JP3869596B2 - 顕微鏡用ステージ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、線状部材により駆動する顕微鏡用ステージに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の顕微鏡におけるステージの概略構成は、顕微鏡本体に固定された下ステージと、この下ステージに対してボールガイド、コロガイド、シャフトガイド等の機構により直動案内される上ステージと、この上ステージに対して前記直動案内の方向に垂直な方向へ同機構で直動案内されるクレンメル保持部材からなる。
そして、このクレンメル保持部材に固定された標本保持具(クレンメル)が二方向へ案内されることにより、前記標本保持具に保持された標本が下ステージに対して相対的に平面上を移動可能になり、所望の位置に位置される。
【0003】
また駆動系については、上ステージに回動可能に設けられた同軸上の二つの軸の一端側に操作ハンドルが配設され、他端側にはラック・アンド・ピニオンやワイヤーとプーリー、またはベルトとプーリーといった伝達機構が設けられている。そして、操作ハンドルが回転操作されると、前記伝達機構により上ステージ及びクレンメル保持部材が直動案内され、下ステージに対する標本保持具の平面内での相対移動が可能になる。
【0004】
特開平8−304708号公報には、上ステージの移動をワイヤーで駆動することを特徴とした顕微鏡用ステージが開示されている。この構成では、ワイヤーの一端が下ステージに植設されたピンに取り付けられ、その他端が引張バネの一端に取り付けられている。引張バネの他端は下ステージに植設された前記とは別のピンに取り付けられている。上ステージに回転可能に取り付けられているプーリーには、ワイヤーが一巻き分だけ巻き付けられている。ハンドルによりプーリーを回転させると、引張バネの引張力によってワイヤーとの間でスリップを生じることなく回転するとともに、プーリーはワイヤーに巻き付けられた状態でY方向に移動する。プーリーは上ステージに取り付けられているので、プーリーの移動に伴い、上ステージもY方向に移動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、顕微鏡の操作性が重要視されるのにしたがい、ステージ周辺に配置されている顕微鏡の操作部位(例えば焦準ハンドル等)と、検鏡時に使用頻度が高い標本移動操作ハンドル(ステージ操作ハンドル)の位置に対する重要度が増している。
【0006】
しかし、上述した従来のワイヤー駆動式ステージにおいては、ステージ操作ハンドルと同軸に設けられるプーリーを、ステージ移動方向に沿って張り渡されたワイヤーロープに接するように配置しなければならないため、ステージ操作ハンドルの配置の自由度が限られる。
【0007】
また、上記ワイヤー駆動式ステージでは、標本移動のための操作部であるステージ操作ハンドル(スリーブ)の位置は下ステージの側面に接する位置でなければならず、操作上最良の位置に配置できない場合が生じてくる。また、ハンドルを任意の位置に配置しようとすると、下ステージを大きくする必要があり、ステージ全体が大型化し、ステージ以外の顕微鏡の操作に支障をきたすばかりか、下ステージを顕微鏡に装着できない場合も考えられる。
【0008】
また本発明の目的は、操作性を最良にすると共に、標本の位置合わせを容易にし、且つ安価に製作することのできる顕微鏡用ステージを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明の顕微鏡用ステージは以下の如く構成されている。
【0010】
(1)本発明の顕微鏡用ステージは、下ステージと、この下ステージに対して直線移動可能に支持された上ステージと、前記下ステージと前記上ステージとの間に掛けられ、前記上ステージの移動方向に沿って張り渡された駆動力伝達部材と、この駆動力伝達部材の、前記上ステージの移動方向に沿った部分に対して外周がほぼ接する位置に配置され、前記上ステージに回転可能に支持されたプーリーと、このプーリーに対して、前記駆動力伝達部材の前記上ステージの移動方向と異なる方向で、かつ前記下ステージの外側の位置に配置され、前記上ステージに回転可能に支持されたハンドル部と、を備え、前記駆動力伝達部材は、前記ハンドル部と前記プーリーとの間に張り渡された第1の部材と、前記プーリーと前記下ステージとの間に張り渡された第2の部材とからなり、前記第1の部材の張力が前記第2の部材の張力よりも弱くなるように設定され、前記ハンドル部の回転操作により前記上ステージを移動させる。
【0011】
(2)本発明の顕微鏡用ステージは、下ステージと、この下ステージに対して直線移動可能に支持された上ステージと、前記下ステージと前記上ステージとの間に掛けられ、前記上ステージの移動方向に沿って張り渡された駆動力伝達部材と、この駆動力伝達部材の、前記上ステージの移動方向に沿った部分に対して外周がほぼ接する位置に配置され、前記上ステージに回転可能に支持されたプーリーと、このプーリーに対して、前記駆動力伝達部材の前記上ステージの移動方向と異なる方向で、かつ前記下ステージの外側の位置に配置され、前記上ステージに回転可能に支持されたハンドル部と、を備え、前記駆動力伝達部材は、前記ハンドル部と前記プーリーとの間、および前記プーリーと前記下ステージとの間に掛けられ、かつ前記プーリーと前記ハンドル部には各々多段に掛けられ、前記ハンドル部の回転操作により前記上ステージを移動させる。
【0012】
(3)本発明の顕微鏡用ステージは上記(1)または(2)に記載のステージであり、かつ前記駆動力伝達部材は、前記下ステージの一方側から前記プーリーへ巻き込まれる前記プーリー上での位置と、前記プーリーから前記下ステージの他方側へ導出する前記プーリー上での位置とに、所定の段差が設けられている。
【0013】
(4)本発明の顕微鏡用ステージは上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のステージであり、かつ前記ハンドル部の取り付け位置は、前記プーリーに対して、前記上ステージの移動方向に略直交する方向にある。
【0014】
(5)本発明の顕微鏡用ステージは上記(2)に記載のステージであり、かつ前記駆動力伝達部材は、前記ハンドル部と前記プーリーとの間に張り渡された第1の部材と、前記プーリーと前記下ステージとの間に張り渡された第2の部材とからなる。
(6)本発明の顕微鏡用ステージは上記(5)に記載のステージであり、かつ前記駆動力伝達部材は、前記第1の部材の張力が前記第2の部材の張力よりも弱くなるように設定されている。
(7)本発明の顕微鏡用ステージは上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のステージであり、かつ前記駆動力伝達部材は、前記プーリーと前記ハンドル部との間で交差するようにクロス掛けされている。
(8)本発明の顕微鏡用ステージは上記(1)乃至(7)のいずれかに記載のステージであり、かつさらに、前記下ステージを挟んで前記ハンドル部の反対側に第2の駆動力伝達部材を張り、その張力を、前記プーリーと前記ハンドル部側に設けた前記駆動力伝達部材の張力よりも強く設定した。
【0015】
上記手段を講じた結果、それぞれ以下のような作用を奏する。
【0016】
(1)本発明の顕微鏡用ステージによれば、駆動力伝達部材の、上ステージの移動方向に沿って張り渡された部分に対して、外周がほぼ接する位置に配置されたプーリを有する。このプーリに対して、ハンドル部は駆動力伝達部材から離れた位置に自在に配置可能である。したがって、ステージの操作性を考慮した操作しやすい位置にハンドルを配置可能である。
【0017】
(2)本発明の顕微鏡用ステージによれば、潤滑材の粘性効果により、ハンドルの回転力量を小さく設定した場合でも、操作時に細かな振動やキシミ、ザラツキ等が伝わらなくなり、微細な標本移動が可能になる。
【0018】
(3)本発明の顕微鏡用ステージによれば、ガタツキや滑りを無くすために、駆動力伝達部材に一定の張力を付加した場合に発生するハンドル軸に加わるラジアル方向のコジリ力が、カップリングの作用により、軸受けに伝達されなくなる。よって、ハンドルをスムーズに回転することができ、回転ムラなどによる標本移動への悪影響が無くなり、微細な標本位置合わせが可能になる。
【0019】
(4)本発明の顕微鏡用ステージによれば、ガタツキや滑りを無くすために、駆動力伝達部材に一定の張力を付加した場合に発生するハンドル軸に加わるラジアル方向のコジリ力が、弾性部材によるラジアル方向の弾性により相殺され、軸受けに伝達されなくなる。よって、ハンドルをスムーズに回転することができ、回転ムラなどによる標本移動への悪影響が無くなり、微細な標本位置合わせが可能になる。
【0020】
(5)本発明の顕微鏡用ステージによれば、駆動力伝達部材に輪状の部材を用いることで簡易に構成でき、伝達機構の剛性が上がる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの構成を示す図であり、図1は斜視図、図2は一部断面図である。図1及び図2に示す下ステージ1は図示しない顕微鏡本体に取り付けられている。下ステージ1には、その左右の側面部にボールガイドを構成するためにガイド溝部1a,1bが設けられている。また、下ステージ1上には上ステージ2が配置されている。上ステージ2にはガイド溝部2aが設けられており、このガイド溝部2aは下ステージ1に設けられた一方のガイド溝部1aと対向している。この対向するガイド溝部1aと2aの間には、ボール間隔が常に一定に保たれる多数の図示しないボール(後述するボール4と同様のもの)が、図示しないケーシング(後述するケーシング3と同様のもの)を介して対向するガイド溝部1aと2aの間を転がるように挟み込まれている。
【0022】
また、上ステージ2にはガイド部材5が配設されており、このガイド部材5にはガイド溝部5aが設けられている。このガイド溝部5aは下ステージ1に設けられた他方のガイド溝部1bと対向している。この対向するガイド溝部1bと5aの間には、前述と同様にボール間隔が常に一定に保たれる多数のボール4が、ケーシング3を介して対向するガイド溝部1bと5aの間を転がるように挟み込まれている。これにより、顕微鏡本体に固定された下ステージ1に対してガイド溝方向(Y方向)へ相対的に移動可能に上ステージ2が支持されている。
【0023】
一方、上ステージ2には、Y方向に対して直交する方向(X方向)に、ガイド溝部2b及び2cが設けられている。この上ステージ2の溝部には、一体に固定されたガイド部材6とクレンメル保持部材8が配設されている。ガイド部材6にはガイド溝部6aが設けられている。このガイド溝部6aはガイド溝部2bと対向している。この対向するガイド溝部2bと6aの間には、前述と同様にボール間隔が常に一定に保たれる多数の図示しないボール(上記ボール4と同様のもの)が、図示しないケーシング(上記ケーシング3と同様のもの)を介して対向するガイド溝部2bと6aの間を転がるように挟み込まれている。
