JP3863235B2 - 伸縮装置及びそれを用いた昇降作業台 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、伸縮装置及び伸縮装置を具備する作業台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高所での作業を行う場合には、作業部が上下方向に昇降可能な作業台を用いて行われており、同作業台の作業部を昇降させる昇降機構としては、リンク機構を利用したテーブルリフト方式や、チェーンやロープ等を用いた吊り下げ或いは吊り上げ方式、油圧シリンダー等を用いたシリンダー方式、ラック・ピニオン方式等の各種方式を用いたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の昇降機構にあっては、構造が複雑であるため、メンテナンス性が悪く、部品の破損等により作業部が落下してしまうおそれがあり、また、作業台を設置するためのスペースが大きくなってしまっていた。しかも、昇降機構のメンテナンスのために、昇降機構にグリスや作動油等が使用されており、作業台の周囲が汚れてしまうことがあった。
【0004】
また、作業部に荷重が加わると、作業部が下降してしまったり、作業部の上下方向の位置決め精度が悪く、作業部を微妙に昇降させることができなかった
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、転動輪と固定ジャッキとを底枠の四隅に配設した固定枠に、昇降台を、伸縮装置を複数介在させて取付け、しかも、各伸縮装置の駆動軸を連動連結した昇降作業台であって、前記伸縮装置は、矩形箱形の軸支持体の底板の中央部に貫通孔を穿設し、同貫通孔に支持体を取付け、同支持体に駆動軸を回動自在に突設するとともに、軸支持体にガイド体を駆動軸の軸線に沿って形成し、同駆動軸の外周面に中間回動体を螺合し、同中間回動体に中空状の回動軸を前記駆動軸と同軸状態にして取付け、同回動軸の外周面に、前記昇降台の下面を上端に取り付けた矩形箱形の先端移動体を螺合し、前記駆動軸の回動に応じて回動軸を回動させるとともに、同回動軸の回動に伴い先端移動体を移動させることにより伸縮可能に構成し、前記中間回動体は、駆動軸に沿って所定範囲内において摺動可能とするとともに、矩形箱型の中間移動体に回動自在に保持され、同中間移動体は、前記軸支持体のガイド体に当接して軸支持体に対して回動しない状態を維持すべく構成し、前記先端移動体をガイド体に当接させて、先端移動体が軸支持体に対して回動しない状態を維持しながら回動軸に沿って所定範囲内において摺動可能に構成し、しかも、前記軸支持体の内側に矩形箱型の中間移動体を挿入するとともに、同中間移動体の内側に矩形箱型の先端移動体を挿入して形成し、さらに、前記昇降台の上面に中空箱形の作業台を取付けるとともに、同作業台の中空部に複数の拡張作業台を前後方向にスライド自在に収容することとしている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る伸縮装置は、軸支持体の内側に中間移動体を挿入するとともに、同中間移動体の内側に先端移動体を挿入し、駆動軸の回動に伴い軸支持体、中間移動体、先端移動体が上下方向にそれぞれ移動するように構成したものであり、固定枠の底枠に矩形箱型の軸支持体を固着しており、同軸支持体は、底板の中央部に貫通孔を穿設するとともに、同貫通孔に支持体を取付け、同支持体に駆動軸を挿通して構成し、しかも、駆動軸の軸線に沿ってガイド体を形成している。
【0012】
また、軸支持体の内側には、矩形箱型の中間移動体を上下移動自在に挿入し、同中間移動体の外周側面下端部に下ストッパー体を取付け、同下ストッパー体の外周側面を軸支持体のガイド体に当接するようにしており、中間移動体は、軸支持体に対して回動しない状態を維持しながらガイド体に沿って摺動できるようにしている。
【0013】
