JP3862078B2 - 二次電池回復方法と二次電池充電装置 - Google Patents
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- Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、二次電池回復方法と二次電池充電装置に関し、例えばリチウムイオン電池やニッケルカドミウム電池などの二次電池の充電方法と充電装置に利用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン二次電池等は、過充電を行うと事故につながり、過放電を行うと繰り返し充放電回数が極端に悪くなるので、その充放電の取り扱いには格別の配慮が必要である。このようなリチウムイオン電池に関しては、日経マグロウヒル社、1995年1120付「日経エレクトロニクス」第100〜117頁がある。
【発明が解決しようとする課題】
二次電池において、充放電回数が少ないにも拘わらず急速に電圧が低下し、出力電圧かほぼ0Vとなる現象がある(ニッケルカドミウムなどの例)。この状態では、通常の条件で充電をしても端子電圧が上昇せず充電ができない。このような二次電池の劣化現象はよく経験するにもかかわらず、特にその回復方法について取り上げられたことはない。なお、二次電池の充放電の繰り返しによる性能低下(メモリー効果)などに対して性能回復の機能を付加した充電器は存在するが上記のような現象には適応できない。通常の充電器では、特に安全性の観点から、端子電圧を検出して小電流でしばらく充電しても基準電圧以下の場合は、回復不可能な劣化とみなして充電を行なわない。
【0003】
本願発明者において、上記のように充放電回数が少ないにも拘わらず急速に電圧が低下して出力電圧かほぼ0Vとなったものの調査を行った結果、内部インピーダンスが0オームに近くなっている現象を発見した。この現象は電池内部で局部的に金属の析出などでショートしていることに原因があると推定し、これを除去すれば元に復帰できるものと考えて実験した結果、予想通りの回復効果が得られ、本願発明が成されるに至った。
【0004】
この発明の目的は、電池内部で局部的なショートしているとみられる二次電池の機能回復を可能にした二次電池回復方法と二次電池充電装置を提供することにある。この発明の他の目的は、二次電池の実質的な長寿命化を実現した二次電池回復方法と二次電池充電装置を提供することにある。この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。充電電流回路に二次電池を充電するための充電電流に加えて上記充電電流よりも小さくされたセンス電流と、及び二次電池が破損しない範囲で上記充電電流よりも大きくされた回復電流との供給機能を付加し、上記充電電流回路によりセンス電流を流し、電圧判定回路により二次電池の端子電圧と所定電圧との大小を判定し、上記端子電圧が上記所定電圧以下なら上記制御回路により充電電流回路を制御して上記二次電池が破損しない範囲で上記回復電流を一時的に流す動作を1ないし複数回行い、上記端子電圧が上記所定電圧以下のままなら不良と判定し、上記端子電圧が上記所定電圧以上になら所定の充電電流による充電動作を行う。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1には、この発明に係る二次電池回復方法の一実施例を説明するためのフローチャート図が示されている。この実施例は、電池内部で局部的に金属の析出などでショートしているか否かの検出とその回復に向けらており、次の1ないし13のステップからなる。
【0007】
ステップ1では、充電動作の開始が指示され、電池出力が劣化し、通常の充電電流では充電不可能な二次電池も含まれる。ステップ2では、所定のセンス電流を流す。通常の充電電流は、1/10〜1/100C 1 OC(Cは当該二次電池の電流容量値)であり、上記センス電流は、一般的な充電電流よりも約1ないし2桁小さな数mA程度の電流値にされる。
【0008】
ステップ3では、上記センス電流に対応した出力電圧Vを検出して所定電圧aとの比較を行う。V>aならステップ4において充電可能若しくは容量低下などと判断し、後に説明するステップ9での通常充電動作に移行する。もしも容量低下ならかかる充電動作の中で充電不能と判断される。V<aなら内部が局部的にショートなど異状を生じていると判断して、以下の回復動作が実施される。
【0009】
