JP2004067114A - ボトル保持具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボトル保持具100は、ボトル1の底よりも小さい底プレート101と、底プレート101から上方に延びる2つの帯状の鉛直ウエブ103、104とを有し、鉛直ウエブ103、104は、ボトル1の肩部4の側面に沿って延び、上端は、ボトル止め部105に連結されている。一方のウエブ103には、ハンドル114が一体に形成されている。ハンドル側ウエブ103には、ハンドル114の下方に第1の下方ウイング115が一体に形成されている。他方の対向ウエブ104には、第2の下方ウイング116が形成され、また、この第2下方ウイング116の上方に上方ウイング117が形成されている。第2下方ウイング116と上方ウイング117は、共に、ボトル本体2の周囲の沿って一方向に延びている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ボトル保持具に関し、より詳しくは、在来のPETボトルよりも薄肉のボトルに好適に適用でき、ユーザが薄肉ボトルを取り扱うのを容易にすることのできる保持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
ミネラルウオータやお茶などの液体飲料の多くは、軽量ボトルである、いわゆるPETボトルに収容されて販売されている。この用途のPETボトルは、大量に消費され、また、廃棄されているため、社会問題の一つになっている。
【0003】
在来のPETボトルは、或る程度の厚みを有し、自己の形状を保持する保形性を有しているが、ゴミの減容化、リサイクルでのコスト低減の観点から、ボトルの肉厚を薄くすることは、これを容易に潰して廃棄でき、また、使用する原材料が少なくて済むことから効果的である。
【0004】
このような観点から、今後の軽量ボトルは、製造、液体飲料の充填、流通、ユーザが購入して飲み終わるまでピンホールや破損が発生しない限り、できるだけ薄い方が良い。
【0005】
しかし、軽量ボトルは、肉厚を薄くすればするほど、構造的に保形性が乏しくなって変形し易くなり、例えば2リットル入りボトルのように比較的大容量のボトルでは、これをユーザが取り扱うのが難しくなる。すなわち、ユーザがボトル内の飲料を飲むために、開封された薄肉ボトルの胴体部分つまりボトル本体を把持したときに、今までのPETボトルを同じ感覚で把持したときには、その把持力が強すぎてボトル本体が内方に撓んでしまい、その結果、ボトル開口から飲料が噴出してしまうなどの問題が生じ易くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題点を解消すべく、大容量用の軽量ボトル(典型的には2リットル入りボトル)の取り扱い性をアシストするための保持具として、2リットル入りボトルのボトル開口部分を除くボトル本体(底を含む)を全体的に包囲するフルフェース型保持具を比較的硬質なプラスチック材料から作らることが考えられる。
【0007】
例えば、このフルフェース型保持具を、従来の比較的扁平な矩形断面の2リットル入りPETボトル本体の外形輪郭と相補的な形状に作った場合、薄肉ボトルの本体形状を矩形断面にせざるを得ないという点で、薄肉ボトルの形状設計に制約が加わってしまう。しかし、ボトルを肉薄に作る場合、その周方向の均一な肉厚を保つには、極力、角のない形状であるのが望ましく、最も好ましい断面形状としては円形断面のボトルであるのが好ましい。
【0008】
しかし、断面円形のボトル本体の外形輪郭と相補的な形状を有するフルフェース型保持具を採用した場合、冷蔵庫のドアポケットに収容するのに収まりが悪く、ドアポケットへの挿入や取り出しが難しくなる。
【0009】
そこで、本発明の主なる目的は、軽量ボトルの撓み特性を利用して冷蔵庫のドアポケットへの挿入や取り出しが容易なボトル用保持具を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、上記の主目的に加えて、特に薄肉ボトルに好適に適用可能なボトル用保持具を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる技術的課題は、本発明によれば、
ハンドルを掴んで傾けることにより、収容したボトルの注口部から内容物を流出させることのできるボトル保持具であって、
ボトルの本体の断面よりも小さく且つ該ボトルの底を受ける底部と、
ボトルの上部と係脱可能に係合するボトル止め部と、
前記底部と前記ボトル止め部との間に配置され、前記ボトルの本体の周囲に沿って延びるボトル支持部材とを有し、
