JP3866602B2 - 3次元オブジェクト生成装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物体を撮影して、この撮影画像に基づいて対象物体の3次元的な画像、形状情報(以下、3次元オブジェクトという)を生成する3次元オブジェクト生成装置及び3次元オブジェクト生成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
計算機技術の発達と共に、計算機内での3次元CGの生成及びその表示技術が目覚ましく発展してきた。それと同じくして、現実世界にある物体の3次元画像を計算機内に取り込むという技術も発展してきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、3次元画像の表示技術が非常に低価格なパーソナルコンピュータ(PC)や家庭用ゲーム機でも実現できるようになったのに比べ、3次元画像の入力技術は未だ一般的になっているとはいえないのが現状である。また、入力された画像を動画として動かす技術は更に難しく、高価で複雑な装置に依存しているのが現状である。また、3次元情報を入力して動画として動かす場合には、各種の編集が必要であり、熟練者以外には扱いにくいものであった。
【0004】
発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、3次元情報を簡単に入力することができるとともに、複雑な編集作業を不要とした3次元オブジェクト生成装置及び方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本出願の第1の発明に係る3次元オブジェクト生成装置は、対象物体に特定の波長の光を照射して生じた反射光により形成される反射光画像を入力する反射光画像入力手段と、前記対象物体のカラー画像を入力するカラー画像入力手段と、前記反射光画像の形状情報又は前記カラー画像内における色情報を用いて前記反射光画像内の対象物体を部分物体に分割する反射光画像分割手段と、対象物体の色に関する色特性情報と対応付けてその反射特性に関する反射特性情報を記憶する反射特性情報記憶手段と、前記反射特性情報記憶手段を参照し、前記反射光画像から3次元情報を取得する3次元情報取得手段と、前記色情報と対応する前記部分物体の属性に関する属性情報として前記部分物体の動きに関する動き情報を記憶する属性情報記憶手段と、前記色情報に基づき前記3次元情報に前記属性情報として動き情報を付与する属性情報付与手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
この発明によると、各構成要素ごとに異なる色の材料で作成した対象物体について、カラー画像、反射光画像が形成され入力される。反射画像内の形状情報又はカラー画像内の色情報に基づいて、前記反射画像内の対象物体が部分物体に分割される。
対象物体の色に関する色特性情報と、その反射特性に関する反射特性情報とが反射特性情報記憶手段から読み出され、これらの情報が、前記反射光画像に基づき前記対象物体の3次元情報を取得する際に参照される。これにより、正確な3次元情報が取得される。
【0007】
また、前記色情報と対応する前記部分物体の属性に関する属性情報を属性情報記憶手段より読み出して、前記3次元情報に付与する。これにより、前記3次元情報により実際の物に近い性質を与えることができ、その性質に添った形式で画面内に配置させたり、或いは動かしたりすることができる。
そのように入力した3次元オブジェクトを思い通りに動かすことができる。
身の回りにあるもののテクスチャ(模様や色など)を取り込んで、自分が作成した3次元オブジェクトに容易に張り込むことができる。
【0008】
上記目的達成のため、本出願の第2の発明に係る3次元オブジェクト生成装置は、対象物体の距離画像を入力する距離画像入力手段と、前記対象物体のカラー画像を入力するカラー画像入力手段と、前記距離画像から3次元情報を取り出す3次元情報抽出手段と、前記3次元情報及び前記カラー画像内における色情報を用いて前記対象物体を分割する画像分割手段と、前記色情報と対応する前記部分物体の属性に関する属性情報として前記部分物体の動きに関する動き情報を記憶する属性情報記憶手段と、前記色情報に基づき前記3次元情報に前記属性情報として動き情報を付与する属性情報付与手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
