JP3865471B2 - 軸シール組立装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸シール組立装置に関し、詳細には、例えば、複写機やレーザープリンタ等のトナーを収納するハウジングの軸穴にトナー搬送用のマグローラ等の回転軸を挿入する際に、当該回転軸の軸入部と軸穴の隙間からトナーが漏洩するのを防止するために装着される軸シールの組立に使用する軸シール組立装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やレーザープリンタ等のトナーを収納するハウジング等には、軸穴が形成されており、当該軸穴にトナー搬送用のマグローラ等の回転軸が挿入され、このような回転軸をトナーを収納するハウジングの軸穴に挿入するには、トナーの漏洩を防止するために、軸シールが当該軸穴に装着されるが、当該軸穴の軸シール部の組立は、従来、一般に、人手で行っている。
【0003】
この軸穴への回転軸の挿入や軸シール部の組立を人手で行う場合、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に、軸シールのリップ部、すなわち、回転軸に接触してトナーの漏洩等を防止する軸シールの先端部に、捲れが発生することがあるため、この軸シールのリップ部の捲れを人が目で検査し、捲れが発生すると、これを修正しながら、軸シールの組立を行っている。
【0004】
すなわち、図7に示すように、従来、ハウジング1の軸穴2には、ベアリング3と軸シール4とが填め込まれており、このハウジング1の軸穴2に、人手でハウジング1を図1中右方向から左方向に移動させて、軸5を挿入する。このとき、ハウジング1が軸5に対して左方向に移動するに従って、軸シール4のリップ部4aが軸5に圧接された状態であるため、このリップ部4aが、軸5に引きずられる状態となって、図8に示すように、内側(図2中右方向)に捲れる。
【0005】
そこで、従来では、この軸シール4のリップ部4aの捲れを人が目で検査して、人手でリップ部4aの捲れを修正している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の軸シールの組立にあっては、軸シールのリップ部の捲れを人が目で検査して修正しながら、軸シールの組立を人手で行っていたため、作業効率が悪く、作業時間が長くなり、コストが高くつくとともに、リップ部の状態の識別が困難で、不良品の発生量が多いという問題があった。
【0007】
そこで、請求項1記載の発明は、先端部に所定角度の円錐形状の傾斜面を有するとともに、中心部に回転軸の進入可能な貫通孔の形成された略円筒形状のバックアップリングを、ハウジングの軸穴に回転軸の挿入方向とは逆方向から挿入して、軸シールのリップ部を回転軸の挿入方向と逆方向に所定量押し広げた状態で、バックアップリングの貫通孔内に回転軸を挿入させ、その後、バックアップリングを軸穴から引き抜いて、回転軸の軸穴への挿入を行うことにより、軸シールのリップ部が捲れることを未然に防止しつつ、回転軸を軸穴に挿入し、安価で、簡単にシール性の良好な軸シールの組立を行うことのできる軸シール組立装置を提供することを目的としている。
【0008】
請求項2記載の発明は、回転軸を軸シールの装着された軸穴に挿入させた後、ハウジングと回転軸を軸穴を中心として所定角度傾斜させた状態で少なくとも1回すりこぎ動作させることにより、すりこぎ動作に伴って、軸シールのリップ部が回転軸から離れる部分をリップ部の全周にわたって生じさせて、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、当該リップ部の復元力により、元の状態に復帰させ、軸シールのリップ部の捲れを適切に修正することのできる軸シール組立装置を提供することを目的としている。
【0009】
請求項3記載の発明は、回転軸を軸シールの装着されたハウジングの軸穴に挿入させた後、ハウジングを回転軸の挿入された軸穴を中心として所定方向に所定角度傾斜させた状態で、ハウジングを少なくとも1回転させることにより、回転軸に対して傾斜した状態でハウジングを回転させるに伴って、軸シールのリップ部が回転軸から離れる部分がリップ部の全周にわたって生じて、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、当該リップ部の復元力により、元の状態に復帰させ、軸シールのリップ部の捲れを適切に修正することのできる軸シール組立装置を提供することを目的としている。
【0010】
請求項4記載の発明は、回転軸を軸シールの装着されたハウジングの軸穴へ挿入させつつ、あるいは、回転軸を軸穴に挿入させた後、のうち少なくともいずれか一方のときに、所定圧力の気体を回転軸の挿入側とは反対側から軸穴に流入させることにより、所定圧力の気体で軸シールのリップ部を回転軸の挿入側に膨らませて、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、短時間で、かつ、簡単に元の状態に復帰させ、軸シールのリップ部の捲れを適切に修正することのできる軸シール組立装置を提供することを目的としている。
【0011】
請求項5記載の発明は、回転軸の軸穴への挿入後、所定圧力の気体を回転軸の挿入側とは反対側から軸穴に流入させつつ、ハウジングと回転軸を相対的に所定角度傾斜させた状態で軸穴を中心として少なくとも1回すりこぎ動作させることにより、当該すりこぎ動作で軸シールのリップ部が回転軸から離れる部分をリップ部の全周にわたって生じさせ、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、軸シールのリップ部の復元力で復帰させるとともに、圧縮気体の圧力により、より一層確実に、かつ、短時間に元の状態に復帰させ、軸シールのリップ部の捲れをより一層確実に、かつ、迅速に修正することのできる軸シール組立装置を提供することを目的としている。
【0012】
請求項6記載の発明は、回転軸の軸穴への挿入後、所定圧力の気体を回転軸の挿入側とは反対側から軸穴に流入させつつ、ハウジングを回転軸の挿入された軸穴を中心として所定方向に所定角度傾斜させた状態で、ハウジングを回転軸に対して少なくとも1回転させることにより、回転軸から離れる部分をリップ部の全周にわたって生じさせて、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、軸シールのリップ部の復元力で復帰させるとともに、圧縮気体の圧力により、より一層確実に、かつ、短時間に元の状態に復帰させ、軸シールのリップ部の捲れをより一層確実に、かつ、迅速に修正することのできる軸シール組立装置を提供することを目的としている。
【0013】
請求項7記載の発明は、軸穴内に間欠的に圧力の変化する気体を流入させることにより、断続的に圧力の変化する気体で、軸シールのリップ部を回転軸の挿入側に断続的に膨らませて、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、より一層短時間に、かつ、より一層確実に元の状態に復帰させ、軸シールのリップ部の捲れをより一層適切に、かつ、迅速に修正することのできる軸シール組立装置を提供することを目的としている。
【0014】
請求項8記載の発明は、回転軸の軸穴への挿入後、軸穴部分に減圧空間を形成し、当該減圧空間の圧力変化を検出して、軸シールによるシール性を検査することにより、軸シールのリップ部の捲れの有無等による軸シールのシール性を簡単、かつ、適切に検査することのできる軸シール組立装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の軸シール組立装置は、所定のハウジングの軸穴に、所定のリング状の穴を有するリップ部を有した軸シールを装着し、当該軸シールの装着された前記軸穴に回転軸を挿入して前記軸シールの前記リップ部で前記回転軸部分のシールを行わせる軸シール組立装置において、少なくとも前記ハウジングを保持する保持手段と、前記保持手段を介して前記回転軸と前記ハウジングとを相対移動させる移動手段と、先端部に所定角度の円錐形状の傾斜面を有するとともに、中心部に前記回転軸の進入可能な貫通孔の形成された略円筒形状のバックアップリングと、を備え、前記リップ部に前記バックアップリングの円錐形状の傾斜面が当接しかつ前記リップ部を押し広げた状態にし、前記保持手段により少なくとも前記ハウジングを保持し、前記バックアップリングを前記ハウジングの前記軸穴に前記回転軸の挿入方向とは逆方向から挿入して、前記軸シールの前記リップ部を前記回転軸の挿入方向と逆方向に所定量押し広げ、前記保持手段を介して前記移動手段により前記ハウジングと前記回転軸を相対的に近づく方向に移動させて、前記バックアップリングの前記貫通孔内に前記回転軸を挿入させた後、前記バックアップリングを前記軸穴から引き抜いて、前記回転軸の前記軸穴への挿入を行うことにより、上記目的を達成している。
