JP3871310B2 - ダスト測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、流体中に含まれたダストの濃度を測定するためのダスト濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、流体中に含まれたダストの濃度を測定するためにダスト測定装置が用いられ、このようなダスト測定装置として、例えば、光の散乱を利用した光散乱方式のものが知られている。この種のダスト測定装置は、測定領域に向けて光を照射するための照射手段と、測定領域からの被検知光を受光するための受光手段と、受光された被検知光を所要の通りに演算処理してダスト濃度を算出するダスト濃度演算手段と、を備えている。このようなダスト測定装置では、照射手段は測定領域に向けて光を照射し、受光手段は測定領域からの被検知光、即ち散乱光を受光する。このとき、測定領域を流れる流体中のダスト、即ち粉塵等が多い(又は少ない)と、照射された光がダストにより多く(又は少なく)散乱され、受光開口を通して受光される被検知光(散乱光)が明るく(又は暗く)なり、このようなことから、被検知光の散乱率に基づいて流体中のダスト濃度を測定することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなダスト測定装置には、次の通りの問題がある。流体中に含まれるダスト濃度を測定する場合、ダストによる悪影響を避けるために、照射手段は照射口カバーにより覆われ、受光手段は受光口カバーにより覆われ、照射手段からの照射光は照射口カバーを通して測定領域に照射され、測定領域からの被検知光(散乱光)は受光口カバーを通して受光される。
【0004】
ところが、測定する流体中に粉塵等のダストが含まれているので、このダストが照射口カバーの照射面及び受光口カバーの受光面に付着するおそれがある。例えば、照射面にダストが付着すると、測定領域に照射される光が暗くなり、また受光面にダストが付着すると、受光手段に受光される被検知光が暗くなる。それ故に、ダストが照射面及び/又は受光面に付着すると、ダスト濃度を正確に測定することができなくなり、ダストの付着量が多くなるほどダスト濃度の測定誤差も大きくなる。
【0005】
このような問題は、透過式、反射式等のその他の形態のダスト測定装置、光を利用した振動計、レーザ光を利用した燃焼速度計測装置等にも同様に存在し、照射面及び/又は受光面にダスト等が付着すると正確に計測することができない。
【0006】
本発明の目的は、ダストによる悪影響を抑えて、流体中に含まれるダスト濃度を長期にわたって正確に測定することができるダスト濃度測定装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、照射開口及び受光開口を有する検知部ハウジングと、前記照射開口を通して測定領域を流れる流体に向けて光を照射するための照射手段と、前記測定領域からの被検知光を前記受光開口を通して受光するための受光手段と、前記受光手段にて受光された被検知光を所要の通りに演算処理してダスト濃度を算出するダスト濃度演算手段と、を備えたダスト測定装置であって、
前記照射開口には照射口カバーが装着され、前記照射口カバーの照射面に向けてパージ流体を噴出する第1噴出手段が設けられ、前記第1噴出手段は、外周壁及びこの外周壁の先端部から前記照射面に向けて半径方向に延びる内周壁を有する第1カバー取付部材から構成され、前記第1カバー取付部材の前記内周壁の先端部には周方向に間隔をおいて複数の噴出口が設けられ、その内周壁の先端部は前記照射口カバーを押圧保持し、
また、前記受光開口には受光口カバーが装着され、前記受光口カバーの受光面に向けてパージ流体を噴出する第2噴出手段が設けられ、前記第2噴出手段は、外周壁及びこの外周壁の先端部から前記受光面に向けて半径方向内方に延びる内周壁を有する第2カバー取付部材から構成され、前記第2カバー取付部材の前記内周壁の前記先端部には周方向に間隔をおいて複数の噴出口が設けられ、その内周壁の先端部は前記受光口カバーを押圧保持し
更に、前記検知部ハウジング内には、前記第1噴出手段にパージ流体を送給するための第1パージ流体送給手段、及び前記第2噴出手段にパージ流体を送給するための第2パージ流体送給手段が設けられており、
