JP3862659B2 - 発電機の冷却 - Google Patents

Description

本発明は、リング型発電機（ring generator）と、該リング型発電機の領域に導熱ハウジング部（heat-conducting housing）を有するハウジングとを備えた風力発電装置（wind power installation）に関するものである。

エネルギの変換は、定常的に熱の形態の損失（loss）を伴っている。これはまた、当然、風力発電装置の発電機における風の力学的エネルギの電気エネルギへの変換についても当てはまり、かかる損失はまた、定常的に、風力発電装置の主動力伝達部（main drive train）でも生じる。風力発電装置のポッド（pod）内に配置された主動力伝達部においては、該損失は発電機の主要部に対して生じる。

従来、エネルギ損失に起因する熱は、ファンを用いることにより、あるいは外部から吸入される冷たい空気により又はパイロン内で循環する加熱された空気により、周囲の大気中に排出されているが、この熱はパイロンの壁部を介して外部に排出されている。

最も強い技術的関連性を有すると考えられる特許文献１は、リング型発電機を有する風力発電装置を開示している。このリング型発電機においては、ステータは、冷却板を備えたいわゆるコンバータハウジング（ポッド）によって、積極的にロックされた関係（positively locking relationship）で収容されている。
東独国特許出願公開第２５６１６９号明細書

しかしながら、上記従来の構造は、発電機の機械的な振動（vibration）及び発振（oscillation）が音響障害及び音響干渉としてあらわれるといった不具合を生じさせる。本発明の目的は、非常に実質的にこのような不具合を除去することである。

本発明によれば、上記目的は、本明細書の冒頭部に記載された種類の風力発電装置において、リング型発電機の外側周縁部（outside periphery）と導熱ハウジング部（heat-conducting housing portion）との間に、予め決められた空間部（predetermined spacing）を設けることにより達成される。

リング型発電機の外側周縁部と導熱ハウジング部との間の予め決められた上記空間部は、発電機とポッドハウジングとの間を機械的に分断させ、これにより機械的振動は、発電機からハウジングのまわりに伝達されなくなり、周囲で感知されなくなる。この場合、熱エネルギは確かに空気を介して伝達されなければならないが、上記目的を達するために、最初に発電機によって横方向に（laterally）除去されたエネルギを取り出し、外部に排出することも可能である。

導熱ハウジング部がポッドハウジングの静止部に固定されている場合は、とくに簡素な任意的な取り付け形態とすることができる。
熱の排出機能を有する表面領域を増やすために、上記外側周縁部に、軸方向を向いた冷却リブを分布させてもよい。

とくに好ましい形態においては、アルミニウムは重量が軽く良好な熱伝導度を備えているといった利点があることから、導熱ハウジング部がアルミニウムでつくられる。ここで、さらに好ましい実施態様においては、導熱ハウジング部の形状はポッドハウジングの形状と整合（match）している。

本発明の好ましい発展形においては、導熱ハウジング部は、予め決められた量だけ、少なくとも一方側で発電機を超えて突出し、これにより最初に発電機からその側に除去された熱量もまた、周囲の大気中に排出することができる。
有利な実施の態様は、従属形式の請求項に記載されている。

以下、添付の図面を参照しつつ、本発明をより詳細に説明する。
図１において、参照番号１０は、本発明にかかる風力発電装置のポッドを支持しているパイロン（pylon：塔）の上部を示している。このポッドは、フロント部１２とリヤ部１４とを有している。フロント部１２は、部分的に示されているロータブレード１１の根元部を含み、この根元部はロータとともに回転するようになっている。

リヤ部１４は、ステータ１６（固定子）及びロータ１８（回転子）を備えたリング型発電機を囲んでいる。したがって、ステータ１６はポッドのリヤ領域１４と同様に静止しており、他方ロータ１８はロータブレード１１を伴った風力発電装置のロータハブ（図示せず）と協働する。

発電機１６、１８の領域においては、これに対して予め決められた間隔で、ポッドハウジングのリヤ部１４の一部２０が、熱伝導性材料、好ましくはアルミニウムで形成されている。上記導熱ハウジング部２０は、発電機１６、１８によって放出された熱を受け取って、そこを通り過ぎて流れている周囲の空気に排出する。発電機のステータ１６と導熱ハウジング部２０との間の予め決められたエアギャップにより、これらの２つの部品の間には直接の機械的接続は存在せず、これにより発電機から上記導熱ハウジング部２０に振動が伝達されなくなり、外部では不可聴となる。

導熱ハウジング部２０は発電機よりも軸方向に広いので、まず発電機１６、１８によって横方向に放射（emit）された熱量を取り出して（pick up）、それらを周囲の大気中に放出する。

