JP3867484B2 - カメラユニット及び携帯電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズと撮像素子とを有し指紋撮影・照合機能を備えるカメラユニット及びこのカメラユニットを備える携帯電話等の携帯電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、カメラ機能の付いた携帯電話機が実用化されてきており、画像を送受信しながら電話の利用が可能となっている。かかる携帯電話機はカメラ機能としてレンズ及びCCD等の撮像素子を備え、液晶画面に撮影画像を表示しながらカメラ撮影が可能である。一方、携帯電話機は、電話番号や通信記録等の個人情報が記憶されているためにこれらの情報に対するセキュリティや他人の無断使用の禁止が要求される場合がある。また、電子スチルカメラにおいても同様に無断使用や撮影画像等に関しセキュリティが要求されることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、使用の制限及び記録情報の保護を簡単な構成で可能とするカメラユニット及び携帯電話機等の携帯電子機器を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるカメラユニットは、レンズ部と撮像素子とを有し、カメラ筐体内に収納可能であり移動させたときに使用者の指を当てることのできる指当て部材と、前記指当て部材に当てられた指の指紋を前記レンズ部と前記撮像素子とにより撮影し、その撮影画像に基づいて前記指紋が登録された指紋と同じであるか否かを照合する指紋照合部と、を具備し、前記指紋照合部で前記指紋が前記登録指紋と同じであるとされたときに制限機能が使用可能となることを特徴とする。
【0005】
このカメラユニットによれば、指当て部材に当てた指の指紋をカメラで撮影し、撮影された指紋を登録された指紋と照合することにより本人であるか否かの判断を行い、本人であると判断された場合に、例えば電源機能、カメラ撮影機能または撮影画像再生機能などの制限された機能が使用できるようになるから、簡単な構成で他人の無断使用を制限できるとともに撮影画像情報を保護することができる。
【0006】
この場合、前記指当て部材を移動させたときに前記レンズ部が連動し前記指当て部材に焦点が合うように構成されていることが好ましい。また、カメラ使用時にレンズ部が被写体側の別の方向に向いていいる場合、前記指当て部材を移動させたときに前記レンズ部が連動し前記指当て部材側を向くように構成されていることが好ましい。
【0007】
また、前記指当て部材の少なくとも指が当たる部分は光透過性板から構成されていることが好ましく、また、前記指当て部材の指が当たる部分に開口を形成してもよい。
【0008】
また、撮影画像を表示可能でありその表示向きが上下左右に可変である表示部を更に具備し、前記指当て部材を読み取り対象部の上に置いて前記読み取り対象部の画像を前記表示部に表示する際に前記表示向きを読み取り易いように変えることができるように構成することにより、本発明のカメラユニットを本や書類等の読み取りに応用でき、また拡大鏡として用いることができる。
【0009】
また、本発明による他のカメラユニットは、レンズ部と撮像素子と撮影画像を表示可能な表示部とを有し、カメラ筐体内に収納可能であり移動させたときに使用者の指を当てることのできる光透過性の指当て部材と、前記指当て部材に当てられた指の指紋を照明しながら前記レンズ部と前記撮像素子とにより撮影し、その撮影画像に基づいて前記指紋が登録された指紋と同じであるか否かを照合する指紋照合部と、を具備し、前記指紋照合部で前記指紋が前記登録指紋と同じであるとされたときに制限機能が使用可能となることを特徴とする。
【0010】
このカメラユニットによれば、指当て部材に当てた指の指紋をカメラで撮影し、撮影された指紋を登録された指紋と照合することにより本人であるか否かの判断を行い、本人であると判断された場合に、例えば電源機能、カメラ撮影機能または撮影画像再生機能などの制限された機能が使用できるようになるから、簡単な構成で他人の無断使用を制限できるとともに撮影画像情報を保護することができる。このとき、指紋の撮影を照明しながら行うので、撮影画像が鮮明となり一層精度よく指紋の画像を撮ることができる。
【0011】
