JP3868786B2 - 射出成形機のロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
圧締手段または被圧締手段の被係合部に対し係合部材を前進および後退させることにより係合部材を係脱する射出成形機のロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の射出成形機のロック装置は、圧締手段または被圧締手段の被係合部に対しシリンダにより係合部材であるハーフナットを前進および後退させ前記ハーフナットを前記被係合部と係脱させる際に、ハーフナットの速度制御が行われていなかった。そのため被係合部に対しハーフナットを前進または後退させる際にハーフナットは減速されずにかなりの速度で、他方のハーフナットまたは取付部等と衝突し、大きな騒音が発生するとともに、ロック装置の損耗が早くなるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来のロック装置におけるハーフナットを前記被係合部と係脱させる際に騒音や衝撃が発生するという問題を解決するためには、ハーフナットの移動速度を移動終了位置の手前付近で減速させることが必要である。そのための手段としては、(1)ハーフナットにクッション材を貼る、(2)ハーフナットの移動方向に対して反発するバネを取付ける、(3)シリンダを制御する空気圧回路や油圧回路を変更する、(4)シリンダ内のクッション圧を利用する、(5)外部にショックアブソーバを取付けるなど、といった方法が考えられる。
【0004】
しかし前記(1)についてはクッション材に耐久性がないという問題があり、前記(2)については係合中に大きな押圧力が必要になるという問題がある。また前記(3)については絞り弁を設けた別回路と別回路への切替弁等を設ける必要があり、装置および制御が複雑化するという問題があり、前記(4)については移動終了位置の手前付近で最適な減速を行うためにはシリンダのクッションの絞り量の調整が困難であり、また特にロック装置のようなストロークの短いシリンダではクッションの調整がより困難であるという問題がある。更に前記(5)についても装置が複雑化し、費用がかかるという問題がある。
そこで本発明は、上記手段を用いたときのような問題がなく、ハーフナット自体の移動を利用した簡単な構造によりロック装置のハーフナットの係脱時の騒音と衝撃の問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため請求項1に記載の発明は、圧締手段である型締シリンダのラムまたはロッドにハーフナットが設けられ、被圧締手段である可動盤または固定盤に固設されたタイバーまたは可動盤に固設された被圧締手段である型開閉シリンダに被係合部が設けられ、型締シリンダにより型締を開始する前に、前記被係合部に対して前記ハーフナットを前進させ係止する射出成形機のロック装置において、一方のハーフナットには凹部が設けられ、他方のハーフナットには前記凹部に嵌挿可能な嵌挿部が設けられ、ハーフナット自体の前進時に前記凹部に前記嵌挿部が嵌挿される際に生じる空気圧縮作用により前記ハーフナットの前進時の移動速度を減速させることを特徴とする。
【0006】
また請求項2に記載の発明は、圧締手段である型締シリンダのロッドに被係合部が設けられ、被圧締手段である固定盤または可動盤にハーフナットが設けられ、型締シリンダにより型締を開始する前に、前記被係合部に対して前記ハーフナットを前進させ係止する射出成形機のロック装置において、一方のハーフナットには凹部が設けられ、他方のハーフナットには前記凹部に嵌挿可能な嵌挿部が設けられ、ハーフナット自体の前進時に前記凹部に前記嵌挿部が嵌挿される際に生じる空気圧縮作用により前記ハーフナットの前進時の移動速度を減速させることを特徴とする。
【0007】
