JP3866234B2 - 可燃性冷媒の処理方法及び可燃性冷媒の処理装置 - Google Patents

可燃性冷媒の処理方法及び可燃性冷媒の処理装置 Download PDF

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この発明は、低温機器が具備する冷凍回路に封入されている冷媒として可燃性を呈する炭化水素を除去する手段に関するものであって、さらに詳しくは、前記炭化水素を冷媒として用いた低温機器が備える冷凍回路の一部から再使用することなく回収する場合に、冷凍回路の一部から回収直後に分解処理する可燃性冷媒の処理方法及び可燃性冷媒の処理装置に関するものである。
冷蔵庫やショーケースなどの低温機器が具備する冷凍回路の内部に封入された冷媒として、不燃性ガスのフロン類が用いられていた。これらフロン類は、大気への飛散に伴うオゾン層破壊や地球温暖化への影響を排除するために、低温機器が冷媒回路に起因する故障や不具合に対する保修や使用済み機器の適正処理を行う場合、封入されている冷媒を冷媒回路から回収する必要が生じる。
従来の不燃性ガスであるフロンを冷媒に用いた低温機器の冷媒回収装置は、回収された使用済み冷蔵庫等の冷媒回路を構成する配管の一部に中空の針を挿入するなどして接続したホースを通じて回収した冷媒と冷凍機油をオイルセパレータで冷媒を分離し、アキュームレータを通じてコンプレッサに吸引する。回収された冷媒は、コンプレッサで圧縮された後、再度オイルセパレータでオイルを分離した後、凝縮器で冷媒を冷却して液化し、その液化した冷媒がドライヤを通じて冷媒回収容器に回収される構造であり、オイルセパレータで分離したオイルは配管を通じてコンプレッサの吸引口側に戻され、コンプレッサの潤滑オイルとして循環させ、コンプレッサの運転を維持させることができる(例えば、特許文献1参照)。
また、冷凍機油に相溶した冷媒をも回収するように改善した他の従来の冷媒回収装置は、ホースと使用済み冷蔵庫の冷凍サイクルを、バーニングピアス等に設けた針を冷凍サイクルの配管に突き刺し、針を通じて冷媒とオイルを吸引する。ホースを通じて吸引した冷凍機を含有した冷媒は、オイル回収器に吸い込まれた後、オイル回収器に振動を与えることによってもオイルから冷媒を放出させる構成としているオイル回収器の内部に設けた加熱手段に接続して冷媒を気散後、凝縮器を通じて液化された冷媒を収容する容器に格納する。
この様にして回収した冷媒は液化状態で保管した後、水蒸気と金属触媒の存在下においてアークプラズマや燃焼炉などの高温雰囲気下にて分解処理を行った後、生成した塩酸やフッ酸を中和することによって生成する塩化カルシウムやフッ化カルシウムを埋設処理している(例えば、特許文献2参照)。
実開平3−48676号公報 特開平9−152233号公報
これに対し、近年、冷蔵庫の冷媒としてオゾン層破壊や地球温暖化などの環境に悪影響を及ぼすフロン類に替えて、上述したような環境への悪影響がほとんど無いイソブタンなどの炭化水素が冷媒として用いられるようになってきた。しかしながら、これら炭化水素は非常に強い燃焼性を呈することから、回収後のボンベに保管するために行う吸引や加圧の際に爆発を来す可能性があるという欠点を有する。
この為、多くの場合、使用済の冷蔵庫として回収される量が多くない現状では、燃焼の下限濃度以下で大気へ放出することによって対処している。
しかしながら、このような炭化水素についてはスモッグ発生の原因物質であるとされ、安易に大気解放を行うことによって新たな環境問題を引き起こすという懸念もある。例えば、家電リサイクル施設が回収した冷蔵庫から素材を適正処理・回収を行う際に抜き取る冷媒の取扱量が大量となることから、大気解放を行うことに伴う周辺環境の悪化が危惧されることになる。
