JP3865798B2 - カルボキシル基を含有するポリオキシアルキレン誘導体 - Google Patents

カルボキシル基を含有するポリオキシアルキレン誘導体 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は水性のポリウレタン樹脂や各種ポリマーの改質剤として有用なカルボキシル基と水酸基を含有するポリオキシアルキレン誘導体ならびに該誘導体を用いたポリウレタン樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、溶剤に起因する引火,爆発などの危険性,人体に対する毒性,環境汚染などの観点より、従来から使用されてきた溶剤系の樹脂を水性樹脂に変えようとする気運が高まってきている。とりわけ、水性ポリウレタン樹脂は多くの異なった構造のポリイソシアネート化合物とポリオール化合物、鎖延長剤を反応させることによりソフトなエラストマーからハードなプラスチックに至るまで特徴のある優れた性能のポリマーが得られるため塗料,接着剤,含浸剤等の広範な分野で検討が進められている。
水性ポリウレタン樹脂としてはアニオンタイプ,カチオンタイプ,ノニオンタイプの物が知られているが、水性ポリウレタン樹脂の経時安定性,物理的性能,他のエマルジョンや各種顔料等との混和安定性等より、ポリウレタン樹脂骨格にカルボキシル基を導入した自己乳化型の水性ポリウレタンが特に注目を集めている。ポリウレタン樹脂にカルボキシル基を導入する通常の方法はポリオール化合物に対して過剰のポリイソシアネート化合物を反応させてイソシアネート末端プレポリマーを合成し、次いで分子中に少なくとも1個のカルボキシル基とイソシアネート基と反応する活性水素を2個含有する化合物を反応させて実施される。カルボキシル基をポリウレタン樹脂骨格に導入する化合物としてはD.Dieterichによる総説"Progress in Organic Coating,9(1981)281-340"等に記載の化合物が知られているが、いずれも高融点で、かつポリウレタン樹脂やポリウレタン樹脂に使用される溶剤への溶解性が悪く、カルボキシル基の樹脂骨格への導入が困難である問題点があった。従来公知の化合物の中でカルボキシル基のポリウレタン樹脂骨格への導入が比較的良好な化合物として2,2'−ジメチロールプロピオン酸が挙げられるが、この化合物でも高融点で、かつポリウレタン樹脂や溶剤への溶解性が悪く、N−メチル−2−ピロリドン等の極性の高い溶剤を使用する必要があった。水性ポリウレタン樹脂中から水溶性の高沸点溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン等を除去することは難しく,これらの方法で得られた水性ポリウレタン樹脂では溶剤を含んだまま使用される問題点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の事情に鑑みなされたもので、第一の目的はポリウレタン樹脂骨格等へのカルボキシル基の導入が容易であり、かつ低融点もしくは常温で液状の分子中に少なくとも1個のカルボキシル基と水酸基を含有するポリオキシアルキレン誘導体を提供すること。第二の目的は該ポリオキシアルキレン誘導体とポリイソシアネート化合物、必要により他のポリオール化合物や鎖延長剤とからなる水性ポリウレタン樹脂用に特に好適なカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するために種々の検討を行い、カルボン酸のアルキルエステルと水酸基を有する化合物の水酸基に環状のエーテルを付加重合させてカルボン酸のアルキルエステルと水酸基を有するポリオキシアルキレン誘導体を合成し、ついで該ポリオキシアルキレン誘導体のカルボン酸のアルキルエステルを加水分解することにより新規なカルボキシル基と水酸基を含有するポリオキシアルキレン誘導体が合成されることを見いだし本発明を完成させた。
【0005】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1.下記一般式[化1]で表されるカルボキシル基と水酸基を含有するポリオキシアルキレン誘導体
【0006】
【化3】
Figure 0003865798
【0007】
R1; H,C1〜C3のアルキル基
R2; C1〜C6のアルキレン基,C6〜C8のアリーレン基
l ; 0〜2
m ; 0.1〜35
