアクセス制御体としての上側の非接触ICカードに対する通信遮断性能も十分に発揮され、下側の非接触ICカードに対する通信性能も十分発揮されることが確認できた。
なお、本実験におけるパターン2の第1のICカードアクセス制御体であれば、今回実験に使用したJR西日本の「ICOCA」に採用されているサイバネティック規格のアンチコリジョンコイルアンテナ(いわゆる木の葉型コイルアンテナ)や、電子マネーとして普及している「EDi(エディ)」を始め広く一般に採用されている長方形のコイルアンテナのいずれであっても適用することができ、汎用性が高いものとなっている。
実施例1にかかる第1のICカードアクセス制御体は磁性シートの形状が導電性シートの外周縁部分には磁性シートを積層しない形状となっていたが、実施例2にかかる第1のICカードアクセス制御体は磁性シートの形状において、非接触ICカードのアンテナコイルが設けられているエリアより内側のエリアに相当する部分を取り除いた形状としている。
なお、図9においても、各パターンの第1のICカードアクセス制御体と非接触ICカードを重ね合わせた場合に非接触ICカード内のアンテナコイルがどのあたりに重なるのかを把握しやすいように、各パターンの第1のICカードアクセス制御体の磁性シート上にアンテナコイルが重なる部分を薄い破線として書き込んでいる。この例ではアンテナコイル形状がアンチコリジョンタイプのいわゆる木の葉型をしている。
次に、上記したパターン5の磁性シートの形状を持つ第1のICカードアクセス制御体を試作し、カードリーダを用いて、第1のICカードアクセス制御体の上側に位置する非接触ICカードの干渉防止性能と、下側に位置する非接触ICカードの読み取り性能を確認した。
カードリーダは実施例1と同様、JR西日本(西日本旅客鉄道株式会社)の改札機のカードリーダを用いた。
非接触ICカードも実施例1と同様、JR西日本(西日本旅客鉄道株式会社)が発行している「ICOCA(TM)」を用いた。
比較するため、実施例1のパターン1、パターン2の磁性シートの形状を持つ第1のICカードアクセス制御体についてもプロットした。
図9のパターン5の結果より以下のことが確認できた。下側の非接触ICカードの通信性能は約4cmであり、第1のICカードアクセス制御体100の下側(カードリーダ側)に位置する非接触ICカードは性能良くカードリーダによって読み取られることが分かった。一方、上側の非接触ICカードもパターン2と同様、読み取りはできず、第1のICカードアクセス制御体100の上側(カードリーダとは反対側)に位置する非接触ICカードについては遮断性能が働いて干渉することがないことが確認された。
本発明の第2のICカードアクセス制御体は、基板の一方の面をスキミング防止面とし、他方の面をICカード利用面としたものである。
実施例4にかかる第2のICカードアクセス制御体は、基板となる導電性シートと、導電性シートのICカード利用面に積層した磁性シートを備え、磁性シートの形状を、導電性シートの外周縁部分には磁性シートを積層せずに導電性シートの形状より小さい形状としている。磁性シートが積層されていない面をスキミング防止面とし、磁性シートが積層されている面をICカード利用面とする。
図13に示すように第2のICカードアクセス制御体500は、基板となる導電性シート501と、当該導電性シート501の一方の面(ICカード利用面)に磁性シート502を積層した構造となっている。
実施例4に示す例では磁性シート502の形状に工夫を加えている。基板となっている導電性シート501の外周縁部分には磁性シートを積層せず、磁性シート502の形状を基板となる導電性シート501より小さい形状としている。つまり、ICカード利用面において外周縁部分には磁性シート502は積層されておらず、やや内側部分から中央にかけて磁性シート502が積層されている構造となっている。なお、スキミング防止面には磁性シート502が積層されておらず、基板である導電性シート501が剥き出しとなっている。
磁性シート502の形状について上記のような工夫を加えることにより、実施例1に示したように、カードリーダがICカード利用面側にある場合には磁性シートによって磁力線を引き込んで再放射を支援する効果を持たせるとともに、カードリーダがスキミング防止面側にある場合にはICカード利用面側の磁性シートの外周縁から磁力線を引き込んで再放射するという現象が起こらないように防止する効果を狙っている。