さらに請求項3に記載の発明は、圧締手段である型締シリンダのラムまたはロッドにハーフナットが設けられ、被圧締手段である可動盤または固定盤に固設されたタイバーまたは可動盤に固設された被圧締手段である型開閉シリンダに被係合部が設けられ、型締シリンダにより型締を開始する前に、前記被係合部に対して前記ハーフナットを前進させ係止する射出成形機のロック装置において、前記ハーフナットには嵌挿部が設けられ、ハーフナットが取付けられる取付部には凹部が設けられ、ハーフナット自体の前進時または後退時に前記凹部に前記の嵌挿部が嵌挿される際に生じる空気圧縮作用により前記ハーフナットの前進時および/または後退時の移動速度を減速させることを特徴とする。
【0008】
以下添付の図面に従って本発明を詳細に説明すると、図1は本発明のロック装置が取付けられた射出成形機の一部断面平面図、図2は本発明のロック装置の一部断面側面図であり、説明の便宜上一方の係合部材であるハーフナットは前進側の移動終了位置を表し、他方のハーフナットは後退側の移動終了位置を表し、前進側の移動位置を想像線で表してある。図3は図2におけるA−A線の断面図である。
【0009】
射出成形機1について図1により説明する。可動盤2は、可動盤2に固設されたサーボモータ3と、ボールネジ4と、支持盤5に固設されたボールナット6からなる型開閉手段によりタイバー7にガイドされて図示しない固定盤に対して移動可能に設けられている。可動盤2の中央には支持盤5側に向けて被圧締手段としての型開閉シリンダ8が固設されている。
【0010】
型開閉シリンダ8の円筒外周面には被係合部9が設けられている。図3に示されるように被係合部9は型開閉シリンダ8の軸方向に対して直角方向に設けられた係止面10と、可動盤2側から支持盤5側に向けてテーパー状に広がった傾斜面11からなる溝部12が多数設けられており、溝部12と溝部12との間は頂部13が形成されている。
【0011】
一方支持盤5には型締シリンダ部材14と前記型締シリンダ部材14の内側に液密かつ摺動自在に嵌挿されたラム15が設けられ、その間に油室16が設けられており、前記油室16は図示しない油圧機構に接続され、それらから圧締手段が形成されている。そして油室16に油を導入されることによりラム15が可動盤2の方向へ前進され型締がなされる。
【0012】
圧締手段としてのラム15の可動盤2側端面にはロック装置17が固設されている。ロック装置17は圧締手段のラム15と被圧締手段の型開閉シリンダ8を係合固定するためのものであり、可動盤2が型開閉手段により移動され図示しない固定金型と可動金型2aが型閉された後、型締を開始する前にラム15と型開閉シリンダ8の係合固定を行う。
【0013】
ロック装置17について図2、図3により説明すると、ラム15の先端には中央部に型開閉シリンダ8が挿通される孔が形成された後部板18が固設され、後部板18には一定の厚みを有する枠体19が固設され、枠体19の前方には中央部に型開閉シリンダ8が挿通される孔が形成された前部板20が固設されている。そしてこれらの後部板18、枠体19、前部板20から取付部21が形成され、取付部21により囲繞された空間22には係合部材としての一対のハーフナット23a、23bが枠体19のガイド部24にガイドされ、図2における左右方向に前進または後退可能に設けられている。また取付部21はタイバー7に摺動自在に設けられ、ロック装置17はラム15とともに摺動する。
【0014】
ハーフナット23a,23bは所定の厚みを有しており、型開閉シリンダ8側の面の中央部が半円状にそれぞれ刳り貫かれており、前記刳り貫かれた面は型開閉シリンダ8の被係合部9と対応する係合部25を有している。係合部25は、型開閉シリンダ8の軸方向に対して直角方向に設けられた係止面26と、支持盤5側から可動盤2側に向けてテーパー状に広がった傾斜面27とからなる溝部28が多数設けられており、溝部28と溝部28との間には頂部29が形成されている。そして一対のハーフナット23a,23bを前進させ当接させた際には、ハーフナット23a,23bの係合部25の頂部29と型開閉シリンダ8の被係合部9の頂部13がオーバーラップしつつハーフナット23a,23bの係合部25,25と被係合部9が当接せず、その後ラム15を駆動させることにより、係合部25の係止面26と、被係合部9の係止面10が当接されるように設けられている。
【0015】