n ; 0.1〜50
0.5<(m+n)<50
A ; C4〜C7のアルキレン基
B ; C2〜C6のアルキレン基
【0008】
2.下記一般式[化2]で表されるカルボン酸のアルキルエステル基と水酸基を含有する化合物にルイス酸を用いて3〜4員環状エーテルおよび5員環状エーテルを付加重合させてカルボン酸のアルキルエステル基と水酸基を含有するポリオキシアルキレン誘導体を得、さらに該誘導体を塩基または酸の存在下で加水分解させるカルボキシル基と水酸基を含有する前記ポリオキシアルキレン誘導体の製造法
【0009】
【化4】
Figure 0003865798
【0010】
R ; C1〜C8のアルキル基
R1; H,C1〜C3のアルキル基
R2; C1〜C6のアルキレン基,C6〜C8のアリーレン基
l ; 0〜2の整数
【0011】
3.前記カルボキシル基と水酸基を含有するポリオキシアルキレン誘導体とポリイソシアネート化合物、必要により他のポリオール化合物や鎖延長剤とからなるカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂
【0012】
本発明で使用されるカルボン酸のアルキルエステル基と水酸基を有する化合物は下記一般式[化3]で表される化合物である。
【0013】
【化5】
Figure 0003865798
【0014】
R ; C1〜C8のアルキル基
R1; H,C1〜C3のアルキル基
R2; C1〜C6のアルキレン基,C6〜C8のアリーレン基
l ; 0〜2の整数
【0015】
具体的な化合物としては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸,4,4ーヒ゛ス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸,ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸等の1個のカルボキシル基と2個の水酸基を含有する化合物のC1〜C8のアルキルエステルを挙げることができる。
【0016】
本発明で使用されるルイス酸としては、三フッ化ホウ素,五フッ化リン,五フッ化アンチモン,五塩化アンチモン,塩化アルミニウム,塩化第二鉄,四塩化チタン,四塩化錫,六フッ化リン酸リチウム等の金属系または非金属ハロゲン化物;二酸化ケイ素,二酸化チタン,二酸化ジルコニウム,酸化アルミニウム等の固体酸およびこれらに上記ハロゲン化物を添着した固体酸;三フッ化ホウ素,五フッ化アンチモン等とジメチルエーテル,ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン等の鎖状および環状エーテルとの錯体等を挙げることができる。特に三フッ化ホウ素とテトラヒドロフランの錯体が好適である。
【0017】
本発明で使用される3〜4員環状のエーテル化合物としてはエチレンオキサイド,1,2−プロピレンオキサイド,1,2−または2,3−ブチレンオキサイド,エピクロロヒドリン等の3員環状のアルキレンオキサイド類,1,3−プロピレンオキサイド,1,3−ブチレンオキサイド,2−メチル−1,3−エポキシプロパン,2,2−ジメチル−1,3−エポキシプロパン等の4員環状のアルキレンオキサイド類を挙げることができる。その中でもエチレンオキサイド,1,2−プロピレンオキサイドが好適である。また2種以上を併用することも可能である。
【0018】
本発明で使用される5員環状エーテル化合物としてはテトラヒドロフラン,3−メチルテトラヒドロフラン,3−エチルテトラヒドロフラン,2−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることができる。
【0019】
本発明を実施する場合、目的とするポリオキシアルキレン誘導体の分子構造や分子量等に応じて,使用するカルボン酸のアルキルエステル基と水酸基を有する化合物、環状エーテル化合物および触媒の種類及び量を設定しなければならない水酸基に5員環状のエーテルを付加重合させるとき、ルイス酸触媒単独では付加重合が進行しないため、カルボン酸のアルキルエステル基と水酸基を含有する化合物に5員環状エーテルを添加して溶解させ、次いでルイス酸を添加した混合液に3〜4員環状エーテルを攪拌下で徐々に滴下反応することにより実施される.使用する各成分の水酸基に対する量的比率は,ルイス酸は0.01〜2モル好ましくは0.04〜0.5モル、3〜4員環状エーテルは0.5〜50モル、好ましくは1〜10モル、5員環状エーテルは使用する3〜4員環状エーテル量との関係で決められるが、通常溶媒を兼ねて過剰に用い、未反応物は重合反応後に回収して再使用される。生成物の溶解性を向上させる等の必要がある場合にはトルエン,キシレン,ジエチルエーテル,ジブチルエーテル等の不活性有機溶剤を使用してもよい。反応は−20〜60℃,好ましくは0〜40℃,乾燥窒素気流下,実質無水の条件で行うのが好ましい。反応時間は上記の温度範囲で1〜15時間,0〜10℃で2〜6時間で充分である。