【0016】
上記構成によれば、先端部に所定角度の円錐形状の傾斜面を有するとともに、中心部に回転軸の進入可能な貫通孔の形成された略円筒形状のバックアップリングを、ハウジングの軸穴に回転軸の挿入方向とは逆方向から挿入して、軸シールのリップ部を回転軸の挿入方向と逆方向に所定量押し広げた状態で、バックアップリングの貫通孔内に回転軸を挿入させ、その後、バックアップリングを軸穴から引き抜いて、回転軸の軸穴への挿入を行うので、軸シールのリップ部が捲れることを未然に防止しつつ、回転軸を軸穴に挿入することができ、安価で、簡単にシール性の良好な軸シールの組立を行うことができる。
【0017】
請求項2記載の発明の軸シール組立装置は、所定のハウジングの軸穴に、所定のリング状の穴を有するリップ部を有した軸シールを装着し、当該軸シールの装着された前記軸穴に回転軸を挿入して前記軸シールの前記リップ部で前記回転軸部分のシールを行わせる軸シール組立装置において、前記ハウジングと前記回転軸の少なくとも一方を保持する保持手段と、前記保持手段を介して前記回転軸と前記ハウジングとを相対移動させる移動手段と、前記保持手段を介して前記ハウジングの軸穴の軸線に対して前記回転軸を相対的に傾斜させた状態ですりこぎ動作させるすりこぎ手段と、を備え、前記保持手段を介して前記移動手段により前記ハウジングと前記回転軸を相対的に近づく方向に移動させて前記回転軸を前記軸シールの装着された前記軸穴に挿入させた後、前記すりこぎ手段により前記ハウジングと前記回転軸を相対的に回転して少なくとも1回前記すりこぎ動作を行わせることにより、上記目的を達成している。
【0018】
上記構成によれば、回転軸を軸シールの装着された軸穴に挿入させた後、ハウジングと回転軸を軸穴を中心として所定角度傾斜させた状態で少なくとも1回すりこぎ動作させるので、すりこぎ動作に伴って、軸シールのリップ部が回転軸から離れる部分をリップ部の全周にわたって生じさせて、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、当該リップ部の復元力により、元の状態に復帰させることができ、軸シールのリップ部の捲れを適切に修正することができる。
【0019】
請求項3記載の発明の軸シール組立装置は、所定のハウジングの軸穴に、所定のリング状の穴を有するリップ部を有した軸シールを装着し、当該軸シールの装着された前記軸穴に回転軸を挿入して前記軸シールの前記リップ部で前記回転軸部分のシールを行わせる軸シール組立装置において、少なくとも前記ハウジングを保持する保持手段と、前記保持手段を介して前記ハウジングを前記回転軸に対して相対移動させる移動手段と、前記保持手段を介して前記ハウジングの軸穴と前記回転軸を所定方向に所定角度傾斜させる傾斜手段と、前記保持手段を介して前記傾斜手段により前記ハウジングが前記回転軸に対して所定角度傾斜された状態で、前記ハウジングを回転させる回転手段と、を備え、前記保持手段を介して前記移動手段により前記ハウジングを前記回転軸に近づける方向に移動させて前記回転軸を前記軸シールの装着された前記軸穴に挿入させた後、前記傾斜手段により前記ハウジングの軸穴を前記回転軸の挿入された所定方向に所定角度傾斜させ、前記回転手段により前記ハウジングを少なくとも1回転させることにより、上記目的を達成している。
【0020】
上記構成によれば、回転軸を軸シールの装着されたハウジングの軸穴に挿入させた後、ハウジングを回転軸の挿入された軸穴を中心として所定方向に所定角度傾斜させた状態で、ハウジングを少なくとも1回転させるので、回転軸に対して傾斜した状態でハウジングを回転させるに伴って、軸シールのリップ部が回転軸から離れる部分がリップ部の全周にわたって生じて、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、当該リップ部の復元力により、元の状態に復帰させることができ、軸シールのリップ部の捲れを適切に修正することができる。
【0021】
請求項4記載の発明の軸シール組立装置は、所定のハウジングの軸穴に、所定のリング状の穴を有するリップ部を有した軸シールを装着し、当該軸シールの装着された前記軸穴に回転軸を挿入して前記軸シールの前記リップ部で前記回転軸部分のシールを行わせる軸シール組立装置において、前記ハウジングと前記回転軸の少なくとも一方を保持する保持手段と、前記保持手段を介して前記回転軸と前記ハウジングとを相対移動させる移動手段と、前記ハウジングの前記軸穴に前記回転軸の前記ハウジングへの挿入側とは反対側から所定圧力の気体を流入させる気体流入手段と、を備え、前記保持手段を介して前記移動手段により前記回転軸と前記ハウジングを相対的に近づく方向に移動させて前記回転軸を前記軸シールの装着された前記軸穴へ挿入させつつ、あるいは、前記回転軸を前記軸穴に挿入させた後、のうち少なくともいずれか一方のときに、前記気体流入手段により前記所定圧力の気体を前記回転軸の挿入側とは反対側から前記軸穴に流入させることにより、上記目的を達成している。
【0022】
上記構成によれば、回転軸を軸シールの装着されたハウジングの軸穴へ挿入させつつ、あるいは、回転軸を軸穴に挿入させた後、のうち少なくともいずれか一方のときに、所定圧力の気体を回転軸の挿入側とは反対側から軸穴に流入させるので、所定圧力の気体で軸シールのリップ部を回転軸の挿入側に膨らませて、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、短時間で、かつ、簡単に元の状態に復帰させることができ、軸シールのリップ部の捲れを適切に修正することができる。
【0023】
請求項5記載の発明の軸シール組立装置は、所定のハウジングの軸穴に、所定のリング状の穴を有するリップ部を有した軸シールを装着し、当該軸シールの装着された前記軸穴に回転軸を挿入して前記軸シールの前記リップ部で前記回転軸部分のシールを行わせる軸シール組立装置において、前記ハウジングと前記回転軸の少なくとも一方を保持する保持手段と、前記保持手段を介して前記回転軸と前記ハウジングとを相対移動させる移動手段と、前記保持手段を介して前記ハウジングの軸穴の軸線に対して前記回転軸を相対的に所定角度傾斜させた状態ですりこぎ動作させるすりこぎ手段と、前記ハウジングの前記軸穴に前記回転軸の挿入側とは反対側から所定圧力の気体を流入させる気体流入手段と、を備え、前記保持手段を介して前記移動手段により前記回転軸と前記ハウジングを相対的に近づく方向に移動させて前記回転軸を前記軸シールの装着された前記軸穴へ挿入させた後、前記流入手段により前記所定圧力の気体を前記回転軸の挿入側とは反対側から前記軸穴に流入させつつ、前記すりこぎ手段により前記ハウジングを回転して少なくとも1回前記すりこぎ動作させることにより、上記目的を達成している。
【0024】
上記構成によれば、回転軸の軸穴への挿入後、所定圧力の気体を回転軸の挿入側とは反対側から軸穴に流入させつつ、ハウジングと回転軸を相対的に所定角度傾斜させた状態で軸穴を中心として少なくとも1回すりこぎ動作させるので、当該すりこぎ動作で軸シールのリップ部が回転軸から離れる部分をリップ部の全周にわたって生じさせ、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、軸シールのリップ部の復元力で復帰させることができるとともに、圧縮気体の圧力により、より一層確実に、かつ、短時間に元の状態に復帰させることができ、軸シールのリップ部の捲れをより一層確実に、かつ、迅速に修正することができる。
【0025】
