JP3862054B2 - 液晶表示装置用配向膜の配向処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置用配向膜の配向処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
静止画や動画を含めた各種の画像を表示するデバイスとして液晶表示装置が広く用いられている。
【0003】
この種の液晶表示装置は、液晶層を介して互いに対向配置される少なくとも一方が透明な一対の絶縁基板(以下、単に基板とも称する)を外囲器とし、当該液晶層の広がり方向に多数の画素が備えられている。その各画素には、それらに対応する液晶層内に電界を発生せしめる電極等がそれぞれ形成され、当該電界によって液晶層を構成する液晶配列を変化させて光透過率または光反射率を変化させるように構成される。
【0004】
このため、各基板の液晶層側には配向膜が形成されており、この配向膜によって液晶層を構成する液晶分子の初期配列(初期配向)を決定させるようになっている。このことから、配向膜は液晶層内に電界を発生せしめる電極等よりも上層(液晶層側)に形成され、液晶層と直接接触するように形成するのが普通となっている。
【0005】
そして、近年、この配向膜として所謂光配向処理した配向膜が採用されるようになった。この光配向処理は、配向膜に対して所定の方向に偏光を有する光を照射して配向させる処理、すなわち配向制御能を付与するものである。これにより、これまでのラビング処理を施す必要のない配向膜が得られる。
【0006】
図8はポリイミド系高分子薄膜に偏光を照射して偏光制御能を付与するための偏光照射方法の一例を説明する模式図であって、7は基板、30は光源であるエキシマレーザ(波長248nm)、31はアッテネータ、32,34はリレー光学系、33はホモジナイザー、35はマスク、36はプロジェクションレンズ、37はポーラライザー(偏光器)、38はサンプリングステージである。
【0007】
同図において、送り可能なサンプリングステージ38上にポリイミド系高分子薄膜を成膜した基板7を載置し、エキシマレーザー30から出射したレーザー光をアッテネータ31、リレー光学系32を通してホモジナイザー33で均一化した後、リレー光学系34、マスク35、プロジェクションレンズ36を介してポーラライザー37に入射させる。ポーラライザー37によって所定の偏光とされたレーザー光を一定の方向に一定の速度で送られるサンプリングステージ38に載置した基板7のポリイミド系高分子薄膜に照射する。これによって、ポリイミド系高分子薄膜に所定の配向制御能が付与される。
【0008】
この光配向に関する技術を開示した従来例としては、米国特許第4974941号明細書、特開平5−34699号公報、特開平6−281937号公報、特開平7−247319号公報などを挙げることができる。
【0009】
また、液晶表示装置は、基板に形成した画素形成用の各種電極に選択的に電圧を印加して所定画素の点灯と消灯を行う形式、上記各種電極と画素選択用のアクティブ素子を形成してこのアクティブ素子を選択することにより所定画素の点灯(オン)と消灯(オフ)を行う形式とに分類される。
【0010】
特に、後者の形式の液晶表示装置はアクティブマトリクス型と称し、コントラスト性能、高速表示性能等から液晶表示装置の主流となっている。従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置は、一方の基板に形成した電極と他方の基板に形成した電極との間に液晶層の配向方向を変えるための電界を印加する、所謂縦電界方式を採用していた。
【0011】
しかし、近年、液晶層に印加する電界の方向を基板面とほぼ平行な方向とする、所謂横電界方式(IPS方式とも言う)の液晶表示装置が実現された。この横電界方式の液晶表示装置としては、二枚の基板の一方に櫛歯電極を用いて非常に広い視野角を得るようにしたものが知られている(特公昭63−21907号公報、米国特許第4345249号明細書)。
【0012】
図9は横電界方式の液晶表示装置の一画素の構成を説明する模式断面図である。1は共通電極、2はゲート絶縁膜、3は映像信号電極、4は画素電極、5aは下配向膜、5bは上配向膜、6は液晶層を構成する液晶分子、7aは下基板、7bは上基板、8aは下偏光板、8bは上偏光板、9は電界を示す。また、22はブラックマトリクス(BM)、23はカラーフィルタ(FIL)、24はオーバーコート膜(OC)、26は絶縁膜(PSV)である。
【0013】
下基板7aには図示しない薄膜トランジスタ、液晶を駆動するための電極である画素電極4と映像信号電極3が絶縁膜である窒化シリコン膜(SiN)2の上に形成され、これらの電極を覆って絶縁膜26が形成されている。
【0014】
そして、上基板7bにはブラックマトリクス22で区画されたカラーフィルタ23が形成され、両基板7aと7bの対向面に形成された下配向膜5aと上配向膜5bとの間に液晶分子6からなる液晶層が挟持されている。
【0015】
なお、下基板7aの外面と上基板7bの外面には、それぞれ下偏光板8a、上偏光板8bが積層されている。
【0016】
この画素構成において、図示しない薄膜トランジスタで選択された画素電極4と共通電極1との間に電界9が形成されると、この電界が通る部分の液晶分子の配向方向が当該電界方向に回転し、この部分を通して下偏光板8aから上偏光板8bに光が透過する。これにより、当該画素電極4で構成される画素が点灯(オン)することで画像が形成される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した光配向処理した配向膜を用いた液晶表示装置では、上記した横電界方式や反射型の液晶表示装置ではコントラストが十分に得られないことが分かった。