ステップ5では、内部のショート箇所を電流切断するため、上記充電電流よりも大きい、例えば約1桁大きい1A程度の大電流パルス(1ms〜1秒程度)を流す。このような大電流を継続的に流して内部のガスの発生を伴うと、電解液の漏れや爆発の危険があるため、二次電池が破損しない範囲に設定される。安全のために、電圧をモニターするなどして所定の電圧以上が印加されないことあるいは所定の電流以上が流れないように制御する。例えば、最大電源電圧を固定しても良いし、電流パルスを上記に拘わらず所定の電圧に達した時点で切断するようにしてもよい。
【0010】
ステップ6では、再びセンス電流を流す。ステップ7では、電池電圧Vが所定の電圧b(通常、二次電池の起電力に近い値もしくは充電可能電圧)に達しているか否かの判定が行われ、V>bなら内部の異常個所が切断されたと判定されて、ステップ8にて回復信号が形成されてステップ9での通常充電動作に移行する。所定の電圧以下の場合(V<b)は、まだ異常個所が切断されなかったのであり、印加電流値を増加(I=I+ΔI)して(またはパルス幅(時間)を増加しても良い)に戻り、ステップ11にて上記印加電流Iが上限電流Imax以下(I<Imax)のときには、ステップ5に戻り同様の動作を行なう。
【0011】
上記回復のためのパルス電流値が極端に大きくなると、ガスの発生や発熱など危険を伴うため、所定の上限値になった場合は本動作の継続を停止するためにステップ11が設けられる。ステップ12では、当該二次電池は、本願発明に係る方法での性能の回復が不可能であり、非回復信号を発生して当該二次電池の廃棄を促てし終了する。
【0012】
上記ステップ9での充電動作については、説明を省略するが一般的な二次電池の充電動作に従うものであり、電池電圧Vを監視して過充電にならないような制御動作が行われる。このときの充電電流は、例えば数100mA程度にされる。もしも、一定時間充電動作を行っても電池電圧が上昇しないなら不良とされる。
【0013】
図2には、この発明に係る二次電池充電装置の一実施例のブロック図が示されている。この実施例では、二次電池Eに供給される充電電流i1を形成する充電電流流供給回路A1に加えて、センス電流i2を形成するセンス電流供給回路A2及び回復電流i3を形成する回復電流供給回路A3が設けられる。一般には、充電電流i1は、前記説明したように1/10〜1/100C 1 OC(Cは当該二次電池の電流容量値)であり、数100mAないし数10mA程度にされる。これに対して、上記センス電流i2は、上記一般的な充電電流よりも約1ないし2桁小さな数mA程度の電流値にされ、回復電流i3は上記一般的な充電電流よりも約1ないし2桁大きな1A程度の電流値にされる。
【0014】
上記電流供給回路A1ないしA3の出力は共通化され、二次電池Eの正極と接続れる端子+Bに接続される。上記電流供給回路A1ないしA3には、並列に電圧判定回路Vが設けられる。二次電池の負極と接続される端子−Bは、回路の接地電位とされ、上記電流供給回路A1ないしA3及び電圧判定回路の接地電位に接続される。特に制限されないが、この接地電位には、微小抵抗rを挿入し、上記二次電池Eに流れる電流iを検知し、前記のような二次電池の安全のための電流のモニターに使用するものであってもよい。
【0015】
電源回路VGは、100Vの商用交流電源から充電装置の上記電流供給回路A1〜A3の動作及び次に説明する制御回路CNTの動作に必要な直流電源を形成する。制御回路CNTは、上記図1のフローチャートに従って上記電流供給回路A1〜A3の制御及び電圧判定回路Vの判定結果あるいは判定電圧を受けて、前記のような電圧判定動作を行ってショート回復動作及び充電動作を行う。また、必要なら、上記抵抗rにより発生した電圧から二次電池Eに供給される電流iをモニタし、所望の電流となるような制御あるいは過剰電流に対する保護動作を行う。
【0016】
上記のようなセンス電流から回復電流までの広範囲にわたる可変電流供給回路を用いることにより、1つの電流供給回路に置き換えるものであってもよい。しかし、上記充電電流、センス電流及び回復電流は、それぞれが1桁ないし2桁も大きく離れて電流であるので、この実施例のようにそれぞれの電流値に適合した電流供給回路を設けたほうが回路の簡素化を図ることができし、回路の簡素化も可能である。
【0017】
従来の充電装置では、部分ショートなどで極端に内部インピーダンスが低下し、端子電圧か低下したものは、充電を開始しても端子電圧が上昇しないため充電できず、本来の電池構成材料に劣化が無くても寿命と勘違いして電池は廃棄せざるを得なかったが、本願発明に係る二次電池回復方法又は二次電池充電装置の適用によってかかる部分ショートなどで極端に内部インピーダンスが低下し、端子電圧か低下した電池の性能回復が可能になる。
【0018】