請求項6記載の発明の軸シール組立装置は、所定のハウジングの軸穴に、所定のリング状の穴を有するリップ部を有した軸シールを装着し、当該軸シールの装着された前記軸穴に回転軸を挿入して前記軸シールの前記リップ部で前記回転軸部分のシールを行わせる軸シール組立装置において、少なくとも前記ハウジングを保持する保持手段と、前記保持手段を介して前記回転軸と前記ハウジングとを相対移動させる移動手段と、前記保持手段を介して前記ハウジングの軸穴と前記回転軸を所定方向に所定角度傾斜させる傾斜手段と、前記保持手段を介して前記傾斜手段により前記ハウジングを前記回転軸に対して所定角度傾斜させた状態で、前記ハウジングを回転させる回転手段と、前記ハウジングの前記軸穴に前記回転軸の挿入側とは反対側から所定圧力の気体を流入させる気体流入手段と、を備え、前記保持手段を介して前記移動手段により前記回転軸と前記ハウジングを相対的に近づく方向に移動させて前記回転軸を前記軸シールの装着された前記軸穴へ挿入させた後、前記流入手段により前記所定圧力の気体を前記回転軸の挿入側とは反対側から前記軸穴に流入させつつ、前記傾斜手段により前記ハウジングを前記回転軸の挿入された前記軸穴を中心として所定方向に所定角度傾斜させた状態で、前記回転手段により前記ハウジングを前記回転軸に対して少なくとも1回転させることにより、上記目的を達成している。
【0026】
上記構成によれば、回転軸の軸穴への挿入後、所定圧力の気体を回転軸の挿入側とは反対側から軸穴に流入させつつ、ハウジングを回転軸の挿入された軸穴を中心として所定方向に所定角度傾斜させた状態で、ハウジングを回転軸に対して少なくとも1回転させるので、回転軸から離れる部分をリップ部の全周にわたって生じさせて、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、軸シールのリップ部の復元力で復帰させることができるとともに、圧縮気体の圧力により、より一層確実に、かつ、短時間に元の状態に復帰させることができ、軸シールのリップ部の捲れをより一層確実に、かつ、迅速に修正することができる。
【0027】
上記各場合において、例えば、請求項7に記載するように、前記軸シール組立装置は、前記気体流入手段が前記軸穴に流入する前記気体の圧力を間欠的に変化させる圧力制御手段を、さらに備え、前記軸穴内に間欠的に圧力の変化する前記気体を流入させるものであってもよい。
【0028】
上記構成によれば、軸穴内に間欠的に圧力の変化する気体を流入させるので、断続的に圧力の変化する気体で、軸シールのリップ部を回転軸の挿入側に断続的に膨らませて、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、より一層短時間に、かつ、より一層確実に元の状態に復帰させることができ、軸シールのリップ部の捲れをより一層適切に、かつ、迅速に修正することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0032】
図1は、本発明の軸シール組立装置の第1の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、軸シールを軸から浮かせた状態でハウジングに軸を挿入するもので、請求項1に対応するものである。
【0033】
図1は、本発明の軸シール組立装置の第1の実施の形態を適用した軸シール組立装置10の要部拡大正面図である。
【0034】
図1において、軸シール組立装置10は、図示しないハンド治具(移動手段)に取り付けられた把持爪(保持手段)11と、バックアップリング12と、を備えている。
【0035】
把持爪11は、ハウジング13を把持してハウジング13を図1中矢印で示す右方向から左方向移動させ、ハウジング13は、例えば、複写機やレーザープリンタ等のトナーを収納するトナーハウジングである。図1では、ハウジング13の左側がトナーの収納されるハウジング13の内部であり、ハウジング13の内部には、トナーが収納されて大気圧を超えるトナー圧がハウジング13にかかることになる。
【0036】
ハウジング13には、ハウジング13内のトナーを搬送するための搬送マグローラ用の回転軸14が挿入されるための軸穴13aが形成されており、この軸穴13aには、軸シール15が装着される。
【0037】
軸シール15は、通常、図示しないが金属製のリングと当該金属リングを被覆するゴム材で形成されており、軸シール15は、当該ゴムの弾性力により回転軸14に圧接されてシールを行うリップ部15aを備えている。
【0038】
上記軸シール組立装置10のバックアップリング12は、軸シール15の組立時、軸シール15の装着されたハウジング13の軸穴13a内に挿入され、軸シール15のリップ部15aを、軸穴13aに挿入される回転軸14の外周面から浮き上がらせた状態にする。
【0039】
すなわち、バックアップリング12は、回転軸14が進入可能な中空部(貫通孔)12aを有する略円筒状に形成されるとともに、その先端部の中空部12a側がハウジング13の移動方向(先端方向)に向かって所定の傾斜角度で突出したテーパー部(傾斜面)12bを備えている。すなわち、バックアップリング12は、その先端部が中空部12aを備えた円錐形状(コーン形状)に形成されている。
【0040】
したがって、バックアップリング12は、軸シール15の組立時、軸シール15の装着されたハウジング13の軸穴13a内に挿入されるが、このとき、そのテーパー部12bが軸シール15のリップ部15aをハウジング13の内方(図1中左方向)に押し広げて、挿入される回転軸14とリップ部15aとが接触しない状態まで軸穴13a内に挿入される。
【0041】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の軸シール組立装置10は、回転軸14から軸シール15のリップ部15aを浮き上がらせた状態で回転軸14の軸穴13aへの挿入を行って、リップ部15aの捲れを防止しつつ、回転軸14の挿入を行うところにその特徴がある。
【0042】
すなわち、軸シール組立装置10により回転軸14をハウジング13の軸穴13aに挿入する際、まず、軸シール15をハウジング13の軸穴13aのハウジング13の内側に装着し、軸シール組立装置10は、軸穴13a内に軸シール15が装着された状態で、把持爪11によりハウジング13を把持する。このとき、軸シール組立装置10は、軸シール15の中心とバックアップリング12の中心が一致する状態でハウジング13を把持する。
【0043】
次に、軸シール組立装置10は、バックアップリング12をハウジング13の軸穴13a内に挿入する。このとき、軸シール組立装置10は、バックアップリング12のテーパー部12bが軸シール15のリップ部15aをハウジング13の内方に押し広げて、挿入される回転軸14とリップ部15aとが接触しない状態まで軸穴13a内に挿入する。
【0044】
軸シール組立装置10は、上述のように、ハウジング13を把持爪11で把持し、バックアップリング12を軸穴13a内に挿入すると、図示しないハンド治具により、把持爪11とバックアップリング12を同時に図1中矢印方向に移動させて、回転軸14をバックアップリング12の中空部12a内に挿入させる。
【0045】
このとき、軸シール15のリップ部15aは、回転軸14の外周面から浮き上がった状態であるため、回転軸14の挿入により捲れることがない。
【0046】
軸シール組立装置10は、適切な位置まで回転軸14をバックアップリング12の中空部12a内に挿入させると、当該位置でハウジング13の移動を停止し、まず、バックアップリング12を上記移動方向とは逆方向に移動させて、軸穴13aから引き抜く。
【0047】
バックアックリング12が引き抜かれると、軸シール15のリップ部15aは、捲れが発生することなく、その弾性により回転軸14の外表面に密着し、確実にシールを行う。
【0048】
軸シール組立装置10は、把持爪11をハウジング13から外し、把持爪11及びバックアップリング12を所定の初期位置まで退避させる。
【0049】
このように、本実施の形態によれば、先端部に所定角度の円錐形状の傾斜面(テーパー部12b)を有するとともに、中心部に回転軸14の進入可能な貫通孔(中空部12a)の形成された略円筒形状のバックアップリング12を、ハウジング13の軸穴13aに回転軸14の挿入方向とは逆方向から挿入して、軸シール15のリップ部15aを回転軸14の挿入方向と逆方向に所定量押し広げた状態で、バックアップリング12の中空部12a内に回転軸14を挿入させ、その後、バックアップリング12を軸穴13aから引き抜いて、回転軸14の軸穴13aへの挿入を行っている。したがって、軸シール15のリップ部15aが捲れることを未然に防止しつつ、回転軸14を軸穴13aに挿入することができ、安価で、簡単にシール性の良好な軸シール15の組立を行うことができる。