図14(a)は第1の使用態様を示している。第1の使用態様は少なくとも一枚の非接触ICカードをスキミング防止面に沿わせるように保持し、非接触ICカードのスキミング防止を図る使用態様である。
図14(b)は第2の使用態様を示している。第2の使用態様は少なくとも一枚の非接触ICカードをICカード利用面に沿わせるように保持し、非接触ICカードのスキミング防止とカード利用支援の2つの制御を図る使用態様である。
図14(c)は第3の使用態様を示している。第3の使用態様は少なくとも二枚の非接触ICカードのうち一枚をスキミング防止面に、他の一枚をICカード利用面にそれぞれ沿わせて保持し、非接触ICカードのスキミング防止とICカード利用面側のICカードの利用支援の2つの制御を図る使用態様である。
それぞれの使用態様において非接触ICカードとICカードアクセス制御体を沿わせた状態で皮製や布製などの一般のカードケースに入れて使用する。
第1の使用態様は、一枚の非接触ICカードをスキミング防止面に沿わせるように保持し、カードケース700に収めた状態のまま、例えば胸ポケットなどに入れて持つ。第1の使用態様ではカードケースの持ち方は自由であり、図15(a)に示すようにスキミング防止面側を外表面側に向けて持っても良く、図15(b)に示すようにICカード利用面側を外表面側に向けて持っても良い。いずれの持ち方でもスキミング防止効果が得られる。
以上、第1の使用態様では、図16(a)、図16(b)のいずれの持ち方をしていてもスキミング防止効果が得られることが分かる。
次に、実際に本発明の第2のICカードアクセス制御体を試作し、第1の使用態様の場合のスキミング防止性能を実験により確認した。カードリーダとして、JR西日本(西日本旅客鉄道株式会社)の改札機のカードリーダ部分を用いた。非接触ICカードとして、JR西日本(西日本旅客鉄道株式会社)が発行している「ICOCA(TM)」を用いた。磁性シートの形状として、図5に示したパターン2を採用した。
図17の左側に示すように、スキミング防止面側の反応距離は0、つまり、カードケース700をカードリーダ300にピッタリ密着させるまで近づけても非接触ICカード200の情報を読み取ることはできなかった。
次に、図17の右側に示すように、ICカード利用面側の反応距離も0、つまり、カードケース700をカードリーダ300にピッタリ密着させるまで近づけても非接触ICカード200の情報を読み取ることはできなかった。
以上から、本発明の第2のICカードアクセス制御体500は、第1の使用態様においていずれの持ち方をしても良好なスキミング防止効果が確認できた。
第2の使用態様は、非接触ICカードをICカード利用面に沿わせるように保持し、非接触ICカード200を使用しないときは図18(a)のようにスキミング防止面を外表面側となるようにカードケース700を胸ポケットなどに入れて持ち、非接触ICカード200を使用するときは図18(b)のようにICカード利用面側を交通機関の改札機や金融機関のATMのカードリーダにかざすようにカードケース700を持つ。第2の使用態様によれば非接触ICカード200を使用しないときはスキミング防止効果が得られ、非接触ICカー200を使用するときはICカード利用支援効果が得られる。
このように、本発明の第2の使用態様においてスキミング防止面側からスキミング用のカードリーダにより不正読み取りを図っても非接触ICカード200を読み取ることはできず、スキミング防止効果が得られる。
次に、第1の使用態様の実験と同様、実際に本発明の第2のICカードアクセス制御体を用いて、第2の使用態様の場合のスキミング防止効果およびICカード利用支援効果を実験により確認した。
実験ではカードリーダに見立ててカードリーダ300を設置した。カードケース700には第2のICカードアクセス制御体500と非接触ICカード200を入れ、非接触ICカード200をICカード利用面に沿わせた。
スキミング防止面がカードリーダ300側(図19(a)に相当する関係)となるようにカードケース700を持ってカードリーダ300に徐々に近づけて行き、カードリーダ300が非接触ICカード200との間で読み取りができた時点の反応距離を計測する第1の測定と、ICカード利用面がカードリーダ300側(図19(b)に相当する関係)となるようにカードケース700を持ってカードリーダ300に徐々に近づけて行き、カードリーダ300が非接触ICカード200との間で読み取りができた時点の反応距離を計測する第2の測定を行なった。
