JP3868803B2 - サンルーフ制御方法および装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車両の屋根に配設したサンルーフ装置のリッドをモータにより開閉駆動するサンルーフ駆動装置に係わり、とくに、デフレクタ(整流器)を備え、このデフレクタがサンルーフリッドの開放作動に応じてサンルーフ開口部の前縁部から突出するようにしたサンルーフ装置の制御方法および制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用のサンルーフ装置においては、サンルーフリッドの開放時に、走行風が車室内に流入したり、風切り音が生じたりするのを防止するために、サンルーフ開口部の前縁部にデフラクタを出没可能に取付け、サンルーフリッドのスライド移動に連動させて、サンルーフの閉鎖時にはルーフ内に収納する一方、開放時にはサンルーフ開口部の前縁部に突出させるようにしたものがある。
【0003】
このようなデフレクタ機構を取付けたサンルーフ装置において、障害物の挟み込み検出、すなわち駆動モータの回転数(回転速度)を監視し、サンルーフリッドが閉方向に移動している際にモータの回転数が減少したことを検出した場合に、挟み込み発生と判断してサンルーフリッドを反転(開方向駆動)するような制御を行う場合には、サンルーフリッドがデフレクタ機構と衝突してデフレクタを収納させるときの負荷によるモータ回転数の低下を挟み込み発生と判定して、リッドを誤反転させてしまうようなことが考えられる。そこで、従来では、挟み込み発生と判定するためのモータの回転数低下幅のしきい値をデフレクタ機構と衝突が起り得る範囲のみ高く設定することによって、誤反転が発生しないようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、個々のサンルーフ装置におけるデフレクタ機構との衝突位置のばらつきを考慮すると、デフレクタ機構と衝突が起り得る範囲、すなわちしきい値を高するデフレクタ領域を広めに設定しておくことが必要となる。したがって、万一この領域内で挟み込みは発生した場合には、モータの回転数がかなり低下するまでリッドが反転しないことになって、大きな挟み込み荷重が発生することになる。つまり、デフレクタ機構を備えたサンルーフ装置の挟み込み防止システムにおいては、挟み込み荷重が高くなる領域が広くなってしまうという問題点があり、このような問題点の解消が上記のようなサンルーフ装置における制御上の課題となっていた。
【0005】
【発明の目的】
この発明は、デフレクタ機構を備えた従来のサンルーフ装置の挟み込み防止システムにおける上記課題に鑑みてなされたものであって、デフレクタ機構との衝突が予測されるデフレクタ領域を狭い範囲に確実に特定することができ、リッド反転時の挟み込み荷重が高い領域を狭くして、安全性をより向上させることができるサンルーフ制御方法、およびこのような制御に用いられるサンルーフ制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わるサンルーフ制御方法は、サンルーフリッドの開方向作動に応じてデフレクタを突出させるデフレクタ機構を備えたサンルーフ装置のサンルーフリッドが閉方向に作動しているときに、当該サンルーフリッドを開閉作動させる駆動用モータの回転速度が所定のしきい値を超えて低下した際に前記モータを停止させたのち反転させてサンルーフリッドを開方向に作動させるサンルーフ制御方法において、上記の制御に先立ってサンルーフリッドを移動させ、前記デフレクタ機構との係合が生じ得る領域内において前記モータの回転速度に予め定められた値以上の変動が生じた位置を当該モータの回転数に基づいて検出してデフレクタ位置とし、該デフレクタ位置の閉方向および開方向の所定距離範囲内をデフレクタ領域として特定すると共に、上記制御に際して、サンルーフリッドが前記デフレクタ領域内にあるときのしきい値をデフレクタ領域外にあるときのしきい値より大きく設定する構成としたことを特徴としており、サンルーフ制御方法におけるこのような構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0007】
本発明に係わるサンルーフ制御装置は、減速装置を介してサンルーフリッドに連結されたアーマチュア軸を有するモータと、サンルーフリッドを開方向に移動させる開指令信号を発生する開スイッチと、サンルーフリッドを閉方向に移動させる閉指令信号を発生する閉スイッチと、前記開スイッチからの開指令信号に応じて開駆動信号を発生し、前記閉スイッチからの閉指令信号に応じて閉駆動信号を発生する制御手段と、前記制御手段からの開駆動信号に応じてサンルーフリッドの開方向に相当する回転を与える駆動電流をモータに供給し、閉駆動信号に応じてサンルーフリッドの閉方向に相当する回転を与える駆動電流をモータに供給する駆動手段と、前記モータのアーマチュア軸の回転に応じて位相差を有するパルス信号を発生するモータ回転検出手段と、サンルーフリッドの開方向作動に応じてデフレクタを突出させるデフレクタ機構を備えたサンルーフ制御装置において、前記制御手段は、前記モータ回転検出手段から発生するパルス信号数をカウントしてサンルーフリッドの現在位置データを出力するルーフ位置カウンタと、前記モータ回転検出手段から発生するパルス信号に基いてモータの単位時間当たりの回転数を算出する回転数算出ブロックと、前記回転数算出ブロックにより算出された単位時間当たりの回転数データを保存し、保存された回転数と現在の回転数との回転数差を算出する回転数メモリブロックと、前記回転数メモリブロックにより算出された回転数差と比較されるしきい値が保存されたしきい値ROMと、サンルーフリッドを作動させながら前記回転数算出ブロックにより算出された回転数に予め定められた値以上の変動が生じた位置を前記ルーフ位置カウンタのカウント値に基づいてデフレクタ位置とし、該デフレクタ位置の閉方向および開方向の所定距離範囲内をデフレクタ領域として特定すると共に、サンルーフリッドが当該デフレクタ領域内にあるか否かを判定して、デフレクタ領域内にある時に領域内信号を発生するデフレクタ領域認識ブロックと、前記閉スイッチから閉指令信号が出力されると、回転数メモリブロックから出力された回転数差を前記しきい値ROMのしきい値と比較し、デフレクタ領域認識ブロックから領域内信号が発生していない場合には、回転数差が前記しきい値を超えたときに前記駆動手段に対する閉駆動信号の出力を停止して開駆動信号を出力する一方、デフレクタ領域認識ブロックから領域内信号が発生している場合には、前記回転数差を前記しきい値に予め定められた値を加えた補正しきい値と比較し、回転数差が当該補正しきい値を超えたときに前記駆動手段に対する閉駆動信号の出力を停止して開駆動信号を出力する制御ブロックを備えている構成とし、サンルーフ制御装置におけるこのような構成を前述した従来の課題を解決するための手段としたことを特徴としている。
【0008】
【発明の作用】
本発明に係わるサンルーフ制御方法は、デフレクタ機構を備えたサンルーフ装置において挟み込み検出制御を行うに際し、実際の制御開始に先立ってサンルーフリッドを移動させ、デフレクタ機構との係合が生じ得る領域内において駆動用モータの回転速度に予め定められた値以上の変動が生じた位置を駆動用モータの回転数に基づいて検出してデフレクタ位置とし、検出されたデフレクタ位置の閉方向および開方向の所定距離範囲内をデフレクタ領域として特定しておき、実際の挟み込み検出に際して、サンルーフリッドがデフレクタ領域内にあるときのしきい値をデフレクタ領域外にあるときのしきい値より大きく設定するようにしている。すなわち、サンルーフ装置のそれぞれについてデフレクタ位置を検出して認識し、この位置を基準にしてしきい値を高くするデフレクタ領域を設定するようにしているので、個々のサンルーフ装置のデフレクタ位置が正確に把握され、ばらつきを見込む必要がなくなることから、反転時の挟み込み荷重が高い領域を狭くして安全性がより向上することになる。