【0050】
図2は、本発明の軸シール組立装置の第2の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、軸シールの装着された軸穴に回転軸を挿入した後、ハウジングを軸穴を中心にすりこぎ動作させて軸シールのリップ部の捲れを修正するもので、請求項2に対応するものである。
【0051】
なお、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0052】
図2は、本発明の軸シール組立装置の第2の実施の形態を適用した軸シール組立装置20の要部拡大正面図である。
【0053】
軸シール組立装置20は、ハンド治具(移動手段)21と、ハンド治具21に取り付けられた把持爪(保持手段)22と、を備えている。
【0054】
ハンド治具21は、把持爪22の把持動作を制御して、ハウジング13を把持させるとともに、回転軸14方向に移動して回転軸14をハウジング13の軸穴13aに挿入する挿入動作と、回転軸14を中心に円運動を行って回転軸14の挿入後の軸シール15のリップ部15aの捲れを修正するすりこぎ動作を行う。したがって、上記ハンド治具21及び把持爪22は、全体としてすりこぎ手段としても機能する。
【0055】
すなわち、軸シール組立装置20は、回転軸14をハウジング13の軸穴13aに挿入する際、まず、軸シール15がハウジング13の軸穴13aに装着された状態で、ハンド治具21を介して把持爪22によりハウジング13を把持する。このとき、軸シール組立装置20は、軸穴13aと把持部22の中心とが一致する状態で把持部22にハウジング13を把持させる。また、ハウジング13の軸穴13aには、軸受23が装着されていてもよいし、後述するすりこぎ動作に支障をきたすときには、軸受23を後で装着してもよい。
【0056】
次に、軸シール組立装置20は、ハンド治具21とともに把持爪22を図2中右方向から左方向に移動させて、回転軸14を軸シール15の装着されたハウジング13の軸穴13a内に挿入させる。
【0057】
このとき、軸シール15のリップ部15aは、回転軸14の外周面に接触して、軸シール15の内側である右方向に捲れることがある。
【0058】
軸シール組立装置20は、適切な位置まで回転軸14を軸穴13a内に挿入させると、当該位置でハウジング13の移動を停止し、把持爪22でハウジング13を把持した状態で、図2中実線で示すように、軸穴13aを中心にハンド治具21を介して把持爪22を所定角度傾斜させた後、図2中一点鎖線で示すように、軸穴13aを中心にハンド治具21を円運動させる。すなわち、ハンド治具21に取り付けられた把持爪22でハウジング13を把持した状態で、ハウジング13の軸穴13aを中心にハンド治具21を少なくとも1回円運動させると、ハウジング13は、軸穴13aを中心として、すなわち、回転軸14を中心としてすりこぎ動作を行うこととなる。
【0059】
回転軸14を中心にハウジング13がすりこぎ動作を行うと、図2に示すように、軸シール15のリップ部15aは、回転軸14に押し付けられる部分と回転軸14から離れる部分とが生じ、回転軸14から離れると、その弾性により捲れた状態からもとの捲れのない状態に復帰する。
【0060】
したがって、ハウジング13が、軸シール組立装置20により少なくとも1回転すりこぎ動作されると、上記回転軸14の挿入動作により軸シール15のリップ部15aに捲れが発生しても、軸シール15のリップ部15aの全周にわたって当該捲れが元の状態に復帰して、捲れが修正される。
【0061】
軸シール組立装置20は、上記すりこぎ動作を完了すると、ハンド治具21及び把持爪22を元の回転軸14と平行の状態に戻し、ハンド治具21を介して把持爪22をハウジング13から外し、ハンド治具21及び把持爪22を所定の初期位置まで退避させる。
【0062】
このように、本実施の形態によれば、回転軸14を軸シール15の装着された軸穴13aに挿入させた後、ハウジング13と回転軸14を軸穴13aを中心として所定角度傾斜させた状態で少なくとも1回すりこぎ動作させる。したがって、すりこぎ動作に伴って、軸シール15のリップ部15aが回転軸14から離れる部分をリップ部15aの全周にわたって生じさせて、軸シール15の装着された軸穴13aへの回転軸14の挿入時に発生する軸シール15のリップ部15aの回転軸14の挿入方向への捲れを、当該リップ部15aの復元力により、元の状態に復帰させることができ、軸シール15のリップ部15aの捲れを適切に修正することができる。
【0063】
図3は、本発明の軸シール組立装置の第3の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、軸シールの装着された軸穴に回転軸を挿入した後、ハウジングを軸穴を中心に傾斜させた状態で、回転させて、軸シールのリップ部の捲れを修正するもので、請求項3に対応するものである。
【0064】
なお、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0065】
図3は、本発明の軸シール組立装置の第3の実施の形態を適用した軸シール組立装置30の要部拡大正面図である。
【0066】
軸シール組立装置30は、ハンド治具(移動手段)31と、ハンド治具31に取り付けられた把持爪(保持手段)32と、を備えている。
【0067】
ハンド治具31は、把持爪32の把持動作を制御して、ハウジング13を把持させるとともに、回転軸14方向に移動して回転軸14をハウジング13の軸穴13aに挿入する挿入動作と、回転軸14を中心に所定角度傾斜させ、当該傾斜させた状態でハウジング13を軸穴13aを中心に回転させて、回転軸14挿入後の軸シール15のリップ部15aの捲れを修正する傾斜回転動作を行う。したがって、ハンド治具13及び把持爪32は、全体として、ハウジング13を軸穴13aを中心として所定方向に所定角度傾斜させる傾斜手段及びハウジングを回転軸14に対して所定角度傾斜した状態で、ハウジングを回転させる回転手段としての機能をも有する。
【0068】
すなわち、軸シール組立装置30は、回転軸14をハウジング13の軸穴13aに挿入する際、まず、軸シール15がハウジング13の軸穴13aに装着された状態で、ハンド治具31を介して把持爪32によりハウジング13を把持する。このとき、軸シール組立装置30は、軸穴13aと把持部32の中心とが一致する状態で把持部32にハウジング13を把持させる。また、ハウジング13の軸穴13aには、軸受33が装着されていてもよいし、ハウジング13の傾斜回転動作に支障をきたすときには、軸受33を後で装着してもよい。
【0069】
次に、軸シール組立装置30は、ハンド治具31とともに把持爪32を図3中右方向から左方向に移動させて、回転軸14を軸シール15の装着されたハウジング13の軸穴13a内に挿入させる。
【0070】
このとき、軸シール15のリップ部15aは、回転軸14の外周面に接触して、軸シール15の内側である右方向に捲れることがある。
【0071】
軸シール組立装置30は、適切な位置まで回転軸14を軸穴13a内に挿入させると、当該位置でハウジング13の移動を停止し、把持爪32でハウジング13を把持した状態で、図3に示すように、軸穴13aを中心にハンド治具31を介して把持爪32を所定方向に所定角度傾斜させ、当該傾斜させた状態でハウジング13を軸穴13aを中心に少なくとも1回は回転させるという傾斜回転動作を行う。すなわち、ハンド治具31に取り付けられた把持爪32でハウジング13を把持した状態で、ハウジング13の軸穴13aを中心にハンド治具31を所定方向に所定角度傾斜させて、ハウジング13を所定角度傾斜させ、当該傾斜させた状態で、ハウジング13を軸穴13aを中心として少なくとも1回転回転させる。
【0072】
回転軸14を中心にハウジング13を所定角度所定方向に傾斜させると、図3に示すように、軸シール15のリップ部15aは、ハウジング13の傾斜により、回転軸14に押し付けられる部分と回転軸14から離れる部分とが生じ、回転軸14から離れると、その弾性により捲れた状態からもとの捲れのない状態に復帰する。
【0073】
したがって、ハウジング13が、回転軸14に対して傾斜した状態で、軸穴13aを中心に少なくとも1回転されると、上記回転軸14の挿入動作により軸シール15のリップ部15aに捲れが発生しても、軸シール15のリップ部15aの全周にわたって当該捲れが元の状態に復帰して、捲れが修正される。