また図2においてハーフナット23a,23bの半円状に刳り貫かれた係合部25の上下にはハーフナット23a,23bが当接する当接面30a,30bが形成されている。この実施の形態では他方のハーフナット23bの上下の当接面30b,30bにそれぞれ嵌挿部であるピン31が上下に二箇所づつ一方のハーフナット23aに向けて突出して固設されている。また一方のハーフナット23aの上下の当接面30a,30aには、ハーフナット23a,23bが前進して当接した際に他方のハーフナット23bのピン31が嵌挿される凹部である穴32が穿設されている。
【0016】
このピン31と穴32との関係は、ハーフナット23a,23bが前進されピン31が穴32に嵌挿された際にごくわずかな隙間となるように形成され、穴32の内部にピン31により空間(厳密な意味で外界とまったく空気の流通が不可能な空間ではない)が形成され、さらにハーフナット23a,23bを前進させることにより空間の空気がピン31によって圧縮可能に設けられている。この実施の形態ではピン31の長さより穴32の深さの方がわずかに大きく設けられるとともに、穴32の側方には外界に向けて空気をわずかに逃がすオリフィス33が設けられている。
【0017】
また、一方のハーフナット23aにすべて穴32が穿設され、他方のハーフナット23bにすべてピン31が固設されたものではなく、一方のハーフナット23aにピン31と穴32の両方が設けられ、他方のハーフナット23bに前記一方のハーフナット23aのピン31が嵌挿される穴32と、穴32に嵌挿するピン31の両方が設けられたものでもよい。
【0018】
図2における枠体19の左右側の中央には孔34が貫設され、孔34の外側には前記したハーフナット23a,23bを前進または後退させる係合部材駆動手段としてのシリンダ35が孔34を塞ぐように枠体19に固設されている。シリンダ35のロッド36は前記した孔34に挿通されハーフナット23a,23bの係合部25と反対側の後部面37に固設されている。
【0019】
シリンダ35のロッド36は、ハーフナット寄り部38の径が孔34の径よりごくわずかに小さく設けられ、ロッド36のシリンダ寄り部39の径は前記したハーフナット寄り部38の径よりも小さく設けられている。そして図示しない空気圧機構により、シリンダ35のロッド36を伸長した際には枠体19の孔34とシリンダ前端部40とロッド36のハーフナット寄り部38とにより囲繞される部分に空間(厳密な意味で外界とまったく空気の流通が不可能な空間ではない)が形成可能に設けられ、ロッド36を収縮した際に、前記した空間の空気が圧縮可能に設けられている。またこの空間と外界との間にもごくわずかに通路41を設け、空気の圧縮を調整可能にしてもよい。
【0020】
この実施の形態では係合部材駆動手段としてのシリンダ35はクッション機能のない空気圧シリンダが使用されているが、クッション機能を有するものでもよく、油圧を用いるものでもよい。更に係合部材駆動手段はモータを用いたものでもよく、二の係合部材を一の係合部材駆動手段で移動させるものでもよい。
【0021】
次にこのロック装置17の作動について説明すると、型閉が完了すると、図示しない空気圧機構により、シリンダ35のシリンダ側室42にエアが導入され、シリンダ35のロッド36が前進方向に駆動され、取付部21内で後退位置にあったハーフナット23a,23bは型開閉シリンダ8の被係合部9に向けてそれぞれ前進する。そして一方のハーフナット23aの上下に設けられた穴32に他方のハーフナット23bの上下に設けられたピン31が嵌挿され空間が形成される。
【0022】
ハーフナット23a,23bがなおも前進を続けると、前記空間の空気は他方のハーフナット23bのピン31により圧縮される。ハーフナット23a,23b自体の前進時に生じさせる空気圧縮作用は、ハーフナット23a,23bの前進側の移動終了位置P1に近づくにつれて圧縮比が大きくなるので、ハーフナット23a,23bの移動は移動終了位置P1の手前付近において急速に減速した上でハーフナット23a,23bの当接がなされる。
【0023】
