JP3863986B2 - 顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、焦準機構の内部に、ステージまたは鏡筒の重量バランスをとるためのバランスバネを備えた顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の半導体素子の製造においては、1枚のウェハからチップIC等を生産するために、大型ウェハを用いて生産性の向上を図っている。また、今後もウェハのより大型化が進行することは確実であり、それに伴った顕微鏡ステージの大型化も必須である。さらに、ステージを上下させるための焦準機構も、その重量に耐え得るものが必要となってくる。
【0003】
従来、このような用途に使用可能な顕微鏡として、特開平3−245113号公報の技術が開示されている。この顕微鏡を図25により説明する。
図において、下面に滑動防止、振動吸収用のゴム脚201を複数個付設したベース202上に他の鏡基構成部材と光学的装置とを載置している。ベース202上には側面視L字状のアーム203を設け、アーム203の頭部には中間鏡筒205を介して双眼検鏡部206を設けるとともに、光源からの光を観察に適した状態にして標本に送るためのランプハウス207を設けている。さらにアーム203のステージ側には、対物レンズ208を取りつけたレボルバー209を設けている。
【0004】
一方、ベース202には焦準装置204を設けるとともに、この焦準装置204により標本211をを載置するステージ120を対物レンズ208との距離を調整するために上下動させるようにしている。なお、アーム203に取りつけられた対物レンズ208の光軸位置mからアーム起立部内側面203a迄の長さL1 を、ふところ長さといい、ベース202上面からレボルバー209下面の対物レンズ208取りつけ位置までの長さL2 を、対物レンズ胴付高さという。この顕微鏡では、アーム203と焦準装置204とはベース202に対して着脱自在に構成してあり、アーム202についてはふところ長さL1 の異なるもの、およびまたは対物レンズ胴付高さL2 の異なるものを使用したい場合、または特殊大型対物レンズや光学測定器を使用したい場合等に別のアームに取り替え使用できるようにしてある。
【0005】
また、標本の大きさ、重量に合わせたステージ210を使用したい場合は別の焦準装置204を使用できるようにしてある。なお、焦準装置204の取り替え使用の必要性は、耐荷重と剛性の異なるものを使用したいという要望によるものであり、例えば標本211を載置したステージ210の重量が直接的に焦準装置204の上下駆動ギヤにかからないように、ステージ210を押し上げる調整スプリング(バランスバネ)の力量を変えたものを使用したいような場合である。これは標本211とステージ210の重量からバランスバネの力量を差し引いた値が、通常1〜4kgであることが望ましいとされているからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の構成によれば、それぞれバランスバネの力量を変えた焦準装置を用意し、ステージの大きさおよび重量に合わせ、最適のものを選択使用することになっているが、実際には、ユーザ先での焦準装置の交換は、作業が大がかりとなり、しかも交換により以前の焦準装置は無駄となる。また、取り付け面とステージ面の互換性の保障も行わなければならないため、焦準装置および顕微鏡ベースのコストや、その場での検査作業のコストが付加され、顕微鏡自体が高価となるという問題があった。
【0007】
一方、最近、ユーザの使用目的に応じて写真装置やビデオカメラなどのさまざまなユニットを組み合わせるシステム実体顕微鏡が用いられるようになっているが、このようなシステム実体顕微鏡においても、例えば検鏡のみのシンプルの軽い構成のシステムに合わせてバランスバネの力量を設定すると、上述のように写真装置やビデオカメラなどが組み合わせられ、システムが重くなると、バランスバネの力が不足し、焦準装置にかかる負荷を十分に軽減できなくなり、逆に、システムの組み合わせが重くなった時に合わせてバランスバネの力を設定すると、シンプルな組み合わせのシステムの場合に、バランスバネの力が強すぎて焦準装置が浮き上がってしまい、かえって不安定な状態になってピント合わせが難しくなるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、大型ステージ、特殊ステージ、治具等の積載による重量増減に応じてバランスバネの交換を容易に行うことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、ステージまたは鏡筒を上下動させて焦準駆動を行う焦準機構を備えた顕微鏡において、
前記焦準機構の直線移動方向に対して平行で、かつ焦準機構の駆動部と固定部との間に着脱自在にコイルばねを配設している。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載において、前記コイルばねを伸縮可能な保持部材により一体化させたバネユニットで構成している。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載において、コイルばねを、前記焦準機構の外部から着脱可能に配設している。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1記載において、前記コイルバネによるばね力を前記焦準機構の外部から調整するばね力調整手段を有している。
この結果、本発明によれば、コイルバネを焦準機構の駆動部と固定部との間に着脱自在に構設したことにより、焦準機構からのコイルバネの取り出し、および焦準機構への装着が容易となる。
【0012】
また、コイルバネを伸縮可能な保持部材により一体化させたバネユニットで構成したことにより、コイルバネの交換がさらに容易になり、狭い空間での着脱が可能となる。
【0013】
コイルバネを保持部材により保持したことにより、コイルバネの座屈を防ぎ、伸縮運動が円滑となる。
コイルバネを焦準機構の外部から着脱可能にすることで、焦準機構を分解することなく、コイルバネを容易に交換できる。