図20の左側に示すように、スキミング防止面側の反応距離は0、つまり、カードケース700をカードリーダ300にピッタリ密着させるまで近づけても非接触ICカード200の情報を読み取ることはできなかった。
次に、図20の右側に示すように、ICカード利用面側の反応距離は約50mmであった。つまり、カードケース700をカードリーダ300に50mm以内に近づけると非接触ICカード200の情報を読み取ることができた。
以上から、本発明の第2のICカードアクセス制御体500は、第2の使用態様においてスキミング防止面を外表面に向けて保持している状態では良好なスキミング防止効果が得られることが確認でき、ICカードを利用するためにICカード利用面側からカードリーダにかざすと良好なICカード利用支援効果が得られることが確認できた。
第3の使用態様は、少なくとも二枚の非接触ICカードのうち一枚をスキミング防止面に、他の一枚をICカード利用面にそれぞれ沿わせて保持し、スキミング防止面側に沿わせた非接触ICカードのスキミング防止とICカード利用面側に沿わせた非接触ICカードの利用支援の制御を図る使用態様である。例えば、金融機関の非接触ICカード200Aをスキミング防止面に沿わせ、交通機関の非接触ICカード200BをICカード利用面に沿わせる。非接触ICカード200A、Bのいずれも使用しないときは図21(a)のようにスキミング防止面を外表面側となるようにカードケース700を胸ポケットなどに入れて持つとスキミング防止効果が得られる。また、交通機関の非接触ICカード200Bを使用するときは図21(b)のようにICカード利用面側を交通機関の改札機のカードリーダにかざすようにカードケース700を持つと非接触ICカード200BのICカード利用支援効果が得られる。なお、この例では非接触ICカード200Aを使用するときは非接触ICカード200Aをカードケース700から取り出して使用することとなる。
このように、本発明の第3の使用態様においてスキミング防止面側からスキミング用のカードリーダにより不正読み取りを図っても非接触ICカード200A、Bのいずれも読み取ることはできず、スキミング防止効果が得られる。
次に、第1の使用態様の実験と同様、上記の本発明の第3のICカードアクセス制御体とカードリーダを用いて第3の使用態様の場合のスキミング防止効果およびICカード利用支援効果を実験により確認した。
実験ではカードリーダに見立ててカードリーダ300を設置した。カードケース700には第2のICカードアクセス制御体500と2枚の非接触ICカード200を入れ、そのうち一つをスキミング防止面に他の一つをICカード利用面に沿わせた。
スキミング防止面がカードリーダ300側(図22(a)に相当する関係)となるようにカードケース700を持ってカードリーダ300に徐々に近づけて行き、カードリーダ300が非接触ICカード200Aとの間で読み取りができた時点の反応距離を計測する第1の測定と、ICカード利用面がカードリーダ300側(図22(b)に相当する関係)となるようにカードケース700を持ってカードリーダ300に徐々に近づけて行き、カードリーダ300が非接触ICカード200Bとの間で読み取りができた時点の反応距離を計測する第2の測定を行なった。
図23の左側に示すように、スキミング防止面側の反応距離は0、つまり、カードケース700をカードリーダ300にピッタリ密着させるまで近づけても非接触ICカード200Aの情報を読み取ることはできなかった。
次に、図23の右側に示すように、ICカード利用面側の反応距離は約50mmであった。つまり、カードケース700をカードリーダ300に50mm以内に近づけると非接触ICカード200Bの情報を読み取ることができた。
以上から、本発明の第2のICカードアクセス制御体500は、第3の使用態様においてスキミング防止面に沿わせた非接触ICカード200Aについては良好なスキミング防止効果が得られることが確認でき、ICカード利用面側からカードリーダにかざすとICカード利用面側に沿わせた非接触ICカード200Bと良好なICカード利用支援効果が得られることが確認できた。
まず、第1のスキミング防止体として、導電性シートのみのスキミング防止体2000を製作した。
使用方法は、図24(b)に示すように、非接触ICカード200を第1のスキミング防止体2000の一方の面に沿えて保持するものである。図24(b)の状態において、非接触ICカードを沿えた面がICカード利用面となり、非接触ICカードを沿えた面とは反対の面がスキミング防止面とする。