この場合、前記表示部が移動可能なフロントライト部を有し、前記指当て部材に当てられた指の指紋を撮影する際に前記フロントライト部を移動させて前記指当て部材を照明するように構成することが好ましい。また、前記指当て部材を照明するための発光部と、前記光透過性の指当て部材に前記発光部からの光を導くライトガイドと、を更に具備することが好ましい。
【0012】
また、前記表示部の表示向きが上下左右に可変であり、前記指当て部材を読み取り対象部の上に置いて前記読み取り対象部の画像を前記表示部に表示する際に前記表示向きを読み取り易いように変えることができるように構成することにより、本発明のカメラユニットを本や書類等の読み取りに応用でき、また拡大鏡として用いることができる。このとき、読み取り対象部を照明することができるから、読み取りが楽になる。
【0013】
また、本発明による携帯電子機器は、レンズ部と撮像素子とを有しカメラ機能を備え、筐体に対して出し入れ可能であり移動させたときに使用者の指を当てることのできる指当て部材と、前記指当て部材に当てられた指の指紋を前記レンズ部と前記撮像素子とにより撮影し、その撮影画像に基づいて前記指紋が登録された指紋と同じであるか否かを照合する指紋照合部と、を具備し、前記指紋照合部で前記指紋が前記登録指紋と同じであるとされたときに制限機能が使用可能となることを特徴とする。
【0014】
この携帯電子機器によれば、指当て部材に当てた指の指紋をレンズ部と撮像素子とで撮影し、撮影された指紋を登録された指紋と照合することにより本人であるか否かの判断を行い、本人であると判断された場合に、例えば電源機能、カメラ撮影機能、撮影画像再生機能、通信機能、記録情報または決済機能などの制限された機能が使用できるようになるから、簡単な構成で他人の無断使用を制限できるとともに各種の情報を保護することができる。
【0015】
この場合、前記指当て部材を移動させたときに前記レンズ部が連動し前記指当て部材に焦点が合うように構成されていることが好ましい。また、前記指当て部材を移動させたときに前記レンズ部が連動し前記指当て部材側を向くように構成されていることが好ましい。
【0016】
また、前記指当て部材の少なくとも指が当たる部分は光透過性板から構成されていることが好ましく、また、前記指当て部材の指が当たる部分に開口を形成してもよい。
【0017】
また、撮影画像を表示可能でありその表示向きが上下左右に可変である表示部を更に具備し、前記指当て部材を読み取り対象部の上に置いて前記読み取り対象部の画像を前記表示部に表示する際に前記表示向きを読み取り易いように変えることができるように構成することにより、本発明の携帯電子機器を本や書類等の読み取りに応用でき、また拡大鏡として用いることができる。
【0018】
また、本発明による他の携帯電子機は、レンズ部と撮像素子と撮影画像を表示可能な表示部とを有しカメラ機能を備え、筐体内に収納可能であり移動させたときに使用者の指を当てることのできる光透過性の指当て部材と、前記指当て部材に当てられた指の指紋を照明しながら前記レンズ部と前記撮像素子とにより撮影し、その撮影画像に基づいて前記指紋が登録された指紋と同じであるか否かを照合する指紋照合部と、を具備し、前記指紋照合部で前記指紋が前記登録指紋と同じであるとされたときに制限機能が使用可能となることを特徴とする。
【0019】
この携帯電子機器によれば、指当て部材に当てた指の指紋をレンズ部と撮像素子とで撮影し、撮影された指紋を登録された指紋と照合することにより本人であるか否かの判断を行い、本人であると判断された場合に、例えば電源機能、カメラ撮影機能、撮影画像再生機能、通信機能、記録情報再生機能または決済機能などの制限された機能が使用できるようになるから、簡単な構成で他人の無断使用を制限できるとともに各種の情報を保護することができる。このとき、指紋の撮影を照明しながら行うので、撮影画像が鮮明となり一層精度よく指紋の画像を撮ることができる。
【0020】
この場合、前記表示部が移動可能なフロントライト部を有し、前記指当て部材に当てられた指の指紋を撮影する際に前記フロントライト部を移動させて前記指当て部材を照明するように構成することが好ましい。また、前記指当て部材を照明するための発光部と、前記光透過性の指当て部材に前記発光部からの光を導くライトガイドと、を具備することが好ましい。
【0021】
