JP3866890B2 - 磁気ヘッド支持装置とディスク装置 - Google Patents

磁気ヘッド支持装置とディスク装置 Download PDF

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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気ディスク装置のヘッド支持機構部に係り、特に、そのアーム部分にICチツプチップを実装したヘッド支持装置とそれを用いた磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁気ディスク装置では、転送速度を向上させるとリード・ライト信号を制御するリード・ライト用のICから磁気リード・ライト・ヘッドまでの配線でインピーダンスの低下が発生する。インピーダンスの低下が発生すると、信号にひずみが生じて磁気ディスクの読み書きが正確に行えない。そこで、磁気リード・ライト・ヘッドと信号を増幅するためのリード・ライト用のICを磁気ヘッドにできるだけ近づけて実装することが必要とされている。
【0003】
そこで、特開平3−187295号公報には、リード・ライト用のICを、磁気ヘッドを支持するアーム部分に直接実装する構成が開示されている。
【0004】
この構成では、ヘッドを支持するアーム部分(サスペンシヨン)に放熱フィンを形成し、それにより、リード・ライト用のICの放熱を行うようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
磁気ヘッドを支持するアーム部分は、高速なシークを行うためには質量を軽くし、慣性モーメントを小さくする必要がある。更に、正確に磁気なヘッドの位置決めを行なうのために、アーム部分は適度な剛性を必要とし、かつ対振動特性がよくなければならない。このため磁気ヘッドを支持するアーム部分に実装するリード・ライト用のICもまた小型・で軽量のもを用いる必要がある。一方、磁気ヘッドも小型化する必要があり、特に情報の書き込みの際には、大きな電力を供給する必要がある。結果的に、磁気ヘッドを支持するアームに実装するリード・ライト用のICは小さな体積で大電力を消費するので、IC自体の温度が非常に高温となり熱破壊が起こる可能性がある。従って、ICの放熱が必要となる。
【0006】
リード・ライト用のICの放熱を、ヘッドを支持するアーム部分に設けた放熱フインで行なわせる構成の場合には、以下に示す問題点がある。
【0007】
まず、ヘッドを支持するアーム部分は、小型軽量を目指して設計されるので、アーム部分に直接放熱を行うと、アーム自体が熱膨張により変形し、ヘツドヘッドの姿勢角が変化し位置決め精度が悪化する。従って、アームの熱膨張が無視できるアーム根元付近にICを実装することになるが、これでは当初の目的であるリード・ライト用のICと磁気ヘッドの間の配線を短くするうえで限界がある。
【0008】
以上、従来のリード・ライト用のICの放熱を、磁気ヘッドを支持するアーム部分に設けた放熱フィンで行なわせる方法では、アーム自体の熱膨張による変形で磁気ヘッドの位置決め精度が悪化する点が問題がである。
【0009】
そこで本発明の目的は、ヘッドを支持するアーム部分にリード・ライト用のICを搭載し、リード・ライト用のICの放熱を行い、アーム自体の熱膨張が起こらない構成で、しかも簡単に実装できるヘッド支持装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、ヘッド支持装置を構成する、リード・ライト用のICチップを断熱基板上に取付け、前記断熱基板をサスペンション上に取付け、前記ICチップの断熱基板側と反対側の面に放熱板を設けた構成とした。
【0011】
前記放熱板は、前記放熱板に折り曲げ部を設け、前記折り曲げ部は、磁気ディスク円板の回転に引きずられた空気の流れが放熱板と衝突する上流側を下流側に比べて長くすることによって、ディスク回転に伴う風乱を発生しないように構成した。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例実施例を、図1と図2を用いて詳細に説明する。図1は本発明のヘッド支持装置の構成を説明する図である。図2は図1のICチップ挿入部分の断面図である。
