JP3861802B2 - 管楽器自動演奏装置 - Google Patents
管楽器自動演奏装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3861802B2 JP3861802B2 JP2002346418A JP2002346418A JP3861802B2 JP 3861802 B2 JP3861802 B2 JP 3861802B2 JP 2002346418 A JP2002346418 A JP 2002346418A JP 2002346418 A JP2002346418 A JP 2002346418A JP 3861802 B2 JP3861802 B2 JP 3861802B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wind instrument
- automatic performance
- air
- artificial
- trumpet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G10—MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
- G10H—ELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
- G10H2230/00—General physical, ergonomic or hardware implementation of electrophonic musical tools or instruments, e.g. shape or architecture
- G10H2230/045—Special instrument [spint], i.e. mimicking the ergonomy, shape, sound or other characteristic of a specific acoustic musical instrument category
- G10H2230/155—Spint wind instrument, i.e. mimicking musical wind instrument features; Electrophonic aspects of acoustic wind instruments; MIDI-like control therefor.
- G10H2230/171—Spint brass mouthpiece, i.e. mimicking brass-like instruments equipped with a cupped mouthpiece, e.g. allowing it to be played like a brass instrument, with lip controlled sound generation as in an acoustic brass instrument; Embouchure sensor or MIDI interfaces therefor
- G10H2230/175—Spint trumpet, i.e. mimicking cylindrical bore brass instruments, e.g. bugle
Landscapes
- Electrophonic Musical Instruments (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)等の楽音発生用データに基づいて、管楽器を自動演奏させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に、演奏用のデータに従って、リコーダを自動的に演奏させる技術が開示されている。この技術によれば、演奏データに示される各音高に合わせて、リコーダの各指穴を開閉させると共に、マウスピースに圧縮空気を供給する。更に、この圧縮空気の流量とその方向を調節して供給することにより、リコーダから良好な音を発生させ得る。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−269771号公報
【0004】
しかしながら、この技術によって、トランペットなどのように、唇を振動させて音を出す管楽器(いわゆるリップリードの管楽器)を、自動演奏させることはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、以上のような事情を鑑みてなされたものであり、唇の振動によって音を出す管楽器を、楽音発生用データに従って自動演奏させる管楽器自動演奏装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、管楽器のマウスピースに装着され、流入する空気に応じて人間の唇を模写した振動を発生する人工唇と、空気流を吐出し、吐出した前記空気流を前記人工唇に流入させる空気流吐出手段と、楽音の音高と強さを示す楽音発生用データに応じて、前記人工唇における空気の流路の断面積および前記空気流吐出手段の流量を制御する制御手段とを具備することを特徴とする管楽器自動演奏装置を提供する。
