JP3868168B2 - 悪臭ガスの脱臭方法および装置 - Google Patents
悪臭ガスの脱臭方法および装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3868168B2 JP3868168B2 JP32572999A JP32572999A JP3868168B2 JP 3868168 B2 JP3868168 B2 JP 3868168B2 JP 32572999 A JP32572999 A JP 32572999A JP 32572999 A JP32572999 A JP 32572999A JP 3868168 B2 JP3868168 B2 JP 3868168B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- temperature
- malodorous
- deodorizing
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A50/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
- Y02A50/20—Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
Landscapes
- Treating Waste Gases (AREA)
Description
【発明の属する技術】
本発明は、悪臭ガスの生物学的脱臭方法に係り、特に下水処理場、し尿処理場、各種工場等から発生する悪臭ガスを生物学的に脱臭する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
微生物を付着させた充填層に悪臭ガスを通気して生物学的に脱臭する方法は、充填塔式生物脱臭法として公知である。この充填塔式生物脱臭法は、悪臭成分のなかでも特に硫化水素の除去に優れることから、硫化水素を主成分とする臭気が発生する下水処理場及びし尿処理場への適用件数が年々増加している。しかし、本方法の脱臭原理は、生物による悪臭物質の分解であることから、処理すべき悪臭ガスの温度が脱臭性能に与える影響が大きい。
一般に下水処理場から発生する臭気は、外気温と同程度の温度変化がある。したがって、地域によっては冬期の温度が10℃以下になる場合も多い。このような低温条件では、微生物による悪臭物質の分解活性が低下するので、夏期に良好な脱臭性能を発揮している装置であっても、冬期に温度が低下すると脱臭処理が不安定になるといった事例が多い。
【0003】
一般にガスの脱臭処理では、ガス中に含まれる悪臭物質の濃度は低いため、微生物の分解能力に見合った量の悪臭物質を装置に負荷すると、処理風量は極めて大きくなる。つまり、脱臭装置におけるガスの滞留時間はきわめて短くなる。したがって、装置内において、微生物の悪臭物質分解による発熱があったとしても被処理ガスの温度によって冷やされてしまうため、この発熱によって脱臭装置の温度が上昇することは期待できない。
また、処理風量が極めて大きいために、熱源を利用して強制的に悪臭ガスを加温する方法は、大量のエネルギーを要する。ランニングコストの低さが利点の生物脱臭装置に対して、エネルギーを用いて発生させた熱を供給するのは、有効な対策とはいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決し、悪臭ガスが低温であることに起因する脱臭性能の低下を低コストで防止し、一年を通じて安定した脱臭性能を得ることができる生物脱臭方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、充填塔式生物脱臭装置が適用されている現場において、比較的温度が高いガスが発生する工程及び比較的温度が高い工程水があることに着目し、これらを悪臭ガスの昇温のために利用することを考えついた。
【0006】
本発明は、次の手段により上記課題を解決した。
(1)微生物を付着させた充填層に悪臭ガスを導入し水散布下で生物学的に脱臭する方法において、悪臭ガスの一部を曝気槽に導入して活性汚泥と混合して昇温させ、昇温後のガスと悪臭ガスの残部とを混合して、ガス温度を10℃以上40℃以下の温度にして、前記充填層を有する脱臭塔に導くことを特徴とする悪臭ガスの脱臭方法。