上記目的達成のため、本出願の第3の発明に係る3次元オブジェクト生成方法は、対象物体に特定の波長の光を照射するとともに、その反射光により形成される反射光画像を入力する反射光画像入力ステップと、前記対象物体のカラー画像を入力するカラー画像入力ステップと、前記反射光画像の形状情報又は前記カラー画像内における色情報を用いて前記反射光画像内の対象物体を部分物体に分割する反射光画像分割ステップと、対象物体の色に関する色特性情報と対応付けてその反射特性に関する反射特性情報を記憶する反射特性情報記憶ステップと、前記反射特性情報を参照し、前記反射光画像から3次元情報を取得する3次元情報取得ステップと、前記色情報と対応する前記部分物体の属性に関する属性情報として前記部分物体の動きに関する動き情報を記憶する属性情報記憶ステップと、前記色情報に基づき前記3次元情報に前記属性情報として動き情報を付与する属性情報付与ステップとを備えたことを特徴とする。
【0010】
上記目的達成のため、本出願の第4の発明に係る3次元オブジェクト生成方法は、対象物体の距離画像を入力する距離画像入力ステップと、前記対象物体のカラー画像を入力するカラー画像入力ステップと、前記距離画像から3次元情報を取り出す3次元情報抽出ステップと、前記3次元情報内における形状情報及び前記カラー画像内における色情報を用いて前記距離画像内の前記対象物体を分割する画像分割ステップと、前記情報と対応する前記部分物体の属性に関する属性情報として前記部分物体の動きに関する動き情報を記憶する属性情報記憶ステップと、前記色情報に基づき前記3次元情報に前記属性情報として動き情報を付与する属性情報付与ステップとを備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る3次元オブジェクト生成装置の全体構成を示している。本実施の形態に係る3次元オブジェクト生成装置は、反射光画像入力部1、カラー画像入力部2、反射光画像分割部3、3次元情報獲得部4、反射特性情報格納部5、3次元情報格納部6、属性情報格納部7、属性情報生成部8を備えている。
【0012】
反射光画像入力部1は、発光光源11と、撮像光学系12と、イメージセンサ13と、制御部14とから構成される。発光光源11は、例えば近赤外光などの単色光を発光する光源であり、対象物体Bを照射する。発光光源11は、制御部14により、点灯と消灯とを交互に繰り返すようにされている。
なお、発明者が先に出願した技術として、物体に近赤外光などの光を照射し、その反射光を画像として取得し、3次元形状を簡易に高速に取得するものが知られている(特開平10−177449)。反射光の強さは物体の位置(距離)と相関をもつので、反射光画像を用いることによって、擬似3次元画像を取得することができる。
【0013】
本実施の形態では、物体の反射特性を反射特性情報格納部5に蓄積しておき、これを利用することにより、更に正確な3次元情報を取得するようにしている。同じ物質であっても、黒色の部分では反射率は低く、白色の部分では反射率は高い。また、同じ物質で同じ色であっても、物体表面が粗い面である場合と鏡面状である場合とでは反射光の量が異なってくる。このため、反射特性を予め取得して、反射光画像に基づいて3次元情報の取得の際に利用することにより、より正確な3次元情報の取得が可能になる。
【0014】
本実施の形態の対象物体Bは、ここでは粘土を材料として作成されるものとする。後述するように、粘土で様々な形状を作り、これを反射光画像、カラー画像として撮像して適当な処理を施すことで、粘土の形状が3次元オブジェクトとして計算機に取り込まれる。計算機に3次元オブジェクトとして取り込んだ後は、これを3次元の仮想空間に配置したり、また動かしたりするなど創造的な作業が可能となる。
子供はよく粘土遊びをするが、いろいろな形(動物、自動車など)を作っては壊し、作っては壊す。これだけでも子供の知育上非常に有効なものであるが、これをゲームの世界と組み合わせることにより、より豊かな世界が広がる可能性がある。例えば、作った粘土(乗り物、恐竜、動物、人形など)を3次元形状として、ゲームの世界に取り込めば、粘土遊び自体が子供にとって知育上非常に効果の高い遊びであるが、これを更に創造的な遊びへと発展させることができる。