【0009】
図1は、本発明に係わる制御方法によるデフレクタの位置検出の原理、要領を示すものであって、サンルーフ装置を車両に搭載し、サンルーフリッド位置検知用カウンタなどの初期設定を終えた後、リッドを全開位置まで一旦移動させ、全開位置から全閉位置に向けて移動を開始した時のリッドの移動位置と駆動用モータの単位時間当たり回転数(回転速度)およびその変動の関係を図示したものである。なお、モータの回転数および回転変動は、モータに取付けた回転センサから発生するパルス信号の周期およびその変動を測定することによって、サンルーフリッド位置については、上記パルス信号のエッジ数を回転方向に応じてインクリメントあるいはデクリメントするカウンタによって、それぞれ把握することができる。
【0010】
閉スイッチをオン操作することによって駆動用モータが回転を始め、図に示すように、出力軸の回転数が急速に上昇する。このとき、モータの出力軸に設けたダンパーの捩れや戻りによって、モータの起動直後には比較的大きな回転数変動が生じる。この後、モータは安定な回転を続け、これによってサンルーフリッドは全閉位置に向けて移動し、やがてリッドはA点を超えて、デフレクタ機構との衝突が予測される領域(A−B)内に入る。なお、この領域(A−B)は、サンルーフ装置の個体間のばらつきを考慮して、比較的広い範囲に設定してある。
【0011】
そして、サンルーフリッドがA点を越えた後、領域(A−B)内においてデフレクタ機構に衝突すると、その抵抗によってリッドの移動が妨げられ、モータの回転数が低下して回転変動が大きく現れる。そしてこの変動が予め定められたデフレクタ位置検出用のしきい値Nを超えると、この位置Cをデフレクタ位置として認識すると共に、このC点から全開位置側にΔL、全閉位置側にΔMの範囲をデフレクタ領域と定め、このデフレクタ領域内におけるしきい値を他の部分よりも高く設定して、以後の挟み込み検出および反転制御を行う。
【0012】
したがって、上述のように、サンルーフ装置のデフレクタ位置がそれぞれ正確に把握され、個体間のばらつき範囲を考慮する必要がなくなって、挟み込み検出のしきい値を高くして挟み込み荷重が大きくならざるを得ないデフレクタ領域を狭く設定でき、安全性がより向上することになる。
【0013】
また、本発明に係わるサンルーフ制御装置は、サンルーフリッド駆動用のモータと、開閉スイッチと、制御手段と、制御手段からの開駆動信号あるいは閉駆動信号に基いてモータに駆動電流を供給する駆動手段と、モータ回転検出手段と、デフレクタ機構を備え、前記制御手段が、モータ回転検出手段からのパルス信号に基づいてサンルーフリッドの現在位置データを出力するルーフ位置カウンタと、同じくパルス信号に基づいてモータの単位時間当たりの回転数を算出する回転数算出ブロックと、単位時間当たりの回転数データを保存し、保存された回転数と現在回転数との回転数差を算出する回転数メモリブロックと、前記回転数差と比較されるしきい値ROMと、サンルーフリッドを作動させながらもモータの回転数に予め定められた値以上の変動が生じた位置を前記ルーフ位置カウンタのカウント値に基づいてデフレクタ位置とし、このデフレクタ位置の前後の所定距離範囲内をデフレクタ領域として特定すると共に、リッドが当該デフレクタ領域内にあるときに領域内信号を発生するデフレクタ領域認識ブロックと、閉スイッチから閉指令信号が出力されると、回転数メモリブロックから出力された回転数差を前記しきい値ROMのしきい値と比較し、デフレクタ領域認識ブロックから領域内信号が発生していない場合には、回転数差が前記しきい値を超えたときに駆動手段に対する閉駆動信号の出力を停止して開駆動信号を出力する一方、デフレクタ領域認識ブロックから領域内信号が発生している場合には、回転数差を前記しきい値に予め定められた値を加えた補正しきい値と比較して上記同様の制御を行う制御ブロックを備えたものであるから、本発明に係わる上記制御方法を実施するのに好適な構成のものであって、個々のサンルーフ装置のデフレクタ位置を正確に把握して、挟み込み時の荷重が高くなるデフラクタ領域が狭く設定され、安全性がより向上することになる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
【0015】
図2は、本発明に係わるサンルーフ制御装置の構成を示すブロック図であって、図に示すサンルーフ制御装置1は、開スイッチ2と、閉スイッチ3と、モータ4を備えたアクチュエータACから、主として構成されており、アクチュエータACには、2つのホールIC、IC1およびIC2からなるモータ回転検出手段5と、出力回路(駆動手段)6と、制御手段MCU(microprogram control unit)が組込まれている。そして、制御手段MCUには、エッジ検出ブロック7、出力軸回転数算出ブロック(回転数算出ブロック)8、回転数メモリブロック9、ルーフ位置カウンタ10、モータ起動後パルスカウンタ(フローチャートにおいては「モータ起動カウンタ」と略記)11、しきい値データROM(しきい値ROM)12、デフレクタ領域認識ブロック13、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)14、入力ブロック15、制御ブロック16および出力ブロック17が内蔵されている。
【0016】
開スイッチ2は、サンルーフリッドLを開ける(スライド開)ときにオン操作され、オン操作によって開指令信号を発生する。また、閉スイッチ3は、サンルーフリッドLを閉じる(スライド閉)ときにオン操作され、これによって閉指令信号を発生する。これらスイッチ2,3の操作によって発生した開指令信号あるいは閉指令信号は、制御手段MCUの入力ブロック13に供給される。
【0017】
モータ4は、アーマチュア軸4aを有し、アーマチュア軸4aはウオームおよびウオームホイールからなる減速機構を介して出力軸4bに連結され、出力軸4bには、図示しないリッド駆動機構を介してサンルーフリッドLが連結されており、モータ4への駆動電流の供給に基くアーマチュア軸4aおよび出力軸4bの正逆回転によって、サンルーフリッドLが開閉作動するようになっている。
【0018】
モータ回転検出手段5は、上記したように2つのホールICからなり、これらホールIC1およびIC2は、アーマチュア軸4aに取付けられたマグネットの周辺部に、非接触にして90度相対して配置されている。
【0019】
モータ回転検出手段5のホールIC1およびIC2は、モータ4のアーマチュア軸4aの回転に応じて、図3に示すように、互いに90度の位相差を持つパルス信号をそれぞれ発生する。これらホールIC1およびホールIC2が発生したパルス信号は、それぞれ制御手段MCUのエッジ検出ブロック7に供給される。
【0020】
エッジ検出ブロック7は、モータ回転検出手段5のホールIC1およびホールIC2からの入力信号より、その立ち上り/立ち下がりエッジを検出し、出力軸回転数算出ブロック8に対して、モータ4の出力軸4bの回転数の計算開始を促す。また、後述するルーフ位置カウンタ10およびモータ起動後パルスカウンタ11のカウント要因となる。
【0021】
出力軸回転数算出ブロック8は、エッジ検出ブロック7からのホールIC信号の立ち上り/立ち下がり信号に基き、エッジが検出される度毎にエッジ間の時間を測定してアーマチュア軸4aの回転数を算出し(すなわち、この実施例においては、モータ回転検出手段5からの発生する2つのパルス信号エッジ間の時間データ4個でアーマチュア軸1回転の時間に相当することになる)、アーマチュア軸4aと出力軸4bとの減速比を乗じて単位時間当たりの出力軸4bの回転数(回転速度)を算出する。当該出力軸回転数算出ブロック10による算出結果は、回転数メモリブロック9およびデフレクタ領域認識ブロック13に与えられる。
【0022】