ばね力調整手段を設けることにより、コイルバネの力量を最適状態に簡単に調整できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図2は発明の第1の実施の形態を示し、図1はステージ上下動型の顕微鏡の側面部分断面図、図2はバネユニットの縦断面図である。
【0015】
図1において、顕微鏡本体1には、案内5を介して焦準台3が上下動自在に装着されており、この駆動部としての焦準台3の上面には、ステージ2が着脱自在に取着されている。焦準台3には、顕微鏡本体1に対して上下動自在に駆動されるためのラック6が取着され、顕微鏡本体1側には、ラック6と噛合する位置にピニオン7が配設されている。ピニオン7には、顕微鏡本体1の外側の位置にハンドル8が取着されている。焦準台3とステージ2とは、六角穴付ボルトで互いに締着されるか、または、蟻によって側面から容易に着脱できる構造となっている。さらに、焦準台3には、上下に伸縮自在なバネユニット4が、ステージ2を取り外すことにより着脱できるように配設され、その下端は顕微鏡本体1に立設された焦準機構の固定部としてのボス12に当接し、ステージ2を上方に弾発力にて付勢している。なお、顕微鏡本体1、ステージ2、焦準台3、バネユニット4、案内5、ラック6、ピニオン7およびハンドル8により焦準機構を構成している。
【0016】
図2(a)に示すように、バネユニット4は、筒状上枠9と筒状下枠10との間に圧縮コイルバネ11を装備長L3 となるように挟持している。上枠9の内径面にはメネジ9aを、下枠10の外径面にはオネジ10aを螺刻しておき、内部に圧縮コイルバネ11を挿入してからメネジ9aとオネジ10aとを互いに螺合させて、ねじ込んで螺合を外すことにより、圧縮コイルバネ11の適正な装備力量と装備長L3 を確保するように構成されている。また、バネユニット4の装備長L3は、ステージ2を外した状態で上方より焦準台3の貫通孔3a内で装填できるように顕微鏡本体1のふところ高さH(図1参照)より小さく設定されている。なお、バネユニット4は、図2(b)(c)に示すように、伸縮量L4 を確保している。
【0017】
次に、このように構成したステージ上下動型の顕微鏡の作用を説明する。
この場合、ハンドル8を回転させることにより、同軸上にあるピニオン7が回転し、ピニオン7と噛合しているラック6を介して案内5に沿って、焦準台3が上下動し、焦準駆動を行うことができる。このとき、ラック6およびピニオン7に加わるステ−ジ2および焦準台3の荷重を、圧縮コイルバネ11の弾発力で軽減している。ステージ2の交換により、重量が変わった場合には、これに適合する力量の圧縮コイルバネ11を装填したバネユニット4に交換する必要があるが、バネユニット4の装備長Lは、顕微鏡本体1のふところ高さHより小さいため、ステージ2を取り外した状態のまま、従前のバネユニット4を焦準台3から垂直に引き上げ、新しいバネユニットを真上から焦準台3の貫通孔3a内に挿入することができる。
【0018】
従って、このような第1の実施の形態によれば、バネユニット4の装備長Lを顕微鏡のふところ高さHよりも短く保っているので、ステージ2を取り外すのみにて、異なった力量のバネユニットの交換が、焦準装置を取り外したり、顕微鏡本体1を逆さにしなくても作業することができる。これにより、交換作業が短時間に行え、メンテナンス性に優れ、作業スペースも少なくて済む。また、焦準装置を取り外すことがないので、焦準装置の互換性や取り付け後のチェックが不要で、コスト的にも有利である。このバネユニット4は、ステージ2の動作重心位置もしくはその近傍に配置させることが望ましい。
(第2の実施の形態)
図3は、発明の第2の実施の形態を示し、ステージ上下動型の顕微鏡の焦準機構の側面部分断面図である。この第2の実施の形態は、第1の実施の形態と基本構成が同一のため、異なる部分のみ説明し、同一部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0019】
図3において、顕微鏡本体1に立設されたボス13の上面には、バネユニット4の下枠10と嵌合する受け穴13aを穿設している。また、焦準台3のバネユニット4を装備する貫通孔3aの下部には、ボス13と干渉しないように逃げ3bを設けている。その他の構成は第1の実施の形態と同一である。
【0020】
次に、このように構成したステージ上下動型の顕微鏡の作用について説明する。この場合、バネユニット4の上枠9は貫通穴3aに嵌合し軸心が固定され、かつ下枠10も受け穴13aに嵌合し軸心が固定されるため、カウンターバネ11による下枠10のずれがなくなり、バネユニット4は確実な伸縮運動をすることができる。
【0021】
従って、このような第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果を損なうことなく、さらに精度のよい焦準機構にすることができる。
(第3の実施の形態)
図4は、発明の第3の実施の形態を示し、各種のバネユニットの半断面図である。この第3の実施の形態は、第1および第2の実施の形態と基本構成が同一であり、バネユニットのみが異なるため、その部分のみ説明し、他の部分の図と説明を省略する。
【0022】
この場合、第3の実施の形態におけるバネユニットは、ユニットを構成する枠を圧縮コイルバネの内径内に配置したものである。図4(a)に示すバネユニット21は、圧縮コイルバネ11に上枠24と下枠25とが挿通され、上枠24の上端部24aと、下枠25の下端部25aとは、圧縮コイルバネ11の外径より大きい外径に形成され、圧縮コイルバネ11の両端を支持するようになっている。上枠24と下枠25との連結は、圧縮コイルバネ11に上枠24および下枠25を挿通後、上枠24の内径面に螺刻されたメネジ24bと、下枠25の外径面に螺刻されたオネジ25bとを螺合させ、さらにねじ込んで螺合を外すことにより行う。バネユニット21の装備力量および装備長は、メネジ24bとオネジ25bとがねじ込んで螺合が外れた位置により決められる。
【0023】
図4(b)に示すバネユニット22は、圧縮コイルバネ11に上枠26と下枠27とが挿通され、上枠26の上端部26aと、下枠27の下端部27aとは、圧縮コイルバネ11の外径より大きい外径に形成され、圧縮コイルバネ11の両端を支持するようになっている。上枠26の軸26bは、下枠27の貫通孔27bと嵌合し、上枠26の下端に螺合するナット28によって、バネユニット22の装備力量および装備長が規制されている。