また、これら炭化水素系のガスは強い可燃性に基づく燃焼や爆発などの危険回避を行う必要があり、従来のフロン類と同様の回収装置を用いる場合には、防爆処理を施した部品で構成されている加圧ポンプや各種センサー類を装備した専用の回収機を用いて密閉容器に保存する手段などが必要となる。また、燃焼の下限濃度以下を維持することによって安全性を確保して大気解放する方法として、十分に広い空間で大気中に燃焼範囲の下限値以下の濃度を確保しながら解放する手段も考えられる。
このことから、冷蔵庫の補修の際に冷媒の交換を必要とする場合でも室内での作業を必須とする場合については、十分な換気を確保したうえで冷媒の燃焼下限濃度以下であることを確認しながら解放するか、防爆仕様の冷媒回収機を用いた回収が必須となる。このため、前者の大気解放を行う場合には、極めて少量のガスしか解放できないことから長時間の作業を強いられることになるとともに、後者の場合には、防爆の設備が必須になる。
一方、大量の使用済冷蔵庫から冷媒を回収する場合には、冷媒回収機を用いて密閉容器に保存するうえで冷媒と接する部位において従来の同様部品と比較して大型になる防爆部品を具備するとともに、新たにそれ以外の部位および装置周辺における燃焼の下限濃度以下を維持するための各種管理と管理項目の結果に基づいた各種制御を行うなど、安全性を確保するためのシステムを組み込むことになる。このため、装置も必然的に大型化になり、搬送を含む作業性が悪化する、という問題が発生する。
また、冷媒を回収する場合には、冷媒回路の一部に小さな孔をあけるなどした欠損部分を設け、ここから高圧のガス状態または液状態を維持して回収する必要がある。しかし、このような場合には冷媒を回収する際に同時に吸引した空気が共存する冷媒を液化する際に過度な圧縮によって爆発するのを防止するために、空気との共存を避けることを遵守することによって安全を確保することが必須であり、当該設備の取り扱いが非常に煩雑になる、という問題も発生する。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、特に可燃性の冷媒を回収する際に、炭化水素と各種フロン類の混合物である発泡剤の回収において、両物質を容易に分別処理することを可能とする可燃性冷媒の処理方法及び可燃性冷媒の処理装置を提供することを目的とする。
この発明に係る可燃性冷媒の処理方法は、機器の冷媒回路の一部を構成する圧縮機に接続された配管の一部を欠損して噴出させた可燃性冷媒を冷却及び加圧下の液状態で保管後、加圧時の圧力で排出し、これを燃焼下限濃度以下にまで希釈し、酸化触媒に誘導して分解処理を行うことを特徴とする。
この発明に係る可燃性冷媒の処理方法は、機器に具備された冷凍サイクルを構成する部品の一部を欠損して内部に残存する可燃性冷媒を噴出させた後、これを吸引して酸化分解触媒に誘導することによって分解処理を行うものであるから、可燃性触媒である炭化水素をそのまま大気に排出することなしに炭酸ガスと水に分解するので、環境に悪い影響を及ぼすことがない。
実施の形態1.
冷却装置の故障等に伴って冷媒回路からフロン系冷媒の抜き取りを行う必要が生じた場合、従来は小型の回収機を用いてボンベなどの密閉容器に回収して大気中への放出を防止していた。しかし、イソブタンなどのODP(オゾン破壊系数)およびGWP(地球温暖化系数)がほとんどゼロである炭化水素を冷蔵庫等に用いたことより大気解放を可能としたが、反面、可燃性であることに伴う火災や爆発の防止を行う必要が生じた。以下に、冷蔵庫の冷媒回路から冷媒を抜き取る本発明を実施するための最良の形態に基づく手順について記述する。
図1は実施の形態1を示す図で、冷媒回収装置の回路図である。図1に示す回路図に基づく構造を成す回収装置は、冷蔵庫1が具備する冷媒回路の一部を構成する圧縮機に配されて冷媒の出入を成す配管2の一部に、先端が鋭利な形状を成す中空の針を具備したバーニングピアス3と、針と相対して噴出した冷媒回路が保持していた冷媒と冷凍機油を分離する気液分離槽9を設けて冷媒のみを分別して一時的に保持する回収部4と、回収部4から蓄えていた冷媒が供給されて外部から取り入れた空気と混合する混合部5と、酸化触媒7を備えた分解処理部6と、によって構成されている。可燃性冷媒を噴出させるための部品の一部を欠損が機器外部に露出した圧縮機の近傍にある配管2で行うので、冷媒回路内に残存する可燃性冷媒を極力少なくでき、効率よく回収および分解することが出来る。