(2)微生物を付着させた充填層に悪臭ガスを導入し水散布下で生物学的に脱臭する装置において、悪臭ガスの一部を槽内の活性汚泥と混合する曝気槽と、前記曝気槽からの排ガスを該悪臭ガスの残部と混合する配管と、前記配管と接続され前記混合したガスを水散布下で生物学的に脱臭する、前記充填層を有する脱臭塔を備えることを特徴とする悪臭ガスの脱臭装置。
【0007】
上記の如く、本発明においては、悪臭ガスを脱臭装置に導入する前に予め、悪臭ガスに対して、悪臭ガスよりも温度が高いガスを混合せしめること、又は悪臭ガスよりも温度が高い工程水を接触せしめることにより被処理ガスの温度を上げておく。悪臭ガスと温度の高いガス(以下、添加ガスという)との混合は、脱臭装置手前のダクト内で行い、両ガスの混合割合はダクトに設置されたダンパの開度で調節する。
添加ガスとしては、水処理工程の曝気槽排ガス及び嫌気処理工程からのバイオガス、コンポスト化装置からの排ガス等が挙げられる。
また、工程水としては、水処理工程の活性汚泥液、活性汚泥処理水等が挙げられる。
【0008】
特に、充填塔式生物脱臭装置は、主に水処理・汚泥処理工程から発生する悪臭ガスの処理に適用されるため、水処理工程の曝気槽が併設されている場合が多い。一般に、生物学的な水処理工程水の温度は、外気温に比べて夏場に低く冬場に高い傾向にある。また、一年を通して高温で運転されている場合も多く、特に高負荷型のし尿処理施設における硝化槽等は一年を通して30℃以上で運転されている。このため、本発明の方法におけるガス昇温のための工程水としての利用価値は極めて高い。また、このような曝気槽からの排ガスは、曝気槽と同程度の温度で排出される。しかも、曝気槽に導入される元のガスは空気であることから、排ガス中にも十分な濃度の酸素が存在する。また、排ガス中に微生物の活性を阻害するような物質は含まれない。これらのことから、本発明の方法の添加ガスとしての利用価値はきわめて高い。
【0009】
生物脱臭法に適した温度は、処理対象とする悪臭物質の種類によって異なるが、一般に微生物による悪臭物質の分解活性が最も高い温度は、30〜35℃であり、温度が40℃を超えると失活する場合が多い。一方、温度が30℃以下では、温度の下降とともに活性は徐々に低下する。本発明者等の調査・研究の結果からは、温度が10℃以下になると、活性の低下が顕著となり、生物脱臭装置の脱臭性能が低下することが明らかになっている。したがって、脱臭性能を安定させるには、常にガス温度を10℃以上に維持しておく必要がある。
なお、昇温させたガスの温度が10〜20℃の範囲にある場合には、夏などにおける常温よりも温度が低いわけであるが、冬のような温度の低い時期において生じる悪臭ガスの温度を上昇させることにより、脱臭作用を向上させることに本発明の技術的な意義があるのである。
【0010】
悪臭ガスと添加ガスとの混合割合は、それぞれのガス温度をもとにして決定すればよい。添加ガスの割合が少なすぎると、ガスの温度を十分に上昇させることができないし、逆に添加ガスの割合が多すぎると、脱臭装置に導入するガスの風量が莫大となり、脱臭装置を大型化する必要が生じる、したがって、ガスの混合割合は、最低限10℃を下回らない割合とし、可能であれば悪臭ガス1体積に対して添加ガス2体積程度以下の混合割合であることが好ましい。
【0011】
添加ガスとして、曝気槽からの排ガスを利用する方法では、曝気槽の曝気空気に悪臭ガスの一部を利用することもできる。悪臭ガスを活性汚泥の曝気槽に吹き込んで脱臭する方法は、活性汚泥曝気脱臭法として公知であり、きわめて高い悪臭物質除去性能を示すことが知られている。しかしながら、曝気空気として必要な風量は限られており、この方法のみで悪臭ガス全量を脱臭処理するのは困難である場合が多い。
このような場合に、悪臭ガスの一部を曝気槽に吹き込み、その曝気排ガスを残りの悪臭ガスに添加せしめてガスの温度を上げた後、充填塔式生物脱臭法で脱臭する方法が極めて効果的である。この方法では、添加ガスとして利用する曝気排ガスの元のガスは、本来、充填塔式生物脱臭法で脱臭すべき悪臭ガスであるから、曝気排ガス全量を添加ガスとして、充填塔式生物脱臭装置に導入することも可能であり、余裕をもって悪臭ガスの温度を制御することができる。
【0012】
また、工程水とガスとの接触条件は、悪臭ガスの温度が最低限10℃を下回らないようにすればよい。接触装置の型式は、接触効率が良いものであれば何でもよいが、散水ノズルを備えたスクラバー式が一般的である。このスクラバー装置を脱臭装置の前段に配置すれば良いし、あるいは、スクラバー装置を脱臭設備と別個に設置せずとも、既設のダクト中で散水することも可能である。