前記第1パージ流体送給手段を通して送給されたパージ流体は、前記第1カバー取付部材の前記複数の噴出口から前記照射口カバーの照射面に向けて周方向に実質上均一に噴出され、また前記第2パージ流体送給手段を通して送給されたパージ流体は、第2カバー取付部材の前記複数の噴出口から前記受光口カバーの受光面に向けて周方向に実質上均一に噴出されることを特徴とする。
【0011】
本発明に従えば、検知部ハウジング内に第1及び第2パージ流体送給手段が設けられ、第1パージ流体送給手段は第1噴出手段にパージ流体を送給し、送給されたパージ流体は第1噴出手段から照射口カバーの照射面に向けて噴出されるので、パージ流体の噴出流によって、流体中に含まれたダストが照射面に付着するのを回避することができるとともに、仮に付着したとしても付着したダストを吹き飛ばすことができる。また、第2パージ流体送給手段は第2噴出手段にパージ流体を送給し、送給されたパージ流体は第2噴出手段から受光口カバーの受光面に向けてパージ流体を噴出するので、パージ流体の噴出流によって、流体中に含まれたダストが受光面に付着するのを回避することができるとともに、仮に付着したとしても付着したダストを吹き飛ばすことができる。更に、第1噴出手段(及び第2噴出手段)は外周壁及び内周壁を有する第1カバー取付部材(及び第2カバー部材)から構成され、第1カバー取付部材(及び第2カバー取付部材)の内周壁は外周壁の先端部から照射面(及び受光面)に向けて半径方向内方に伸び、その先端部に周方向に間隔をおいて複数の噴出口が設けられているので、第1パージ流体送給手段(及び第2パージ流体送給手段)からのパージ流体は、複数の噴出口から照射面(及び受光面)に向けて噴出され、照射口カバー(及び受光口カバー)の周囲から中心に向けて実質上均一に噴出された後に照射口カバー(及び受光口カバー)から離れる方向に流れ、このようなパージ流体の流れによって、ダストを照射口カバー(及び受光口カバー)の表面から押し返すように作用し、これによって、少量のパージ流体でもってダストの付着を効果的に防止することができ、その結果、測定領域にパージ流体が流れるのを回避することができ、流体中のダスト濃度を正確に測定することができる。加えて、第1カバー取付部材(及び第2カバー取付部材)の内周壁の先端部が照射口カバー(及び受光口カバー)に作用して押圧保持するので、第1噴出手段(及び第2噴出手段)を構成する第1カバー取付部材(及び第2カバー取付部材)を利用して照射口カバー(及び受光口カバー)を取り付けることができる。尚、ダスト測定装置としては、光散乱型、光透過型、光反射型の各種形態のものであり、光散乱型のものにあっては、散乱光が被検知光として受光手段に受光され、光透過型のものにあっては、透過光が被検知光として受光手段に受光され、反射型のものにあっては、反射光が被検知光として受光手段に受光される。
【0012】
また、本発明では、前記第1パージ流体送給手段はパージ流体を前記第1噴出手段に送給するための第1パージ流体流路を備え、前記第2パージ流体送給手段はパージ流体を前記第2噴出手段に送給するための第2パージ流体流路を備え、前記第1及び第2パージ流体流路は合流して主パージ流体流路を通してパージ流体供給源に接続され、前記主パージ流体流路には、前記パージ流体供給源側への逆流を防止するための逆止弁が設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、第1パージ流体送給手段は第1噴出手段にパージ流体を送給する第1パージ流体流路を備えているので、パージ流体はこの第1パージ流体流路を通して第1噴出手段から照射面カバーの照射面に向けて噴出される。また、第2パージ流体送給手段は第2噴出手段にパージ流体を送給するための第2パージ流体流路を備えているので、パージ流体はこの第2パージ流体流路を通して第2噴出手段から受光口カバーの受光面に向けて噴出される。更に、第1及び第2パージ流体流路は主パージ流体流路に合流され、この主パージ流体流路に逆止弁が配設されているので、第1パージ流体流路を通しての流体の逆流及び第2パージ流体流路を通しての流体の逆流が防止される。従って、測定する流体が例えば高圧の燃料用ガス等であっても、この燃料用ガスの逆流が確実に防止され、燃料用ガス中のダスト濃度を安全に測定することができる。
【0016】