【0024】
図4(c)に示すバネユニット23は、圧縮コイルバネ11に上枠29と下枠30とが挿通され、上枠29の上端部29aと、下枠30の下端部30aとは、圧縮コイルバネ11の外径より大きい外径に形成され、圧縮コイルバネ11の両端を支持するようになっている。上枠29の軸29bは、下枠30の貫通孔30bと嵌合し、軸29bに打ち込んだピン31と下枠30に形成されたガイド溝30cの上端とにより、バネユニット23の装備力量および装備長が規制されている。
【0025】
バネユニット21、22および23は、上述した第1の実施の形態の図1におけるバネユニット4に替えて、装着することが可能である。また、バネユニット21、22および23は、上述した第2の実施の形態の図3におけるバネユニット4に替えて、装着することが可能である。ただし、バネユニット22の場合は、顕微鏡本体1のボス13の中心に、ナット28の外径より大きい逃げ穴を穿設する必要がある。
【0026】
従って、このような第3の実施の形態によれば、第1または第2の実施の形態の効果に加え、枠部材を圧縮コイルバネの内径内に挿通する構成にしたことにより、径方向にコンパクトとなり、設計の自由度を増すことができる。
(第4の実施の形態)
図5〜図6は、発明の第4の実施の形態を示し、図5は鏡筒上下動型の顕微鏡の側面部分断面図、図6は中間鏡筒を装着した鏡筒上下動型の顕微鏡の側面部分断面図である。
【0027】
図5において、架台40には支持部を介して固定台41が取着されており、固定台41には案内42を介して焦準台43が上下動自在に装着されている。駆動分としての焦準台43の光軸上には、下部に対物レンズ44、上部に鏡筒45が装着されている。また、焦準台43には、ラック46が取着され、固定台41には、ラック46と噛合するピニオン47が配設されている。ピニオン47は、図示を省略したハンドルに連結され、このハンドルを回転することにより、ピニオン47がラック46を上下動させ、焦準駆動を行うことができる。固定台41と焦準台43との間には、発明の実施の形態1で用いたバネユニット4が固定台41の後方より着脱可能に装着されている。固定台41の裏面41aには、フタ48が取着されており、バネユニット4を着脱するときには、このフタ48を取り外して行う。なお、バネユニット4に替えて、上述した第3の実施の形態で示したバネユニット21、22、23を用いてもよい。ただし、バネユニット22を用いる場合は、固定台41または焦準台43にナット28の外径より大きな逃げ穴を穿設する必要がある。
【0028】
次に、このように構成した鏡筒上下動型の顕微鏡の作用について説明する。この場合、図示を省略したハンドルを回転させると、ピニオン47が回転し、ラック46を介して案内42に沿って焦準台43が上下に移動し、焦準駆動を行う。バネユニット4は、ラック46およびピニオン47に加わる焦準台43、対物レンズ44および鏡筒45の荷重ばね力により軽減している。図6に示すように、焦準台43と鏡筒45との間に中間鏡筒49を装着する場合や、鏡筒45の光軸上に写真ユニット(図示省略)を装着する場合には、ラック46およびピニオン47にかかる荷重を軽減するために、フタ48を取り外して、従前のバネユニット4を取り出し、中間鏡筒49や写真ユニット(図示省略)により増加した荷重に適合した力量のバネユニット4に交換する。荷重が軽減した場合でも同様である。また、バネユニット21、22、23を用いる場合も同様である。
【0029】
従って、このような第4の実施の形態によれば、上述した第1乃至第3の実施の形態の効果に加え、ステージ上下型の顕微鏡に限らず、中間鏡筒など多くのシステムユニットを交換するようにシステム設計された鏡筒上下動型の顕微鏡に適用することにより、バネユニット交換による焦準駆動の精度を保障することができる。従って、システム性およびメンテナンス性に優れた顕微鏡にすることができる。
(第5の実施の形態)
図7〜図8は、発明の第5の実施の形態を示し、図7はステージ上下動型の顕微鏡の焦準機構の側面部分断面図、図8はバネユニットの断面図である。この第5の実施の形態は、第1の実施の形態と基本構成が同一のため、異なる部分のみ説明し、同一部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0030】
この場合、第5の実施の形態は、上述した第1乃至第4の実施の形態にて説明した圧縮コイルバネに替えて、引張りコイルバネを用いてバネユニットを構成したものである。図7において、顕微鏡本体1のベース部5の上部には、焦準機構の固定部としての突起部51aが形成され、フック52が固着されている。また焦準機構部の駆動部としての焦準台53の下部にも、突起部53aが形成され、フック52の直下の位置にフック54が固着されている。このフック52、54の間に、バネユニット55が張架されている。顕微鏡本体1のベース部5側面には、引張りバネユニット55を交換するための開口部(図示省略)が形成されており、この開口部は着脱自在なフタ(図示省略)で隠蔽されている。
【0031】
図8(a)に示すように、バネユニット55は、上枠56と下枠57との間にバランスバネたる引張りコイルバネ58を内蔵し、このコイルバネ58の上端58aにはフック58b、下端58cにはフック58dを形成している。上枠56、下枠57は円筒状に形成され、下枠57の内径に引張りコイルバネ58を挿入して、下端58cを固着してから、下枠57に上枠56を嵌合させ、上枠57に引張りバネ58の上端面58aを固着する。なお、上枠56、下枠57の有底面中央に挿通孔56a、57aを設け、引張りコイルバネ58のフック58a、58dが挿通できるようになっている。下枠57の外径面には、オネジが螺刻され、上枠56の内径より大きい外径のナット59を螺合させることにより、引張りコイルバネ58が装備力量を保持して装備長L5 より収縮しないように規制している。また、バネユニット55の装備長L5 は、ベース部51のフック52と焦準台53のフック54との間の最短距離(ステージ2が最も上昇した位置)H1 (図7参照)より若干短く設定されている。なお、バネユニット55は、図8(b)(c)に示すように、伸縮量L61を確保して、バネユニット55をフック52、54に装着した場合、ステージ2の下降ができるようになっている。