該ボトル支持部材が、前記ハンドルの側から見たときに、前記ボトル本体の上下方向中間部分の第1、第2の側方領域の少なくともいずれか一方の側方領域を外部に露出させることのできる形態を有していることを特徴とするボトル保持具を提供することにより達成される。
【0012】
すなわち、本発明のボトル保持具によれば、ボトル本体の上下方向中間部分の側方領域(ハンドル側から見たときに)の少なくともいずれか一方を露出させることにより、薄肉ボトルをボトル保持具に収容した状態で冷蔵庫のドアポケットに収容又は取り出すときに、ボトル本体の露出した部分がドアポケットの外側上縁と係合し、これに伴い、薄肉ボトルの変形容易性の特性によって、この露出した部分が適度に変形しながらドアポケット内に格納又は取り出すことができる。実用上、ボトル支持部材は、ボトル本体の上下方向中間部分の第1、第2の側方領域の双方を露出させることのできる形態を有しているのが好都合である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態は、
ボトルの底を受ける底プレートと、
ボトルの上部と係脱可能に係合してこれを保持するボトル止め部と、
前記底プレートから上方に向けて前記ボトル止め部まで連続して延びる第1の鉛直ウエブと、
該第1の鉛直ウエブに設けられたハンドルと、
前記底プレートの前記第1の鉛直ウエブに対向した位置から上方に向けて延びる第2の鉛直ウエブと、
前記第2の鉛直ウエブの下部分から一方向に向けて延び且つ前記ボトルの下部分の周囲に沿って延びる対向側下方ウイングとを有することを特徴とするボトル保持具であり、好ましくは、底プレートは、ボトルの本体の断面よりも小さい。
【0014】
本発明のボトル保持具に好適に適用可能なボトルは、典型的には、ボトル本体が断面円形であり、また、上記第1の鉛直ウエブの下部分から一方向に向けて延び且つ前記ボトルの下部分の周囲に沿って延びるハンドル側下方ウイングを更に有するのが好ましい。また、上記ボトル止め部は、ボトルの上部を側方から受け入れる挿入口を有し、該挿入口が上記第1、第2の鉛直ウエブを結ぶ平面を横断する方向に開口しているのが好ましい。
【0015】
本発明の上記目的及び他の目的並びに作用効果は、以下の本発明の好ましい実施例の詳細な説明から明らかになろう。
【0016】
【実施例】
添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を以下に詳しく説明するが、それに先立ち、実施例のボトル用保持具を好適に適用することのできる例示的な薄肉ボトルを図1を参照して説明する。
【0017】
薄肉ボトル1は、従来から知られている2リットル入りPETボトルに代わるものであり、プラスチック成形品である。薄肉ボトル1は、典型的には2リットルの比較的大容量の容器であり、ミネラルウオータやお茶、醤油、食用オイルなどをユーザにデリバリーするのに用いることができる。
【0018】
薄肉ボトル1は、縦長のボトル本体2と、ボトル本体2の上端から軸線方向に上方に延びる首部(後に説明する保持具100で囲まれているので図面には現れていない)と、このボトル首部の上の、従来と同様にねじキャップ3で施蓋される注口部(キャップ3で隠れていて図面には現れていない)とを有し、一般的にはボトル首部と注口部との間に円周フランジつまりネックリングを有する。ボトル本体2は、典型的には図示のように横断面円形つまり円筒形の形状を有するが、これに代えて、断面四角形、断面五角形、断面六角形などの断面多角形の形状を有していてもよく、また、他の任意の断面形状、例えば断面楕円などの形状を有していてよい。
【0019】
ボトル本体2の下端部は、その円形底に向けて徐々に縮径したテーパ形状を有し、このボトル本体2の下端に連なる円形底(作図上の関係で図面には現れていない)は、ボトル本体2の直径よりも小さい。この円形底の中央には、軸線方向上方に窪んだ円形凹所を有するのが好ましい。薄肉ボトル1は、また、ボトル本体2と首部との間に、外方に向けて僅かに凸の湾曲形状の肩部4を有する。
【0020】
薄肉ボトル1は、その注口部に螺合したキャップ3に未開蓋保証リング(図示を省略)が付加されているのが好ましい。この未開蓋保証リングは従来から周知であるので、その説明を省略する。
【0021】
薄肉ボトル1は、ボトル本体2が薄肉であるが、首部及び注口部の全体及び肩部4の上端部分は、従来のPETボトルと同様の肉厚つまり剛性を備えているのがよい。
【0022】
第1実施例(図1〜図6)
第1実施例のボトル保持具100を示す図1〜図6のうち、先ず、図1、図2を参照すると、ボトル用保持具100は、略円形の底プレート101と、底プレート101から上方に延びる2つの帯状の鉛直ウエブ103、104とを有する。鉛直ウエブ103、104は、底プレート101の直径方向に対向して配置されている。