また成形完了後、型開きの前にシリンダ35のロッド側室43にエアが導入され、ロッド36が後退方向に駆動され、前進位置にあったハーフナット23a,23bは取付部21の枠体19に向けてそれぞれ後退される。その際、ハーフナット23a,23bの前進位置において枠体19の孔34とシリンダ前端部40とロッド36のハーフナット寄り部38とにより囲繞される空間の空気が、ハーフナット23a,23bに固設されたロッド36の収縮により空気圧縮作用を受けることにより、ハーフナット23a,23bは後退側の移動終了位置P2の手前付近において減速された上で終了位置P2で停止される。
【0024】
なおこの実施の形態では、ハーフナット23a,23bによる型開閉シリンダ8との被係合部9の係止の際に、ハーフナット23a,23b同士が当接するものについて記載したが、ハーフナット同士が当接せずにシリンダの前進端において停止するものでも本発明を用いることにより、騒音と衝撃の低下を図ることができる。
またこの実施の形態では型開閉手段にサーボモータを用い、型締手段に油圧機構を用いるものについて記載したが、型開閉手段、型締手段の両方にサーボモータ、または油圧機構を用いるものでもよい。
【0025】
次に図4の一部断面側面図により説明するロック装置50は、係合部材としてのハーフナット自体の前進時および後退時にハーフナットと取付部の枠体との間に形成される空間の空気が圧縮作用を受けてハーフナットの移動速度を減速させるものである。なお図4についても説明の便宜上一方のハーフナットは前進側の移動終了位置を表し、他方のハーフナットは後退側の移動終了位置を表している。
【0026】
ロック装置50について前の実施の形態との相違点についてのみ説明すると、ハーフナット51,51の後部面52,52のシリンダ53のロッド53aの取付位置の上下にはそれぞれガイド棒54が水平方向に固設されている。一方枠体55には前記ガイド棒54を挿通するための孔56が貫設されている。この孔56の径は中央部分を除き内側と外側部分で大きく形成され、外側部分に凹部57a、内側部分に凹部57bが形成されている。一方前記ガイド棒54の枠体55より外側部分には前記した凹部57aの径に相当する嵌挿部であるリング58aが固設されている。またガイド棒54の枠体55より内側部分には前記した凹部57bの径に相当する嵌挿部であるリング58bが固設されている。
【0027】
そしてハーフナット51の前進時には嵌挿部である外側のリング58aが外側の凹部57aに嵌挿され、リング58aと凹部57aにより空間が形成され、さらに空間の空気がリング58aにより圧縮されることによりハーフナット51は、前進側の移動終了位置P1の手前付近で減速された上で移動終了位置P1で停止される。また、ハーフナット51の後退時にも同様に嵌挿部である内側のリング58bが内側の凹部57bに嵌挿され、リング58bと凹部57bにより空間が形成され、さらに空間の空気が圧縮されることによりハーフナット51は、後退側の移動終了位置P2の手前付近で減速された上で移動終了位置P2で停止される。
【0028】
また、次の図5の一部断面側面図により説明するロック装置60は、係合部材としてのハーフナット自体の後退時にハーフナットに穿設された凹部と取付部の枠体に固設された嵌挿部との間に形成される空間の空気が圧縮作用を受けてハーフナットの移動速度を減速させるものである。なお図5についても説明の便宜上一方のハーフナットは前進側の移動終了位置を表し、他方のハーフナットは後退側の移動終了位置を表している。
【0029】
ロック装置60について前の実施の形態および図4に示される実施例との相違点についてのみ説明すると、取付部である枠体61の両側には嵌挿部としてのピン62がハーフナット63a,63bの後部面64に向けてそれぞれ四本づつが固設されている。一方ハーフナット63a,63bの後部面64には、前記のピン62が嵌挿される凹部である穴65がそれぞれ四箇所に穿設されている。
【0030】
そしてハーフナット63a,63bの後退時に枠体61のピン62がハーフナット63a,63bの穴65に嵌挿されピン62と穴65により空間が形成され、さらに前記空間の空気が圧縮されることによりハーフナット63a,63bの後退時に移動終了位置P2の手前付近で減速された上で移動終了位置P2で停止される。なお前進側は実施の形態と同様に、一方のハーフナット63aの当接面に穴が穿設され、他方のハーフナット63bにピンが固設され、前進時に移動速度が減速された上で移動終了位置で停止される。