【0020】
重合終了液は、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸水素ナトリウム等のアルカリ水溶液で中和し、未反応環状エーテルを蒸留等で除去した後、触媒分解物を含む水層を分離する。固体酸等中和を必要としない場合にはそのまま吸着ろ過にかけるなどして触媒成分を分離した後、未反応環状エーテルを回収する。重合体を含む有機層を水洗,吸着,ろ過等の公知の方法で精製し、本発明のカルボン酸のアルキルエステル基と水酸基を含有するポリオキシアルキレン誘導体を得る。
本発明のカルボキシル基と水酸基を含むポリオキシアルキレン誘導体は前記の方法で得られたカルボン酸のアルキルエステル基と水酸基を有するポリオキシアルキレン誘導体に水酸化ナトリウム,水酸化カリ等のアルカリ水溶液を添加し、加水分解反応(ケン化反応)を行うことによって実施される。加水分解反応はカルボン酸のアルキルエステル基に対し当モル以上のアルカリを用い、必要によりエタノール等の低級アルコールやテトラヒドロフラン等の水溶性の溶剤を添加することにより、60〜100℃で効率的に進行する。この加水分解反応は塩酸,硫酸,固体酸等の酸触媒下で実施することも可能である。
【0021】
本発明で使用されるポリイソシアネート化合物としては特に制限はなく、トリレンジイソシアネート,4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート,3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’ジイソシアネート,p−フェニレンジイソシアネート,1,5−ナフタレンジイソシアネート,m−キシリレンジイソシアネート,テトラメチルキシリレンジイソシアネート,1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート,1,4−テトラメチレンジイソシアネート,トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート,1,3−ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン,4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート,1,4−ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン等の脂肪族,芳香族および脂環式ジイソシアネート化合物を挙げることができる。
【0022】
本発明で使用されるポリオールとしてはポリオキシプロピレンポリオール,ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール,ポリブチレンアジペートポリオール,ポリヘキサメチレンアジペートポリオール,ポリカプロラクトンポリオール,ポリヘキサメチレンカーボネート等のポリエステルポリオール,鎖延長剤としてエイレングリコール,ブタンジオール等のグリコール類やエチレンジアミン,イソホロンジアミン,ヒドラジン等のジアミン化合物を挙げることができる。
【0023】
本発明のカルボキシル基と水酸基を有するポリオキシアルキレン誘導体を用いたポリウレタン樹脂、具体例として水性ポリウレタン樹脂は次に示す方法によって実施される。すなわち従来公知のポリオールと過剰量のポリイソシアネート化合物を溶剤の存在あるいは不存在下で反応させてイソシアネート末端プレポリマーを合成し,次いで本発明のカルボキシル基と水酸基を含有するポリオキシアルキレン誘導体を反応させて,カルボキシル基を有するイソシアネート末端プレポリマーを合成する.このプレポリマーを水酸化ナトリウム等の無機塩基やトリエチルアミン,トリブチルアミン,ジメチルエタノールアミン,モルフォリン等の有機塩基や必要によりエチレンジアミン,イソフォロンジアミン等の鎖延長剤を含有する脱イオン水中に機械的に分散乳化させて合成される.カルボキシル基を含有するイソシアネート末端プレポリマーを溶剤の存在下で前記のエチレンジアミン等の鎖延長剤と反応させてポリマー化し、かつカルボキシル基をトリエチルアミン等の有機塩基で造塩した後に、脱イオン水中に機械的に分散乳化して合成することもできる。