【0023】
底プレート101は、薄肉ボトル1の小径円形底と同じかそれよりも僅かに小径であり、円形の底プレート101の中央部分には、ボトル1の底の窪みつまり上記円形凹所と係合する円形突起102(図1)が形成されているのがよい。
【0024】
鉛直ウエブ103、104は、薄肉ボトル1の側面つまりボトル本体2及び肩部4の側面に沿って延びている。すなわち、鉛直ウエブ103、104は、図1から最も良く理解できるように、小径底プレート101から上方にボトル本体2の下端部に沿って斜め外方に向かって延びる下端部103a、104aと、この下端部103a、104aの上端から鉛直方向に真っ直ぐ上方に延びる中間部103b、104bと、この中間部103b、104bの上端からボトル肩部4に沿って斜め内方に延びる上端部103c、104cとを有し、この上端部103c、104cはボトル肩部4の外形輪郭に沿って外方に向けて僅かに凸となる湾曲形状を有するのが好ましい。
【0025】
鉛直ウエブ103、104の上端は、ボトル1の首部及び/又は未開蓋保証リングに係合してこれを保持するボトル止め部105に連結されている。ボトル止め部105は、図3から最も良く理解できるように、ボトル1の首部及び/又は未開蓋保証リングを部分的に包囲する一対のアーム106、107を含む。この一対のアーム106、107は、その一端で合流して一体化している。他方、一対のアーム106、107の他端つまり自由端は、互いに離間して、ボトル止め部105の中にボトル1を側方から挿入することのできる挿入口108(図3)を形成している。換言すれば、ボトル止め部105は、平面視したときに、一対のアーム106、107によって全体として、ボトル1の首部及び/又は未開蓋保証リングの略半周を包囲するU字状の形状を有する。
【0026】
一対のアーム106、107の自由端には、夫々、ボトル1の首部及び/又は未開蓋保証リングを超えて外方に真っ直ぐに互いに平行に延びる延長部110、111が連設されており、このアーム106、107と延長部110、111との境界部分の内面には、平面視したときに略三角形の形状の突起112(図3)が形成されている。
【0027】
一方の鉛直ウエブ103は、その上端が、一方のアーム106に連結され、他方の鉛直ウエブ104は、その上端が、他方のアーム107に連結されている。すなわち、一対のアーム106、107は、鉛直ウエブ103、104を結ぶ平面を横断する方向に延びているのが好ましく、最も好ましくは鉛直ウエブ103、104を結ぶ平面と直交する方向に延びているのがよく、これにより、ボトル挿入口108は、鉛直ウエブ103、104が占有する平面と直交する方向に開口している(図3)。
【0028】
ボトル止め部105の内径は、ボトル1の首部及び/又は未開蓋保証リングの外形と実質的に同じか又はこれよりも若干大径又は若干小径であってもよい。換言すれば、ボトル首部及び/又は未開蓋保証リングは、ボトル止め部105に係脱可能に収容されたときに、突起112を含む一対のアーム106、107で挟持されるが、一対のアーム106、107との間に若干の遊びを有していてもよく、また、当接した状態であってもよい。また、アーム106、107の内面がボトル首部及び/又は未開蓋保証リングに当接したときにアーム106、107が外方に撓み変形するように、アーム106、107間の間隔を設定することにより、アーム106、107がボトル首部及び/又は未開蓋保証リングと圧接してこれを保持する状態を形成することができる。なお、一対のアーム106、107の自由端に連設された延長部110、111の役割については後に説明する。
【0029】
互いに平行に延びる2つの鉛直ウエブ103、104について詳しく説明すると、一方のウエブ103には、その長手方向中間部分にハンドル114が一体に形成されている。以下の説明において、2つの鉛直ウエブ103、104を文言上区別するために、ハンドル114を備えた鉛直ウエブ103を「ハンドル側ウエブ」と呼び、これに対向する他方の鉛直ウエブ104を「対向ウエブ」と呼ぶ。
【0030】
ハンドル側ウエブ103には、ハンドル114の下方に第1の下方ウイング115が一体に形成されており、この第1の下方ウイング115は、ボトル本体2を支持するボトル支持部材の一部を構成するものであり、ハンドル側ウエブ103の一側からボトル本体2の下部分の周囲に沿って一方向(図示の例では、上から見たときに時計方向)に延びている。すなわち、第1の下方ウイング115は、ボトル本体2の外周面に沿って湾曲した形状を有しており、また、特に限定するものではないが、ハンドル側ウエブ103から遠ざかるに従って幅狭になる先細りの形状を有する。
【0031】