【0018】
この原因を究明した結果、以下のことが判明した。すなわち、基板に形成する電極等の上層に配向膜を構成する膜材料を成膜した後、この配向膜に光(偏光)を照射した際に、その一部が電極等で反射して上記配向膜を再度照射するという現象が生じる。この配向膜を再度照射する反射光の偏光方向が当該配向膜を直接照射する偏光の偏光方向に対してずれた方向となる場合は、付与された配向能(配向制御能)に乱れが生じてしまい、結果として配向膜の初期配向が乱れたり、配向能が不十分となって画像のコントラストが低下するという不具合を招く。
【0019】
図10は配向膜材料に偏光を有する光を照射して配向処理する際の不具合を説明する模式図である。なお、ここでは、金属配線として図9における映像信号電極3を例として説明するが、側縁にテーパーを有する他の金属配線についても同様である。
【0020】
下基板7aに形成された映像信号電極3の側縁はテーパー面3aを有している。この映像信号電極3は、その上層に形成される絶縁膜、その他の金属配線等の各種の機能膜の成膜特性、所謂ステップカバレージを良好にするためにテーパー面3aを有するように形成されている。
【0021】
配向膜5aとなる配向膜材料(以下、これを単に配向膜とも言う)は、このようなテーパー面3aを有した金属配線の上層に形成されている。なお、同図では、説明の都合上、下基板7aと映像信号電極3の直上に下配向膜5aを位置させているが、実際には、図9で説明したように、各種の絶縁膜や他の配線あるいは電極が形成してある。
【0022】
図10の(a)は下配向膜5aを配向処理するための偏光を有する光PZLの当該偏光軸PZが紙面と平行な方向にある場合であり、また同図(b)は当該偏光軸PZが紙面と直角な方向にある場合である。
【0023】
図10の(a)(b)において、下配向膜5aを透過した配向処理のために照射される光PZLは、映像信号電極3のテーパー面3aで反射し、当該テーパー面3aの法線PPRに関して対称な方向に反射する。この反射光は下基板7aで反射し、再び下配向膜5aに入射する。
【0024】
一般に、テーパー面3aおよび下基板7aの表面は斉一な面とは限らないため、下配向膜5aを再照射する光の偏光方向PZは最初に下配向膜5aを照明する光の偏光方向とは異なったものとなってしまう。なお、実際には、配向膜の下層に他の電極等が存在した場合は、この電極等のテーパー面あるいは表面での反射光が上記と同様に偏光方向の異なった光として配向膜を再照射する。
【0025】
予め設定された方向と異なる偏光を有する光が照射された配向膜材料は、その部分において配向性が乱れることになり、配向欠陥を引き起こす原因となる。
【0026】
上記のような反射による影響は、配向膜を最初に照射する光(入射光)PZLの強度と、反射により再照射する光の強度の比に依存する。再照射する光の強度は、入射光に対してr(λ)×10の(α(λ)d)階乗倍に減衰したものである。ここで、r(λ)は光の波長λのときの電極の光反射率、α(λ)は配向膜の吸光係数、dは配向膜の膜厚である。
【0027】
反射により再照射する光の強度が、入射光に対して0.1倍以下であれば問題のないことが実験により確認されている。
【0028】
図11は液晶表示装置の画素を構成する金属電極の合計を説明するための画素の模式図である。図11を図10と共に説明する。金属電極の段差の高さをa、1画素当たりの総段差距離の長い辺の総距離をz、金属電極のテーパー角をθ、入射光の基板に対する角度をφ、1画素の行方向の辺の長さをx、1画素の列方向の辺の長さをy、1画素当たりの開口率をβとするとき、
a×z/(tan(θ+φ)×X×Y×β)<0.05
であれば、表示画面のコントラストへの影響が少ない。このため、TN(ツイステッド・ネマチック)モードおよびマルチドメイン−TNモードでは問題とならない。
【0029】
薄膜トランジスタを用いた液晶表示装置では、画素内に配向処理するための照射光反射させるような金属電極(画素電極、共通電極)を構成する金属膜の段差が多数存在する。これらを行方向(X方向)と列(Y方向)に分けて合計すると、x=Σxnm、y=Σynとすることができる。x、yを比較し、x≧yならばz=x、x<yならばz=yを得る。
【0030】
一方、現在までの光配向技術の研究開発の結果、偏光の照射による配向制御に関しては、入射光の偏光方向に平行に配向能を持つ配向膜と垂直な方向に配向能を持つ配向膜が知られるようになった(例えば、小尾、他「1998年液晶学会討論会予稿周、2−1b」)。
【0031】
本発明の目的は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、コントラストを良好にし、表示品質に優れた液晶表示装置およびその配向膜の配向処理方法を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、液晶層を介して互いに対応配置される一対の基板のうち、少なくとも一方の基板の液晶層側の面に、光を反射する材料層を下層として光配向処理される配向膜が形成された液晶表示装置において、
コントラストを低下させるようなテーパー面を多く有するような電極、配線電極に光配向処理を施す際、入射光の偏光方向を規定した。
【0033】
このように構成したことにより、光の配向性(配向制御能、配向能)の乱れを無くしてコントラストの低下を抑制した配向膜が得られる。
【0034】
以下、本発明の代表的な構成を記述すれば、下記のとおりである。すなわち、