また、前記表示部の表示向きが上下左右に可変であり、前記指当て部材を読み取り対象部の上に置いて前記読み取り対象部の画像を前記表示部に表示する際に前記表示向きを読み取り易いように変えることができるように構成することにより、本発明の携帯電子機器を本や書類等の読み取りに応用でき、また拡大鏡として用いることができる。このとき、読み取り対象部を照明することができるから、読み取りが楽になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による第1,第2及び第3の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0023】
〈第1の実施の形態〉
【0024】
図1〜図4は第1の実施の形態のカメラ機能を有する携帯電話機を示す図であって、図1は携帯電話機の斜視図であり、図2は指当て部材を引き出した状態を示す携帯電話機の斜視図であり、図3は指当て部材とレンズ部との連動機構を概略的に示す斜視図(a)及びレンズ部の焦点合わせを説明するための図(b)、(c)であり、図4は携帯電話機の主要部分のブロック図である。
【0025】
図1,図2に示すように、携帯電子機器としての携帯電話機10は、筐体11の表面に設けられた各種画像情報を表示可能な液晶表示部12と、筐体11の上端面11aから突き出て回転可能でありカメラ機能を構成するレンズ部13と、筐体11の側面11bで筐体11内に収納可能でありかつ溝11cに沿ってスライドして引き出し可能であるとともに使用者の指を当てるための光透過性部材からなる指当て部材14とを備えている。
【0026】
図3に示すように、携帯電話機10の筐体11内には、指当て部材14の移動に連動してレンズ部13をカメラ撮影位置(図1)と指紋撮影位置(図2)との間を回動させかつレンズ部13が図2の指紋撮影位置にあるときにその焦点を指当て部材14に合わせるための連動機構が設けられている。この連動機構は、図3(a)のように、指当て部材14に連結されたカム棒17が係合するカム溝15aを周面に形成した回転カム部15を備え、回転カム部15は回転軸16によりレンズ部13に連結されている。指当て部材14を上下方向FまたはF’に移動させると、カム棒17のカム溝15aでの上下方向の移動により回転カム部15が回転軸16を中心に回動し、これによりレンズ部13が回転軸16を中心に回動方向RまたはR’に回動するようになっている。
【0027】
また、図3(b)、(c)に示すように、レンズ部13は、レンズ13a,13b,13c及び合焦センサ19を備え、レンズ13aと13bは保持鏡筒13dにより光軸p方向に一体に移動可能になっている。また、図3(c)に示すように、爪18がレンズ部13内で筐体11側に固定して配置されており、レンズ部13の移動時にレンズ13aと13bが一体に爪18によりレンズ13dに対し移動してレンズ部13が接写用になり、合焦センサ19で焦点が合ったことを確認できるようになっている。
【0028】
図4に示すように、携帯電話機10は、レンズ部13とともにカメラ機能を構成するCCD等からなる撮像素子20と、指当て部材14に指を当てたときに撮像素子20からの指紋の画像信号について所定の画像処理をする画像処理部21と、予め使用者本人の指紋を画像処理部21で画像処理してその指紋画像を登録のため記憶する登録指紋記録部23と、画像処理部21で画像処理した指紋画像と登録指紋記録部23に登録された使用者本人の指紋画像とが一致するか否かを判定する判定部22と、判定部22での判定において本人の指紋画像と一致したときに、制限されていた機能を解除するための制限解除指示部24とを備える。画像処理部21と判定部22とにより指紋照合部を構成している。
【0029】
また、図4の携帯電話機10は、撮像素子20からの画像信号を液晶表示部12に表示可能であるが、その表示の向きを上下左右に変える制御を行う液晶表示制御部25を備える。
【0030】
また、制限解除指示部24は、判定部22で本人の指紋画像であると判定したとき、電源スイッチ26のONを継続するようになっている。また、携帯電話機10の電源スイッチ26をOFFにした後(一定時間不使用のためにオートOFF機能でOFFとなった場合も含む)、ONにしたとき、判定部22で一定時間内に指紋の判定を行わない場合及び本人の指紋画像でないと判定した場合に、制限解除指示部24の指示により電源スイッチ26が自動的にOFFになるようになっている。なお、本人の指紋画像であると判定したとき制限解除指示部24の指示により、携帯電話機10のカメラ撮影機能、撮影画像再生機能、通信機能または記録情報再生機能が使用可能になるようにしてもよく、また電子取引の決済機能を使用できるようにしてもよい。
【0031】