更に、噴出部には周辺の空気を共に吸引するダクトの開口部が配して、冷媒回路を成す配管の一部にバーニングピアスが備える針を突き刺した際に漏出した冷媒を、前記の周辺の空気と共に酸化触媒を備えた分解装置に誘導する構造をも成してもよい。
バーニングピアス3が備える針は0.5mmの内径を有しており、常温での冷媒が有する圧力に基づいた噴出の速度が10g/secを越えないことから、混合部が取り入れる周辺の空気の量を400L/minに調整すると共に、流入する過程で混合されて燃焼の下限濃度である1.4%以下で爆発を来すことのない安全な濃度の8500ppmを維持することになっている。これにより、火災や爆発を来すことが無く、安全に取り扱うことが出来る。
バーニングピアス3と回収部4を接続して冷媒の配送に供するチューブ8には冷媒であるイソブタンの蒸気圧(20℃で2.1kg/cm)を鑑みて十分な耐圧性(例えば、5kg/cm以上)を備えて柔軟性のある耐圧チューブを用いた。
図2は冷媒回収装置が備える回収部の説明図である。回収部4には図2に示す如く、排出された冷媒が含む冷凍機油を下部に滞留させて冷媒ガスと分離する機能を備えた柔軟な袋状を成す気液分離槽9を設けており、下部から冷凍機油を排出することのできるバルブ10を設けてなると共に、冷媒回路から回収する冷媒を膨張しながら保持するだけの内容量を有している。
さらに、気液分離槽9の外周部には、脱着が可能で透明な樹脂またはガラス製で気液分離槽9を覆うようにして保護ケース11を設けてなる構造を成して内部に備えた気液分離槽9の破損等による漏洩に対して、過度な拡散を防止する機能を付与することは、作業を効率的に行う上で有効である。
これら装置部品はダクトを構成して周辺空気を同時に吸引可能な範囲内に収納し、万が一に冷媒が漏洩しても風路内を通過する空気によって可燃性のイソブタンが希釈されて爆発の危険性を排除することが出来るようにしてもよい。このとき、当該ダクトの近傍にイソブタンの濃度計を設置して濃度を計測し、濃度が燃焼の下限濃度に近づいたときにダクトが吸引する空気量を増すようなシステムを設ければ、漏洩などの異常を発見し易く、且つ、直ぐに漏洩したイソブタンを排出することが出来るので、爆発の抑止効果が増す。
図3は冷媒回収装置が備える回収部における冷媒と空気の混合機能を備える後段部分の構造図である。回収部4の後段部分には混合部5があり、図3に示す如くの風路を阻害する障壁12を設けて乱流を発生させるような駆動部分を有さない構造を備えており、冷媒であるイソブタンを保持した回収部4から、駆動部が少なくて火花などの着火源を内部に有さない吸引シリンダー等を備えた防爆仕様の吸引ポンプ13を用いて噴出させ、風路中を流れる空気を取り入れて均一に混合する機能を創出している。
ここで、処理装置の運転動作を説明する。使用済の冷蔵庫1において冷媒回路のうち、冷媒のイソブタンを最も多く蓄積している圧縮機に接続された配管2の一部、具体的には冷媒の封入管部分にバーニングピアス3が備える針を挿入する。圧縮機内に圧入されて蓄積されたイソブタンは保圧力(蒸気圧)とシリンダー型の吸引ポンプ13の吸引によって冷凍機油と共に噴出し、針の中空部から針に接続されたチューブ8を通じて排出される。
図4は冷媒回収装置が備える油分離器の構造図である。排出された冷媒ガスおよび冷媒を溶存した冷凍機油は回収部4が備える図2に示す気液分離槽9に搬送されて、冷媒ガスと冷媒を溶存した冷凍機油に分離され、更に、気液分離槽9で分離された冷媒を溶存した冷凍機油は図4に示す構造の油分離器14に搬送される。油分離器14では蛇腹状に成形した金属製袋15が外部に断熱層を備える金属製外殻(図示せず)で覆われて成り、その空隙に80〜120℃の温風を通して加温されるので、効率よく加温されるとともに減圧状態下にあるから、冷凍機油に溶存している冷媒ガスが気化するので、それを回収する。つまり、回収部4で冷媒ガスを回収した冷凍機油には可燃性の冷媒ガスであるイソブタンが殆ど混入しておらず、再度の使用または燃料油として用いることが可能になるので、有利である。