【0032】
次に、このように構成したステージ上下動型の顕微鏡の作用について説明する。この場合、ハンドル8を回転させることにより、同軸上にあるピニオン7が回転し、ピニオン7と噛合しているラック6を介して案内5に沿って、ステージ2および焦準台53が上下動し、焦準駆動を行うことができる。このとき、ラック6およびピニオン7に加わるステ−ジ2および焦準台53の荷重を、バネユニット55内の引張りコイルバネ58のばね力で軽減している。ステージ2の交換により、重量が変わった場合には、これに適合する力量の引張りバネユニット55に交換する必要があるが、ベース部51の側面に形成された開口部(図示省略)のフタ(図示省略)を取り外し、新しい荷重に適合した力量のバネユニット55を取り付ける。
【0033】
従って、このような第5の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様の効果に加え、バランスバネとして引張りコイルバネ58を用いたため、バネの座屈を心配することなく、長いバネにして、装備力量と最大力量との差を減少させることができる。また、ステージ2を取り外さずに着脱できるため、ステージ上面に治具を乗せる場合には、作業が簡単でメンテナンス性に優れる。
【0034】
なお、この第5の実施の形態では、バネユニット55は、引張りコイルバネ58の端と上枠および下枠とを固着しているが、フック58b、58dが挿通孔56a、57aより抜けないか、または抜けても支障が無い場合は固着せずともよい。
(第6の実施の形態)
図9は、発明の第6の実施の形態を示し、ステージとバネユニットとを一体化した縦断面図である。
【0035】
この第6の実施の形態は、第1乃至第3の実施の形態の変形例に該当する。図9において、ステージ上下動型の顕微鏡のステージ2Aの下面とバネユニット4Aの上枠9の上面とは固着されている。すなわち、ステージ2Aの重量に適合した力量のバネユニット4Aを予め選んでユニットにしている。バネユニット4Aの構造は、第1の実施の形態で説明したバネユニット4と同一のものである。これにより、ステージ2Aの交換と同時に、焦準機構の重量バランスを適正なものにする。その他の構成および作用は、第1乃至第3の実施の形態と同様である。
【0036】
従って、このような第6の実施の形態によれば、上述した第1乃至第3の実施の形態の効果に加え、ステージの重量に適合した力量のバネユニットを予め選んでユニットにしておくことにより、適合しないバネユニットを間違えて装着することを回避することができる。また、ステージ下面のどこにでも、バネユニットを固着できるので、スペース的に焦準機構内部にバネユニットを装備できない場合でも、外部に取り出すことができ、作業性および拡張性に優れている。
(第7の実施の形態)
図10〜図11は、発明の第7の実施の形態を示し、図10はステージ上下動型の顕微鏡の焦準装置の側面部分断面図、図11はバランスバネとガイド軸とバネ受けとの寸法関係を示す説明図である。この第7の実施の形態は、第1の実施の形態と基本構成が同一であり、焦準機構の一部の異なる部分のみ説明し、同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0037】
図10において、顕微鏡本体1には、案内5を介して焦準台63が上下動自在に装着されており、焦準台63の上面には、ステージ2が着脱自在に取着されているとともに、メネジ63aおよび貫通孔63bが穿設され、筒状のバネ受け64が螺合している。さらに、顕微鏡本体1のベース部61を構成する底面61aには、メネジ61bが穿設され、ガイド軸62が下方より着脱自在に螺合している。ガイド軸62には、バランスバネとして上下に伸縮自在な圧縮コイルバネ65が装着され、ステージ2およびバネ受け64を取り外すか、またはガイド軸62を取り外すことにより着脱できるようになっている。圧縮コイルバネ65は、ガイド軸62の段差部62aと、バネ受け64の底面64aとによって挟持され、ステージ2および焦準台63を上方に圧縮コイルバネ65のばね力にて付勢し、ラック6およびピニオン7にかかる荷重を軽減している。なお、顕微鏡本体1のベース61、ガイド軸62、ステージ2、焦準台63、バネ受け64、圧縮コイルバネ65、案内5、ラック6、ピニオン7およびハンドル8により焦準機構を構成している。また、圧縮コイルバネ65、ガイド軸62、バネ受け64によりバネットユニットを構成している。
【0038】
図11は圧縮コイルバネ65とガイド軸62とバネ受け64との寸法関係を表示している。図11において、Dsiは圧縮コイルバネ65の内径、Da はガイド軸62の外径、Dc はバネ受け64の内径、Dsoは圧縮コイルバネ65の外径を表示し、これらの間にはつぎのような寸法関係が成立している。
【0039】
(Dsi−Da )<(Dc −Dso)
次に、このように構成したステージ上下動型の顕微鏡の作用について説明する。ピニオン6とラック7とによって、焦準台63が焦準駆動されるのに伴って圧縮コイルバネ65が伸縮運動する際、図10に示すように、ガイド軸62が圧縮コイルバネ65の内側に存在する範囲では、ガイド軸62の外径Da 、圧縮コイルバネ65の内径Dsi、外径Dso、バネ受け64の内径Dc に上記の寸法関係が成立しているため、圧縮コイルバネ65はバネ受け64の内壁64bに接触することなく、常にガイド軸62に沿って伸縮する。ステージ2が焦準行程の上部にあるときには圧縮コイルバネ65が伸びており、圧縮コイルバネ65の上部ではガイド軸62に規制されない部分が存在するが、できる限りガイド軸62を長くしておくことにより、圧縮コイルバネ65の座屈をなくすことができるので、バネ受け64の内壁64bでの摩擦抵抗を最小限に抑制できる。
【0040】
従って、このような第7の実施の形態によれば、ステージ2およびバネ受64けまたはガイド軸61を取り外すことにより、圧縮コイルバネ65の交換を容易に行うことができるとともに、ガイド軸62によって圧縮コイルバネ65を案内するので、ラック7およびピニオン6に加わる荷重を軽減するという圧縮コイルバネ本来の機能を有効に作用させ、高精度な顕微鏡の焦準機構とすることができる。