回転数メモリブロック9は、出力軸回転数算出ブロック8によって算出された出力軸回転数(回転速度)データを予め定められた数(この実施例においては33個)だけ保存し、挟み込み検出において監視対象となるモータ回転の減速幅として、比較期間の異なる複数の回転数差データ、この実施例においては、4パルスカウント間、8パルスカウント間、16パルスカウント間および32パルスカウント間の4種の回転数差データを算出し、制御ブロック16に出力する。なお、これらの数値は、8ビット値であって0から255までの数値を取り得る。また、当該メモリブロック9に保存された33個の出力軸回転数データは、ホールIC信号の立ち上り/立ち下がりエッジが検出されて新たな回転数が算出される度毎に最新のデータに順次更新され、その都度比較期間(パルス間隔)が異なる前記4種の回転数差データが出力されることになる。
【0023】
ルーフ位置カウンタ10は、エッジ検出ブロック7からのホールIC信号のパルス信号の立ち上り/立ち下がり信号をカウントし、アーマチュア軸4aがサンルーフリッドLの開方向に回転するとカウント値をインクリメントし、閉方向に回転するとカウント値をデクリメントする。なお、ルーフ位置カウンタ10のカウント値GPCは、サンルーフリッドLが前閉位置にあるときに「0」値をとるように設定してあり、当該カウント値GPCはサンルーフリッドLの現在位置を示すことになる。また、サンルーフリッド位置カウンタ10のカウントデータGPCは、デフレクタ領域認識ブロック13および制御ブロック16に与えられる。
【0024】
モータ起動後パルスカウンタ11は、エッジ検出ブロック7からのホールIC信号に基き、モータ4が停止した状態から回転を開始したのちに検出された立ち上り/立ち下がり信号をアーマチュア軸4aの1/4回転毎にカウントする。当該モータ起動後パルスカウンタ11によりカウントされたカウントデータは、しきい値ROM12からのしきい値データの読み出しに際して参照される。
【0025】
しきい値データROM12には、図4に示すようなしきい値テーブルが格納されている。すなわち、回転数メモリブロック8において算出された4種類の回転数差データ(4、8、16および32パルスカウント差)に対応する4個のしきい値がモータ起動後パルスカウンタ11のカウント値、すなわちモータ4が起動してからのサンルーフリッドLの移動距離に応じて多数組(この実施例では7組)保存されている。なお、この図から明らかなように、各しきい値はモータ起動後パルスカウンタ11のカウント値の増加に伴って段階的に減少するように設定されている。また、モータ4の起動直後であって、回転数が変動し易いカウント値が0〜10の範囲では、しきい値がいずれも回転数差データを超えることがない「255」に設定されており、この範囲においてはモータ4の回転数がいかに変動したとしても、挟み込み発生と判定されてサンルーフリッドLが反転作動することはなく、マスク領域となっている。
【0026】
デフレクタ領域認識ブロック13は、デフレクタ位置が認識される前、すなわち当該サンルーフ装置が車両に搭載された後の初期動作時に、ROM13aないし13cに予め保存された仮決めされた、ばらつき範囲を含む広いデフレクタ領域データ(図1に示したA点およびB点に相当する)、デフレクタ位置認識用の回転数変動しきい値、およびデフレクタ位置(図1に示したC点に相当)からデフレクタ領域を設定するための領域データ(図1に示したΔLおよびΔM)を読込むと共に、出力軸回転数算出ブロック8からの回転数データ、ルーフ位置カウンタ10のカウント値GPC(サンルーフリッドLの現在位置データ)を参照して、デフレクタ位置を特定して、その結果をデフレクタ位置格納RAM13dに書込む。
【0027】
また、デフレクタ位置が認識されて初期動作を終了した後の実際の挟み込み検出制御時においては、特定されたデフレクタ位置に基いてデフレクタ領域を設定し、ルーフ位置カウンタ10のカウント値GPCを参照して、サンルーフリッドLが当該デフレクタ領域内にあるか否かを判定し、領域内にあるときには制御ブロック16に対して領域内信号を供給する。
【0028】
EEPROM14は、電気的に書込み可能なROMであって、デフレクタ位置情報、初期設定やデフレクタ認識が終了しているかどうかの情報を記憶する。
【0029】
入力ブロック15は、開スイッチ2からの開指令信号、あるいは閉スイッチ3からの閉指令信号の入力に基いて、これら入力信号にフィルタ処理、禁止処理などを行った上で制御ブロック16に送る。
【0030】
制御ブロック16は、システム全体の動作をコントロールする。すなわち、入力ブロック15を介して開スイッチ2から入力された開指令信号に基いて、出力ブロック17により開駆動信号を出力回路6に供給する。また、入力ブロック15を介して閉スイッチ3から閉指令信号が入力されると、出力ブロック17を介して閉駆動信号を出力回路6に供給し、サンルーフリッドLを閉方向に作動させる。そして、挟み込み検出を開始し、モータ起動後パルスカウンタ11のカウント値を参照して、モータ起動後のサンルーフリッドLの移動距離に応じた一組のしきい値データをしきい値データROM12のROMテーブル(図4)から読み出し、デフレクタ領域認識ブロック13から領域内信号が出力されていないとき、すなわちサンルーフリッドLが上記デフレクタ領域内にないときには、回転数メモリブロック9から入力された4種の回転数差データを対応するしきい値とそれぞれ比較し、回転数差データのすべてが対応するしきい値を超えていなければそのまま閉駆動信号の出力を継続し、4種の回転数差データのいずれか一つでも対応するしきい値を超えたときには、挟み込み発生と判定して、閉駆動信号の出力を停止すると共に、出力ブロック17から開駆動信号を出力回路6に供給して、サンルーフリッドLを反転させる制御を行う。
【0031】
一方、デフレクタ領域認識ブロック13から領域内信号が出力されているとき、すなわちサンルーフリッドLが上記デフレクタ領域内にあるときには、ROMテーブルから読み出されたしきい値に予め定められた値を加算してしきい値を補正し、回転数メモリブロック9から入力された4種の回転数差データを補正された対応するしきい値とそれぞれ比較することによって、上記同様の制御を行う。
【0032】
出力ブロック17は、制御ブロック16からその出力信号を受けて、モータ4を正逆転させるための開駆動信号あるいは閉駆動信号を出力回路6に供給する。
【0033】
出力回路6は、リレーまたはトランジスタを含んでおり、出力ブロック17から与えられた開駆動信号あるいは閉駆動信号に応じて、モータ4を正逆転させてルーフリッドLを開閉作動させるための駆動電流をモータ4に供給し、あるいは供給を停止する。
【0034】
このような構造を有するサンルーフ制御装置1においては、図5に示す通常動作ルーチン(メインルーチン)、図6に示すデフレクタ位置認識サブルーチン、および回転変動判定(挟み込み判定)サブルーチンに基いてサンルーフリッドLの動きが制御される。
【0035】
図5に示すメインルーチンにおいて、ステップ113〜121については、このような制御手段MCUを備えたアクチュエータACをサンルーフ装置本体と共に車両に搭載したときに行う初期設定に係わるものであって、サンルーフリッドLが全閉位置にあるときのルーフ位置カウンタ10のカウント値GPCを「0」に正確に調整するためのものである。
【0036】
すなわち、これらサンルーフシステムを車両に搭載した状態で、電源を入れると、まず、ステップ101においてEEPROM14から初期動作フラグFG_INITの状態、すなわちこの場合には、初期動作フラグFG_INITがセットされていることが読込まれる。そして、ステップ102において、同じくEEPROM14からデフレクタ位置データDEF(C)、およびデフレクタ位置認識フラグFG_DEFの状態が読込まれる。次いで、ステップ103においてデフレクタ位置データがあるか否かが判定されるが、この場合にはデフレクタ位置はまだ認識されていない(NO)ので、ステップ104において、デフレクタ位置認識フラグFG_DEFがセットされたのち、ステップ105において挟み込みが発生したことを示すフラグFG_SAFEが立っているかどうかが判定される。この時点では、サンルーフリッドLは実質的にまだ作動しておらず、上記フラグはセットされていない(NO)ので、ステップ105から106に移行し、スライド閉スイッチ3からの入力の有無が判定され、スイッチ操作がなされるまでは、ステップ105〜ステップ111のループが繰り返される。