【0013】
図1に示されるように、本実施例のヘッド支持装置の基本構成は、磁気ディスク装置側に設けられる駆動軸に挿入固定される中空円筒状の回転軸1と、回転輔軸1に取り付けられたベースアーム2と、ベースアーム2に締結手段9により取付けられたアームサスペンション3とからなる。このアームサスペンション3には、先端側に磁気ディスク円板上に惰報を記録・再生するリード・ライト用の磁気ヘッド5を設けたスライダを支えるジンバル3aがある。本実施例では、配線用フレキシブルプリント基板4(以後FPC4と略称する)に磁気ヘッド5を設けたスライダが取付けられており、FPC4により磁気ヘッド5はヘッド支持装置外部と配線される。
【0014】
なお、スライダは、FPC4に直接取付けるのではなく、サスペンション3に設けられた、サスペンション3よりも弾性の小さなジンバル5aに取付けてもよい。又、スライダをサスペンション3に直接設ける構成でもよい。上記2つの場合には、磁気ヘッド5とFPC4の間の配線は、FPC4の配線パターンに直接行わなくともよく、他の配線手段によってもよい。更に、本実施例では回転軸1とベースアーム2とサスペンション3と、スライダを含めてヘッド支持装置と称しているいるが、図1中の後述するヘッドジンバルアセンブリーと称している部分をヘッド支持装置とする場合もある。また、ベースアーム2からスライダまで含んだ部分をヘッド支持装置とする場合もある。なお本実施例でアーム部分とは、回転軸1とベースアーム2を指しているが、回転軸1を含まなくともよい。
【0015】
ヘッド5の信号端子には、リード・ライト信号等を伝送するFPC4の配線に接続されている。このFPC4には、ヘッド信号等を制御するためのICチップ7が接続されている。ICチップ7には放熱板8が設けてある。なお、FPC4で所定の弾性力を与えることができれば、図1に示すように、FPC4にスライダを取付ける構成としても良いことは言うまでもない。また、サスペンション3のベースアーム2側には、補強のためのベースロードビーム6が設けられている。このベースロードビーム6もサスペンション3だけで十分な剛性が得られれば設けなくともよい。
【0016】
本実施例では、ICチップ7は、断熱性を有するFPCに接着等により取付けられている。
【0017】
図1において、サスペンション3〜締結手段9を紬み組み立てた状態の図を図面の下側に、分解した状態を図面の上側に示している。3〜9を組み立てたものをヘッドジンバルアセンブリーと称するする。また、前記ヘッドジンバルアセンブリーをベースアーム2に取付けたものをヘッドスタックアセンブリーと称する。従って、上下2枚の磁気ディスク間に挟まれた部分に挿入されるヘッドスタックアセンブリーには、上側の磁気ディスク用と下側の磁気ディスク用の、2組のヘッドジンバルアセンブリーが設けられる場合がある。
【0018】
回転軸1は図示していない、外部からの動力によリヘッドスタックアセンブリーを回転し、磁気ディスク上の目的のトラックへ磁気ヘッド5を移動させる。
【0019】
ベースアーム2は、使用する磁気ディスクの枚数に合わせて複数個が回転軸1に接合、あるいは回転軸1と一体で整形される。ベースアーム2には2枚の磁気ディスク間に位置する場合、二組のヘッドジンバルアセンブリーが締結手段9で取付けられている。、一つのベースアーム2を挟む2枚の磁気ディスクに対して、それぞれのヘッドジンバルアッセンブリーが備えるヘッド5が、ベースアーム2の取付け面側を向いた面の情報の読み書きを行なう。ただし、同一回転軸上に積層された磁気ディスクの両端の面に対して、読み書きを行う磁気ヘッド5を備えたベースアーム2においてはヘッドジンバルアセンブリーは、磁気ディスク側の1組だけあればよい。また可能であれば、ヘッドジンバルアセンブリーを直接アームの回転軸1に接合してベースアーム2を省略してもよい。
【0020】
図9に本発明の他の実施例を示す。
【0021】
図9に示すように、サスペンション3を、回転軸1の挿入穴の部分まで伸ばして形成し、回転軸1にはスペーサ51を介してこれらサスペンション3を積層する構成とすることも可能である。本実施例の場合は、ロードビームを設けておらず、部品点数が少なくて済むという効果がある。その他の取付けは図1の場合と略同様である。
【0022】