【0031】
また、ロック装置70は図6に示されるものでもよい。図6の一部断面図に示される射出成形機71は、ロック装置70の構成自体は先の実施の形態のものと同じであるが、先の実施の形態のものは、ロック装置17が圧締手段に設けられ、係合される被係合部9が被圧締手段としての可動盤2に設けられていたのに対し、ロック装置70が被圧締手段としての固定盤72に設けられ、被係合部73が圧締手段としてのタイバー74に設けられている点が相違する。
【0032】
射出成形機71について各部を説明すると、固定盤72に対し可動盤75が移動可能に設けられ、可動盤75には圧締手段としての型締シリンダ76が設けられ、型締シリンダ76のロッドがタイバー74を形成している。タイバー74は固定盤72のタイバー挿通孔77に挿通可能に設けられ、タイバー74の先端寄りの周囲には被係合部73が設けられている。
【0033】
一方固定盤72の図示しない射出装置側のタイバー挿通孔77の周囲にはロック装置70が設けられている。ロック装置70は、固定盤72に固設された取付部78の内側に係合部材としてのハーフナット79a,79bが設けられ、ハーフナット79a,79bは係合部材駆動手段としてのシリンダ80,80によりタイバー74の被係合部73に向けて前進および後退可能に設けられている。
そして型閉シリンダ81による固定金型72aと可動金型75aの型閉に伴い、タイバー74が固定盤72のタイバー挿通孔77に挿通され、被係合部73がロック装置70によりハーフナット自体の前進時に生じさせる空気圧縮作用により前進側の移動終了位置の手前付近で減速された上で移動終了位置で停止し、タイバー74の被係合部73に係止され、型締シリンダ76により型締が行われる。なおこの実施例では、シリンダはすべて図示しない油圧機構により駆動される油圧シリンダが用いられている。
【0034】
なお、図6では固定盤72にロック装置70が設けられ、可動盤75に圧締手段の型締シリンダ76が設けられたものについて記載したが、固定盤に圧締手段としての型締シリンダおよびそのロッドであるタイバーが設けられ、被圧締手段としての可動盤にロック装置が設けられたものでもよい。
また固定盤または可動盤に圧締手段としての型締シリンダ設けられ、前記型締シリンダの中空ロッドが金型側と反対側に向けてタイバーを挿通可能に設けられ、前記シリンダの中空ロッドにロック装置が設けられ、前記固定盤または可動盤の他方の被圧締手段としての盤に固設されたタイバーに被係合部が設けられ、前記ロック装置により係脱がなされるものでもよい。
【0035】
またタイバーが圧締手段を構成せず固定盤に固設されており、固定盤または可動盤に設けられた型締シリンダのロッドが、前記タイバーの外側に外挿され、前記ロッドに被係合部が設けられ、型締シリンダが設けられた盤とは他方の盤にロック装置が設けられたものでもよい。
更に係合部材はタイバーの被係合部に対して両側から直線的に前進または後退されるものでなく、基端側が互いに固定盤または可動盤に固設された軸に軸支された二の係合部材が回動してタイバーに係止可能に設けられるものでもよく、また係合部材は、溝部や傾斜面を有していないブロックからなるもので、被係合部である凹部に挿入するものでもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明は上記のように、圧締手段の型締シリンダのロッドに設けられた被係合部、または被圧締手段の型開閉シリンダやタイバーに設けられた被係合部に対し、他方の被圧締手段である固定盤または可動盤または圧締手段である型締シリンダのラムまたはロッドに設けられたロック装置のハーフナットを係脱する際に、ハーフナット自体の前進時または後退時に生じさせる空気圧縮作用により前記ハーフナットの前進時および/または後退時の移動速度を減速させることが可能となり、前記した簡単な構造によりロック装置のハーフナットの係脱時の騒音と衝撃の問題が解決することができるという効果を有する。更に本発明はハーフナット自体の前進時および/または後退時に生じさせる空気圧縮作用を用いることにより、前進時の移動終了位置の手前付近、および/または後退時の移動終了位置の手前付近においてハーフナットを急減速させた後に停止させることができるという顕著な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロック装置が取付けられた射出成形機の一部断面平面図である。