二次電池の電圧低下は、繰り返し充放電により電池構成材料そのものが劣化したものと、電池構成材料は劣化していないが、内部で部分的にショートなどを生じたもの、あるいはそのようにみなせる程度に端子電圧か劣化したものがあり、本願発明により後者のような場合については、前記のような回復動作によって充電をできるようにする。このように内部の局部的なショートなどなどの異状により、端子電圧が0V近くに低下して充電不能となった二次電池を正常に充電可能にすることができる。
【0019】
以上本発明者よりなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記図1で説明した二次電池の回復動作を実施するために、センス電流により電池の端子電圧を計測し、内部がほぼショートと等価な異状状態であることを検出する手段と、短パルス大電流を印加しショートなどの異状箇所を発熱などの衝撃により切断する手段と、センス電流によりパルス印加後の端子電圧を検出し、異状か回復したことを検出し信号を出力する手段と、異状状態が回復しないときに、さらに電流値(又はパルス幅またはパルス回数)を増加して再度回復動作を行なわける手段と、所定回数において回復しない場合、電流印加を中止して回復不可と判断する手段を備えていればよく、その具体的構成は種々の実施形態を採ることができる。
【0020】
上記のような強制的な電流パルスの印加と端子電圧のモニターを繰り返すことで、局部的なショートなどの異状箇所のみを発熱などの衝撃により切断し、電池性能を回復し充電動作が可能となる。しかも、印加パルス電流、パルス幅を適切に制御するため、電池内のガス発生や温度上昇を抑制し安全に回復させることができる。従来の充電装置にこのような回復機能を付加することにより、今後急速に増加して行く二次電池の充電性能や寿命を向上することができる。また、電池製造時における内部異状品のスクリーニングにも適用することができる。
【0021】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。充電電流回路に二次電池を充電するための充電電流に加えて上記充電電流よりも小さくされたセンス電流と、及び二次電池が破損しない範囲で上記充電電流よりも大きくされた回復電流との供給機能を付加し、上記充電電流回路によりセンス電流を流し、電圧判定回路により二次電池の端子電圧と所定電圧との大小を判定し、上記端子電圧が上記所定電圧以下なら上記制御回路により充電電流回路を制御して上記二次電池が破損しない範囲で上記回復電流を一時的に流す動作を1ないし複数回行い、上記端子電圧が上記所定電圧以下のままなら不良と判定し、上記端子電圧が上記所定電圧以上になら所定の充電電流による充電動作を行うことより、電池内部で局部的なショートしているとみられる二次電池の機能回復を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る二次電池回復方法の一実施例を説明するためのフローチャート図である。
【図2】この発明に係る二次電池充電装置の一実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
VG…電源回路、CNT…制御回路、A1…充電電流供給回路、A2…センス電流供給回路、A3…回復電流供給回路、i1…充電電流、i2…センス電流、i3…回復電流、V…電圧判定回路、E…二次電池、r…微小抵抗。
【発明の属する技術分野】
この発明は、二次電池回復方法と二次電池充電装置に関し、例えばリチウムイオン電池やニッケルカドミウム電池などの二次電池の充電方法と充電装置に利用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン二次電池等は、過充電を行うと事故につながり、過放電を行うと繰り返し充放電回数が極端に悪くなるので、その充放電の取り扱いには格別の配慮が必要である。このようなリチウムイオン電池に関しては、日経マグロウヒル社、1995年1120付「日経エレクトロニクス」第100〜117頁がある。
【発明が解決しようとする課題】
二次電池において、充放電回数が少ないにも拘わらず急速に電圧が低下し、出力電圧かほぼ0Vとなる現象がある(ニッケルカドミウムなどの例)。この状態では、通常の条件で充電をしても端子電圧が上昇せず充電ができない。このような二次電池の劣化現象はよく経験するにもかかわらず、特にその回復方法について取り上げられたことはない。なお、二次電池の充放電の繰り返しによる性能低下(メモリー効果)などに対して性能回復の機能を付加した充電器は存在するが上記のような現象には適応できない。通常の充電器では、特に安全性の観点から、端子電圧を検出して小電流でしばらく充電しても基準電圧以下の場合は、回復不可能な劣化とみなして充電を行なわない。
【0003】