【0015】
従来、ビデオゲーム等はともすると仮想空間に没頭してしまい現実の世界との混同が生じ教育上良くないとの懸念がされることもある。しかし、本実施の形態の装置によれば、現実の存在としての粘土を手で触り、現実に何かの形を作ることができるので、現実世界と仮想世界とが適当に融合され、子供の創造性を高める上で非常に有効なディジタルおもちゃが提供される。
【0016】
この実施の形態では、対象物体Bは、その構成要素ごとに予め定められた異なる色の粘土により作成されているものとする。例えば、図1に示すような熊の人形の場合、頭部分b1は赤の粘土、胴体部分b2は黄色の粘土、腕部分b3は青の粘土、足部分b4は緑の粘土というような具合である。これは、後述するように、動きのある3次元オブジェクトを生成したり、テクスチャの貼付けの際に必要となるためである。
【0017】
撮像光学系12は、発光光源11からの近赤外光に、及びそれ以外の光(太陽光、室内の蛍光灯の光など)より照射された対象物体Bの像をイメージセンサ13に結像させるためのものである。
【0018】
また、カラー画像入力部2は、撮像光学系12と、イメージセンサ13とから構成されており、発光光源11以外からの光(例えば室内照明や太陽光など)により、対象物体Bのカラー画像を撮影するためのものである。図1のイメージセンサ13は、図2に示すように、カラー画像取得用画素13cと、反射光画像取得用画素13r(図中斜線で示す)とが交互に配置される形式となっている。例えば、図2に示すように、カラー画像取得用画素13cを奇数行目に、反射光画像取得用画素13rを偶数行目に配置する。これにより、反射光画像とカラー画像とを取得できるようにされている。
【0019】
イメージセンサ13は、制御部14により制御されている。制御部14は、例えば図2に示すように、垂直選択部14a、水平選択部14b、蓄積部St,アナログ信号処理部14c、A/D変換部14d、画像処理部14e、制御回路14fとを備えている。垂直選択部14a、水平選択部14bは、画素位置を選択し、その画素に蓄積された出力を取り出すためのものである。蓄積部Stは、選択された画素から取り出された電荷を、後述するアナログ信号処理部14dでの処理のため一時保持する部分である。
【0020】
垂直選択部14aは、制御回路11の制御信号に従い、発光光源11の消灯時には奇数行を選択し、発光時には偶数行を選択するようにされる。すなわち、光源11が発光しているときに偶数行の画素(反射光画像取得用画素)で反射光画像の撮像を行い、発光していないときに奇数行の画素(カラー画像取得用画素)でカラー画像の撮像を行う。
【0021】
アナログ信号処理部14cは、蓄積部Stに蓄積された電荷を逐次読み出して、これに対応したアナログ信号を出力する。このアナログ信号はA/D変換部14dにおいてディジタル値に変換され、画像処理部14eにて所定の画像処理が施されることにより、カラー画像、反射光画像が出力される。
なお、図1では、反射光画像入力部1と、カラー画像入力部2とが、撮影光学系12とイメージセンサ13とを共用しているが、撮影光学系12だけを共用し、イメージセンサは別々に2つ設けてもよい。
【0022】
図1に戻って、反射光画像分割部3は、イメージセンサ13からのカラー画像取得用画素から得られたカラー画像中に含まれる色情報に基づき、反射光画像を分割するものである。
図3は、この反射光画像分割部3の機能を説明する概念図である。対象物体Bのカラー画像CI、反射光画像RIがイメージセンサ13より入力される。対象物体Bとしての熊の人形は、前述したように、構成要素ごとに異なる色を有している。反射光画像分割部3は、カラー画像CI中に含まれる色情報に基づき、反射光画像RIを構成要素ごとに分割する。図3に示す熊の人形の例では、反射光画像RIは、頭部分b1に該当する部分1、胴体部分b2に該当する部分2、腕部分b3に該当する部分3及び部分3´、足部分b4に該当する部分4及び部分4´に分割される。なお、単色の1つの材料によって対象物体Bが構成されている場合には、この反射光画像分割部3は機能しないが、こうした単色の対象物体Bでも構成要素への分割を可能にするため、公知のテンプレートマッチング等の手法により、対象物体Bを分割する手法も補助的に利用できるようにしておいてもよい。
【0023】