【0041】
なお、この第7の実施の形態では、圧縮コイルバネ65を案内するガイド軸62の長さは、圧縮コイルバネ65が座屈しない程度の所定の長さを保持しているが、焦準行程が短くて済む顕微鏡にあっては、圧縮コイルバネ65も短くて済み、座屈の心配が無いので、ガイド軸の長さを短縮したり、廃止してもよい。また、ガイド軸の外径も寸法関係を示した上記の式(Dsi−Da )<(Dc −Dso)に制約されず、圧縮コイルバネ65の位置が決まる範囲に設定してもよい。以後の発明の実施の形態においても同様である。
(第8の実施の形態)
図12は、発明の第8の実施の形態を示し、ステージ上下動型の顕微鏡の焦準機構の側面部分断面図である。この第8の実施の形態は、バランスバネとガイド軸とバネ受けとをユニット化したことに特徴があるが、第1の実施の形態と基本構成が同一であり、焦準機構の一部の異なる部分のみ説明し、同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0042】
図12において、顕微鏡本体1には、案内5を介して焦準台73が上下動自在に装着されており、焦準台73の上面には、ステージ2が着脱自在に取着されているとともに、メネジ73aおよび貫通孔73bが穿設され、筒状のバネ受け74が螺合している。バネ受け74の下部筒部74aには、長溝74bが穿設され、ピン76が嵌合している。また、下部筒部74aには、筒状の外枠75が摺動自在に嵌装され、外枠75の上部には、ピン76が固着されてバネ受け74と外枠75とが連結されている。外枠75の内部中心には、ガイド軸72が立設され、ガイド軸72には、バランスバネとして圧縮コイルバネ65が装着されている。ガイド軸72、圧縮コイルバネ65およびバネ受け74の寸法関係は、第7の実施の形態と同一である。圧縮コイルバネ65、ガイド軸72、外枠75、ピン76、およびバネ受け74によってバネユニットを構成している。また、顕微鏡本体1のベース部底面には凹部71aが形成され、外枠75の下部が嵌合している。
【0043】
次に、このように構成したステージ上下動型の顕微鏡の作用について説明する。上記バネユニットを装着するには、ステージ2を取り外し、焦準台73の上側よりねじ込むと、外枠75の下部が顕微鏡本体1側の凹部71aに嵌合し、焦準台73を所定の装備力量で上方に付勢し、ラック6およびピニオン7にかかる荷重を軽減する。その他の作用は第7の実施の形態と同様である。
【0044】
従って、このような第8の実施の形態によれば、第7の実施の形態の効果に加え、圧縮コイルバネをユニット化したので、非常に組み立て性がよく、圧縮コイルバネの交換が極めて容易となる。また、重量の異なるステージ2に交換する場合に、力量の異なるバネユニットを予め用意しておけば、最適のバネユニットに交換することができる。
【0045】
(第9の実施の形態)
図13は、発明の第9の実施の形態を示し、ステージ上下動型の顕微鏡の焦準機構の側面部分断面図である。この第9の実施の形態は、バネ受けの内部にスペーサを挿入したことに特徴があるが、第7の実施の形態と基本構成が同一のため異なる部分のみ説明し、同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0046】
図13において、バネ受け64の底部64aと圧縮コイルバネ65の上端との間に、樹脂製のスペーサ81を挿入している。その他の構成は、第7の実施の形態と同様である。
【0047】
次に、このように構成したステージ上下動型の顕微鏡の作用について説明する。圧縮コイルバネ65を組み付ける際、まずガイド軸62を顕微鏡本体のベース部61のメネジ61bにねじ込み、つぎに圧縮コイルバネ65を焦準台63の貫通孔63bより落とし込む。最後にバネ受け64の底部64aにスペーサ81を挿入してから、バネ受け64を焦準台63のメネジ63aにねじ込んで固定する。このとき、圧縮コイルバネ65は使用状態にまで圧縮されていて、バネ受け64の奥底部64aには圧縮コイルバネ65の弾発力が作用している。もし、樹脂製のスペーサ81が無ければ、この弾発力による摩擦のために、バネ受け64のねじ込みによって圧縮コイルバネ65が捩じれてしまい、意図する力量が確保できなかったり、焦準台63の上下動に伴う圧縮コイルバネ65の伸縮時に、ガイド軸62との間に摺動抵抗が増えたりするため、焦準精度が安定しない場合がある。しかしながら、この第9の実施の形態では、バネ受け64の底部64aと圧縮コイルバネ65の上端との間に、樹脂製のスペーサ81を挿入したことによって、圧縮コイルバネ65に捩れが生じることなく、圧縮コイルバネ65が滑らかにガイド軸62に沿って伸縮する。その他の作用は、上述した第7の実施の形態と同様である。
【0048】
従って、このような第9の実施の形態によれば、第7の実施の形態の効果に加え、圧縮コイルバネに捩れが生じることなく、圧縮コイルバネが滑らかにガイド軸に沿って伸縮するので、高精度な焦準駆動が保障される。
(第10の実施の形態)
図14は、発明の第10の実施の形態を示し、ステージ上下動型の顕微鏡の焦準機構の側面部分断面図である。この第10の実施の形態は、第9の実施の形態のバネ受けの機能を、焦準台のドリル穴に替えた点に特徴があるが、第7の実施の形態と基本構成が同一のため異なる部分のみ説明し、同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0049】
図14において、焦準台82には、下方よりドリル穴83が穿設され、その奥底部83aには、樹脂製のスペーサ81が装着されている。その他の構成は、第9の実施の形態と同一である。
【0050】
次に、このように構成したステージ上下動型の顕微鏡の作用について説明する。この場合、第10の実施の形態では、第9の実施の形態のバネ受けに替えて、焦準台82にドリル穴83を穿設したので、奥底部83aは平らにはならず、円錐状の斜面となる。もし、樹脂製のスペーサ81がなければ、奥底部83aの斜面により圧縮コイルバネ65の上端面の安定が悪く斜めに傾くために、圧縮コイルバネ65の伸縮時に摩擦抵抗が増えてしまう。従って、樹脂製のスペーサ81は、圧縮コイルバネ65の上端面の安定を良くし摩擦抵抗を減少させる。この結果、第10の実施の形態においても、第9の実施の形態と同様に圧縮コイルバネ65が滑らかにガイド軸62に沿って伸縮するので、高精度な焦準駆動が保障される。