他方、対向ウエブ104には、上述したハンドル側ウエブ103の第1下方ウイング115とほぼ同じ高さ位置に、ボトル本体2を支持するボトル支持部材の一部を構成する第2の下方ウイング116が形成され、また、この第2下方ウイング116の上方に、ボトル本体2を支持するボトル支持部材の一部を構成する上方ウイング117が形成されている。
【0032】
対向ウエブ104の上下に離間して形成された第2下方ウイング116と上方ウイング117は、共に、ボトル本体2の周囲の沿って一方向に延びており、上方ウイング117は、上から見たときに、第1下方ウイング115と同じ方向つまり上から見たときに時計方向に延びており、第2下方ウイング116は、これとは逆に、反時計方向に延びている。これら第2下方ウイング116と上方ウイング117は、共に、ボトル本体2の外周面に沿って湾曲した形状を有しており、また、特に限定するものではないが、対向ウエブ104から遠ざかるに従って幅狭になる先細りの形状を有する。
【0033】
図3を参照して、第1、第2の下方ウイング115、116と上方ウイング117の配置を説明すると、互いに対向する2つのウエブ103、104の一側に、第1下方ウイング115と上方ウイング117が配置され、他方、2つのウエブ103、104の他側に、第2下方ウイング116が配置されており、これら3つのウイング115〜117によって、ボトル本体2の周囲が部分的に包囲され、ハンドル114側から見たときに、ボトル本体2の少なくとも上下方向中間部分の両方の側方を外部に露出することのできるボトル支持部材が構成されている。また、ボトル本体2の下部分を支持する第1、第2の下方ウイング115、116は、第1の下方ウイング115によって、ボトル本体2のハンドル114に隣接する側方領域が支持され、第2の下方ウイング116によって、ボトル本体2のハンドル114から遠ざかる側の側方領域が支持されている。
【0034】
図4を参照すると最も良く理解できるように、ボトル本体2の下部分は、ハンドル114とボトル軸線Pとが位置する第1平面Aと、第1、第2の下方ウイング115、116の先端を結ぶ第2平面Bとで挟まれた側方領域C、Dが外部に露出した状態になる。この露出領域C、Dは、ボトル本体2の軸線Pを中心にして互いに対向して位置しており、より具体的には、ハンドル側ウエブ103と第2の下方ウイング116とで挟まれた領域Cと、対向ウエブ104と第1の下方ウイング115とで挟まれた領域Dとがボトル軸線Pを中心にしてほぼ対称に位置している。換言すれば、第1下部側方露出領域Cは、ハンドル114に隣接して位置し、第2下部側方露出領域Dは、ハンドル114から遠ざかる側に位置している。
【0035】
ボトル保持具100は、3つのウイング115〜117で囲まれたボトル収容空間内にボトル1を差し込んだ後に、ボトル首部及び/又は未開蓋保証リングをボトル挿入口108から差し込んで、当該部位を一対のアーム106、107で挟まれた空間内に押し込むと、一対のアーム106、107が互いに離間する方向に撓み変形しながらボトル首部及び/又は未開蓋保証リングが略三角形の突起112を乗り越えて一対のアーム106、107内に固定され、図1に図示のボトル保持状態になる。
【0036】
ボトル挿入口108を形成する一対のアーム106、107は、この実施例では、延長部110、111を有するので、例えば、この延長部110、111の先端に手のひらを押し当てながら、人差し指(又は人差し指と中指)をボトル注口部に係合させて、この人差し指を力強く折り曲げるようにすることで、片手の操作だけで、ボトル注口部を一対のアーム106、107から外し、ボトル1を一対のアーム106、107間で形成されるボトル挿入口108から離脱させることができる。したがって、延長部110、111は、片手の操作だけで、ボトル1をボトル挿入口108から離脱させることのできる長さ寸法を備えているのが好ましい。
【0037】
ボトル1のキャップ3を初めて開封するときに、未開蓋保証リングを破断又はキャップ3から切断するのに、比較的大きなトルクを必要とするが、必要であれば、ボトル止め部105の一対の延長部110、111を親指と人差し指で挟み込んでアーム106、107間の間隔を狭めて、この一対のアーム106、107でボトル首部及び/又は未開蓋保証リングを強く挟み込むことにより空回りを防止しながらキャップ3を回転させて、開封するようにしてもよい。
【0038】
未開蓋保証リングを破断又はキャップ3から切断する他の方法としては、鉛直ウエブ103、104の上端部分を含めてボトル肩部4を手で押さえてボトル本体2の回転を抑えることにより、過度にボトル本体2又は肩部4に力が加わらないように気を付けながらキャップ3を回転させるようにしてもよい。
【0039】