3次元情報獲得部4は、反射特性情報格納部5に格納される反射特性情報を用いて反射光画像21を解析して対象物体Bの3次元形状情報を獲得するものである。すなわち、反射特性情報格納部5には、対象物体Bの材料の反射特性が記憶される。ここでは、上述したように対象物体Bが赤、青、黄色、緑の粘土で構成されるため、これら4色の粘土の反射特性が反射特性情報格納部5に記憶される。3次元情報獲得部4は、反射特性情報格納部5から読み出された各色の粘土の反射特性情報に基づき、反射光画像21を、分割された部分1、2、3、3´、4、4´毎に解析して、対象物体Bの3次元情報を獲得する。反射光画像21は、図3に示すように、ドットの密度が対象物体Bの3次元形状を表わしているが、構成要素ごとの反射率の相違により、正確に3次元形状を表わしているわけではない。この反射特性情報を利用することにより、正確な3次元情報の取得が可能となる。
【0024】
3次元情報格納部6は、3次元情報獲得部4で獲得された対象物体Bの3次元形状情報を格納する部分である。
属性情報格納部7は、対象物体Bの構成要素の色に関する色情報と、その構成要素の属性に関する属性情報とを関連付けて記憶する部分である。例えば、図3に示す熊の人形でいえば、赤色の部分は動物の頭、黄色の部分は動物の胴体、というように、色とその構成要素の種類を属性情報として記憶することができる。属性情報の他の例としては、その色で構成された物体がどのような動きをし得るかを示す動作情報を含めることもできる。例えば、頭であれば、その下側を回転中心として動く、というような動作情報を含めることができ、足であれば、その根元を回転中心とするとともに、中心付近で折り曲げ可能となっているなどの動作情報を含めることができる。
【0025】
また、属性情報の中に、構成要素の物理的特性を含めることも可能である。例えば、構成要素の弾性特徴や比重を属性情報として含め、対象物体Bがその特性に合わせた動き(例:丸いものは転がり、四角いものは転がらない、など)をするようにしたり、又は時間が経つと溶け出す、というような属性情報を含めたりすることができる。また、特定の構成要素について、効果音を発するという属性情報を格納しておき、この構成要素が動くたびに効果音を発生させる、というような動きをさせることもできる。
【0026】
属性情報付与部8は、以上のような属性情報のうち、各部分1、2,3、3´、4、4´の色情報に対応したものを読み出して、この読み出した属性情報を各部分1、2,3、3´、4、4´に付与する。これにより、3次元オブジェクトの生成が完了する。すなわち、各部分1、2,3、3´、4,4´は、3次元情報獲得部4により正確な3次元形状を付与されるとともに、属性情報格納部7により、その各部分の属性情報が付与される。属性情報格納部7に各部分1、2,3、3´、4,4´の動きの情報が格納されている場合には、属性情報付与部は、各構成要素に動き情報を付加する動き情報生成部として機能することになる。例えば、適当な指示情報に従い、この3次元オブジェクトをビデオゲームなどの中で動かすこともできるし、或いは何らかのプロトコルの下、ひとりでに動き出すように制御することもできる。
【0027】
3次元オブジェクトにモーフィング(ディジタル画像に描かれた物体の形状をスムーズに変化させる画像処理技術。詳しくは「モーフィング入門」(スコット・アンダーソン 著、酒井 啓 訳、海文堂出版発行)参照)を施す際にも、この属性情報によってモーフィングのさせ方を変えることもできる。例えば、重力の影響、物体の柔らかさ/硬さをモーフィングに反映させることもできる。
【0028】
上述の説明では、対象物体の材料が粘土の場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、発泡スチロールやダンボール紙、玩具メーカから市販されている組み立てブロックなど、あらゆる材料が使用可能である。これらの材料の場合にも、予めその材料の反射特性等を反射特性情報格納部5に格納させておくことにより、上述の粘土の例とまったく同様の効果を得ることもできる。
【0029】
また、使用者が属性情報格納部7の内容を編集することができるようにすることもできる。例えば、腕部分の色情報が青色として記憶されている場合に、この色を他の色に変更するように編集することができる。足部分に関する情報について、中間付近で折れ曲がるという情報だけが属性情報として格納されている場合に、例えば足首付近も折れ曲がる、という属性情報を書き加えることができる。