上記の第1のスキミング防止体2000を用いてスキミング防止効果およびICカード利用支援効果を実験により確認した。
実験ではカードリーダに見立ててカードリーダ300を設置した。カードケース700には第1のスキミング防止体2000と非接触ICカード200を入れ、非接触ICカード200を沿わせていない面をスキミング防止面とし、非接触ICカード200を沿わせた面をICカード利用面とした。スキミング防止面がカードリーダ300側となるようにカードケース700を持ってカードリーダ300に徐々に近づけて行き、カードリーダ300が非接触ICカード200との間で読み取りができた時点の反応距離を計測する第1の測定と、ICカード利用面がカードリーダ300側となるようにカードケース700を持ってカードリーダ300に徐々に近づけて行き、カードリーダ300が非接触ICカード200との間で読み取りができた時点の反応距離を計測する第2の測定を行なった。
図25の左側に示すように、スキミング防止面側の反応距離は0、つまり、カードケース700をカードリーダ300にピッタリ密着させるまで近づけても非接触ICカード200の情報を読み取ることはできなかった。実験結果から従来技術から想定する第1のスキミング防止体2000のスキミング防止性能は極めて良い性能であることが確認できた。
次に、図25の右側に示すように、カード利用支援面の反応距離も0mmであった。非接触ICカード200の背後に密着して導電性シートがあるので第1の使用態様の図16(a)の場合と同様、非接触ICカード200とカードリーダ300とはうまく電磁結合できない。
このように、従来技術から想定しうる第1のスキミング防止体2000ではスキミング防止性能は発揮されるものの、ICカード利用支援性能は確保されないことが確認された。
図26は第2のスキミング防止体2100の構造および使用方法を示す図である。図26(a)に示すように第2のスキミング防止体2100は基板となる導電性シート501の一方の面の全面に磁性シート502が積層されたものとなっている。この磁性シート502が積層された面がICカード利用面であり、導電性シートが剥き出しになっている面がスキミング防止面である。
使用方法は、図26(b)に示すように、非接触ICカード200を第2のスキミング防止体2100のICカード利用面に沿えて保持するものである。
上記の第2のスキミング防止体2100と上記第2のICカードアクセス制御体500の使用態様の実験で用いたカードリーダ300を用いてスキミング防止効果およびICカード利用支援効果を実験により確認した。
実験ではカードリーダに見立ててカードリーダ300を設置した。カードケース700には第2のスキミング防止体2100と非接触ICカード200を入れて非接触ICカード200はICカード利用面側に沿わせた。
スキミング防止面がカードリーダ300側となるようにカードケース700を持ってカードリーダ300に徐々に近づけて行き、カードリーダ300が非接触ICカード200との間で読み取りができた時点の反応距離を計測する第1の測定と、ICカード利用面がカードリーダ300側となるようにカードケース700を持ってカードリーダ300に徐々に近づけて行き、カードリーダ300が非接触ICカード200との間で読み取りができた時点の反応距離を計測する第2の測定を行なった。
図27の左側に示すように、スキミング防止面の反応距離は35mm、つまり、スキミング防止面であっても完全にはスキミングを防止できずカードリーダ300は非接触ICカード200の情報を読み取ることができた。つまり、第2のスキミング防止体2100ではスキミング防止性能は十分には得られないことが確認できた。この数値は実施例1の実験で検証したパターン1のICカードアクセス制御体の上側通信遮断性能の数値と同じであり(図10)、スキミング防止性能が発揮されない理由も図2(b)に示した磁路FLaが形成されるためである。
このように、従来技術から想定しうる第2のスキミング防止体2100ではICカード利用支援性能は発揮されるものの、スキミング防止性能は確保されないことが確認された。
一方、本発明の第2のICカードアクセス制御体500では3つの使用態様を持ち、スキミング防止性能やカード利用支援性能を選択的にまたは同時に発揮することができるという顕著な効果が得られることが確認された。
