JP2007063449A - カルボキシル基含有ポリエステルポリオール、水性ポリウレタン系樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

カルボキシル基含有ポリエステルポリオール、水性ポリウレタン系樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ジメチロールアルカン酸が用いられていても、ジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを提供する。
【解決手段】 カルボキシル基含有ポリエステルポリオールは、ジメチロールアルカン酸を用いたラクトン類の開環重合により得られ、且つ数平均分子量が250〜2000であり、さらに、カルボキシル基含有ポリエステルポリオール中に含まれているジメチロールアルカン酸の量が、ジメチロールアルカン酸、ラクトン類およびカルボキシル基含有ポリエステルポリオールの総量に対して1重量%以下であることを特徴とする。ラクトン類を開環重合させた後、ジメチロールアルカン酸を析出させ、析出したジメチロールアルカン酸を分離除去させることにより得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、カルボキシル基含有ポリエステルポリオール、水性ポリウレタン系樹脂組成物およびその製造方法に関し、特に、塗料、バインダーや接着剤の用途で有用な水性ポリウレタン系樹脂組成物を製造する際に用いられるカルボキシル基含有ポリエステルポリオール、該ポリエステルポリオールが用いられている水性ポリウレタン系樹脂組成物およびその製造方法に関する。
従来、水性ポリウレタン系樹脂は、柔軟性、機械的物性、接着性等が優れていることから、塗料、バインダー、接着剤等で利用されており、最近では、有機溶媒の大気放出を制限しようとする環境改善の動きから、ますますその開発、利用が進められている。
これまでに、ポリウレタン系樹脂の分子鎖中に親水基を導入して、ポリウレタン系樹脂を水性化する試みが多くなされており、中でも、ポリウレタン系樹脂の分子鎖(ポリウレタン鎖)にカルボン酸塩基(塩基性物質により中和されたカルボキシル基)が導入されたアニオン型のポリウレタン系樹脂は耐水性が良いことから盛んに検討されている。その製造方法としては、例えば、ポリイソシアネート系化合物、ポリオール系化合物、および2,2−ジメチロールプロピオン酸などのカルボキシル基含有ジオールを反応して、末端にイソシアネート基(NCO基)を有するウレタンプレポリマー(NCO基末端ウレタンプレポリマー)を得て、該NCO基末端ウレタンプレポリマーを、分子中のカルボキシル基を塩基性物質で中和して、水に分散又は溶解させた後、さらに、ポリアミン系化合物で鎖延長する方法が主として利用されている(特許文献1〜特許文献3参照)。
しかし、このような製造方法において、ウレタンプレポリマーを得る際、カルボキシル基含有ジオールとして用いられている2,2−ジメチロールプロピオン酸は、ポリイソシアネート系化合物やポリオール系化合物の他、通常用いられている低沸点有機溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)に対する溶解性が乏しく、無溶媒または低沸点有機溶媒中で反応させると、反応系が不均一となりゲル状物を生成し易いという問題があった。また、プレポリマー化反応を均一系で行なうためには、2,2−ジメチロールプロピオン酸を十分溶解しうる溶媒としてジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の高沸点有機溶媒を使わざるをえず、水性化した後、これらの高沸点有機溶媒の除去が困難なことから、最終的に水性ポリウレタン系樹脂組成物の液中に、高沸点有機溶媒が残留する結果となり、得られる水性ポリウレタン系樹脂組成物を塗布する際、乾燥性や作業環境を低下させるという問題があった。
そこで、ジメチロールアルカン酸へのε−カプロラクトンの開環重合で得られるカルボキシル基含有ポリエステルポリオールと、ポリイソシアネート系化合物との反応により得られるポリウレタン系樹脂として、塗布する際の乾燥性や作業環境の低下が抑制又は防止され、また、均一で安定であり、さらに、容易に製造することが可能なものが提案されている。具体的には、例えば、カルボキシル基濃度が酸価10以上のポリウレタン樹脂のアンモニア、無機塩基類またはアミン類のいずれかによる中和物からなるポリウレタン系樹脂(特許文献4参照)や、ジメチロールアルカン酸へのε−カプロラクトンの開環重合で得られる数平均分子量250〜5000のカルボキシル基含有ポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させることにより得られるポリウレタン系樹脂(特許文献5参照)等が提案されている。さらに、ジメチロールブタン酸へのε−カプロラクトンの開環重合を詳細に検討することにより、常温で液状のカルボキシル基含有ポリエステルポリオールが開示されている(特許文献6参照)。
特公昭61−5485号公報 特公平3−48955号公報 特公平4−488号公報 特開平6−313024号公報 特開平8−27243号公報 特開2004−91740号公報
しかしながら、従来のポリウレタン系樹脂で用いられているカルボキシル基含有ポリエステルポリオール中には、ε−カプロラクトン又はその開環物が付加していないジメチロールアルカン酸(未反応のジメチロールアルカン酸)の残留が避けられず、ジメチロールアルカン酸の溶解性に乏しい特性により、ジメチロールアルカン酸のみが結晶化により相分離を起こし、そのため、ポリウレタン系樹脂を製造する際には、ジメチロールアルカン酸が相分離した状態のカルボキシル基含有ポリエステルポリオールが用いられているのが実状であった。このようなカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを工業的な製造に適応させるためには、ジメチロールアルカン酸が相分離した状態のカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを再加熱により溶解させて製造に供する必要性がある。特に、ジメチロールアルカン酸が2,2−ジメチロールプロピオン酸である場合、2,2−ジメチロールプロピオン酸の融点は高く、工業的な製造への対応は極めて困難となる。
なお、常温で液状のカルボキシル基含有ポリエステルポリオール中でも、2,2−ジメチロールブタン酸が含まれていることが確認され、長期間にわたり、低温下で貯蔵された場合には、2,2−ジメチロールブタン酸の結晶化により、2,2−ジメチロールブタン酸が相分離した状態のカルボキシル基含有ポリエステルポリオールが得られ、前記と同様に、再加熱による溶解の必要性が生じている。
このように、従来、用いられているカルボキシル基含有ポリエステルポリオール中にはジメチロールアルカン酸が存在し、相分離が生じている場合があり、そのため、水性ポリウレタン系樹脂組成物を調製する際には、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを再加熱しなければならず、生産性や製造作業性が低く、ジメチロールアルカン酸の含有量が低いカルボキシル基含有ポリエステルポリオールが求められていた。しかしながら、ジメチロールアルカン酸を用いてε−カプロラクトンを開環重合させる際の方法を詳細に検討することにより、得られるカルボキシル基含有ポリエステルポリオール中に残存する未反応のジメチロールアルカン酸の量が、ジメチロールアルカン酸、ε−カプロラクトンおよびカルボキシル基含有ポリエステルポリオールの総量に対して1重量%以下に規定されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールについては、未だに提案や開示がなされていないのが実状である。従って、ポリウレタン系樹脂は、塗布する際の乾燥性や作業環境性が未だに十分でなく、そのため、ジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールが求められている。
従って、本発明の目的は、ジメチロールアルカン酸が用いられていても、ジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを提供することにある。