【0037】
ここで、閉スイッチ3をオン操作すると(YES)、制御はステップ112に進み、ここで初期動作フラグFG_INITの状態が判定される。初期動作フラグFG_INITは、ステップ101でセットされていることが読込まれている(YES)ので、ステップ113に進み、このステップ113においてルーフ位置カウンタ10のカウント値GPCをクリア(GPC←0)した後、ステップ114においてモータロックかどうか、すなわちサンルーフリッドLが全閉位置に到達したかどうかが判定される。
【0038】
モータロックされていなければ(NO)、ステップ115に移行してモータ4にスライド閉方向の駆動電流が供給され、リッドLが全閉位置に向けて移動し、全閉位置に到達して、ステップ114においてモータロックが検出されるまで、ステップ105、106、112〜115、110、116〜119、105のループが繰り返され、ステップ114においてモータロックが検出されると、ステップ120において初期動作フラグFG_INITがリセットされると共に、ステップ121においてこの初期動作フラグFG_INITのリセットがEEPROM14に書込まれる。そして、この間ステップ119においてルーフ位置カウンタ10がデクリメントされるが、ステップ113を通るたびにリッド位置カウンタ10がクリアされるので、サンルーフリッドLが全閉位置にあるときのルーフ位置カウンタ10のカウント値GPCが「0」に設定され、初期設定が終了する。
【0039】
次に、デフレクタ位置の認識動作に移行する。
【0040】
電源が入ると、同様にステップ101においてEEPROM14から初期動作フラグFG_INITの状態、すなわちこの場合にはリセットされている(ステップ121参照)ことが読込まれる。そして、ステップ102において、同じくEEPROM14からデフレクタ位置データDEF(C)、およびデフレクタ位置認識フラグFG_DEFの状態が読込まれる。
【0041】
そして、ステップ103においてデフレクタ位置データがあるか否かが判定されるが、この場合にもデフレクタ位置はまだ認識されていない(NO)ので、ステップ104において、デフレクタ位置認識フラグFG_DEFがセットされたのち、ステップ105に移行する。そして、同様に、スイッチ操作がなされるまで、ステップ105〜ステップ111のループが繰り返される。
【0042】
ここで、開スイッチ2をオン操作するとステップ107(YES)からステップ122に移行し、当該ステップにおいてモータ4にスライド開方向の駆動電流が供給され、リッドLが全開位置に向けて移動を開始する。そして、サンルーフリッドLが全開位置に到達してモータロックされるまで、ステップ122、110、116〜118、123、105〜107、122のループが繰り返され、この間、ステップ123を通る度毎にルーフ位置カウンタ10がインクリメントされる。
【0043】
サンルーフリッドLが全開位置に到達している状態で、閉スイッチ3をオン操作すると、制御はステップ106(YES)からステップ112に進み、ここで初期動作フラグFG_INITの状態が判定されるが、初期動作フラグFG_INITは、ステップ101においてリセット状態が読込まれているので、ステップ112(NO)からデフレクタ位置認識サブルーチン200に移行する。
【0044】
図6に示すデフレクタ位置認識サブルーチンのステップ201において、デフレクタ位置認識フラグFG_DEFの状態が判定され、ここではステップ104においてセットされている(YES)ので、ステップ202、203に移行して、サンルーフリッドLが予め広く設定された仮のデフレクタ領域内(図1のA−B間領域)にあるかどうかが判定される。すなわち、ステップ202においては、ルーフ位置カウンタ10のカウント値GPCが上記仮領域の全閉側ポイント(図1のB点)に相当するカウント値XDEF_CLSよりも大きいか否かが判定され、この場合には、リッドLは全開位置にある(YES)ので、ステップ203に移行し、ルーフ位置カウンタ10のカウント値GPCが上記仮領域の全開側ポイント(図1のA点)に相当するカウント値XDEF_OPN以下かどうかが判定されるが、同様に「NO」と判定されて(仮デフレクタ領域外)、ステップ204に進み、デフレクタ領域フラグFG_DEFINがリセットされたのち、メインルーチンに戻り、すぐさま回転変動判定サブルーチン300に移行する。
【0045】
図7に示す回転変動判定サブルーチンのステップ301においては、モータ4が作動中であるか否かを判定しており、この場合にはモータ4は停止状態(NO)なので、ステップ301からステップ302に移行し、ステップ302において回転数メモリブロック9の内容をクリアしたのち、ステップ303に移行し、挟み込み発生なしとして反転動作フラグFG_SAFEをリセットして、メインルーチンに戻る。
【0046】
回転変動判定サブルーチン300から戻ったステップ124においては、反転動作フラグFG_SAFEの状態が判定される。ここでは、回転変動判定サブルーチンのステップ303においてリセットされている(NO)ので、ステップ115に移行し、閉駆動信号に基づく駆動電流によってモータ4がサンルーフリッドLのスライド閉方向に作動する。
【0047】
モータ4の回転に基づいてモータ回転検出手段5のホールIC1,ホールIC2にエッジ入力が生じると、ステップ110、116〜119、105,106112、デフレクタ位置認識サブルーチン200、回転変動判定サブルーチン300、ステップ124、115、110のループが繰り返され、サンルーフリッドLが全閉位置に向けて移動し、これに伴ってルーフ位置カウンタ10のカウント値GPCが減少して行く。この間、デフレクタ位置認識サブルーチン200においては、リッドLが仮デフレクタ領域内(図1のA−B間領域)に到達するまでは、ステップ201〜204のループが繰り返される。一方、回転変動判定サブルーチン300においては、ステップ301、304〜319、303のループが繰り返され、挟み込みの検出が繰り返し行われることになるが、ここでは挟み込みが発生しないものとして、その詳細については後述する。
【0048】
サンルーフリッドLは、その全閉位置に向けて円滑に移動し、この間、モータ4の出力軸4bも安定に回転を続け、回転変動もほとんどに発生しないが、やがてサンルーフリッドLが図1のA点を超えて仮デフレクタ領域内に入ると、デフレクタ位置認識サブルーチン200におけるステップ203において、ルーフ位置カウンタ10のカウント値GPCが仮領域の全開側ポイント(A点)に相当するカウント値XDEF_OPN以下(YES)と判定されてステップ205に移行し、デフレクタ領域フラグFG_DEFINがセットしたのち、ステップ206において、現在の出力軸4bの回転数(回転速度)REV(0)を回転数メモリブロック9に保存されたNパルスカウント前の回転数REV(N)と比較することによって回転数差REV(BRD)を算出する。なお、この実施例においては、32パルス前のデータREV(32)を用いているが、必ずしもこれに限定されず、16、あるいは8パルス前のデータを用いることも可能である。
【0049】
一方、ステップ205においてデフレクタ領域フラグFG_DEFINがセットされたことによって、回転変動判定サブルーチン300のステップ305において「YES」と判定されるようになり、ステップ321に移行して、挟み込み検出用のしきい値を大きくするためのデフレクタ領域用補正値BRD(DEF)をROMから読み出してセットし、以後しきい値用データROM12から読み出した通常のしきい値にこのBRD(DEF)を加算したしきい値によって挟み込み検出が行われるが、この詳細についても後述することにする。