更に、本発明では、前記照射手段は、光を発光するための発光源と、前記発光源からの光を前記照射開口に導くための第1光ファイバとを含んでおり、前記受光手段は、被検知光を受光するための受光素子と、前記受光開口を通して導入された被検知光を所定方向に反射するための反射鏡と、前記反射鏡により反射された被検知光を前記受光素子に導くための第2光ファイバとを含んでいることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、照射手段は、光を発光する発光源と、発光源からの光を照射開口に導くための第1光ファイバとを含み、また受光手段は、被検知光を受光する受光素子と、受光開口からの被検知光を所定方向に反射する反射鏡と、反射鏡からの被検知光を受光素子に導く第2光ファイバとを含んでいるので、流体流路内に挿入される検知部ハウジングを小型に、且つ細くすることができ、測定作業時の取り扱いが容易となるとともに、検知部ハウジングを挿入する開口を小さくすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に従うパージ流体噴出構造及びこれを備えたダスト測定装置の一実施形態について説明する。図1は、本発明に従うダスト測定装置の全体を示す概略図であり、図2は、図1のダスト測定装置の一部を示す部分断面図であり、図3は、図1のダスト測定装置の照射部及び受光部付近を示す部分断面図であり、図4は、図1のダスト測定装置の受光部を拡大して示す部分拡大断面図である。
【0019】
図1において、図示のダスト測定装置(パージ流体噴出構造を備えたダスト測定装置)は、配管2により規定された流体流路4を流れる流体に含まれた粉塵等のダスト6の濃度を測定するために用いられる。このダスト測定装置は、円筒状の検知部ハウジング8を備え、この検知部ハウジング8の先端側が、例えば、配管2の所定部位に設けられたボールバルブ部10及びガスシール部12を通して流体流路4内に挿入される。流体流路4には、流体としての燃料用ガス、例えば高圧(例えば4MPa)の都市ガスが矢印で示す方向に流れており、ダスト測定装置は、このように流れる燃料用ガス中のダスト濃度を測定するのに好都合に用いることができるが、一般的なガスに含まれたダストの濃度を測定するのにも広く用いることができる。
【0020】
図2及び図3をも参照して、検知部ハウジング8の先端部の所定部位には凹部15が設けられ、この凹部15の片側に照射部14が設けられ、その他側に受光部16が設けられている。検知部ハウジング8の照射部14には照射開口18が設けられ、この照射開口18に照射口カバー20が装着されている。また、検知部ハウジング8の受光部16には受光開口22が設けられ、この受光開口22に受光口カバー24が装着されている。照射口カバー20及び受光口カバー24はガラス等の透明な材料から形成され、照射口カバー20及び受光口カバー24によって、照射開口18及び受光開口22が密封され、これら照射口カバー20及び受光口カバー24の表面に流体流路4を流れる流体が接触する。
【0021】
ダスト測定装置は、検知部ハウジング8と分離した測定装置本体26を備えている。測定装置本体26には、光を発光するための発光源28と、後述する被検知光を受光するための受光素子30と、受光素子30により受光された被検知光を所要の通りに演算処理するためのダスト濃度演算手段32が内蔵されている。発光源28は、例えばレーザ発振素子から構成され、近赤外線レーザ光を発光する。尚、指向性の強い他の光を発光する発光源を用いるようにしてもよい。また、受光素子30は、例えばCCDから構成され、被検知光を受光する。ダスト濃度演算手段32は、例えばマイクロコンピュータから構成され、受光素子30からの受光信号を演算処理して流体中に含まれたダストの濃度を算出する。後述する如く、流体中に含まれているダスト量と被検知光とは所定の関係があり、ダスト量が多い(又は少ない)と、ダストによる光の散乱が多く(又は小さく)、従って、測定領域50からの散乱光が明るく(又は暗く)、受光素子30に受光される受光量が大きく(又は小さく)なり、このような関係を利用してダスト濃度演算手段32はダスト濃度を算出する。
【0022】
この測定装置本体26には、印刷装置34及び表示装置36が付設されており、印刷装置34は、ダスト濃度演算手段32により算出したダスト濃度を印刷し、また表示装置36は、算出したダスト濃度を表示する。
【0023】