【0051】
また、圧縮コイルバネ65を交換するには、ベース部61のメネジ61bに螺合しているガイド軸62を取り外し、圧縮コイルバネ65を取り出し、ステージの重量に適合する圧縮コイルバネを焦準台82のドリル穴83に挿入して、ガイド軸62を再びメネジ61bにねじ込む。これにより、第10の実施の形態においても、第7の実施の形態と同様に、圧縮コイルバネの交換を容易に行うことができる。
【0052】
従って、このような第10の実施の形態によれば、第9の実施の形態の効果に加え、焦準機構の構造が簡単になり、部品点数の削減によるコストダウンを図ることができる。
(第11の実施の形態)
図15は、発明の第11の実施の形態の概略構成を示す斜視図である。
【0053】
図において、85は架台で、この架台85には、支柱部86を直立して設け、この支柱部86に焦準機構の固定部としての焦準本体部87を上下動可能に設け、固定クランプ88を締め込むことで、支柱部86に沿った所定高さを設定できるようにしている。
【0054】
焦準本体部87には、コロガイド89を介して焦準移動部90を上下方向に移動自在に設けている。この焦準移動部90は、焦準本体部87に設けた焦準ハンドル91の軸の図示しないピニオンと焦準移動部90側の図示しないラックの働きにより上下方向の移動が可能になっている。また、焦準移動部90は、雄アリを有し、この雄アリをズーム本体92の雌アリに嵌合することで、一体に結合している。
【0055】
ズーム本体92は、ズーム光学系を内蔵するもので、鏡筒93を丸アリにより取り付けるとともに、対物レンズ94をねじ込みにより取り付けたもので、焦準移動部90の焦準本体部87に対する上下方向の移動により、対物レンズ94と架台85上の標本との距離を調整しピント合わせを行うようにしている。
【0056】
固定部側の焦準本体部87と駆動部側の焦準移動部90との間に、焦準本体部87に対して焦準移動部90を押し上げるようなバネユニット95を設けている。この場合、バネユニット95は、第11の実施の形態に用いられたバネユニット4と同様に圧縮コイルバネ951と、この圧縮コイルバネ951を縮めても座屈しないように、また、使用者が指などを挟まれないようにするため圧縮コイルバネ951を収容する伸縮可能に嵌合させた一対の筒状カバー952、953からなっている。
【0057】
そして、このように構成したバネユニット95は、一方の筒状カバー952の端部に一体に設けられた支持部954をビス961により焦準駆動部90に、他方の筒状カバー953の端部に一体に設けられた支持部955をビス962により焦準本体部87に固定することにより、焦準機構の駆動部と固定部との間に着脱可能に設けられる。
【0058】
従って、このような第11の実施の形態によれば、バネユニット95は、ビス961、962により容易に着脱できるので、システムの組み合わせに応じて、強さの異なる最適なバネユニット95を選択し、容易に交換することができる。また、最適なバネユニット95を選択して使用できるので、焦準移動部90側の図示しないラックを介して焦準ハンドル91の軸の図示しないピニオンにかかる負荷を軽減し、焦準ハンドル91のハンドル操作を軽くすることができる。
(第12の実施の形態)
図16、図17は、発明の第12の実施の形態の概略構成を示す図で、図15と同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0059】
この場合、焦準本体部87と焦準移動部90に、それぞれバネユニット95を支持する支持部871、901を設け、これら支持部871、901の相対向する面に、図17に示すような円錐状の溝部871a、(901a)を形成している。また、バネユニット95は、筒状カバー952、953の端部を球面状に形成している。
【0060】
そして、このようなバネユニット95を焦準本体部87と焦準移動部90の支持部871、901の間に位置させるとともに、図17に示すように筒状カバー952の球面状端部を円錐状の溝部871a、(901a)に落とし込むことで、焦準機構の駆動部と固定部との間にバネユニット95を装着する。この場合、圧縮コイルバネ951により焦準本体部87に対し焦準移動部90を押し上げるようにしてバネユニット95を装着する。
【0061】
従って、このような第12の実施の形態によれば、バネユニット95の筒状カバー952、953の球面状端部を支持部871、901の円錐状の溝部871a、(901a)に対し着脱するのみで、工具を用いずにバネユニット95の交換を行うことができる。
(第13の実施の形態)
図18、図19は、発明の第13の実施の形態の概略構成を示す図で、図15と同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0062】
この場合、焦準本体部87と焦準移動部90に、それぞれバネユニット97を支持する突起状の支持部872、902を設けている。この場合、バネユニット97は、第5の実施の形態に用いられたバネユニットと同様に引っ張りコイルバネ971と、使用者が指などを挟まれないようにするため引っ張りコイルバネ971を収容する伸縮可能に嵌合させた一対の筒状カバー972、973を有し、さらに、バネユニット97の両端に引っ張りコイルバネ971のフック974、974が突出している。
【0063】
そして、このようなバネユニット97を焦準本体部87と焦準移動部90の突起状の支持部872、902の間に位置させるとともに、図19に示すようにフック974を支持部872(902)に引っ掛けることで、焦準機構の駆動部と固定部との間にバネユニット97を装着する。この場合、焦準本体部87に対し焦準移動部90を引き上げるようにしてバネユニット97を装着する。
【0064】
従って、このような第13の実施の形態によれば、バネユニット97のフック974、974を支持部872(902)に対して着脱するのみで、工具を用いずにバネユニット95の交換を行うことができる。
(第14の実施の形態)
図20(a)(b)は、発明の第14の実施の形態の概略構成を示す図で、図15と同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0065】