以上の工程を経て冷凍機を殆ど含まない清浄な冷媒ガスは風路を阻害する障壁12を備えた混合部5に投入後、乱流を発生させて周辺の空気と混合しながら酸化触媒7を備えた分解処理部6に誘導される。酸化触媒7に誘導するための吸引が、周辺の空気と共に行うので、可燃性冷媒が燃焼の可能性を含む濃度で存在する期間が極めて短いから、爆発などの危険性を排除して安全に扱うことが出来る。
ここで、回収した冷媒のイソブタンを冷却・凝縮させて液状態で保管後、それの気化したガスを上述したダクトに配送しても良い。保管した液体イソブタンの量に応じて気化するイソブタンは安定した濃度で供給することが可能であるから、酸化触媒における分解反応に伴う発熱を一定に保つことができ、従って、酸化触媒7の温度調節に要するヒータなどの制御頻度を抑制し、場合によっては、酸化触媒7の任意温度を維持するようにイソブタンを適正な濃度になるように供給して分解反応の発熱量を調整すれば、ヒータを用いずに継続して運転を行うことが可能になる。
図5は冷媒回収装置に燃焼を安定化させるために付帯する設備の概要を示す概念図である。圧縮機の冷媒封入管と接続するバーニングピアス3から漏洩するイソブタンの拡散を抑止するために設置した排気ダクトからの空気を酸化触媒に供給するイソブタンの濃度調整のために用いても良く、万が一のイソブタンの漏洩に対しても有効に回収して分解処理を行うことができる。これらの付帯する設備の概要を図5の概念図に示した。
図6は予熱した酸化触媒における分解処理時の温度変化を示す説明図である。図6に沿って冷蔵庫の冷媒であるイソブタンにおける分解の状況について以下に説明する。分解処理部は直径100mm、長さ50mmの鉄が基材であるハニカム構造体の表面にパラジウムを塗布した酸化触媒を内部に保持しており、これを風路の外周部分からヒータによって加温できるようになっている。つまり、酸化触媒には熱電対が内蔵されており、内部温度、すなわち酸化触媒の温度が酸化反応の急激な進行に必要な温度である300℃以上、好ましくは350℃以上に設定できる構造を備えている。
まず、酸化触媒が100℃まで昇温された段階で任意の流量、例えば200L/minを流入後、反応熱とヒータの加温によって300〜400℃、好ましくは380℃まで昇温した段階で風路外周に設けたヒータによる加熱を中断する。その後、反応熱によって400〜500℃、好ましくは450℃に到達した段階で過度な昇温を防止する目的で混合部5に取り入れる空気の量を最大1100L/minにまで増加させて温度の調整を行い、500〜600℃、好ましくは550℃以上に達しないように調整する。
図7は予熱した酸化触媒における残存濃度と分解ガスの各濃度および酸化触媒の温度変化を示す関係図である。以上の条件を経たことによって、図7に示す如くの反応途中の生成ガスである一酸化炭素も生じることが無く、不燃性でほとんど無害な炭酸ガスと水に分解されることになる。
また、バーニングピアス3の針から回収部4への冷媒の配送には防爆仕様の部品を備えたベローズ型ポンプのような外気との接触を来さない構造を有しているものを用いて強制的に冷媒配管内にある冷媒などを吸引して配送する手段を用いても良い。
上述の実施の形態によれば、冷蔵庫1が具備する冷媒回路の一部を構成する圧縮機に配されて冷媒の出入を成す配管2の一部にを欠損して内部に残存する可燃性冷媒を噴出させた後、これを吸引して酸化触媒7に誘導することによって分解処理を行うものであるから、可燃性触媒である炭化水素をそのまま大気に排出することなしに炭酸ガスと水に分解するので、環境に悪い影響を及ぼすことがない。また、可燃性冷媒を系外に噴出後、圧縮することなしに直ちに分解することが出来るので、密閉性や防爆構造を簡素化出来ると共に、取り扱いを容易にして作業周辺の環境を悪化させることなく、無害な炭酸ガスと水に分解できる装置を提供することが出来る。
実施の形態2.