【図2】本発明のロック装置の一部断面側面図である。
【図3】図2におけるA−A線の断面図である。
【図4】本発明の別のロック装置の一部断面側面図である。
【図5】本発明の更に別のロック装置の一部断面側面図である。
【図6】本発明のロック装置を取付けたタイプの異なる射出成形機の一部断面図である。
【符号の説明】
1 ……… 射出成形機
2 ……… 可動盤
2a …… 可動金型
3 ……… サーボモータ
4 ……… ボールネジ
5 ……… 支持盤
6 ……… ボールナット
7 ……… タイバー
8 ……… 型開閉シリンダ
9 ……… 被係合部
10 …… 係止面
11 …… 傾斜面
12 …… 溝部
13 …… 頂部
14 …… 型締シリンダ部材
15 …… ラム
16 …… 油室
17 …… ロック装置
18 …… 後部板
19 …… 枠体
20 …… 前部板
21 …… 取付部
22 …… 空間
23a,23b …… ハーフナット
24 …… ガイド部
25 …… 係合部
26 …… 係止面
27 …… 傾斜面
28 …… 溝部
29 …… 頂部
30 …… 当接面
31 …… ピン
32 …… 穴
33 …… オリフィス
34 …… 孔
35 …… シリンダ
36 …… ロッド
37 …… 後部面
38 …… ハーフナット寄り部
39 …… シリンダ寄り部
40 …… シリンダ前端部
41 …… 通路
42 …… シリンダ側室
43 …… ロッド側室
Claims (3)
- 圧締手段である型締シリンダのラムまたはロッドにハーフナットが設けられ、被圧締手段である可動盤または固定盤に固設されたタイバーまたは可動盤に固設された被圧締手段である型開閉シリンダに被係合部が設けられ、型締シリンダにより型締を開始する前に、前記被係合部に対して前記ハーフナットを前進させ係止する射出成形機のロック装置において、
一方のハーフナットには凹部が設けられ、他方のハーフナットには前記凹部に嵌挿可能な嵌挿部が設けられ、ハーフナット自体の前進時に前記凹部に前記嵌挿部が嵌挿される際に生じる空気圧縮作用により前記ハーフナットの前進時の移動速度を減速させることを特徴とする射出成形機のロック装置。 - 圧締手段である型締シリンダのロッドに被係合部が設けられ、被圧締手段である固定盤または可動盤にハーフナットが設けられ、型締シリンダにより型締を開始する前に、前記被係合部に対して前記ハーフナットを前進させ係止する射出成形機のロック装置において、
一方のハーフナットには凹部が設けられ、他方のハーフナットには前記凹部に嵌挿可能な嵌挿部が設けられ、ハーフナット自体の前進時に前記凹部に前記嵌挿部が嵌挿される際に生じる空気圧縮作用により前記ハーフナットの前進時の移動速度を減速させることを特徴とする射出成形機のロック装置。 - 圧締手段である型締シリンダのラムまたはロッドにハーフナットが設けられ、被圧締手段である可動盤または固定盤に固設されたタイバーまたは可動盤に固設された被圧締手段である型開閉シリンダに被係合部が設けられ、型締シリンダにより型締を開始する前に、前記被係合部に対して前記ハーフナットを前進させ係止する射出成形機のロック装置において、
前記ハーフナットには嵌挿部が設けられ、ハーフナットが取付けられる取付部には凹部が設けられ、ハーフナット自体の前進時または後退時に前記凹部に前記の嵌挿部が嵌挿される際に生じる空気圧縮作用により前記ハーフナットの前進時および/または後退時の移動速度を減速させることを特徴とする射出成形機のロック装置。
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JP2003117976A (ja) | 2003-04-23 |
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