JP3862819B2 - 給湯器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁弁を介してバーナーに燃焼ガスを供給する給湯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、給湯器の快適性をより向上させるため、出湯開始直後から、設定温度に対し大幅な温度変動を起こすことなく、設定温度±3度程度の温度範囲内で出湯することのできる機能(Q機能)を備えた給湯器が要望されている。
【0003】
このような給湯器では、通常、熱交換器内の湯温を温度センサで監視し、湯温が許容下限温度を下回ったとき、開栓されない状態のままでバーナーを、たとえば2秒程度の短時間燃焼させ、湯温を目標温度範囲内に保温するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した給湯器では、Q機能を作動させている間、バーナーを点火して短時間燃焼させる動作を間欠的かつ頻繁に繰り返すことになるので、バーナーに燃焼ガスを供給するか否かを切り換える電磁弁の作動回数がきわめて多くなる。
【0005】
たとえば、Q機能を作動させている間、2分〜3分ごとにバーナーの点火が行われるとすると、1日にQ機能を10時間作動させた場合、1年で7万回から10万回程度、電磁弁の開閉動作が行われる。
【0006】
電磁弁の寿命は、通常、30万回程度なので、Q機能の使用を続けると3年から5年で電磁弁の寿命に達し、器具の他の部品より電磁弁の寿命が早く尽きてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、開栓直後からほぼ設定温度の湯を出湯する保温機能を有しつつ、器具の耐用年数経過前に電磁弁の寿命が尽きないようにすることのできる給湯器を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]電磁弁(16)を介してバーナー(12)に燃焼ガスを供給する給湯器において、
前記電磁弁(16)の動作回数を積算する動作回数積算手段(51、55)と、前記電磁弁(16)の動作上限回数を予め記憶した上限回数記憶手段(53)と、前記電磁弁(16)の動作回数が前記動作上限回数に至るまでに経過すべき耐用期間を予め記憶した耐用期間記憶手段(53)と、器具が電源供給を受けている通算時間を計測する通算時間計測手段(56)と、給湯流路(21)内の水を所定温度範囲に保温する保温制御手段(51)と、前記保温制御手段(51)による保温動作が作動しないように設定する保温機能停止手段(51)とを設け、
前記保温制御手段(51)は、設定温度の湯が開栓後所定時間内に出湯されるよう開栓されない状態下で前記バーナー(12)を燃焼させて前記給湯流路(21)内の水を所定温度範囲に保温し、
前記動作回数積算手段(51、55)は、前記保温制御手段(51)の動作に基づく前記電磁弁(16)の動作回数と当該保温制御手段(51)の動作に基づくもの以外における前記電磁弁(16)の動作回数とこれら双方を合わせた電磁弁(16)の動作回数のうちの少なくともいずれか2つの動作回数を個別に積算し、
前記保温機能停止手段(51)は、平均動作回数取得部(51、55)と保温機能停止部(51)とを備え、
前記平均動作回数取得部(51、55)は、前記保温制御手段(51)の動作に基づくもの以外における前記電磁弁(16)の動作回数の積算値を前記通算時間計測手段(56)の計測している前記通算時間で除した単位時間当たりの平均電磁弁動作回数を求め、
前記保温機能停止部(51)は、現時点から前記電磁弁(16)を単位時間当たり前記平均電磁弁動作回数ずつ動作させた場合に前記耐用期間の到来する時点で当該電磁弁(16)の総動作回数が前記動作上限回数に達すると判定したとき、それ以後前記保温制御手段(51)による保温動作が作動しないように設定することを特徴とする給湯器。
【0010】
[2]電磁弁(16)を介してバーナー(12)に燃焼ガスを供給する給湯器において、