(1):液晶層を介して互いに対向配置される一対の透明基板の少なくとも一方の前記液晶層側の面に、偏光の照射により配向処理した配向膜を有し、
前記一対の透明電極の少なくとも一方に形成して前記液晶層に対して電界を形成するための複数の金属電極を形成した液晶表示装置であって、
金属電極の段差の高さをa、1画素当たりの総段差距離の長い辺の総距離をz、金属電極の段差のテーパー角をθ、配向膜を照射する入射光の基板に対する角度をφ、1画素の行方向の辺の長さをX、1画素の列方向の辺の長さをY、1画素当たりの開口率をβとしたとき、
前記金属電極が占める面積比が、a×z/(tan(θ+φ)×X×Y×β)≧0.05以上で、
前記配向膜を照射する入射光が前記金属電極によって反射して当該配向膜を再照射する反射光の強度の前記入射光の強度に対する比が0.1以上であり、
前記配向膜を、前記偏光方向の前記金属電極の段差の縦横比が大きい方向に対する傾き角ψが10°以下である照射光で配向処理した。
【0035】
この構成としたことにより、配向膜の乱れの無い、したがって画面のコントラストの低下を抑制した液晶表示装置が得られる。
【0036】
(2):表示画素を構成する走査信号電極と映像信号電極と画素電極およびアクティブ素子を少なくとも備えた一方の基板と、
前記表示画素を構成する電極および前記アクティブ素子の上層に直接または絶縁層を介して形成された第1の配向膜と、
前記第1の配向膜に対向する如く形成された第2の配向膜を備えて前記一方の基板と微小間隙をもって貼り合わせた他方の基板と、
前記第1の配向膜と前記第2の配向膜の対向間隙に挟持された液晶層とを有し、
前記表示画素を構成する電極が前記液晶層に対して前記一方の基板と他方の基板の面方向に実質的に平行な電界を印加する如く構成されると共に、表示パターンに応じて前記電界を任意に制御する外部制御手段に接続されてなり、
前記印加される電界による前記液晶層の配向状態によって前記他方の基板から出射する光の光学特性を変化させる偏光手段とを少なくとも具備した液晶表示であって、
前記第1の配向膜と前記第2の配向膜の少なくとも一方が、偏光の照射により配向処理されており、
前記電極の段差の高さをa、1画素当たりの総段差距離の長い辺の総距離をz、電極の段差のテーパー角をθ、偏光により配向処理される配向膜を照射する入射光の基板に対する角度をφ、1画素の行方向の辺の長さをX、1画素の列方向の辺の長さをY、1画素当たりの開口率をβとしたとき、
前記電極が占める面積比が、a×z/(tan(θ+φ)×X×Y×β)≧0.05以上で、
前記偏光により配向処理される配向膜を照射する入射光が前記電極によって反射して当該配向膜を再照射する反射光の強度の前記入射光の強度に対する比が0.1以上であり、
前記偏光により配向処理される配向膜を、前記偏光方向の前記電極の段差の縦横比が大きい方向に対する傾き角ψが10°以下である照射光で配向処理した。
【0037】
この構成としたことにより、配向膜の乱れの無い、したがって画面のコントラストの低下を抑制したIPS方式の液晶表示装置が得られる。
【0038】
(3):(2)における前記第1の配向膜の前記一方の基板との界面におけるプレチルト角と前記第2の配向膜の前記他方の基板との界面におけるプレチルト角とを互いに異ならせた。
【0039】
液晶層の各界面におけるプレチルト角を異ならせたことで、所謂ノーマリブラック表示の液晶表示装置が構成され、配向膜の乱れの無い、したがって画面のコントラストの低下を抑制したIPS方式の液晶表示装置が得られる。
【0040】
(4):(2)における前記第1の配向膜および前記第2の配向膜をポリイミド系高分子材料で構成した。
【0041】
(5):(2)における前記第1の配向膜および前記第2の配向膜をフォトクロミック単位を化学的に導入したポリイミド系高分子材料で構成した。
【0042】
ポリイミド系高分子材料は配向膜材料として好適な材料であり、液晶層のプレチルト角を効果的に規定でき、配向膜の乱れの無い、したがって画面のコントラストの低下を抑制したIPS方式の液晶表示装置が得られる。
【0043】
(6):(2)〜(5)における前記第1の配向膜と前記第2の配向膜のいずれかをラビングによって配向処理した。
【0044】
光配向による配向制御能の付与では、配向膜の下地の凹凸に係わらずに均一な配向処理が可能である。しかし、配向膜を塗布する表面状態が平坦なものについては、従来からのラビングで配向処理させてもよい。したがって、この構成によっても画面のコントラストの低下を抑制した液晶表示装置が得られる。
【0045】
(7):液晶層を介して互いに対向配置される一対の透明基板の少なくとも一方の前記液晶層側の面に、偏光の照射により配向処理した配向膜を有し、
前記一対の透明電極の少なくとも一方に形成して前記液晶層に対して電界を形成するための複数の金属電極を形成してなり、
金属電極の段差の高さをa、1画素当たりの総段差距離の長い辺の総距離をz、金属電極の段差のテーパー角をθ、配向膜を照射する入射光の基板に対する角度をφ、1画素の行方向の辺の長さをX、1画素の列方向の辺の長さをY、1画素当たりの開口率をβとしたとき、
前記金属電極が占める面積比が、a×z/(tan(θ+φ)×X×Y×β)≧0.05以上で、
前記配向膜を照射する入射光が前記金属電極によって反射して当該配向膜を再照射する反射光の強度の前記入射光の強度に対する比が0.1以上である配向膜を用いた液晶表示装置用配向膜の配向処理方法であって、
前記照射光の偏光方向の前記電極の段差の縦横比が大きい方向に対する傾き角φを10°以下とする。
【0046】