以上の図1〜図4に示す携帯電話機10の使用について説明する。電源スイッチ26をONにし、筐体11の側面11bで指当て部材14を図2、図3の方向Fに引き出して移動させると、図3のように、指当て部材14に連結したカム棒17が方向Fに回転カム部15のカム溝15a内で移動し、この移動に伴い回転カム部15が回動方向Rに回動することにより、レンズ部13が回動し図1のカメラ撮影位置から図2の指紋撮影位置に移動するとともに、この回動中に爪18によりレンズ13aと13bとが移動してレンズ部13が指紋撮影のための接写撮影可能状態となる。この状態で図2の指当て部材14の円形状の凹部14aに指を当てると、自動的に撮影が行われ撮像素子20からの画像信号が画像処理部21で画像処理されてその指紋画像が登録指紋記憶部23に記憶された使用者本人のものと一致するか否かを判定部22で判定する。指紋画像が使用者本人のものと一致すると判定された場合には、制限解除指示部24の指示により、携帯電話機10をそのまま使用でき、また、指紋画像が使用者本人のものと一致しないと判定された場合には携帯電話機10の電源スイッチ26が自動的にOFFする。このようにして、携帯電話機10の他人による無断使用を防止でき、また、携帯電話機10に記憶された電話番号や通信記録等の個人情報やカメラ機能により撮影した撮影情報等のセキュリティを確保することができる。
【0032】
なお、上述の指紋照合が終了したら、指当て部材14を図2の方向F’にスライドさせると、レンズ部13は上述と逆の動作をして光軸pが図1の方向を向いてカメラ撮影位置に戻り、指当て部材14は筐体11内に収納される。
【0033】
次に、図5により、図1〜図4の携帯電話機10の使用に際しての応用例を説明する。図5の例は、携帯電話機10の側面11bを下にして、指当て部材14を読み難い本や新聞等の上に当てその文字を拡大して液晶表示部12に表示するようにしたものである。この際、液晶表示部12の表示向きは図4の液晶表示制御部25により使用者の読み易い表示向きに上下左右に変えることができる。これにより、図1〜図4の携帯電話機10の指紋照合機能を応用して拡大鏡として用いることができ、便利である。また、指当て部材14に向けて照明光を当てるようにすると、一層読み取り易くなり、好ましい。
【0034】
〈第2の実施の形態〉
【0035】
図6、図7は第2の実施の形態のカメラ機能を有する携帯電話機を示す図であって、図6は携帯電話機の斜視図(a)、指当て部材に指を当て指紋撮影を行う動作を示す携帯電話機の斜視図(b)及び指当て部材のカバーをスライドさせた状態を示す携帯電話機の斜視図(c)である。図7は図6の携帯電話機の合焦のための連動機構を概略的に示す斜視図である。また、図6,図7の携帯電話機の主要部分のブロック図は、図4と同様であるので、同一部分には同じ符号を付けてその説明を省略する。
【0036】
図6(a)〜(c)に示すように、携帯電子機器としての携帯電話機30は、カメラ機構を構成するレンズ部33を筐体31に内蔵している。筐体31の側面31bの上部には矩形状の孔部31aが設けられ、この孔31aに筐体31内でスライド可能に光透過性部材からなる指当て部材34が設けられている。
【0037】
図7に示すように、合焦のための連動機構は、指当て部材34の内面側の側部にカム部35を備え、カム部35にはカム溝35aが形成されている。カム溝35a内に係合したカム棒36は指当て部材34の上下方向F、F’への移動によりレンズ部33を前進方向m、後退方向m’へと移動させるようになっている。レンズ部33は指紋撮影時に前進方向mに合焦のために移動し、合焦センサ39で焦点が合ったことを確認できる。また、筐体31の側面31bの孔31aの上部にはリミットスイッチ38が設けられ、指当て部材34を孔31a内で上部にスライドさせたとき、指当て部材34の上端面34aが当接してリミットスイッチ38がONし指紋撮影が可能となるように構成されている。また、指当て部材34の内面には段部34bが形成され、筐体31側の係止部37と当接するようになっている。指紋画像が使用者本人のものと一致すると、係止部37は、図4の制限解除指示部24の指示に基づいて下方向F’に移動可能状態となり、指当て部材34が下方向F’に移動でき、カメラ部33によるカメラ撮影が可能となる。また、指紋画像が使用者本人のものと一致しないと、係止部37は下方向F’に移動できない状態となり、指当て部材34が段部34bで係止部37に当接し、下方向F’に移動できずにカメラ部33によるカメラ撮影ができないようになっている。
【0038】