この測定装置本体26と検知部ハウジング8とは、第1及び第2光ファイバ38,40により接続されている。第1光ファイバ38は、発光源28からの光を照射部14に導き、第2光ファイバ40は、受光部16からの被検知光を受光素子30に導く。このように構成されているので、発光源28及び第1光ファイバ38は、照射光を照射するための照射手段を構成し、第2光ファイバ40及び受光素子30は被検知光を受光するための受光手段を構成する。
【0024】
主として図3を参照して、検知部ハウジング8の凹部15の片側には、この検知部ハウジング8内に第1閉塞部材42が装着され、この第1閉塞部材42にファイバ保持部材44が螺着され、このファイバ保持部材44内に第1光ファイバ38の先端部が位置付け保持されている。このファイバ保持部材44の先端部には照射開口18を規定する凹部が設けられ、かかる凹部に照射口カバー20が装着されている。この照射口カバー20の表面側には第1カバー取付部材46が配設され、この第1カバー取付部材46を通して取付ねじ(図示せず)を第1閉塞部材42螺着することによって、照射口カバー20が照射開口18に押圧保持される。この第1カバー取付部材46の中央部には円形状の開口48が設けられている。かく構成されているので、発光源28からの光は、第1光ファイバ38を通ってその先端面から投射され、ファイバ保持部材44内の空間、照射口カバー20及び第1カバー取付部材46の開口48を通して流体流路4内の測定領域50に向けて照射される。
【0025】
また、検知部ハウジング8の凹部15の他側には、この検知部ハウジング8内に第2閉塞部材52が装着され、この第2閉塞部材52に集光レンズ54及び反射鏡56が装着されているとともに、第2光ファイバ40の先端部が装着されている。第2閉塞部材52の所定部位にはレンズ支持スリーブ58が螺着され、このレンズ支持スリーブ58の一端部を覆うようにカバー保持部材60が螺着され、レンズ支持スリーブ58の一端とカバー保持部材60の中間段部との間にOリング62を介して集光レンズ54が装着されている。このカバー保持部材60の先端部には受光開口22を規定する凹部が設けられ、かかる凹部に受光口カバー24が装着されている。この受光口カバー20の表面側には、照射口カバー20側と同様に、第2カバー取付部材64が配設され、この第2カバー取付部材64を通して取付ねじ(図示せず)を第2閉塞部材52螺着することによって、受光口カバー24が受光開口24に押圧保持される。この第2カバー取付部材64の中央部には円形状の開口66が設けられている。
【0026】
更に、第2閉塞部材52の所定部位には切欠き68が設けられ、この切欠き68内に反射面が突出するように反射鏡56が第2閉塞部材52に取り付けられている。この形態では、反射鏡56が鏡支持部材68に取り付けられ、第2閉塞部材52に設けられた挿入孔を通して反射鏡56の先端側を挿入し、この鏡支持部材68を固定用ねじ70により第2閉塞部材52の裏面に取り付けることにより、反射鏡56が所要の通りに取り付けられる。また、第2閉塞部材52にはファイバ挿入孔72が設けられ、第2光ファイバ40の先端部はこのファイバ挿入孔72に挿入保持され、保持ホルダ74により保持されている。この形態では、第1閉塞部材42と第2閉塞部材52との間にはカバースリーブ76が取り付けられ、このカバースリーブ76内を通して第2光ファイバ40が第2閉塞部材52に延びている。
【0027】
かく構成されているので、測定領域50のダストにより散乱された被検知光は、第2カバー取付部材64の開口66、受光口カバー24、カバー保持部材60の内部空間、集光レンズ54、レンズ支持スリーブ58の内部空間、第2閉塞部材52の孔77及び切欠き68を通して反射鏡56に至り、この反射鏡56の反射面で反射された後、切欠き68を通して第2光ファイバ40の先端面に受光され、かく受光された被検知光は、第2光ファイバ40を通して受光素子30に導かれる。このように被検知光が受光されるので、集光レンズ54及び反射鏡56も上記受光手段の一部を構成する。
【0028】