【0007】
この管楽器自動演奏装置によれば、管楽器のマウスピースに装着され、流入する空気に応じて人間の唇を模写した振動を発生する人工唇に、空気流を流入させ、楽音の音高と強さを示す楽音発生用データに応じて、前記人工唇における空気の流路の断面積および空気流の流量を制御することにより、楽音発生用データに示される音を管楽器から発生させる。
【0008】
好ましい態様において、前記制御手段は、楽音の音高と強さを示す楽音発生用データに応じて、前記管楽器に設けられた演奏用の操作子を操作する演奏操作手段をさらに具備するようにしても良い。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(1)構成
▲1▼機械的構成
図1はこの発明の実施形態に係る管楽器自動演奏装置1の機械的構成を示す概略構成図である。管楽器自動演奏装置1は、一点鎖線に囲まれている部分であり、2はトランペットである。
【0010】
図において、エアコンプレッサ6は、圧縮空気を生成するものであり、エア配管4は、エアコンプレッサ6にて生成された圧縮空気をトランペット2に向けて流すための、空気の流路である。このエア配管4の中途には、電磁弁5が配設されている。
【0011】
図10,図11、図12は電磁弁5の断面を示す図である。
図において、51は、ソレノイド50のプランジャと一体になっているピストンであり、シリンダー51c内を上下方向に移動可能になっている。シリンダー51cの側面には入り側のエア配管4が連通しており、この側面に対向する側面には出側のエア配管4および排出管52が連通している。出側のエア配管4と排出管52は、上下方向に所定距離隔てて設けられている。
【0012】
また、ピストン51には2つのフランジ51a,51bが設けられている。これらのフランジ51a,51bの間隔は出側のエア配管4と排出管52との間隔より広く設定されている。ピストン51はバネ51dによって下方に付勢されており、ソレノイド50が通電されていない状態では、ピストン51は下方に移動し、フランジ51aが出側のエア配管4を塞ぐ状態になる(図10に示す状態)。一方、ソレノイド50が通電されると、その電流値に応じてピストン51はバネ力に逆らって上方に移動する。ピストン51が上方に移動すると、出側のエア配管4を塞いでいたフランジ51aも上方に移動し、出側のエア配管4とシリンダー51cとが連通する状態となる(図12参照)。この場合、連通路の開度は、ソレノイド50の通電量に応じて変化する。また、ソレノイド50が通電されてピストン51が上方に移動するときは、フランジ51bも上方に移動し、排出管52を徐々に塞ぐ状態となり、通電電流値が所定値になると排出管52を完全に塞ぐ状態になる(図11参照)。すなわち、ソレノイド50への通電量により、排出管52から外部へ逃げる空気の量が調節され、これにより、入側のエア配管4から出側のエア配管4へ流入する空気流量が調整される。
【0013】
図に示す人工唇3は、可撓性を有するゴム、プラスチックなどの素材で構成され、エア配管4とトランペット2との間に配設される。
なお、この人工唇3は、人間が息を吹いて唇を振動させる状態を再現可能なものであり、従って、この人工唇3に空気を送ると、この空気の流速に応じた人間の唇の振動状態が再現される。
人工唇3は、たとえば、弾性部材を用いて人間の唇の振動を発生するような構造として、これに送り込む空気の流量や流速によって、振動の状態が変化するようなっていればよい。一例としては、米国特許3,339,444号公報に示されるようなものがある。
【0014】
図2は、人工唇3及びトランペット2のマウスピース21の断面図である。
人工唇3の一端は、図2に示されるように、トランペット2のマウスピース21と同程度又はそれよりやや大きめの開口を有する筒部30を有している。この筒部30が、マウスピース21に対して密着して覆い被さっている。また、この筒部30から人工唇3の他端にかけて、筒部30よりも細長く平たい管状に管部31が形成されている。この管部31は、エア配管4の先端外周に密着して覆い被さっている。
【0015】
また、管部31には、筒部30に程近い位置の上部及び下部に、それぞれ人工唇用ソレノイド32a、32bが配設されている。この人工唇用ソレノイド32a、32bは、管部31に垂直に且つそれぞれが対向するよう配設されている。そして、人工唇用ソレノイド32a、32bが同時に、管部31に向かって押圧動作可能に構成されている。また、人工唇用ソレノイド32a、32bは、人工唇3を上下から挟むように配置されており、人工唇用ソレノイド32bは、スタンド1Bによって支持されている。
【0016】
トランペット2は、人工唇3を介してエア配管4と連結されている。トランペット2は、マウスピース21の他に、第1ピストンバルブ20a、第2ピストンバルブ20b、第3ピストンバルブ20cの3つのピストンバルブを備えている。
第1ピストンバルブ20a、第2ピストンバルブ20b、第3ピストンバルブ20cの各上部には、それぞれピストン用ソレノイド22a、22b、22cが配設されており、プランジャの移動方向がそれぞれ対応するピストンバルブと同一方向に配設されている。これにより、ピストン用ソレノイド22a、22b、22cは、それぞれ対応するピストンバルブを押下可能に構成されている。このピストン用ソレノイド22a、22b、22cは、第1ピストンバルブ20a、第2ピストンバルブ20b、第3ピストンバルブ20cにそれぞれ対向するように配置されている。また、トランペット2は、スタンド1Cによって支持されている。