前記電磁弁(16)の動作回数を積算する動作回数積算手段(51、55)と、前記電磁弁(16)の動作上限回数を予め記憶した上限回数記憶手段(53)と、前記電磁弁(16)の動作回数が前記動作上限回数に至るまでに経過すべき耐用期間を予め記憶した耐用期間記憶手段(53)と、器具を設置した後の通算時間を計測する通算時間計測手段(56)と、給湯流路(21)内の水を所定温度範囲に保温する保温制御手段(51)と、前記保温制御手段(51)による保温動作が作動しないように設定する保温機能停止手段(51)とを設け、
前記保温制御手段(51)は、設定温度の湯が開栓後所定時間内に出湯されるよう開栓されない状態下で前記バーナー(12)を燃焼させて前記給湯流路(21)内の水を所定温度範囲に保温し、
前記動作回数積算手段(51、55)は、前記保温制御手段(51)の動作に基づく前記電磁弁(16)の動作回数と当該保温制御手段(51)の動作に基づくもの以外における前記電磁弁(16)の動作回数とこれら双方を合わせた電磁弁(16)の動作回数のうちの少なくともいずれか2つの動作回数を個別に積算し、
前記保温機能停止手段(51)は、平均動作回数取得部(51、55)と、保温機能停止部(51)とを備え、
前記平均動作回数取得部(51、55)は、前記保温制御手段(51)の動作に基づくもの以外における前記電磁弁(16)の動作回数の積算値を前記通算時間計測手段(56)の計測している前記通算時間で除した単位時間当たりの平均電磁弁動作回数を求め、
前記保温機能停止部(51)は、現時点から前記電磁弁(16)を単位時間当たり前記平均電磁弁動作回数ずつ動作させた場合に前記耐用期間の到来する時点で当該電磁弁(16)の総動作回数が前記動作上限回数に達すると判定したとき、それ以後前記保温制御手段(51)による保温動作が作動しないように設定することを特徴とする給湯器。
【0011】
[3]前記保温機能停止手段(51)は、単位時間の経過するごとに前記保温制御手段(51)による保温動作の作動を停止すべきか否かの判定を行うことを特徴とする[1]または[2]記載の給湯器。
【0012】
前記本発明は次のように作用する。
保温機能停止手段(51)は、平均動作回数取得部(51、55)と保温機能停止部(51)とを備えており、平均動作回数取得部(51、55)は、保温制御手段(51)の動作に基づくもの以外における電磁弁(16)の動作回数の積算値を通算時間計測手段(56)の計測している通算時間で除した単位時間当たりの平均電磁弁動作回数を求める。
【0013】
保温機能停止部(51)は、現時点から電磁弁(16)を単位時間当たり平均電磁弁動作回数ずつ動作させた場合に耐用期間の到来する時点で電磁弁(16)の総動作回数が動作上限回数に達するか否かを判定し、動作上限回数に達すると判定したとき、それ以後、保温制御手段(51)による保温動作が作動しないように設定する。
【0014】
たとえば、3年を経過した時点で、給湯など保温動作以外の動作に基づく電磁弁(16)の動作回数が3万回であり、単位時間が1年であるとすると、平均電磁弁動作回数は1万回/年になる。そして、3年を経過した時点での電磁弁(16)の総動作回数が18万回であれば、耐用期間を10年、動作上限回数を30万回とすると、以後、保温機能を停止すれば、10年目の総動作回数は、25万回となる。したがって、3年目ではまだ、保温機能を停止する必要なしと判定する。
【0015】
一方、4年経過時における総動作回数が24万回で、平均電磁弁動作回数が1万回/年であれば、以後、保温機能を停止した場合、10年目における総動作回数は30万回となって動作上限回数に達すると予測されるので、この時点以後、保温機能を停止する。
【0016】
このように、現時点までの使用状況を基にして、以後、保温動作を停止した場合における耐用期間に経過時における電磁弁(16)の総動作回数を予測し、現時点で保温動作を停止すべきか否かを判別するので、給湯器の使用状況に応じた的確な時期に保温機能を停止することができ、保温機能を停止させる時期を最大限遅らすことができる。また、このような予測に基づいて保温機能を停止させるので、ほぼ耐用期間が満了するまで電磁弁(16)の寿命が尽きないようにすることができる。
【0017】
また、通算の通電時間に代えて、器具を設置した後の通算時間を基準にすれば、たとえば、別荘に設置された給湯器のように特定の季節だけ通電の有る場合であっても、保温機能を停止させる時期を的確に判定することができる。
【0018】