本発明の方法では、工程水を直接脱臭塔の充填層に散水しないので、工程水中に揮発成分でない不純物や活性汚泥等の不溶物を含んでていても良い。ただし、散水ノズルは不溶物による目詰まりを起こさない構造のものを用いる必要がある。
【0013】
悪臭ガスの昇温のための散水は、悪臭ガス温度が低下する時期にのみ適宜行えばよく、悪臭ガスの温度が脱臭性能に影響しない温度である場合は、当然ガス昇温のための散水をおこなう必要はない。
なお、散水に加えて、又は散水の代わりに悪臭ガスよりも温度の高い別のガスをダクト部位で混合してもよい。
本発明の方法で使用する充填塔式生物脱臭装置の構造は、従来から提案されている装置の構造と同じで良い。したがって、既に運転されている充填塔式生物脱臭装置についても、ダクト部分を改造することで、本発明の方法を適用することは十分可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、比較例を説明するための図3においては、実施例を説明するための図で示した部分と同一部分は、同一符号を付けて示す。
【0015】
図1は、本発明の温度の高い別のガスを混合する方法に用いる装置の概略断面図である。
脱臭塔5は、微生物を担持させるための充填材を充填した充填層6と、充填層6に散水するための散水部8と、散水するための循環ポンプ9と、循環水を貯留するための循環水槽7を備えている。
循環水槽7に微生物を含む活性汚泥等の種汚泥を添加し、循環水ポンプ9で散水部8から充填層6に対して循環散水する。同時に、悪臭物質を含む悪臭ガス1に対して、添加ガス2を混合してガスの温度を上げた混合ガス3を脱臭塔5に導入し、悪臭成分を除去するための脱臭を行い、脱臭塔5の上部から脱臭した処理ガス4を取り出す。
【0016】
図2は、悪臭ガスの一部を水処理工程の曝気槽の曝気空気として利用する方法を行う装置の概略断面図である。
脱臭塔5は、微生物を担持させめための充填材を充填した充填層6と、充填層6に散水するための散水部8と、散水するための循環ポンプ9と、循環水を貯留するための循環水槽7を備えている点は、図1の装置と同じである。
循環水槽7に微生物を含む活性汚泥等の種汚泥を添加し、循環水ポンプ9で散水部8から充填層6に対して循環散水する。
同時に、悪臭物質を含む悪臭ガス1の一部を曝気ブロア11により曝気空気として水処理工程の曝気槽10に導入し、残りの悪臭ガス1に対して曝気槽10からの曝気排ガス(添加ガス2)を添加してガスの温度を上げた混合ガス3を脱臭塔5に導入し、悪臭成分を除去するための脱臭を行う。
【0017】
図3は、従来法で用いている脱臭装置の概略断面図を示す。
脱臭塔5は微生物を担持させるための充填材を充填した充填層6に散水するための散水部8と、散水するための循環ポンプ9と、循環水を貯留するための循環水槽7を備えている。
循環水槽7に微生物を含む活性汚泥等の種汚泥を添加し、循環水ポンプ9で散水部8から充填層6に対して循環散水する。同時に、悪臭物質を含む悪臭ガス1を脱臭塔5に導入し、悪臭成分を除去するための脱臭を開始する。
【0018】
図4は、本発明の温度の高い工程水を用いて悪臭ガスの温度を上げる方法に用いる装置の概略断面図を示す。
脱臭塔5は、微生物を担持させるための充填材を充填した充填層6と、充填層6に散水するための散水部8と、散水するための循環ポンプ9と、循環水を貯留するための循環水槽7を備えている点は、図1の装置と同じである。
また、ガス昇温部12は、工程水を散水するための散水部13と、散水するための散水ポンプ14と、工程水導入管15と、工程水戻り管16を備えている。循環水槽7に微生物を含む活性汚泥等の種汚泥を添加し、循環水ポンプ9で散水部8から充填層6に対して循環散水する。同時に悪臭物質を含む悪臭ガス1に対して散水部13から工程水を散水してガスの温度を上げたのち脱臭塔5に導入し、悪臭成分を除去するための脱臭を行う。
【0019】
上記の説明においては、我が国においてどちらかと言えば使用頻度の多い冬期の悪臭ガスの昇温について詳細に説明してきたが、地方によっては、夏期に微生物による悪臭物質の分解活性が失活する場合が多い40℃を越えることもある。このような場合には、悪臭ガスを、中に冷媒を通す多管式冷却管を備えた冷却室を通過させてガスの温度を降下させたり、スプレー塔をはじめとするスクラバーを通して冷却水滴や水膜と接触させてガス温を降下させたり、場合によっては冷却ガスで希釈してガス温を降下させるなど、処理する悪臭ガスの量、敷地条件等を考慮して適宜好適なガス温降下方法を選択すれば良い。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0021】