そして、中間移動体は、底板の中央部に貫通孔を穿設するとともに、同貫通孔に支持体を取付け、同支持体に中間回動体を遊嵌して構成し、しかも、駆動軸の軸線に沿ってガイド体を形成しており、同中間回動体は駆動軸の外周面に形成した雄ネジに螺着しているとともに、同中間回動体に中空円筒状の回動軸を軸線を鉛直上方に向けて取付け、同回動軸の中空部に前記駆動軸を同軸状態にして挿入している。同回動軸の外周面には、前記駆動軸の雄ネジと同一ピッチの雄ネジを形成している。
【0014】
また、中間移動体の内側には、矩形箱型の先端移動体を上下移動自在に挿入し、同先端移動体の外周側面下端部に下ストッパー体を取付け、同下ストッパー体の外周側面を中間移動体のガイド体に当接するようにしており、先端移動体は、中間移動体に対して回動しない状態を維持しながらガイド体に沿って摺動できるようにしている。
【0015】
そして、先端移動体は、底板の中央部に貫通孔を穿設するとともに、同貫通孔に移動体を取付けて構成しており、同移動体は回動軸の外周面に形成した雄ネジに螺着している。
【0016】
また、軸支持体の内周側面上端部には、上ストッパー体が取付けられており、中間移動体が軸支持体の上端部まで移動した際に、上ストッパー体の下面と下ストッパー体の上面とが当接し、中間移動体が軸支持体より外れないようにしている。同様に、中間移動体の内周側面上端部には、上ストッパー体が取付けられている。一方、伸縮装置を短縮させた状態では、下ストッパー体の下面と床板上面に取付けたゴム体の上面とが当接するようにして、中間移動体及び先端移動体の移動範囲を制限している。
【0017】
従って、駆動軸を左回りに回転させると、中間回動体が駆動軸に沿って上方に移動するとともに、移動体も中間回動体の移動に伴って上方に移動するか、或いは、中間回動体が駆動軸に伴って左回りに回転するとともに、移動体が回動軸に沿って上方に移動するものである。
【0018】
また、本発明に係る昇降作業台は、矩形箱型の固定枠に昇降作業部を一対の伸縮装置を介して上下方向に昇降可能に取付けるとともに、固定枠の右側方に階段を傾斜状に取付けている。
【0019】
昇降作業部は、矩形状の昇降台の上面に中空箱型の作業台を取付けるとともに、同作業台の中空部に複数の拡張作業台を前後方向にスライド自在に収容し、さらに、昇降台の右側方端部に梯子を鉛直下向きに伸延させて取付けている。
【0020】
連動機構は、操作ハンドルの回動操作により、一対の伸縮装置の駆動軸を同時に回動させるものであり、固定枠の支柱にギヤボックスを取付け、同ギヤボックスの前方に突設した回動軸に操作ハンドルを取付けるとともに、同ギヤボックスの左側方に突設した回動軸にスプロケットを取付けている。一方、固定枠の底枠にギヤボックスを取付け、同ギヤボックスの左側方に突設した回動軸にスプロケットを取付けている。そして、両スプロケットにチェーンを懸架している。
【0021】
さらに、ギヤボックスの下方に突設した回動軸に上下一対のスプロケットを取付け、一方、一対の伸縮装置の駆動軸の下端にスプロケットを取付け、同スプロケット及び前記スプロケットにチェーンをそれぞれ懸架している。
【0022】
従って、操作ハンドルを左回りに回転させることにより、一対の駆動軸が同時に左回りに回転するものである。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1〜図3は、本発明に係る昇降作業台の使用状態を示しており、昇降作業台Aは、矩形箱型の固定枠2に昇降作業部3を一対の伸縮装置1,1 を介して上下方向に昇降可能に取付けるとともに、固定枠2の右側方に階段4を傾斜状に取付けている。図中、6は固定枠2の底枠2aの四隅に取付けた転動輪、7は固定枠2の底枠2aの四隅に取付けた固定ジャッキである。
【0025】
そして、昇降作業台Aは、固定枠2に取付けた連動機構5により一対の伸縮装置1,1 を同時に伸縮させることによって、昇降作業部3を水平状態を保持したまま上下方向に昇降させ、同昇降作業部3の上部において、適当な地上高での高所作業を行うことができるようにしたものである。
【0026】
昇降作業部3は、矩形状の昇降台8の上面に中空箱型の作業台9を取付けるとともに、同作業台9の中空部に13個の拡張作業台10を前後方向にスライド自在に収容し、さらに、昇降台8の右側方端部に梯子11を鉛直下向きに伸延させて取付けている。12は梯子11の左右上端部に取付けた把手である。
【0027】
そして、階段4及び梯子11を利用して作業台9の上面に上り、作業台9の上面において高所作業が行えるとともに、作業台9の上面に装置類を搭載できるようにしている。
【0028】
しかも、中空箱型の作業台9の中空部に拡張作業台10をスライド自在に収容しているため、拡張作業台10を収容した状態では、昇降作業台Aの前後方向の幅を狭くすることができ、コンパクト化が図れ、昇降作業台Aの移動等が容易となる一方、拡張作業台10を前方に引き出した状態では、作業台9及び拡張作業台10の上面に形成される作業面の面積が広くなり、作業を行い易くすることができ、更には、作業台9の上面と拡張作業台10の上面とが段差のない略同一面となり、作業を安全に行うことができるとともに、作業台9の上面に搭載する装置類の幅に応じて拡張作業台10を適宜前方に移動させることにより、作業台9の上面に大型の装置類を搭載することができるようにしている。
【0029】
連動機構5は、操作ハンドル13の回動操作により、後述する一対の伸縮装置1,1 の駆動軸22,22 を同時に回動させるものであり、次のように構成している。
【0030】
すなわち、固定枠2の支柱2bにギヤボックス14を取付け、同ギヤボックス14の前方に突設した回動軸14a に操作ハンドル13を取付けるとともに、同ギヤボックス14の左側方に突設した回動軸14b にスプロケット15を取付けている。一方、固定枠2の底枠2aにギヤボックス18を取付け、同ギヤボックス18の左側方に突設した回動軸18a にスプロケット17を取付けている。そして、同スプロケット17及び前記スプロケット15にチェーン16を懸架している。
【0031】
さらに、ギヤボックス18の下方に突設した回動軸18b に上下一対のスプロケット19,19'を取付け、一方、一対の伸縮装置1,1 の駆動軸22,22 の下端にスプロケット21,21 を取付け、同スプロケット21,21 及び前記スプロケット19,19'にチェーン20をそれぞれ懸架している。
【0032】
そして、操作ハンドル13を左回りに回転させることにより、回動軸14b が右回りに回転し、チェーン16を介して回動軸18a が右回りに回転するとともに、回動軸18b が左回りに回転し、チェーン20を介して一対の駆動軸22,22 が同時に左回りに回転するようにしている。また、逆に操作ハンドル13を右回りに回転させると、一対の駆動軸22,22 が同時に右回りに回転するようにしている。
【0033】
伸縮装置1は、図4及び図5に示すように、軸支持体23の内側に中間移動体24を挿入するとともに、同中間移動体24の内側に先端移動体25を挿入し、駆動軸22の回動に伴い軸支持体23、中間移動体24、先端移動体25が上下方向にそれぞれ移動するように構成したものであり、その詳細な構成について以下に説明する。
【0034】
すなわち、図4に示すように、固定枠2の底枠2aに矩形箱型の軸支持体23を固着しており、同軸支持体23は、底板26の中央部に貫通孔26a を穿設するとともに、同貫通孔26a に支持体29を取付け、同支持体29に駆動軸22を挿通して構成し、しかも、駆動軸22の軸線に沿ってガイド体23a を形成している。図中、30は支持体29を底板26に取付けるための台座、31は円錐ころ軸受、32は軸受、33はCリング、42は駆動軸22の外周面に形成した環状凸部であり、駆動軸22は、Cリング33及び環状凸部42によって支持体29を両軸受31,32 を介して挟持することにより、上下方向に移動しないようになっている。
【0035】
また、軸支持体23の内側には、矩形箱型の中間移動体24を上下移動自在に挿入し、同中間移動体24の外周側面下端部に下ストッパー体43を取付け、同下ストッパー体43の外周側面を軸支持体23のガイド体23a に当接するようにしており、中間移動体24は、軸支持体23に対して回動しない状態を維持しながらガイド体23a に沿って摺動できるようにしている。
【0036】
そして、中間移動体24は、底板27の中央部に貫通孔27a を穿設するとともに、同貫通孔27a に支持体35を取付け、同支持体35に中間回動体36を軸受37を介して遊嵌して構成し、しかも、駆動軸22の軸線に沿ってガイド体24a を形成しており、同中間回動体36は駆動軸22の外周面に形成した雄ネジ22a に螺着しているとともに、同中間回動体36に中空円筒状の回動軸38を軸線を鉛直上方に向けて取付け、同回動軸38の中空部に前記駆動軸22を同軸状態にして挿入している。同回動軸38の外周面には、前記駆動軸22の雄ネジ22a と同一ピッチの雄ネジ38a を形成している。
【0037】
支持体35の上端には、鍔体35a を中心方向に向けて形成しており、中間回動体36が上方に移動する際に、中間回動体36と鍔体35a とが軸受37を介して当接するようにしている。また、45は受け体であり、同受け体45と支持体35とにより中間回動体36を回動自在に保持しており、同受け体45は、伸縮装置1を上下逆転させて使用する場合において、受け体45と中間回動体36とが当接して、前記支持体35に形成した鍔体35a と同様の機能を果たす。
【0038】
また、中間移動体24の内側には、矩形箱型の先端移動体25を上下移動自在に挿入し、同先端移動体25の外周側面下端部に下ストッパー体44を取付け、同下ストッパー体44の外周側面を中間移動体24のガイド体24a に当接するようにしており、先端移動体25は、中間移動体24に対して回動しない状態を維持しながらガイド体24a に沿って摺動できるようにしている。
【0039】
そして、先端移動体25は、底板28の中央部に貫通孔28a を穿設するとともに、同貫通孔28a に移動体39を取付けて構成しており、同移動体39は回動軸38の外周面に形成した雄ネジ38a に螺着している。また、昇降作業部3の昇降台8の下面に先端移動体25の上端を取付けている。
【0040】
また、図4に示すように、軸支持体23の内周側面上端部には、上ストッパー体46が取付けられており、中間移動体24が軸支持体23の上端部まで移動した際に、上ストッパー体46の下面と下ストッパー体43の上面とが当接し、中間移動体24が軸支持体23より外れないようにしている。同様に、中間移動体24の内周側面上端部には、上ストッパー体47が取付けられている。一方、伸縮装置1を短縮させた状態では、下ストッパー体43,44 の下面と床板26,27 上面に取付けたゴム体40,41 の上面とが当接するようにして、中間移動体24及び先端移動体25の移動範囲を制限している。
【0041】
本実施例においては、中間移動体24にガイド体24a を形成するとともに、同ガイド体24a に先端移動体25の外周側面下端部に取付けた下ストッパー体44を摺動させているが、前記軸支持体23に形成したガイド体23a に下ストッパー体44を摺動させることもできる。
【0042】
すなわち、図6に示すように、軸支持体23に駆動軸22を回動自在に突設するとともに、軸支持体23の左右側部にガイド体23a を駆動軸22の軸線に沿って形成し、同駆動軸22の外周面に中間回動体36を螺合し、同中間回動体36に中空状の回動軸38を前記駆動軸22と同軸状態にして取付け、同回動軸38の外周面に先端移動体25を螺合している。
【0043】
そして、中間回動体36は、中間移動体24に回動自在に保持されており、同中間移動体24は、軸支持体23に対して回動しない状態を維持しながら軸支持体23のガイド体23a に沿って摺動できるようにしている。
【0044】
また、先端移動体25は、軸支持体23に対して回動しない状態を維持しながら軸支持体23のガイド体23a に沿って摺動できるようにしている。
【0045】
また、ガイド体23a には、上下方向に間隔を開けて上ストッパー体46,47 を取付け、中間移動体24の外周面下端部及び先端移動体25の外周面下端部には、下ストッパー体43,44 をそれぞれ取付け、一方、伸縮装置1を短縮させた状態では、下ストッパー体43,44 の下面と床板26,27 上面に取付けたゴム体40,41 の上面とが当接するようにして、中間移動体24及び先端移動体25の移動範囲を制限している。
【0046】
上記構成により、先端移動体25の先端に取付けた昇降台8が昇降できるようにすることができる。
【0047】
伸縮装置1は、上述したように構成されており、その動作について以下に説明する。
【0048】
駆動軸22を左回りに回転させると、中間回動体36が駆動軸22に沿って上方に移動するとともに、移動体39も中間回動体36の移動に伴って上方に移動するか、或いは、中間回動体36が駆動軸22に伴って左回りに回転するとともに、移動体39が回動軸38に沿って上方に移動する。
【0049】
すなわち、駆動軸22と中間回動体36との螺合部48、及び、回動軸38と移動体39との螺合部49それぞれには、鉛直下向きの荷重が掛っており、各荷重に対応する摩擦力が生じている。そのため、螺合部48に生じている摩擦力に対し螺合部49に生じている摩擦力が支配的な場合には、中間回動体36は、駆動軸22に対して相対的に回転するが、移動体39は、回動軸38に対して相対的に回転しない。従って、中間回動体36は駆動軸22に沿って上方に移動するとともに、回動軸38も駆動軸22に沿って上方に移動し、同回動軸38の移動に伴って移動体39も上方に移動することになり、外観上は、軸支持体23に対し、中間移動体24及び先端移動体25が上方に向けて移動することとなる。
【0050】
一方、螺合部49に生じている摩擦力に対し螺合部48に生じている摩擦力が支配的な場合には、中間回動体36は、駆動軸22に対して相対的に回転しないが、移動体39は、回動軸38に対して相対的に回転する。従って、中間回動体36は駆動軸22の回転に伴って回転し、回動軸38も中間回動体36とともに回転し、移動体39は回動軸38に沿って上方に移動することになり、外観上は、軸支持体23及び中間移動体24に対し、先端移動体25が上方に向けて移動することとなる。
【0051】
上述したように、螺合部48及び螺合部49に生じている摩擦力に応じて、中間移動体24又は先端移動体25のいずれかが上方に向けて移動することとなるが、駆動軸22に形成した雄ネジ22a と回動軸38に形成した雄ネジ38a とが同一ピッチであるため、駆動軸22の回動に対する中間移動体24と先端移動体25の上方への移動量は等しくなっている。従って、螺合部48及び螺合部49に生じている摩擦力の大小にかかわらず、駆動軸22の回動により伸縮装置1を上下方向に所定長さだけ伸縮させることができる。尚、駆動軸22に形成した雄ネジ22a と回動軸38に形成した雄ネジ38a とが同一ピッチの場合に限られず、伸縮装置1の伸縮量、すなわち、駆動軸22の回動に対する先端移動体25の上方への移動量を一定にする必要が無い場合には、雄ネジ22a と雄ネジ38a とを同一ピッチにしなくてもよい。
【0052】
伸縮装置1は、上述したように、螺合部48,49 におけるネジ構造により荷重を受ける構成となっているため、駆動軸22の回動量に応じて昇降量を精度良く定めることができ、複数の伸縮装置1を用いた場合に、精度良く同調させることができるとともに、雄ネジ22a,38a のねじれ角を適宜設定することによって、荷重により螺合部48,49 が荷重方向に移動(自走)してしまうのを防止することができ、別途安全装置を設ける必要がなくなる。なお、ねじれ角をあまり小さくすると操作性が損なわれるため、1/15〜1/10rad が望ましい。
【0053】
しかも、伸縮装置1は、構造が簡単で部品点数が少ないため、メンテナンスが容易であり、駆動軸22等の構成要素をアルミニウム、ステンレスや合成樹脂により形成することにより、軽量化を図ることができるとともに、腐食を防止することができ、また、グリスや作動油等を必要とせず伸縮装置1の周辺を汚さずに使用できるため、クリーンルーム内においても使用することができる。
【0054】
また、本実施例においては、駆動軸22の下端にスプロケット21を取付けて駆動しているが、伸縮装置1を上下逆の構造として、伸縮装置1の上端にスプロケット21を配設することもでき、また、上下方向の伸縮のみならず、左右方向或いは傾斜方向の伸縮をさせることもできる。
【0055】
さらに、本実施例においては、伸縮装置1を3段構成としているが、さらなる多段構成とすることもできる。
【0056】
すなわち、中間移動体24、支持体35、中間回動体36、軸受37、回動軸38、下ストッパー体43、上ストッパー体47により構成される中間移動部50を複数設け、駆動軸22に一の中間移動部50の中間回動体36を螺合させ、同中間移動部50の回動軸38に他の中間移動部50の中間回動体36を順次螺合させ、さらに、最終段の中間移動部50の回動軸38に先端移動体25に取付けた移動体39を螺合させることにより伸縮装置1を多段構成とすることができる。
【0057】
この場合には、例えば、伸縮装置1を伸ばした状態での長さを同等としながら、伸縮装置1を縮めた状態での長さを短くすることができ、伸縮装置1の小型化を図ることができる等、伸縮装置1が使用される箇所に応じて自由な構成とすることができる。
【0058】
昇降作業台Aは、上述したように構成されており、連動機構5によって一対の伸縮装置1,1 を連動させて伸縮させることにより昇降作業部3を昇降させているので、昇降作業部3を水平状態を保持したまま上下方向に昇降させることができる。
【0059】
しかも、駆動軸22に形成した雄ネジ22a と回動軸38に形成した雄ネジ38a とが同一ピッチであるため、各伸縮装置1に掛かる荷重に偏りがある場合であっても、駆動軸22の回動量に応じて各伸縮装置1を所定量だけ伸縮させることができ、昇降作業部3を水平状態のまま精度良く昇降させることができる。
【0060】
次に、伸縮装置1の他の実施例について説明する。上記実施例においては、中間回動体36は、中間移動体24に回動自在に保持され、同中間移動体24は、軸支持体23に対して回動しない状態を維持するよう構成しているが、中間移動体24を取り除いて伸縮装置1を構成することもできる。
【0061】
すなわち、図7に示すように、軸支持体23に駆動軸22を回動自在に突設するとともに、軸支持体23の左右側部にガイド体23a を駆動軸22の軸線に沿って形成し、同駆動軸22の外周面に中間回動体36を螺合し、同中間回動体36に中空状の回動軸38を前記駆動軸22と同軸状態にして取付け、同回動軸38の外周面に先端移動体25を螺合している。
【0062】
そして、中間回動体36は、駆動軸22に沿って摺動できるようにしており、先端移動体25は、駆動軸22に沿ってガイド体25a を形成し、同ガイド体25a をガイド体23a に摺接させて、軸支持体23に対して回動しない状態を維持しながら軸支持体23のガイド体23a に沿って摺動できるようにしている。
【0063】
また、駆動軸22及び回動軸38の先端には、上ストッパー体46,47 を取付けており、伸縮装置1を伸張させた状態では、移動体39の上面と上ストッパー体47の下面、及び、中間回動体36の上面と上ストッパー体46の下面が当接し、一方、伸縮装置1を短縮させた状態では、移動体39の下面と中間回動体36の上面、及び、中間回動体36の下面と支持体29の上面が当接するようにして、中間回動体36及び先端移動体25の移動範囲を制限している。
【0064】
上記構成により、先端移動体25の先端に取付けた昇降台8が昇降できるようにすることができる。
【0065】
上記構成により、駆動軸22を左回りに回転させると、中間回動体36が駆動軸22に伴って左回りに回転するとともに、移動体39が回動軸38に沿って上方に移動する。
【0066】
すなわち、中間回動体36は、駆動軸22に対して相対的に回転しないが、移動体39は、回動軸38に対して相対的に回転する。従って、中間回動体36は駆動軸22の回転に伴って回転し、回動軸38も中間回動体36とともに回転し、移動体39は回動軸38に沿って上方に移動することになり、外観上は、軸支持体23及び中間移動体24に対し、先端移動体25が上方に向けて移動することとなる。
【0067】
そして、移動体39の上面と上ストッパー47が当接すると、今度は、駆動軸22の回転に伴って中間回動体36が駆動軸22に沿って上方に移動する。
【0068】
すなわち、中間回動体36は、駆動軸22に対して相対的に回転するが、移動体39が回動軸38に対して相対的に回転できないため、中間回動体36は駆動軸22に沿って上方に移動し、外観上は、軸支持体23に対し、中間移動体24及び先端移動体25が上方に向けて移動することとなる。
【0069】
また、図8に示すように、軸支持体23に形成したガイド体23a を分割した構成とすることもできる。
【0070】
すなわち、軸支持体23のガイド体23a にガイド体23b を摺動自在に取付け、同ガイド体23b に先端移動体23のガイド体25a を摺接させている。
【0071】
そして、先端移動体25が軸支持体23に対して回動しない状態を維持しながら軸支持体23のガイド体23a に沿って摺動できるようにしている。尚、ガイド体23b の先端及びガイド体25a の基端には係止部23b',25a' を形成し、ガイド体25a の上昇に伴ってガイド体23b も上昇するようにしている。
【0072】
このように、ガイド体23a を分割した構成とすることにより、伸縮装置1を短縮させた状態において、伸縮装置1の全長を短くすることができる。
【0073】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0074】
すなわち、本発明に係る伸縮装置は、螺合部におけるネジ構造により荷重を受ける構成となっているため、駆動軸の回動量に応じて昇降量を精度良く定めることができ、複数の伸縮装置を用いた場合に、精度良く同調させることができるとともに、雄ネジのねじれ角を適宜設定することによって、荷重により螺合部が荷重方向に移動(自走)してしまうのを防止することができ、別途安全装置を設ける必要がなくなる。
【0075】
しかも、駆動軸の雄ネジと回動軸の雄ネジとを同一ピッチで形成することにより、伸縮装置に掛かる荷重に偏りがある場合であっても、駆動軸の回動量に応じて各伸縮装置を所定量だけ伸縮させることができる。
【0076】
さらに、構造が簡単で部品点数が少ないため、メンテナンスが容易であり、駆動軸等の構成要素をアルミニウム、ステンレスや合成樹脂により形成することにより、軽量化を図ることができるとともに、腐食を防止することができ、また、グリスや作動油等を必要とせず、伸縮装置の周辺を汚さずに使用することができる。
【0077】
また、駆動軸の下端にスプロケットを取付けて駆動する構成に限られず、例えば、伸縮装置の上端にスプロケットを配設した上下逆の構成とすることもできるとともに、上下方向の伸縮のみならず、左右方向或いは傾斜方向の伸縮をさせることもできる。
【0078】
また、伸縮装置を多段構成とすることにより、例えば、伸縮装置を伸ばした状態での長さを同等としながら、伸縮装置を縮めた状態での長さを短くすることができ、伸縮装置の小型化を図ることができ、伸縮装置を使用する箇所に応じて自由な構成とすることができる。
【0079】
また、本発明に係る昇降作業台は、伸縮装置を複数連動させて用いているため、荷重に偏りがある場合であっても、各伸縮装置を所定量だけ伸縮させることができ、昇降作業部を水平状態のまま精度良く上下方向に昇降させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る昇降作業台の使用状態を示す正面図。
【図2】同平面図。
【図3】同側面図。
【図4】本発明に係る伸縮装置の正面図。
【図5】同部分拡大断面図。
【図6】他実施例としての伸縮装置の一部切欠側面図。
【図7】他実施例としての伸縮装置の一部切欠側面図。
【図8】他実施例としての伸縮装置の一部切欠側面図。
【符号の説明】
1 伸縮装置
2 固定枠
3 昇降作業部
5 連動機構
8 昇降台
13 操作ハンドル
15,17,19,21 スプロケット
16,20 チェーン
22 駆動軸
22a 雄ネジ
23 軸支持体
24 中間移動体
25 先端移動体
36 中間回動体
38 回動軸
38a 雄ネジ
39 移動体
43,44 下ストッパー体
46,47 上ストッパー体
48,49 螺合部
50 中間移動部