【0074】
軸シール組立装置30は、上記ハウジング13を傾斜させた状態で軸穴13aを中心として、1回回転させると、ハンド治具31及び把持爪32を元の回転軸14と平行の状態に戻し、ハンド治具31を介して把持爪32をハウジング13から外し、ハンド治具31及び把持爪32を所定の初期位置まで退避させる。
【0075】
このように、本実施の形態によれば、回転軸14を軸シール15の装着されたハウジング13の軸穴13aに挿入させた後、ハウジング13を回転軸14の挿入された軸穴13aを中心として所定方向に所定角度傾斜させた状態で、ハウジング13を少なくとも1回転させている。したがって、回転軸14に対して傾斜した状態でハウジング13を回転させるに伴って、軸シール15のリップ部15aが回転軸14から離れる部分がリップ部15aの全周にわたって生じて、軸シール15の装着された軸穴13aへの回転軸14の挿入時に発生する軸シール15のリップ部15aの回転軸14の挿入方向への捲れを、当該リップ部15aの復元力により、元の状態に復帰させることができ、軸シール15のリップ部15aの捲れを適切に修正することができる。
【0076】
図4は、本発明の軸シール組立装置の第4の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、軸シールの装着された軸穴に回転軸を挿入しながら、軸穴部分に所定圧力の空気流をハウジングの移動方向と同じ方向に流して軸シールのリップ部の捲れを修正・防止するもので、請求項4及び請求項7に対応するものである。
【0077】
なお、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0078】
図4は、本発明の軸シール組立装置の第4の実施の形態を適用した軸シール組立装置40の要部拡大正面図である。
【0079】
軸シール組立装置40は、図示しないハンド治具(移動手段)に取り付けられた把持爪(保持手段)41と、当該ハンド治具に取り付けられたエアーチャンバー42、エアーチャンバー42に圧縮エアー(所定圧力の気体)を供給するエアーパイプ43及びエアーパイプ43の途中に設けられた弁44等を備えている。
【0080】
把持爪41は、図示しないハンド治具を介して把持動作が制御されて、ハウジング13を把持するとともに、ハウジング13を把持した状態で回転軸14方向に移動して回転軸14をハウジング13の軸穴13aに挿入する挿入動作を行う。
【0081】
エアーチャンバー42は、略カップ状に形成されており、図示しないハンド治具によりハウジング13の軸穴13aを覆う状態でハウジング13の外壁面に押し付けられる。エアーチャンバー42のハウジング13に当接する部分には、Oリング42aが取り付けられており、エアーチャンバー42がハウジング13の軸穴13a部分に押し付けられると、エアーチャンバー42は、Oリング42aでシールされ、軸穴13a以外の部分が密閉された状態となる。
【0082】
エアーパイプ43は、図示しないエアー源、例えば、エアーコンプレッサあるいはエアータンク等に接続され、弁44を介して所定圧力、例えば、5Kg/cm2 程度の圧縮空気をエアーチャンバー42内に供給する。したがって、上記エアーチャンバー42、エアーパイプ43、弁44及びエアー源は、全体として気体流入手段として機能する。
【0083】
この軸シール組立装置40を使用して、軸シールの組立を行うには、まず、ハンド治具を介して把持爪41によりハウジング13を把持し、この状態で、ハンド治具を介してエアーチャンバー42をハウジング13の軸穴13a部分に押し付ける。このとき、ハウジング13の軸穴13aには、既に軸受45と軸シール15が装着されている。
【0084】
この状態で、把持爪41で挟んだハウジング13を回転軸14方向に移動させて、回転軸14の軸穴13aへの挿入を開始する。このとき、回転軸14と軸シール15のリップ部15aとが接触して、リップ部15aが回転軸14の先端方向に捲れることがある。
【0085】
軸シール組立装置40は、回転軸14の先端部が少量、例えば、軸シール15のリップ部15部分を通過する程度まで軸穴13aに挿入されると、エアーチャンバー42をハウジング13の軸穴13a部分に押し付けた状態で弁44を開らいて、エアーパイプ43を介してエアーチャンバー42内に圧縮空気を供給する。エアーチャンバー42内に供給された圧縮空気は、エアーチャンバー42がハウジング13に密着されており、ハウジング13との密着部分にOリング42aが装着されているため、軸穴13a部分のみが空気の抜け道となって、圧縮空気は、この軸穴13a部分から抜けることになる。
【0086】
この軸穴13aには、上述の既に軸シール15と軸受45が装着された状態で少なくとも回転軸14が軸シール15のリップ部15aを通過する程度まで挿入されているので、エアーチャンバー42内の圧縮空気は、図4に矢印で示すように、回転軸14と軸受45との境部分及び軸シール15と回転軸14との境部分を通ってハウジング13の内部側(図4中左側)に通り抜ける。
【0087】
この圧縮空気は、軸シール15のリップ部15aを通過する際に、リップ部15をハウジング13の内側(図4中左側)に押し広げながら通過し、軸シール15のリップ部15aの捲れが、リップ部15aが圧縮空気により押し広げられることにより、修正される。
【0088】
その後、軸シール組立装置40は、エアーチャンバー42にエアーパイプ43及び弁44を介して圧縮空気を供給しながら、ハウジング13を把持している把持爪41及びエアーチャンバー42を図4中左方向に移動させて、回転軸14の軸穴13aへの挿入を行う。このとき、エアーチャンバー42内の圧縮空気が軸シール15のリップ部15aと回転軸14との間をリップ部15aを押し広げながら抜けるため、リップ部15aが回転軸14に密接してリップ部15aが右方向に捲れることを防止しつつ、回転軸14を挿入することができ、また、たとえ、リップ部15aの捲れが発生しても、圧縮空気により当該リップ部15aの捲れを修正することができる。
【0089】
軸シール組立装置40は、ハウジング13を把持している把持爪41及びエアーチャンバー42を所定量移動して、回転軸14を所定の挿入位置まで挿入すると、エアーチャンバー42をハウジング13から離すとともに、把持爪41をハウジング13から外し、把持爪41及びエアーチャンバー42を所定の初期位置まで退避させて、処理を終了する。
【0090】
このように、本実施の形態によれば、回転軸14を軸シール15の装着されたハウジング13の軸穴13aへ挿入させつつ、圧縮空気を回転軸14の挿入側とは反対側から軸穴13aに流入させる。したがって、圧縮空気で軸シール15のリップ部15aを回転軸14の挿入側に膨らませて、軸シール15の装着された軸穴13aへの回転軸14の挿入時に発生する軸シール15のリップ部15aの回転軸14の挿入方向への捲れを、短時間で、かつ、簡単に元の状態に復帰させることができ、軸シール15のリップ部15aの捲れを適切に修正することができる。
【0091】
なお、上記第4の実施の形態においては、回転軸14を軸穴13aに挿入しながら圧縮空気を軸穴13a部分に流入させているが、回転軸14の軸穴13aへの挿入が完了した後、圧縮空気を軸穴13a部分に流入して、軸シール15のリップ部15aの捲れを修正してもよい。
【0092】
図5は、本発明の軸シール組立装置の第5の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、軸シールの装着された軸穴に回転軸を挿入した後、軸穴部分に所定圧力の空気流をハウジングの移動方向と同じ方向に流すとともに、ハウジングを軸穴を中心に傾斜させた状態で回転させて、軸シールのリップ部の捲れを修正するもので、請求項6に対応するものである。
【0093】
なお、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0094】
図5は、本発明の軸シール組立装置の第5の実施の形態を適用した軸シール組立装置50の要部拡大正面図である。
【0095】
軸シール組立装置50は、ハンド治具(移動手段)51、ハンド治具51に取り付けられた把持爪(保持手段)52と、ハンド治具51に取り付けられたエアーチャンバー53、エアーチャンバー53に圧縮エアーを供給するエアーパイプ54及びエアーパイプ54の途中に設けられた弁55等を備えている。