本願発明者において、上記のように充放電回数が少ないにも拘わらず急速に電圧が低下して出力電圧かほぼ0Vとなったものの調査を行った結果、内部インピーダンスが0オームに近くなっている現象を発見した。この現象は電池内部で局部的に金属の析出などでショートしていることに原因があると推定し、これを除去すれば元に復帰できるものと考えて実験した結果、予想通りの回復効果が得られ、本願発明が成されるに至った。
【0004】
この発明の目的は、電池内部で局部的なショートしているとみられる二次電池の機能回復を可能にした二次電池回復方法と二次電池充電装置を提供することにある。この発明の他の目的は、二次電池の実質的な長寿命化を実現した二次電池回復方法と二次電池充電装置を提供することにある。この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。充電電流回路に二次電池を充電するための充電電流に加えて上記充電電流よりも小さくされたセンス電流と、及び二次電池が破損しない範囲で上記充電電流よりも大きくされた回復電流との供給機能を付加し、上記充電電流回路によりセンス電流を流し、電圧判定回路により二次電池の端子電圧と所定電圧との大小を判定し、上記端子電圧が上記所定電圧以下なら上記制御回路により充電電流回路を制御して上記二次電池が破損しない範囲で上記回復電流を一時的に流す動作を1ないし複数回行い、上記端子電圧が上記所定電圧以下のままなら不良と判定し、上記端子電圧が上記所定電圧以上になら所定の充電電流による充電動作を行う。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1には、この発明に係る二次電池回復方法の一実施例を説明するためのフローチャート図が示されている。この実施例は、電池内部で局部的に金属の析出などでショートしているか否かの検出とその回復に向けらており、次の1ないし13のステップからなる。
【0007】
ステップ1では、充電動作の開始が指示され、電池出力が劣化し、通常の充電電流では充電不可能な二次電池も含まれる。ステップ2では、所定のセンス電流を流す。通常の充電電流は、1/10〜1/100C 1 OC(Cは当該二次電池の電流容量値)であり、上記センス電流は、一般的な充電電流よりも約1ないし2桁小さな数mA程度の電流値にされる。
【0008】
ステップ3では、上記センス電流に対応した出力電圧Vを検出して所定電圧aとの比較を行う。V>aならステップ4において充電可能若しくは容量低下などと判断し、後に説明するステップ9での通常充電動作に移行する。もしも容量低下ならかかる充電動作の中で充電不能と判断される。V<aなら内部が局部的にショートなど異状を生じていると判断して、以下の回復動作が実施される。
【0009】
ステップ5では、内部のショート箇所を電流切断するため、上記充電電流よりも大きい、例えば約1桁大きい1A程度の大電流パルス(1ms〜1秒程度)を流す。このような大電流を継続的に流して内部のガスの発生を伴うと、電解液の漏れや爆発の危険があるため、二次電池が破損しない範囲に設定される。安全のために、電圧をモニターするなどして所定の電圧以上が印加されないことあるいは所定の電流以上が流れないように制御する。例えば、最大電源電圧を固定しても良いし、電流パルスを上記に拘わらず所定の電圧に達した時点で切断するようにしてもよい。
【0010】
ステップ6では、再びセンス電流を流す。ステップ7では、電池電圧Vが所定の電圧b(通常、二次電池の起電力に近い値もしくは充電可能電圧)に達しているか否かの判定が行われ、V>bなら内部の異常個所が切断されたと判定されて、ステップ8にて回復信号が形成されてステップ9での通常充電動作に移行する。所定の電圧以下の場合(V<b)は、まだ異常個所が切断されなかったのであり、印加電流値を増加(I=I+ΔI)して(またはパルス幅(時間)を増加しても良い)に戻り、ステップ11にて上記印加電流Iが上限電流Imax以下(I<Imax)のときには、ステップ5に戻り同様の動作を行なう。
【0011】
上記回復のためのパルス電流値が極端に大きくなると、ガスの発生や発熱など危険を伴うため、所定の上限値になった場合は本動作の継続を停止するためにステップ11が設けられる。ステップ12では、当該二次電池は、本願発明に係る方法での性能の回復が不可能であり、非回復信号を発生して当該二次電池の廃棄を促てし終了する。
【0012】
上記ステップ9での充電動作については、説明を省略するが一般的な二次電池の充電動作に従うものであり、電池電圧Vを監視して過充電にならないような制御動作が行われる。このときの充電電流は、例えば数100mA程度にされる。もしも、一定時間充電動作を行っても電池電圧が上昇しないなら不良とされる。