この実施形態では、第1光ファイバ38の先端部は、検知部ハウジング8の軸線方向(図2及び図3において左右方向)に対して10〜30度の適当な角度、例えば20度傾斜して保持され、従って、第1光ファイバ38からの照射光は、上記軸線方向に対して例えば20度傾斜した角度で照射される。また、集光レンズ54を通る光軸は、検知部ハウジング8の軸線方向に対して10〜30度の適当な角度、例えば20度傾斜し、また第2光ファイバ40の先端部は検知部ハウジング8の上記軸線方向に延びており、従って、測定領域50から上記光軸方向への散乱光、即ち被検知光は、反射鏡56の反射面で検知部ハウジング8の上記軸線方向に反射された後に第2光ファイバ40に導かれる。このように照射部14からの照射角度及び受光部16の光軸角度を検知部ハウジング8の軸線に対して所定角度傾斜させることによって、照射部14からの照射光が直接的に受光部16に受光されることがなく、測定領域50における散乱光のみが被検知光として受光部16に受光されるようになり、これにより流体中のダスト濃度を正確に測定することができる。また、受光部16にて受光された被検知光を反射鏡56により反射させているので、この被検知光を鋭角に反対方向に導いて第2光ファイバ40の先端面に到達させることができ、これにより、検知部ハウジング8の外形を小さくすることが可能となり、その小型化、軽量化を達成することができる。尚、この形態では、検知部ハウジング8の凹部15の軸線方向中央部には、外方に突出する遮光板80が設けられている。この遮光板80は、照射部14から照射された照射光が受光部16に直接的に受光されるのを防止する。
【0029】
このダスト測定装置には、更に、照射部14の照射面(照射口カバー20の表面であって、この面が流体接触面となる)及び受光部16の受光面(受光口カバー24の表面であって、この面が流体接触面となる)にダストが付着するのを防止するためのパージ流体噴出構造が採用されている。図示のパージ流体噴出構造は、照射部14の照射面にパージ流体を噴出する第1噴出手段と、この第1噴出手段にパージ流体を送給するための第1パージ流体送給手段82と、受光部16の受光面にパージ流体を噴出する第2噴出手段と、この第2噴出手段にパージ流体を送給するための第2パージ流体送給手段84とを含んでいる。この実施形態では、第1噴出手段は第1カバー取付部材46から構成され、第1パージ流体送給手段82が第1パージ流体流路86を備え、第1パージ流体流路86が第1カバー取付部材46まで延びている。また、第2噴出手段は第2カバー取付部材64から構成され、第2パージ流体送給手段84が第2パージ流体流路88を備え、第2パージ流体流路88が第2カバー取付部材64まで延びている。
【0030】
また、第1及び第2パージ流体流路86,88は主パージ流体流路90に合流され、この主パージ流体流路90がパージ流体供給源92に接続されている。パージ流体供給源92は例えば流体タンクから構成され、この流体タンク内に流体流路4を通して流れる流体と実質上同じ成分の流体が充填され、かく充填されたパージ流体が後述する如くパージ供給される。流体流路4を通して燃料用ガス、例えば都市ガスが流れる場合、パージ流体供給源92から実質上同じ成分の燃料用ガス、例えば都市ガスがパージ供給され、かくパージ供給することによって、パージ流体が添加されても流体流路4を流れる流体の成分が変化することがなく、流体流路4を流れる燃料用ガスの燃焼熱量を一定に保つことができる。
【0031】
この実施形態では、主パージ流路流路90は、第1閉塞部材42に形成された環状流路96と、この環状流路96から延びる流路98と、第1閉塞部材42に装着された接続部材100の流路102と、検知部ハウジング8の端部部材104に形成された流路106と、端部部材104と接続部材110との間に配設された接続パイプ112の流路114と、を含み、この端部部材104の流路106がチューブ部材116の流路118を介してパージ流体供給源92に接続される。
【0032】
また、第1パージ流体流路86は、第1閉塞部材42に形成された流路120を含み、この流路120が上記環状流路96から第1カバー取付部材46まで延びている。更に、第2パージ流体流路88は、第1閉塞部材42の環状空間96から延びる流路122と、第1閉塞部材42に装着された短接続部材124の流路126と、第2閉塞部材52に装着された短接続部材128の流路130と、短接続部材124,128間に配設された接続パイプ132の流路134と、第1閉塞部材42の流路136と、その環状流路138と、この環状流路138から第2カバー取付部材64まで延びる流路140と、を含んでいる。このように構成されているので、パージ流体供給源92からのパージ流体は、主パージ流体流路90を通して第1閉塞部材42の環状流路96に流れ、この環状流路96から第1パージ流体流路86を通して第1カバー取付部材46に流れるとともに、第2パージ流体流路88を通して第2カバー取付部材64に流れる。