パイロン１０の頭部と、下向きに面しているロータブレードアタッチメント１１との間の領域において、ポッドハウジング１４の散熱ハウジング部２０の上には、その外側に、冷却リブ２６が設けられている。この冷却リブは、散熱ハウジング部２０（heat-dissipating housing portion）の表面積を増加させ、これにより熱を外部環境に、より良好に排出することができる。このような冷却リブ２６は、ポッドハウジングの外側周縁部の全体に（又はその一部に）、（又は内側周縁部に）に−内側及び／又は外側に−配置することができる。このような冷却リブが内側に配置された場合、該冷却リブは、とくに、発電機のステータ１６の直上には設けられていない導熱ハウジング部２０の側部領域に設けられる。

図２は、導熱ハウジング部２０が、互いに重なり合う２つの部分２２、２４に分割されている代替的な実施の形態を示している。この場合、ハウジング部１２は導熱ハウジング部２２の一部に接続され、他方ポッド１４の第２の部分は導熱ハウジング部の第２の部分２４に接続されている。この場合、ハウジング部１２とポッドハウジング１４とは、両方とも、好ましく非金属材料、つまり完全な導熱性物質ではない材料、例えばＧＲＰでつくられている。

この実施の形態で示されている風力発電装置はいわゆる風上ロータ型（windward rotor type）である。したがって、風は、導熱ハウジング部の第２の部分２４に到達してこの後第２のポッド部１４に行く前に、まず導熱ハウジング部２２と結合している（伴っている）第１のハウジング部１２を流れるのが常であろう。それゆえ、水分は、常に、部分２２から風によって輸送され、この後部分２４を経由して風力発電装置のリヤ側（風下側）に輸送され、部分２２と部分２４との間の間隙（gap）を通ってポッドを通り抜けることは、言及に値するほどはできない。

導熱ハウジング部の２つの部分２２、２４間に、水分が侵入するのをより困難にするシール手段を設けることが可能であるということが理解されるであろう。

ポッドのハウジングの内部が何らかの加圧された状態にある場合、空気は２つのハウジング部２２、２４間の間隙を介して逃げることができ、これによりポッドの内部への水分の侵入を防止することができる。

本発明のこの実施の形態においてもまた、横方向に放射された熱を散逸させることができるように、軸方向における導熱ハウジング部２２、２４の範囲は、発電機１６、１８の範囲よりもかなり大きくなっている。

本発明にかかる風力発電装置の単純化された側面図である。 本発明の代替的な実施の形態の細部の単純化された図である。

符号の説明

１０ パイロンの上部、１１ ロータブレード、１２ フロント部、１４ リヤ部、１６ ステータ、１８ ロータ、２０ 導熱ハウジング部、２２ 導熱ハウジング部、２４ 導熱ハウジング部、２６ 冷却リブ。

Claims (12)

1. リング型発電機と、該リング型発電機を囲む風力発電装置のポッドハウジングとを備えている風力発電装置であって、
   ポッドハウジングが、リング型発電機の領域に導熱ハウジング部を有していて、
   リング型発電機の外側周縁部と導熱ハウジング部との間に、予め決められた空間部が設けられ、
   導熱ハウジング部がポッドハウジングとは異なる材料を含んでいる風力発電装置。
2. 導熱ハウジング部（２０、２４）がハウジングの静止部（１４）に固定されていることを特徴とする、請求項１に記載の風力発電装置。
3. 上記外側周縁部とは離間した位置関係で、軸方向に向く冷却リブ（２６）が設けられていることを特徴とする、請求項１又は２に記載の風力発電装置。
4. 導熱ハウジング部（２０、２２）が、ハウジングの回転部（１２）に固定されていることを特徴とする、請求項１に記載の風力発電装置。
5. 導熱ハウジング部（２２、２４）が、周縁部に沿った、互いに分離された２つの部分に分割され、第１の部分（２２）がハウジングの回転部（１２）に取り付けられ、第２の部分（２４）がハウジングの静止部（１４）に取り付けられていることを特徴とする、請求項１に記載の風力発電装置。
6. 導熱ハウジング部の第２の部分（２４）に冷却リブが設けられていることを特徴とする、請求項５に記載の風力発電装置。
7. 導熱ハウジング部の第１の部分（２２）が、導熱ハウジング部の第２の部分（２４）と重なっていることを特徴とする、請求項５又は６に記載の風力発電装置。
8. 導熱ハウジング部の第１及び第２の部分（２２、２４）間にシール手段を備えていることを特徴とする、請求項５〜７のいずれか１つに記載の風力発電装置。
9. 導熱ハウジング部（２０、２２、２４）が、実質的にアルミニウムでつくられていることを特徴とする、請求項１〜８のいずれか１つに記載の風力発電装置。
10. 導熱ハウジング部（２０、２２、２４）の形状が、ポッドハウジング（１２、１４）の形状と整合していることを特徴とする、請求項１〜９のいずれか１つに記載の風力発電装置。
11. 導熱ハウジング部（２０、２２、２４）が、軸方向の少なくとも一方側で、予め決められた量だけ発電機（１６、１８）を超えて突出していることを特徴とする、請求項１〜１０のいずれか１つに記載の風力発電装置。
12. 導熱ハウジング部の外側及び／又は内側に冷却リブが設けられていることを特徴とする、請求項６に記載の風力発電装置。

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