Claims (1)
- 転動輪 (6) と固定ジャッキ (7) とを底枠 (2a) の四隅に配設した固定枠 (2) に、昇降台 (8) を、伸縮装置 (1) を複数介在させて取付け、しかも、各伸縮装置 (1) の駆動軸 (22) を連動連結した昇降作業台であって、
前記伸縮装置 (1) は、矩形箱形の軸支持体(23)の底板(26)の中央部に貫通孔(26a)を穿設し、同貫通孔(26a)に支持体(29)を取付け、同支持体(29)に駆動軸(22)を回動自在に突設するとともに、軸支持体(23)にガイド体を駆動軸(22)の軸線に沿って形成し、同駆動軸(22)の外周面に中間回動体(36)を螺合し、同中間回動体(36)に中空状の回動軸(38)を前記駆動軸(22)と同軸状態にして取付け、同回動軸(38)の外周面に、前記昇降台 (8) の下面を上端に取り付けた矩形箱形の先端移動体(25)を螺合し、前記駆動軸(22)の回動に応じて回動軸(38)を回動させるとともに、同回動軸(38)の回動に伴い先端移動体(25)を移動させることにより伸縮可能に構成し、
前記中間回動体(36)は、駆動軸(22)に沿って所定範囲内において摺動可能とするとともに、矩形箱型の中間移動体(24)に回動自在に保持され、同中間移動体(24)は、前記軸支持体(23)のガイド体に当接して軸支持体(23)に対して回動しない状態を維持すべく構成し、
前記先端移動体(25)をガイド体に当接させて、先端移動体(25)が軸支持体(23)に対して回動しない状態を維持しながら回動軸(38)に沿って所定範囲内において摺動可能に構成し、
しかも、前記軸支持体(23)の内側に矩形箱型の中間移動体(24)を挿入するとともに、同中間移動体(24)の内側に矩形箱型の先端移動体(25)を挿入して形成し、さらに、前記昇降台 (8) の上面に中空箱形の作業台 (9) を取付けるとともに、同作業台 (9) の中空部に複数の拡張作業台 (10) を前後方向にスライド自在に収容したことを特徴とする昇降作業台。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27106996A JP3863235B2 (ja) | 1996-10-14 | 1996-10-14 | 伸縮装置及びそれを用いた昇降作業台 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27106996A JP3863235B2 (ja) | 1996-10-14 | 1996-10-14 | 伸縮装置及びそれを用いた昇降作業台 |
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JPH10122324A JPH10122324A (ja) | 1998-05-15 |
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Family
ID=17494963
Family Applications (1)
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JP27106996A Expired - Lifetime JP3863235B2 (ja) | 1996-10-14 | 1996-10-14 | 伸縮装置及びそれを用いた昇降作業台 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1277969B1 (de) * | 2001-07-20 | 2005-01-19 | Elodorm AG | Verstelleinrichtung |
-
1996
- 1996-10-14 JP JP27106996A patent/JP3863235B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH10122324A (ja) | 1998-05-15 |
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