【0033】
この実施形態では、主パージ流体流路90に逆止弁146が配設されている。この逆止弁146は、球状の弁体148と、この弁体148を押圧する押圧部材150と、押圧部材150に作用するコイルばね152から構成され、コイルばね152は、押圧部材150を介して弁体148を閉方向(図2において左方)に弾性的に偏倚する。このように逆止弁146を設けることによって、主パージ流体流路90を通しての流体の逆流が防止され、流体流路4を流れる流体が第1パージ流体流路86及び/又は第2パージ流体流路88を通してパージ流体供給源92側に逆流することが防止される。また、図示の形態では、押圧部材150の片側(弁体148に作用する面とは反対側)に軸部が設けられ、この軸部を被嵌するようにコイルばね152が装着されており、このように構成することによって、コイルばね152の偏倚力が押圧部材150を介して弁体148に安定的に作用し、かくして、主パージ流体流路90を通しての流体の逆流をより確実に防止することができる。尚、第1及び第2パージ流体流路86,88に充分な設置スペースが存在する場合、このような逆止弁を第1及び第2パージ流体流路86,88に設けるようにしてもよい。
【0034】
第1及び第2パージ流体流路86,88を流れるパージ流体は、次のようにして照射口カバー20の照射面及び受光口カバー24の受光面に向けて噴出される。第1及び第2噴出手段を構成する第1及び第2カバー取付部材46,64は実質上同一の構成であり、以下、主として図4を参照して、第2カバー取付部材64(第1カバー取付部材46)及びそれに関連する構成について説明する。
【0035】
受光口カバー24(照射口カバー20)の受光面(照射面)側に取り付けられる第2カバー取付部材64(第1カバー取付部材46)は、外周壁162と、この外周壁162の先端部から受光面(照射面)に向けて半径方向内方に傾斜して延びる内周壁164とを有し、外周壁162が第2閉塞部材52(第1閉塞部材42)に当接するように装着される。この取付状態においては、内周壁164の先端部が受光口カバー24(照射口カバー20)の受光面(照射面)を押圧し、受光口カバー24(照射口カバー20)は受光開口24(照射開口18)に押圧保持される。
【0036】
この第2カバー取付部材64(第1カバー取付部材46)の外周壁162と内周壁164との間には第2環状空間166(第1環状空間)が規定され、かかる第2環状空間166(第1環状空間)が第2パージ流体流路88(第1パージ流体流路86)に連通している。また、この内周壁164の先端部には、周方向に間隔をおいて複数個の噴出口168が設けられ、これら噴出口168が第2噴出手段(第1噴出手段)の噴出口として機能する。この形態では、噴出口168は矩形状に形成されているが、半円状等の適宜の形状に形成することもできる。
【0037】
このように構成されているので、第2パージ流体流路88(第1パージ流体流路86)からのパージ流体は、第2噴出手段を構成する第2カバー取付部材64(第1噴出手段を構成する第1カバー取付部材46)の第2環状空間166(第1環状空間)に流れ、この第2環状空間166(第1環状空間)を通して複数個の噴出口168から半径方向内方に受光口カバー24(照射口カバー20)の受光面(照射面)に沿って噴出される。
【0038】
この実施形態では、更に、流体流路4を流れる流体が検知部ハウジング8内に流入するのを確実に防止するために、必要個所に、Oリング180を二重に用いた二重シール構造が採用されている。即ち、図2及び図3に示すように、この二重シール構造は、第1閉塞部材42の装着部位、第2閉塞部材52の装着部位、ファイバ保持部材44の装着部位、短接続部材124,128の装着部位、保持ホルダ76の装着部位、カバー保持部材60の装着部位等に採用されている。
【0039】