すなわち、冬だけ通電があり、しかも、通電中、常に保温機能を作動させたような場合、通電時間を基準にすると平均電磁弁動作回数が大きな値になり、その結果、耐用期間経過時(10年目等)における総動作回数の予測値が早い時期から大きな値になり、保温機能が早期に停止されてしまう。これに対し、器具設置後の通算時間を基準にすると、冬だけ通電のあるような場合、平均電磁弁動作回数は小さい値になり、保温機能を停止させる時期が必要以上に早まるようなことを防止することができる。
【0019】
なお、保温機能停止手段(51)は、単位時間の経過するごとに保温制御手段(51)による保温動作の作動を停止すべきか否かの判定を行うようにすれば、CPU等における判定の為の負荷を低減できるとともに、たとえば、単位時間を、1週間や1ヶ月、1年等に設定すれば、使用状況の周期性に合った的確な判定を行うことができる。すなわち、平日は保温機能を使わないが、土日だけ保温機能を終日作動させるような場合や、先に説明した別荘など1年を単位とした周期性を有するような場合であっても、当該周期を単位時間として設定すれば、保温機能の停止時期を的確に判定することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の一実施の形態を説明する。
各図は本発明の一実施の形態を示している。
本発明にかかる給湯器10は、水栓あるいは風呂の浴槽内へ給湯する機能と、浴槽内の湯を追い焚きする機能とを備え、追い焚き経路と給湯経路の双方を1つの熱交換器で加熱する、いわゆる1缶2水路型を成している。図1に示すように、給湯器10は、燃焼室11を備えており、当該燃焼室11の下部には、バーナー12が、燃焼室11の上部には、バーナー12からの熱を給水等に伝える熱交換器13がそれぞれ配置されている。
【0021】
熱交換器13には、給湯用の水を流すための給湯用パイプ21と、追い焚き用に浴槽内の水を循環させる追い焚き用循環パイプ31の双方が通っており、熱交換器13はバーナー12からの熱をこれら双方のパイプ21、31内の流体へ伝えて加熱する機能を備えている。
【0022】
給湯用パイプ31の熱交換器13へ向かう給水側流路21aと、熱交換器13からの出湯側流路21bの間には、固定バイパス路22と、流量制御弁23の介挿されたバイパス路24が接続されている。熱交換器13で加熱された湯に、固定バイパス路22、バイパス路24を通じて給水を混合するとともに、バイパス比を流量制御弁23によって制御し得るようになっている。また、給湯用パイプ21の出湯側流路21b側には、出湯の総流量やバイパス比を制御するための流量制御弁25が設けられている。
【0023】
給湯用パイプ21の入口部および出口部の近傍にはそれぞれ、通水の有無や通水量を検知するためのフローセンサ26a、26bが設けられている。また、給湯用パイプ21の入口部近傍には、給水の温度を検知するための入水サーミスタ27が、熱交換器13の出口部近傍には、加熱後の湯温を測定するための熱交サーミスタ28が、さらに給湯用パイプ21の出口部近傍には、出湯温度を検知するための出湯サーミスタ29がそれぞれ取り付けられている。
【0024】
追い焚き用循環パイプ31は、浴槽40内の水を熱交換器13まで導く風呂戻パイプ部31aと、熱交換器13で加熱後の湯を浴槽40へ戻す風呂往パイプ部31bとから構成されている。風呂戻パイプ部31aの途中には循環ポンプ32と、風呂戻パイプ部31a内の通水の有無を検知する風呂流水スイッチ33が設けられている。また、風呂流水スイッチ33の近傍には、浴槽40側から流入する湯の温度を検知するための風呂温度サーミスタ34が取り付けてある。
【0025】
給湯用パイプ21の出湯側流路21bと、風呂戻パイプ部31aとは、注湯電磁弁35を備えた注湯パイプ36で接続されており、熱交換器13で加熱された給水を注湯パイプ36を介して浴槽40へ注湯することができるようになっている。
【0026】
給排気は、燃焼ファン14によって燃焼室11の下方側から給気を送風することによって強制的に行われ、排気は燃焼室11の上部から排出されるようになっている。バーナー12近傍には、図1では示していない点火装置15が設けてある。またバーナー12へ供給される燃焼ガスは、ガス電磁弁16、元ガス電磁弁17、ガス切替弁18によってオンオフ制御される。さらにバーナー12へ供給される燃焼ガスのガス量は、ガス比例弁19によって調整される。