本発明の他の目的は、塗布時の乾燥性や作業環境性が優れており、均一性が高く安定性が良好な水性ポリウレタン系樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、さらに、高沸点有機溶媒を用いなくても、プレポリマー化の反応を均一系で行って、容易に製造することができる水性ポリウレタン系樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは前記目的を達成するために鋭意検討した結果、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールの製造時に、反応系内に残存しているジメチロールアルカン酸を析出させて、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールからジメチロールアルカン酸を分離除去させることにより、ジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得ることができ、該カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを用いてポリウレタン系樹脂を製造すると、塗布時の乾燥性や作業環境性が優れており、均一性が高く安定性が良好な水性ポリウレタン系樹脂組成物を得ることができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、ジメチロールアルカン酸を用いたラクトン類の開環重合により得られ、且つ数平均分子量が250〜2000であるカルボキシル基含有ポリエステルポリオールであって、カルボキシル基含有ポリエステルポリオール中に含まれているジメチロールアルカン酸の量が、ジメチロールアルカン酸、ラクトン類およびカルボキシル基含有ポリエステルポリオールの総量に対して1重量%以下であることを特徴とするカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを提供する。
前記ジメチロールアルカン酸としては、2,2−ジメチロールプロピオン酸が好適である。このようなカルボキシル基含有ポリエステルポリオールは、ジメチロールアルカン酸を用いてラクトン類を開環重合させた後、ジメチロールアルカン酸の貧溶媒を加えてジメチロールアルカン酸を析出させ、さらに、析出したジメチロールアルカン酸を分離除去し、その後、前記貧溶媒を分離除去させることや、ジメチロールアルカン酸を用いてラクトン類を開環重合させた後、攪拌を継続させてジメチロールアルカン酸を結晶化により析出させ、さらに、析出したジメチロールアルカン酸を分離除去させることにより、得ることができる。なお、前記ジメチロールアルカン酸の貧溶媒としては、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールに対して良溶媒としての機能を発揮することが好ましい。
本発明は、また、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを少なくとも含むポリオール系化合物と、ポリイソシアネート系化合物との反応により得られ、且つ分子鎖中に塩基性物質により中和されたカルボキシル基を含有するポリウレタン系樹脂を含んでいる水性ポリウレタン系樹脂組成物であって、前記カルボキシル基含有ポリエステルポリオールが、カルボキシル基含有ポリエステルポリオール中に含まれているジメチロールアルカン酸の量が、ジメチロールアルカン酸、ラクトン類およびカルボキシル基含有ポリエステルポリオールの総量に対して1重量%以下であるカルボキシル基含有ポリエステルポリオールであることを特徴とする水性ポリウレタン系樹脂組成物を提供する。
前記ポリウレタン系樹脂におけるカルボキシル基の割合は、ポリウレタン系樹脂の固形分全量に対して0.4〜5重量%であることが好ましく、また、ポリウレタン系樹脂の数平均分子量は、6000〜500000であることが好ましい。
本発明は、さらにまた、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを少なくとも含むポリオール系化合物と、ポリイソシアネート系化合物との反応により得られ、且つ分子鎖中に塩基性物質により中和されたカルボキシル基を含有するポリウレタン系樹脂を含んでいる水性ポリウレタン系樹脂組成物を製造する方法であって、前記カルボキシル基含有ポリエステルポリオールとして、カルボキシル基含有ポリエステルポリオール中に含まれているジメチロールアルカン酸の量が、ジメチロールアルカン酸、ラクトン類およびカルボキシル基含有ポリエステルポリオールの総量に対して1重量%以下であるカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを用い、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを少なくとも含むポリオール系化合物と、ポリイソシアネート系化合物とを反応させて末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た後、該ウレタンプレポリマーを、分子中のカルボキシル基を塩基性物質により中和して水に分散又は溶解させることを特徴とする水性ウレタン系樹脂組成物の製造方法を提供する。
このような水性ポリウレタン系樹脂組成物の製造方法では、塩基性物質により中和されたカルボキシル基を含有するウレタンプレポリマーを水に分散又は溶解させた後、さらに、鎖延長剤により鎖延長させてもよい。
本発明のカルボキシル基含有ポリエステルポリオールによれば、ジメチロールアルカン酸が用いられていても、ジメチロールアルカン酸の含有量が低減されている。そのため、該カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを用いて得られる水性ポリウレタン系樹脂組成物は、塗布時の乾燥性や作業環境性が優れており、均一性が高く安定性が良好である。また、水性ポリウレタン系樹脂組成物を、高沸点溶媒を用いなくても、プレポリマー化の反応を均一系で行って、容易に製造することができる。
従って、本発明の水性ポリウレタン系樹脂組成物は、塗料、バインダー(印刷インキ用のバインダーなど)、接着剤等の用途で有用である。
[カルボキシル基含有ポリエステルポリオール]
本発明のカルボキシル基含有ポリエステルポリオールは、ジメチロールアルカン酸を用いたラクトン類の開環重合により得られ、且つ数平均分子量が250〜2000であり、さらに、カルボキシル基含有ポリエステルポリオール中に含まれているジメチロールアルカン酸の量が、ジメチロールアルカン酸、ラクトン類およびカルボキシル基含有ポリエステルポリオールの総量に対して1重量%以下である。このように、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールは、ジメチロールアルカン酸の含有量が極めて少ないので、無溶剤中や低沸点溶媒中で、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを少なくとも含むポリオール系化合物と、ポリイソシアネート系化合物とを反応させるプレポリマー化の反応を均一系で行って、ポリウレタン系樹脂を容易に製造することができる。そのため、得られた水性ポリウレタン系樹脂組成物は、均一性が優れているとともに、安定性が良好であり、さらに塗布して苫区を形成させる際の乾燥性や作業環境性が優れている。
(ジメチロールアルカン酸)
カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを製造する際に用いられるジメチロールアルカン酸としては、メチロール基(ヒドロキシメチル基)を2つ有しているアルカン酸(脂肪族飽和カルボン酸)であれば特に制限されない。メチロール基は、アルカン酸の炭化水素基における炭素原子に結合しており、この際、異なる炭素原子に結合していてもよいが、同一の炭素原子に結合していることが好ましく、特に、2位の炭素原子(α位の炭素原子)に結合していることが好適である。具体的には、ジメチロールアルカン酸としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、2,2−ジメチロールヘキサン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等の2,2−ジメチロールアルカン酸などが挙げられる。ジメチロールアルカン酸は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明では、ジメチロールアルカン酸としては、2,2−ジメチロールアルカン酸のなかでも2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールペンタン酸が好ましく、さらに好ましくは2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸であり、特に2,2−ジメチロールプロピオン酸を好適に用いることができる。
(ラクトン類)
カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを製造する際に用いられるラクトン類としては、特に制限されず、例えば、ε−カプロラクトン、モノメチル−ε−カプロラクトン、トリメチル−ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、γ−ラウロラクトンなどが挙げられる。ラクトン類は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ラクトン類としては、温和な条件下で重合可能であることや、入手が容易で工業的に低コストであること等の観点から、ε−カプロラクトンを好適に用いることができる。
(ラクトン類の開環重合)