【0013】
図2には、この発明に係る二次電池充電装置の一実施例のブロック図が示されている。この実施例では、二次電池Eに供給される充電電流i1を形成する充電電流流供給回路A1に加えて、センス電流i2を形成するセンス電流供給回路A2及び回復電流i3を形成する回復電流供給回路A3が設けられる。一般には、充電電流i1は、前記説明したように1/10〜1/100C 1 OC(Cは当該二次電池の電流容量値)であり、数100mAないし数10mA程度にされる。これに対して、上記センス電流i2は、上記一般的な充電電流よりも約1ないし2桁小さな数mA程度の電流値にされ、回復電流i3は上記一般的な充電電流よりも約1ないし2桁大きな1A程度の電流値にされる。
【0014】
上記電流供給回路A1ないしA3の出力は共通化され、二次電池Eの正極と接続れる端子+Bに接続される。上記電流供給回路A1ないしA3には、並列に電圧判定回路Vが設けられる。二次電池の負極と接続される端子−Bは、回路の接地電位とされ、上記電流供給回路A1ないしA3及び電圧判定回路の接地電位に接続される。特に制限されないが、この接地電位には、微小抵抗rを挿入し、上記二次電池Eに流れる電流iを検知し、前記のような二次電池の安全のための電流のモニターに使用するものであってもよい。
【0015】
電源回路VGは、100Vの商用交流電源から充電装置の上記電流供給回路A1〜A3の動作及び次に説明する制御回路CNTの動作に必要な直流電源を形成する。制御回路CNTは、上記図1のフローチャートに従って上記電流供給回路A1〜A3の制御及び電圧判定回路Vの判定結果あるいは判定電圧を受けて、前記のような電圧判定動作を行ってショート回復動作及び充電動作を行う。また、必要なら、上記抵抗rにより発生した電圧から二次電池Eに供給される電流iをモニタし、所望の電流となるような制御あるいは過剰電流に対する保護動作を行う。
【0016】
上記のようなセンス電流から回復電流までの広範囲にわたる可変電流供給回路を用いることにより、1つの電流供給回路に置き換えるものであってもよい。しかし、上記充電電流、センス電流及び回復電流は、それぞれが1桁ないし2桁も大きく離れて電流であるので、この実施例のようにそれぞれの電流値に適合した電流供給回路を設けたほうが回路の簡素化を図ることができし、回路の簡素化も可能である。
【0017】
従来の充電装置では、部分ショートなどで極端に内部インピーダンスが低下し、端子電圧か低下したものは、充電を開始しても端子電圧が上昇しないため充電できず、本来の電池構成材料に劣化が無くても寿命と勘違いして電池は廃棄せざるを得なかったが、本願発明に係る二次電池回復方法又は二次電池充電装置の適用によってかかる部分ショートなどで極端に内部インピーダンスが低下し、端子電圧か低下した電池の性能回復が可能になる。
【0018】
二次電池の電圧低下は、繰り返し充放電により電池構成材料そのものが劣化したものと、電池構成材料は劣化していないが、内部で部分的にショートなどを生じたもの、あるいはそのようにみなせる程度に端子電圧か劣化したものがあり、本願発明により後者のような場合については、前記のような回復動作によって充電をできるようにする。このように内部の局部的なショートなどなどの異状により、端子電圧が0V近くに低下して充電不能となった二次電池を正常に充電可能にすることができる。
【0019】
以上本発明者よりなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記図1で説明した二次電池の回復動作を実施するために、センス電流により電池の端子電圧を計測し、内部がほぼショートと等価な異状状態であることを検出する手段と、短パルス大電流を印加しショートなどの異状箇所を発熱などの衝撃により切断する手段と、センス電流によりパルス印加後の端子電圧を検出し、異状か回復したことを検出し信号を出力する手段と、異状状態が回復しないときに、さらに電流値(又はパルス幅またはパルス回数)を増加して再度回復動作を行なわける手段と、所定回数において回復しない場合、電流印加を中止して回復不可と判断する手段を備えていればよく、その具体的構成は種々の実施形態を採ることができる。
【0020】
上記のような強制的な電流パルスの印加と端子電圧のモニターを繰り返すことで、局部的なショートなどの異状箇所のみを発熱などの衝撃により切断し、電池性能を回復し充電動作が可能となる。しかも、印加パルス電流、パルス幅を適切に制御するため、電池内のガス発生や温度上昇を抑制し安全に回復させることができる。従来の充電装置にこのような回復機能を付加することにより、今後急速に増加して行く二次電池の充電性能や寿命を向上することができる。また、電池製造時における内部異状品のスクリーニングにも適用することができる。