キャップ3を取り外したら、ハンドル114を用いて片手でボトル保持具100を持ち上げ、次いで、ボトル1を傾けるようにボトル保持具100を操作することにより、ボトル1の中の内容物をボトル注口部から流出させることができる。このハンドル114の剛性を高めるために、ハンドル114を含む部分を縦方向に真っ直ぐに延びる縦リブ119を設けてもよい。
【0040】
内容物の流出操作は、上述したように、ボトル保持具100を傾けることにより行われるが、その際、ボトル1は、下方に位置することになる対向ウエブ104から左右に延出する上下のウイング(第2の下方ウイング、上方ウイング)116、117によって支えられ、ボトル本体2の変形や保持具100から離脱してしまうのを防止することができる。
【0041】
実際に、薄肉化して容易に変形する程度の薄肉ボトル1を実際に作成し、このボトル1をボトル保持具100に装着して試したところ、ボトル保持具100を傾けて、ボトル1内の飲み物を流出させるときに、対向ウエブ104の下方ウイング116が最も効果的に作用してボトル1を保持すると共にボトル1の脱落を防止できることが分かった。すなわち、ボトル1内の飲み物をボトル1内への空気の侵入無しに急激に流出させた場合、飲み物の流出に対応してボトル1内が負圧になり、この結果、ボトル1が押し潰された形状になり、ボトル1の全長が短縮して、ボトル1の下部が保持具100から落下しそうになる傾向があるが、このボトル1の脱落傾向を対向ウエブ104の下方ウイング116で効果的に防止できることが分かった。また、対向ウエブ104の下方ウイング116とハンドル側ウエブ103の下方ウイング115とによってボトル1の下部を挟持することにより、一層効果的にボトル1の脱落を防止できることが分かった。
【0042】
また、ボトル1が押し潰された形状になる傾向は、特に、対向ウエブ104の上方ウイング117が効果的に作用することが分かった。
【0043】
例えばミネラルウオータを収容した薄肉ボトル1を保持具100に納めて、これを冷蔵庫のドアポケット120(図4)に格納するとき、ハンドル側ウエブ103には、その下部分に一つの第1下方ウイング115が延出しているだけであるので、図4から理解できるように、ドア本体121側に、この第1下方ウイング115が位置するように、ドアポケット120を収容すると、ハンドル114は、ドアポケット120の外側に変位して位置することになる。
【0044】
すなわち、ボトル保持具100は、例えば図1から理解できるように、ハンドル114側から見たときに、ボトル1の両方の側方領域を大きく外部に露出させることのできる形態を有し、この形態と、ボトル本体2の断面よりも小さな底プレート101とが共同して、冷蔵庫のドアポケット120に挿入及び取り出すときに、ボトル本体2の下部分及び上下方向中間部分が側方に露出しているため、ドアポケットの外側上縁122とボトル本体2の側面とが摺接し、薄肉ボトル1の特徴である撓み変形容易性によって、当該摺接部位が適当に撓み変形して、ボトル入り保持具100をドアポケット120の中に挿入及び取り出すことが容易である。
【0045】
具体的には、ドアポケット120の中にボトル入り保持具100を挿入するとき、保持具の円形底プレート101が小径であり、また、ドアポケット120の外側上縁122側には対向ウエブ104の下方ウイング116だけが位置しているため、ドアポケット120の中にボトル1入り保持具100の下部分を挿入してハンドル114から手を離すと、ボトル本体2の露出した部分がドアポケット外側上縁122と摺接しながらボトル1入り保持具100がドアポケット120の中に進入することになる。そして、この進入過程で、薄肉ボトル1の本体2は、その薄肉化による特性つまり変形容易性により、ドアポケット外側上縁122と摺接する際に適度な変形を伴うことになる。
【0046】
すなわち、ボトル入り保持具100をドアポケット120の中に格納するときに、ボトル入り保持具100を落としこむようにするだけで、薄肉ボトル本体2の特性である変形容易性によってドアポケットの外側上縁122との摺接部位が適度に変形しながら、ボトル入り保持具100がドアポケット120の中に格納される。
【0047】
また、ドアポケット120に格納されているボトル入り保持具100を取り出すときには、ドアポケット120から外側に向けて保持具ハンドル114が位置しているため、ハンドル114を掴み易い。ハンドル114を掴んでボトル入り保持具100を取り出す過程においても、格納過程と同様に、ドアポケット外側上縁122と摺接するボトル本体2が適度に変形することから、ユーザは、ハンドル114を掴んでボトル入り保持具100を無造作に持ち上げることで、ボトル入り保持具100をドアポケット120から取り出すことができる。
【0048】