カルボキシル基含有ポリエステルポリオールは、ジメチロールアルカン酸を用いたラクトン類の開環重合により得られる。このような開環重合については、公知であり、例えば、特開平6−313024号公報、特開平8−27243号公報、特開2004−91740号公報などの各種文献に記載されている。具体的には、ε−カプロラクトン等のラクトン類が開環した開環物が、ジメチロールアルカン酸におけるヒドロキシル基と反応して、ジメチロールアルカン酸にラクトン類が付加し、さらに、この付加体におけるラクトン類に由来するヒドロキシル基に、ラクトン類の開環物又はその重合体が付加し、さらに、末端のヒドロキシル基に、他のラクトン類の開環物又はその重合体が付加することを繰り返して、ラクトン類が開環重合することにより、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールが得られる。
カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを調製する際のラクトン類の開環重合では、触媒を用いることができる。触媒としては、特に制限されず、ラクトン類の開環重合で用いられる公知の触媒の中から適宜選択して用いることができる。具体的には、触媒としては、例えば、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等の有機チタン系化合物;オクチル酸第一スズ、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジラウレート、モノ−n−ブチルスズ脂肪酸塩等の有機スズ系化合物;塩化第一スズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一スズ等のハロゲン化第一スズなどが挙げられる。触媒の使用量としては、特に制限されないが、例えば、100ppm以下(0〜100ppm)の範囲から適宜選択することができ、好ましくは50ppm以下(0〜50ppm)である。触媒の使用量が100ppmを超えると、開環反応時間が著しく早くなり、得られたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを用いた合成樹脂の耐久性、耐水性などの物性が低下するため、好ましくない。なお、触媒は使用しなくても、すなわち、無触媒下でも、ラクトン類の開環重合を行うことは可能である。
ラクトン類の開環重合において、開環重合の温度(重合温度または反応温度)としては、特に制限されず、ラクトン類の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、80〜200℃(好ましくは90〜180℃、さらに好ましくは100〜160℃)の範囲から適宜選択することができ、特に150℃程度であることが好ましい。ラクトン類の開環重合における重合温度が80℃未満では、ラクトン類の開環重合の反応が著しく遅く、経済的でない。一方、ラクトン類の開環重合における重合温度が200℃を超えると、分子間脱水縮合により、ゲル化が起こるため、好ましくない。
なお、ラクトン類の開環重合は、窒素ガスなどの不活性ガスの雰囲気中で行うことにより、製品の色相などに良い結果が与えられる。
このような開環重合により得られるカルボキシル基含有ポリエステルポリオールの数平均分子量は、250〜2000であることが重要であり、好ましくは250〜1000(さらに好ましくは250〜700)である。カルボキシル基含有ポリエステルポリオールは、数平均分子量が250未満であると、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールではなく、ジメチロールアルカン酸が単独で存在していることを意味している。一方、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールの数平均分子量が2000を超えていると、室温で固体となるため、使用する際に(例えば、反応器への仕込み作業時などで)、予め加温して一旦溶解させる工程を経ることになり、作業上好ましくない。
(ジメチロールアルカン酸の低減)
このような開環重合では、得られる反応系内には、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールとともに、未反応のジメチロールアルカン酸や、ラクトン類(ε−カプロラクトンなど)が、残存している。ラクトン類は、重合温度や重合時間等の重合条件をコントロールすることにより、そのほとんどを開環重合により反応させて、反応系内に残存している量を低減させることができ、例えば、重合前の量に対して1重量%以下にまで低減させることができる。一方、ジメチロールアルカン酸は、重合温度や重合時間等の重合条件をコントロールしても、反応系内に残存している量を、反応系中のジメチロールアルカン酸、ラクトン類およびカルボキシル基含有ポリエステルポリオールの総量に対して1重量%以下にまで低減させることは困難である。
しかしながら、本発明のカルボキシル基含有ポリエステルポリオールでは、カルボキシル基含有ポリエステルポリオール中に含まれているジメチロールアルカン酸の量が、ジメチロールアルカン酸、ラクトン類およびカルボキシル基含有ポリエステルポリオールの総量に対して1重量%以下となっている。本発明では、ジメチロールアルカン酸を用いてラクトン類を高温下で開環重合させた後、析出したジメチロールアルカン酸を、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールから分離除去させることにより、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得ているので、カルボキシル基含有ポリエステルポリオール中に含まれているジメチロールアルカン酸の量が、ジメチロールアルカン酸、ラクトン類およびカルボキシル基含有ポリエステルポリオールの総量に対して1重量%以下にまで低減されている。
具体的には、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールは、例えば、(1)ジメチロールアルカン酸を用いてラクトン類を開環重合させた後、ジメチロールアルカン酸の貧溶媒を加えてジメチロールアルカン酸を析出させ、さらに、析出したジメチロールアルカン酸を分離除去し、その後、前記貧溶媒を分離除去させる方法、または(2)ジメチロールアルカン酸を用いてラクトン類を開環重合させた後、攪拌を継続させてジメチロールアルカン酸を結晶化により析出させ、さらに、析出したジメチロールアルカン酸を分離除去させる方法により、調製することができる。
前記調製方法(1)では、ジメチロールアルカン酸を用いたラクトン類の開環重合後、ジメチロールアルカン酸の貧溶媒(単に「貧溶媒」と称する場合がある)を、攪拌下、反応混合物中に加えることにより、溶解した状態で残存しているジメチロールアルカン酸を効果的に析出させている。このようにして、ジメチロールアルカン酸を析出させた後、さらに、析出したジメチロールアルカン酸をカルボキシル基含有ポリエステルポリオールから分離除去し、さらにその後、前記貧溶媒をカルボキシル基含有ポリエステルポリオールから分離除去させることにより、ジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得ている。
前記貧溶媒としては、ジメチロールアルカン酸の貧溶媒であれば特に制限されないが、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールに対しては良溶媒として機能を発揮するものを用いることが重要である。具体的には、貧溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアシルケトンなどが挙げられ、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトンを特に好適に用いることができる。なお、貧溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
貧溶媒の使用量としては、特に制限されず、反応系中に残存しているジメチロールアルカン酸を有効に析出させることが可能な量であればよい。具体的には、貧溶媒の使用量としては、例えば、反応系中の固形分100重量部に対して10〜500重量部(好ましくは30〜250重量部、さらに好ましくは50〜150重量部)の範囲から適宜選択することができる。貧溶媒の使用量が少なすぎると、ジメチロールアルカン酸の析出量が低下し、一方、多すぎると、経済的でなく、また、貧溶媒を除去するのに要する時間が増大する。
貧溶媒を添加させる際の温度としては、前記貧溶媒の沸点未満の温度であることが重要であり、貧溶媒の種類などに応じて適宜選択することができる。具体的には、貧溶媒を添加させる際の温度としては、例えば、20℃以上且つ80℃未満の範囲から適宜選択することができ、好ましくは30〜75℃(さらに好ましくは40〜70℃)であり、特に45〜65℃であることが好適である。貧溶媒を添加させる際の温度が20℃未満であると、温度を低下させるために要する時間が長くなることにより、効率性が低下し、一方、80℃以上であると、作業性が低下する。
なお、貧溶媒を添加させる方法としては、一括的に添加する方法、滴下により徐々に添加する方法、一部を一括的に添加し、残部を滴下により徐々に添加する方法など、いずれの方法であってもよい。