この処理方法により、配向膜の乱れの無い、したがって画面のコントラストの低下を抑制した液晶表示装置が得られる。
【0047】
(8):表示画素を構成する走査信号電極と映像信号電極と画素電極およびアクティブ素子を少なくとも備えた一方の基板と、
前記表示画素を構成する各電極および前記アクティブ素子の上層に直接または絶縁層を介して形成された第1の配向膜と、
前記第1の配向膜に対向する如く形成された第2の配向膜を備えて前記一方の基板と微小間隙をもって貼り合わせた他方の基板と、
前記第1の配向膜と前記第2の配向膜の対向間隙に挟持された液晶層とを有し、
前記表示画素を構成する各電極が前記液晶層に対して前記一方の基板と他方の基板の面方向に実質的に平行な電界を印加する如く構成されると共に、表示パターンに応じて前記電界を任意に制御する外部制御手段に接続されてなり、前記印加される電界による前記液晶層の配向状態によって前記他方の基板から出射する光の光学特性を変化させる偏光手段とを少なくとも具備し、
前記電極の段差の高さをa、1画素当たりの総段差距離の長い辺の総距離をz、電極の段差のテーパー角をθ、配向膜を照射する入射光の基板に対する角度をφ、1画素の行方向の辺の長さをX、1画素の列方向の辺の長さをY、1画素当たりの開口率をβとしたとき、
前記電極が占める面積比が、a×z/(tan(θ+φ)×X×Y×β)≧0.05以上で、
前記配向膜を照射する入射光が前記電極によって反射して当該配向膜を再照射する反射光の強度の前記入射光の強度に対する比が0.1以上である配向膜を用いた液晶表示装置用配向膜の配向処理方法であって、
前記照射光の偏光方向の前記電極の段差の縦横比が大きい方向に対する角度(傾き角)φを10°以下とし、
前記基板を一定の送り速度で移動させながら表面に成膜した配向膜に偏光を照射することによって配向処理する。
【0048】
この処理方法によっても、配向膜の乱れが無く、画面のコントラストの低下を抑制した液晶表示装置が得られる。
【0049】
(9):(8)における前記配向膜がポリイミド系高分子材料からなることを特徴とする。
【0050】
(10):(9)における前記配向膜がフォトクロミック単位を化学的に導入したポリイミド系高分子材料であることを特徴とする。
【0051】
配向膜材料として好適なポリイミド系高分子材料を用いることで、液晶層のプレチルト角を効果的に規定でき、配向膜の乱れが無く、画面のコントラストの低下を抑制したIPS方式の液晶表示装置が得られる。
【0052】
なお、本発明は、上記の各構成および後述する実施例に開示される構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0053】
また、ここで用いたポリイミド系高分子薄膜の配向膜は、ジアミン成分と酸二無水物からなるポリイミド系高分子材料を用いたものであるが、アゾベンゼンやスチルベンゼン、シンナメート等のフォトクロミックな部位を有しているものでもよい。
【0054】
ポリイミド系高分子薄膜に光を照射した場合の液晶分子配向のプレチルト角は小さい。そこで、上下一対の基板のうち片方のみを光照射し、もう一方を通常のラビング法を施すことによって、上下基板でプレチルト角を非対称にすることが容易である。このような非対称性は液晶の高速応答化に効果がある。
【0055】
さらに、この光を用いた手法で電圧無印加時の液晶層の初期配向方向を2つ以上とすることにより、視野角特性はまた更に向上する。
【0056】
一方向のホモジニアス配向では、電圧印加時の液晶分子は同一方向を向くようになり、ダイレクタの長軸方向、短軸方向から見た斜め方向では、その複屈折の違いから色付きが生じてしまう。しかしながら、初期配向方向を2つ以上とした場合、電圧印加時に液晶分子の向く方向は2方向に分かれ、その結果光学補償がなされ、色付きは解消する。これが所謂マルチドメイン法である。
【0057】
これまで、横電界方式では電極配線構造を変えることでマルチドメイン法が可能であったが、開口率が低下するという欠点があった。しかし、ポリイミド系高分子薄膜を用いた配向膜に偏光を照射することによって液晶分子を配向させれば、電極構造を変えることなくマルチドメイン法を施すことができる。しかも、前述したようにプレチルト角が小さく、視野角が広く、アンカリング強度が弱いため、表示の均一性に優れている。
【0058】
ポリイミド系高分子薄膜に偏光を照射した場合、電荷が照射表面に蓄積し易くなることが知られている。したがって、液晶パネル内に直流成分が蓄積し易くなり、残像の原因となる。そこで、液晶の比抵抗は1013Ω・cmより小さい方が液晶内の電荷の補償により、残像を改善することができる。
【0059】
さらに、ラビングでは基板表面の段差によってラビングされない領域ができ、コントラスト低下の原因となったが、配向膜の配向処理に偏光を利用する場合はそのようなことがない。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、横電界方式の液晶表示装置に適用した実施例により詳細に説明する。なお、本発明は横電界方式に限るものではなく、縦電界(TN)方式、反射型液晶表示装置にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0061】
図1は本発明を適用する横電界方式の液晶表示装置の駆動回路の説明図であって、液晶パネルを構成する一方の基板(下基板)のみを示す。20は走査電極駆動回路(ゲートドライバ)、21は信号電極駆動回路(ドレインドライバ)、22は共通電極駆動回路(コモンドライバ)、23はコントロール回路、24は走査信号線(ゲート線)、25は映像信号線(ドレイン線)、26は共通信号線(コモンセン)、100は液晶パネルを示す。なお、TFTは薄膜トランジスタ、CLCは液晶の容量成分、CS は保持容量を示す。