【0021】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。充電電流回路に二次電池を充電するための充電電流に加えて上記充電電流よりも小さくされたセンス電流と、及び二次電池が破損しない範囲で上記充電電流よりも大きくされた回復電流との供給機能を付加し、上記充電電流回路によりセンス電流を流し、電圧判定回路により二次電池の端子電圧と所定電圧との大小を判定し、上記端子電圧が上記所定電圧以下なら上記制御回路により充電電流回路を制御して上記二次電池が破損しない範囲で上記回復電流を一時的に流す動作を1ないし複数回行い、上記端子電圧が上記所定電圧以下のままなら不良と判定し、上記端子電圧が上記所定電圧以上になら所定の充電電流による充電動作を行うことより、電池内部で局部的なショートしているとみられる二次電池の機能回復を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る二次電池回復方法の一実施例を説明するためのフローチャート図である。
【図2】この発明に係る二次電池充電装置の一実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
VG…電源回路、CNT…制御回路、A1…充電電流供給回路、A2…センス電流供給回路、A3…回復電流供給回路、i1…充電電流、i2…センス電流、i3…回復電流、V…電圧判定回路、E…二次電池、r…微小抵抗。
Claims (5)
- 充電電流よりも小さくされたセンス電流を流して電池電圧が所定電圧以下のときには、二次電池が破損しない範囲で上記充電電流よりも大きな電流を一時的に流す動作を1ないし複数回行い、
上記電池電圧が上記所定電圧以下のままなら不良と判定し、
上記電池電圧が上記所定電圧以上なら所定の充電電流による充電動作を可能と判定することを特徴とする二次電池回復方法。 - 充電電流よりも小さくされたセンス電流、二次電池を充電するための充電電流、及び二次電池が破損しない範囲で上記充電電流よりも大きくされた回復電流の供給が可能にされた充電電流回路と、
上記二次電池の端子電圧を判定する電圧判定回路と、
上記充電電流の切り換えを行う制御回路とを含み、
上記充電電流回路によりセンス電流を流し、上記電圧判定回路により二次電池の端子電圧と所定電圧との大小を判定し、上記端子電圧が上記所定電圧以下なら上記制御回路により充電電流回路を制御して上記二次電池が破損しない範囲で上記回復電流を一時的に流すことを特徴とする二次電池充電装置。 - 請求項2において、
上記センス電流を流して端子電圧が上記所定電圧以上なら上記充電電流による充電動作を行い、
上記センス電流を流して端子電圧が上記所定電圧以下なら再度上記回復電流を流すという動作を上記所定電圧以上になるまで複数回行い、
上記複数回の上記動作によっても端子電圧が上記所定電圧以下のままなら不良と判定することを特徴とする二次電池充電装置。 - 請求項3において、
上記回復電流は、予め設定された上限電流になるまで段階的に電流値が大きくされるものであり、
上記所定電圧は、二次電池の放電状態での端子電圧以下の電圧に設定されるものであることを特徴とする二次電池充電装置。 - 請求項4において、
商用交流電源を受けて、上記充電電流回路及び制御回路の動作に必要な直流電源を形成する電源回路を更に備えてなることを特徴とする二次電池充電装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002244602A JP3862078B2 (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 二次電池回復方法と二次電池充電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002244602A JP3862078B2 (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 二次電池回復方法と二次電池充電装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004088868A JP2004088868A (ja) | 2004-03-18 |
JP3862078B2 true JP3862078B2 (ja) | 2006-12-27 |
Family
ID=32053024
Family Applications (1)
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