【0050】
サンルーフリッドLが仮デフレクタ領域内に入ったのち、図1に示した位置Cにおいてデフレクタ機構に衝突すると、リッドLの動きが拘束されて、モータ出力軸4bの回転数が低下し、出力軸4bの回転変動が大きくなる。そして、デフレクタ位置認識サブルーチン200におけるステップ207において、この回転変動、すなわち上記回転数差REV(BRD)が予め定められたしきい値XREV_DEFよりも大きくなる(YES)と、ステップ208において、このときのルーフ位置カウンタ10のカウント値GPCをデフレクタ位置データDEF(C)として、デフレクタ位置格納RAM13dに保存する。
【0051】
そして、制御は、ステップ209および210に移行し、ステップ209において、前記デフレクタ位置データDEF(C)から予め定められた値ΔMを減算することによって全閉側デフレクタ位置DEF(CLS)を設定すると共に、ステップ210において、デフレクタ位置データDEF(C)に予め定められた値ΔLを加算することによって全開側デフレクタ位置DEF(OPN)を設定する。これによって、個々の装置におけるデフレクタ機構との実際の衝突位置に基づいてデフレクタ領域が狭い範囲に設定されることになる。
【0052】
そして、ステップ211において、デフレクタ位置データDEF(C)をEEPROM14に書込むと共に、ステップ212においてデフレクタ位置認識フラグFG_DEFをリセットして、一連のデフレクタ認識処理を終了する。
【0053】
次に、当該サンルーフ制御装置1の通常運転時における制御について説明する。
【0054】
サンルーフリッドLが閉じた状態において、車両のキースイッチを入れると、図5に示すメインルーチンの制御が開始され、まずステップ101において、初期動作フラグFG_INITがリセットされていることがEEPROM14から読込まれると共に、ステップ102において、同じくEEPROM14からデフレクタ位置データDEF(C)が読込まれる。
【0055】
そして、ステップ103において、デフレクタ位置データDEF(C)の有無が判定され、当該データはステップ102においてEEPROM14から読込まれている(YES)ので、ステップ125に移行し、ステップ125においてデフレクタ位置認識フラグFG_DEFをリセットして、ステップ105に移行する。
【0056】
ステップ105において挟み込みが発生したことを示すフラグFG_SAFEの状態が判定されるが、この時点では、サンルーフリッドLは全閉位置にあり、実質的にまだ作動していないため、上記フラグはセットされておらず(NO)、ステップ105からステップ106および107に移行し、スライド閉スイッチ3あるいはスライド開スイッチ2からの入力の有無が判定される。開スイッチ2、閉スイッチ3がいずれも操作されていない場合には、ステップ106(NO)およびステップ107(NO)からステップ108に移行し、ステップ108において、モータ起動直後からパルス割り込みの回数を計数するモータ起動後パルスカウンタ11のカウント値MPCをクリアした後、ステップ119においてモータ出力(この場合には最初から出力されていない)を停止し、さらにステップ110に移行する。
【0057】
ステップ110においては、ホールIC1,ホールIC2にエッジ入力の有無が判定されるが、この場合にはまだモータ4が回転しておらず、エッジ入力はない(NO)ので、ステップ111に移行してエッジ入力フラグFG_EDGEをリセットし、ステップ105に戻る。そして、スライド開スイッチ2がオン操作されるまで、上記ステップ105〜111のループが繰り返し実行される。
【0058】
スライド開スイッチ2がオン操作されると、ステップ107においてスイッチ入力有り(YES)と判定されて、ステップ122に移行して出力回路6に対して開駆動信号が出力され、出力回路6からの駆動電流によってモータ4がサンルーフリッドLのスライド開方向に作動する。そして、モータ4の回転に基づいてモータ回転検出手段5のホールIC1,ホールIC2にエッジ入力が生じると、ステップ110(YES)からステップ116に移行してエッジ入力フラグFG_EDGEをセットした後、ステップ117においてモータ起動後パルスカウンタ11をインクリメントし、ステップ118においてホールIC1およびIC2から出力される両パルス信号のエッジ方向(一方のパルス信号に立ち上りエッジが検出されたときの他方のパルス信号がHかLか)に基づいてサンルーフリッドLの移動方向が判定される。この場合、サンルーフリッドLはスライド開方向に移動している(NO)ので、ステップ123に移行してルーフ位置カウンタ10をインクリメントする。こうして、スライド開スイッチ2がオン操作されている間、ステップ105〜107、122、110、116〜119、105のループが繰り返され、サンルーフリッドLが全開位置に向けて移動を続け、モータ起動後パルスカウンタ11のカウント値MPCおよびルーフ位置カウンタ10のカウント値GPCが増加する。
【0059】
スライド開スイッチ2から指を離せば(オフ操作)、ステップ107(NO)からステップ108に移行して起動後パルスカウンタ11をクリアした後、ステップ109において、開駆動信号が中止され、モータ4への電流供給を停止するので、サンルーフリッドLを所望の位置で停止させることができる。そして、ホールIC1,2からのパルス信号のエッジ入力がなくなれば、ステップ110(NO)からステップ111に移行し、エッジ入力フラグFG_EDGEをリセットしてステップ105に戻る。
【0060】
そして、サンルーフリッドLが十分に開いた状態において、スライド閉スイッチ3を押す(オン操作)と、ステップ105(NO)からステップ106を経て、ステップ112に移行して初期動作フラグFG_INITの状態が判定される。初期動作フラグFG_INITは、ステップ101においてリセットされていることが読込まれているので、ステップ112(NO)からデフレクタ位置認識サブルーチン200に移行する。
【0061】
図6に示すデフレクタ位置認識サブルーチンにおいては、まずステップ201において、デフレクタ位置認識フラグFG_DEFの状態が判定される。ここでは、メインルーチンのステップ125においてデフレクタ位置認識フラグFG_DEFがリセットされている(NO)ので、ステップ213に移行し、メインルーチンのステップ102において読込まれたデフレクタ位置データDEF(C)に基づいて、全閉側デフレクタ位置DEF(CLS)を設定する(DEF(C)−ΔM)と共に、全開側デフレクタ位置DEF(OPN)を設定する(DEF(C)+ΔL)。そして設定された全開側および全閉側デフレクタ位置DEF(OPN)およびDEF(CLS)により設定されるデフレクタ領域にサンルーフリッドLがあるか否かがステップ214および215において判定されるが、この時点ではモータ4が停止し、リッドLは十分に開いた状態にあって、デフレクタ領域から離れているので、ステップ214(YES)およびステップ215(NO)を経てステップ216に進み、デフレクタ領域フラグFG_DEFINがリセットされたのち、メインルーチンに戻り、さらに回転変動判定サブルーチン300に移行する。
【0062】
図7に示す回転変動判定サブルーチンにおいては、まずステップ301において、モータ4が作動中であるか否かを判定しており、この場合にはまだモータ4は起動していないので(NO)、ステップ301からステップ302に移行し、ステップ302において回転数メモリブロック9の内容をクリアしたのち、ステップ303に移行し、挟み込み発生なしと判定して反転動作フラグFG_SAFEをリセットし、メインルーチンに戻る。
【0063】
回転変動判定サブルーチン300から戻ったステップ124においては、反転動作フラグFG_SAFEの状態が判定される。ここでは、回転変動判定サブルーチンのステップ303においてリセットされている(NO)ので、ステップ115に移行し、出力回路6に対して閉駆動信号が出力され、出力回路6からの駆動電流によってモータ4がサンルーフリッドLのスライド閉方向に作動する。