本発明では、貧溶媒は、攪拌下、反応混合物中に添加させることが重要である。反応混合物を攪拌させないで、貧溶媒を添加してもよいが、反応混合物を攪拌させた状態で、貧溶媒を反応混合物中に添加することにより、ジメチロールアルカン酸をより一層容易に且つ有効に析出させることができるようになる。
このようにして、貧溶媒の添加により析出したジメチロールアルカン酸は、公知の分離手段(例えば、遠心分離手段、ろ過分離手段など)を利用することにより、貧溶媒の添加により析出したジメチロールアルカン酸を含んでいる系から分離除去させることができる。貧溶媒の添加により析出したジメチロールアルカン酸を分離除去する手段としては、遠心分離手段、ろ過分離手段が好適である。具体的には、例えば、遠心分離手段を利用する場合、貧溶媒を添加してジメチロールアルカン酸を析出させた後、さらに、遠心分離処理を行って析出したジメチロールアルカン酸を沈降させ、析出したジメチロールアルカン酸を含む下層を取り除いて、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールが溶解している溶液を得ることにより、貧溶媒の添加により析出したジメチロールアルカン酸を、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールから分離除去することができる。
なお、遠心分離手段等の分離手段により、貧溶媒の添加により析出したジメチロールアルカン酸を分離除去させる際の温度としては、前記貧溶媒の沸点未満の温度であることが重要であり、貧溶媒の種類などに応じて適宜選択することができる。具体的には、貧溶媒の添加により析出したジメチロールアルカン酸を分離除去させる際の温度としては、例えば、20℃以上且つ80℃未満の範囲から適宜選択することができ、好ましくは30〜75℃(さらに好ましくは40〜70℃)であり、特に45〜65℃であることが好適である。なお、貧溶媒の添加により析出したジメチロールアルカン酸を分離除去させる際の温度としては、ジメチロールアルカン酸を析出させるために貧溶媒を添加する際の温度と同温度であることが好ましい。貧溶媒の添加により析出したジメチロールアルカン酸を分離除去させる際の温度が20℃未満であると、温度を低下させるために要する時間が長くなることにより、効率性が低下し、一方、80℃以上であると、作業性が低下する。
また、貧溶媒(すなわち、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールが溶解している溶媒)は、公知の液体除去手段(例えば、減圧蒸留手段、薄膜減圧蒸留手段など)を利用することにより、貧溶媒をカルボキシル基含有ポリエステルポリオールから分離除去することができる。具体的には、貧溶媒の添加により析出したジメチロールアルカン酸を分離除去させた後、減圧蒸留手段により、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールが溶解している溶液から溶媒(すなわち、ジメチロールアルカン酸の貧溶媒)を減圧蒸留させることにより、貧溶媒を、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールから分離除去することができる。
なお、貧溶媒を除去する際の温度としては、貧溶媒を除去させる手段に応じて適宜選択することができる。
また、前記調製方法(2)では、ジメチロールアルカン酸を用いたラクトン類の開環重合後、攪拌を継続させることにより、溶解した状態で残存しているジメチロールアルカン酸を結晶化により析出させている。このようにして、ジメチロールアルカン酸を析出させた後、さらに、析出したジメチロールアルカン酸を、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールから分離除去させることにより、ジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得ている。
ジメチロールアルカン酸を結晶化により析出させるために継続して攪拌する際の温度としては、特に制限されないが、ジメチロールアルカン酸が結晶化により析出することが可能な温度であることが重要である。具体的には、ジメチロールアルカン酸を結晶化により析出させるために攪拌する際の温度としては、例えば、20℃以上且つ80℃未満の範囲から適宜選択することができ、好ましくは30〜75℃(さらに好ましくは40〜70℃)であり、特に45〜65℃であることが好適である。前記温度が20℃未満であると、温度を低下させるために要する時間が長くなることにより、効率性が低下し、一方、80℃以上であると、作業性が低下する。
なお、攪拌は、ジメチロールアルカン酸の結晶化を生じさせることが可能な速度で行うことが重要である。
このようにして、結晶化により析出したジメチロールアルカン酸は、公知の分離手段(例えば、ろ過分離手段、遠心分離手段など)を利用することにより、結晶化により析出したジメチロールアルカン酸を含んでいる系から分離除去させることができる。結晶化により析出したジメチロールアルカン酸を分離除去する手段としては、ろ過分離手段、遠心分離手段が好適である。具体的には、例えば、ろ過分離手段を利用する場合、攪拌して、結晶化によりジメチロールアルカン酸を析出させた後、さらに、ろ過分離処理を行って析出したジメチロールアルカン酸をろ過により取り除いて(分別して)、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得ることにより、結晶化により析出したジメチロールアルカン酸を、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールから分離除去することができる。
なお、ろ過分離手段等の分離手段により、結晶化により析出したジメチロールアルカン酸を分離除去させる際の温度としては、特に制限されない。具体的には、結晶化により析出したジメチロールアルカン酸を分離除去させる際の温度としては、例えば、20℃以上且つ80℃未満の範囲から適宜選択することができ、好ましくは30〜75℃(さらに好ましくは40〜70℃)であり、特に45〜65℃であることが好適である。なお、例えば、ろ過分離手段を利用する場合、ろ過分離手段により、結晶化により析出したジメチロールアルカン酸を分離除去させる際の温度としては、結晶化により析出させるために攪拌する際の温度と同温度であることが好ましいが、この際、ろ過分離処理中に温度が低減することを考慮して、結晶化により析出させるために攪拌する際の温度よりも高い温度(例えば、10〜20℃高い温度など)とすることが重要である。結晶化により析出したジメチロールアルカン酸を分離除去させる際の温度が20℃未満であると、温度を低下させるために要する時間が長くなることにより、効率性が低下し、一方、80℃以上であると、作業性が低下する。
[水性ポリウレタン系樹脂組成物]
本発明の水性ポリウレタン系樹脂組成物は、前述のジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを少なくとも含むポリオール系化合物と、ポリイソシアネート系化合物との反応により得られ、且つ分子鎖中に塩基性物質により中和されたカルボキシル基を含有するポリウレタン系樹脂(ポリウレタン系ポリマー)を含んでいる水性ポリウレタン系樹脂組成物である。すなわち、ポリウレタン系樹脂を製造する際のカルボキシル基含有ポリエステルポリオールとして、公知のカルボキシル基含有ポリエステルポリオールではなく、前述のジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを用いていることがポイントである。このように、ジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを用いているので、ウレタンプレポリマーを調製する際の溶媒として、ジメチロールアルカン酸を溶解させるための高沸点有機溶媒を用いなくても、また、ジメチロールアルカン酸を溶解させるための再加熱を行わなくても、プレポリマー化の反応を均一系で行うことができ、ウレタンプレポリマーを容易に調製することができる。そのため、調製された水性ポリウレタン系樹脂組成物は、均一性が高く安定性が良好であり、しかも塗布時の乾燥性や作業環境性が優れている。
なお、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールとして、従来のカルボキシル基含有ポリエステルポリオール(すなわち、ジメチロールアルカン酸の含有量が低減されておらず、ジメチロールアルカン酸の量が、ジメチロールアルカン酸、ラクトン類およびカルボキシル基含有ポリエステルポリオールの総量に対して1重量%を超えているカルボキシル基含有ポリエステルポリオール)を用いた場合、高沸点溶媒を用いたり、再加熱を行ったりする必要性があり、製造作業性が低い。また、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールにろ過分離手段や遠心分離手段等の分離手段を施して、カルボキシル基含有ポリエステルポリオール中に含まれている析出されたジメチロールアルカン酸の分離除去を行うことも考えられるが、ジメチロールアルカン酸の析出物を分離除去すると、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールの組成などに変化が生じてしまい、設計どおりに、水性ポリウレタン系樹脂組成物を調製することができなくなり、また、ハンドリング性も低く、製造性が低下するという問題などが生じる。