この場合、焦準ハンドル91の軸のピニオン101と焦準移動部90側のラック102が図示されている。
また、焦点機構の固定部としての焦準本体部87と駆動部としての焦準移動部90との連結部分には、バネユニットを取り付けるための支持部87a、90aが形成され、同軸線上に沿って穴部103と104を形成している。このうちの穴部103に、穴部104中に達する軸105をねじ込み固定し、この軸105にガイドにされるとともに、穴部104中に沿って圧縮コイルバネ106を挿入している。そして、焦準移動部90の穴部104の開口端より押圧部材107を介して調整つまみ108をねじ込むことで、押圧部材107により圧縮コイルバネ106の圧縮量を調整し、焦準本体部87に対する焦準移動部90の押し上げ力が最適になるようにしている。
【0066】
従って、このような第14の実施の形態によれば、調整つまみ108をねじ込んだり緩めたりして、押圧部材107を穴部104に沿って上下動させ、圧縮コイルバネ106の圧縮量を変化させることで、焦準本体部87に対する焦準移動部90の押し上げ強さを最適状態に調整できるので、焦準移動部90のラック102を介して焦準ハンドル91の軸のピニオン101にかかる負荷を軽減し、焦準ハンドル91のハンドル操作を軽くすることができる。また、押圧部材107の直径を調整つまみ108のねじ径より大きくすれば、使用者が誤って調整つまみ108を回し過ぎても、圧縮コイルバネ106が穴部104より飛び出すようなことも回避できる。また、軸105を緩めて支持部87aから取り外すことで、下方から圧縮コイルバネ106を交換することができる。
(第15の実施の形態)
図21(a)(b)は、発明の第15の実施の形態の概略構成を示す図で、図20と同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0067】
この場合、焦準本体部87と焦準移動部90の連結部分には、バネユニットを取り付けるための支持部87a、90aが形成され、同軸線上に沿って穴部110と111を形成している。このうちの穴部111は、穴部110に対向する側のみを開口している。そして、この穴部111中に沿って圧縮コイルバネ106を挿入するとともに、穴部110の開口端より押圧部材112を有する軸113を圧縮コイルバネ106の中空部に沿って挿入し、この軸113により押圧部材112を介して圧縮コイルバネ106の圧縮量を調整することで、焦準本体部87に対する焦準移動部90の押し上げ力が最適になるようにしている。なお、114は、使用者が誤って軸113を緩め過ぎないようにするためのストッパである。
【0068】
従って、このような第15の実施の形態によれば、軸113をねじ込んだり緩めたりすることで、圧縮コイルバネ106の圧縮量を変化させ、焦準本体部87に対する焦準移動部90の押し上げ強さを最適状態に調整できるので、上述した第14の実施の形態と同様な効果を期待できる。また、軸113が調整つまみを兼ねるため、部品点数を少なくできるとともに、調整つまみのための開口部を形成する必要もないので、より安価にできる。また、第14の実施の形態と同様に、軸113を支持部87aから取り外すことで、下方から圧縮コイルバネ106を交換することができる。、
(第16の実施の形態)
図22(a)(b)は、発明の第16の実施の形態の概略構成を示す図で、図20と同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0069】
この場合、焦準機構の固定部となる焦準本体部87と駆動部となる焦準駆動部90の連結部には、バネユニットを取り付けるための支持部87b、90bが形成され、支持部87bに穴115を形成し、この穴115に調整つまみ108をねじ込んでいる。この調整つまみ108には、フック116を設けている。一方、焦準移動部90の支持部90bに形成されたフック117と調節つまみ108の先端に設けられたフック116との間に引っ張りコイルバネ118を張架し、調整つまみ108の調整により焦準本体部87に対する焦準移動部90を引き上げ力が最適になるようにしている。
【0070】
従って、このような第16の実施の形態によれば、調整つまみ108をねじ込んだり緩めたりして、フック116を上下動させ、引っ張りコイルバネ118の引っ張り力を最適状態に調整できるので、上述した第14の実施の形態と同様な効果を期待できる。この場合、フック116を調整つまみ108に対して回転自在としておけば、調整つまみ108の回転により引っ張りコイルバネ118が捩じれないようにできる。
(第17の実施の形態)
図23(a)(b)は、発明の第17の実施の形態の概略構成を示す図で、図20と同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0071】
この場合、焦準機構の固定部としての焦準本体部87の下部に受台119を形成し、この受台119上に第11の実施の形態に用いられたバネユニット同様にに圧縮コイルバネ120を収容した一対の筒体121からなるバネユニットを載置している。この筒体121は、圧縮コイルバネ120の圧縮状態に応じて伸縮可能になっている。そして、一方の筒体121の上端に保持部材122を連結し、この保持部材122を焦準移動部90に固定ビス123により固定するようにしている。この場合、保持部材122を固定するねじ穴124は、上下方向に複数箇所設けられ、これらねじ穴124を選択することで、圧縮コイルバネ120の圧縮量を調整し、焦準本体部87に対する焦準移動部90の押し上げ力が最適になるようにしている。
【0072】
従って、このような第17の実施の形態によれば、保持部材122の固定ビス123による固定位置を複数箇所設けられたねじ穴124を選択して決定することで圧縮コイルバネ120による焦準移動部90の押し上げ強さを最適状態に調整できるので、上述した第14の実施の形態と同様な効果を期待できる。また、このような筒体121に収容した圧縮コイルバネ120を焦準本体部87の一部のガイド部を切欠いた谷間部分に配置することにより、焦準本体部87内部に十分なスペースがない場合でも実現可能となり、また、ばね部分の大きさ、形状の自由度も高くできる。