【0027】
図2は、給湯器10の有する制御基盤の回路構成を示したものである。給湯器10の制御基盤は、各種制御の中枢的機能を果たすCPU(中央処理装置)51を備えている。CPU51には、データバスやアドレスバスなど各種バス52を介して各種の回路装置が接続されている。
【0028】
このうち、ROM(リード・オンリ・メモリ)53は、CPU51の実行するプログラムや各種の固定的データを記憶する読み出し専用メモリである。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)54は、プログラムを実行する上で、一時的に必要になるデータを記憶するための作業メモリである。
【0029】
不揮発性メモリ55は、給湯器10への電源供給が断となった場合でも、記憶内容を保持することのできるメモリである。通算時間計測部56は、給湯器10のプラグがコンセントに差し込まれ給電されている通算時間を計測する回路部分である。本体操作部57は、湯温の設定や、保温機能のオンオフなど各種の操作を行うためのスイッチ類や液晶ディスプレイなどを備えている。なお、本体操作部57は、リモコン操作部であってもよい。
【0030】
バス52には、各種回路装置とCPU51との間で電気信号の入出力を行うための入出力インターフェイス回路部58が接続されている。入出力インターフェイス回路部58には、フローセンサ26a、26b、各種サーミスタ27〜29、34、点火装置15、燃焼ファン14、各種ガス制御弁16〜19、および流量制御弁23、25、注湯電磁弁35および循環ポンプ32を駆動するポンプ駆動回路32aが接続されている。このほか、必要に応じて各種制御装置が入出力インターフェイス回路部58に接続される。
【0031】
次に作用を説明する。
まず、出湯を開始した直後から出湯温度を、設定温度に対し許容温度範囲(±3℃)内に収まるよう給湯用パイプ21内の湯を目標温度範囲に保温する保温機能(Q機能)について説明する。保温機能は、本体操作部57を介して逐次オンオフを指定できるほか、午前7時から午後7時までなど予め動作時間をタイマー設定することができる。さらに、前回の給湯を停止した後5分間だけ保温機能が動作するよう設定することも可能になっている。
【0032】
CPU51は、熱交サーミスタ28からの温度情報を基にして、給湯用パイプ21の熱交換器13部分に存在する湯の温度を検知している。保温機能がオンされかつ出湯されない状態で、すなわち通水の無い状態の下で熱交サーミスタ28の検知する給湯用パイプ21内の湯温が目標温度範囲の下限を下回ったとき、CPU51は、バーナー12を1秒から2秒の短時間点火し、給湯用パイプ21内の湯温を目標温度範囲内に維持するよう動作する。この際、CPU51は、ガス電磁弁16等を開閉させ、バーナー12への燃焼ガスの供給を制御する。以後の説明では、バーナー12の点火に伴って開閉する各種電磁弁を代表してガス電磁弁16で表している。
【0033】
図3は、ガス電磁弁16の通算動作回数の増加する様子の一例を示したものである。図中の点線61は、給湯や追い焚きなど上述の保温機能以外によってガス電磁弁16が開閉した通算の回数を示している。図3では、給湯など保温機能に基づく動作以外によってガス電磁弁16が1年に約1万回開閉している。点線62は、上述の保温機能に基づいてガス電磁弁16の開閉した通算回数を示しており、1年に約6万回開閉している。
【0034】
たとえば、1日に約8時間半、保温機能をオンし、当該機能がオンしている間約3分に1回の割合でバーナー12が点火しガス電磁弁16の開閉が行われた場合、保温機能に基づいてガス電磁弁16が1年に約6万回開閉することになる。
【0035】
ガス電磁弁16の寿命(動作上限回数)を約30万回とすると、上記のように保温機能を1日に約8時間半オンした場合、ガス電磁弁16の総動作回数(図3の実線63)は、約4年半で、寿命の30万回に到達してしまう。
【0036】
そこで、本実施の形態における給湯器10では、給湯器10の設定耐用期間(ここでは10年)の経過する前にガス電磁弁16の動作回数が動作上限回数に達しないよう、ある時点以後、保温機能の動作を強制的に禁止するようになっている。
【0037】