(ポリオール系化合物)
本発明におけるポリウレタン系樹脂では、ポリオール系化合物として、前述のジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを少なくとも用いている。ポリオール系化合物としては、ジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールとともに、他のポリオール系化合物(前述のジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオール以外のポリオール系化合物)が用いられていてもよい。すなわち、ポリオール系化合物としては、ジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールのみが用いられていてもよく、ジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールとともに、他のポリオール系化合物が用いられていてもよい。他のポリオール系化合物としては、ポリウレタン系樹脂の原料として公知のポリオール系化合物の中から適宜選択することができるが、低沸点有機溶媒に対する溶解性が乏しい成分(ジメチロールアルカン酸など)をほとんど又は全く含んでいないポリオール系化合物を用いることが重要である。具体的には、ポリオール系化合物としては、例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のポリエーテルポリオール;ジオール成分(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど)とジカルボン酸成分(アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸など)との縮合反応により得られるポリエステルポリオール(例えば、両末端にヒドロキシル基を有しているポリエチレンアジペート、両末端にヒドロキシル基を有しているポリエチレン・ブチレンアジペート、両末端にヒドロキシル基を有しているポリプロピレンアジペート、両末端にヒドロキシル基を有しているポリヘキサメチレンアジペート、両末端にヒドロキシル基を有しているポリネオペンチレンアジペート、両末端にヒドロキシル基を有しているポリ−3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート、テレフタル酸と、必要に応じてイソフタル酸及び/又はアジピン酸とをカルボン酸成分とするとともに、ヘキサメチレングリコール及び/又は3−メチル−1,5−ペンタンジオールをジオール成分とし、且つ両末端にヒドロキシル基を有しているポリエステルポリオール、両末端にヒドロキシル基を有しているポリカプロラクトン、両末端にヒドロキシル基を有しているポリメチルバレロラクトンなど)の他、ポリカーボネートポリオール、シリコーンポリオール、ポリオレフィンポリオール(ポリブタジエンポリオールなど)などの長鎖タイプのポリオール系化合物が挙げられる。これらの長鎖タイプのポリオール系化合物の数平均分子量は、特に制限されないが、例えば、400〜5000程度であってもよい。また、ポリオール系化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどの短鎖タイプのポリオール系化合物も用いることができる。これらのポリオール系化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(ポリイソシアネート系化合物)
ポリイソシアネート系化合物としては、特に制限されず、ポリウレタン系樹脂の原料として公知のポリイソシアネート系化合物の中から適宜選択することができる。具体的には、ポリイソシアネート系化合物としては、例えば、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート系化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートの水素添加物等の脂環式ジイソシアネート系化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート系化合物;キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート系化合物などが挙げられる。ポリイソシアネート系化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリイソシアネート系化合物としては、製造がし易いこと、水中での樹脂の安定性がよいこと、黄変しないことなどの観点から、脂環式ジイソシアネート系化合物(特に、イソホロンジイソシアネート)を好適に用いることができる。
(塩基性物質)
本発明におけるポリウレタン系樹脂は、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを少なくとも含むポリオール系化合物と、ポリイソシアネート系化合物との反応により得られ、且つ分子鎖中に塩基性物質により中和されたカルボキシル基を含有している。ポリウレタン系樹脂におけるカルボキシル基を中和するために用いられている塩基性物質としては、特に制限されず、公知の塩基性物質の中から適宜選択して用いることができる。塩基性物質としては、有機系の塩基性物質であってもよく、無機系の塩基性物質であってもよい。具体的には、塩基性物質としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリプロピルアミン等の第3級アミン;ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;アンモニア;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。塩基性物質は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。塩基性物質としては、第3級アミン、アルカノールアミンを好適に用いることができる。
塩基性物質は、通常、ウレタンプレポリマー中のカルボキシル基1当量に対して0.5〜1当量の割合で用いられるが、1当量を超えていてもよい。
(鎖延長剤)
本発明におけるポリウレタン系樹脂は、鎖延長剤により鎖延長されていてもよい。鎖延長剤としては、特に制限されず、公知の鎖延長剤(アミン系鎖延長剤や、ジオール系鎖延長剤など)の中から適宜選択して用いることができるが、アミン系鎖延長剤を好適に用いることができる。アミン系鎖延長剤としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,4−シクロヘキシレンジアミン、イソホロンジアミン、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環式ジアミン;m−キシリレンジアミン等の芳香脂肪族ジアミン;フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンなどのジアミンの他、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のポリエチレンポリアミン類や、ヒドラジン、ピペラジン、ジヒドラジド化合物(ヒドラジンと、アジピン酸やフタル酸とのジヒドラジド化合物など)などが挙げられる。なお、ジオール系鎖延長剤としては、例えば、前記のポリオール系化合物の項で例示の短鎖タイプのポリオール系化合物などが挙げられる。鎖延長剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、ポリウレタン系樹脂の主鎖の末端に水酸基を導入したい場合には、アミン系鎖延長剤等の鎖延長剤とともに、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどを用いることができ、また、ポリウレタン系樹脂の主鎖中に水酸基を導入したい場合には、アミン系鎖延長剤等の鎖延長剤とともに、アミノエチルアミノエタノールなどを用いることができる。
鎖延長剤の使用量は、特に制限されず、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基(NCO)/鎖延長剤中の活性水素基(H)=2/1〜1/2(当量比)となる割合であることが好ましい。
(ポリウレタン系樹脂)
本発明におけるポリウレタン系樹脂は、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを少なくとも含むポリオール系化合物と、ポリイソシアネート系化合物との反応により得られ、且つ分子鎖中に塩基性物質により中和されたカルボキシル基を含有しており、必要に応じて、ウレタンプレポリマーが鎖延長剤により鎖延長された形態を有している。ポリウレタン系樹脂におけるカルボキシル基の割合としては、特に制限されないが、ポリウレタン系樹脂の固形分全量に対して0.4〜5重量%(好ましくは0.6〜4.5重量%、さらに好ましくは0.8〜4.2重量%)であってもよい。ポリウレタン系樹脂におけるカルボキシル基の割合が、ポリウレタン系樹脂の固形分全量に対して0.4重量%未満であると、樹脂の水性化が困難となり、一方、5重量%を超えると、樹脂の塗膜物性が低下する。