ボトル保持具100は、底プレート101から互いに対向して上方に延びる2つの帯状の鉛直ウエブ103、104によって、その骨格が形成され、2つの鉛直ウエブ103、104で挟まれた空間は、その側方領域には、3つのウイング115〜117が存在するだけで他の部位が開放されているため、図5、図6に示すように、複数の保持具100を側方に重ねることができる(スタック性)。当業者であれば容易に理解できるように、このスタック性は、ボトル保持具100を製造した後小売店に搬送するときに物流コストを低減するのに効果的である。
【0049】
図7以降の図面は、本発明の他の実施例を示すものであり、これらの実施例に含まれる要素に関し、上記第1実施例のボトル保持具100の要素と同様の要素及び各実施例で共通する要素には同一の参照符号を付すことにより、その説明を省略し、以下に、図7以降に図示の他の実施例の特徴部分を中心にして説明する。
【0050】
第2実施例(図7〜図10)
第2実施例のボトル保持具200は、対向ウエブ104に設けられた第2下方ウイング116及び上方ウイング117の形状が異なっている点で第1実施例の保持具100とは異なっている。また、他の異なる点は、ボトル止め部105に存在し、この第2実施例の保持具200では、アーム106、107の先端に第1実施例のような延長部110、111が設けられていない。すなわち、第2実施例の保持具200のボトル止め部105は一対のアーム106、107で構成されている。また、第3の相違点は、第2実施例の保持具200にあっては、ハンドル側ウエブの縦リブ119が上方に大きく延長され、その上端がボトル止め部105に連結されている(図8、図9)。
【0051】
第1実施例との第1の相違点である、対向ウエブ104の下方ウイング116及び上方ウイング117の形状について説明すると、先ず、下方ウイング116は、その下端が円形底プレート101に連結されている(図7、図10)。この下方ウイング116の先端縁116aは、底プレート101から鉛直方向に真っ直ぐに延びており、また、下方ウイング116の上端縁116bは、対向ウエブ104から遠ざかるに従って下方に傾斜している。したがって、ボトル本体2の下端部部分は、ボトル1を傾けたときに、下方ウイング116の比較的大きな面で支持されることになる。
【0052】
対向ウエブ104の上方ウイング117は、その上端がボトル止め部105に連結され(図7、図9)、上方ウイング117の先端縁117aはボトル止め部105から鉛直方向に真っ直ぐに延びており、この上方ウイング117の下端縁117bは、対向ウエブから遠ざかるに従って上方に傾斜している。したがって、ボトル1を傾けたときに、ボトル本体2の上半分から肩部4に亘って広がる上方ウイング116の比較的大きな面で支持されることになる。
【0053】
この第2実施例のボトル保持具200にあっても、上述した第1実施例の保持具100と同様の作用効果を奏することができる。また、複数のボトル保持具200を横方向に極めて隣接した状態で重ね合わせることのできるスタック性についても第1実施例の保持具100と同様のスタック性を発揮することができる。
【0054】
第3実施例(図11〜図14)
第3実施例のボトル保持具300は、ハンドル側ウエブ103に設けられた下方ウイング115の形状が異なっている点で第2実施例の保持具200とは異なっている。また、他の異なる点は、ボトル止め部105に存在し、この第3実施例の保持具200では、アーム106、107の先端に第1実施例のような延長部110、111が設けられ、第1実施例の延長部110、111とはその形状が異なっている。また、第3の相違点は、第3実施例の保持具300にあっては、ハンドル114及びこれに関連したリブの形態が異なっている。
【0055】
第2実施例との第1の相違点である、ハンドル側ウエブ103の第1下方ウイング115は、第2実施例の対向ウエブ104の第2下方ウイング116と同様に、その下端が円形底プレート101に連結されている(図11、図14)。この第1下方ウイング115の先端縁115aは、底プレート101から鉛直方向に真っ直ぐに延びており、また、第1下方ウイング115の上端縁115bは、対向ウエブ104から遠ざかるに従って下方に傾斜している(図11)。したがって、ボトル本体2の下端部部分は、ボトル1を傾けて内容物を流出するときに、ボトル1が上下に扁平に潰れる傾向を、第2下方ウイング116と共同してボトル1の下部分を囲むことにより効果的に防止することができる。
【0056】
次に、第3実施例の保持具300のボトル止め部105は、平面視したときにU字状の形状をなす一対のアーム106、107の先端に延長部110、111を有し、この延長部110、111の先端は、上方に向けて膨出した拡大部分301、302を有する。キャップ3を初めて開封するときに、この拡大部分301、302によって拡大された面積を有する延長部110、111を指で把持するのが容易になる。