保温機能の強制停止を行う時期が到来したか否かを判定するため、CPU51は給湯器10が給電されている期間中におけるガス電磁弁16の動作回数を不揮発性メモリ55に記憶するようになっている。ここでは、給湯や追い焚きなど上述した保温機能以外の動作に基づいてガス電磁弁16の開閉を行った通算回数(通常動作回数)と、保温機能に基づく開閉も含めた総動作回数とを個別に計数し記憶している。
【0038】
なお、不揮発性メモリ55には、保温機能に基づくガス電磁弁16の動作回数(保温用動作回数)と、通常動作回数と、総動作回数のうちの少なくとも2つを記憶すればよく、通常動作回数と総動作回数に限るものではない。ただし、他のものを記憶した場合は、通常動作回数と総動作回数のうち記憶していないものを、他の2つの記憶している値を基にして演算で求めることになる。
【0039】
図4は、保温機能を強制的に禁止する時期が到来したか否かを判定する際の動作の流れを示している。CPU51は、通算時間計測部56が積算している通算の給電時間が予め設定された単位時間だけ増加するごとに(ステップS101;Y)、不揮発性メモリ55に記憶されている通算の通常動作回数(給湯など保温動作以外によるガス電磁弁16の通算動作回数)を読み出す(ステップS102)。さらに、この値と通算時間計測部56の計数している通算の給電時間とから単位時間当たりのガス電磁弁16の動作回数(平均動作回数)を求める(ステップS103)。
【0040】
なお、単位時間の長さは、利用者あるいは器具を設置した作業員によって設定可能になっている。すなわち、保温機能を強制停止すべきか否かの判定を行う周期である単位時間を、一日、1週間、1ヶ月あるいは数ヶ月または1年等に設定することが可能になっている。平日は保温機能を使わないが、土日だけ保温機能を終日作動させるような場合は、単位時間として1週間を設定することが好ましく、別荘など季節によって使用状況が大幅に異なる場合には、適切な単位時間は1年になる。
【0041】
平均動作回数を求めた後、設定耐用期間(ここでは10年)から現在までの通算の給電時間を差し引き、耐用設定期間が満了するまでの残り時間を求める。これを単位時間で除した値と、先ほど求めた平均動作回数の積を演算する(ステップS104)。これにより、保温機能をオフして給湯など通常の動作だけを行った場合に、現時点から設定耐用期間の満了するまでにガス電磁弁16の動作する予測動作回数が求まる。
【0042】
たとえば、現時点(通算の給電時間)が2年であり、1年当たりの平均動作回数が1万回であったとすると、保温機能をオフした状態で現時点から10年の設定耐用期間が満了するまでの間に、今後、ガス電磁弁16が約8万回動作するものと予測される。
【0043】
このようにして求めた予測動作回数と現時点における総動作回数との合計を求め(ステップS105)、この値がガス電磁弁16の動作上限回数(ここでは、30万回)に達するか否かを判定する(ステップS106)。すなわち、現時点から保温機能をオフした場合に、設定耐用期間の経過時点におけるガス電磁弁16の総動作回数が動作上限回数(寿命)に至るか否かを判定する。
【0044】
予測動作回数と現時点における総動作回数の合計が、動作上限回数に達する場合には(ステップS106;Y)、保温機能を強制停止すべき時期が到来したと判定し、以後、保温機能が動作しないよう当該機能を強制的にオフする(ステップS107)。一方、合計が動作上限回数に満たない場合は(ステップS106;N)、すぐに保温機能をオフしなくても設定耐用期間前にガス電磁弁16の寿命が尽きないと判断し、現時点で当該機能の強制停止は行わない。
【0045】
図5は、保温機能を強制停止させる時期が3年半で到来した際における動作回数の増加状況の一例を示したものである。図中の点線71は、動作上限回数から予測動作回数を差し引いた値を示しており、横に引いた一点破線73と、点線71との差(74)が各時点における予想動作回数を示している。また、実線72は、通算の給電時間に対する総動作回数を示している。
【0046】
この例では、1年当たりの平均動作回数が1万回であるので、点線71は、傾きが1万回/年であって、設定耐用期間の10年において動作上限回数(30万回)の点を通る直線として描かれている。たとえば、2年の時点における予測動作回数(74a)は、8万回であり、この時点における総動作回数(72a)が略12万回であるので、これらの合計は動作上限回数の30万回を越えない。したがって、2年の時点で、保温機能の強制停止は行われない。