サスペンション3は、磁気ヘッド5の磁気ディスクからの浮上量を一定に保ちながら、目的とするトラックから磁気ヘッド5がずれないようにする機構を備えた部分である。ベースロードビーム6はサスペンション3の剛性を高めるための補強部材である。サスペンション3とベースロードビーム6は一体で形成してもよいし、必要に応じてサスペンション3を複数の部品から構成してもよい。図1に示すように、サスペンション3のベースアーム2への取付け側には、切り欠き部50を設けてある。これは、磁気ヘッド5を備えたスライダを、磁気ディスク面側に押し付ける力を発生する弾性力を持たせるために設けたものである。なお、ベースロードビーム6は必ず設ける必要はない。
【0023】
FPC4は、ヘッド5とICチップ7と接続する共に、更に外部との電気配線を行うためのものである。本実施例では、ICチップ7は、FPC4上に直接実装しているが、磁気ヘッド5とICチップ7の配線は、FPC4からリード線を出して配線しても良い。また、本実施例ににおいては、配線パターンのある基板としてICチップ7の実装のために柔軟なフレキシブルプリント基板4を使用している。しかし、特に柔軟でなくてもよい場合は、配線パターンのある基板はICチップ7と外部あるいは磁気ヘッド5との間の配線ができICチップを固定できるものであればよい。
【0024】
ICチップ7は、磁気ヘッド5に必要な電気信号の増幅を行う半導体電子回路が内部に形成されたもので、いずれか1つの外面内に配線用端子を持ち、これと対向する面を放熱用の面として形成する。但し、ICチップ7は、磁気ヘッド5に必要な電気信号の増幅を行う以外の目的のものでもよい。例えば、振動アクチュエータ駆動用のドライブ回路などの目的のICチップであってもよく、この場合ときはICチップ7と磁気ヘッド5とを配線する必要はない。
【0025】
次に、ヘッドジンバルアセンブリーの組み立て方について、図2を使って詳細に説明する。
【0026】
まず、FPC4の上に形成された導電導電パターン25の、所定の個所にICチップ7の端子部分24を半田付けなどで接合し、電子回路部分の配線を行う。次に、半田レジストなどの絶縁膜26で、ICチップ7及びFPC4の導電パターン25部分を被服し配線間の絶縁を確保する。
【0027】
続いて、予めスポット溶接又は接着剤でサスペンション3とベースロードビーム6とを接合する。そして、そのサスペンション3側に接着剤21などにより、ICチップ7の実装された配線用フレキシブルプリント基板(FPC4)を固定する。この時に、サスペンション3とFPC4の間には、隙間が開くように接着剤21は厚みを持つようにし、サスペンション3とFPC4との間に、空気が流通できるように全面は接着しないで部分的に接着する。
【0028】
また、サスペンション3とベースロードビーム6には、それぞれを接合したときに貫通する穴を(切り欠き)開けておき、ICチップ7の実装されたFPC4を固定したときに、この穴からICチップ7を突出させる。なおことき、ICチップ7の側面がサスペンション3とベースロードビーム6に触れないようにする。更に、ICチップ7の端子部分24がある側と反対側の面が、ベースロードビーム6よりから出っ張るように、サスペンション3とベースロードビーム6を接合したときの厚さを決める。
【0029】
最後に、銀ペーストなどの熱伝導性の良い接着剤23を、ICチップ7の端子部分24がある側と反対側の面全体面に塗布し、放熱板8を接着する。この際、強度が不足するような場合は、必要に応じて放熱板8とベースロードビーム6の間を断熱性で電気絶縁性の接着剤22で部分的に接着する。放熱板8とベースロードビーム6を接着する時には、前述のFPC4とサスペンション3とを接着する時と同様に、接着剤22に厚みを持たせて部分的に接着する。これにより、ベースロードビーム6と放熱板8の間に空気の流路ができ、所望の放熱効果を得ることができる。放熱板8をサスペンション3に接触しないようしていること、及びICチップ7自体もサスペンション3に直接接触しないようにしているため、サスペンション3への伝熱が防止できる。また、サスペンション3とベースロードビーム6とFPC4と放熱板8とに囲まれた空間が外部と連通するので、この空間で空気が熱膨張しても、それぞれの接着個所及び部材を破損することがない。
【0030】
前述ように、ICチップ7で発生した熱は、サスペンション3や及びベースロードビーム6には伝達しにくくなるので、サスペンション3や及びベースロードビーム6の熱変形を防ぐことができる。
【0031】
以上の説明で、サスペンション3とベースロードビーム6の位置関係は入れ替わっても良い。入れ替わった時には、FPC4はベースロードビーム6へ、放熱板8はサスペンション3側の面へ接着することになる。
【0032】
放熱板8は、アルミニュームなどの軽量で熱伝導性の良い材料の薄板を用いて作られる。放熱板8は、単純な平板でICチップ7の端子部分24がある側と反対側の面の面積より大きければ良い。このときの空気への放熱量は、ほぼ放熱板8の面積に比例して大きくなる。
【0033】
また、図2に示すように、ベースロードビーム6を囲むように平板を折り曲げて形成したほうが放熱性の他、ディスク回転に伴う風乱を防止できる。この時、折り曲げの角は図2に示すように、外側に開いた形になるようにする。このように構成することで、放熱板8の剛性が増し、ヘッドジンバルアセンブリー全体での剛性にも寄与することができる。さらに、折り曲げた部分の長さdは、円板の回転に伴って発生する空気の流れが放熱板8と衝突する上流側をできるだけ長くする。このように構成することにより、磁気ディスクが回転しているときの空気の摩擦力を減少させることができる。空気の摩擦力による磁気ディスク装置の電力損失のうち、平均で5%程度が削減できることが実験でわかっている。また、数値解析から空気の流れが放熱板8と衝突する上流側での空気の流速は、反対側の流速の2倍以上あるので、熱伝達率も1.4倍になり放熱効果の面から、上流側の折り曲げた部分をできるだけ長くすることが有利となる。
【0034】
次に、本発明の他の実施例を、図3を用いて説明する。図3は本発明の磁気ディスク装置で、2枚の磁気ディスク円板間のアーム部分でのICチップ挿入部分の断面図である。
【0035】
図3で磁気ディスク10aと10bの間に、ヘッドジンバルアセンブリー31と32、又は33と34が配置されている。図3(a)は先の図1で説明した構成である。すなわち、FPC4側が磁気ディスク円板10a、10bに対向して設けられている。図3(b)は(a)の構成とは逆に放熱板8側が磁気ディスク円板10a、10bに対向して設けられている。基本的には図3(a)と(b)のどちらの構成でも前述の効果が得られる。
【0036】
特に、図3(a)はヘッドジンバルアセンブリー31とヘッドジンバルアセンブリー32の間隔が、ヘッドジンバルアセンブリー31と磁気ディスク10aの間隔、及びヘッドジンバルアセンブリー32と磁気ディスク10bの間隔に比べて広いときに効果が大きい。
【0037】
逆に、図3(b)では、ヘッドジンバルアセンブリー33とヘッドジンバルアセンブリー34の間隔がヘッドジンバルアセンブリー33と磁気ディスク10aの間隔、及びヘッドジンバルアセンブリー34と磁気ディスク10bの間隔に比べて狭いときに効果が大きくなる。この理由は、放熱板8の付近を流れる空気量が大きいときに、効果的に放熱が大きくなるためである。
【0038】
本発明の他の実施例を、図4を用いて説明する。図4(c)は本発明の放熱板の形態を示す図であり、図4(a)と(b)とは磁気ディスク回転軸方向に見たときの平面図である。
【0039】
この図で、磁気ディスク回転円板10は回転軸11に取り付けられ矢印の回転方向(本図では反時計回り)に回転している。本実施例では放熱板8が図のように放熱板の折り曲げ部分8a、8bの一部を、対角の位置関係で切除した形状とした。他の部分の構成は、先に説明した、図1〜3を使って説明した実施例の構成と同じである。
【0040】
まず、図4(a)では、磁気ディスク円板10の回転方向に対して、負の迎角でアームが挿入される構成を示している。このとき、磁気ディスク円板間の空気の流れは、アームの挿入により矢印42のようになり、放熱板8の周りで見ると空気の静圧は放熱板折り曲げ部8aで高圧、放熱板折り曲げ部8bで低圧となる。このとき、図のように放熱板折り曲げ部8aの空気のが流入する側の一部が切除されている。放熱板折り曲げ部8bの空気のが流出する側の一部が切除されていると、放熱板8の内側のにあるICチップ7の周りには、矢印41のような空気の流れが起こる。この空気の流れにより、さらに更にICチップ7が冷却されるという効果がある。
【0041】
逆に、図4(b)には、磁気ディスク円板10の回転方向に対して正の迎角でアームが挿入される構成を示している。このとき、磁気ディスク円板間の空気の流れは、図4(a)とは異なり、矢印42に示すようにアームに沿ってディスクの外側に流れる方向であるため、ICチップ上を矢印41のように流れるように、切り欠きを設けたものである。
【0042】
本発明の他の実施例を、図5を用いて説明する。図5は本発明の磁気ディスク装置でのアーム部分のICチップが挿入されたアーム部分部分での断面図である。
【0043】
本実施例では、基本的な構成は図2で説明したものと同じである。本実施例において、ICチップ7はベースロードビーム6よりもさらにヘッド5に近い部分に実装する。このとき、図5に示すようにサスペンション3の両側を折り曲げフランジ3aを形成する。放熱板8とサスペンション3との接合は、このフランジ3aの先端部で断熱性・で電気絶縁性の接着剤22により行う。このとき、図5の図面の奥行き方向には空気の流通は自由であるので、特に図2で説明した隙間を設ける必要はない。以上により、ICチップ7は十分な放熱を行いながら、より磁気ヘッド5に近い部分に実装できる。また、サスペンション3を放熱板8の補助支持に用いるため、先に説明した実施例に比べ部品定数を減らすことができる効果もある。
【0044】
本発明の他の実施例を、図6、7、8を用いて説明する。図6は本発明のIC実装基板のICチップが挿入されたアーム部分の断面図である。図7は本発明のIC実装基板の斜視図である。図8は本発明のIC実装基板をサスペンション部分に接合したときのICチップが挿入されたアーム部分の断面図である。
【0045】
本実施例と先の実施例との大きな違いは、本実施例ではサスペンション3に開口部を設けずに、直接ICチップを搭載したFPCを取付けた構成としたものである。この場合、FPCの断熱性が悪い場合は、ICチップ搭載部に断熱性部材を設ける構成としてもよいし、ICチップを断熱性部材に取付け、FPCはICチップ部でヘッド側と回転軸側に分割した構成としてもよい。他の部分は図6等の構成と同じでよい。
【0046】
まず、FPC4上に形成された導電パターン25の所定の個所にICチップ7の端子部分24を半田付けなどで接合し、電子回路部分の配線を行う。次に、半田レジストなどの絶縁膜26で、ICチップ7及びFPC4の導電パターン25部分を被服し配線間の絶縁を確保する。さらに銀ペーストなどの熱伝導性の良い接着剤23を用いて、ICチップ7の端子部分24がある側と反対側の全面に接着剤23を塗布し、放熱板8を接着する。上記のようにすることによりIC実装基板61を独立した部品として製作する。
【0047】
また、図6と図7に示されるように、放熱板8の固定が銀ペーストなどの熱伝導性の良い接着剤23による接着だけでは不充分な場合は、放熱板8の一部に折り曲げ部8aを設け、これをFPC4に締結手段62で接合する。締結手段62は接着剤を用いてもよいし、FPC4に空けた穴に放熱板8の折り曲げ部8aを差し込んでかしめてもよい。また、折り曲げ部8aの代わりに、他の部材を挿入し、放熱板とFPC4との間に隙間を形成しながら締結してもよい。また、固定力が締結手段62だけで十分な場合は、接着剤23を介在させずに、直接放熱板をICチップに接触させて締結したほうがよい。このように構成すると、放熱板が直接ICチップに接触するため放熱性を向上させることができる。
【0048】
次に、図8に示すように、このIC実装基板61をサスペンション3へ接着剤などの結合手段22により接着する。
【0049】
上述のIC実装基板61は、平板上に並べて、通常のプリント基板実装方法で一度に複数組を製作することができるので大量生産が可能となる。
【0050】
なお、前述までは、FPC上にICチップを取付けることで説明したが、先にも述べたように、断熱部材上にICチップを載せる構成でもよく、ICチップの発熱量が小さい場合は、ICチップに放熱板を設けずに、図1のようにサスペンション接触しない構成や、ICチップを断熱基板上に設け、それをサスペンションに取付ける等の断熱を十分取るように構成するだけでもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明により、ICチップを磁気ヘッドに近いサスペンション部に配置しても、ICチップの発熱によるサスペンションの熱変形を抑制できる。従って、熱変形による位置決め精度の悪化を招かずに招くことなく、リード・ライトを行なう磁気ヘッドから増幅回路までの距離を短縮することによリ、データ転送速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヘッド支持装置の構成を説明する図である。
【図2】図1のICチップ挿入部分での断面図である。
【図3】他の実施例のICチップ挿入部分での断面図である。
【図4】本発明の磁気ディスク装置に組み込んだときの状態を説明する他の実施例の図である。
【図5】本発明の他の実施例のにおけるICチップ挿入部分での断面図である。
【図6】本発明のIC実装基板のICチップが挿入されたアーム部分の断面図である。
【図7】本発明のIC実装基板の斜視図である。
【図8】本発明のIC実装基板をサスペンション部分に接合したときのICチップが挿入されたアーム部分の断面図である。
【図9】本発明の他の実施例におけるヘッド支持装置の構成を説明するための図である。
【符号の説明】
1…回転軸、2…ベースアーム、3…サスペンション、4…配線用フレキシブルプリント基板(FPC)、5…磁気ヘッド、6…ベースロードビーム、7…ICチップ、8…放熱板、9…締結手段、10…磁気ディスク円板。

Claims (5)

  1. 磁気ディスク上の情報を読み書きする磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを備えたスライダと、前記スライダを支持するサスペンションとを備えた磁気ヘッド支持装置において、
    断熱基板上に前記磁気ヘッドの信号を制御するICチップを搭載し、前記断熱基板を前記サスペンションに取付けて構成し
    前記ICチップの前記断熱基板と反対側の面に放熱板を取付け、
    前記放熱板が前記サスペンションアーム部分を囲むように両端側に折り曲げ部を設けたことを特徴とする磁気ヘッド支持装置。
  2. 請求項1記載の磁気ヘッド支持装置において、
    前記断熱基板として、配線用のFPCを用いた構成としたことを特徴とする磁気ヘッド支持装置。
  3. 請求項記載の磁気ヘッド支持装置において、
    前記放熱板の折り曲げ部は、磁気ディスクの回転に伴って発生する空気の流れが前記放熱板と衝突する上流側を下流側に比べて長くしたことを特徴とする磁気ヘッド支持装置。
  4. 請求項または記載の磁気ヘッド支持装置において、
    前記放熱板の折り曲げ部の一部を、磁気ディスクの回転方向に対して負の迎角で前記サスペンションが挿入される場合は上流側がアーム回転軸に近い方の角側を、下流側がアーム回転軸に遠い方の角側を切り欠き、磁気ディスク円板の回転方向に対して正の迎角で前記サスペンションが挿入される場合は上流側がアーム回転軸に遠い方の角側を、下流側がアーム回転軸に近い方の角側を切り欠いたことを特徴とする磁気ヘッド支持装置。
  5. 積層して回転する複数枚の磁気ディスクと、前記磁気ディスク上の情報を読み書きする磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを備えたスライダと、前記スライダを支持するサスペンションと、前記磁気ヘッド、前記スライダ及び前記サスペンションとを有する磁気ヘッド支持装置とを備えた磁気ディスク装置において、
    前記磁気ヘッド支持装置は、断熱基板上に前記磁気ヘッドの信号を制御するICチップを搭載し、前記断熱基板を前記サスペンションに取付けて構成し、前記ICチップの前記断熱基板と反対側の面に放熱板を取付け、前記複数の磁気ディスクのうち隣り合う二枚の磁気ディスクの間に2つの前記磁気ヘッド支持装置が挿入されるときに、前記磁気ディスクと前記磁気ヘッド支持装置との間隔が2つの前記磁気ヘッド支持装置の間隔よりも狭い場合には2つの前記磁気ヘッド支持装置の放熱板を対向させて配置し、前記磁気ディスクと前記磁気ヘッド支持装置との間隔が2つの前記磁気ヘッド支持装置の間隔よりも広い場合には放熱板側を磁気ディスクに対向して配置したことを特徴とする磁気ディスク装置。
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