以上、本発明の好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。従って本発明の技術的範囲は添付された特許請求の範囲の記載によってのみ限定されるものである。
101 導電性シート
102 磁性シート
103 非導電性材料
200a,200b 非接触ICカード
210a,210b アンテナコイル
211 アンテナコイルエリア外周縁
212 アンテナコイルエリア内周縁
300 カードリーダ
500 第2のICカードアクセス制御体
501 導電性シート
502 磁性シート
700 カードケース
Claims (6)
- 二枚の非接触ICカードの間に挟んで両者を分離し、カードリーダが放射する所定の周波数の発振磁界に対して、前記カードリーダ側に位置する非接触ICカードのみが電磁結合し、前記カードリーダ側とは反対側に位置する非接触ICカードが電磁結合しないようにして干渉を防止するICカードアクセス制御体であって、
基板となる導電性シートと、
前記導電性シートの表面側および裏面側にそれぞれ積層した磁性シートを備え、
前記磁性シートの形状を、前記導電性シートの外周縁部分には前記磁性シートを積層せずに前記導電性シートの形状より小さい形状としたことを特徴とするICカードアクセス制御体。 - 二枚の非接触ICカードの間に挟んで両者を分離し、カードリーダが放射する所定の周波数の発振磁界に対して、前記カードリーダ側に位置する非接触ICカードのみが電磁結合し、前記カードリーダ側とは反対側に位置する非接触ICカードが電磁結合しないようにして干渉を防止するICカードアクセス制御体であって、
基板となる導電性シートと、
前記導電性シートの表面側および裏面側にそれぞれ積層した磁性シートを備え、
前記磁性シートの形状を、前記導電性シートの外周縁部分には前記磁性シートを積層せずに前記導電性シートの形状より小さい形状とし、前記磁性シートの外周縁の外側部分の前記導電性シート上に非導電性材料からなる帯体を設けたことを特徴とするICカードアクセス制御体。 - 基板の一方の面をスキミング防止面とし、他方の面をICカード利用面とし、一枚の非接触ICカードを前記スキミング防止面と前記ICカード利用面のいずれか一方の面に沿わせて保持し、または二枚の非接触ICカードを前記スキミング防止面と前記ICカード利用面のそれぞれの面に沿わせて保持し、前記非接触ICカードのスキミング防止と利用支援とを制御するICカードアクセス制御体であって、
前記基板となる導電性シートと、
前記導電性シートのICカード利用面に積層した磁性シートを備え、
前記磁性シートの形状を、前記導電性シートの外周縁部分には前記磁性シートを積層せずに前記導電性シートの形状より小さい形状としたことを特徴とするICカードアクセス制御体。 - 基板の一方の面をスキミング防止面とし、他方の面をICカード利用面とし、一枚の非接触ICカードを前記スキミング防止面と前記ICカード利用面のいずれか一方の面または二枚の非接触ICカードを前記スキミング防止面と前記ICカード利用面のそれぞれの面に沿わせて保持し、前記非接触ICカードのスキミング防止と利用支援とを制御するICカードアクセス制御体であって、
前記基板となる導電性シートと、
前記導電性シートのICカード利用面に積層した磁性シートを備え、
前記磁性シートの形状を、前記導電性シートの外周縁部分には前記磁性シートを積層せずに前記導電性シートの形状より小さい形状とし、前記磁性シートの外周縁の外側部分の前記導電性シート上に非導電性材料からなる帯体を設けたことを特徴とするICカードアクセス制御体。 - 前記非接触ICカードがアンテナコイルを内蔵し、
前記非接触ICカードと前記ICカードアクセス制御体を重ね合わせた状態において、前記導電性シートの外周縁が前記アンテナコイルが設けられているエリア外周縁より外側に位置し、前記磁性シートの外周縁が前記導電性シートの外周縁より内側かつ前記アンテナコイルが設けられているエリア内周縁より外側に位置していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のICカードアクセス制御体。 - 外表面をプラスチック系樹脂で覆い、プラスチックカード状に成型した請求項1から5のいずれかに記載のICカードアクセス制御体。
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