イソブタンを冷媒として用いた使用済みの冷蔵庫が家電リサイクル法に則して回収された後、構成素材を分別回収するための適正処理に際して、冷媒回路内に残存した冷媒を回収する。使用済み冷蔵庫が具備する冷媒回路からの冷媒回収は、冷媒回路を成す配管の一部を欠損して排出させることが最も容易となるが、前述した可燃性であることに伴う安全性確保と共にVOC(揮発性有機化合物)対象物質であるが故の大気放出を抑制する手段が必要となる。
本実施の形態では、炭化水素であるイソブタンを使用済みの冷蔵庫から大気放出することなしに回収するための設備について詳述する。
まず、イソブタンを冷媒として用いた冷蔵庫が使用済みの後に家電リサイクル法に則して回収された後、冷媒回路内に残存した冷媒を回収するために、冷媒を封入するために用いた配管で圧縮機に接続された封入管にバーニングピアスに備えられた中空で先端が鋭利な形状を成す針を刺すことにより、針に接続したチューブを経て冷媒回路内に保持された冷媒を排出させる。
この冷媒を排出させるチューブは、冷媒を凝縮させるために沸点以下の−20℃に温調したコンデンサーを通過することによって液化させた後、密閉状態で窒素ガスによってわずかに加圧した貯蔵タンクに蓄える。液状で保管することによって、冷媒を回収する冷蔵庫の台数が増加しても容易に貯蔵することが可能であるうえ、一定の供給量を維持して酸化触媒に供給することができる。このとき、回収機に防爆型吸引ポンプを設けて、わずかに加圧することによって液化を促進しても良い。このように、一時的に保存する可燃性冷媒が、低温冷却および加圧することによって液状態で保存するものであるから、冷媒を回収する冷蔵庫の台数が増加しても容易に貯蔵することが可能であるうえ、一定の供給量を維持して酸化触媒に供給することができる。
一時的に貯蔵された液状態である冷媒は100cc/min以下の流速を維持して5m/min以上の風速を維持して流れるダクト内に投入する。この結果、冷媒と空気は酸化触媒へ配送する過程で均一に混合されるとともに、燃焼下限濃度の1.8%以下である5000ppmを維持して希釈されることになる。可燃性冷媒が、一時的に保存した後に、連続して酸化触媒7を具備した分解処理部6に噴出させるものであるから、可燃性の冷媒と空気が酸化触媒へ配送する過程で均一に混合されるとともに、分解反応に好適とする濃度を維持しながら希釈することができる。
このとき、酸化触媒は外殻に設けたヒータによって300℃に予熱しており、前述の空気で5000ppmに希釈したイソブタンを流入させれば、空気中の酸素と反応する酸化反応が進行して炭酸ガスと水に分解する。
酸化反応に伴う発熱によって酸化触媒で冷媒であるイソブタンの分解ガスの温度が上昇して時間の経過とともに触媒の温度を上昇させる。ここで用いた酸化触媒は、パラジウムを鉄のハニカム状構造体に表面塗布したものであるから、パラジウムが酸化して飛散することに起因した触媒機能の急激な低下を呈する使用限界温度の950℃を遵守することが長期に使用するうえで肝要である。
図8は可燃性冷媒濃度を変えて冷媒の分解反応に伴う発熱による酸化触媒の温度変化を示す説明図である。イソブタンの濃度が高くなるに従って酸化触媒の温度は上昇し、上述した触媒機能が急激に低下する使用限界温度の950℃には8000ppmで到達することから、これを上限とした濃度以下に抑制して酸化触媒に供給することが好ましい。噴出させた可燃性冷媒が酸化触媒の分解機能を低下させる温度以下を維持するような濃度以下に制御することにより、長期に渡って分解の性能を維持することができる。
上記イソブタンの濃度と流速に鑑み、酸化触媒の大きさを直径が300mmで長さが50mmとした場合の空間速度(通過するガスが酸化触媒のセル空間を1時間の内に置換する回数;回/Hr)が43千回/Hrに設定した状態であり、この酸化触媒を100℃に予熱した状態で希釈したイソブタンを試験的に流入させた場合の残存イソブタン濃度と分解ガスである一酸化炭素(CO)と二酸化炭素(CO2)の各濃度および酸化触媒の温度を図7に示した。