【0064】
モータ4が作動を開始しても、アーマチュア軸4aが1/4回転以上回転して、モータ回転検出手段5を構成するホールIC1,ホールIC2からエッジ入力が生じるまでは、ステップ110からステップ111を経てステップ105に戻り、ステップ105、106、112を経て、デフレクタ位置認識サブルーチン200および回転変動判定サブルーチン300が再度実行される。
【0065】
デフレクタ位置認識サブルーチン200においては、リッドLがデフレクタ領域内に到達するまでは、同様にステップ201、213〜216のループが繰り返されるに過ぎない。
【0066】
回転変動判定サブルーチン300においては、ステップ301(YES)から、ステップ304に移行するが、モータ回転検出手段5からエッジ入力が生じるまでは、ステップ304(NO)からステップ303に移行し、反転動作フラグFG_SAFEをリセットしたままにして、メインルーチンに戻り、閉駆動信号の出力が維持される。そして、モータ4のアーマチュア軸4aが1/4回転以上回転して、モータ回転検出手段5のホールIC1,ホールIC2にエッジ入力が生じると、ステップ110からステップ116に移行してエッジ入力フラグFG_EDGEをセットすると共に、ステップ117においてモータ起動後パルスカウンタ11をインクリメントし、ステップ118においてサンルーフリッドLの移動方向が判定される。このとき、サンルーフリッドLはスライド閉方向に移動している(YES)ので、ステップ119に移行してルーフ位置カウンタ10をデクリメントしたのち、ステップ105に戻る。そして、ステップ105、106、112を経て、デフレクタ位置認識サブルーチン200および回転変動判定サブルーチン300が再び実行される。
【0067】
デフレクタ位置認識サブルーチン200においては、同様にステップ201、213〜216のループが繰り返される。一方、回転変動判定サブルーチン300においては、ステップ301(YES)から、ステップ304に移行し、ステップ304においてエッジ入力フラグFG_EDGEがセットされている(YES)、すなわちパルス割り込みがあったと判定されてステップ305に進む。
【0068】
ステップ305においては、デフレクタ領域フラグFG_DEFINの状態が判定される。このとき、サンルーフリッドLはまだデフレクタ領域内に到達しておらず、デフレクタ領域フラグFG_DEFINがデフレクタ位置認識サブルーチンのステップ216においてリセットされている(NO)ので、ステップ306において、デフレクタ領域用補正値BRD(DEF)として「0」をセットした(すなわち補正を行わない)のち、ステップ307に移行する。ステップ307において、出力軸回転数算出ブロック8に内蔵され、モータ回転検出手段5のホールIC1,ホールIC2から出力された2つのパルス信号のエッジ間の時間を測定するタイマーPLS_TMのカウント値をPT4としてロードし、ステップ308において前記パルス幅タイマーPLS_TMをクリアし、ステップ309に移行する。
【0069】
ステップ309においては、エッジ間時間値PT4に、前回、前々回および3回前のエッジ検出時にロードした時間値PT3、PT2およびPT1を加算することによってアーマチュア軸4aの1回転に要する時間ATを算出する。そして、ステップ310において、ステップ309で求めた1回転の時間ATに、アーマチュア軸4aと出力軸4bの減速比RATを乗じた積で60を除すことにより、単位時間(1分)当たりの出力軸4bの回転数Rin(n)を算出する。
【0070】
次いで、制御はステップ311に移行し回転数のシフト操作が行われる。すなわち、回転数メモリブロック9における回転数RAM領域内に前回までに保存された回転数データREV(0)〜REV(M)をそれぞれ1個づつシフトし、ステップ310で得られた最新の回転数Rin(n)をRAM領域の最新データ位置RAM(0)に保存する。なお、この実施例ではM=32である。制御はステップ312に進む。
【0071】
ステップ312において、モータ起動後パルスカウンタ11のそのときのカウント値MPCを参照して、しきい値データROM12内のROMテーブル(図4)から4パルスカウント差用のしきい値が読み込まれる。例えば、パルスカウンタ11のカウント値MPCが0〜10の場合には「255」、カウント値MPCが11〜20の場合には「15」、カウント値MPCが21以上の場合には「5」がそれぞれ読み込まれる。そして、これに補正値BRD(DEF)が加算されるが、ステップ306において当該補正値BRD(DEF)として「0」がセットされているので、実質的に加算は行われず、ROMテーブルから読み出されたままのデータが4パルスカウント差用のしきい値BRD(4)としてセットされる。
【0072】
そして、ステップ313において、比較期間が4パルスカウントのときの回転数差REV(4)−REV(0)が計算され、上記しきい値BRD(4)とが比較される。この4パルスカウント回転数差REV(4)−REV(0)がしきい値BRD(4)を超えていなければ(NO)、ステップ314に移行し、同様にそのときのモータ起動後パルスカウンタ11のカウント値MPCを参照して、しきい値データROM12内のROMテーブルから8パルスカウント差用のしきい値が読み込まれる。例えば、カウント値MPCが0〜10の場合には「255」、カウント値MPCが11〜20の場合には「25」、カウント値MPCが21〜80の場合には「15」、カウント値MPCが81以上の場合には「10」がそれぞれ読み込まれ、同様に「0」を加算することによって、ROMテーブルから読み出されたままのデータが8パルスカウント差用のしきい値BRD(8)としてセットされる。
【0073】
ステップ315において、比較期間が8パルスカウントのときの回転数差REV(8)−REV(0)が計算され、これと上記8パルスカウント差用のしきい値BRD(8)とが比較される。この8パルスカウント回転数差REV(8)−REV(0)がしきい値BRD(8)を超えていなければ(NO)、図示しないステップ316に移行し、そのときのモータ起動後パルスカウンタ11のカウント値MPCに基づいて、しきい値データROM12内のROMテーブルから16パルスカウント差用のしきい値BRDが読み込まれ、同様に16パルスカウント差用のしきい値BRD(16)とされ、図示しないステップ317において、比較期間が16パルスカウントのときの回転数差REV(16)−REV(0)が計算され、これと上記しきい値BRD(16)とが同様に比較される。
【0074】
この16パルスカウント回転数差REV(16)−REV(0)がしきい値BRD(16)を超えていなければ(NO)、ステップ318に移行し、そのときのモータ起動後パルスカウンタ11のカウント値MPCに応じて、ROMテーブルから32(=M)パルスカウント差用のしきい値が読み込まれる。例えば、パルスカウンタ11のカウント値MPCが0〜10の場合には「255」、カウント値MPCが11〜20の場合には「40」、カウント値MPCが21〜120の場合には「25」、カウント値MPCが121〜150の場合には「20」、カウント値MPCが151以上の場合には「17」がそれぞれ読み込まれ、同様にROMテーブルから読み出されたままのデータが32パルスカウント差用のしきい値BRD(32)としてセットされたのち、ステップ319に移行する。
【0075】
ステップ319における判定において、比較期間が32パルスカウントのときの回転数差REV(32)−REV(0)が計算され、これと上記しきい値BRD(32)とが同様に比較され、回転数差REV(32)−REV(0)がしきい値BRD(32)を超えていなければ(NO)、ステップ303に移行し、挟み込みの発生がないものとして反転動作フラグFG_SAFEをリセットして、メインルーチンに戻る。
【0076】