(参考例1)
図1に示す構造の実験装置を用いて実験した。
悪臭ガス中の悪臭物質濃度は硫化水素40〜150ppm、アンモニア5〜20ppmである。
実験条件は次のとおりである。
悪臭ガスの種類 :し尿処理から発生する高濃度臭気を有するガス
添加ガスの種類 :硝化槽からの曝気排ガス
悪臭ガス温度 :8〜13℃
添加ガス温度 :30〜32℃
混合ガス温度 :14.5〜16.0℃
処理風量 :2.4m3/min(悪臭ガス1.6m3/mim+
添加ガス0.8m3/min)
空塔速度 :360h-1
散水量(単位処理ガス量あたりの散水量):3リットル /m3
循環水のpH :1〜2
【0022】
循環水槽に汚泥濃度約12000mg/リットルの消化槽汚泥10リットルを投入後、循環水を連続的に散水しながら、温度14.5〜16.0℃の混合ガスを脱臭塔に連続的に通気した。通気開始7日目から硫化水素除去率は90%以上、アンモニア除去率99%以上となり、以後安定した除去率を示した。実験開始後1ヶ月目〜2ヶ月目までの悪臭物質除去性能を第1表に示す。
【0023】
(実施例1)
図2に示す構造の実験装置を用いて実験した。
悪臭ガスの悪臭物質濃度は、硫化水素40〜150ppm、アンモニア5〜20ppmである。この悪臭ガスをダクト内で分岐して、1.6m3/minで脱臭塔へ、0.8m3/minで曝気槽へそれぞれ導入した。
実験条件は次のとおりである。
悪臭ガスの種類 :し尿処理場から発生する高濃度臭気を有するガス
添加ガスの種類 :硝化槽からの曝気排ガス
悪臭ガス温度 :8〜13℃
曝気排ガス温度 :30〜32℃
混合ガス温度 :14.5〜16.0℃
処理風量 :2.4m3/min(悪臭ガス1.6m3/min+
曝気排ガス0.8m3/min)
空塔速度 :360h-1
散水量(単位処理ガス量あたりの散水量):3リットル /m3
循環水のpH :1〜2
【0024】
循環水槽に汚泥濃度約12000mg/リットルの硝化槽汚泥10リットルを投入後、循環水を連続的に散水しながら、温度14.5〜16.0℃の混合ガスを連続的に通気した。通気開始7日目から硫化水素除去率は90%以上、アンモニア除去率99%以上となり、以後安定した除去率を示した。実験開始後1ヶ月目〜2ヶ月目までの悪臭物質除去性能を第1表に示す。
【0025】
(比較例1)
図3に示す構造の実験装置を用いて実験した。参考例1で添加ガスとして用いた曝気排ガスを処理場内の空気に替え、その他の条件は参考例1と同様の条件で実験した。
実験条件は次のとおりである。
悪臭ガスの種類 :し尿処理場から発生する高濃度臭気を有するガス
添加ガスの種類 :処理場内の空気
悪臭ガス温度 :8〜13℃
添加ガス温度 :8〜13℃
混合ガス温度 :8〜13℃
処理風量 :2.4m3/min(悪臭ガス1.6m3/min+
添加ガス0.83/min)
空塔速度 :360h-1
散水量(単位処理ガス量あたりの散水量):3リットル /m3
循環水のpH :1〜2
【0026】
循環槽に汚泥濃度約12000mg/リットルの硝化槽汚泥10リットルを投入後、循環水を連続的に散水しながら、温度8〜13℃の混合ガスを連続的に通気した。実験開始後1ヶ月目〜2ヶ月目の悪臭物質除去性能は、第1表に示すとおり実施例1及び実施例2に比べて低かった。
【0027】
(比較例2)
図3に示す構造の実験装置を用いて実験した。悪臭ガスに他のガスを添加せずにそのまま脱臭塔に導入した。実験条件は次のとおりである。
【0028】
循環水槽に汚泥濃度約12000mg/リットルの硝化槽汚泥10リットルを投入後、循環水を連続的に散水しながら、温度8〜13℃の悪臭ガスを連続的に通気した。実験開始後1ヶ月目〜2ヶ月目の悪臭物質除去性能は、第1表に示すとおり参考例1及び実施例1に比べて低かった。
【0029】
【表1】
【0030】
(参考例2)
図4に示す構造の実験装置を用いて実験した。
悪臭ガス中の悪臭物質濃度は硫化水素40〜150ppm、アンモニア5〜20ppmである。
実験条件は次のとおりである。
悪臭ガスの種類 :し尿処理場から発生する高濃度臭気を有するガス
工程水の種類 :硝化槽の活性汚泥液
悪臭ガス温度 :8〜13℃
工程水温度 :33〜36℃
昇温後の悪臭ガス温度:15〜22℃
処理風量 :1.8m3/min
空塔速度 :240h-1
脱臭塔の散水量(単位処理ガス量あたりの散水量):3リットル /m3