【0030】
また、1つの対象物体について複数の3次元情報を格納し、属性情報生成部8において、データ補間によりこの複数の3次元情報の中間状態の3次元情報を生成して、なめらかな変化が表現されるようにする。この中間状態の情報は、3次元情報格納部6に格納してその変化の順番に3Dムービー的に再生してもよいし、また要求に応じて生成して、その後適宜表示させるようにしてもよい。
【0031】
また、本装置を使用者の前に置き,使用者は装置の前で、図4に示すように、例えばブロック状の粘土を加工して所望の形状を作り上げていき、イメージセンサ13により常にこの粘土細工の作業を撮像するようにしてもよい。これにより、対象物体Bが出来上がっていく途中の粘土細工の形状を取得することができる。使用者の手などが入力されてしまわないように、使用者が手を休めた合間を縫って撮像するようにすることもできる。
【0032】
このようにして取得された一連の3次元形状をそのまま連続的に変化させれば、あたかも何もない状態から形状が湧き出てきて対象物体Bが形作られていくようなアニメーションを簡単に作成することができる。
【0033】
〔第2の実施の形態〕
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る3次元オブジェクト生成装置の構成を示すブロック図である。図3中、図1と同一の構成要素については同一の番号を付し、その詳細な説明は以下では省略する。また、本実施の形態でも、図1と同様の反射光画像入力部1、カラー画像入力部2を使用するが、図2ではこれらについては図示を省略している。
【0034】
本実施の形態では、3次元オブジェクトに色やテクスチャを付けるための構成として、テクスチャ情報抽出部21、テクスチャ情報格納部22、テクスチャ貼付け部23を備えている。これにより、例えば、作成した想像上の動物の形状としての3次元オブジェクトに、別のぬいぐるみの模様(例えば、キリンのぬいぐるみの模様)を貼り付けるなどすることができる。
テクスチャ情報抽出部21は、イメージセンサ13からのカラー画像情報及び反射光画像情報から、対象物体Bのテクスチャ情報を抽出する。カラー画像には、背景も含め対象物体Bの回りの画像も映っているが、反射光画像情報を用いることにより、対象物体Bのテクスチャ情報を容易に抽出することができる。
【0035】
抽出されたテクスチャ情報は、テクスチャ情報格納部22に一時格納される。テクスチャ貼付け部23は、属性情報付与部8で属性情報を付与された3次元オブジェクトに対し、テクスチャ情報格納部22に格納されたテクスチャ情報を付与し、テクスチャ付きオブジェクトに変換するためのものである。
本実施の形態における対象物体Bは、図1のように、各構成要素が異なる材料で作成され、そのため構成要素ごとにテクスチャも異なることを基本的に想定している。
【0036】
抽出されたテクスチャをそのままテクスチャ貼付け部23により3次元オブジェクトに貼り付けるようにすることもできるが、例えば、Aというテクスチャ情報が抽出された場合にはこのテクスチャa1を、Bというテクスチャ情報が抽出された場合にはテクスチャb1を、というように、別個のテクスチャを貼り付けるようにしてもよい。また、複数のテクスチャをモニタ画面等に提示し、使用者の好みのものを選ばせるようにすることもできる。また、複数のテクスチャ情報が抽出された場合に、そのうち対象物体B中で面積の占める割合の最も大きいテクスチャ情報のみを抽出し、そのテクスチャを対象物体B全体に貼付けるようにしてもよい。
【0037】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態を、図6に基づいて説明する。本実施の形態の3次元オブジェクト生成装置は、一旦取り込んだ3次元オブジェクトを、仮想的な工具24により使用者に加工させるようにしたものである。例えば、表示部26に図6に示すように生成した3次元オブジェクトを表示させるとともに、使用者に、仮想工具24を持たせ、撮影光学系12の前に位置させる。
仮想工具24は、例えば図6に示すような彫刻刀であり、柄の部分と刃の部分とで色を異ならせ、その反射特性を反射特性情報格納部5に記憶させておくことにより、3次元情報獲得部4により、仮想工具24の形状位置が把握されるようになっている。獲得された仮想工具24の刃先の位置情報に基づき、表示制御部26により表示部25上での仮想工具24の位置が変化する。