なお、ポリオール系化合物と、ポリイソシアネート系化合物との割合としては、特に制限されないが、通常、ポリイソシアネート系化合物中のイソシアネート基(NCO)/ポリオール系化合物中のヒドロキシル基(OH)=1.1/1〜6/1(当量比)となる割合であることが好ましい。
ポリウレタン系樹脂におけるカルボキシル基の割合は、例えば、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールの種類に応じて、ポリオール系化合物中のカルボキシル基含有ポリエステルポリオールの含有量を調整することにより、調節することができる。
ポリウレタン系樹脂の数平均分子量としては、特に制限されないが、例えば、6000〜500000(好ましくは7000〜300000、さらに好ましくは8000〜150000)である。ポリウレタン系樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定方法により、下記の測定条件で測定してポリスチレン換算した値である。
(GPCの測定条件)
・装置:装置名「HPLC LC−6A SYSTEM」(SHIMAZU社製)
・カラム:「KF−800P(10mm×4.6mmφ)」、「KF−804(300mm×8mmφ)」、「KF−802.5(300mm×8mmφ)」、「KF−801(300mm×8mmφ)」(以上、SHODEX社製)
・移動相:テトラヒドロフラン(THF)
・流速:1.0ml/min
・サンプル量:100μl(100倍希釈)
・カラム温度:50℃
・検量線作成標準物質:ポリスチレン(PSt)
ポリウレタン系樹脂は、前述のジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを含むポリオール系化合物と、ポリイソシアネート系化合物とを公知の方法により反応させて、末端にイソシアネート基を有するカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーを調製した後、末端にイソシアネート基を有するカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーにおける分子中のカルボキシル基を塩基性物質により中和させ、必要に応じて鎖延長剤を用いて鎖延長させることにより製造することができる。
ポリウレタン系樹脂は、無溶剤の状態で、ポリオール系化合物とポリイソシアネート系化合物とを反応させて、末端にイソシアネート基を有するカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーを得て、この無溶剤の状態のウレタンプレポリマーをそのまま用いて調製されていてもよく、後で水を加えて水中油型に乳化分散する操作を容易にするため、少量の低沸点有機溶媒で希釈したり、予め少量の低沸点有機溶媒中で、ポリオール系化合物とポリイソシアネート系化合物とを反応させることにより、ウレタンプレポリマーの粘度を低下させてもよい。
ウレタンプレポリマーを調製する際に用いられる低沸点有機溶媒は、通常、ポリウレタン系樹脂を水性化した後に除去する。そのため、低沸点有機溶媒としては、沸点が100℃以下のものが好ましく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなどが挙げられ、好ましくはアセトン、メチルエチルケトンであり、特にアセトンが最も好ましい。
ウレタンプレポリマーを調製する際のウレタン化反応は、窒素気流下などの不活性ガスの気流下で行うことができ、通常、窒素気流下で行われる。また、ウレタン化反応は、通常、無触媒で行われるが、触媒を用いてもよい。ウレタン化反応の際に用いられる触媒としては、特に制限されないが、例えば、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、ジブチルチンジアセテートなどの有機金属触媒;トリエチレンジアミン等の第3級アミン系触媒などが挙げられる。このような触媒は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ウレタン化反応における反応温度は、通常、20〜120℃の範囲から適宜選択することができる。ウレタン化反応における反応時間は、各段階の反応での反応温度などに応じて適宜選択することが重要であり、一概に定めることができないが、通常、1〜20時間程度である。
なお、ウレタン化反応の際に低沸点有機溶媒を用いた場合、前述のように、低沸点有機溶媒を除去する必要がある。低沸点有機溶媒の除去方法としては、特に制限されず、例えば、水の沸点以下の温度(例えば、30〜100℃)で、空気または窒素ガス等の不活性ガスなどを反応生成液の表面ないしは液中に送り込んで、低沸点有機溶媒を除去する方法、反応容器内を減圧にして、低沸点有機溶媒を除去する方法、薄膜蒸留器を用いる方法などが挙げられる。また、本発明は、有機溶剤が殆ど又は全く残留していない水性ポリウレタン系樹脂組成物を得ることをポイントとしているが、少量の有機溶媒の使用が許容される用途においては、ポリウレタン系樹脂の製造時に有機溶媒を用い、そのまま反応生成物中に残留させることもできる。
(水性ポリウレタン系樹脂組成物)
本発明の水性ポリウレタン系樹脂組成物は、前記ポリウレタン系樹脂を含んでおり、通常、前記ポリウレタン系樹脂を水に分散又は溶解した状態で含んでいる。ポリウレタン系樹脂が水に分散した状態である場合、水に分散しているポリウレタン系樹脂の粒子の平均粒子径としては、特に制限されないが、例えば、5μm以下(例えば、0.01〜5μm、好ましくは0.1〜5μm、さらに好ましくは1〜5μm)であってもよい。水性ポリウレタン系樹脂組成物の外観は、分散粒子(すなわち、水に分散しているポリウレタン系樹脂の粒子)の大きさにより変化し、分散粒子の平均粒子径が小さい場合は、蛍光を発する溶液状を呈し、平均粒子径が大きい場合は、真っ白な乳濁状となる。なお、いずれの状態であっても、水性ポリウレタン系樹脂組成物は、経時において安定した性状を保持することができる。
水性ポリウレタン系樹脂組成物中の固形分の割合は、通常、10〜70重量%であり、好ましくは20〜65重量%(さらに好ましくは30〜60重量%)である。水性ポリウレタン系樹脂組成物の固形分や粘度は、その用途に応じて、ポリウレタン系樹脂による分散粒子の大きさを制御することにより調節することが可能である。なお、ポリウレタン系樹脂中の親水性基(カルボキシル基など)の量を少なくすると、分散粒子の平均粒子径は大きくなり、一方、多くすると、分散粒子の平均粒子径が小さくなる傾向がある。
本発明の水性ポリウレタン系樹脂組成物は、例えば、ジメチロールアルカン酸の含有量が低減されたカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを少なくとも含むポリオール系化合物と、ポリイソシアネート系化合物とを反応させて末端にイソシアネート基を有するカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーを得た後、該ウレタンプレポリマーを、分子中のカルボキシル基を塩基性物質により中和して水に分散又は溶解させ、さらに、必要に応じて、鎖延長剤により鎖延長させることにより製造することができる。
水性ポリウレタン系樹脂組成物中には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線安定剤、着色剤、消泡剤、流動調整剤、撥水剤、充填剤等の各種添加剤が配合されていてもよい。
本発明の水性ポリウレタン系樹脂組成物は、各種の塗料、バインダー、接着剤などの用途に適しており、そのまま一液で用いることもできるが、必要に応じて、水性ブロック型イソシアネート硬化剤や、イソシアネート基をブロックしない水分散型イソシアネート硬化剤の他、メラミン系硬化剤、ポリアジリジン化合物などを架橋剤として用いて二液を混合することにより用いることもできる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例において、「部」は「重量部」を示し、「%」は「重量%」を示す。また、実施例における各物性の測定方法は以下の通りである。
(1)機械的物性:フィルムを打ち抜き刃で10×120mmに切断し、JIS K6301に準拠して、東洋ボールドウイン社の「テンシロン UTM−III−100」を用いて、引張り速度:500mm/分、温度:23℃、湿度:60%RHにおいて、引張り強度(MPa)、伸び(%)を測定した。
(2)粘度:東機産業株式会社製のEM型回転粘度計を用いて、25℃での粘度(mPa・s/25℃)を測定した。なお、粘度の測定条件は、ローター回転数:5rpmである。
(3)平均粒子径:堀場製作所製の粘度分布測定装置を使用して測定した。
(実施例1)