【0096】
把持爪52は、ハンド治具51を介して把持動作が制御されて、ハウジング13を把持するとともに、ハウジング13を把持した状態で回転軸14方向に移動して回転軸14をハウジング13の軸穴13aに挿入する挿入動作と、回転軸14を中心に所定角度傾斜させる傾斜動作と、ハウジング13を傾斜させた状態で回転させる回転動作と、を行って軸シール15のリップ部15aの捲れを修正する傾斜回転動作を行う。したがって、ハンド治具51及び把持爪52は、傾斜手段及び回転手段としても機能する。
【0097】
エアーチャンバー53は、略カップ状に形成されており、ハンド治具51によりハウジング13の軸穴13aを覆う状態でハウジング13の外壁面に押し付けられる。エアーチャンバー53のハウジング13に当接する部分には、Oリング53aが取り付けられており、エアーチャンバー53がハウジング13の軸穴13a部分に押し付けられると、エアーチャンバー53は、Oリング53aでシールされ、軸穴13a以外の部分が密閉された状態となる。
【0098】
エアーパイプ54は、図示しない図示しないエアー源、例えば、エアーコンプレッサあるいはエアータンク等に接続され、弁55を介して所定圧力、例えば、5Kg/cm2 程度の圧縮空気をエアーチャンバー53内に供給する。したがって、上記エアーチャンバー53、エアーパイプ54、弁55及びエアー源は、全体として気体流入手段として機能する。
【0099】
この軸シール組立装置50を使用して、軸シールの組立を行うには、まず、ハンド治具を介して把持爪52によりハウジング13を把持し、この状態で、ハンド治具を介してエアーチャンバー53をハウジング13の軸穴13a部分に押し付ける。このとき、ハウジング13の軸穴13aには、既に軸受56と軸シール15が装着されている。ただし、軸受56は、上記傾斜回転動作に支障をきたすときには、回転軸14の挿入を完了した後、装着してもよい。
【0100】
この状態で、把持爪52で挟んだハウジング13を回転軸14方向に移動させて、回転軸14の軸穴13aへの挿入を開始し、ハウジング13を把持している把持爪52及びエアーチャンバー53を所定量移動して、回転軸14を所定の挿入位置まで挿入すると、ハウジング13の移動動作、すなわち、回転軸14の挿入動作を停止する。
【0101】
この回転軸14の軸穴13aへの挿入時、回転軸14と軸シール15のリップ部15aとが接触して、リップ部15aが回転軸14の先端方向に捲れるリップ部15aが捲れることがある。
【0102】
次に、軸シール組立装置50は、エアーチャンバー53をハウジング13の軸穴13a部分に押し付けた状態で弁55を開らいて、エアーパイプ54を介してエアーチャンバー53内に圧縮空気を供給する。エアーチャンバー53内に供給された圧縮空気は、エアーチャンバー53がハウジング13に密着されており、ハウジング13との密着部分にOリング53aが装着されているため、軸穴13a部分のみが空気の抜け道となって、この軸穴13a部分から抜けることになる。
【0103】
この軸穴13aには、軸シール15と軸受56が装着された状態で、少なくとも回転軸14が軸シール15のリップ部15aを通過する程度まで挿入されているので、エアーチャンバー42内の圧縮空気は、回転軸14と軸受56との境部分及び軸シール15と回転軸14との境部分を通ってハウジング13の内部側に通り抜けようとする。
【0104】
そして、軸シール組立装置50は、エアーチャンバー53に圧縮空気を供給しつつ、把持爪32でハウジング13を把持した状態で、図5に示すように、軸穴13aを中心にハンド治具51を介して把持爪52とエアーチャンバー53を所定方向に所定角度傾斜させるという傾斜動作を行い、次に、このハウジング13を傾斜させた状態で、ハウジング13を軸穴13aを中心に軸穴13aの全周方向にわたって少なくとも1回は回転させるという回転動作を行う。すなわち、ハンド治具51に取り付けられた把持爪52でハウジング13を把持した状態で、ハウジング13の軸穴13aを中心に把持爪52及びエアーチャンバー53を保持するハンド治具51を所定方向に所定角度傾斜させて、この傾斜させた状態のままハウジング13を少なくとも1回転回転させるという傾斜回転動作を行う。
【0105】
回転軸14を中心にハウジング13を所定角度所定方向に傾斜させると、図5に示すように、軸シール15のリップ部15aは、ハウジング13の傾斜により、回転軸14に押し付けられる部分と回転軸14から離れる部分とが生じ、回転軸14から離れると、その弾性により捲れた状態からもとの捲れのない状態に復帰しようとするとともに、エアーチャンバー53内の圧縮空気は、軸シール15のリップ部15aが回転軸14から離れる部分から多く通過し、圧縮空気がこのリップ部15aを通過する際に、リップ部15をハウジング13の内側(図5中左側)に押し広げながら通過して、軸シール15のリップ部15aの捲れの状態から捲れのない状態への復帰を助け、リップ部15aは、完全に捲れのない状態に修正される。
【0106】
したがって、ハウジング13が、傾斜された状態で少なくとも1回転回転されると、上記回転軸14の挿入動作により軸シール15のリップ部15aに捲れが発生しても、軸シール15のリップ部15aの全周にわたって当該捲れが元の状態に復帰して、捲れが修正される。
【0107】
軸シール組立装置50は、上記傾斜動作と傾斜した状態で少なくともハウジング13を1回転回転させる傾斜回転動作を行うと、ハンド治具51を介して把持爪52及びエアーチャンバー53を元の回転軸14と平行の状態に戻し、ハンド治具51を介して把持爪52及びエアーチャンバー53をハウジング13から外して、ハンド治具51、把持爪52及びエアーチャンバー53を所定の初期位置まで退避させて、処理を終了する。
【0108】
このように、本実施の形態によれば、回転軸14の軸穴13aへの挿入後、圧縮空気を回転軸14の挿入側とは反対側から軸穴に流入させつつ、ハウジング13を回転軸14の挿入された軸穴13aを中心として所定方向に所定角度傾斜させた状態で、ハウジング13を回転軸14に対して少なくとも1回転させている。したがって、軸シール15のリップ部15aのうち、回転軸14から離れる部分をリップ部15aの全周にわたって生じさせて、軸シール15の装着された軸穴13aへの回転軸14の挿入時に発生する軸シール15のリップ部15aの回転軸14の挿入方向への捲れを、軸シール15のリップ部15aの復元力で復帰させることができるとともに、圧縮空気の圧力により、より一層確実に、かつ、短時間に元の状態に復帰させることができ、軸シール15のリップ部15aの捲れをより一層確実に、かつ、迅速に修正することができる。
【0109】
なお、上記第5の実施の形態の場合、エアーチャンバー53に圧縮空気を供給しながらハウジング13を回転軸14に対して傾斜させた状態で少なくとも1回回転させるという傾斜回転動作を行わせているが、ハウジング13の動作としては、傾斜回転動作に限るものではなく、上記第2の実施の形態と同様に、エアーチャンバー53に圧縮空気を供給しながら、ハウジング13を軸穴13aを中心に少なくとも1回すりこぎ運動させるようにしてもよい。この場合にも、上記同様の作用・効果を得ることができる。
【0110】
さらに、上記第4の実施の形態及び第5の実施の形態の場合、一定圧力の圧縮空気をエアーチャンバー42、53に供給しているが、エアーチャンバー42、53に供給する圧縮空気は、一定圧力に限るものではなく、例えば、弁44、55を制御して、圧縮空気を間欠供給し、間欠的に圧力の変化する圧縮空気を供給するようにしてもよい。
【0111】
このようにすると、回転軸14と軸シール15のリップ部15aとの間を流れる圧縮空気の流れが定常的な流れではなく、不規則な流れとなって、リップ部15aに作用する圧縮空気にエアーハンマー効果を付与することができ、リップ部15aの捲れ修正効果をより一層向上させることができる。
【0112】
図6は、本発明の軸シール組立装置の第6の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、軸シールの組立の完了した軸シールのシール性をチェックするもので、請求項8に対応するものである。
【0113】
なお、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0114】