【0038】
使用者が仮想工具24を握った手を動かすと、表示部上の仮想工具24を示すグラフィックの位置が変化し、これにより、生成された3次元オブジェクトに対し加工が施される。実際に対象物体Bに彫刻刀などを入れて加工するのと同じ感覚で画面内の3次元オブジェクトを加工することができる。
【0039】
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態を図7乃至9に基づいて説明する。図7乃至9において、図1と共通する部分については同一の符号を付しその説明は省略する。
本実施の形態の3次元オブジェクト生成装置は、図7乃至9に示すように、レーザレンジファインダ、ステレオカメラなど、対象物体までの距離を示す距離情報を含んだ距離画像を入力可能とした距離画像入力部31を備えている。レンジファインダは典型的には、レーザスポット光あるいはレーザスリット光で対象物体Bをスキャニングし、その反射光の受光位置から三角測量の原理で求めるものである。距離画像情報そのものに3次元情報が含まれるため、本実施の形態では、第1乃至第5の実施の形態のような3次元情報獲得部4、反射特性情報格納部5は不要となる。
【0040】
また、本実施の形態の3次元オブジェクト生成装置は、3次元情報抽出及び分割部33を備えている。この3次元情報抽出及び分割部33は、この距離画像情報から3次元情報を抽出するとともに、この3次元情報をカラー画像入力部2から得られた色情報に基づき、抽出された3次元情報を構成要素ごとに分割する。この分割された3次元情報に対し、第1の実施の形態と同様、属性格納部7に格納された属性情報が、属性情報付与部8により付与される。
図8は図7に3次元情報格納部6を付加したものであり、図9は図5と同様、テクスチャ貼付けのための構成を付加したものである。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る3次元オブジェクト生成装置によれば、複雑な属性入力等の手間が省略され、非熟練者でも簡単に3次元オブジェクトを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る3次元オブジェクト生成装置の全体構成を説明するための図である。
【図2】 図1に示すイメージセンサ13及び制御部14の構成の詳細を示す。
【図3】 図1に示す反射光画像分割部3の機能を概念的に示す図である。
【図4】 第1の実施の形態の3次元オブジェクト生成装置の利用例を説明する概念図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態に係る3次元オブジェクト生成装置の構成を示す図である。
【図6】 本発明の第3の実施の形態に係る3次元オブジェクト生成装置の構成を示す図である。
【図7】 本発明の第4の実施の形態に係る3次元オブジェクト生成装置の構成を示す図である。
【図8】 本発明の第4の実施の形態に係る3次元オブジェクト生成装置の構成を示す図である。
【図9】 本発明の第4の実施の形態に係る3次元オブジェクト生成装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
B…対象物体、 1・・・反射光画像入力部、 2・・・カラー画像入力部、 3・・・反射光画像分割部、 4・・・3次元情報獲得部、 5…反射特性情報格納部、 6…3次元情報格納部、 7・・・属性情報格納部、 8・・・属性情報付与部、 11…発光光源、 12…撮影光学系、 13…イメージセンサ、 14…制御部、 CI…カラー画像、 RI…反射光画像、 21…テクスチャ抽出部、 22…テクスチャ格納部、 23…テクスチャ貼付け部、 24…仮想工具、 25…表示部、 26…表示制御部、 31…距離画像入力部、 33…3次元情報抽出及び分割部、 8…属性情報付与部

Claims (9)

  1. 対象物体に特定の波長の光を照射して生じた反射光により形成される反射光画像を入力する反射光画像入力手段と、
    前記対象物体のカラー画像を入力するカラー画像入力手段と、
    前記反射光画像の形状情報又は前記カラー画像内における色情報を用いて前記反射光画像内の対象物体を部分物体に分割する反射光画像分割手段と、