【0057】
第3実施例の保持具300のハンドル114は、アーチ状の外縁114aを有し、その上端がボトル止め部105に連結されている。これにより、ハンドル114の剛性を高めることができるが、更に剛性を高めるために、この第3実施例のハンドル114は、アーチ状の外縁114aに沿って左右方向に突出したリブ303を含み、このリブ303は、その上端がボトル止め部105に連結され、リブ303の下端はハンドル側ウエブ103に連結されている。
【0058】
第4実施例(図15〜図18)
第4実施例のボトル保持具400は、第1実施例などの保持具100などが有する上方ウイング117を具備していない点で、第1実施例などとは異なっている。すなわち、この第4実施例の保持具400は、ハンドル側ウエブ103と対向ウエブ104の下端部分に、第1、第2の下方ウイング115、116を有しており、この下方ウイング115、116は、保持具底プレート101に連結され、この底プレート101から上方に真っ直ぐに延びる先端縁115a、116aと、各ウエブ103、104から水平方向に延びる上縁115b、116bを有する。
【0059】
また、この第4実施例のボトル保持具400は、対向ウエブ104が底プレート101に連結されているものの、その上端はボトル止め部105までは延びておらず、ボトル本体2の下端部分で終わっている点で、他の実施例とは大きく異なっている。
【0060】
すなわち、対向ウエブ104は、第2の下方ウイング116の上縁116bと同じ高さ位置で終わっており、したがって、ボトル1に沿って上方まで延びているのはハンドル側ウエブ103だけである。
【0061】
更に、この第4実施例のボトル保持具400は、ボトル止め部105が、ハンドル側ウエブ103から離れる方向に開口している。したがって、この第4実施例の保持具400を薄肉ボトル1に装着するときには、ハンドル側ウエブ103と対向する側からボトル1を挿入して、ボトル首部及び/又は未開蓋保証リングをボトル止め部105に嵌め込むことで、保持具400にボトル1を収容することができる。勿論、ボトル止め部105を第1実施例などと同じように、横方向に向けて開口するようにしてもよい。
【0062】
更に、この第4実施例の保持具400の底プレート101は、円形ではなくて、ボトル本体2の円形断面よりも小径の円形から直径方向に互いに対向する部分を夫々切り欠いた形状を有する。この2つの切欠きは、ハンドル側ウエブ103を挟んで対称の位置に設けてもよいが、いずれか一方の切欠きをハンドル側ウエブ103に近接させ、他方の切欠きをハンドル側ウエブ103から遠ざけるように配置してもよい。勿論のことであるが、この非円形形状の底プレート101を第1〜第3実施例に適用してもよい。
【0063】
また、この第4実施例の保持具400にあっては、ハンドル側ウエブ103を途中で屈曲させることによりハンドル114が形成されている点で他の実施例とは異なっている。
【0064】
この第4実施例の保持具400は、比較的厚みが有り或る程度の保形性を備えた薄肉ボトル1に適していると言うことができる。換言すれば、第1〜第3の実施例の保持具100、200、300は比較的薄い薄肉ボトル1に適していると言えよう。
【0065】
以上、本発明に従う様々な実施例を説明したが、例えば第1実施例の保持具100では対向ウエブ104が底プレート101からボトル止め部105まで連続して延びているが、この対向ウエブ104は、下方ウイング116と上方ウイング117との間を切り欠いた形状を有していてもよい。この変形例によれば、対向ウエブ104は、底プレートから上方に向けて延びる第1対向ウエブと、ボトル止め部105から下方に向けて延びる第2の対向ウエブとで構成され、第1対向ウエブの上端と第2対向ウエブの下端とが上下に離間することになる。
【0066】
また、例えば第1実施例の保持具100において、ハンドル側ウエブ103において、第1の下方ウイング115の上方に、これとは反対方向に延びる上方ウイングを設けるようにしてもよい。この変形例によれば、互いに対向した2つのウエブ103、104の下部分に、夫々、同一方向に延びる下方ウイングを有し、また、この2つのウエブ103、104の上部に、夫々、下方ウイングとは逆方向に延びる上方ウイングを有することになり、ボトル1は、これら4つのウイングによって包囲されることになる。
【0067】