図6、図7の携帯電話機30の使用について説明する。筐体31の側面31bの指当て部材34を図7のように上方に方向Fにスライドさせると、カム溝35a内のカム棒36がレンズ部33を方向mに前進させ、指当て部材34に焦点が合うとともに、上端面34aがリミットスイッチ38に当接すると、指紋撮影が可能の状態となる。この状態で、図6(b)のように指Gを指当て部材34の当てることにより、指紋撮影が行われ、図4で説明したように、指紋画像が使用者本人のものと一致すると判定された場合には、制限解除指示部24の指示により、携帯電話機30を使用でき、同時に係止部37のストッパ機能を解除し指当て部材34が筐体31内に収納され、レンズ部33によるカメラ撮影が可能となる。また、指紋画像が使用者本人のものと一致しないと判定された場合には携帯電話機30の通信機能や情報再生機能や電子取引の決済機能等の使用ができなくなり、同時に係止部37のストッパ機能が解除されないので、指当て部材34が移動できずにレンズ部33によるカメラ撮影ができない。このようにして、携帯電話機10の他人による無断使用を防止でき、また、携帯電話機10に記憶された電話番号や通信記録等の個人情報やカメラ機能により撮影した撮影情報等のセキュリティを確保することができる。この場合、図6(d)のように、指紋の照明のために、液晶表示部12を照明する発光素子48から光をライトガイド49により指当て部材34に導くようにしてもよい。
【0039】
〈第3の実施の形態〉
【0040】
図8、図9及び図10は第3の実施の形態のカメラ機能を有する携帯電話機を示す図であって、図8は携帯電話機の斜視図であり、図9は指紋撮影を行う状態の携帯電話機の斜視図であり、図10はフロントライト部の構成を示す要部斜視図である。図8,図9の携帯電話機の主要部分のブロック図は、図4と同様であるので、同一部分には同じ符号を付けてその説明を省略する。
【0041】
図8,図9に示すように、携帯電子機器としての携帯電話機40は、液晶表示部12の周囲に液晶表示部12を照明するために中央に矩形状の開口を持つフロントライト部12aが配置されており、フロントライト部12aの前面には光透過性部材からなるカバー部材12bが貼り付けられている。筐体41の上部には段部42が形成され、段部42の上方の平面部41aにはカメラ機能を構成するレンズ部43が設けられている。フロントライト部12aはカバー部材12bとともに図8の方向fにスライドし図9のように段部42から突き出てレンズ部43の上方に位置するようになっている。レンズ部43はフロントライト部12aの移動とともにカバー部材12bに焦点が合い、指を当てたときに指に焦点が合うようになっている。
【0042】
図10に示すように、フロントライト部12aの開口両側の端面12c側にライトガイド45が設けられており、端面12dに対向して発光素子44が配置されている。発光素子44からの光が端面12dから入射すると、ライトガイド35にガイドされて開口両側端面12cから光が出射してフロントライト部12aの開口内を照明する。
【0043】
図9のようにフロントライト部12a及びカバー部材12bが引き出された状態で、カバー部材12bに指を当てて指紋撮影を行う際にフロントライト部12aからの照明光により指を照明するので、撮影画像がより鮮明になり指紋の読み取り精度が一層向上し、好ましい。図8,図9に示す携帯電話機40によれば、上述の携帯電話機10,30と同様の効果を得ることができ、携帯電話機40の他人による無断使用を防止でき、また、携帯電話機40に記憶された電話番号や通信記録等の個人情報やカメラ機能により撮影した撮影情報等のセキュリティを確保することができる。
【0044】
以上のように本発明を実施の形態により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、本実施の形態では携帯電話機により説明したが、レンズ部と撮像素子とを備えたカメラユニットであってもよく、携帯電話機の場合と同様の効果を得ることができる。また、携帯電子機器は、携帯電話機に限定されず他の機器であってもよく、例えばカメラ機能を備えた携帯電子手帳であってもよい。
【0045】
また、登録指紋は次のような記憶手段に登録することができる。(1)本体内のメモリ、(2)本体に着脱可能なメモリ、(3)ネットワーク上のサーバ(通信により登録し、確認する)。(3)の場合、通信圏外のときには、決済機能以外の制限を解除等することにより、認証による制限解除のレベルを変えるようにしてもよい。
【0046】