【0047】
一方、3年半の時点では、予測動作回数(74b)が6万5千回で、この時点における総動作回数(72b)が13万5千回なので、これらの合計は30万に達する。このため、3年半の時点で保温機能は強制停止される。
【0048】
なお、上述の例のように単位時間を1年という長い期間に設定すると、3年半の時点では保温機能を停止させるか否かの判断は行われないので、4年目の判断でようやく保温機能が停止することになる。これでは、10年の設定耐用期間前にガス電磁弁16の寿命が尽きる可能性が高いので、3年目の判断で、保温機能の強制停止時期を予測し、それが次回の判定時期(4年)より手間のときは、3年目に求めた予測時期に保温機能を停止させるようにしてもよい。
【0049】
すなわち、3年目における総動作回数(72c)から実線72の傾きを求め、実線72と点線71の交差する点、すなわち、総動作回数と予測動作回数の合計が上限動作回数の30万回に至る時期を求め、当該時期が次の判定時期(4年目)より手前にあるとき、求めた時期を保温機能を強制停止すべき時期として設定する。CPU51は、通算時間計測部56の計数している通算の給電時間が、設定されている強制停止時期と一致したとき、保温機能を強制停止させる。
【0050】
このようにすれば、判定の周期(単位時間)を1年などの長い期間に設定しても、的確な時期に保温機能を強制停止することができる。
【0051】
以上説明した実施の形態では、給湯器10が給電されている通算の時間を通算時間計測部56によって計数するようにしたが、給電の有無にかかわらず給湯器10が設置されてからの経過時間を通算時間計測部56によって計数するようにしてもよい。たとえば、電池等でバックアップされた時計回路を通算時間計測部56として用いることで、設置後の通算時間を計数することができる。
【0052】
このように、給電の有無にかかわらず設置後の経過時間を基準にすることで、たとえば、別荘に設置された給湯器のように特定の季節だけ通電の有る場合であっても、保温機能の強制停止時期を的確に判定することができる。
【0053】
すなわち、冬だけ通電があり、しかも、通電中、常に保温機能を作動させたような場合、通電時間を基準にすると平均動作回数が大きな値になるので、予測動作回数が大きくなり(図5の点線71の傾斜が大きくなる)、保温機能が早期に強制停止されてしまう可能性がある。これに引き替え、器具設置後の経過時間を基準にすれば、冬だけ通電のあるような場合であっても、平均動作回数が小さい値になり、保温機能を停止させる時期が必要以上に早まるようなことを防止することができる。
【0054】
また、実施の形態では、単位時間を、一日、1週間、1ヶ月等の比較的長い周期に設定するようにしたが、数分ごとの短い周期あるいは出湯の行われるごとなどに行うようにしてもよい。また、保温機能を強制停止させる時期を、給湯器の使用状況を基に判断するようにしたが、保温機能をオフさせるべき一般的な動作回数を予め求めておき、ガス電磁弁16の総動作回数が予め設定した回数に達した時点で保温機能を強制停止させるようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】
本発明にかかる給湯器によれば、電磁弁の動作回数が所定回数に達した以後は、電磁弁の開閉が頻繁に行われる保温機能を強制的にオフするようにしたので、器具設置後の数年間は保温機能を作動させつつ、電磁弁の寿命を器具の耐用年数程度まで維持することができる。
【0056】
また、保温機能を強制停止させるべき時期が到来したか否かを判定するものでは、給湯器の使用状況に応じた的確な時期に保温機能が強制停止することができる。すなわち、保温機能の停止時期を最大限遅らすことができるとともに、耐用期間の満了する前に電磁弁の寿命が尽きてしまうことをより的確に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る給湯器を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る給湯器の有する制御基盤の回路構成を示すブロック図である。