また、第1〜第4実施例の保持具100などでは、ボトル止め部105が基本的には一対のアーム106、107で構成されて、平面視U字状の形状を有しているが、ボトル止め部105は、ボトル1の首部や未開蓋保証リングと係合してボトル1を保持する機能を有していればその形状は任意である。また、ボトル止め部105は、ボトル1の他の部位、例えば肩部4など、ボトル1の上部に位置するボトルの要素と係合するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のボトル保持具の側面図である。
【図2】第1実施例のボトル保持具をハンドル側ウエブ側から見た図である。
【図3】第1実施例のボトル保持具を上から見た平面図である。
【図4】第1実施例のボトル保持具を下から見た底面図である。
【図5】第1実施例のボトル保持具を複数用意し、これを横方向に重ね合わせることのできるスタック性を説明するための図である。
【図6】図5と同様に、第1実施例のボトル保持具を複数用意し、これを横方向に重ね合わせることのできるスタック性を説明するための図である。
【図7】第2実施例のボトル保持具の側面図である。
【図8】第2実施例のボトル保持具をハンドル側ウエブ側から見た図である。
【図9】第2実施例のボトル保持具を上から見た平面図である。
【図10】第2実施例のボトル保持具を下から見た底面図である。
【図11】第3実施例のボトル保持具の側面図である。
【図12】第3実施例のボトル保持具をハンドル側ウエブ側から見た図である。
【図13】第3実施例のボトル保持具を上から見た平面図である。
【図14】第3実施例のボトル保持具を下から見た底面図である。
【図15】第4実施例のボトル保持具をハンドル側ウエブ側から見た図である。
【図16】第4実施例のボトル保持具の側面図である。
【図17】第4実施例のボトル保持具を上から見た平面図である。
【図18】第4実施例のボトル保持具を下から見た底面図である。
【符号の説明】
1 薄肉ボトル
100 第1実施例のボトル保持具
101 底プレート
103 ハンドル側ウエブ
104 対向ウエブ
105 ボトル止め部
108 ボトル挿入口
114 ハンドル
115 ハンドル側ウエブに設けられた下方ウイング(ハンドル側下方ウイング)
116 対向ウエブに設けられた下方ウイング(対向側下方ウイング)
117 対向ウエブに設けられた上方ウイング
200 第2実施例のボトル保持具
300 第3実施例のボトル保持具
400 第4実施例のボトル保持具
C ボトルの下部分の第1の側方露出領域
D ボトルの下部分の第2の側方露出領域
Claims (7)
- ハンドルを掴んで傾けることにより、収容したボトルの注口部から内容物を流出させることのできるボトル保持具であって、
ボトルの本体の断面よりも小さく且つ該ボトルの底を受ける底部と、
ボトルの上部と係脱可能に係合するボトル止め部と、
前記底部と前記ボトル止め部との間に配置され、前記ボトルの本体の周囲に沿って延びるボトル支持部材とを有し、
該ボトル支持部材が、前記ハンドルの側から見たときに、前記ボトル本体の上下方向中間部分の第1、第2の側方領域の少なくともいずれか一方の側方領域を外部に露出させることのできる形態を有していることを特徴とするボトル保持具。 - 前記ボトル支持部材が、前記ハンドルの側から見たときに、前記ボトル本体の下部分の一部の第1、第2の下部側方領域を外部に露出させることのできる形態を有し、該第1、第2の下部側方露出領域のいずれか一方が前記ハンドルに隣接して位置し、他方の下部側方露出領域が前記ハンドルから遠ざかる位置に位置していることを特徴とする請求項2に記載のボトル保持具。
- ボトルの底を受ける底プレートと、
ボトルの上部と係脱可能に係合してこれを保持するボトル止め部と、
前記底プレートから上方に向けて前記ボトル止め部まで連続して延びる第1の鉛直ウエブと、
該第1の鉛直ウエブに設けられたハンドルと、
前記底プレートの前記第1の鉛直ウエブに対向した位置から上方に向けて延びる第2の鉛直ウエブと、
前記第2の鉛直ウエブの下部分から一方向に向けて延び且つ前記ボトルの下部分の周囲に沿って延びる対向側下方ウイングとを有することを特徴とするボトル保持具。 - 前記底プレートが、前記ボトルの本体の断面よりも小さい、請求項3に記載のボトル保持具。
- 前記第1の鉛直ウエブの下部分から一方向に向けて延び且つ前記ボトルの下部分の周囲に沿って延びるハンドル側下方ウイングを更に有することを特徴とする請求項3又は4に記載のボトル保持具。
- 前記第2の鉛直ウエブが、前記底プレートから前記ボトル止め部まで延びている、請求項3〜5のいずれか一項に記載のボトル保持具。
- 前記第2の鉛直ウエブの上部に、前記対向側下方ウイングとは反対方向に延びる上方ウイングが設けられている、請求項3〜6のいずれか一項に記載のボトル保持具。
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