【0062】
この液晶表示装置を構成する液晶パネルの各画素をスイッチングする薄膜トランジスタTFTは走査電極駆動回路20、信号電極駆動回路21および共通電極駆動回路22により選択的にオン/オフされる。このオン/オフはコントロール回路23によって制御される。
【0063】
液晶パネル100を構成する下基板(図9における7a)には、そのx方向(行方向)に延在し、y方向(列方向)に並設される走査信号線24および共通信号線26が形成されている。同図では、上方から、走査信号線24、この走査信号線24と比較的大きく離間して共通信号線26が順次配置されている。
【0064】
そして、走査信号線24および共通信号線26と絶縁されてy方向に延在しx方向に並設される映像信号線25が形成されている。
【0065】
これら走査信号線24と共通信号線26および映像信号線25によって囲まれる矩形状の比較的広い面積の各領域に単位画素が形成され、この単位画素がマトリクス状を配置して表示面を構成する。
【0066】
各画素には、走査信号線24から供給される走査信号電圧に基づく薄膜トランジスタTFTによって映像信号電圧が印加される画素電極が備えられ、この画素電極と共通信号線を通して共通信号電圧が印加される共通電極との間に生成される電界で画素が点灯される。
【0067】
走査電極駆動回路20および信号電極駆動回路21には、ホストコンピュータ等の外部回路から供給される画像信号(映像信号)がコントロール回路23を介して入力される。
【0068】
液晶パネルの背面にはバックライトユニットが設置され、液晶パネルを背面から照明して当該液晶パネルに形成された電子的画像により透過光を変調し、可視化する。
【0069】
この方式の液晶表示装置は、その表示面に対して大きな角度から観察しても鮮明な画像を認識でき、所謂広角度視野に優れている。
【0070】
上記薄膜トランジスタTFTのオン/オフで液晶分子の配向方向が変化する液晶層は、図9で説明した下上の基板7a,7bに成膜された下配向膜5a、および上配向膜5bの配向状態(配向制御能)で初期の配向方向が設定される。
【0071】
本実施例では、この配向膜の材料としてポリイミドを採用し、厚さ0.1μmの表面に配向制御能を付与するために、当該ポリイミド膜の表面に偏光UVを照射した。この偏光UVの光源にはエキシマレーザー(波長254nm付近)を用い、照射エネルギーを400mJ/cm2 照射した。配向膜を成膜する下基板7aは一定の速度で送り、照射面が偏光UVで均一に照射されるように上記送りの速度を設定した。
【0072】
また、カラーフィルタ基板である上基板7bの最表面にポリイミドを塗布し、上記と同様に偏光UVを照射した。なお、液晶分子6は偏光に対して垂直な方向に配向する。
【0073】
図2は本発明による液晶表示装置の実施例における電極構造の説明図で、(a)は基板と垂直な方向から見た平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。
【0074】
下基板7aには、共通電極1、信号電極3、画素電極4、走査電極12、アモルファスシリコン(a−Si)10からなる薄膜トランジスタTFTが形成されている。共通電極1は走査電極11と同層に、画素電極4は信号電極3と同層に設け、同一の金属薄膜によりパターン化してある。
【0075】
共通電極1と走査電極11の厚み、信号電極3、画素電極4の厚みは0.2〜0.7μmである。また、2本の共通電極1の間を結合する領域において、画素電極4と共通電極1とで走査電極絶縁層(SiN)2を挟むようにして容量12を形成してある。画素電極4は3本の共通電極1の間に配置されている。
【0076】
上記の構造を形成するプロセスは以下のとおりである。まず、基板上にアルミニウムをスパッタし、ホトプロセス後、エッチング液(リン酸16−酢酸2−硝酸1−水1)でエッチング処理し、さらに端子部等の陽極化成が不要な部分をマスキングした後に陽極化成を施して共通電極1および走査電極11を形成する。
【0077】
次に、絶縁膜である窒化シリコン(SiN)層2、アモルファスシリコン(a−Si)層10をプラズマCVDで連続形成し、ホトプロセス後エッチングして薄膜トランジスタTFTを形成する。
【0078】
その後、アルミニウムを再びスパッタし、ホトプロセス後上記と同様にエッチング処理して信号電極3および画素電極4を形成する。最後に絶縁層である窒化シリコン(SiN)層26を成膜する。
【0079】
画素ピッチは、横方向(信号電極間)が100μm、縦方向(走査電極間)が300μmである。電極幅は、複数画素間に跨がる配線となる走査電極11、共通電極1の走査電極11に平行に延びた部分の幅をそれぞれ10μm、8μm、8μmである。また、画素電極4および共通電極1のうち、長手方向に延びた部分の幅をそれぞれ6μmと若干狭くして開口率を向上させてある。
【0080】
このようにして、画素数を640×3(R,G,B)本の信号電極3と480本の走査電極11とにより、640×3×480とした。
【0081】
なお、基板上の電極群はアルミニウムで形成したが、これらの電極群は比抵抗の低いものであれば特に制約はなく、クロム、銅などでも良い。
【0082】
一方、上基板であるカラーフィルタ基板は下記のプロセスで製作される。すなわち、上基板の上にカーボンと黒色顔料の混合系感光性有機膜を塗布した後、ホトプロセスを用いて画素の間にブラックマトリクス(BM)を形成する。このブラックマトリクスの膜厚は1.5μmとした。
【0083】
さらに、その上に感光性樹脂組成物の被着色層を1.6μmの膜厚で塗布し、1回の露光、現像工程で3原色の被着色パターンを形成し、この被着色パターンに、予めR、G、B3色の昇華性染料をパターン形成して塗布したフィルムを熱転写し、カラーフィルタを形成する。
【0084】
上記感光性樹脂組成物としては、ポリカーボネート、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリカプロラクトン等が使用可能である。
【0085】
このプロセスでは被着色層のパターン形成が不要なので、非感光性材料も使用でき、ポリエステル樹脂やセルロースアセテート樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂等が使用可能である。
【0086】
さらに、染料の垂直方向の拡散および昇華を防止するために、着色層の上にエポキシ系の熱硬化型樹脂からなる保護膜を約2〜3μm形成する。この熱硬化型樹脂は、熱変形温度を高く設定できるため、カラーフィルタの耐熱性を向上でき、また非画素領域内の平坦性も満足できる。
【0087】
図3は配向膜の配向制御方向と偏光板透過軸方向の定義の説明図であって、100は電界方向、110は配向膜の配向制御方向、111は偏光板透過軸方向である。
【0088】
画素電極4と共通電極1との間に形成される電界の方向100に対し、上下の配向膜の何れかの配向方向110の角度はφLCとなっている。また、一方の偏光板の偏光透過軸111の角度はφP である。他方の偏光板の偏光透過軸はφP と直交している。また、φLC=φP となっている。
【0089】
本実施例では、上下の配向膜との界面上での液晶の配向分子容易軸は互いにほぼ平行になるように、かつ印加される電界方向とのなす角度を75度となるようにした。
【0090】
これら両基板の間に誘電率異方性Δεが正でその値が7.3(1kH)であり、屈折率異方性Δnが0.073(波長589nm、20°C)のネマチック液晶組成物を挟んで液晶層とした。
【0091】
2枚の基板の間隙、すなわちセルギャップdは球形のポリマビーズを基板間に分散することにより設定し、液晶の封入状態で4.0μmとした。よって、Δn・dは0.296μmである。
【0092】
2枚の偏光板(例えば、日東電工社製のG1220DU)で液晶パネルを挟み、一方の偏光板の偏光透過軸を75°に設定し、他方をこれに直交、すなわち−15°とした。本実施例では、低電圧(VOFF )で暗状態、高電圧(VON)で明状態をとるノーマリクローズ(ノーマリブラック)特性を採用した。しかし、これに限定されるものではなく、無電界時に液晶層を通過する光が最大となるノーマリホワイトモードとしてもよい。
【0093】
図4は横電界方式の液晶表示装置における明状態と暗状態の液晶分子の動作を説明する模式図である。同図(a)(c)は画素電極4と共通電極1との間に電界が無い状態での断面と平面を示し、(b)(d)は電界100を与えた状態での断面と平面を示す。
【0094】
(a)と(c)に示した暗状態では共通電極1と画素電極4の間に電界が存在しないため、液晶分子6は初期の配向状態にあり、下基板7aの下面に設置したバックライト(図示せず)からの照明光は上基板7b側に達しない。
【0095】
一方、(b)と(d)に示した明状態では共通電極1と画素電極4の間に電界100が存在し、液晶分子6はこの電界100により配向方向が回転して下基板7aの下面に設置したバックライト(図示せず)からの照明光が上基板7b側に達する。
【0096】
このように、横電界方式の液晶表示装置では、液晶分子6は基板の平面と平行な面内すなわち横方向で回転して明状態と暗状態を切り換えることで画像を形成する。
【0097】
図5はポリイミド膜に紫外線を照射して配向制御能を付与する方法の説明図である。光源として高圧水銀灯ランプLMPからの出射光を分光器SPMで分光し、ミラーMIRを介して偏光子PLで偏光を制御した後、入射光の基板に対する角度をφとして配向膜を照射する。
【0098】
配向膜の下層には照射された光を反射するテーパーを持った金属電極3が形成されている。図10で説明したように、この金属電極の段差の高さをa、1画素当たりの総段差距離の長い辺の総距離をz、金属電極のテーパー角をθ、入射光の基板に対する角度をφ、1画素の行方向の辺の長さをx、1画素の列方向の辺の長さをy、1画素当たりの開口率をβとするとき、
a×z/(tan(θ+φ)×X×Y×β)<0.05
であれば、表示画面のコントラストへの影響が少ない。
【0099】
横電界方式の液晶表示装置では、画素内に配向処理するための照射光反射させるような金属電極(画素電極、共通電極)を構成する金属膜の段差が多数存在する。これらを行方向(X方向)と列(Y方向)に分けて合計すると、x=Σxnm、y=Σynとすることができる。x、yを比較し、x≧yならばz=x、x<yならばz=yを得る。
【0100】
このように、金属電極が占める面積比が、a×z/(tan(θ+φ)×X×Y×β)≧0.05以上で、配向膜を照射する入射光が金属電極によって反射して当該配向膜を再照射する反射光の強度の前記入射光の強度に対する比が0.1以上とし、偏光方向の前記金属電極の段差の縦横比が大きい方向に対する傾き角ψが10°以下である照射光で配向処理することにより、配向膜の乱れの無い、したがって画面のコントラストの低下を抑制した液晶表示装置が得られる。
【0101】
図6は本発明によるアクティブマトリクス型液晶表示装置の全体構成を説明する展開斜視図である。同図は本発明による液晶表示装置(以下、液晶表示パネル,回路基板,バックライト、その他の構成部材を一体化したモジュール:MDLと称する)の具体的全体構造を説明するものである。