反応器に、ジメチロールプロピオン酸:134部、ε−カプロラクトン:228部を仕込み、触媒としてオクチル酸第一錫(1ppm)を使用し、窒素気流下で攪拌しながら加熱し均一に溶解させた後、150℃で4時間反応させて、ε−カプロラクトンの含有量が1%以下であることを確認し、その後、反応系の温度を60℃にまで冷却させた。温度を60℃に保ちながら、反応系に酢酸エチル:200部を徐々に加え、ジメチロールプロピオン酸を析出させた。析出させたジメチロールプロピオン酸を遠心分離器により沈降させ、析出したジメチロールプロピオン酸を含む下層を除去して、均一な酢酸エチルの溶液を得た。その後、エバボレーターにより、酢酸エチルを除去することにより、ジメチロールプロピオン酸の含有量が0.5%であり、数平均分子量が500であり、常温で液状の形態を有しているカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得た。
(実施例2)
反応器に、ジメチロールプロピオン酸:134部、ε−カプロラクトン:228部を仕込み、触媒としてオクチル酸第一錫(1ppm)を使用し、窒素気流下で攪拌しながら加熱し均一に溶解させた後、150℃で4時間反応させて、ε−カプロラクトンの含有量が1%以下であることを確認し、その後、反応系の温度を60℃にまで冷却させた。温度を60℃に保ちながら、攪拌を継続することで、未反応のジメチロールプロピオン酸を結晶化させ析出させた。その後、反応系を再度加熱し、系の温度を80℃に保ち、結晶化により析出したジメチロールプロピオン酸をろ過分別することにより、ジメチロールプロピオン酸の含有量が0.5%であり、数平均分子量が500であり、常温で液状の形態を有しているカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得た。
(実施例3)
反応器に、ジメチロールプロピオン酸:134部、ε−カプロラクトン:342部を仕込み、触媒としてオクチル酸第一錫(1ppm)を使用し、窒素気流下で攪拌しながら加熱し均一に溶解させた後、150℃で4時間反応させて、ε−カプロラクトンの含有量が1%以下であることを確認し、その後、反応系の温度を60℃まで冷却させた。温度を60℃に保ちながら、反応系に酢酸エチル:300部を徐々に加え、ジメチロールプロピオン酸を析出させた。析出させたジメチロールプロピオン酸を遠心分離器により沈降させ、析出したジメチロールプロピオン酸を含む下層を除去して、均一な酢酸エチルの溶液を得た。その後、エバボレーターにより、酢酸エチルを除去することにより、ジメチロールプロピオン酸の含有量が0.6%であり、数平均分子量が600であり、常温で液状の形態を有しているカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得た。
(実施例4)
反応器に、ジメチロールプロピオン酸:134部、ε−カプロラクトン:114部を仕込み、触媒としてオクチル酸第一錫(1ppm)を使用し、窒素気流下で攪拌しながら加熱し均一に溶解させた後、150℃で4時間反応させて、ε−カプロラクトンの含有量が1%以下であることを確認し、その後、反応系の温度を60℃にまで冷却させた。温度を60℃に保ちながら、反応系に酢酸エチル:100部を徐々に加え、ジメチロールプロピオン酸を析出させた。析出させたジメチロールプロピオン酸を遠心分離器により沈降させ、析出したジメチロールプロピオン酸を含む下層を除去して、均一な酢酸エチルの溶液を得た。その後、エバボレーターにより、酢酸エチルを除去することにより、ジメチロールプロピオン酸の含有量が0.4%であり、数平均分子量が350であり、常温で液状の形態を有しているカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得た。
(実施例5)
反応器に、ジメチロールプロピオン酸:134部、ε−カプロラクトン:798部を仕込み、触媒としてオクチル酸第一錫(1ppm)を使用し、窒素気流下で攪拌しながら加熱し均一に溶解させた後、150℃で4時間反応させて、ε−カプロラクトンの含有量が1%以下であることを確認し、その後、反応系の温度を60℃にまで冷却させた。温度を60℃に保ちながら、反応系に酢酸エチル:500部を徐々に加え、ジメチロールプロピオン酸を析出させた。析出させたジメチロールプロピオン酸を遠心分離器により沈降させ、析出したジメチロールプロピオン酸を含む下層を除去して、均一な酢酸エチルの溶液を得た。その後、エバボレーターにより、酢酸エチルを除去することにより、ジメチロールプロピオン酸の含有量が0.4%であり、数平均分子量が1000であり、常温で液状の形態を有しているカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得た。
(比較例1)
反応器に、ジメチロールプロピオン酸:134部、ε−カプロラクトン:366部を仕込み、触媒としてオクチル酸第一錫(1ppm)を使用し、窒素気流下で撹拌しながら加熱し均一に溶解させた後、150℃で4時間反応させて、ジメチロールプロピオン酸の含有量が20%であり、数平均分子量が500であるカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得た。このカルボキシル基含有ポリエステルポリオールは、室温で放置すると、ジメチロールプロピオン酸の結晶が析出した。この一旦析出したジメチロールプロピオン酸の結晶は、系の温度を100℃まで上昇させても溶解することなく、系は白濁状を呈していた。
(比較例2)
反応器に、ジメチロールプロピオン酸:134部、ε−カプロラクトン:866部を仕込み、触媒としてオクチル酸第一錫(1ppm)を使用し、窒素気流下で撹拌しながら加熱し均一に溶解させた後、150℃で4時間反応させて、ジメチロールプロピオン酸の含有量が10%であり、数平均分子量が1000であるカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得た。このカルボキシル基含有ポリエステルポリオールは、室温で放置すると、ジメチロールプロピオン酸の結晶が析出した。この一旦析出したジメチロールプロピオン酸の結晶は、系の温度を100℃まで上昇させても溶解することなく、系は白濁状を呈していた。
(比較例3)
反応器に、ジメチロールプロピオン酸:134部、ε−カプロラクトン:166部を仕込み、触媒としてオクチル酸第一錫(1ppm)を使用し、窒素気流下で撹拌しながら加熱し均一に溶解させた後、150℃で4時間反応させて、ジメチロールプロピオン酸の含有量が20%であり、数平均分子量が300であるカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得た。このカルボキシル基含有ポリエステルポリオールは、室温で放置すると、ジメチロールプロピオン酸の結晶が析出した。この一旦析出したジメチロールプロピオン酸の結晶は、系の温度を100℃まで上昇させても溶解することなく、系は白濁状を呈していた。
(比較例4)
反応器に、ジメチロールプロピオン酸:134部、ε−カプロラクトン:366部を仕込み、触媒としてオクチル酸第一錫(1ppm)を使用し、窒素気流下で撹拌しながら加熱し均一に溶解させた後、150℃で4時間反応させて、ジメチロールプロピオン酸の含有量が10%であり、数平均分子量が500であるカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得た。このカルボキシル基含有ポリエステルポリオールは、室温で放置すると、ジメチロールプロピオン酸の結晶が析出した。この一旦析出したジメチロールプロピオン酸の結晶は、系の温度を100℃まで上昇させても溶解することなく、系は白濁状を呈していた。
(比較例5)
反応器に、ジメチロールプロピオン酸:134部、ε−カプロラクトン:666部を仕込み、触媒としてオクチル酸第一錫(1ppm)を使用し、窒素気流下で撹拌しながら加熱し均一に溶解させた後、150℃で4時間反応させて、ジメチロールプロピオン酸の含有量が5.2%であり、数平均分子量が800であるカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得た。このカルボキシル基含有ポリエステルポリオールは、室温で放置すると、ジメチロールプロピオン酸の結晶が析出した。この一旦析出したジメチロールプロピオン酸の結晶は、系の温度を100℃まで上昇させても溶解することなく、系は白濁状を呈していた。
(比較例6)
反応器に、ジメチロールプロピオン酸:134部、ε−カプロラクトン:866部を仕込み、触媒としてオクチル酸第一錫(1ppm)を使用し、窒素気流下で撹拌しながら加熱し均一に溶解させた後、150℃で4時間反応させて、ジメチロールプロピオン酸の含有量が3.5%であり、数平均分子量が1000であるカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得た。このカルボキシル基含有ポリエステルポリオールは、室温で放置すると、ジメチロールプロピオン酸の結晶が析出した。この一旦析出したジメチロールプロピオン酸の結晶は、系の温度を100℃まで上昇させても溶解することなく、系は白濁状を呈していた。
(実施例6)