【図3】電磁弁の通算動作回数の増加する様子の一例を示した説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る給湯器が保温機能を停止すべきか否かを判定する際に行う動作の流れを示す流れ図である。
【図5】電磁弁の通算動作回数の増加する様子の他の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
10…給湯器
12…バーナー
13…熱交換器
16…ガス電磁弁
21…給湯用パイプ
28…熱交サーミスタ
51…CPU
52…バス
53…ROM
54…RAM
55…不揮発性メモリ
56…通算時間計測部
Claims (3)
- 電磁弁を介してバーナーに燃焼ガスを供給する給湯器において、
前記電磁弁の動作回数を積算する動作回数積算手段と、前記電磁弁の動作上限回数を予め記憶した上限回数記憶手段と、前記電磁弁の動作回数が前記動作上限回数に至るまでに経過すべき耐用期間を予め記憶した耐用期間記憶手段と、器具が電源供給を受けている通算時間を計測する通算時間計測手段と、給湯流路内の水を所定温度範囲に保温する保温制御手段と、前記保温制御手段による保温動作が作動しないように設定する保温機能停止手段とを設け、
前記保温制御手段は、設定温度の湯が開栓後所定時間内に出湯されるよう開栓されない状態下で前記バーナーを燃焼させて前記給湯流路内の水を所定温度範囲に保温し、
前記動作回数積算手段は、前記保温制御手段の動作に基づく前記電磁弁の動作回数と当該保温制御手段の動作に基づくもの以外における前記電磁弁の動作回数とこれら双方を合わせた電磁弁の動作回数のうちの少なくともいずれか2つの動作回数を個別に積算し、
前記保温機能停止手段は、平均動作回数取得部と保温機能停止部とを備え、
前記平均動作回数取得部は、前記保温制御手段の動作に基づくもの以外における前記電磁弁の動作回数の積算値を前記通算時間計測手段の計測している前記通算時間で除した単位時間当たりの平均電磁弁動作回数を求め、
前記保温機能停止部は、現時点から前記電磁弁を単位時間当たり前記平均電磁弁動作回数ずつ動作させた場合に前記耐用期間の到来する時点で当該電磁弁の総動作回数が前記動作上限回数に達すると判定したとき、それ以後前記保温制御手段による保温動作が作動しないように設定することを特徴とする給湯器。 - 電磁弁を介してバーナーに燃焼ガスを供給する給湯器において、
前記電磁弁の動作回数を積算する動作回数積算手段と、前記電磁弁の動作上限回数を予め記憶した上限回数記憶手段と、前記電磁弁の動作回数が前記動作上限回数に至るまでに経過すべき耐用期間を予め記憶した耐用期間記憶手段と、器具を設置した後の通算時間を計測する通算時間計測手段と、給湯流路内の水を所定温度範囲に保温する保温制御手段と、前記保温制御手段による保温動作が作動しないように設定する保温機能停止手段とを設け、
前記保温制御手段は、設定温度の湯が開栓後所定時間内に出湯されるよう開栓されない状態下で前記バーナーを燃焼させて前記給湯流路内の水を所定温度範囲に保温し、
前記動作回数積算手段は、前記保温制御手段の動作に基づく前記電磁弁の動作回数と当該保温制御手段の動作に基づくもの以外における前記電磁弁の動作回数とこれら双方を合わせた電磁弁の動作回数のうちの少なくともいずれか2つの動作回数を個別に積算し、
前記保温機能停止手段は、平均動作回数取得部と、保温機能停止部とを備え、
前記平均動作回数取得部は、前記保温制御手段の動作に基づくもの以外における前記電磁弁の動作回数の積算値を前記通算時間計測手段の計測している前記通算時間で除した単位時間当たりの平均電磁弁動作回数を求め、
前記保温機能停止部は、現時点から前記電磁弁を単位時間当たり前記平均電磁弁動作回数ずつ動作させた場合に前記耐用期間の到来する時点で当該電磁弁の総動作回数が前記動作上限回数に達すると判定したとき、それ以後前記保温制御手段による保温動作が作動しないように設定することを特徴とする給湯器。 - 前記保温機能停止手段は、単位時間の経過するごとに前記保温制御手段による保温動作の作動を停止すべきか否かの判定を行うことを特徴とする請求項1または2記載の給湯器。
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