昇温部の散水量(単位処理ガス量あたりの散水量):10リットル /m3
循環水のpH :1〜2
【0031】
循環水槽に汚泥濃度約12000mg/リットルの硝化槽汚泥10リットルを投入後、循環水を連続的に散水しながら、温度15〜22℃の混合ガスを連続的に通気した。通気開始7日目から硫化水素除去率は90%以上、アンモニア除去率99%以上となり、以後安定した除去率を示した。実験開始後1ヶ月目〜2ヶ月目までの悪臭物質除去性能を第2表に示す。
なお、図3に示すスクラバー装置を用いない従来の装置による比較例2の結果も、実施例3の効果を明示するために、第2表に併記する。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】
本発明の方法では、悪臭ガスを充填塔式生物脱臭装置に導入する前に、予め悪臭ガスに対して、悪臭ガスより温度の高いガスを任意の割合で添加・混合せしめて、又は悪臭ガスより温度の高い工程水を接触せしめて、悪臭ガスを昇温させ、被処理ガスを適正な温度に調整しておくことにより、悪臭ガスの温度が低下する冬期においても悪臭物質除去性能が低下せず、一年を通して安定した脱臭性能を維持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1の悪臭ガスより温度の高いガスを悪臭ガスに添加して悪臭ガスを昇温させる方法に用いる装置の概略断面図を示す。
【図2】 本発明の悪臭ガスの一部を水処理工程の曝気槽の曝気空気として利用し、温度の高い曝気排ガスを添加する方法に用いる装置の概略断面図を示す。
【図3】 従来法で用いている脱臭装置の概略断面図を示す。
【図4】 参考例2の悪臭ガスを温度の高い工程水と接触させて昇温させる方法に用いる装置の概略断面図を示す。
【符号の説明】
1 悪臭ガス
2 添加ガス
3 混合ガス
4 処理ガス
5 脱臭塔
6 充填層
7 循環水槽
8 散水部
9 循環ポンプ
10 水処理工程の曝気槽
11 曝気ブロア
12 ガス昇温部
13 散水部
14 散水ポンプ
15 工程水導入管
16 工程水戻り配管
Claims (2)
- 微生物を付着させた充填層に悪臭ガスを導入し水散布下で生物学的に脱臭する方法において、悪臭ガスの一部を曝気槽に導入して活性汚泥と混合して昇温させ、昇温後のガスと悪臭ガスの残部とを混合して、ガス温度を10℃以上40℃以下の温度にして、前記充填層を有する脱臭塔に導くことを特徴とする悪臭ガスの脱臭方法。
- 微生物を付着させた充填層に悪臭ガスを導入し水散布下で生物学的に脱臭する装置において、悪臭ガスの一部を槽内の活性汚泥と混合する曝気槽と、前記曝気槽からの排ガスを該悪臭ガスの残部と混合する配管と、前記配管と接続され前記混合したガスを水散布下で生物学的に脱臭する、前記充填層を有する脱臭塔を備えることを特徴とする悪臭ガスの脱臭装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32572999A JP3868168B2 (ja) | 1999-11-16 | 1999-11-16 | 悪臭ガスの脱臭方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32572999A JP3868168B2 (ja) | 1999-11-16 | 1999-11-16 | 悪臭ガスの脱臭方法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001137652A JP2001137652A (ja) | 2001-05-22 |
JP3868168B2 true JP3868168B2 (ja) | 2007-01-17 |
Family
ID=18180034
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32572999A Expired - Fee Related JP3868168B2 (ja) | 1999-11-16 | 1999-11-16 | 悪臭ガスの脱臭方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3868168B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006081953A (ja) * | 2004-09-14 | 2006-03-30 | Gunma Prefecture | 脱臭装置 |
