JP3869104B2 - 筒状構造物のライニング材撤去装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、煙突等の筒状構造物の内面のライニング材撤去装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、煙突には、断熱保温性や耐火性を向上させることを目的としてライニング材が内貼りされている。過去の煙突には、ライニング材として人体に有害な石綿(アスベスト)が用いられていた。
【0003】
従来、このような煙突内面のライニング材の撤去は、作業員が煙突の上部からケレン棒を使用してライニング材を掻き取ることにより行っている。このため、一回の作業範囲はケレン棒の届く範囲(約2m程度)に限られていた。
【0004】
図9(a)〜(d)は従来の作業手順を示している。図において、Tは煙突、1は周壁コンクリート、2はライニング材(例えば石綿)である。煙突Tの解体は、(a)に示すようにケレン棒の届く範囲のライニング材2を除去した後、(b)に示すようにその部分(ライニング材2を除去した部分)の周壁コンクリート1を解体し、以降、(c)、(d)に示すようにこれを繰り返すことで進めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の方法は、人手に頼った作業であり、能率が悪かった。また、作業員が直接ライニング材を撤去するので、高所作業の危険の他に、ライニング材からの飛散物質を作業員が吸引する危険があった。特にライニング材が石綿である場合には安全上の問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮し、作業者の安全を確保するために、人手に頼らずに効率良くライニング材を撤去することのできる撤去装置及び方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、煙突等の筒状構造物の内面のライニング材を撤去するための装置において、昇降装置によって筒状構造物の内部に吊り下ろされる装置本体と、この装置本体に搭載され、筒状構造物の内面に反力を取ることで装置本体を昇降可能な状態で回転止めする反力装置と、前記装置本体に搭載され、回転カッタの回転によりライニング材の切削除去を行うカッティングヘッドとを備え、前記回転カッタが、筒状構造物の略軸中心で回転駆動される回転フレームと、回転フレームの外周部に周方向に間隔をおいて複数配され、回転フレームの回転による遠心力で回転フレームの半径方向外方に変位してライニング材に押し付けられる切削刃とから構成され、前記切削刃が、中心孔を有し外周が刃とされた円形刃で構成され、該切削刃の中心孔が、前記回転フレームの外周部に固定された軸に遊びを持って嵌められることで、切削刃が回転フレームの半径方向に変位自在とされ、前記回転カッタが上下方向に複数段設けられ、上側または下側の段の一方がライニング材切削用とされ、他方がライニング材切削用の回転カッタの取り残したライニング材を筒状構造物の周壁コンクリートの表層ごと切削除去する仕上げ用とされていることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1において、前記回転カッタが上下二段に設けられ、上段の回転カッタと下段の回転カッタが逆回転させられることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1〜2のいずれかにおいて、前記装置本体に、前記回転カッタによる切削箇所にライニング材の飛散防止抑制液を噴射するノズルが備わっていることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記反力装置が、筒状構造物の内面のライニング材に押し付けられた際にライニング材に食い込む車輪と、該車輪を支持する支持脚と、該支持脚を張り出すことで車輪をライニング材に押し付ける押付け装置とから構成され、前記車輪が、周方向に間隔おいて3個以上、それぞれ筒状構造物の軸線方向に転動可能に配されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の筒状構造物のライニング材撤去装置により煙突等の筒状構造物の内面のライニング材を撤去する方法において、ライニング材撤去装置の装置本体を昇降装置により筒状構造物内の最下部まで吊り下ろした後、装置本体に備えた反力装置により装置本体を昇降可能な状態で回転止めし、その状態で、装置本体に備えたカッティングヘッドを駆動して回転カッタによりライニング材を切削しながら、昇降装置によって装置本体を引き上げることにより、連続的にライニング材の切削除去を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5において、筒状構造物の最上部の上側に前記反力装置の反力受けを設置し、この反力受けを利用して筒状構造物の最上部までライニング材を切削除去することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の筒状構造物のライニング材撤去装置により煙突等の筒状構造物の内面のライニング材を撤去する方法において、ライニング材撤去装置の装置本体を昇降装置により筒状構造物の内部に吊り下ろして解体時の筒状構造物の切断位置の高さに位置決めし、その位置で装置本体の回転止めを行った状態で、装置本体に備えたカッティングヘッドを駆動して回転カッタにより前記切断位置周辺のライニング材のみを切削除去し、解体時の筒状構造物の切断位置ごとにこの操作を繰り返すことを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項5〜7のいずれかにおいて、前記筒状構造物の下部より内部空気を吸引して筒状構造物内を負圧に保ちながら前記ライニング材の切削除去作業を行うことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は実施形態のライニング材撤去装置により煙突Tの内面のライニング材2を切削除去している様子を示す。まず、ライニング材撤去装置について先に述べる。
【0019】
ライニング材撤去装置は、ウインチ等の昇降装置15のワイヤ16によって、煙突Tの内部に吊り下ろされる装置本体10を有している。装置本体10は、図2に拡大して示すように、下部に、回転カッタ20の回転によりライニング材の切削除去を行うカッティングヘッド11を備えると共に、上部に、煙突Tの内面に反力を取ることで装置本体10を昇降可能な状態で回転止めする反力装置12を備えている。回転カッタ20は、煙突Tの略軸中心で回転駆動される回転フレーム23と、図4に示すように、回転フレーム23の外周部に周方向に間隔をおいて複数配された切削刃25とを有している。回転フレーム23の中心は、回転駆動モータ21の下向きの出力軸22に結合されている。また、この例では、切削刃25は周方向に4個配されている。
【0020】
切削刃25は、中心孔25aを有し外周が刃とされた円形刃で構成され、中心孔25aが、回転フレーム23の外周部に固定された軸24に遊びを持って嵌められることで、回転フレーム23の半径方向に変位自在とされている。従って、切削刃25は、回転フレーム23の回転による遠心力で回転フレーム23の半径方向外方に変位して、ライニング材2に押し付けられるようになっている。
【0021】
また、この回転カッタ20において切削刃25は、図2に示すように、上下方向に多段に設けられている。ここでは、6段の切削刃25が設けられている。なお、ここでは全体を回転カッタ20としているが、各段ごとに回転カッタが構成されていると言うこともできる。各段の4個の切削刃25の種類や大きさは同一とされ、1段ごとに、あるいは複数段ごとに種類や大きさが異ならせてある。上部2枚の切削刃25Aはライニング材切削専用の切削刃である。また、下部4枚の切削刃25Bは、上側の切削刃25Aの取り残したライニング材を煙突Tの周壁コンクリート1(図1参照)の表層ごと、完全に切削除去するための仕上げ用切削刃である。このため、下部の切削刃25ほど、直径と遊びの量(中心孔25a)を大きくし、外周側に突出できるようにしている。
【0022】
図5は切削刃25の種類を示している。
(a)と(b)はライニング材切削専用の切削刃25Aを示す。これらの切削刃25Aは、鋭利な角を多数有する丸鋸状のものであり、能率良くライニング材を切削除去できるようになっている。また、(c)と(d)は、コンクリートの表層まで切削する仕上げ用の切削刃25Bを示す。これらの切削刃25Bは、外周部に超硬やステライト等のチップ26、27を埋め込んだものであり、コンクリートを切削できるようになっている。
【0023】
また、図2に示すように、カッティングヘッド11の上側にはノズル29が設けられている。このノズル29は、ライニング材の切削粉が飛散しないように、切削箇所に飛散防止抑制液を噴射するためのものである。
【0024】
装置本体10の上部に設けられている反力装置12は、図2、図3に示すように、装置本体10の軸中心を基準にして放射状に設けられた上下2段合計6個の支持脚31及び車輪32を有する。これらは各段ごと円周方向に120度の間隔をおいて配されており、支持脚31の先端に車輪32が回転自在に取り付けられている。車輪32は外周に行くほど尖っており、ライニング材に押し付けられた際にライニング材に食い込むようになっている。また、車輪32は、装置本体10の軸中心を中心とする半径方向に沿う鉛直面内で自由に回転できるよう設けられており、ライニング材に食い込んだ際に、上下方向(煙突の軸線方向)には転動するものの、ライニング材の周方向には動かない。従って、これによりライニング材に反力を取って、装置本体10の回転止めを行うことができる。
【0025】
各支持脚31は、上端が反力装置フレーム30に上下方向に揺動可能にピン結合されており、押付け装置としての油圧シリンダ35の操作により、各段毎に外側に張り出したり、内側に引っ込めたりできるようになっている。図2の右側の支持脚31は内側に引っ込めた状態、左側の支持脚31は外側に張り出した状態を示す。なお、各段の車輪32の個数は最低3個必要であり、個数はそれ以上であってもよい。また、上下方向の車輪32の段数も1段や3段以上であってもよい。要は、バランスを良好に保つことができ、しかも安定して装置本体10を回転止めできればよい。また、煙突の内径が異なる場合には、適切な径の車輪32を取付けて使用することもできる。さらに、支持脚31を張り出すための押付け装置としては、支持脚31をスプリングの弾性力で張り出すとともに油圧シリンダで引き込む構成のもの等も採用可能である。
【0026】
次に、ライニング材を撤去する場合の手順(方法)について説明する。
まず、実際の作業に取り掛かる前に、図1、図6に示すように煙突Tの上部に架台17を設置する。この架台17には、煙突Tの内面と連続する反力受け18を取り付けておく。また、煙突Tの最下部には、廃材回収受け6a付きの廃材回収ダクト6と換気ダクト7を接続し、廃材回収ダクト6はバキューム回収装置に導き、換気ダクト7は集塵装置に導く。
【0027】
以上の準備が済んだら、昇降装置15によって装置本体10を吊り下げ、装置本体10を煙突Tの内部に降ろして行く。最下部まで吊り下ろしたら、装置本体10の上部に搭載した反力装置12の支持脚31を外側に張り出して、車輪32をライニング材2に押し付け、食い込ませる。これにより、装置本体10は、昇降は自由にできるものの、確実に回転止めされる。その状態で、装置本体10の下部に搭載したカッティングヘッド11を駆動して、回転カッタ20を回転させる。そうすると、回転カッタ20の回転による遠心力で、切削刃25が外周側に移動し、ライニング材2を切削する。この際、上段の切削刃25Aによるライニング材の取り残し分は、下段の切削刃25Bがコンクリート1の表層ごと削り取るので、きれいにライニング材を取り除くことができる。この切削動作と同時に昇降装置15によって装置本体10を引き上げる。そうすることにより、連続的にライニング材2の切削除去を行うことができる。
【0028】
切削除去した廃材は、回収ダクト6により吸引されて回収装置に運ばれる。下から上に向かって作業を進め、煙突Tの最上部に達したら、反力装置12の車輪32を、予め設置してある反力受け18に押し付けて、同様に作業を続ける。これにより、煙突の最下部から最上部まできれいにライニング材を取り除くことができる。上記の作業の際には、下部のダクト7より内部空気を吸引して煙突T内を負圧に保つ。それにより、外部への切削粉の飛散を防止することができる。
【0029】
以上のように、ライニング材撤去装置を使って自動的にライニング材の撤去作業が行えるので、人手をほとんど要せず、効率よく作業を進めることができ、作業の安全を図ることができる。また、回転カッタ20の切削刃25が遠心力で外方に変位しながらライニング材2を切削するので、煙突の内径の変化にも切削刃25が自動的に追従し、無理な力がかからず、過負荷になる心配もない。
【0030】
なお、上記の方法では、煙突の周壁コンクリートの解体に先立って、予め全部のライニング材を撤去する場合を説明したが、周壁コンクリート切断作業中のライニング材の飛散を防止する目的だけなら、全部のライニング材を撤去しておかなくてもよい。図7はその方法の例を示す。
【0031】
この方法では、前記ライニング材撤去装置の装置本体を、煙突の内部に吊り下ろして、解体時の周壁コンクリート1の切断位置の高さに位置決めし、その位置で装置本体の回転止めを行う。そして、その位置に止めたまま装置本体に備えたカッティングヘッドを駆動して回転カッタにより切断位置周辺のライニング材2のみを切削除去する。切断位置ごとにこれを繰り返して、図7(a)に示すように全部の切断位置周辺のライニング材2を除去する。除去箇所を符号3で示す。この場合、切断位置高さへの装置本体の位置決めは、装置本体を吊り下げている昇降装置のワイヤの繰り出し長さあるいは巻き取り長さを、滑車に設けたエンコーダ等で測定することにより行うことができる。全部の切断位置のライニング材を除去したら、図7(b)、(c)に示すように切断位置で周壁コンクリート1を切断して、上から解体する。
【0032】
このように作業を進めることにより、現場でのライニング材の撤去を最小限にとどめられる。しかも、ライニング材の撤去は、ライニング材撤去装置により半自動的に行えるので、人手に頼らずに、効率よく作業を進めることができ、安全に煙突の解体を行うことができる。
【0033】
なお、上記実施形態では、回転カッタを全て一方向に回転させる場合を示したが、回転カッタを上下二段に分けて逆回転させることもできる。図8はその例を示す。この装置本体10Bのカッティングヘッド11Bでは、モータ21の出力側にキャリヤ固定式の遊星歯車機構40が設けられ、太陽歯車と結合された出力軸22と、内歯歯車に結合された外フレーム41とが、等速で逆回転するようになっている。そして、出力軸22に下段の回転カッタ20Aが連結され、外フレーム41に上段の回転カッタ20Bが連結されている。
【0034】
この装置本体10Bによれば、上下段の回転カッタ20B、20Aが逆回転駆動されるので、切削力により生じる回転力を打ち消すことができる。従って、反力装置にかかる負担を減らすことができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、 請求項1の発明のライニング材撤去装置によれば、煙突等の筒状構造物の内面のライニング材を撤去するための装置において、昇降装置によって筒状構造物の内部に吊り下ろされる装置本体と、この装置本体に搭載され、筒状構造物の内面に反力を取ることで装置本体を昇降可能な状態で回転止めする反力装置と、前記装置本体に搭載され、回転カッタの回転によりライニング材の切削除去を行うカッティングヘッドとを備えたので、人手に頼らずに、効率よくライニング材を撤去することができる。
特に、切削刃が遠心力で外方に変位しながらライニング材を切削するので、筒状構造物の内径の変化に切削刃を自動的に追従させることができる。
また、切削刃がライニング材に噛み込んだような場合には、自動的に切削刃が内方に逃げるので、過負荷の防止と、切削刃の破損防止とを図ることができる。
さらに、ライニング材切削用の切削刃で削り残したライニング材を仕上げ用切削刃でコンクリートの表層ごと除去できるようにしたので、ライニング材を残さずきれいに撤去することができる。
【0036】
請求項2の発明のライニング材撤去装置によれば、上下の回転カッタを逆回転させるので、切削反力を打ち消すことができ、反力装置にかかる負担を減らすことができる。
【0037】
請求項3の発明のライニング材撤去装置によれば、切削箇所にライニング材の飛散防止抑制液を噴射するようにしたので、確実に飛散防止効果を上げることができる。
【0038】
請求項4の発明のライニング材撤去装置によれば、反力装置の車輪をライニング材に食い込ませるようにしたので、車輪によって昇降自由な状態を確保しながら、装置本体を確実に回転止めすることができ、回転カッタによる安定したライニング材切削作業を可能にする。
【0039】
請求項5の発明のライニング材撤去方法によれば、装置本体を吊り下ろして、反力装置やカッティングヘッドを作動させ、回転カッタでライニング材を切削除去するので、人手に頼らずに、効率よくライニング材を撤去することができ、ライニング材が石綿のように有害物質である場合には、作業員の安全を確保することができる。特に、最下部から上方に向かってライニング材を切削除去していくので、切削箇所より上側のライニング材に回転切削時の反力を取りながら作業することができ、安定した作業が可能となる。
【0040】
請求項6の発明のライニング材撤去方法によれば、筒状構造物の最上部の上側に反力受けを設置するので、筒状構造物の最上部まで連続して完全にライニング材を切削除去することできる。
【0041】
請求項7の発明のライニング材撤去方法によれば、装置本体を吊り下ろして、反力装置やカッティングヘッドを作動させ、筒状構造物の解体時の切断位置周辺のライニング材のみを回転カッタで切削除去するので、人手に頼らずに、効率よく最低限のライニング材を撤去することができる。従って、その後は、ライニング材を除去した位置で筒状構造物を切断することで、ライニング材を飛散させずに、安全に筒状構造物の解体作業を行うことができる。
【0042】
請求項8の発明のライニング材撤去方法によれば、筒状構造物の下部より内部空気を吸引して筒状構造物内を負圧に保ちながらライニング材の切削除去作業を行うので、外部へのライニング材の飛散を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のライニング材撤去装置を使用して筒状構造物の内面のライニング材を切削除去している様子を示す側断面図である。
【図2】 前記ライニング材撤去装置の装置本体の構成を拡大して示す側面図である。
【図3】 前記装置本体の反力装置の構成を拡大して示す平面図である。
【図4】 前記装置本体のカッティングヘッドの回転カッタの概略を示す平面図である。
【図5】 (a)〜(d)は、同回転カッタに取り付ける切削刃の種類を示す図である。
【図6】 本発明の実施形態のライニング材撤去装置を使用して筒状構造物の最上部のライニング材を切削除去している様子を示す側断面図である。
【図7】 (a)〜(c)は本発明の他の撤去方法の手順を示す説明図である。