また、指紋検出機能の応用例として、(1)拡大鏡としての利用(図5参照)、(2)パターン解析機能を備えることにより、新聞や書籍等の文字の取り込みや読み上げ等の機能を付加する、等が考えられ、本発明の応用が可能である。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、他人の無断な使用を制限しかつ記録された情報を保護することが簡単な構成で可能となるカメラユニット及び携帯電話機等の携帯電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による携帯電話機の斜視図である。
【図2】図1において指当て部材を引き出した状態を示す携帯電話機の斜視図である。
【図3】図1の携帯電話機における指当て部材とレンズ部との連動機構を概略的に示す斜視図(a)、レンズ部の構成を示す図(b)及びレンズ部の焦点合わせを説明するための図(c)である。
【図4】図1の携帯電話機の主要部分のブロック図である。
【図5】図1の携帯電話機の他の使用応用例を示す斜視図である。
【図6】第2の実施の形態による携帯電話機の斜視図(a)、指当て部材に指を当て指紋撮影を行う動作を示す携帯電話機の斜視図(b)及び指当て部材のカバーをスライドさせた状態を示す携帯電話機の斜視図(c)である。
【図7】図6の携帯電話機の焦点合わせのための連動機構を概略的に示す斜視図である。
【図8】第3の実施の形態の携帯電話機の斜視図である。
【図9】指紋撮影を行う状態である図8の携帯電話機の斜視図である。
【図10】図8のフロントライト部の構成を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
10,30,40 携帯電話機(携帯電子機器)
11,31,41 筐体
12 液晶表示部
12a フロントライト部
12b カバー部材(指当て部材)
13,33,43 レンズ部
14,34 指当て部材
15 回転カム部
20 撮像素子、CCD
21 画像処理部(指紋照合部)
22 判定部(指紋照合部)
24 制限解除指示部
26 電源スイッチ
35 カム部

Claims (22)

  1. レンズ部と撮像素子とを有するカメラユニットであって、
    カメラ筐体内に収納可能であり移動させたときに使用者の指を当てることのできる指当て部材と、
    前記指当て部材に当てられた指の指紋を前記レンズ部と前記撮像素子とにより撮影し、その撮影画像に基づいて前記指紋が登録された指紋と同じであるか否かを照合する指紋照合部と、を具備し、
    前記指紋照合部で前記指紋が前記登録指紋と同じであるとされたときに制限機能が使用可能となることを特徴とするカメラユニット。
  2. 前記指当て部材を移動させたときに前記レンズ部が連動し前記指当て部材に焦点が合うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラユニット。
  3. 前記指当て部材を移動させたときに前記レンズ部が連動し前記指当て部材側を向くように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のカメラユニット。
  4. 前記指当て部材の少なくとも指が当たる部分は光透過性板から構成されていることを特徴とする請求項1,2または3に記載のカメラユニット。
  5. 前記指当て部材の指が当たる部分に開口を形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカメラユニット。
  6. 前記制限機能が電源機能、カメラ撮影機能または撮影画像再生機能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカメラユニット。
  7. 撮影画像を表示可能でありその表示向きが上下左右に可変である表示部を更に具備し、前記指当て部材を読み取り対象部の上に置いて前記読み取り対象部の画像を前記表示部に表示する際に前記表示向きを読み取り易いように変えることができるように構成したことを特徴とするた請求項1〜6のいずれか1項に記載のカメラユニット。
  8. レンズ部と撮像素子と撮影画像を表示可能な表示部とを有するカメラユニットであって、
    カメラ筐体内に収納可能であり移動させたときに使用者の指を当てることのできる光透過性の指当て部材と、
    前記指当て部材に当てられた指の指紋を照明しながら前記レンズ部と前記撮像素子とにより撮影し、その撮影画像に基づいて前記指紋が登録された指紋と同じであるか否かを照合する指紋照合部と、を具備し、