反応器に、イソホロンジイソシアネート:83.5部、数平均分子量が1000であるのポリテトラメチレンエーテルグリコール:111.6部、および実施例3で得られたカルボキシル基含有ポリエステルポリオール(常温で液状の形態を有しており且つ数平均分子量が600であるカルボキシル基含有ポリエステルポリオール):54.9部を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら80℃で5時間反応させて、均一透明な形態を有しており、且つ末端にイソシアネート基を有しているウレタンプレポリマーを得た。次いで、系の温度を50℃にして、トリエチルアミン9.24部を加えて中和した。
その後、これに、脱塩水:383.4部を徐々に加え、水中油型のウレタンプレポリマー分散液とした後、10℃で、イソホロンジアミン:33.22部、脱塩水:299.0部を添加して、ウレタンプレポリマーの鎖延長を行ない、固形分が30%であり、粘度が150mPa.s/25℃であり、平均粒子径が5μmである水性ポリウレタン樹脂を含む水性ポリウレタン系樹脂組成物を得た。
この水性ポリウレタン系樹脂組成物を、250μmの間隙でガラス板上に塗布し、80℃で2時間乾燥すると、厚さ約70μmの均一透明で柔軟なフィルムが得られた。23℃且つ60%RHの雰囲気中で、1日間放置後、同じ環境で引張り試験を行なった結果、フィルムは、引張り強度:48MPa、伸び:600%と良好な物性を示した。このフィルムをテトラヒドロフランに1%の濃度で溶解させ、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)で、ポリウレタン系樹脂の分子量を測定した結果、ポリスチレン換算で数平均分子量が31000であった。なお、GPCの測定条件は、次の通りである。
(GPCの測定条件)
・装置:装置名「HPLC LC−6A SYSTEM」(SHIMAZU社製)
・カラム:「KF−800P(10mm×4.6mmφ)」、「KF−804(300mm×8mmφ)」、「KF−802.5(300mm×8mmφ)」、「KF−801(300mm×8mmφ)」(以上、SHODEX社製)
・移動相:テトラヒドロフラン(THF)
・流速:1.0ml/min
・サンプル量:100μl(100倍希釈)
・カラム温度:50℃
・検量線作成標準物質:ポリスチレン(PSt)
(実施例7)
反応器に、イソホロンジイソシアネート:80.6部、数平均分子量が1000であるポリテトラメチレンエーテルグリコール:107.6部、および実施例2で得られたカルボキシル基含有ポリエステルポリオール(常温で液状の形態を有しており且つ数平均分子量が500であるカルボキシル基含有ポリエステルポリオール):61.8部を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら80℃で5時間反応させて、均一透明な形態を有しており、且つ末端にイソシアネート基を有しているウレタンプレポリマーを得た。次いで、系の温度を50℃にして、トリエチルアミン:8.91部を加えて中和した。
その後、これに、脱塩水:382.6部を徐々に加え、水中油型のウレタンプレポリマー分散液とした後、10℃で、イソホロンジアミン:33.22部、脱塩水:299.0部を添加して、ウレタンプレポリマーの鎖延長を行ない、固形分が30%であり、粘度が140mPa.s/25℃であり、平均粒子径が5μmである水性ポリウレタン樹脂を含む水性ポリウレタン系樹脂組成物得た。
この水性ポリウレタン系樹脂組成物について、実施例6と同様にして、同様のフィルムを得て、該フィルムについて、実施例6と同様にして引張強度、伸びを測定したところ、引張り強度は44MPaであり、伸びは620%であり、良好な物性を示した。また、実施例6と同様にしてポリウレタン系樹脂の数平均分子量を測定したところ、43000であった。
(比較例7)
反応器に、イソホロンジイソシアネート:86.7部、数平均分子量が1000であるポリテトラメチレンエーテルグリコール:115.8部、および予め80℃のオーブンで1昼夜加温しても液状が保たれない、比較例1で得られた数平均分子量が500であるカルボキシル基含有ポリエステルポリオール:47.5部を仕込み、さらに、当該比較例1に係るカルボキシル基含有ポリエステルポリオール中に残存するジメチロールプロピオン酸を溶解させるために必要なN−メチルピロリドン:2.5部を加え、窒素気流下で撹拌しながら80℃で5時間反応させて、均一透明な形態を有しており、且つ末端にイソシアネート基を有しているウレタンプレポリマーを得た。次いで、系の温度を50℃にして、トリエチルアミン:9.59部を加えて中和した。
その後、これに、脱塩水:384.2部を徐々に加え、水中油型のウレタンプレポリマー分散液とした後、10℃で、イソホロンジアミン:33.22部、脱塩水:299.0部を添加して、ウレタンプレポリマーの鎖延長を行ない、固形分が30%であり、粘度が180mPa.s/25℃であり、平均粒子径が5μmである水性ポリウレタン樹脂を含み、且つN−メチルピロリドンを3.5%の割合で含んでいる水性ポリウレタン系樹脂組成物を得た。
この水性ポリウレタン系樹脂組成物について、実施例6と同様にして、同様のフィルムを得て、該フィルムについて、実施例6と同様にして引張強度、伸びを測定したところ、引張り強度は52MPaであり、伸びは580%であり、良好な物性を示した。また、実施例6と同様にしてポリウレタン系樹脂の数平均分子量を測定したところ、43000であった。

Claims (10)

  1. ジメチロールアルカン酸を用いたラクトン類の開環重合により得られ、且つ数平均分子量が250〜2000であるカルボキシル基含有ポリエステルポリオールであって、カルボキシル基含有ポリエステルポリオール中に含まれているジメチロールアルカン酸の量が、ジメチロールアルカン酸、ラクトン類およびカルボキシル基含有ポリエステルポリオールの総量に対して1重量%以下であることを特徴とするカルボキシル基含有ポリエステルポリオール。
  2. ジメチロールアルカン酸が、2,2−ジメチロールプロピオン酸である請求項1記載のカルボキシル基含有ポリエステルポリオール。
  3. ジメチロールアルカン酸を用いてラクトン類を開環重合させた後、ジメチロールアルカン酸の貧溶媒を加えてジメチロールアルカン酸を析出させ、さらに、析出したジメチロールアルカン酸を分離除去し、その後、前記貧溶媒を分離除去させることにより得られる請求項1又は2記載のカルボキシル基含有ポリエステルポリオール。
  4. ジメチロールアルカン酸の貧溶媒が、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールに対して良溶媒としての機能を発揮する請求項3記載のカルボキシル基含有ポリエステルポリオール。
  5. ジメチロールアルカン酸を用いてラクトン類を開環重合させた後、攪拌を継続させてジメチロールアルカン酸を結晶化により析出させ、さらに、析出したジメチロールアルカン酸を分離除去させることにより得られる請求項1又は2記載のカルボキシル基含有ポリエステルポリオール。
  6. カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを少なくとも含むポリオール系化合物と、ポリイソシアネート系化合物との反応により得られ、且つ分子鎖中に塩基性物質により中和されたカルボキシル基を含有するポリウレタン系樹脂を含んでいる水性ポリウレタン系樹脂組成物であって、前記カルボキシル基含有ポリエステルポリオールが、請求項1〜5の何れかの項に記載のカルボキシル基含有ポリエステルポリオールであることを特徴とする水性ポリウレタン系樹脂組成物。
  7. ポリウレタン系樹脂におけるカルボキシル基の割合が、ポリウレタン系樹の固形分全量に対して0.4〜5重量%である請求項6記載の水性ポリウレタン系樹脂組成物。
  8. ポリウレタン系樹脂の数平均分子量が、6000〜500000である請求項6又は7記載の水性ポリウレタン系樹脂組成物。
  9. カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを少なくとも含むポリオール系化合物と、ポリイソシアネート系化合物との反応により得られ、且つ分子鎖中に塩基性物質により中和されたカルボキシル基を含有するポリウレタン系樹脂を含んでいる水性ポリウレタン系樹脂組成物を製造する方法であって、前記カルボキシル基含有ポリエステルポリオールとして、請求項1〜4の何れかの項に記載のカルボキシル基含有ポリエステルポリオールを用い、カルボキシル基含有ポリエステルポリオールを少なくとも含むポリオール系化合物と、ポリイソシアネート系化合物とを反応させて末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た後、該ウレタンプレポリマーを、分子中のカルボキシル基を塩基性物質により中和して水に分散又は溶解させることを特徴とする水性ウレタン系樹脂組成物の製造方法。
  10. 塩基性物質により中和されたカルボキシル基を含有するウレタンプレポリマーを水に分散又は溶解させた後、さらに、鎖延長剤により鎖延長させる請求項9記載の水性ポリウレタン系樹脂組成物の製造方法。
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