【0024】
また、クレンメル保持部材8にはガイド溝部8aが設けられている。このガイド溝部8aは、上ステージ2のガイド溝部2cと対向している。この対向するガイド溝部2cと8aの間には、前述と同様にボール間隔が常に一定に保たれる多数の図示しないボール(上記ボール4と同様のもの)が、図示しないケーシング(上記ケーシング3と同様のもの)を介して対向するガイド溝部2cと8aの間を転がるように挟み込まれている。これにより、ガイド部材6とクレンメル保持部材8が一体となって上ステージ2に対してX方向に相対的に移動可能に支持されている。また、このクレンメル保持部材8には、標本を挟み込む構造をなすクレンメル9が固定されている。
【0025】
図3は、上記顕微鏡用ステージの構成を示す底面図であり、図4は図3のA−A断面図、図5は図3のB−B断面図である。図8は、図4,図5に示されるハンドル機構部の拡大図である。図4,図5,図8に示すように、上ステージ2には後述する二つのハンドル軸を支持するための中空円筒状の固定軸10が垂直に固定されており、固定軸10の外側の同軸上に中空円筒状をなしその内径が固定軸10の外径より大きいYハンドル軸11が配設されている。このYハンドル軸11の一端(上ステージ2側)には、後述する駆動力伝達部材としての線状部材(例えば、ワイヤーロープ)を巻き付けるプーリー部11aが設けられており、他端にはこのハンドル軸11を回転操作するためのYハンドル12が取り付けられている。Yハンドル軸11は、軸受けを介して固定軸10に対して回転可能に支持されている。この軸受けには、プーリー部11a側に転がり軸受けとしてベアリング13を配設している。Yハンドル12側では、ハンドル軸11の内径部と固定軸10の外径部にそれぞれ段付き部を形成してYハンドル軸11と固定軸10とが嵌合するY嵌合部51を設け、この部分にグリスなどの潤滑剤を使用して、滑り軸受けを構成している。
【0026】
また、固定軸10外径部の前記段付き部の下側にはネジ部10aが形成されており、このネジ部10aに中空円筒状の固定ガイド14がねじ込まれている。なお、図8におけるプーリー部11a側を上、Yハンドル12側を下としている。この固定ガイド14の上側端面は、Yハンドル軸11内側のY嵌合部51の下側にあるスラスト支持部15と対向しており、そこに摺動性に優れたワッシャー16が挿入されている。スラスト支持部15をワッシャー16を介して固定ガイド14で支持することにより、スラスト方向の軸受けが構成される。固定ガイド14は、回転させることにより軸方向の位置を調整可能であり、スラスト方向のガタがないように位置調整した後、セットビス14cによって固定する。
【0027】
一方、固定ガイド14の外径部の外径が一段大きくなった部分二個所にネジ部14a、14bが設けられ、このうちネジ部14aにYトルク調整ハンドル17がねじ込まれている。Yトルク調整ハンドル17の上側端面はYハンドル軸11の下側端面と対向しており、その部分に波ばね等の弾性部材18と摺動性に優れたワッシャー19が挿入されている。Yトルク調整ハンドル17を回転させると、弾性部材18によってYハンドル軸11とワッシャー19との接触面に作用する押圧力が変化するので、Yハンドル12の回転力量を調整することができる。
【0028】
Yトルク調整ハンドル17を最下位置にすると、Yハンドル軸11とワッシャー19とが離れて弾性部材18による押圧力が作用しなくなるので、Yハンドル12の回転力量は前述したベアリング13、Y嵌合部51及びスラスト支持部15での抵抗力のみとなる。なお、力量調整後は、固定環53を下側からYトルク調整ハンドル17に押し当てて固定環用セットビス54で固定し、Yトルク調整ハンドル17の回転を防止する。
【0029】
一方、固定軸10の内側の同軸上に、Xハンドル軸20が配設されている。このXハンドル軸20の一端(上ステージ2側)には、後述する駆動力伝達部材 (例えば、ワイヤーロープ等の線状部材)を巻き付けるプーリー部20aが設けられ、他端にはこのハンドル軸を回転操作するXハンドル21が取り付けられている。Xハンドル軸20は、軸受けを介して固定軸10に対して回転可能に支持されている。
【0030】
X方向の操作ハンドルも、上述したYハンドルと基本的に同様の構成となっており、軸受けには、プーリー部20a側には転がり軸受けとしてベアリング22を配設し、Xハンドル21側は、Xハンドル軸20の外径部と固定軸10の内径部にそれぞれ形成された段付き部によって嵌合するX嵌合部52を設け、この部分にグリスなどの潤滑剤を使用して、滑り軸受けを構成している。
【0031】
スラスト方向の軸受けも上述したYハンドルと同様であり、Xハンドル軸20にねじ込まれたスラストリング23と固定軸10とのスラスト支持部24に、摺動性に優れたワッシャー25を挟み込んで支持する構造になっている。Xハンドルの回転力量調整機構も同様に、固定ガイド14にねじ込まれたXトルク調整ハンドル26とXハンドル21との間に、波ばね等の弾性部材27と摺動性に優れたワッシャー28が挿入されており、Xトルク調整ハンドル26を回転させるとXハンドル21の回転力量を調整できる。Xトルク調整ハンドル26を最上位置にすれば、Xハンドル軸20とワッシャー28とが離れて弾性部材27による押圧力が作用しなくなるので、Xハンドル21の回転力量は前述のベアリング22、X嵌合部52及びスラスト支持部24での抵抗力のみとなる。
【0032】
次に、2本のハンドル軸11、20と下ステージ1及びクレンメル保持部材8との伝達について述べる。図2、図3に示すように、X方向については、ステージ中央に対して操作ハンドル軸とほぼ反対側の位置に、Xプーリー33を有するX張力調整部材36が配設されている。X張力調整部材36は、固定用の長穴が形成された平板部36aと、この平板部36a上に回転可能に軸支されたXプーリー33とからなっており、固定ビス36bで上ステージ2に固定されている。その固定位置は、長穴の範囲内でX方向に調節可能である。また、X方向に直線移動可能にガイドされているガイド部材6の側面2個所に、ワイヤーロープなどの線状部材32の端部を固定する引っ掛かり部6b,6cが設けられている。
【0033】
線状部材32の両端部は、引っ掛かり部6b,6cに引っ掛けて固定できるようにループが形成されている。引っ掛かり部6bを出た線状部材32は、Xハンドル軸20のプーリー部20a一巻きされてX張力調整部材36のXプーリー33に掛けられて、他端が再びガイド部材6に設けられた引っ掛かり部6cに掛けられている。X張力調整部材36をXハンドル軸20に対しX方向に沿って反対側に引っ張って固定することで線状部材32に所定の張力が与えられ、Xプーリー20aは線状部材32によって締め上げられた状態となっている。
【0034】
一方、Y方向については、下ステージ1のY方向に沿った側面部の一端側に引っ掛かり部1c、1dが設けられており、他端側にY張力調整部材38が取り付けられている。Y張力調整部材38は、固定用の長穴が形成された平板部38aと、この平板部38a上に植設されたピン38bとからなっており、固定ビス38cで下ステージ1に固定されている。その固定位置は長穴の範囲内でY方向に調節可能である。
【0035】
また上ステージ2には、前述した3本の同軸のハンドル軸10、11及び20と異なる位置、詳しくは、引っ掛かり部1c、1dとピン38bとの間に線状部材を張り渡した時にその線状部材と外径がほぼ接する位置に、プーリー29が配設されている。プーリー29のY方向の位置は、操作ハンドルとXプーリー33の軸心を結ぶ線上にある。このプーリー29は、上ステージ2下面に植設された軸31に対して、ベアリング等の転がり軸受け30で回転可能に支持されている。Y軸駆動用の線状部材37も、両端にループが形成され、一端が引っ掛かり部1cに掛けられている。
【0036】
この線状部材37は、プーリー29によりYハンドル軸11の方向に折り曲げられ、Yハンドル軸11のプーリー部11aに一巻きされ、再びプーリー29によりY方向に折り曲げられる。さらに線状部材37は、下ステージ1に対してY方向に位置調整可能な張力調整部材38のピン38bに引っ掛けられて折り返し、プーリー29にて一巻きし、下ステージ1に設けられた引っ掛かり部1dにその他端が掛けらている。張力調整部材38を、Y方向に沿ってプーリー29に対して反対側に引っ張り、下ステージ1にビス38cで固定することにより、Yハンドル軸11のプーリー部11aは線状部材37により常に締め上げられる。
【0037】
上記では、線状部材32,37の掛け方の一例を示したが、プーリー29及びプーリー部11a,20aにおける巻き数を複数にしたり(多重巻き)、プーリー29とプーリー部11aの間、引っ掛かり部1c,1dとプーリー部29の間、プーリー部29と突起部38a間を多段掛け(複数回掛ける)にしても良い。また、線状部材32及び37の両端部を無くしたエンドレスの線状部材を用いても良い。
【0038】
以下、線状部材の伝達機構について具体的に説明する。
【0039】
図6は、線状部材の伝達機構を示す模式図である。図6において図1〜図5と同一な部分には同一符号を付してある。本顕微鏡用ステージは、上下方向に重ねられた上ステージ2と下ステージ1とからなり、上ステージ2は下ステージ1に対して直動案内され移動可能である。
【0040】
上ステージ2には、プーリー29が回動可能に取り付けられ、プーリー29とは別の位置にYハンドル軸11が回動可能に取り付けられている。下ステージ1の側面には、細長い線状部材37の両端部が引っ掛けられて固定されている。線状部材37は、一端部からプーリー29にて折り曲げられ、Yハンドル軸11のプーリー部に一巻き巻き付けられている。そして線状部材37は、再びプーリー29にて折り曲げられ、下ステージ1の両端を引っ掛けた位置とは別の移動方向の位置に設けられた引っ張り調整可能な張力調整部材38で折り返され、プーリー29にて一巻きされ、他端部に固定されている。プーリー29とYハンドル軸11は、線状部材37により常に締め付けられており、Yハンドル軸11を回転させることによって、上ステージ2を下ステージ1に対して移動させることができる。
【0041】
一方、上ステージ2の上側には上記クレンメル9が配置され、このクレンメル9はクレンメル保持部材8に固定されている。クレンメル保持部材8は、上ステージ2に対してガイド機構を介して直動案内されている。細長い線状部材32は、その両端がクレンメル保持部材8に固定され、プーリー33とXハンドル軸20により直動案内方向に張られて配設されている。線状部材32は、上ステージ2に回動可能に取り付けられたYハンドル軸11と同軸に配設されたXハンドル軸X20のプーリー部に一巻き巻き付けられている。またプーリー33を、Xハンドル軸20から離れる方向に線状部材32を引っ張るよう固定することにより、線状部材32が常に張られ、Xハンドル軸20が締め付けられる。よって、Xハンドル軸20を回転させることにより、クレンメル保持部材8及びクレンメル9を上ステージ2に対して移動させることができる。
【0042】
次に、以上のように構成された顕微鏡用ステージの動作を説明する。顕微鏡本体に固定された下ステージ1に対して上ステージ2をY方向に移動させたい場合には、ステージ操作用のYハンドル12を回転させる。Yハンドル12を回転させると、Yハンドル12に固定されているYハンドル軸11及びそのプーリー部11aも共に回転する。Yハンドル軸11のプーリー部11aにはワイヤーロープ等の線状部材37が巻き付けられているので、プーリー部11aの回転によりワイヤーロープ37が連続的に送られる。
【0043】
連続的に送り出されたワイヤーロープ37は、プーリー29により折り曲げられ、Y方向に方向転換されて移動する。Yハンドル軸11のプーリー部11aは固定軸10と軸受けを介して上ステージ2に固定されているので、プーリー部11aの移動に伴い、上ステージ2に固定されているガイド部材5、及び上ステージ2に設けられたガイド溝部2aが下ステージ1とボール4の直動案内されて移動し、これにより上ステージ2がY方向に移動する。
【0044】
ワイヤーロープ37は張力調整部材38により張られており、Yハンドル軸11のプーリー部11aを締め付けているので、プーリー部11aとワイヤーロープ37との間に十分な摩擦力が生じる。よって、回転時にプーリー部11aとワイヤーロープ37との間にスリップが生じることはなく、上ステージ2をプーリー部11aの回転量に追従させて正確に移動させることができる。上ステージ2の移動は、Yハンドル軸11のプーリー部11aの回転方向及び回転量に応じて決定される。
【0045】
プーリー部11aの回転力の大きさは、プーリー部11aとワイヤーロープ37との間に働く摩擦力によって決定される。高い回転力を維持するには、プーリー部11aにブラスト処理やゴム塗装等、摩擦係数を高める抵抗処理を施したり、張力調整部材38によりワイヤーロープ37の張力を高める等の高張力化が有効である。摩擦係数を高める抵抗処理が望ましく、高張力化の場合は張力を高くするとYハンドル軸11が倒れ、軸受けにラジアル方向の偏荷重が掛かるので、回転のスムーズさに悪影響を及ぼす。しかし、Yハンドル軸11を回すことでステージを移動させるためには、ある程度の張力は必要である。
【0046】
上ステージ2に固定された固定軸10に対して、Yハンドル軸は上ステージ2側にベアリング13を介する一方、Yハンドル12側は嵌合にして且つこのY嵌合部51に潤滑剤を入れている。これによって、ワイヤーロープ37の張力によってYハンドル軸11の回転軸に対して垂直な方向に力が作用する付近をベアリング13で支持しているので、回転の円滑なYハンドル12が得られる。それ故、円滑にハンドルを操作できる。Yハンドル12で説明したが、Xハンドルも同様である。
【0047】
一方、上ステージ2に対してクレンメル保持部材8をX方向に移動させたい場合には、ステージ操作用のXハンドル21を回転させる。Xハンドル21を回転させると、Xハンドル21に固定されているXハンドル軸20及びそのプーリー部20aも共に回転する。プーリー部20aが回転すると、このプーリー部20aに巻き付けられているワイヤーロープ等の線状部材32がプーリー部20aの回転方向に応じて送られ、その結果として、ガイド部材6が線状部材32に引張されて移動する。クレンメル保持部材8はガイド部材6に固定的に取り付けられているので、ガイド部材6、クレンメル保持部材8及びクレンメル保持部材8に固定されたクレンメル9が、上ステージ2に対してX方向に移動する。
【0048】
ワイヤーロープ等の線状部材32は、張力調整部材36を介してXプーリー33により張られ、Xハンドル軸21のプーリー部20aを締め付けているので、プーリー部20aと線状部材32との間に十分な摩擦力が生じ、回転時にプーリー部20aと線状部材32との間にスリップが生じることはなく、ガイド部材6をプーリー部20aの回転量に追従させて正確に移動させることができる。ガイド部材6の移動はプーリー部20aの回転方向及び回転量に応じて決定される。また、プーリー部20aの回転力の大きさや伝達機構の剛性は前述したY方向の場合と同様である。
【0049】
上ステージ2に取り付けられたハンドルを操作するときには、無意識のうちに上ステージ2をY方向に押したり、引いたりしている。このハンドル操作によって、上ステージの挙動に連動して加わった荷重分だけ伝達機構の線状部材37に伸びを生じている。ハンドルの操作が終了してハンドルから手を離すと、線状部材37への荷重が解放され、線状部材37は元の長さに戻る。そのときに上ステージ2が連動して移動してしまい、標本が狙った位置からズレて停止する。このように、ステージの停止精度に関わる要因として、伝達機構、すなわち上ステージ2と下ステージ1を連結している線状部材37の伸び(剛性)がある。
【0050】
線状部材37(ワイヤーロープ)は、両端を下ステージ1の引っ掛け部1c,1dに引っ掛けて段差を付け、且つ張力調整部材38で線状部材37(ワイヤーロープ)のほぼ中間で折り返す。この折り返した線状部材37(ワイヤーロープ)は、プーリー29で2回巻き付けや折り返しがなされている。これによって、上ステージ2と下ステージ1が実質的に2本の線状部材(ワイヤーロープ)で連結されることになり、ハンドル操作時に付加された荷重が2つのワイヤーロープに分散されて、1本当たりの荷重が小さくなる。したがって、ワイヤーロープの伸びが小さくでき、伸びによる位置ずれが半減できて、停止精度が向上する。
【0051】
さらに、線状部材37(ワイヤーロープ)に張力を付与する張力調整部材38は、ピン38bで線状部材37(ワイヤーロープ)を折り返すようにしているので、折り返したそれぞれの線状部材37(ワイヤーロープ)に対してほぼ均一に荷重がかかる。この例を2段とすると、ワイヤーロープの折り返しを増やし、1本のワイヤーロープで3段、4段とすれば、さらに1本あたりの荷重を減少できる。2段以上にワイヤーロープを折り返して掛けることを、多段掛けと呼ぶことにする。
【0052】
この例では、クレンメル9と上ステージ2がY方向の駆動機構に対する負荷になっているが、X方向の移動部材がクレンメル9ではなくて上ステージ2と同様のステージ板として構成された3枚重ねステージにおいては、駆動機構の負荷が増えるので、、3段、4段といった多段掛けが有効となる。
【0053】
ワイヤーロープの伸びを減少させるには、太いワイヤーロープを使ったり、複数のワイヤーロープの両端を固定し、各々にプーリーを介する方法もある。複数のワイヤーロープを使うときには、それぞれのワイヤーロープの荷重又は張力を合わせる調整機構を用いるとよい。なお、顕微鏡では、対物レンズの倍率が100倍の時には、位置合わせ精度は数μm(ミクロンメータ)程度が必要であるので、上述したワイヤーロープの伸びが観察に影響する。対物レンズの倍率が約20倍以下となれば、ワイヤーロープの伸びの影響が少なく、折り返しなしで1本のワイヤーロープでも実用上使用可能なレベルである。
【0054】
図7は、多段掛けにせずワイヤーロープ1本で駆動力を伝達するようにした伝達機構の変形例を示す模式図である。図7において図6と同一な部分には同一符号を付してある。本顕微鏡用ステージは、上下方向に重ねられた上ステージ2と下ステージ1とからなり、上ステージ2は下ステージ1に対して直動案内され移動可能である。
【0055】
上ステージ2には、プーリー29が回動可能に取り付けられ、さらに下ステージ1の側辺に対してほぼ直交する方向に、Yハンドル軸11が回動可能に取り付けられている。下ステージ1には、細長い線状部材371の両端部が引っ掛けられて固定されている。線状部材37は、一方の端部からプーリー29にて折り曲げられ、Yハンドル軸11のプーリー部に一巻き巻き付けられた後、再びプーリー29にて折り曲げられ、他方の端部に至っている。
【0056】
前述した特開平8−304708号のような従来の技術において、ステージ操作ハンドルの位置をステージの外側に配置する場合などに、下ステージや上ステージが大きなものとなり、ステージ周辺の操作性に悪影響を与える問題については、図7に示したようにワイヤーロープ等の線状部材をプーリーを介して折り曲げることで解決できる。また、標本を所望の位置で確実に停止させるための停止精度の問題については、ワイヤーロープの張力を高めたり、伸びの小さい(バネ定数の低い)ワイヤーロープを使用することで解決できる。
【0057】
しかし、ワイヤーの張力を高くし、かつプーリーを介してワイヤーロープを折り曲げる構造にすると、ワイヤーロープの張力によりハンドル軸がプーリー側に引っ張られて倒れ、ハンドル軸の軸受けにラジアル方向の力が掛り、スムーズな回転ができにくくなる。この結果、標本を位置合わせしようと操作した場合に、軋みやスティックスリップ等が発生し、標本位置合わせが困難になる場合がある。このような問題への対処を要する場合は、図1〜図6に示した構成にすることで解決できる。
【0058】
図8は、ステージ操作ハンドルの構成を示す断面図である。Yハンドル軸11及びXハンドル軸20は、上ステージ2に固定された固定軸10の外側と内側の同軸上にそれぞれ軸受けを介して回動可能に配置されている。そして、Xハンドル軸20及びYハンドル軸11のプーリー部側をベアリング13等の転がり軸受けとし、線状部材32及び37の張力による影響を抑える。また、Xハンドル21側の軸受けを滑り軸受けとして、Yハンドル12及びXハンドル21の嵌合部における固定軸10の周囲にグリス等の潤滑剤を介している。これにより、Yハンドル12とXハンドル21の回転に粘性を与え、それらの動き出しと回転を滑らかにしているとともに、Yハンドル12の上下方向への動き出しとスライドを滑らかにしている。
【0059】
このように顕微鏡用ステージを構成することにより、下ステージ1と上ステージ2の伝達部材である線状部材としてのワイヤーロープを、1本の線状部材37を折り返し2本として支持することにより、ワイヤーロープ1本あたりの荷重を小さくできるので、張力をスムーズな回転ができなくなるほど高くかけなくてもハンドルの剛性をあげることができるとともに、操作ハンドル軸に潤滑剤を介した滑り軸受けを使用することにより、粘性を持った良好な回転フィーリングが得られる。
【0060】
(第2の実施の形態)
図9は、本発明の第2の実施の形態に係るステージ操作ハンドルの構成を示す断面図である。図9において図8と同一な部分には同一符号を付してある。上記第1の実施の形態との構成上の違いは、Yハンドル軸11及びXハンドル軸20の両端をベアリング等の転がり軸受け40,40で保持し、さらに、その間のYハンドル12及びXハンドル21の嵌合部における固定軸10の周囲にグリス等の潤滑剤を介在させた点にあり、その粘性により両ハンドル軸11,20の回転フィーリングを良好にしている。その他の構成は、上記第1の実施の形態と同様である。