KR100894038B1 (ko) | 2008-07-09 | 2009-04-22 | (주)세종이엔지 | 취기온(臭氣溫) 보정수단을 구비한 악취 탈취장치 |
JP5136508B2 (ja) * | 2009-04-22 | 2013-02-06 | パナソニック株式会社 | 生物脱臭装置 |
CN112426875A (zh) * | 2020-11-18 | 2021-03-02 | 常州大学 | 一种恶臭异味气体的处理装置及处理方法 |
-
1999
- 1999-11-16 JP JP32572999A patent/JP3868168B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001137652A (ja) | 2001-05-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101042489B1 (ko) | 친환경적 악취 및 휘발성 유기화합물 정화장치 | |
CN103623680B (zh) | 低温有机恶臭气体处理系统 | |
CN103638545B (zh) | 一种微生物除臭剂及其制备方法 | |
JP3868168B2 (ja) | 悪臭ガスの脱臭方法および装置 | |
KR100490800B1 (ko) | 퇴비 바이오필터 및 그를 이용한 악취가스의 제거방법 | |
JP3698356B2 (ja) | 生物脱臭方法及び装置 | |
KR100267632B1 (ko) | 생물학적 필터를 이용한 악취 및 휘발성 물질의 제거방법 | |
KR100749726B1 (ko) | 악취 탈취장치 | |
JPH0810792A (ja) | 厨芥含有汚水処理装置 | |
JPH02172519A (ja) | 悪臭ガスの脱臭方法及びその装置 | |
JPH05329326A (ja) | 微生物脱臭装置 | |
JP3447537B2 (ja) | 微生物脱臭装置および該装置の運転方法 | |
JPH10244247A (ja) | 有機性廃棄物の発酵方法および発酵装置 | |
JP2589040B2 (ja) | 生物脱臭方法 | |
JP3271552B2 (ja) | 生物脱臭方法 | |
JP4026256B2 (ja) | 生物脱臭装置の馴養方法 | |
CN217064922U (zh) | 用于有机物场域的除臭装置 | |
KR100500706B1 (ko) | 바이오필터를 이용한 악취가스 탈취방법 | |
JPH07155534A (ja) | 消臭装置 | |
KR100785048B1 (ko) | 이중 악취 탈취장치 | |
JP2006021192A (ja) | バイオガスの製造方法及びそれに用いられる装置 | |
JPH0749092B2 (ja) | バーミキュライト利用生物脱臭法 | |
JPH05115742A (ja) | 生物脱臭装置 | |
JPH07213851A (ja) | 生物脱臭方法 | |
JP2008239466A (ja) | 生物処理脱臭装置循環水を肥料に利用する方法と装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040831 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060324 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060712 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060906 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061004 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061010 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3868168 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020 Year of fee payment: 4 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131020 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |