JP3865592B2 - コーン用容器及びその包装体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソフトクリーム、ソーダアイス、ラクトアイス等(以下アイス等という)を容入したコーンを収納する容器(以下コーン用容器という)に関するもので、その容器は可撓性プラスチックシート製のカップとこれに嵌合する同様のキャップとから構成されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は、カップとこれに嵌合するキャップとの嵌合部を構成するフランジ部において、その内面のそれぞれに凹凸部や凹凸溝を設けて、回転によって嵌合を開け易くしたものや、カップ側のフランジ部に引っ張り片を設け、この引っ張り片を引っ張ることによって、この引っ張り片まで覆っていたキャップ側のフランジを押し開いてキャップを取り除くようにしたものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来のコーン用容器にあっては、製造から流通過程において、カップからキャップの外れることがないようにするため、両者の嵌合支持は固くする必要があり、これがため、使用に当ってカップからキャップを取り外すとき、ソフトクリーム部がアイスソフトコーン(以下コーンということがある。)から折れたり、崩れたりすることがあった。また、コーンをカップから取り出して喫食するとき、コーンとカップとのそれぞれの上縁に隙間がないことから、取り出しずらく食べずらいことがあった。さらにまた喫食の途中において、コーンを休み置きができる形状となっていなかった。
【0004】
本発明は上記のような点に鑑みて種々実験を重ねた結果、創出されたもので、その目的とするところは、アイス等のコーン用容器において、使用に当っては、簡単にキャップを取り外すことができ、またカップからコーンを取り出し易く、その使用が利便にして、製造過程におけるカップ内のコーンへのアイス等の充填適性を良好にすることにあり、コーン用容器の包装体において、断熱性を与えるとともに、不正開封を防止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明にあっては、アイス等のコーン用容器及びその包装体において、カップとこれに嵌合するキャップとのフランジ部における不正開封の防止についてはシュリンクフィルム包装をもってするとともに、この開封後におけるカップからのキャップ取り外しを、嵌合面における摩擦を少なくすることによって容易にし、カップからコーンを取り出して喫食するとき、コーンの取り出しをカップ本体の上方内面に縦方向の凹凸状のコーンの支持部を形成することによってコーンの上縁が突出状態に支持されるようにするとともに、喫食の途中において、カップ本体の胴部より把握する手指の熱がコーンに伝わらないようにすることによって問題点の解決を図っている。
【0006】
すなわち、本発明のアイス等のコーン用容器は、容器を可撓性プラスチックシートで構成するとともに、カップとこれに嵌合するキャップとの嵌合のフランジ部をカップの底部方向に向かって外開きに形成し、カップのフランジ部の上縁より下の部分の周縁に、嵌合係止用凸部を点在して形成し、前記キャップのフランジ部の嵌合面に、前記嵌合係止用凸部を嵌合係止し、このコーン用容器の包装体は、嵌合部の外周面をシュリンクフィルムで包装した構成をとっており、またカップとこれに嵌合するキャップとからなる可撓性プラスチックシート製のアイス等のコーン用容器は、カップ本体の上縁からコーンの上縁が突出状態に支持されるように、カップ本体の上方内面に縦方向の凹凸状のコーンの支持部を設ける構成をとっている。そして、上記のコーンの支持部には、溶けたアイス等の流入用の凹陥部を周方向にして外方に複数間隔をおいて上縁より下方に向かうように設けるとともに、支持部と底部との間に縮径部を形成した構成をとっている。この縮径部とカップ本体に収納されたコーンとの間には断熱作用をする空間部が形成されている。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、カップとこれに嵌合するキャップとからなるアイス等のコーン用容器を可撓性のプラスチックシートで形成するとともに、その包装体においてはカップとキャップとの嵌合のフランジ部の外周面をシュリンクフィルムで包装したもので、このように包装することにより、製造よりの流通過程において不正開封を防止するとともに、カップからキャップが外れて、収納されているアイス等が容入されているコーンが不用意に外部に出ることを防いでいる。このことから、使用者が、シュリンクフィルムによる包装を開封した後において、カップからキャップを取り外し易くするために、カップ及びキャップのフランジ部をカップの底部方向に向かって外開きに形成し、カップのフランジ部の上縁より下の部分の周縁に、嵌合係止用凸部を点在して、前記キャップのフランジ部の嵌合面に、前記嵌合係止用凸部を嵌合係止して、形成するだけの構成にしている。
【0008】
カップ本体は、これに収納されているコーンを安定に支持するとともに、取り出し易くするために、カップ本体の上縁よりコーンの上縁が突出しているように保持している。この保持のために、カップ本体の上方の内周面には、縦方向の凹凸状の支持部を設けており、収納されたコーンは、その上方の外周面をカップ本体の凹凸状の支持部で支持されるようになっている。
【0009】
また、カップ本体にコーンが収納されているとき、カップ本体の上方の支持部と下方の上げ底部の間の胴部は縮径されており、この縮径された部分とコーンとの間には、コーンがより縮径されているから空間部が形成され、この空間部の部分で断熱され、カップ本体を把握したとき、コーンを介してアイス等を暖めることがなく、アイス等の無用の溶解を防ぐことができる。
【0010】
さらに、凹凸状の支持部には、カップ本体の上縁に外方に向く凹陥部が形成されているから、コーンに山盛り状に盛られたアイス等が、不用意に軟らかくなって溶けたような場合、溶けたアイス等はコーンの上縁を越えて凹陥部に流入することになり、カップ本体の外面を流れるようなことはない。この外方に向く凹陥部は、外方に凸出部となって、カップ本体を積み重ねるとき、この凸出部が段部となって、フランジ部分を等間隔に支えることになるから、製造過程において積層されたカップ本体が移送されて、カップ本体にコーンを嵌合収納するとき、重ねられたカップ本体よりの分離が容易となる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本発明のアイス等を容入するコーン用容器(A)は、カップ(a)とこれに嵌合するキャップ(b)とから構成されるもので、カップ(a)、キャップ(b)とも可撓性プラスチックシートから成形されている。この可撓性プラスチックは、不透明であっても透明であってもよく、またカップ(a)が不透明で、キャップ(b)が透明であってもよい。
【0012】
カップ(a)の底部方向に向かって外開きに形成したフランジ部(1)に対し、キャップ(b)の同方向に向かって外開きに形成したフランジ部(2)を嵌合して嵌合部(3)を構成し、カップ(a)のフランジ部(1)の上縁より下の部分の周縁に、嵌合係止用凸部(5)が点在して形成されている。
この凸部(5)は、 図4に図示のものでは、カップ(a)におけるフランジ部(1)の外方下向きの嵌合面(4)に複数、間隔をおいて点在して形成されており、この嵌合面の端部には外向きの周縁(6)が形成されている。またキャップ(b)の下端には、外方に拡大されたフランジ部(2)が形成され、そのフランジ部(2)の嵌合面(7)の下端部には外向きの周縁(8)が形成されている。
【0013】
そして、カップ(a)のフランジ部(1)の底部方向に向かって外開きに形成した嵌合面(4)に対して、キャップ(b)のフランジ部(2)の底部方向に向かって外開きに形成した嵌合面(7)を嵌合したとき、嵌合面(7)は、嵌合面(4)上の凸部(5)を越えて嵌合係止し、フランジ部(1)の外向き周縁(6)とフランジ部(2)の外向き周縁(8)が互いに当接するようになる。
【0014】
カップ(a)の上方部における傾斜状の内面には、縦方向に凹凸状の支持部(9)が形成されており、この支持部(9)に続く縮径された胴部(10)の下端の底部(11)には、上げ底(12)が形成されている。また支持部(9)の上方の開口上縁(13)側には、アイス等が溶けてコーン(B)の開口上縁(B1)を越えた場合に流入する流入用の凹陥部(14)が設けられている。この凹陥部(14)は図示のように複数間隔をおいてもよく、また全周にわたってもよい。
【0015】
以上述べたようなカップ(a)に対し、 図3に示すように、アイス等(C)を山盛り状に盛ったコーン(B)を収納する。このとき、コーン(B)はその開口の上縁(B1)が、カップ(a)の開口の上縁(13)より突出状に支持部(9)に支持されるとともに、その下底(B2)はカップ(a)の上げ底(12)に支持され、把持部(B3)はカップ(a)の胴部(10)との間に空間部(15)が形成される。このような状態において、キャップ(b)をそれのフランジ部(2)をもってカップ(a)のフランジ部(1)に被嵌し、その両者の嵌合部(3)に対し、図1に示すようにしてシュリンクフィルム(c)を被着して包装する。シュリンクフィルム(c)において(16)はミシン目線等による切離部である。このシュリンクフィルム(c)による包装によって、カップ(a)とキャップ(b)とよりなるアイス等のコーン用容器(A)に対し、内容物としてのアイス等(C)入りのコーン(B)を収納した包装体(製品)ができ上がる。
【0016】
【発明の効果】
本発明のアイス等のコーン用容器は、可撓性プラスチックシートで成形したカップとキャップとをフランジ部で嵌合するように構成するとともに、カップ及びキャップのフランジ部をカップの底部方向に向かって外開きに形成し、カップのフランジ部の上縁より下の部分の周縁に、嵌合係止用凸部を点在して設け、前記キャップのフランジ部の嵌合面に、 前記嵌合係止用凸部を嵌合係止し、カップ本体の上方内面に縦方向の凹凸状のアイス等のコーンの支持部を設けたものであるから、その包装体においては、嵌合部のシュリンクフィルムの包装を開装してからのカップよりキャップの取り外しが従来のようにキャップを回転する必要がなく、傾動だけで子供達においても容易に開けることができる。
【0017】
また、アイス等を容入したコーンは、これを保持するカップ本体の縦方向の凹凸状の支持部によって支持されて、コーンの開口上縁がカップ本体の開口上縁より突出しているから、コーンはカップ本体に安定した状態で収納し保持されているにもかかわらずカップより容易に取り出すことができる。このことは、カップ本体よりコーンを取り出し易くするとともに、製造過程におけるアイス等をコーンに充填する際において、コーンをカップ本体に対して固定しなければならず、これがため、コーンをカップ本体に対して傾動したり回転したりしないようにカップ本体の支持部に縦方向の凹凸状を設けることによって、コーンがカップの軸方向に対して傾くことなく、安定した状態で納まるから、コーンにアイス等を良好な状態で充填することができる。そして、この支持部に縦方向の凹凸状を設けることによって、コーンをカップ本体から容易に取り出すことができる。
【0018】
また、カップ本体の縦方向の凹凸状を有する支持部には、その上縁より外方に突出した凹陥部が形成されているから、アイス等が軟化してコーンの開口上縁を越えて流れ出るような場合があっても、この流出はカップの凹陥部にて受け止められ、カップの外面に流れ出ることはなく、手指に付着するようなことはない。
【0019】
さらにまた、アイス等を容入したコーンをコーン用容器に収納した包装体は、カップ本体の胴部とコーンとの間には空間部が形成されているから、この部分において、カップを把握した手指の熱は遮断され、コーンを介してアイス等を軟化させることはない。
【0020】
コーン用容器の包装体は、カップとキャップとの嵌合部の外周面がシュリンクフィルムで包装されているから、製造後の流通過程においても不正開封は勿論、不用意にキャップがカップより離脱することはない。このことが、カップとキャップとの嵌合に、従来のような螺合とする必要はなく、単に嵌合係止用凸部を設けることで製品として支障をきたすことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アイス等のコーン用容器のフランジ部をシュリンクフィルムで包装した状態の正面図
【図2】 アイス等のコーン用容器の正面図と取り外したシュリンクフィルムの斜視図
【図3】 アイス等を容入したコーンを収納したコーン容器の一部を断面にて示した正面図
【図4】 (イ)はキャップの一部を断面にて示した正面図、(ロ)はカップの正面図
【図5】 (イ)はカップの断面を示した正面図、(ロ)はカップの平面図
【符号の説明】
A アイス等のコーン用容器
B アイス等のコーン
B1 開口上縁
B2 下底
B3 把持部
C アイス等
a カップ
b キャップ
c シュリンクフィルム
1 フランジ部
2 フランジ部
3 嵌合部
4 嵌合面
5 嵌合係止用凸部
6 外向きの周縁
7 嵌合面
8 外向きの周縁
9 支持部
10 胴部
11 底部
12 上げ底
13 開口上縁
14 凹陥部
15 空間部
16 切離部
Claims (4)
- カップとこれに嵌合するキャップとを可撓性プラスチックシートで構成するコーン用容器であって、その嵌合部を構成するカップ及びキャップのフランジ部をカップの底部方向に向かって外開きに形成し、カップのフランジ部の上縁より下の部分の周縁に、嵌合係止用凸部を点在して形成し、前記キャップのフランジ部の嵌合面に、前記嵌合係止用凸部を嵌合係止し、カップ本体の上縁からコーンの上縁が突出状態に支持されるように、カップ本体の上方内面に縦方向の凹凸状のコーンの支持部を設けることを特徴とするコーン用容器。
- 上記のカップ本体におけるコーンの支持部には、上縁より外方に向かう凹陥部を周方向に複数間隔をおいて設けた請求項1に記載のコーン用容器。
- 上記のカップ本体に収納されたコーンは、カップ本体の胴部との間に空間部が形成されて包装されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコーン用容器の包装体。
- 上記のカップ本体に収納されたコーンは、カップとキャップとの嵌合部の外周面がシュリンクフィルムで包装されていることを特徴とする請求項1〜3に記載のコーン用容器の包装体。
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