【0061】
(第3の実施の形態)
図10,図11は、本発明の第3の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの構成を示す断面図である。図10,図11は、それぞれ図4,図5に対応しており、図10,図11において図4,図5と同一な部分には同一符号を付してある。
【0062】
図10,図11では、下ステージ1の張力調整部材38上に、ネジ42によりブレーキ部材41が取り付けられている。このブレーキ部材41は長方状の平板411からなり、その一端部が突起部412をなし、その他端部がネジ42により張力調整部材38上に固定されている。突起部412は、上ステージ2の裏面に設けられた図示しない長方状の保護部材に接触している。よって、上ステージ2がY方向へ移動、停止の際、ブレーキ部材41の突起部412が上ステージ2の裏面に接触している。
【0063】
このような構成によれば、上ステージ2が移動し停止したときに、線状部材37に移動方向とは逆の方向へ戻る力(復元力)が生じた場合でも、突起部412と上ステージ2の裏面における保護部材との間で生じる摩擦力により、上ステージ2が逆方向へ戻されることはない。これにより、上ステージ2をY方向の所望の位置で、より精確に停止させることができる。また、同様にブレーキ部材41を張力調整部材36に設けることにより、上ステージ2をX方向の所望の位置で、より精確に停止させることができる。
【0064】
(第4の実施の形態)
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る線状部材を用いた伝達機構を示す模式図である。上記したように、ワイヤーロープ等の線状部材37は、プーリー29とYハンドル軸11のプーリー部11aにて、1回もしくは複数回巻き付けられていて、ハンドルを回転させると、線状部材37はプーリー29とプーリー部11aに対して相対的に上下方向(軸方向)に移動する。よって、線状部材37をプーリーに複数回巻き付ける場合、単に線状部材の巻き幅分だけでなく、それに加えてプーリー上での線状部材の移動量を考慮して、図12に示すように線状部材37に段差量ΔTを設けないと、プーリー上で線状部材37同士が擦れ合い、スムーズな上下移動ができなくなり、ステージの移動に悪影響を与えることになる。このときの段差量ΔT(線状部材の巻き幅とプーリー上での移動量を加えた量)は下式で表される。
【0065】
ΔT=t[n+L/{π(d+t)}]
ここで、tはワイヤーロープ等の線状部材37の線径、nは線状部材37の巻き付け回数、Lはステージの移動ストローク、dはプーリー径である。これにより求められた段差量ΔT以上の段差を設けて線状部材37を巻き付けることで、線状部材37同士の擦れを無くすことができる。
【0066】
なお、他の各実施の形態において、プーリーに線状部材を巻き付ける部位に本第4の実施の形態の内容を適用することで、線状部材の擦れをなくして移動精度、停止精度の高いステージを構成できる。
【0067】
(第5の実施の形態)
図13は、本発明の第5の実施の形態に係るワイヤ駆動の顕微鏡用ステージを下方から見た略式平面図である。図13では、上ステージ101の移動をワイヤーで駆動することを特徴とし、ステージの位置を他の操作部位から離し操作性の向上を図るために、操作ハンドル102の位置をステージの左右端近傍から遠ざけるよう構成してる。すなわち、第一プーリー103を有する操作ハンドル102を、第二プーリー104の位置から離れた適切な位置に設け、ワイヤー105の一端を下ステージ106に植設されたピン107に固定する。そして、ワイヤー105を第二プーリー104により操作ハンドル102の方向へ折り曲げ、第一プーリー103で折り返し、再び第二プーリー104により折り曲げ、その他端を下ステージ105に植設されたピン108に固定するよう構成されている。なお、図13のワイヤーの掛け方は、図7の略式斜視図と同じである。
【0068】
この構成の場合、ワイヤーの張力に配慮が必要である。張力が弱い場合、上ステージ101が停止するときに、ワイヤーによる上ステージ101の保持力が弱くなる。このため、微妙な振動や操作ハンドルを操作しようとしたときの僅かな手の動きなどにより上ステージ101にブレが生じ、標本の観察位置がずれたり、観察したい位置への調整ができないといった不具合が発生する。また、操作ハンドル102を操作したときにワイヤーに伸縮が生じ、上ステージ101の追従性が悪くなるという不具合も発生する。
【0069】
一方張力が強い場合、図13に矢印イで示す方向に操作ハンドル102が引っ張られることになり、軸受け部に偏荷重が掛かる。このため、操作ハンドル102を操作する際に違和感(ゴリゴリする感じや、ざらつく感じ)が生じ、操作フィーリングが悪くなるという不具合が発生する。
【0070】
図14は、上記の問題が解決するよう構成した顕微鏡用ステージの例を斜め下方から見た略式立体図である。図14において図13と同一な部分には同一符号を付してある。図14では、ワイヤーを第一ワイヤー111と第二ワイヤー112の二本に分ける構成としている。第一ワイヤー111は強い張力で張られており、その一端が下ステージ106の側面に植設されたピン107に固定されている。そして第一ワイヤー111は、第二プーリー104に一巻き巻き付けられ、下ステージ106の側面に植設されたピン108に固定されている。
【0071】
一方、第二ワイヤー112は環状をなし、第一ワイヤー111より弱い張力で張られており、第一プーリ103と第一プーリ104が連動するよう、第一プーリ103と第一プーリ104に掛け渡されているとともに、第一ワイヤー111に接触することが無いよう第一プーリ104に一巻き巻き付けられている。
【0072】
このような構成によれば、上ステージ101の停止時における保持力を確保できるとともに、操作ハンドル102に偏荷重がかからず、操作フィーリングの良好な顕微鏡用ステージを実現できる。
【0073】
(第6の実施の形態)
図15は、本発明の第6の実施の形態に係る顕微鏡用ステージを斜め下方から見た略式立体図である。図15において図14と同一な部分には同一符号を付してある。図15に示すように、上記第二プーリー104に対応する第二プーリー104´における第一ワイヤー111と第二ワイヤー112の掛かる部分の直径を異なるよう構成することにより、操作ハンドル102の回転量に対する上ステージ101の移動量を最適な状態に設定することができる。
【0074】
(第7の実施の形態)
図16は、本発明の第7の実施の形態に係る顕微鏡用ステージを下方から見た略式平面図である。図16において図13と同一な部分には同一符号を付してある。図16では、ワイヤーを第一ワイヤー121と第二ワイヤー122に分ける構成としている。第一ワイヤ121は、操作ハンドル102に有害な偏荷重を与えない程度の張力で張られており、その一端が下ステージ106の側面に植設されたピン107に固定されている。そして第一ワイヤー121は、第二プーリー104で操作ハンドル102の方向へ折り曲げられ、第一プーリー103で折り返され、再び第二プーリー104で折り曲げられた後、その他端が下ステージ106の側面に植設されたピン108に固定されている。
【0075】
一方、第二ワイヤー122は第一ワイヤ121より強い張力で張られており、その一端が下ステージ106の側面に植設されたピン123に固定されている。そして第二ワイヤー122は、第三プーリー124で一巻きされ、その他端が下ステージ106の側面に植設されたピン125に固定されている。
【0076】
このように構成した場合でも、上ステージ101の停止時における保持力を確保できるとともに、操作ハンドル102に偏荷重がかからず、操作フィーリングの良好な顕微鏡用ステージを実現できる。
【0077】
(第8の実施の形態)
図17は、本発明の第8の実施の形態に係る顕微鏡用ステージを斜め下方から見た略式立体図である。図17において図14と同一な部分には同一符号を付してある。図17では、図14に示した第二ワイヤー112に代えてタイミングベルト131を採用し、第一プーリー103と第二プーリー104に掛け渡している。これにより、第二ワイヤを掛ける場合に比べて顕微鏡用ステージを容易に組立てることができる。
【0078】
(第9の実施の形態)
図18は、本発明の第9の実施の形態に係る顕微鏡用ステージを斜め下方から見た略式立体図である。図18において図14と同一な部分には同一符号を付してある。図8に示すように、第二ワイヤー112を第一プーリー103と第二プーリー104の間で交差するようクロス掛けすることにより、操作ハンドル102の回転方向に対する上ステージ101の移動方向を反転させることができる。これにより、正立像型の顕微鏡において、操作ハンドルの回転方向と観察像の移動方向とを一致させることができる。
【0079】
(第10の実施の形態)
図19の(a)は、潤滑剤を用いた滑り軸受け部を設けた操作ハンドルの断面図である。上記第5〜9の実施の形態によって操作ハンドル102に偏荷重がかからなくなった場合、操作ハンドル102の回転力量が軽くなりすぎると、回転の粘性が無くなり、操作時に軋みやスティックスリップを生じ操作感を悪くさせることがある。しかし、図19の(a)に示すように、操作ハンドル102の軸受け部としてその周囲に潤滑剤を塗布した滑り軸受け部131を設けることにより、回転の粘性を確保でき、操作時の軋みやスティックスリップを無くすことができる。
【0080】
また、図19の(b)に示すように、操作ハンドル102の滑り軸受け部131をベアリング132と併用するよう構成することで、操作ハンドル102の操作性を一層向上させることができる。
【0081】
以上のように上記第5〜10の実施の形態によれば、操作ハンドルの位置が他の操作部位から離れるため操作性が良く、かつ標本移動の追従性と操作感の良好なワイヤ駆動による顕微鏡用ステージを提供することができる。
【0082】
(第11の実施の形態)
図20は、本発明の第11の実施の形態に係る顕微鏡用ステージを上方から見た平面図である。
【0083】
図20に示すように、本顕微鏡用ステージは、標本201を挟み込む構造をなすクレンメル202を備えており、クレンメル202は固定ビス203,203によりクレンメル保持部材204に支持されている。クレンメル保持部材204の下側には上ステージ205が位置し、上ステージ205の下側には下ステージ206が位置する。下ステージ206はクランプビス207により、図示しない顕微鏡のステージ保持装置に固定されている。
【0084】
図21は、図20のA−A線における断面図である。クレンメル保持部材204は、上ステージ205に設けられた図示しない直線コロガイド機構の如きガイドにより、上ステージ205に対しX方向に移動可能になっている。クレンメル保持部材204に固定されているピン211及びピン212には、ワイヤー213の両端が固定されており、ワイヤー213は上ステージ205に回転可能に保持されているプーリー215とハンドル部に同軸に配置されているプーリー214とに掛けられている。
【0085】
図22は、ハンドル部の構成を示す断面図である。固定軸241には、軸受け242及び滑り軸受243を介して回転軸244が支持されており、回転軸244の先端部にプーリ214が取付けられている。回転軸244の下部には、軸方向の締め付けを行なうリング245が固定されており、軸受け243を押すことで、回転軸244が軸受け243とプーリー214とに挟み込まれ、軸方向の位置が決められている。
【0086】
また、操作リング246が回転軸244にセットビス2461により固定されている。この操作リング246を回すことにより、プーリー214を回転させることができ、後述するように、クレンメル202をX方向に移動させることができる。
【0087】
一方、固定軸241の外側にはプーリ250および外軸252がカップリング251を介して連結されており、操作リング253が外軸252に固定されている。この構成では、軸受け254及び外軸252に設けられた勘合部256及び255により、操作リング253が固定軸241に対して回動可能に保持されており、リング257の締付けにより、操作リング253は軸受け254との間で軸方向に位置が決められている。
【0088】
また、リング257にねじ込まれているリング247により、リングバネ248及びワッシャ249を介して、操作リング246との間で操作リング246の回転力量の調整が可能になっている。さらに、リング257にねじ込まれているリング258により、リングバネ259及びワッシャ260を介して、外軸252との間で操作リング253の回転力量の調整が可能になっている。
【0089】
図23は、本顕微鏡用ステージの底面図である。図21及び図23において、ガイド板221a,221bは上ステージ205に固定されており、下ステージ206との間に三角ワイヤ223とボール224を介して、一般的な直線ボールガイドを形成している。これにより、上ステージ205は下ステージ206に対しY方向に直動可能に保持されている。プーリー231は上ステージ205に回転可能に保持されており、ワイヤー232は一端が下ステージ206に固定されたピン233に固定され、他端が張力調整部材234を介して、下ステージ206に固定されている。
【0090】
図24は、本顕微鏡用ステージの立体模式図であり、ワイヤーの掛け方を示している。なお、図24はステージを逆さにした状態を示している。ワイヤー232の一端は下ステージ206に固定され、上ステージ205に回転可能に保持されたプーリー231に掛けられた後、ハンドル部の操作軸と同軸上にあるプーリー250に一回巻き付けられ、さらに再びプーリー231に掛けられた後、再び下ステージ206に固定される。なお、本第11の実施の形態においては、ワイヤー232の一端は図23に示した張力調整部材234を介して固定されるが、便宜上図24では図示を省略する。
【0091】
次に、以上のように構成された顕微鏡用ステージの動作を説明する。上ステージ205に対してクレンメル202をX方向に移動させたい場合には、操作者はハンドル246を回転させる。ハンドル246が回転すると、ハンドル246と固定的に連結しているプーリー214も共に回転する。プーリー214が回転すると、このプーリ214に巻き付けられているワイヤー213は、プーリー214の回転方向に応じて送られ、その結果として、クレンメル保持部材204がワイヤー213に引張られ、図示しないガイドに沿って移動する。クレンメル202はクレンメル保持部材204に固定的に取り付けられているので、クレンメル保持部材204が移動することにより、クレンメル202が上ステージ205に対して移動する。
【0092】
プーリー215を上ステージ205に取り付ける際には、ワイヤー213に引張力を与えるように位置をずらして固定する。よって、ワイヤー213は引張力を受けてプーリー214及びプーリー215に強く締め付けられているので、プーリー214が回転するときに、プーリー214及びプーリー215とワイヤー213との間にスリップが生じることはなく、クレンメル保持部材204をプーリー214の回転量に追従させて正確に移動させることができる。
【0093】
また、下ステージ206に対して上ステージ205をY方向に移動させたい場合には、ハンドル253を回転させる。ハンドル253を回転させると、Yハンドル253と一体的に固定されているYハンドル軸252と、カップリング251を介して連結されているプーリー250も共に回転する。プーリー250にはワイヤー232が巻き付けられているので、プーリー250の回転によりワイヤー232が連続的に送られ、プーリー231を回転させる。ワイヤー232は両端が下ステージ206に固定されているので、相対的な結果として、プーリー231はワイヤー232に巻き付けられた状態のまま、回転しながら、Y方向に移動する。プーリー231は上ステージ205に固定されているので、上ステージ205は、プーリー231の移動に伴って、ガイド板221a,221bと下ステージ206にて構成される直線ボールガイドに沿って移動する。
【0094】
ワイヤ232は、張力調整部材234に引張力が加わるように調整して固定されているので、ワイヤ232は引張力を受けてプーリー250とプーリー231に強く締め付けられている。このため、プーリー250及びプーリー231が回転するときに、プーリー250及びプーリー231とワイヤー232との間にスリップが生じることはなく、上ステージ205をプーリー250の回転量に追従させて正確に移動させることができる。すなわち、上ステージ205の移動は、プーリー250が回転することによるプーリ231の回転方向及び回転量に応じて決定される。
【0095】
ワイヤー232に引張力が加わっている状態では、プーリー250にはその回転軸に対し、プーリ231の方向へラジアル荷重が働くため、従来のハンドル軸では回転軸受け部にコジリ(抉り)力となって作用する。しかし、本第11の実施の形態によれば、プーリー250に加わったラジアル荷重は、カップリング251により相殺され、Yハンドル軸252には伝達されず、コジリ力が発生することはない。
【0096】
また、X方向、Y方向の操作時に関して、共に固定軸241に対して摺動部が設けられており、Y方向操作に関しては、Y摺動部255,256及びYハンドル軸252とワッシャ260の間に摺動部261が設けられている。摺動部260はマワシカン(回し環)258を軸方向に移動させることで、ワッシャ260とのクリアランスを変化させてバネ259のバネ力量を変化させることで、回転の操作力量を変化させることが可能となる。
【0097】
Y摺動部255及び256には、グリス等の潤滑材が使用されており、グリスの粘性によって細かな引っ掛かりやザラツキを解消するので、Yハンドル軸は滑らかに回転する。X方向の操作に関しても、Y方向と同様に、固定軸241とXハンドル軸244の間に滑り軸受け243の摺動部263及び操作リング246とワッシャ249の間に摺動部262が設けられている。この摺動部262に関しては、マワシカン(回し環)247を軸方向に移動させることで、ワッシャ249とのクリアランスを変化させ、バネ248のバネ力量を変化させることで、回転の操作力量を変化させることが可能となる。
【0098】
また、摺動部263にはグリス等の潤滑材が使用されており、グリスの粘性によって細かな引っ掛かりやザラツキを解消するので、Xハンドル軸244は滑らかに回転する。
【0099】
このように本第11の実施の形態によれば、コンパクトな構成のままで、操作部であるハンドル軸の位置を変更することが可能であり、操作性の良い位置にハンドルを配置させることが可能になる。また、ワイヤーを1本用いて構成することが可能であり、非常に安価かつコンパクトになる。
【0100】
さらに、ワイヤーに掛ける引張力を強くしても、ハンドル等にはコジリ力がかからないので、ハンドルのスムーズな回転が可能になるばかりか、プーリーとワイヤーの間のスリップも完全に無くすことができるので、標本位置合わせ時に、追従不良等のない高いフィーリングでの操作が可能になる。
【0101】
一般に、ステージの操作力量は、軽い場合に長時間使用でも疲れにくいなどのメリットがあるため、回転の力量設定はできるだけ軽く設定される。しかし、その場合には、回転の動き始めの引っ掛かり感や、ザラツキ感などが起こり、微妙な標本操作がやりずらくなってしまうことがあった。本第11の実施の形態では、ハンドル軸に用いたグリス等の潤滑材の効果により、引っ掛かり感や、ザラツキ感が軽減され、微妙な標本操作が可能になる。
【0102】
(第12の実施の形態)
図25は、本発明の第12の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの立体模式図であり、ワイヤーの掛け方を示している。なお、本第12の実施の形態におけるステージの基本的構成及びX方向の操作に関しては、第11の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。また、図25において図20乃至図24と同様の機能を有する部分は同符号を付してある。
【0103】
本第12の実施の形態では、Y方向へのステージの移動に係るプーリー及びワイヤーに特徴的な部分が集約しているので、以下、図25を基に説明を行なう。なお、図25はステージを逆さにした状態を示している。
【0104】
上ステージ205に回転可能に固定されたプーリー271、及びハンドル軸と同軸に配置されたYプーリ250(図24にも図示)に、切れ目のない輪状のエンドレスワイヤー273が掛けられている。下ステージ206には、押圧板274が固定されており、挟み込み部材275がワイヤー273を挟み込むように押圧板274に固定され、結果的にワイヤー273が下ステージ206に固定されている。
【0105】
次に、以上のように構成された顕微鏡用ステージの動作を説明する。下ステージ206に対して上ステージ205をY方向に移動させたい場合には、図22に示したYハンドル253を回転させる。Yハンドル253を回転させると、プーリー250も共に回転する。プーリー250にはワイヤー273が巻き付けられているので、プーリー250の回転によりワイヤー273が連続的に送られ、ワイヤー273はプーリー250、プーリー271、及びプーリー272によって構成される三角形に沿って送られる。
【0106】
ワイヤー273はプーリー271とプーリー272の間で下ステージ206に固定されており、相対的な結果として、プーリー271またはプーリー272はY方向に移動する。プーリー271とプーリー272は上ステージ205に固定されているので、上ステージ205は、プーリ271またはプーリ272の移動に伴って、ガイド板221a,221bと下ステージ206にて構成された直線ボールガイドに沿ってY方向に移動する。この際、プーリー271とプーリー272の中心を結ぶ直線が、上ステージ205をガイドしている上記直線ボールガイドに対して平行に形成されていれば、ステージ移動の効率は最も良くなる。
【0107】
なお、プーリー271またはプーリー272をY方向に移動調整した後に固定可能にしておくことで、ワイヤー273に引張力を与えることができる。同様に、プーリー250をX方向に移動調整した後に固定可能にしておくことでも、ワイヤー273に引張力を与えることができる。
【0108】
本第12の実施の形態によれば、上ステージ205と下ステージ206の間のワイヤーを二段(二重)に掛ける構成とすることができる。このため、高剛性な構成になり、ワイヤーの伸び等に起因する操作時の揺らぎ等を軽減でき、操作性が向上する。
【0109】
なお、本第12の実施の形態の構成では、ワイヤーの代わりにエンドレス歯付きベルトを使用しても、同様に構成することが可能である。歯付きベルトを用いることで、前述した剛性の面でワイヤーに比べ高剛性になるので、伸びなどがほとんどなくなり、揺らぎ等を著しく軽減でき、操作性が向上する。また、プーリーとベルトの間での滑りはまったくないので、滑りに起因するステージの追従不良などは発生せず、高精度の標本位置合わせが可能になる。
【0110】
さらに、本第12の実施の形態では、ワイヤーの下ステージ206への固定に押圧板274と挟み込み部材275を使用したが、代わりに図示しないクラッチ機構を用いてもよい。その場合には、下ステージ206とワイヤ273の固定を解除することが可能になるので、クラッチで固定解除した際には、上ステージ205を、ハンドル操作に関係なくY方向に移動させることが可能である。
【0111】
(第13の実施の形態)
図26は、本発明の第13の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの立体模式図であり、ワイヤーの掛け方を示している。なお、本第13の実施の形態におけるステージの基本的構成及びX方向の操作に関しては、第11の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。また、図26において図20乃至図25と同様の機能を有する部分は同符号を付してある。
【0112】
本第13の実施の形態では、Y方向へのステージの移動に係るプーリー及びワイヤーに特徴的な部分が集約しているので、以下、図26を基に説明を行なう。なお、図26はステージを逆にした状態を示している。
【0113】
上ステージ205に回転可能に固定されたプーリー281、プーリー282、プーリー283、及びハンドル軸と同軸に配置されたYプーリ250(図24にも図示)に、切れ目のない輪状のエンドレスワイヤー284が掛けられている。
【0114】
以下、ワイヤー284の掛け方を説明する。プーリー250から出されたワイヤー284の一端はプーリー281に掛けられプーリー282に向う。プーリー282に掛けられ折り返したワイヤー284はプーリー283に掛けられ折り返し、再びプーリー281に掛けられ、プーリー250に巻かれる。なお、下ステージ206には、押圧板274が固定されており、挟み込み部材275が押圧板274との間でワイヤー284を挟み込むよう押圧板274に固定され、結果的にワイヤー284が下ステージ206に固定されている。
【0115】
次に、以上のように構成された顕微鏡用ステージの動作を説明する。下ステージ206に対して上ステージ205をY方向に移動させたい場合には、図22に示したYハンドル253を回転させる。Yハンドル253を回転させると、プーリー250も共に回転する。プーリー250にはワイヤー284が巻き付けられているので、プーリー250の回転によりワイヤー284が連続的に送られ、ワイヤー284はプーリー250、プーリー281、プーリー282、及びプーリー283の順に送られる。
【0116】
ワイヤー284はプーリー282とプーリー283の間で下ステージ206に固定されているので、ワイヤー284が送られると、相対的な結果として、プーリー282またはプーリー283がY方向に引張られ移動する。プーリー282とプーリー283は上ステージ205に固定されているので、上ステージ205はプーリー282またはプーリ283の移動に伴って、ガイド板221a,221bと下ステージ206にて構成された直線ボールガイドに沿ってY方向に移動する。この際、プーリー282とプーリー283の中心を結ぶ直線が、上ステージ205をガイドしている上記直線ボールガイドに対して平行に形成されていれば、移動の効率は最も良くなる。
【0117】
なお、プーリー282またはプーリー283をY方向に移動調整した後に固定可能にしておくことで、ワイヤー284に引張力を与えることができる。同様に、プーリー250をX方向に移動調整した後に固定可能にしておくことでも、ワイヤー284に引張力を与えることができる。
【0118】
本第13の実施の形態によれば、上ステージ205と下ステージ206の間のワイヤーを二段(二重)に掛ける構成とすることができる。このため、高剛性な構成になり、ステージの送り操作時などにかかる張力が分散され、ワイヤーの伸び等に起因する操作時の揺らぎ等が軽減でき、操作性が向上する。
【0119】
(第14の実施の形態)
図27は、本発明の第14の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの立体模式図であり、ワイヤーの掛け方を示している。なお、本第14の実施の形態におけるステージの基本的構成及びX方向の操作に関しては、第11の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。また、図27において図1乃至図26と同様の機能を有する部分は同符号を付してある。
【0120】
本第14の実施の形態では、Y方向へのステージの移動に係るプーリー及びワイヤーに特徴的な部分が集約しているので、以下、図27を基に説明を行なう。なお、図27はステージを逆さにした状態を示している。
【0121】
ワイヤー291の一端は固定端292で下ステージ206に固定され、下ステージ206に固定されたピン293に掛けられ折り返した後、上ステージ205に回転可能に保持されたプーリー294に掛けられた後、操作軸と同軸上にあるプーリ250に巻き付けられ、さらにプーリー294に掛けられた後、再び固定端292で下ステージ206に固定される。
【0122】
次に、以上のように構成された顕微鏡用ステージの動作を説明する。下ステージ206に対して上ステージ205をY方向に移動させたい場合には、図22に示したYハンドル253を回転させる。Yハンドル253を回転させると、プーリー250も共に回転する。プーリー250にはワイヤー291が巻き付けられているので、プーリー250の回転によりワイヤー291が連続的に送られ、ワイヤー291はプーリー294で方向を変えられる。ワイヤー291は下ステージ206に固定されているので、ワイヤー291が送られると、相対的な結果として、プーリー294がY方向に引張られ移動する。プーリ294は上ステージ205に固定されているので、上ステージ205はプーリ294の移動に伴って、ガイド板221a,221bと下ステージ206にて構成された直線ボールガイドに沿ってY方向に移動する。この際、プーリー294とピン293の中心を結ぶ直線が、上ステージ205をガイドしている上記直線ボールガイドに対して平行に形成されていれば、ステージ移動の効率は最も良くなる。
【0123】
また、固定端292またはピン293をY方向に移動調整した後に固定可能にしておくことで、ワイヤー291に引張力を与えることができる。同様に、プーリー250をX方向に移動調整した後に固定可能にしておくことでも、ワイヤー291に引張力を与えることができる。
【0124】
本第14の実施の形態によれば、下ステージ206に固定されるワイヤーが2重構成になっているため高剛性になり、ステージの送り操作時などにかかる張力が分散され、ワイヤーの伸び等も少なくなり、操作時の揺らぎ等が軽減でき、操作性が向上する。
【0125】
(第15の実施の形態)
図28は、本発明の第15の実施の形態に係る顕微鏡用ステージに適用されるハンドル部の構成を示す断面図である。なお、本第15の実施の形態におけるステージの基本的構成及びX方向の操作に関しては、第11の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。また、図28において図20乃至図27と同様の機能を有する部分は同符号を付してある。
【0126】
本第15の実施の形態では、Y方向へのステージの移動に係るハンドル部に特徴的な部分が集約しているので、以下、図28を基に説明を行なう。なお、本第15の実施の形態のハンドル部は、第11の実施の形態に示した顕微鏡用ステージに適用可能である。図28では、図22に示したカップリング251をゴム等の弾性部材2101に置き換えている。
【0127】
第11乃至第14の実施の形態にも示した通り、下ステージ206に対して上ステージ205をY方向に移動させたい場合には、Yプーリ250を回転させることが必要になる。Yプーリ250を回転させるためには、Yハンドル253を回転させる。Yハンドル253を回転させると、Yハンドル軸253と弾性部材2101を介して連結されているYプーリ250も共に回転する。
【0128】
第11乃至第14の実施の形態にも説明したように、Yプーリ250に掛けられているワイヤー232は、プーリーとの間にスリップを生じさせないために、引張力が加わるように調整されている。
【0129】
ワイヤー232に引張力が加えられている状態では、Yプーリ250の回転軸に対しプーリー231の方向にラジアル荷重が働き、ハンドル軸の回転軸受け部にコジリ力となって作用する。しかし、本第15の実施の形態によれば、Yプーリー250に加わったラジアル荷重は、弾性部材2101のたわみにより相殺されるため、Yハンドル軸252に伝達されず、軸受け部にコジリ力が発生することはない。
【0130】
本第15の実施の形態によれば、ワイヤーに掛ける引張力を強くしても、ハンドル等にはコジリ力が掛らないので、ハンドルのスムーズな回転が可能になるばかりか、プーリーとワイヤーの間のスリップも完全に無くすことができるので、標本の位置合わせ時に、追従不良等のない良好なフィーリングでの操作が可能になる。また、一般的なゴム等の弾性部材を用いてハンドル部を構成することができるので、安価に製作することが可能になる。
【0131】
(第16の実施の形態)
図29は、本発明の第16の実施の形態に係る顕微鏡ステージの構成を示す図であり、(a)は一部平面図、(b)は(a)のA矢視図である。
【0132】
本第16の実施の形態は、Y方向の伝達部材にエンドレスベルト(輪状のベルト)を使用して構成している。すなわち、顕微鏡本体に取り付けられた下ステージ301には、図29の(b)に示すように、ベルトを挟み込む機構が設けられており、この機構は挟み込み部材302と押圧板303からなる。そして、挟み込み部材302と押圧板303の間にエンドレスベルト304が挟み込まれて固定され、さらに下ステージ301に固定されている。
【0133】
また、上ステージ305には、Y方向の異なる位置に回動可能に支持されたプーリー306,307が取り付けられている。また、プーリー307は、Y方向の位置調整が可能な張力調整部材308を介して上ステージ305に固定されている。
【0134】
また、プーリー306,307とは異なる位置に、Yハンドル軸309が配設されており、上ステージ305に対して回動可能に支持されている。このYハンドル軸309にはベルトが掛けられるようにプーリ部が設けられている。このような構成において、エンドレスベルト304を図29の(a)に示すようにプーリー306、プーリー307、Yハンドル軸309(Yハンドル軸309のプーリ部には、ベルトが一巻きされる)、及び上記挟み込み機構を連結することで、Yハンドル軸309の回転操作により、下ステージ301に対して上ステージ305をY方向に移動可能となる。
【0135】
本第16の実施の形態では、ベルトを使用しており、ベルト自身のバネ定数が低いため、結果的に伝達機構の剛性が上がる。また、ベルトを歯付きベルトとすることで、摩擦によらない確実な伝達が可能となり、張力を低く抑えることが可能となり、ハンドルの回転を劣化させる要因を無くすことができる。
【0136】
なお、本第16の実施の形態はエンドレスベルトを用いて構成したが、エンドレスワイヤーロープ(輪状のワイヤーロープ)を用いても同様に構成することが可能である。
【0137】
(第17の実施の形態)
図30は、本発明の第17の実施の形態に係る顕微鏡ステージの構成を示す一部平面図である。
【0138】
本第17の実施の形態は、エンドレスワイヤーロープを用いて第16の実施の形態に示した構成をコンパクトにレイアウトしたものである。すなわち、顕微鏡本体に固定された下ステージ401に、ワイヤーロープ402が第16の実施の形態と同様に挟み込み部材302と押圧板303からなる挟み込み機構を介して固定されている。
【0139】
また、上ステージ403には、Y方向の異なる位置に回動可能に支持されたプーリー404,405が取付けられている。さらに、第16の実施の形態に示したように張力調整部材308でプーリー405のY方向の位置調整がされることで、ワイヤーロープ402の張力が可変となる。
【0140】
また、上ステージ403には、プーリー404,405,405とは異なる位置にYハンドル軸407が配設されており、上ステージ403に対して回動可能に支持されている。このYハンドル軸407は、第16の実施の形態と同様に、ワイヤーロープ402を巻き付けるためのプーリ部を有している。
【0141】
このような構成において、ワイヤーロープ402は次のように掛けられる。すなわち、ワイヤーロープ402はプーリー404及び上記挟み込み機構を介してプーリー405にて折り返され、プーリー406にてYハンドル軸407方向へ方向変換され、Yハンドル軸407を1巻きし、再びプーリー406にてY方向に方向変換され、プーリー404に戻る。プーリー404とプーリー405の間で、ワイヤーロープ402は第16の実施の形態と同様に上記挟み込み機構を介して下ステージ401に固定されている。
【0142】
以上の様な構成とすることで、Yハンドル軸407を回転操作することにより、下ステージ401に対して上ステージ403がY方向に移動可能となる。
【0143】
また、本発明による顕微鏡用ステージは以下のような特徴を有している。
【0144】
(1) 本発明の顕微鏡用ステージは、ベース部材と、このベース部材に対して直線移動可能に支持された移動部材と、前記ベース部材上で前記移動部材の移動方向に沿って張り渡された線状の駆動力伝達部材と、この駆動力伝達部材の、前記移動部材の移動方向に沿った部分に対して外径がほぼ接する位置に配置され、前記移動部材に回転可能に支持されたプーリーと、このプーリーに対して前記駆動力伝達部材から離れた位置に配置され、前記移動部材に回転可能に支持されたハンドル部とを備え、前記駆動力伝達部材は、前記プーリーと前記ハンドル部に順に掛けられ、前記ハンドル部の回転操作により前記移動部材を移動させるよう構成されている。
【0145】
上記(1) に記載の顕微鏡用ステージによれば、線状の駆動力伝達部材の、前記移動部材の移動方向に沿って張り渡された部分に対して、外径がほぼ接する位置に配置されたプーリを有する。このプーリーに対して、ハンドル部は駆動力伝達部材から離れた位置に自在に配置可能である。したがって、ステージの操作性を考慮した操作しやすい位置にハンドルを配置可能である。
【0146】
(2) 本発明の顕微鏡用ステージは上記(1) に記載のステージにおいて、ハンドル部を前記移動部材に対して回転可能に支持する手段は、転がり軸受けと、潤滑剤により潤滑された滑り軸受とを有する。
【0147】
上記(2) に記載の顕微鏡用ステージによれば、転がり軸受けと滑り軸受けの併用によって、駆動力伝達部材の張力による偏荷重が作用してもスムーズな回転を可能にするとともに、滑り軸受け部の潤滑剤によってハンドルに対して粘性を持った良好な操作感を与えることができる。
【0148】
(3) 本発明の顕微鏡用ステージは上記(1) に記載のステージにおいて、前記駆動力伝達部材は、前記移動部材の移動方向に沿って多段掛けされている。
【0149】
上記(3) に記載の顕微鏡用ステージによれば、駆動力伝達部材を多段掛けにより複数回折り返して張り渡すことにより、駆動力伝達部材にかかる負荷が小さくなるので伸びが減少し、伝達機構の剛性が高まってステージの停止精度が向上する。
【0150】
(4) 本発明の顕微鏡用ステージは、ベース部材と、このベース部材に対して直線移動可能に支持された移動部材と、前記ベース部材上で前記移動部材の移動方向に沿って張り渡された線状の第1の駆動力伝達部材と、この第1の駆動力伝達部材の、前記移動部材の移動方向に沿った部分に対して外径がほぼ接する位置に配置され、前記移動部材に回転可能に支持されたプーリーと、このプーリーに対して前記第1の駆動力伝達部材から離れた位置に配置され、前記移動部材に回転可能に支持されたハンドル部と、このハンドル部と前記プーリとの間に掛け渡される第2の駆動力伝達部材とを備え、前記ハンドル部の回転操作により前記移動部材を移動させるよう構成されている。
【0151】
上記(4) に記載の顕微鏡用ステージによれば、駆動力伝達部材を二つ用いることにより、伝達機構の剛性を高める目的とハンドルの良好な操作感を実現する目的とに駆動力伝達部材の役割を分けることができ、伝達機構の高い剛性による良好な停止精度とハンドルの良好な操作感とが両立される。
【0152】
(5) 本発明の顕微鏡用ステージは上記(4) に記載のステージにおいて、前記第1の駆動力伝達部材の張力より前記第2の駆動力伝達部材の張力を弱くした。
【0153】
上記(5) に記載の顕微鏡用ステージによれば、第1の駆動力伝達部材の張力を強くすることで伝達機構の剛性を高められる一方、第2の駆動力伝達部材の張力を弱くすることでハンドル部にかかる偏荷重を小さくなり、ハンドルのスムーズな回転が確保される。
【0154】
(6) 本発明の顕微鏡用ステージは上記(4) に記載のステージにおいて、前記第2の駆動力伝達部材はベルトである。
【0155】
(7) 本発明の顕微鏡用ステージは上記(4) に記載のステージにおいて、第2の駆動力伝達部材は歯車である。
【0156】
(8) 本発明の顕微鏡用ステージは、下ステージと、この下ステージに対して直線移動可能に支持された上ステージと、前記下ステージ上で前記上ステージの移動方向に沿って張り渡された線状の駆動力伝達部材と、この駆動力伝達部材の、前記上ステージの移動方向に沿った部分に対して外周がほぼ接する位置に配置され、前記上ステージに回転可能に支持されたプーリーと、このプーリーに対して、前記駆動力伝達部材の前記上ステージの移動方向に沿った部分から離れた位置に配置され、前記上ステージに回転可能に支持されたハンドル部と、前記下ステージに対する前記上ステージの直線移動に対して抵抗力を付与する制動手段とを備え、前記駆動力伝達部材は、前記プーリーと前記ハンドル部に順に掛けられ、前記ハンドル部の回転操作により前記上ステージを移動させる。
【0157】
上記(8) に記載の顕微鏡用ステージによれば、制動手段により上ステージの直線移動に対して抵抗力が付与されるので、ハンドルの操作を止めた時点で確実に上ステージを停止させることができ、ステージの停止精度が向上する。
【0158】
また、安価な部材を使用した簡易な構成で、顕微鏡用ステージとしての高い位置合わせ精度や良好な移動追従性・操作感の確保と、ステージ操作ハンドルの配置の自由度の向上とを両立し得る顕微鏡用ステージを提供することにある。
【0159】
(9) 本発明の顕微鏡用ステージは上記(8) に記載のステージにおいて、前記制動手段は、前記下ステージと前記上ステージとの間に介在し、それらの一方に固定され他方に対して摩擦力が生じるよう接触する摩擦部材である。
【0160】
上記(9) に記載の顕微鏡用ステージによれば、摩擦部材とステージとの間で発生する摩擦力によりステージの直線移動に対して抵抗力が付与され、ハンドルの操作を止めた時点で確実にステージを停止させることができる。
【0161】
(10) 本発明の顕微鏡用ステージは上記(8) に記載のステージにおいて、前記制動手段は、前記ハンドル部に備えられ、ハンドルの回転に対して抵抗力を付与する手段である。
【0162】
上記(10) に記載の顕微鏡用ステージによれば、ハンドルの回転に対して抵抗力を付与することで、上ステージの直線移動に対して抵抗力が付与され、ハンドルの操作を止めた時点で確実に上ステージを停止させることができる。
【0163】
(11) 本発明の顕微鏡用ステージは、下ステージと、この下ステージに対して直線移動可能に支持された上ステージと、前記下ステージ上で前記上ステージの移動方向に沿って張り渡された線状の第1の駆動力伝達部材と、この第1の駆動力伝達部材の、前記上ステージの移動方向に沿った部分に対して外周がほぼ接する位置に配置され、前記上ステージに回転可能に支持されたプーリーと、このプーリーに対して、前記第1の駆動力伝達部材の前記上ステージの移動方向に沿った部分から離れた位置に配置され、前記上ステージに回転可能に支持されたハンドル部と、このハンドル部と前記プーリとの間に掛け渡される第2の駆動力伝達部材と、を備え、前記ハンドル部の回転操作により前記上ステージを移動させる。
【0164】
上記(11) に記載の顕微鏡用ステージによれば、駆動力伝達部材を二つ用いることにより、伝達機構の剛性を高める目的とハンドルの良好な操作感を実現する目的とに駆動力伝達部材の役割を分けることができ、伝達機構の高い剛性による良好な停止精度とハンドルの良好な操作感とが両立される。
【0165】