回転変動判定サブルーチン300から戻ったステップ124において、反転動作フラグFG_SAFEの状態が判定され(NO)、ステップ115に移行し、出力回路6に対する閉駆動信号出力が維持され、モータ4はサンルーフリッドLのスライド閉方向の移動を継続する。
【0077】
そして、ステップ110を経て(YES)ステップ116に進み、該ステップ116においてエッジ入力フラグFG_EDGEをセット状態を保持し、ステップ117においてモータ起動後パルスカウンタ11をインクリメントしたのち、ステップ118(YES)からステップ119に移行し、ステップ119においてルーフ位置カウンタ10をデクリメントしたのち、ステップ105に戻る。
【0078】
このようにして、スライド開スイッチ3のオン操作が続けば、ステップ105、106、112、デフレクタ位置認識サブルーチン200、回転変動判定サブルーチン300、ステップ124、115、110、116〜119、105の実行が繰り返され、サンルーフリッドLの作動が何らかの障害によって拘束されて、回転変動判定サブルーチンのステップ313、315、317(図示せず)、319のいずれかの判定においてモータ4の回転速度が低下した(YES)と判定されない限り、モータ4の閉駆動回転が継続し、サンルーフリッドLが全閉位置に向けて移動する。もちろん、サンルーフリッドLが所望の位置となったときに、閉スイッチ3の操作を中断(オフ)すれば、ステップ106(NO)、ステップ107(NO)からステップ108に移行して、起動後パルスカウンタ11をクリアした後、ステップ109において閉駆動信号出力を停止するので、その位置でサンルーフリッドLが停止することになる。
【0079】
何らかの原因でサンルーフリッドLの動きが拘束されて、モータ4の円滑な回転が妨げられ、回転変動判定サブルーチン300のステップ313、315、317および319のいずれかの判定において、モータ4の回転速度が低下した(YES)と判定されると、挟み込み発生と判断してステップ320に移行し、反転動作フラグFG_SAFEをセットして、メインルーチンに戻る。
【0080】
回転変動判定サブルーチン300から戻った後のステップ124において、反転動作フラグFG_SAFEの状態が判定され、この場合にはサブルーチンのステップ320において反転動作フラグFG_SAFEがセットされているので(YES)、制御はステップ108に移行する。そして、ステップ108においてモータ起動後パルスカウンタ11をクリアし、ステップ109において閉駆動信号の出力を停止し、モータ4への駆動電流の供給を中止する。
【0081】
モータ4の回転が停止し、モータ回転検出手段5のホールICからエッジ入力がなくなると、ステップ110(NO)からステップ111に移行してエッジ入力フラグFG_EDGEをリセットしたのち、ステップ105に戻る。
【0082】
ステップ105においては、反転動作フラグFG_SAFEがセットされている(YES)と判定されて、ステップ126に移行し、ステップ126においてルーフ位置カウンタ10のそのときのカウント値GPCが予め定められたリッド位置データXSAFEと比較される。位置データXSAFEは、全開位置に近い比較的大きな値に設定してあるので、ステップ126(NO)からステップ122に移行し、ステップ122において開駆動信号が出力回路6に供給されるので、モータ4がサンルーフリッドLの開方向に回転を始める。
【0083】
モータ4の回転に基づいて、モータ回転検出手段5からのパルス信号にエッジ入力が検出されると、ステップ110(YES)から、ステップ116〜118(NO)を経てステップ123に移行し、ルーフ位置カウンタ10がインクリメントされたのち、ステップ105に戻る。そして、ルーフ位置カウンタ10のカウント値GPCがリッド位置データXSAFEを超え、リッドLが十分に開放されると、ステップ126(YES)からステップ127に移行し、ステップ127においてスライド開スイッチ2あるいは閉スイッチ3の操作が確認される。
【0084】
閉スイッチ3がまだオン操作されたまま、あるいはモータ4が開方向に作動している間に開スイッチ2が押しなおされた場合には、ステップ127(YES)からステップ108および109に移行して、モータ起動後パルスカウンタ11をクリアしたのち、出力回路6に対する開駆動信号の出力が停止されるので、サンルーフが十分に開放された状態でリッドLが停止する。
【0085】
そして、閉スイッチ3および開スイッチ2から指を離すと、ステップ128において反転動作フラグFG_SAFEがリセットされ、挟み込み検出および反転作動制御が終了してステップ105に戻り、閉スイッチ3が再度操作された場合には、新たに挟み込み検出が開始される。
【0086】
すなわち、この実施例においては、挟み込み検出の際に監視するモータの回転数(回転速度)の減少幅を4,8,16,32パルスカウントの4種類の時間差で算出し、これらの時間差をそれぞれに設定したしきい値に対応させて比較していることから、挟み込まれたものの硬さや変形能に拘わりなく高精度の挟み込み検出が可能になり、誤反転や挟み込み荷重の増大を防止することができる。また、モータ起動後パルスカウンタのカウント値、すなわちモータ4が作動を開始してからの移動距離に応じて段階的に減少する多数組のしきい値を用意して、移動距離に応じたしきい値と比較して挟み込みを判定するようにしており、特に作動開始直後のカウント値が10までの範囲においては、しきい値を255としているので、回転数差がこれを超えることはなく、ダンパーなどの影響によってモータ4の回転変動が最も大きくなる作動開始直後の領域をマスクすることができ、誤検出に基づく誤反転を確実に防止することができる。
【0087】
サンルーフリッドLがデフレクタ機構との衝突位置(図1における点C)に近づき、デフレクタ位置認識サブルーチン200において設定されたデフレクタ領域内に達すると、ルーフ位置カウンタ10のカウント値GPCが全開側デフレクタ位置データDEF(OPN)以下となり、デフレクタ位置認識サブルーチンのステップ215において、「YES」と判定されて、ステップ217に移行し、デフレクタ領域フラグFG_DEFINがセットされたのち、メインルーチンに戻り、回転変動判定サブルーチン300に移行し、デフレクタ機構との衝突を考慮した条件での挟み込み検出が開始される。
【0088】
すなわち、回転変動判定サブルーチンのステップ305において、デフレクタ領域フラグFG_DEFINがセットされている(YES)と判定されるので、ステップ321に移行し、ステップ321においてデフレクタ領域用におけるしきい値の補正データがROMから読み出され、BRD(DEF)としてセットされる。
【0089】
そして、ステップ307〜319において、モータ4の出力軸4bの回転数が同様に算出され、比較期間が4,8,16および32パルスカウントのときの回転数差REV(4)−REV(0),REV(8)−REV(0),REV(16)−REV(0)およびREV(32)−REV(0)がそれぞれ計算され、対応するしきい値BRD(4),BORD(8),BRD(16)およびBRD(32)とそれぞれ比較することによって、挟み込みの有無が同様に判定されることになるが、このときのしきい値はステップ312、314,316および318において、しきい値データROM12内のROMテーブルから読み出されたデータに補正値BRD(DEF)が加算されることにより大きなしきい値となっているので、サンルーフリッドLがデフレクタ機構と衝突することによって、モータ4の回転に大きな変動が生じたとしても、これを挟み込みと誤判断してリッドLが誤反転されるような不具合が回避されることになる。
【0090】