いずれにしても、本願発明のポリオキシアルキレン誘導体0.02〜0.50に対して当量比で、従来公知のポリオール0〜0.50、ポリイソシアネート化合物0.50〜0.67、鎖延長剤0〜0.50の割合で使用することができる。
【0024】
本発明のカルボキシル基および水酸基を有するポリオキシアルキレン誘導体は常温で液状もしくは低融点であり、全く溶剤を使用せずにイソシアネート末端プレポリマーと反応させることができるため、水性ポリウレタン樹脂のほかに従来公知のポリウレタン樹脂の製造法によりカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂が容易に製造でき、溶剤型の接着剤や無溶剤型熱可塑性ウレタンアイオノマーに使用できる。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。なお、以下の実施例において部は重量部を示す。本実施例においてヒドロキシル価はピリジン−無水酢酸法により測定した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)は東洋ソーダ(株)製高速クロマトグラフィーを使用,カラム;TSK−G2500HX/G4000HX,溶媒;テトラヒドロフランの条件で実施した。GPCによる数平均分子量は市販のポリエチレングリコール標準試薬により求めた検量線より算出した。 また、1H−NMR,13C−NMR分析は日本電子(株)製のGSX−400,FT−NMRによって行った。
【0026】
[実施例1]
攪拌装置,温度計,シリカゲル管を備え、窒素置換した500ccの四ツ口フラスコに2,2−ジメチロールプロピオン酸n−ブチルエステル 57部,テトラヒドロフラン 144.2部を仕込み攪拌下,氷冷浴にて保冷し、次いで三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体 7.0部を添加した後プロピレンオキシド 58.1部を滴下ロートにて5〜10℃で2時間かけて徐々に添加した。この後、5〜10℃で4時間重合反応を行った後に、10重量%炭酸ナトリウム水溶液320部を添加し、重合を停止させた。
次ぎにフラスコに蒸留器をセットし、加熱して未反応のテトラヒドロフランを蒸留した。放冷,静置分液後に下層の水層部分を除去した。次いで、トルエン200部,水100部を加え,60℃に昇温して攪拌水洗を行った後、放冷,静置分液後に下層をぬきとった。水150部の添加,60℃攪拌水洗の操作を4回繰り返した後、有機層からトルエンを100℃で減圧蒸留し、無色で透明な常温で液状の重合体199部を得た。この重合体はヒドロキシル価(mgKOH/g)151,酸価0.8であり、またGPCおよびNMR分析の結果、原料の2,2−ジメチロールプロピオン酸n−ブチルエステルは消失し、平均分子量738のテトラヒドロフラン,プロピレンオキサイド付加の共重合ポリオールであった。
【0027】
[実施例2]
攪拌装置,温度計,コンデンサーを備えた1000CCの四ツ口フラスコに実施例1で合成した共重合ジオール 150部,トルエン150部,THF 50部および30重量%水酸化ナトリウム水溶液200部を仕込み、80℃温水浴で3時間加水分解を行った。放冷後に4N塩酸を用いて中和し、放冷静置分液後に下層を抜き取った。次いで、水100部添加,60℃/20分攪拌水洗する操作を4回繰り返し、最後の有機層からトルエン,テトラヒドロフランを減圧下で除去し、透明な粘度1260cps/22℃の常温で液状の重合体 121.5部を得た。この重合体の酸価は69,ヒドロキシル価は137で、GPC分析による平均分子量は817であった。NMR分析の結果、この重合体は2,2−ジメチロールプロピオン酸のヒドロキシル基1当量当たりにテトラヒドロフラン3.1モル,プロピレンオキサイド2.1モルが付加したものであった。
【0028】
[実施例3]