本発明は上記各実施の形態のみに限定されず、要旨を変更しない範囲で適時変形して実施できる。
【0166】
【発明の効果】
本発明の顕微鏡用ステージによれば、操作性を最良にすると共に、標本の位置合わせを容易にし、且つ安価に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの構成を示す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの構成を示す一部断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの構成を示す底面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの構成を示す図3のA−A断面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの構成を示す図3のB−B断面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る線状部材の伝達機構を示す模式図。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る線状部材の伝達機構の変形例を示す模式図。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係るステージ操作ハンドル機構部の構成を示す拡大断面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るステージ操作ハンドルの構成を示す断面図。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの構成を示す断面図。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの構成を示す断面図。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る線状部材の伝達機構を示す模式図。
【図13】本発明の第5の実施の形態に係るワイヤ駆動の顕微鏡用ステージを下方から見た略式平面図。
【図14】本発明の第5の実施の形態に係る顕微鏡用ステージを斜め下方から見た略式立体図。
【図15】本発明の第6の実施の形態に係る顕微鏡用ステージを斜め下方から見た略式立体図。
【図16】本発明の第7の実施の形態に係る顕微鏡用ステージを下方から見た略式平面図。
【図17】本発明の第8の実施の形態に係る顕微鏡用ステージを斜め下方から見た略式立体図。
【図18】本発明の第9の実施の形態に係る顕微鏡用ステージを斜め下方から見た略式立体図。
【図19】本発明の第10の実施の形態に係る操作ハンドルの断面図。
【図20】本発明の第11の実施の形態に係る顕微鏡用ステージを上方から見た平面図。
【図21】本発明の第11の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの断面図。
【図22】本発明の第11の実施の形態に係るハンドル部の構成を示す断面図。
【図23】本発明の第11の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの底面図。
【図24】本発明の第11の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの立体模式図。
【図25】本発明の第12の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの立体模式図。
【図26】本発明の第13の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの立体模式図。
【図27】本発明の第14の実施の形態に係る顕微鏡用ステージの立体模式図。
【図28】本発明の第15の実施の形態に係る顕微鏡用ステージに適用されるハンドル部の構成を示す断面図。
【図29】本発明の第16の実施の形態に係る顕微鏡ステージの構成を示す図。
【図30】本発明の第17の実施の形態に係る顕微鏡ステージの構成を示す一部平面図。
【符号の説明】
1…下ステージ
1a,1b…ガイド溝部
2…上ステージ
2a,2b,2c…ガイド溝部
3…ケーシング
4…ボール
5…ガイド部材
5a…ガイド溝部
6…ガイド部材
6a…ガイド溝部
8…クレンメル保持部材
8a…ガイド溝部
9…クレンメル
10…固定軸
10a…ネジ部
11…Yハンドル軸
11a…プーリー部
12…Yハンドル
13…ベアリング
14…固定ガイド
14a…ネジ部
14b…ネジ部
14c…セットビス
15…スラスト支持部
16…ワッシャー
17…Yトルク調整ハンドル
18…弾性部材
19…ワッシャー
20…Xハンドル軸
20a…プーリー部
20b…ネジ部
21…Xハンドル
22…ベアリング
23…スラストリング
24…スラスト支持部
25…ワッシャー
26…Xトルク調整ハンドル
27…弾性部材
28…ワッシャー
29…プーリー
30…転がり軸受け
31…軸
32…線状部材
33…プーリー
34…軸
35…転がり軸受け
36…張力調整部材
37…線状部材
38…張力調整部材
38a…突起部
38b…ピン
38c…ビス
40…転がり軸受け
41…ブレーキ部材
411…平板
412…突起部
42…ネジ
51…Y嵌合部
52…X嵌合部
53…固定環
54…固定環用セットビス
101…上ステージ
102…操作ハンドル
103…第一プーリー
104,104´…第二プーリー
105…ワイヤー
106…下ステージ
107…ピン
108…ピン
111…第一ワイヤー
112…第二ワイヤー
121…第一ワイヤー
122…第二ワイヤー
123…ピン
124…第三プーリー
125…ピン
131…滑り軸受け部
132…ベアリング
201…標本
202…クレンメル
203…固定ビス
204…クレンメル保持部材
205…上ステージ
206…下ステージ
207…クランプビス
211,212…ピン
213…ワイヤー
214…プーリー
215…プーリー
221a,221b…ガイド板
223…三角ワイヤ
224…ボール
231…プーリー
232…ワイヤー
233…ピン
234…張力調整部材
241…固定軸
242…軸受け
243…滑り軸受け
244…回転軸
245…リング
246…操作リング
2461…セットビス
250…プーリ−
251…カップリング
252…外軸
253…操作リング
254…軸受け
255…Y摺動部
256…Y摺動部
257…リング
258…リング
259…バネ
260…ワッシャ
261,262,263…摺動部
271,272…プーリー
273…ワイヤー
274…押圧板
275…挟み込み部材
281,282,283…プーリー
284…エンドレスワイヤー
291…ワイヤー
292…固定端
293…ピン
294…プーリー
2101…弾性部材
301…下ステージ
302…挟み込み部材
303…押圧板
304…エンドレスベルト
305…上ステージ
306,307…プーリー
308…張力調整部材
309…Yハンドル軸
401…下ステージ
402…ワイヤーロープ
403…上ステージ
404,405,496…プーリー
407…Yハンドル軸
Claims (8)
- 下ステージと、
この下ステージに対して直線移動可能に支持された上ステージと、
前記下ステージと前記上ステージとの間に掛けられ、前記上ステージの移動方向に沿って張り渡された駆動力伝達部材と、
この駆動力伝達部材の、前記上ステージの移動方向に沿った部分に対して外周がほぼ接する位置に配置され、前記上ステージに回転可能に支持されたプーリーと、
このプーリーに対して、前記駆動力伝達部材の前記上ステージの移動方向と異なる方向で、かつ前記下ステージの外側の位置に配置され、前記上ステージに回転可能に支持されたハンドル部と、を備え、
前記駆動力伝達部材は、前記ハンドル部と前記プーリーとの間に張り渡された第1の部材と、前記プーリーと前記下ステージとの間に張り渡された第2の部材とからなり、前記第1の部材の張力が前記第2の部材の張力よりも弱くなるように設定され、前記ハンドル部の回転操作により前記上ステージを移動させることを特徴とする顕微鏡用ステージ。 - 下ステージと、
この下ステージに対して直線移動可能に支持された上ステージと、
前記下ステージと前記上ステージとの間に掛けられ、前記上ステージの移動方向に沿って張り渡された駆動力伝達部材と、
この駆動力伝達部材の、前記上ステージの移動方向に沿った部分に対して外周がほぼ接する位置に配置され、前記上ステージに回転可能に支持されたプーリーと、
このプーリーに対して、前記駆動力伝達部材の前記上ステージの移動方向と異なる方向で、かつ前記下ステージの外側の位置に配置され、前記上ステージに回転可能に支持されたハンドル部と、を備え、
前記駆動力伝達部材は、前記ハンドル部と前記プーリーとの間、および前記プーリーと前記下ステージとの間に掛けられ、かつ前記プーリーと前記ハンドル部には各々多段に掛けられ、前記ハンドル部の回転操作により前記上ステージを移動させることを特徴とする顕微鏡用ステージ。 - 前記駆動力伝達部材は、前記下ステージの一方側から前記プーリーへ巻き込まれる前記プーリー上での位置と、前記プーリーから前記下ステージの他方側へ導出する前記プーリー上での位置とに、所定の段差が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の顕微鏡用ステージ。
- 前記ハンドル部の取り付け位置は、前記プーリーに対して、前記上ステージの移動方向に略直交する方向にあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の顕微鏡用ステージ。
- 前記駆動力伝達部材は、前記ハンドル部と前記プーリーとの間に張り渡された第1の部材と、前記プーリーと前記下ステージとの間に張り渡された第2の部材とからなることを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡用ステージ。
- 前記駆動力伝達部材は、前記第1の部材の張力が前記第2の部材の張力よりも弱くなるように設定されていることを特徴とする請求項5に記載の顕微鏡用ステージ。
- 前記駆動力伝達部材は、前記プーリーと前記ハンドル部との間で交差するようにクロス掛けされていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の顕微鏡用ステージ。
- さらに、前記下ステージを挟んで前記ハンドル部の反対側に第2の駆動力伝達部材を張り、その張力を、前記プーリーと前記ハンドル部側に設けた前記駆動力伝達部材の張力よりも強く設定したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の顕微鏡用ステージ。
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