サンルーフリッドLが全閉位置に向けて更に移動し、デフレクタ位置認識サブルーチン200において設定されたデフレクタ領域から出ると、ルーフ位置カウンタ10のカウント値GPCが全閉側デフレクタ位置データDEF(CLS)以下になることから、デフレクタ位置認識サブルーチンのステップ214において、「NO」と判定され、ステップ216に移行して、デフレクタ領域フラグFG_DEFINがリセットされる。したがって、回転変動判定サブルーチンのステップ305において、デフレクタ領域フラグFG_DEFINがセットされていない(NO)と判定されるので、ステップ306において、再度BRD(DEF)が「0」にセットされる。
【0091】
したがって、ステップ312〜319において、比較期間が4,8,16および32パルスカウントのときの回転数差をしきい値データROM12のROMテーブルから読み出されたままのしきい値とそれぞれ比較することによって、挟み込みの有無が判定されるので、従来どおりの高精度の挟み込み検出、反転制御が行われることになり、挟み込み荷重が低いものとなる。
【0092】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係わるサンルーフ制御方法においては、デフレクタ機構を備えたサンルーフ装置の挟み込み検出制御を行うに際し、実際の制御開始に先立ってサンルーフリッドを移動させ、デフレクタ機構との係合が生じ得る領域内において駆動用モータに回転変動が生じた位置をデフレクタ位置とし、当該デフレクタ位置前後の所定距離範囲内をデフレクタ領域として特定し、実際の挟み込み検出に際して、サンルーフリッドがデフレクタ領域内にあるときのしきい値をデフレクタ領域外のしきい値より大きく設定するようにしていることから、デフレクタ機構との衝突を挟み込み発生と誤判断して、サンルーフリッドを誤反転させるような不具合を防止することができると共に、個々のサンルーフ装置のデフレクタ位置を正確に把握することができ、個体間のばらつきを見込む必要がなくなるので、デフレクタ領域、すなわちしきい値が大きくなって反転時の挟み込み荷重が高くなる領域を可及的に狭くすることができ、安全性をより向上させることができるという極めて優れた効果がもたらされる。
【0093】
また、本発明に係わるサンルーフ制御装置は、上記したように、駆動用モータ、開閉スイッチ、駆動手段、モータ回転検出手段、デフレクタ機構、およびルーフ位置カウンタと、回転数算出ブロックと、回転数メモリブロックと、しきい値ROMと、とくにデフレクタ位置検出してデフレクタ領域を特定すると共に、サンルーフリッドがデフレクタ領域内にあるか否かを判定するデフレクタ領域認識ブロックと、サンルーフリッドがデフレクタ領域内にあるときには、デフレクタ領域内にないときのしきい値に所定のしきい値を加算したしきい値によって挟み込み検出を行う制御ブロックを有する制御手段手段を備えたものであるから、本発明に係わる上記制御方法を実施するのに好適な構成を有し、上記同様の優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるサンルーフ制御方法の原理、要領を概略的に示す説明図である。
【図2】本発明に係わるサンルーフ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示したモータ回転検出手段の2つのホールICから出力されるパルス信号の形状およびアーマチュア軸の回転数算出方法を示す説明図である。
【図4】図2に示したしきい値データROMに保存されたしきい値データの内容を示す図である。
【図5】図2に示したサンルーフ制御装置における制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図2に示したサンルーフ制御装置の制御におけるデフレクタ位置認識サブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図2に示したサンルーフ制御装置の制御における回転変動判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 サンルーフ制御装置
2 開スイッチ
3 閉スイッチ
4 モータ
4a アーマチュア軸
5 モータ回転検出手段
6 出力回路(駆動手段)
8 出力軸回転数算出ブロック(回転数算出ブロック)
9 回転数メモリブロック
10 ルーフ位置カウンタ
12 しきい値データROM(しきい値ROM)
13 デフレクタ領域認識ブロック
16 制御ブロック
MCU 制御手段
L サンルーフリッド
Claims (2)
- サンルーフリッドの開方向作動に応じてデフレクタを突出させるデフレクタ機構を備えたサンルーフ装置のサンルーフリッドが閉方向に作動しているときに、当該サンルーフリッドを開閉作動させる駆動用モータの回転速度が所定のしきい値を超えて低下した際に前記モータを停止させたのち反転させてサンルーフリッドを開方向に作動させるサンルーフ制御方法において、
上記の制御に先立ってサンルーフリッドを移動させ、前記デフレクタ機構との係合が生じ得る領域内において前記モータの回転速度に予め定められた値以上の変動が生じた位置を当該モータの回転数に基づいて検出してデフレクタ位置とし、該デフレクタ位置の閉方向および開方向の所定距離範囲内をデフレクタ領域として特定すると共に、上記制御に際して、サンルーフリッドが前記デフレクタ領域内にあるときのしきい値をデフレクタ領域外にあるときのしきい値より大きく設定することを特徴とするサンルーフ制御方法。 - 減速装置を介してサンルーフリッドに連結されたアーマチュア軸を有するモータと、
サンルーフリッドを開方向に移動させる開指令信号を発生する開スイッチと、
サンルーフリッドを閉方向に移動させる閉指令信号を発生する閉スイッチと、
前記開スイッチからの開指令信号に応じて開駆動信号を発生し、前記閉スイッチからの閉指令信号に応じて閉駆動信号を発生する制御手段と、
前記制御手段からの開駆動信号に応じてサンルーフリッドの開方向に相当する回転を与える駆動電流をモータに供給し、閉駆動信号に応じてサンルーフリッドの閉方向に相当する回転を与える駆動電流をモータに供給する駆動手段と、
前記モータのアーマチュア軸の回転に応じて位相差を有するパルス信号を発生するモータ回転検出手段と、
サンルーフリッドの開方向作動に応じてデフレクタを突出させるデフレクタ機構を備えたサンルーフ制御装置において、
前記制御手段は、前記モータ回転検出手段から発生するパルス信号数をカウントしてサンルーフリッドの現在位置データを出力するルーフ位置カウンタと、
前記モータ回転検出手段から発生するパルス信号に基いてモータの単位時間当たりの回転数を算出する回転数算出ブロックと、
前記回転数算出ブロックにより算出された単位時間当たりの回転数データを保存し、保存された回転数と現在の回転数との回転数差を算出する回転数メモリブロックと、
前記回転数メモリブロックにより算出された回転数差と比較されるしきい値が保存されたしきい値ROMと、
サンルーフリッドを作動させながら前記回転数算出ブロックにより算出された回転数に予め定められた値以上の変動が生じた位置を前記ルーフ位置カウンタのカウント値に基づいてデフレクタ位置とし、該デフレクタ位置の閉方向および開方向の所定距離範囲内をデフレクタ領域として特定すると共に、サンルーフリッドが当該デフレクタ領域内にあるか否かを判定して、デフレクタ領域内にある時に領域内信号を発生するデフレクタ領域認識ブロックと、
前記閉スイッチから閉指令信号が出力されると、回転数メモリブロックから出力された回転数差を前記しきい値ROMのしきい値と比較し、デフレクタ領域認識ブロックから領域内信号が発生していない場合には、回転数差が前記しきい値を超えたときに前記駆動手段に対する閉駆動信号の出力を停止して開駆動信号を出力する一方、デフレクタ領域認識ブロックから領域内信号が発生している場合には、前記回転数差を前記しきい値に予め定められた値を加えた補正しきい値と比較し、回転数差が当該補正しきい値を超えたときに前記駆動手段に対する閉駆動信号の出力を停止して開駆動信号を出力する制御ブロックを備えていることを特徴とするサンルーフ制御装置。
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