図6は、本発明の軸シール組立装置の第6の実施の形態を適用した軸シール組立装置60の要部拡大正面図である。
【0115】
軸シール組立装置60は、図示しないハンド治具に取り付けられた把持爪61と、当該ハンド治具に取り付けられたエアーチャンバー62、エアーチャンバー62から空気を排出するためのエアーパイプ63、エアーパイプ63の途中に設けられた弁64及びエアーチャンバー62内の空気圧力を検出する圧力センサー65等を備えている。
【0116】
把持爪61は、図示しないハンド治具を介して把持動作が制御されて、ハウジング13を把持するとともに、ハウジング13の軸穴13a部分へのエアーチャンバー62の押しつけ動作を行う。
【0117】
エアーチャンバー62は、略カップ状に形成されており、把持爪61によりハウジング13が把持された状態で、図示しないハンド治具によりハウジング13の軸穴13aを覆うようにハウジング13の外壁面に押し付けられる。エアーチャンバー62のハウジング13に当接する部分には、Oリング62aが取り付けられており、エアーチャンバー62がハウジング13の軸穴13a部分に押し付けられると、エアーチャンバー62は、Oリング62aでシールされ、軸穴13a以外の部分が密閉された状態となる。
【0118】
エアーパイプ63は、図示しない減圧機構、例えば、エアーコンプレッサ等に接続され、弁64を介してエアーチャンバー62内のエアーを流出させて、エアーチャンバー62内を所定の減圧空間にする。したがって、上記エアーチャンバー62、エアーパイプ63、弁64及び減圧機構は、全体として減圧空間形成手段として機能する。
【0119】
圧力センサー(圧力検出手段)65は、エアーチャンバー62内の空気圧力を所定の精度で検出する。
【0120】
この軸シール組立装置60を使用して、軸シール15のシール性能を検査するには、まず、ハンド治具を介して把持爪61によりハウジング13を把持し、この状態で、ハンド治具を介してエアーチャンバー62をハウジング13の軸穴13a部分に押し付ける。このとき、ハウジング13の軸穴13aには、既に軸受66と軸シール15が装着されている。
【0121】
この状態で、軸シール組立装置60は、弁64を開らいて、エアーパイプ63を介してエアーチャンバー62内の空気を排出して、エアーチャンバー62内を所定の減圧空間にする。このときエアーチャンバー62は、ハウジング13に密着されており、ハウジング13との密着部分にOリング62aが装着されているため、圧力センサー65の検出する圧力変化をチェックすることにより、軸穴13aに装着された軸シール15のシール性を検査することができる。
【0122】
このように、本実施の形態によれば、回転軸14の軸穴13aへの挿入後、軸穴13a部分に減圧空間を形成し、当該減圧空間の圧力変化を検出して、軸シール15によるシール性を検査する。したがって、軸シール15のリップ部15aの捲れの有無等による軸シール15のシール性を簡単、かつ、適切に検査することができる。
【0123】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0124】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の軸シール組立装置によれば、先端部に所定角度の円錐形状の傾斜面を有するとともに、中心部に回転軸の進入可能な貫通孔の形成された略円筒形状のバックアップリングを、ハウジングの軸穴に回転軸の挿入方向とは逆方向から挿入して、軸シールのリップ部を回転軸の挿入方向と逆方向に所定量押し広げた状態で、バックアップリングの貫通孔内に回転軸を挿入させ、その後、バックアップリングを軸穴から引き抜いて、回転軸の軸穴への挿入を行うので、軸シールのリップ部が捲れることを未然に防止しつつ、回転軸を軸穴に挿入することができ、安価で、簡単にシール性の良好な軸シールの組立を行うことができる。
【0125】
請求項2記載の発明の軸シール組立装置によれば、回転軸を軸シールの装着された軸穴に挿入させた後、ハウジングと回転軸を軸穴を中心として所定角度傾斜させた状態で少なくとも1回すりこぎ動作させるので、すりこぎ動作に伴って、軸シールのリップ部が回転軸から離れる部分をリップ部の全周にわたって生じさせて、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、当該リップ部の復元力により、元の状態に復帰させることができ、軸シールのリップ部の捲れを適切に修正することができる。
【0126】
請求項3記載の発明の軸シール組立装置によれば、回転軸を軸シールの装着されたハウジングの軸穴に挿入させた後、ハウジングを回転軸の挿入された軸穴を中心として所定方向に所定角度傾斜させた状態で、ハウジングを少なくとも1回転させるので、回転軸に対して傾斜した状態でハウジングを回転させるに伴って、軸シールのリップ部が回転軸から離れる部分がリップ部の全周にわたって生じて、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、当該リップ部の復元力により、元の状態に復帰させることができ、軸シールのリップ部の捲れを適切に修正することができる。
【0127】
請求項4記載の発明の軸シール組立装置によれば、回転軸を軸シールの装着されたハウジングの軸穴へ挿入させつつ、あるいは、回転軸を軸穴に挿入させた後、のうち少なくともいずれか一方のときに、所定圧力の気体を回転軸の挿入側とは反対側から軸穴に流入させるので、所定圧力の気体で軸シールのリップ部を回転軸の挿入側に膨らませて、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、短時間で、かつ、簡単に元の状態に復帰させることができ、軸シールのリップ部の捲れを適切に修正することができる。
【0128】
請求項5記載の発明の軸シール組立装置によれば、回転軸の軸穴への挿入後、所定圧力の気体を回転軸の挿入側とは反対側から軸穴に流入させつつ、ハウジングと回転軸を相対的に所定角度傾斜させた状態で軸穴を中心として少なくとも1回すりこぎ動作させるので、当該すりこぎ動作で軸シールのリップ部が回転軸から離れる部分をリップ部の全周にわたって生じさせ、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、軸シールのリップ部の復元力で復帰させることができるとともに、圧縮気体の圧力により、より一層確実に、かつ、短時間に元の状態に復帰させることができ、軸シールのリップ部の捲れをより一層確実に、かつ、迅速に修正することができる。
【0129】
請求項6記載の発明の軸シール組立装置によれば、回転軸の軸穴への挿入後、所定圧力の気体を回転軸の挿入側とは反対側から軸穴に流入させつつ、ハウジングを回転軸の挿入された軸穴を中心として所定方向に所定角度傾斜させた状態で、ハウジングを回転軸に対して少なくとも1回転させるので、回転軸から離れる部分をリップ部の全周にわたって生じさせて、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、軸シールのリップ部の復元力で復帰させることができるとともに、圧縮気体の圧力により、より一層確実に、かつ、短時間に元の状態に復帰させることができ、軸シールのリップ部の捲れをより一層確実に、かつ、迅速に修正することができる。
【0130】
請求項7記載の発明の軸シール組立装置によれば、軸穴内に間欠的に圧力の変化する気体を流入させるので、断続的に圧力の変化する気体で、軸シールのリップ部を回転軸の挿入側に断続的に膨らませて、軸シールの装着された軸穴への回転軸の挿入時に発生する軸シールのリップ部の回転軸の挿入方向への捲れを、より一層短時間に、かつ、より一層確実に元の状態に復帰させることができ、軸シールのリップ部の捲れをより一層適切に、かつ、迅速に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸シール組立装置の第1の実施の形態を適用した軸シール組立装置の要部正面断面図。
【図2】本発明の軸シール組立装置の第2の実施の形態を適用した軸シール組立装置の要部正面断面図。
【図3】本発明の軸シール組立装置の第3の実施の形態を適用した軸シール組立装置の要部正面断面図。
【図4】本発明の軸シール組立装置の第4の実施の形態を適用した軸シール組立装置の要部正面断面図。
【図5】本発明の軸シール組立装置の第5の実施の形態を適用した軸シール組立装置の要部正面断面図。