【図8】 本発明の他の実施形態のライニング材撤去装置における装置本体の部分側面図である。
【図9】 (a)〜(d)は従来のライニング材の撤去方法の手順を示す説明図である。
【符号の説明】
T 煙突(筒状構造物)
1 躯体コンクリート
2 ライニング材
3 解体位置
10,10B 装置本体
11,11B カッティングヘッド
12 反力装置
20,20A,20B 回転カッタ
23 回転フレーム
24 軸
25 切削刃
25a 中心孔
25A ライニング材切削用の切削刃
25B 仕上げ用切削刃
29 ノズル
31 支持脚
32 車輪
35 シリンダ(押付け装置)
Claims (8)
- 煙突等の筒状構造物の内面のライニング材を撤去するための装置において、
昇降装置によって筒状構造物の内部に吊り下ろされる装置本体と、この装置本体に搭載され、筒状構造物の内面に反力を取ることで装置本体を昇降可能な状態で回転止めする反力装置と、前記装置本体に搭載され、回転カッタの回転によりライニング材の切削除去を行うカッティングヘッドとを備え、
前記回転カッタが、筒状構造物の略軸中心で回転駆動される回転フレームと、回転フレームの外周部に周方向に間隔をおいて複数配され、回転フレームの回転による遠心力で回転フレームの半径方向外方に変位してライニング材に押し付けられる切削刃とから構成され、
前記切削刃が、中心孔を有し外周が刃とされた円形刃で構成され、該切削刃の中心孔が、前記回転フレームの外周部に固定された軸に遊びを持って嵌められることで、切削刃が回転フレームの半径方向に変位自在とされ、
前記回転カッタが上下方向に複数段設けられ、上側または下側の段の一方がライニング材切削用とされ、他方がライニング材切削用の回転カッタの取り残したライニング材を筒状構造物の周壁コンクリートの表層ごと切削除去する仕上げ用とされていることを特徴とする筒状構造物のライニング材撤去装置。 - 前記回転カッタが上下二段に設けられ、上段の回転カッタと下段の回転カッタが逆回転させられることを特徴とする請求項1に記載の筒状構造物のライニング材撤去装置。
- 前記装置本体に、前記回転カッタによる切削箇所にライニング材の飛散防止抑制液を噴射するノズルが備わっていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の筒状構造物のライニング材撤去装置。
- 前記反力装置が、筒状構造物の内面のライニング材に押し付けられた際にライニング材に食い込む車輪と、該車輪を支持する支持脚と、該支持脚を張り出すことで車輪をライニング材に押し付ける押付け装置とから構成され、前記車輪が、周方向に間隔おいて3個以上、それぞれ筒状構造物の軸線方向に転動可能に配されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の筒状構造物のライニング材撤去装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の筒状構造物のライニング材撤去装置により煙突等の筒状構造物の内面のライニング材を撤去する方法において、ライニング材撤去装置の装置本体を昇降装置により筒状構造物内の最下部まで吊り下ろした後、装置本体に備えた反力装置により装置本体を昇降可能な状態で回転止めし、その状態で、装置本体に備えたカッティングヘッドを駆動して回転カッタによりライニング材を切削しながら、昇降装置によって装置本体を引き上げることにより、連続的にライニング材の切削除去を行うことを特徴とする筒状構造物のライニング材撤去方法。
- 筒状構造物の最上部の上側に前記反力装置の反力受けを設置し、この反力受けを利用して筒状構造物の最上部までライニング材を切削除去することを特徴とする請求項5記載の筒状構造物のライニング材撤去方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の筒状構造物のライニング材撤去装置により煙突等の筒状構造物の内面のライニング材を撤去する方法において、ライニング材撤去装置の装置本体を昇降装置により筒状構造物の内部に吊り下ろして解体時の筒状構造物の切断位置の高さに位置決めし、その位置で装置本体の回転止めを行った状態で、装置本体に備えたカッティングヘッドを駆動して回転カッタにより前記切断位置周辺のライニング材のみを切削除去し、解体時の筒状構造物の切断位置ごとにこの操作を繰り返すことを特徴とする筒状構造物のライニング材撤去方法。
- 前記筒状構造物の下部より内部空気を吸引して筒状構造物内を負圧に保ちながら前記ライニング材の切削除去作業を行うことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の筒状構造物のライニング材撤去方法。
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