【0102】
SHDは金属板からなるシールドケース(メタルフレームとも言う)、WDは表示窓、INS1〜3は絶縁シート、PCB1〜3は回路基板(PCB1はドレイン側回路基板:映像信号線駆動用回路基板、PCB2はゲート側回路基板、PCB3はインターフェース回路基板)、JN1〜3は回路基板PCB1〜3同士を電気的に接続するジョイナ、TCP1,TCP2はテープキャリアパッケージ、PNLは液晶表示パネル、GCはゴムクッション、ILSは遮光スペーサ、PRSはプリズムシート、SPSは拡散シート、GLBは導光板、RFSは反射シート、MCAは一体化成形により形成された下側ケース(モールドフレーム)、MOはMCAの開口、LPは蛍光管、LPCはランプケーブル、GBは蛍光管LPを支持するゴムブッシュ、BATは両面粘着テープ、BLは蛍光管や導光板等からなるバックライトを示し、図示の配置関係で拡散板部材を積み重ねて液晶表示モジュールMDLが組立てられる。
【0103】
液晶表示モジュールMDLは、下側ケースMCAとシールドケースSHDの2種の収納・保持部材を有し、絶縁シートINS1〜3、回路基板PCB1〜3、液晶表示パネルPNLを収納固定した金属製のシールドケースSHDと、蛍光管LP、導光板GLB、プリズムシートPRS等からなるバックライトBLを収納した下側ケースMCAとを合体させてなる。
【0104】
映像信号線駆動用回路基板PCB1には液晶表示パネルPNLの各画素を駆動するための集積回路チップが搭載され、またインターフェース回路基板PCB3には外部ホストからの映像信号の受入れ、タイミング信号等の制御信号を受け入れる集積回路チップ、およびタイミングを加工してクロック信号を生成するタイミングコンバータTCON等が搭載される。
【0105】
上記タイミングコンバータで生成されたクロック信号はインターフェース回路基板PCB3および映像信号線駆動用回路基板PCB1に敷設されたクロック信号ラインCLLを介して映像信号線駆動用回路基板PCB1に搭載された集積回路チップに供給される。
【0106】
インターフェース回路基板PCB3および映像信号線駆動用回路基板PCB1は多層配線基板であり、上記クロック信号ラインCLLはインターフェース回路基板PCB3および映像信号線駆動用回路基板PCB1の内層配線として形成される。
【0107】
なお、液晶表示パネルPNLにはTFTを駆動するためのドレイン側回路基板PCB1、ゲート側回路基板PCB2およびインターフェース回路基板PCB3がテープキャリアパッケージTCP1,TCP2で接続され、各回路基板間はジョイナJN1,2,3で接続されている。
【0108】
液晶表示パネルPNLは前記した本発明による横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置であり、その配向膜に形成する液晶配向制御能は、前記した条件の基に偏光によって付与されている。
【0109】
図7は本発明による液晶表示装置を実装した情報処理装置の一例を説明するパソコンの外観図であって、前記各図と同一符号は同一部分に対応し、IVは蛍光管駆動用のインバータ電源、CPUはホスト側中央演算装置である。
【0110】
同図に示されたように、本発明による液晶表示装置を実装したパソコンは、映像信号線駆動用回路基板(水平駆動用回路基板:ドレイン側回路基板)PCB1を画面の上部にのみ配置したことで、当該表示部の下側(キーボード側)のスペースに余裕ができ、キーボード部と表示部を結合するヒンジの設置スペース(ヒンジスペース)が少なくて済む。したがって、表示部の外形サイズを低減でき、パソコン全体のサイズを小さくすることが可能となる。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、横電界方式においてポリイミド系有機膜等の配向膜材料の薄膜に所定の条件で偏光を照射して配向制御能を付与させることで、配向膜の下層に存在する金属電極などの側縁に形成されているテーパーでの反射に起因する配向の乱れが抑制され、コントラスト劣化のない広視野角と表示の均一性とを両立させた高品質の液晶表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する横電界方式の液晶表示装置の駆動回路の説明図である。
【図2】本発明による液晶表示装置の実施例における電極構造の説明図である。
【図3】配向膜の配向制御方向と偏光板透過軸方向の定義の説明図である。
【図4】横電界方式の液晶表示装置における明状態と暗状態の液晶分子の動作を説明する模式図である。
【図5】ポリイミド膜に紫外線を照射して配向制御能を付与する方法の説明図である。
【図6】本発明によるアクティブマトリクス型液晶表示装置の全体構成を説明する展開斜視図である。
【図7】本発明による液晶表示装置を実装した情報処理装置の一例を説明するパソコンの外観図である。
【図8】ポリイミド系高分子薄膜に偏光を照射して偏光制御能を付与するための偏光照射方法の一例を説明する模式図である。
【図9】横電界方式の液晶表示装置の一画素の構成を説明する模式断面図である。
【図10】配向膜材料に偏光を有する光を照射して配向処理する際の不具合を説明する模式図である。
【図11】液晶表示装置の画素を構成する金属電極の合計を説明するための画素の模式図である。
【符号の説明】
1 共通電極
2 ゲート絶縁膜
3 映像信号電極
4 画素電極
5a 下配向膜
5b 上配向膜
6 液晶分子
7a 下基板
7b 上基板
8a 下偏光板
8b 上偏光板
9、100 電界
20 走査電極駆動回路