上述したダスト測定装置では、パージ流体供給源92からのパージ流体が主パージ流体流路90を通して第1及び第2パージ流路流路86,88に送給され、第1パージ流体流路86に送給されたパージ流体は、第1カバー取付部材46の噴出口から照射口カバー20の照射面に向けて噴出されるとともに、第2パージ流体流路88に送給されたパージ流体は、第2カバー取付部材64の噴出口170から受光口カバー24の受光面に向けて噴出される。従って、照射面付近のダスト6は、第1カバー取付部材46の噴出口から半径方向内方に流れた後に照射面から離れる方向へ流れるパージ流体によって吹き飛ばされ、また受光面付近のダスト6は、第2カバー取付部材64の噴出口170から半径方向内方に流れた後に受光面から離れる方向へ流れるパージ流体によって吹き飛ばされ、かくして、ダスト6が照射面及び受光面に付着することが防止され、仮にダスト6がこれらの面にに付着したとしても吹き飛ばすことができる。その結果、上記照射面及び受光面の表面を長期にわたってきれいな状態に保つことができ、流体中のダスト濃度を正確に測定することができる。また、照射口カバー20側においては、パージ流体は照射口カバー20の周囲から半径方向内方に流れた後にその照射面から離れる方向に流れ、また受光口カバー24側においては、パージ流体は受光口カバー24の周囲から半径方向内方に流れた後にその受光面から離れる方向に流れ、かくして、少量のパージ流体でもって照射面及び受光面へのダストの付着を効果的に防止することができ、これにより、パージ流体の測定領域への影響を最小限に抑えることができる。
【0040】
以上、本発明に従うダスト測定装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0041】
例えば、図示の実施形態では、第1及び第2カバー取付部材46,64により第1及び第2噴出手段を構成しているが、このような構成に代えて、例えば、第1噴出手段としての第1チューブ(又は第1パイプ)を照射口カバー20の周囲にリング状に配設するとともに、第2噴出手段としての第2チューブ(又は第2パイプ)を受光口カバー24の周囲にリング状に配設し、第1及び第2チューブ(又は第1及び第2パイプ)に間隔をおいて設けた噴出口からパージ流体を半径方向内方に噴出するようにしてもよく、この場合、第1パージ流体送給手段82を通して流れるパージ流体は第1チューブ(又は第1パイプ)に送給され、第2パージ流体送給手段84を通して流れる流体は第2チューブ(又は第2パイプ)に送給される。
【0042】
また、図示の実施形態では、第1及び第2噴出手段の噴出口を照射口カバー20及び受光口カバー24の周方向に間隔をおいて複数個設けているが、こような構成に限定されず、それらの噴出口を周方向に連続する一つの噴出口から構成するようにしてもよく、このような形状の噴出口であってもパージ流体を周方向に実質上均一に噴出させることができる。
【0043】
また、第1噴出手段(第2噴出手段)を複数本のチューブ、パイプ等から構成するようにしてもよく、この場合、複数本のチューブ、パイプ等の一端は照射口カバー(受光口カバー)の周囲に周方向に間隔をおいて配設され、第1パージ流体送給手段を通して送給されるパージ流体はこれらチューブ、パイプ等の他端側に送給される。
【0044】
また、上述した実施形態では、パージ流体噴出構造をダスト測定装置に適用して説明したが、このようなパージ流体噴出構造は、光を照射するための照射開口及び/又は光を受光するための受光開口を有する各種測定装置、計測装置、検査装置等に適用することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の請求項1のダスト測定装置によれば、第1パージ流体送給手段は照射口カバーの照射面に向けてパージ流体を噴出するので、ダスト、ミスト等が照射面に付着するのを回避することができる。また、第2パージ流体送給手段は受光口カバーの受光面に向けてパージ流体を噴出するので、ダスト、ミスト等が受光面に付着するのを回避することができる。このように照射面及び受光面へのダスト、ミスト等の付着を防止してこれらの面をきれいな状態に保つことができ、その結果、流体中のダスト濃度を正確に測定することができる。また、第1及び第2カバー取付部材の内周壁の先端部が照射口カバー及び受光口カバーを押圧保持するので、第1及び第2カバー取付部材によって照射口カバー及び受光口カバーを取り付けることができる。
【0047】
また、本発明の請求項のダスト測定装置によれば、第1及び第2パージ流体流路は主パージ流体流路に合流され、この主パージ流体流路に逆止弁が配設されているので、第1パージ流体流路を通しての流体の逆流及び第2パージ流体流路を通しての流体の逆流を防止することができる。また、単一の逆止弁でもって、第1及び第2パージ流体流路からの逆流を防止することができる。