この結果から明白なように、酸化触媒が300℃前後に達した状態で急激に酸化反応が活性化して一層の温度上昇を来すとともにイソブタンの残存量富反応生成物である一酸化炭素の急激な濃度低下と完全分解時に生成するに酸化炭素の生成量の増加が確認できている。
図9はイソブタンの濃度と浄化率(分解したイソブタンの比率)の関係図であって、8500ppmの濃度で冷媒ガス(イソブタン)を酸化触媒に流入させた場合に、温度の上昇とともに流入したイソブタンが徐々に残存しない状態で排気される。しかしながら、浄化率が90%以上となるように使用した場合、酸化触媒の平均温度が上昇して600℃近くまで達する。このことから、酸化触媒の寿命を延ばそうとすれば、使用温度の過度な上昇を防止することが肝要であり、図9に示す如く、冷媒濃度が3200ppmを維持した状態では酸化触媒の平均温度が500℃を下回らない限り、浄化率を90%以上に保持できる。従って、過度な温度上昇を来した場合には酸化触媒に流入する空気量を増加させて温度上昇を抑制する事が有効となる。
つまり、イソブタン濃度と酸化触媒の大きさに基づく流入(空間)速度である本条件下での使用では十分に低い580℃が最高到達温度であることから触媒機能を維持する上での使用上の問題はないことが解った。その上で、酸化触媒の使用上の延命を図ることを目的に、分解の最適温度である510℃を目標に流入空気の量を増量させて温度調整を図っても良い。
なお、本発明は、以上述べた実施の形態において説明し、かつ図面に示した可燃性冷媒の処理法法およびその装置に限定されるものでは無く、例えば冷凍機器の冷媒回路に起因する故障などの際に冷媒を排除する時に用いる回収装置として本発明の一部のみも使用することができ、その要旨を脱し得ない範囲で種々変形して実施することができる。
実施の形態1を示す図で、冷媒回収装置の回路図である。 実施の形態1を示す図で、冷媒回収装置が備える回収部の説明図である。 実施の形態1を示す図で、冷媒回収装置が備える回収部における冷媒と空気の混合機能を備える後段部分の構造図である。 実施の形態1を示す図で、冷媒回収装置が備える油分離器の構造図である。 実施の形態1を示す図で、冷媒回収装置に燃焼を安定化させるために付帯する設備の概要を示す概念図である。 実施の形態1を示す図で、予熱した酸化触媒における分解処理時の温度変化を示す説明図である。 実施の形態1を示す図で、予熱した酸化触媒における残存濃度と分解ガスの各濃度および酸化触媒の温度変化を示す関係図である。 実施の形態2を示す図で、可燃性冷媒濃度を変えて冷媒の分解反応に伴う発熱による酸化触媒の温度変化を示す説明図である。 実施の形態2を示す図で、イソブタンの濃度と浄化率(分解したイソブタンの比率)の関係図である。
符号の説明
1 冷蔵庫、2 配管、3 バーニングピアス、4 回収部、5 混合部、6 分解処理部、7 酸化触媒、8 チューブ、9 気液分離槽、10 バルブ、11 保護ケース、12 障壁、13 吸引ポンプ、14 油分離器、15 金属製袋。

Claims (4)

  1. 機器の冷媒回路の一部を構成する圧縮機に接続された配管の一部を欠損して噴出させた可燃性冷媒を冷却及び加圧下の液状態で保管後、前記加圧時の圧力で排出し、これを燃焼下限濃度以下にまで希釈し、酸化触媒に誘導して分解処理を行うことを特徴とする可燃性冷媒の処理方法。
  2. 可燃性冷媒を周辺空気と混合して前記燃焼下限濃度以下にまで希釈することを特徴とする請求項1に記載の可燃性冷媒の処理方法。
  3. 冷凍サイクルを構成する配管の一部を欠損して可燃性冷媒を噴出させ、冷凍機油と冷媒とを分離する機能を備えた回収部を経て、少なくとも加圧状態化で一次保管した後、前記加圧力によって一定量を排出して前記可燃性冷媒の燃焼下限濃度以下の任意濃度となるように空気と混合した後、酸化触媒を具備する分解槽に導入して酸化分解させることを特徴とする可燃性冷媒の処理装置。
  4. 前記回収部が、噴出した可燃性冷媒の急速な導入を受けて膨張すると共に、排出時に収縮する機能を有する柔軟な袋状であることを特徴とする請求項3記載の可燃性冷媒の処理装置。
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