【図6】本発明の軸シール組立装置の第6の実施の形態を適用した軸シール組立装置の要部正面断面図。
【図7】従来の軸シール組立方法により組み立てられるハウジングと軸シール部分の正面断面図。
【図8】図7の従来の軸シール組立方法により組み立てられて軸シールのリップ部に捲れが発生している状態のハウジングと軸シール部分の正面拡大断面図。
【符号の説明】
10 軸シール組立装置
11 把持爪
12 バックアップリング
12a 中空部
12b テーパー部
13 ハウジング
13a 軸穴
14 回転軸
15 軸シール
15a リップ部
20 軸シール組立装置
21 ハンド治具
22 把持爪
23 軸受
30 軸シール組立装置
31 ハンド治具
32 把持爪
33 軸受
40 軸シール組立装置
41 把持爪
42 エアーチャンバー
42a Oリング
43 エアーパイプ
44 弁
45 軸受
50 軸シール組立装置
51 ハンド治具
52 把持爪
53 エアーチャンバー
53a Oリング
54 エアーパイプ
55 弁
56 軸受
60 軸シール組立装置
61 把持爪
62 エアーチャンバー
62a Oリング
63 エアーパイプ
64 弁
65 圧力センサー
66 軸受

Claims (7)

  1. 所定のハウジングの軸穴に、所定のリング状の穴を有するリップ部を有した軸シールを装着し、当該軸シールの装着された前記軸穴に回転軸を挿入して前記軸シールの前記リップ部で前記回転軸部分のシールを行わせる軸シール組立装置において、少なくとも前記ハウジングを保持する保持手段と、前記保持手段を介して前記回転軸と前記ハウジングとを相対移動させる移動手段と、先端部に所定角度の円錐形状の傾斜面を有するとともに、中心部に前記回転軸の進入可能な貫通孔の形成された略円筒形状のバックアップリングと、を備え、前記リップ部に前記バックアップリングの円錐形状の傾斜面が当接しかつ前記リップ部を押し広げた状態にし、前記保持手段により少なくとも前記ハウジングを保持し、前記バックアップリングを前記ハウジングの前記軸穴に前記回転軸の挿入方向とは逆方向から挿入して、前記軸シールの前記リップ部を前記回転軸の挿入方向と逆方向に所定量押し広げ、前記保持手段を介して前記移動手段により前記ハウジングと前記回転軸を相対的に近づく方向に移動させて、前記バックアップリングの前記貫通孔内に前記回転軸を挿入させた後、前記バックアップリングを前記軸穴から引き抜いて、前記回転軸の前記軸穴への挿入を行うことを特徴とする軸シール組立装置。
  2. 所定のハウジングの軸穴に、所定のリング状の穴を有するリップ部を有した軸シールを装着し、当該軸シールの装着された前記軸穴に回転軸を挿入して前記軸シールの前記リップ部で前記回転軸部分のシールを行わせる軸シール組立装置において、前記ハウジングと前記回転軸の少なくとも一方を保持する保持手段と、前記保持手段を介して前記回転軸と前記ハウジングとを相対移動させる移動手段と、前記保持手段を介して前記ハウジングの軸穴の軸線に対して前記回転軸を相対的に傾斜させた状態ですりこぎ動作させるすりこぎ手段と、を備え、前記保持手段を介して前記移動手段により前記ハウジングと前記回転軸を相対的に近づく方向に移動させて前記回転軸を前記軸シールの装着された前記軸穴に挿入させた後、前記すりこぎ手段により前記ハウジングと前記回転軸を相対的に回転して少なくとも1回前記すりこぎ動作を行わせることを特徴とする軸シール組立装置。
  3. 所定のハウジングの軸穴に、所定のリング状の穴を有するリップ部を有した軸シールを装着し、当該軸シールの装着された前記軸穴に回転軸を挿入して前記軸シールの前記リップ部で前記回転軸部分のシールを行わせる軸シール組立装置において、少なくとも前記ハウジングを保持する保持手段と、前記保持手段を介して前記ハウジングを前記回転軸に対して相対移動させる移動手段と、前記保持手段を介して前記ハウジングの軸穴と前記回転軸を所定方向に所定角度傾斜させる傾斜手段と、前記保持手段を介して前記傾斜手段により前記ハウジングが前記回転軸に対して所定角度傾斜された状態で、前記ハウジングを回転させる回転手段と、を備え、前記保持手段を介して前記移動手段により前記ハウジングを前記回転軸に近づける方向に移動させて前記回転軸を前記軸シールの装着された前記軸穴に挿入させた後、前記傾斜手段により前記ハウジングの軸穴を前記回転軸の挿入された所定方向に所定角度傾斜させ、前記回転手段により前記ハウジングを少なくとも1回転させることを特徴とする軸シール組立装置。
  4. 所定のハウジングの軸穴に、所定のリング状の穴を有するリップ部を有した軸シールを装着し、当該軸シールの装着された前記軸穴に回転軸を挿入して前記軸シールの前記リップ部で前記回転軸部分のシールを行わせる軸シール組立装置において、前記ハウジングと前記回転軸の少なくとも一方を保持する保持手段と、前記保持手段を介して前記回転軸と前記ハウジングとを相対移動させる移動手段と、前記ハウジングの前記軸穴に前記回転軸の前記ハウジングへの挿入側とは反対側から所定圧力の気体を流入させる気体流入手段と、を備え、前記保持手段を介して前記移動手段により前記回転軸と前記ハウジングを相対的に近づく方向に移動させて前記回転軸を前記軸シールの装着された前記軸穴へ挿入させつつ、あるいは、前記回転軸を前記軸穴に挿入させた後、のうち少なくともいずれか一方のときに、前記気体流入手段により前記所定圧力の気体を前記回転軸の挿入側とは反対側から前記軸穴に流入させることを特徴とする軸シール組立装置。
  5. 所定のハウジングの軸穴に、所定のリング状の穴を有するリップ部を有した軸シールを装着し、当該軸シールの装着された前記軸穴に回転軸を挿入して前記軸シールの前記リップ部で前記回転軸部分のシールを行わせる軸シール組立装置において、前記ハウジングと前記回転軸の少なくとも一方を保持する保持手段と、前記保持手段を介して前記回転軸と前記ハウジングとを相対移動させる移動手段と、前記保持手段を介して前記ハウジングの軸穴の軸線に対して前記回転軸を相対的に所定角度傾斜させた状態ですりこぎ動作させるすりこぎ手段と、前記ハウジングの前記軸穴に前記回転軸の挿入側とは反対側から所定圧力の気体を流入させる気体流入手段と、を備え、前記保持手段を介して前記移動手段により前記回転軸と前記ハウジングを相対的に近づく方向に移動させて前記回転軸を前記軸シールの装着された前記軸穴へ挿入させた後、前記流入手段により前記所定圧力の気体を前記回転軸の挿入側とは反対側から前記軸穴に流入させつつ、前記すりこぎ手段により前記ハウジングを回転して少なくとも1回前記すりこぎ動作させることを特徴とする軸シール組立装置。
  6. 所定のハウジングの軸穴に、所定のリング状の穴を有するリップ部を有した軸シールを装着し、当該軸シールの装着された前記軸穴に回転軸を挿入して前記軸シールの前記リップ部で前記回転軸部分のシールを行わせる軸シール組立装置において、少なくとも前記ハウジングを保持する保持手段と、前記保持手段を介して前記回転軸と前記ハウジングとを相対移動させる移動手段と、前記保持手段を介して前記ハウジングの軸穴と前記回転軸を所定方向に所定角度傾斜させる傾斜手段と、前記保持手段を介して前記傾斜手段により前記ハウジングを前記回転軸に対して所定角度傾斜させた状態で、前記ハウジングを回転させる回転手段と、前記ハウジングの前記軸穴に前記回転軸の挿入側とは反対側から所定圧力の気体を流入させる気体流入手段と、を備え、前記保持手段を介して前記移動手段により前記回転軸と前記ハウジングを相対的に近づく方向に移動させて前記回転軸を前記軸シールの装着された前記軸穴へ挿入させた後、前記流入手段により前記所定圧力の気体を前記回転軸の挿入側とは反対側から前記軸穴に流入させつつ、前記傾斜手段により前記ハウジングを前記回転軸の挿入された前記軸穴を中心として所定方向に所定角度傾斜させた状態で、前記回転手段により前記ハウジングを前記回転軸に対して少なくとも1回転させることを特徴とする軸シール組立装置。
  7. 前記軸シール組立装置は、前記気体流入手段が前記軸穴に流入する前記気体の圧力を間欠的に変化させる圧力制御手段を、さらに備え、前記軸穴内に間欠的に圧力の変化する前記気体を流入させることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載の軸シール組立装置。
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