(第18の実施の形態)
図24(a)(b)は、発明の第18の実施の形態の概略構成を示す図で、図20と同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0073】
この場合、焦準本体部87のと上部に受台125を形成し、この受台125にフック126を設けている。このフック126に第5の実施の形態に用いられたバネユニットと同様に引っ張りコイルバネ127を収容した一対の筒体128からなるバネユニットを吊り下げている。この筒体128は、引っ張りコイルバネ127の引っ張り状態に応じて伸縮可能になっている。そして、このバネユニット下端のフックを支持ビス129に係止している。この支持ビス129は、焦準移動部90の上下方向に複数箇所設けられるねじ穴130に選択的に捩じ込まれるもので、これらねじ穴130を選択することで、引っ張りコイルバネ127の引っ張り量を調整し、焦準本体部87に対する焦準移動部90の押し上げ力が最適になるようにしている。
【0074】
従って、このような第18の実施の形態によれば、支持ビス129のねじ穴130への位置を選択して決定することで、引っ張りコイルバネ127による焦準移動部90の引っ張り強さを最適状態に調整できるので、上述した第17の実施の形態と同様な効果を期待できる。
【0075】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、コイルバネを焦準機構の駆動部と固定部との間に着脱自在に構設したことにより、焦準機構からのコイルバネの取り出し、および焦準機構への装着が容易となる。
【0076】
コイルバネを伸縮可能な保持部材により一体化させたバネユニットで構成したことにより、コイルバネの交換がさらに容易になり、狭い空間での着脱が可能となる。
【0077】
コイルバネを保持部材により保持したことにより、コイルバネの座屈を防ぎ、伸縮運動が円滑となる。
コイルバネを焦準機構の外部から着脱可能にすることで、焦準機構を分解することなく、コイルバネを容易に交換できる。
ばね力調整手段を設けることにより、コイルバネの力量を最適状態に簡単に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の第1の実施の形態のステージ上下動型の顕微鏡の側面部分断面図。
【図2】第1の実施の形態のバネユニットの縦断面図。
【図3】発明の第2の実施の形態のステージ上下動型の顕微鏡の焦準機構の側面部分断面図。
【図4】発明の第3の実施の形態の各種のバネユニットの半断面図。
【図5】発明の第4の実施の形態の鏡筒上下動型の顕微鏡の側面部分断面図。
【図6】第4の実施の形態の中間鏡筒を装着した鏡筒上下動型の顕微鏡の側面部分断面図。
【図7】発明の第5の実施の形態のステージ上下動型の顕微鏡の焦準機構の側面部分断面図。
【図8】第5の実施の形態の引張りバネユニットの断面図。
【図9】発明の第6の実施の形態のステージとバネユニットとを一体化した縦断面図。
【図10】発明の第7の実施の形態のステージ上下動型の顕微鏡の焦準装置の側面部分断面図。
【図11】第7の実施の形態の圧縮コイルバネとガイド軸とバネ受けとの寸法関係を示す説明図。
【図12】発明の第8の実施の形態のステージ上下動型の顕微鏡の焦準機構の側面部分断面図。
【図13】発明の第9の実施の形態のステージ上下動型の顕微鏡の焦準機構の側面部分断面図。
【図14】発明の第10の実施の形態のステージ上下動型の顕微鏡の焦準機構の側面部分断面図。
【図15】本発明の第11の実施の形態の概略構成を示す斜視図。
【図16】本発明の第12の実施の形態の概略構成を示す斜視図。
【図17】第12の実施の形態の要部を拡大して示す図。
【図18】本発明の第13の実施の形態の概略構成を示す斜視図。
【図19】第13の実施の形態の要部を拡大して示す図。
【図20】本発明の第14の実施の形態の概略構成を示す図。
【図21】本発明の第15の実施の形態の概略構成を示す図。
【図22】本発明の第16の実施の形態の概略構成を示す図。
【図23】本発明の第17の実施の形態の概略構成を示す図。
【図24】本発明の第18の実施の形態の概略構成を示す図。
【図25】従来技術の顕微鏡を示す側面図。
【符号の説明】
1…顕微鏡本体、
2…ステージ、
3…焦準台、
4…バネユニット、
5…案内、
6…ラック、
7…ピニオン、
8…ハンドル、
85…架台、
86…支柱部、
87…焦準本体部、
88…固定クランプ、
89…コロガイド、
90…焦準移動部、
91…焦準ハンドル、
92…ズーム本体、
93…鏡筒、
94…対物レンズ、
95…バネユニット、
951…圧縮コイルバネ、
952…筒状カバー、
961、962…ビス、
871、901、872、902…支持部、
97…バネユニット、
101…ピニオン、
102…ラック、
103、104…穴部、
105…軸、
106…圧縮コイルバネ、
107…押圧部材、
108…調整つまみ、
110、111…穴部、
112…押圧部材、
113…軸、
114…ストッパ、
115…穴、
116…フック、
117…突起、
118…引っ張りコイルバネ、
119…受台、
120…圧縮コイルバネ、
121…筒体、
122…保持部材、
123…固定ビス、
124…ねじ穴、
125…受台、
126…フック、
127…引っ張りコイルバネ、
128…筒体、
129…支持ビス、
130…ねじ穴。
Claims (4)
- ステージまたは鏡筒を上下動させて焦準駆動を行う焦準機構を備えた顕微鏡において、
前記焦準機構の直線移動方向に対して平行で、かつ焦準機構の駆動部と固定部との間に着脱自在にコイルばねを配設してなることを特徴とする顕微鏡。 - 前記コイルばねを伸縮可能な保持部材により一体化させたバネユニットで構成したことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡。
- コイルばねを、前記焦準機構の外部から着脱可能に配設してなることを特徴とする請求項1または2記載の顕微鏡。
- 前記コイルバネによるばね力を前記焦準機構の外部から調整するばね力調整手段を有することを特徴とする請求項1記載の顕微鏡。
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