    前記指紋照合部で前記指紋が前記登録指紋と同じであるとされたときに制限機能が使用可能となることを特徴とするカメラユニット。
  9. 前記表示部が移動可能なフロントライト部を有し、
    前記指当て部材に当てられた指の指紋を撮影する際に前記フロントライト部を移動させて前記指当て部材を照明するように構成したことを特徴とする請求項8に記載のカメラユニット。
  10. 前記指当て部材を照明するための発光部と、前記指当て部材に前記発光部からの光を導くライトガイドと、を具備することを特徴とする請求項8または9に記載のカメラユニット。
  11. 前記表示部の表示向きが上下左右に可変であり、前記指当て部材を読み取り対象部の上に置いて前記読み取り対象部の画像を前記表示部に表示する際に前記表示向きを読み取り易いように変えることができるように構成したことを特徴とするた請求項8,9または10に記載のカメラユニット。
  12. レンズ部と撮像素子とを有しカメラ機能を備える携帯電子機器であって、
    筐体内に収納可能であり移動させたときに使用者の指を当てることのできる指当て部材と、
    前記指当て部材に当てられた指の指紋を前記レンズ部と前記撮像素子とにより撮影し、その撮影画像に基づいて前記指紋が登録された指紋と同じであるか否かを照合する指紋照合部と、を具備し、
    前記指紋照合部で前記指紋が前記登録指紋と同じであるとされたときに制限機能が使用可能となることを特徴とする携帯電子機器。
  13. 前記指当て部材を移動させたときに前記レンズ部が連動し前記指当て部材に焦点が合うように構成されていることを特徴とする請求項12に記載の携帯電子機器。
  14. 前記指当て部材を移動させたときに前記レンズ部が連動し前記指当て部材側を向くように構成されていることを特徴とする請求項12または13に記載の携帯電子機器カメラユニット。
  15. 前記指当て部材の少なくとも指が当たる部分は光透過性板から構成されていることを特徴とする請求項12,13または14に記載の携帯電子機器。
  16. 前記指当て部材の指が当たる部分に開口を形成したことを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
  17. 前記制限機能が電源機能、カメラ撮影機能、撮影画像再生機能、通信機能、記録情報再生機能または決済機能であることを特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
  18. 撮影画像を表示可能でありその表示向きが上下左右に可変である表示部を更に具備し、前記指当て部材を読み取り対象部の上に置いて前記読み取り対象部の画像を前記表示部に表示する際に前記表示向きを読み取り易いように変えることができるように構成したことを特徴とするた請求項12〜17のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
  19. レンズ部と撮像素子と撮影画像を表示可能な表示部とを有しカメラ機能を備える携帯電子機器であって、
    筐体内に収納可能であり移動させたときに使用者の指を当てることのできる光透過性の指当て部材と、
    前記指当て部材に当てられた指の指紋を照明しながら前記レンズ部と前記撮像素子とにより撮影し、その撮影画像に基づいて前記指紋が登録された指紋と同じであるか否かを照合する指紋照合部と、を具備し、
    前記指紋照合部で前記指紋が前記登録指紋と同じであるとされたときに制限機能が使用可能となることを特徴とする携帯電子機器。
  20. 前記表示部が移動可能なフロントライト部を有し、
    前記指当て部材に当てられた指の指紋を撮影する際に前記フロントライト部を移動させて前記指当て部材を照明するように構成したことを特徴とする請求項19に記載の携帯電子機器。
  21. 前記指当て部材を照明するための発光部と、前記指当て部材に前記発光部からの光を導くライトガイドと、を具備することを特徴とする請求項19または20に記載の携帯電子機器。
  22. 前記表示部の表示向きが上下左右に可変であり、前記指当て部材を読み取り対象部の上に置いて前記読み取り対象部の画像を前記表示部に表示する際に前記表示向きを読み取り易いように変えることができるように構成したことを特徴とするた請求項19,20または21に記載の携帯電子機器。
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