    対象物体の色に関する色特性情報と対応付けてその反射特性に関する反射特性情報を記憶する反射特性情報記憶手段と、
    前記反射特性情報記憶手段を参照し、前記反射光画像から3次元情報を取得する3次元情報取得手段と、
    前記色情報と対応する前記部分物体の属性に関する属性情報として前記部分物体の動きに関する動き情報を記憶する属性情報記憶手段と、
    前記色情報に基づき前記3次元情報に前記属性情報として動き情報を付与する属性情報付与手段とを備えたことを特徴とする3次元オブジェクト生成装置。
  2. 対象物体の距離画像を入力する距離画像入力手段と、
    前記対象物体のカラー画像を入力するカラー画像入力手段と、
    前記距離画像から3次元情報を取り出す3次元情報抽出手段と、
    前記3次元情報及び前記カラー画像内における色情報を用いて前記対象物体を分割する画像分割手段と、
    前記色情報と対応する前記部分物体の属性に関する属性情報として前記部分物体の動きに関する動き情報を記憶する属性情報記憶手段と、
    前記色情報に基づき前記3次元情報に前記属性情報として動き情報を付与する属性情報付与手段とを備えたことを特徴とする3次元オブジェクト生成装置。
  3. 前記3次元オブジェクトを前記動き情報に基づいて複数作成し、指示情報に基づき前記3次元オブジェクトを動画として動かすように構成した請求項2に記載の3次元オブジェクト生成装置。
  4. 前記カラー画像中からテクスチャ情報を抽出するテクスチャ情報抽出手段と、抽出した前記テクスチャ情報を獲得した前記3次元情報の全部又は一部に貼り付けるテクスチャ情報貼付け手段とを備えた請求項1又は2に記載の3次元オブジェクト生成装置。
  5. 前記対象物体は、複数の色の工作素材で作成され、前記反射特性情報記憶手段は、該複数の色の工作素材の反射特性を記憶するようにされた請求項1に記載の3次元オブジェクト生成装置。
  6. 前記工作素材は粘土である請求項に記載の3次元オブジェクト生成装置。
  7. 生成された3次元オブジェクトを表示するための表示手段、該3次元オブジェクトを加工するための仮想工具とを備え、前記該仮想工具の3次元情報を前記反射光画像入力手段、前記カラー画像入力手段、反射光画像入力手段、前記3次元情報獲得手段により獲得し、獲得された3次元情報に基づき生成された前記3次元オブジェクトの形状を変更するように構成された請求項1に記載の3次元オブジェクト生成装置。
  8. 対象物体に特定の波長の光を照射するとともに、その反射光により形成される反射光画像を入力する反射光画像入力ステップと、
    前記対象物体のカラー画像を入力するカラー画像入力ステップと、
    前記反射光画像の形状情報又は前記カラー画像内における色情報を用いて前記反射光画像内の対象物体を部分物体に分割する反射光画像分割ステップと、
    対象物体の色に関する色特性情報と対応付けてその反射特性に関する反射特性情報を記憶する反射特性情報記憶ステップと、
    前記反射特性情報を参照し、前記反射光画像から3次元情報を取得する3次元情報取得ステップと、
    前記色情報と対応する前記部分物体の属性に関する属性情報として前記部分物体の動きに関する動き情報を記憶する属性情報記憶ステップと、
    前記色情報に基づき前記3次元情報に前記属性情報として動き情報を付与する属性情報付与ステップとを備えたことを特徴とする3次元オブジェクト生成方法。
  9. 対象物体の距離画像を入力する距離画像入力ステップと、
    前記対象物体のカラー画像を入力するカラー画像入力ステップと、
    前記距離画像から3次元情報を取り出す3次元情報抽出ステップと、
    前記3次元情報内における形状情報及び前記カラー画像内における色情報を用いて前記距離画像内の前記対象物体を分割する画像分割ステップと、
    前記情報と対応する前記部分物体の属性に関する属性情報として前記部分物体の動きに関する動き情報を記憶する属性情報記憶ステップと、
    前記色情報に基づき前記3次元情報に前記属性情報として動き情報を付与する属性情報付与ステップとを備えたことを特徴とする3次元オブジェクト生成方法。
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