【0049】
更に、本発明の請求項のダスト測定装置によれば、流体流路内に挿入される検知部ハウジングを小型に、且つ細くすることができ、測定作業時の取り扱いが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うダスト測定装置の全体を示す概略図である。
【図2】図1のダスト測定装置の一部を示す部分断面図である。
【図3】図1のダスト測定装置の照射部及び受光部付近を示す部分断面図である。
【図4】図1のダスト測定装置の受光部を拡大して示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
4 流体流路
6 ダスト
8 検知部ハウジング
14 照射部
16 受光部
20 照射口カバー
24 受光口カバー
26 測定装置本体
28 発光源
30 受光素子
32 ダスト濃度演算手段
38,40 光ファイバ
46,64 カバー取付部材
50 測定領域
54 集光レンズ
56 反射鏡
82,84 パージ流体送給手段
86,88,90 パージ流体流路
92 パージ流体供給源
146 逆止弁
168 環状空間
170 噴出口

Claims (3)

  1. 照射開口及び受光開口を有する検知部ハウジングと、前記照射開口を通して測定領域を流れる流体に向けて光を照射するための照射手段と、前記測定領域からの被検知光を前記受光開口を通して受光するための受光手段と、前記受光手段にて受光された被検知光を所要の通りに演算処理してダスト濃度を算出するダスト濃度演算手段と、を備えたダスト測定装置であって、
    前記照射開口には照射口カバーが装着され、前記照射口カバーの照射面に向けてパージ流体を噴出する第1噴出手段が設けられ、前記第1噴出手段は、外周壁及びこの外周壁の先端部から前記照射面に向けて半径方向に延びる内周壁を有する第1カバー取付部材から構成され、前記第1カバー取付部材の前記内周壁の先端部には周方向に間隔をおいて複数の噴出口が設けられ、その内周壁の先端部は前記照射口カバーを押圧保持し、
    また、前記受光開口には受光口カバーが装着され、前記受光口カバーの受光面に向けてパージ流体を噴出する第2噴出手段が設けられ、前記第2噴出手段は、外周壁及びこの外周壁の先端部から前記受光面に向けて半径方向内方に延びる内周壁を有する第2カバー取付部材から構成され、前記第2カバー取付部材の前記内周壁の前記先端部には周方向に間隔をおいて複数の噴出口が設けられ、その内周壁の先端部は前記受光口カバーを押圧保持し
    更に、前記検知部ハウジング内には、前記第1噴出手段にパージ流体を送給するための第1パージ流体送給手段、及び前記第2噴出手段にパージ流体を送給するための第2パージ流体送給手段が設けられており、
    前記第1パージ流体送給手段を通して送給されたパージ流体は、前記第1カバー取付部材の前記複数の噴出口から前記照射口カバーの照射面に向けて周方向に実質上均一に噴出され、また前記第2パージ流体送給手段を通して送給されたパージ流体は、第2カバー取付部材の前記複数の噴出口から前記受光口カバーの受光面に向けて周方向に実質上均一に噴出されることを特徴とするダスト測定装置。
  2. 前記第1パージ流体送給手段はパージ流体を前記第1噴出手段に送給するための第1パージ流体流路を備え、前記第2パージ流体送給手段はパージ流体を前記第2噴出手段に送給するための第2パージ流体流路を備え、前記第1及び第2パージ流体流路は合流して主パージ流体流路を通してパージ流体供給源に接続され、前記主パージ流体流路には、前記パージ流体供給源側への逆流を防止するための逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のダスト測定装置。
  3. 前記照射手段は、光を発光するための発光源と、前記発光源からの光を前記照射開口に導くための第1光ファイバとを含んでおり、前記受光手段は、被検知光を受光するための受光素子と、前記受光開口通して導入された被検知光を所定方向に反射するための反射鏡と、前記反射鏡により反射された被検知光を前記受光素子に導くための第2光ファイバとを含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載のダスト測定装置。
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