攪拌装置,温度計,シリカゲル管を備えた500CCの四ツ口フラスコに水酸基価54.2のポリヘキサメチレンカーボネートジオール(日本ポリウレタン工業製のN−960R)152.1部にヘキサメチレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業製のHDI)28.7部を添加し、窒素気流下,85℃で5時間反応させた後、実施例2で合成した酸価69,水酸基価137のポリオキシアルキレン誘導体39.9部を添加し、85℃で5時間反応させカルボキシル基含有のイソシアネート末端のプレポリマーを得た。ついで、このプレポリマーにヒドラジン・1水塩を10重量%含有するアセトン溶液4.9部とアセトン150部を添加し40℃で1時間反応させた後、トリエチルアミン5.9部を添加し40℃で10分間攪拌し造塩させた。このプレポリマー360部をホモミキサー攪拌下で250部の水中に強制乳化させた。得られたポリウレタンエマルジョン中のアセトンを加熱・減圧下で留去した後、5日間熟成させた。得られたポリウレタンエマルジョンは固形分36.5重量%,粘度3800cps/20℃,pH7.5で良好な機械的安定性を示す物であった。室温で作製し、80℃/30分熱処理した約200μ厚フィルムを用いて測定した常態(20℃,65RH%)および水浸漬時(20℃/24hrs.)の引張物性を[表1]に示す。
引張物性は(株)オリエンテック製のテンシロンUTM−III-100を用い引張速度 500mm/minで測定した。
【0029】
【表1】
Figure 0003865798
【0030】
[比較例1]
実施例3において本発明のポリオキシアルキレン誘導体の代わりに、2,2−ジメチロールプロピオン酸を用い、かつポリウレタン樹脂を構成する原料のイソシアネート基/水酸基の比率およびポリウレタン樹脂中のカルボン酸含有率が同一になるようにポリヘキサメチレンカーボネート152.1部,ヘキサメチレンジイソシアネート26.8部,ジメチロールプロピオン酸5.5部を仕込み、他は全て同様な反応を行った。その結果、ジメチロールプロピオン酸は一部溶解したものの大部分は溶解しなかった。このプレポリマーをホモミキサーを用いて水中に強制的に乳化したが、良好なポリウレタンエマルジョンは得られなかった。
【0031】
【発明の効果】
本発明のポリオキシアルキレン誘導体は水酸基とカルボキシル基の異なる官能基を持ち,かつ低融点もしくは常温液状のオリゴマーであり、ポリマーの親水性付与剤や改質剤として使用することができる。
本発明のカルボキシル基含有のポリウレタンは特に水性ポリウレタン樹脂に好適に使用でき、得られた水性ポリウレタン樹脂は優れた安定性と機械的性能を持ち,塗料,コーティング,接着剤,バインダー等に使用できる。

Claims (3)

  1. 下記一般式[化1]で表されるカルボキシル基と水酸基を含有するポリオキシアルキレン誘導体
    Figure 0003865798
    R1; H,C1〜C3のアルキル基
    R2; C1〜C6のアルキレン基,C6〜C8のアリーレン基
    l ; 0〜2
    m ; 0.1〜35
    n ; 0.1〜50
    0.5<(m+n)<50
    A ; C4〜C7のアルキレン基
    B ; C2〜C6のアルキレン基
  2. 下記一般式[化2]で表されるカルボン酸のアルキルエステル基と水酸基を含有する化合物にルイス酸を用いて3〜4員環状エーテルおよび5員環状エーテルを付加重合させてカルボン酸のアルキルエステル基と水酸基を含有するポリオキシアルキレン誘導体を得、さらに該誘導体を塩基または酸の存在下で加水分解させて得られるカルボキシル基と水酸基を含有する請求項1記載のポリオキシアルキレン誘導体の製造法
    Figure 0003865798
    R ;C1〜C8のアルキル基
    R1;H,C1〜C3のアルキル基
    R2;C1〜C6のアルキレン基,C6〜C8のアリーレン基
    l ;0〜2の整数
  3. 請求項1項記載のカルボキシル基と水酸基を含有するポリオキシアルキレン誘導体と、ポリイソシアネート化合物,必要により他のポリオール化合物や鎖延長剤とからなるカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂
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