21 信号電極駆動回路
22 共通電極駆動回路
26 絶縁膜。
Claims (6)
- 液晶層を介して互いに対向配置される一対の透明基板の少なくとも一方の前記液晶層側の面に、偏光の照射により配向処理した配向膜を有し、
前記一対の透明電極の少なくとも一方に形成して前記液晶層に対して電界を形成するための複数の金属電極を形成してなり、
金属電極の段差の高さをa、1画素当たりの総段差距離の長い辺の総距離をz、金属電極の段差のテーパー角をθ、配向膜を照射する入射光の基板に対する角度をφ、1画素の行方向の辺の長さをX、1画素の列方向の辺の長さをY、1画素当たりの開口率をβとしたとき、
前記金属電極が占める面積比が、a×z/(tan(θ+φ)×X×Y×β)≧0.05以上で、
前記配向膜を照射する入射光が前記金属電極によって反射して当該配向膜を再照射する反射光の強度の前記入射光の強度に対する比が0.1以上である配向膜を用いた液晶表示装置用配向膜の配向処理方法であって、
前記照射光の偏光方向の前記電極の段差の縦横比が大きい方向に対する傾き角ψを10°以下とすることを特徴とする液晶表示装置用配向膜の配向処理方法。 - 表示画素を構成する走査信号電極と映像信号電極と画素電極およびアクティブ素子を少なくとも備えた一方の基板と、
前記表示画素を構成する各電極および前記アクティブ素子の上層に直接または絶縁層を介して形成された第1の配向膜と、
前記第1の配向膜に対向する如く形成された第2の配向膜を備えて前記一方の基板と微小間隙をもって貼り合わせた他方の基板と、
前記第1の配向膜と前記第2の配向膜の対向間隙に挟持された液晶層とを有し、
前記表示画素を構成する各電極が前記液晶層に対して前記一方の基板と他方の基板の面方向に実質的に平行な電界を印加する如く構成されると共に、表示パターンに応じて前記電界を任意に制御する外部制御手段に接続されてなり、前記印加される電界による前記液晶層の配向状態によって前記他方の基板から出射する光の光学特性を変化させる偏光手段とを少なくとも具備し、
前記電極の段差の高さをa、1画素当たりの総段差距離の長い辺の総距離をz、電極の段差のテーパー角をθ、配向膜を照射する入射光の基板に対する角度をφ、1画素の行方向の辺の長さをX、1画素の列方向の辺の長さをY、1画素当たりの開口率をβとしたとき、
前記電極が占める面積比が、a×z/(tan(θ+φ)×X×Y×β)≧0.05以上で、
前記配向膜を照射する入射光が前記電極によって反射して当該配向膜を再照射する反射光の強度の前記入射光の強度に対する比が0.1以上である配向膜を用いた液晶表示装置用配向膜の配向処理方法であって、
前記照射光の偏光方向の前記電極の段差の縦横比が大きい方向に対する傾き角ψを10°以下とし、
前記基板を一定の送り速度で移動させながら表面に成膜した配向膜に偏光を照射することによって配向処理することを特徴とする液晶表示装置用配向膜の配向処理方法。 - 前記配向膜がポリイミド系高分子材料からなることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置用配向膜の配向処理方法。
- 前記配向膜がフォトクロミック単位を化学的に導入したポリイミド系高分子材料であることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置用配向膜の配向処理方法。
- 液晶層を介して互いに対向配置される一対の透明基板の少なくとも一方の前記液晶層側の面に、偏光の照射により配向処理した配向膜を有し、
前記一対の透明電極の少なくとも一方に形成して前記液晶層に対して電界を形成するための複数の金属電極を形成した液晶表示装置であって、
金属電極の段差の高さをa、1画素当たりの総段差距離の長い辺の総距離をz、金属電極の段差のテーパー角をθ、配向膜を照射する入射光の基板に対する角度をφ、1画素の行方向の辺の長さをX、1画素の列方向の辺の長さをY、1画素当たりの開口率をβとしたとき、
前記金属電極が占める面積比が、a×z/(tan(θ+φ)×X×Y×β)≧0.05以上であることを特徴とする液晶表示装置。 - 表示画素を構成する走査信号電極と映像信号電極と画素電極およびアクティブ素子を少なくとも備えた一方の基板と、
前記表示画素を構成する電極および前記アクティブ素子の上層に直接または絶縁層を介して形成された第1の配向膜と、
前記第1の配向膜に対向する如く形成された第2の配向膜を備えて前記一方の基板と微小間隙をもって貼り合わせた他方の基板と、
前記第1の配向膜と前記第2の配向膜の対向間隙に挟持された液晶層とを有し、
前記表示画素を構成する電極が前記液晶層に対して前記一方の基板と他方の基板の面方向に実質的に平行な電界を印加する如く構成されると共に、表示パターンに応じて前記電界を任意に制御する外部制御手段に接続されてなり、
前記印加される電界による前記液晶層の配向状態によって前記他方の基板から出射する光の光学特性を変化させる偏光手段とを少なくとも具備した液晶表示であって、
前記第1の配向膜と前記第2の配向膜の少なくとも一方が、偏光の照射により配向処理されており、
前記電極の段差の高さをa、1画素当たりの総段差距離の長い辺の総距離をz、電極の段差のテーパー角をθ、偏光により配向処理される配向膜を照射する入射光の基板に対する角度をφ、1画素の行方向の辺の長さをX、1画素の列方向の辺の長さをY、1画素当たりの開口率をβとしたとき、
前記電極が占める面積比が、a×z/(tan(θ+φ)×X×Y×β)≧0.05以上であることを特徴とする液晶表示装置。
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