なお、このトランペット2は、一般的に使用されるトランペットであるため、その他の各部構成について、説明は省略する。
【0017】
図1に示す筐体1Aは、FD等のメディアを駆動するメディア駆動装置10と、操作部13とを備える。ユーザは、このメディア駆動装置10に、所望のMIDIデータが記録されたFDをセットし、操作部13を操作することにより、FDに記録されたMIDIデータに従って、トランペット2の自動演奏を開始させることができる。
【0018】
以上説明したように、エア配管4、人工唇3、マウスピース21がこの順番で連結され、図1に示す矢印のように、エアコンプレッサ6にて生成された圧縮空気が、この順番で流れるような構成となっている。そして、人工唇3の振動による空気振動がマウスピース21を介してトランペット2内を通過することによって、トランペット2から音が発生する。また、ピストンバルブが押下されたり、管部31の一部が押圧されることにより、発生する音の音高が調節される。
【0019】
▲2▼電気的構成
次に管楽器自動演奏装置1の電気的構成について、説明する。図3は、管楽器自動演奏装置1の電気的構成を示したブロック図である。
メディア駆動装置10は、コントローラ11からの指令に従い、自動演奏の制御のためのMIDIデータを、FDから読み出してコントローラ11に供給する。ここで、MIDIデータは、図4に示すように、音の発音あるいは消音といった演奏制御を指示するイベントと、先行するイベントと後発のイベントとの発生時間間隔を示すデルタタイムとからなる時系列の楽音発生用データである。このイベントには、音高や、音量、音響効果を指示するものが含まれている。コントローラ11は、メディア駆動装置10から供給されたMIDIデータの各イベントに対し、そのイベントの後のデルタタイムによって示される時間だけ待機し、後続のイベントの読み出しを行う、という処理を繰り返す。
【0020】
自動演奏電子回路12は、コントローラ11からイベントを受け取り、トランペット2の自動演奏のための制御を行う回路である。コントローラ11から受け取ったイベントに従って、記憶部14に記憶されている情報を参照して、電磁弁5、人工唇用ソレノイド32a、32b、ピストン用ソレノイド22a、22b、22cに対して駆動制御を行う。
【0021】
記憶部14は、ROM(Read Only Memory)などで構成され、自動演奏電子回路12において用いられるデータやテーブルなどの情報を記憶している。
【0022】
<トランペットの奏法と、発音の関係>
ここで、トランペット2の奏法と、トランペット2から発せられる音との関係について説明する。
人間がトランペット2を吹奏する場合、トランペット2のマウスピース21に息を吹き込みながら、唇を振動させる。これによって、トランペット2内に空気の振動が伝わり、音が出るという仕組みになっている。そして、息を吹く口の形、大きさによって、音高が変わる。更に、押下する第1ピストンバルブ20a、第2ピストンバルブ20b、第3ピストンバルブ20cの組合せによっても、音高が変化する。
また、吹く息の量によって、発生する音の音量が変化する。吹く息の量が多いほど、大きな音が出て、吹く息が小さいほど、小さな音が出る。従って、吹く息の量に応じて、発生する音の音量が決定される。
【0023】
本実施形態においては、振動する唇の状態を人工唇3によって実現し、口の開け具合を、人工唇3の断面積を変化させることによって調整し、吹く息の量を、電磁弁5によって調整する。
【0024】
次に、自動演奏電子回路12の各電磁弁、人工唇用ソレノイド32a,32b、ピストン用ソレノイド22a,22b,22cに対する駆動制御ついてそれぞれ説明する。
<電磁弁5に対する制御>
自動演奏電子回路12は、イベントのうち、発音を指示するイベントに指示される音量値に従って、マウスピース21に流すべき空気の流量を決定する。そして、空気がマウスピース21に流れるよう、電磁弁5のピストン51を駆動する。
【0025】
なお、この音量値に対応した電磁弁5の駆動電流の値は、実験により予め定めておき、これを記憶部14のテーブルに記憶させておく。なお、本実施形態においては、駆動電流量=0のときに、空気が流れないよう初期設定されている。
一方、消音を指示するイベントについては、マウスピース21に空気が流れないよう、電磁弁5に電流を流さないようにする。
以上のようにして、電磁弁5に対する通電制御が行われることにより、エアコンプレッサ6からトランペット2へ流れる圧縮空気の流量が調節される。
【0026】
<人工唇用ソレノイド32a、32bに対する制御>
自動演奏電子回路12は、イベントのうち、発音を指示するイベントが示す音量値、音高に従って、人工唇用ソレノイド32a,32bの突出量を制御する。この突出量が制御されることにより、人工唇3における空気の流路の断面積が制御される。なお、音量値、音高に対応した人工唇用ソレノイド32a、32bの駆動電流の値は、実験により予め定めておき、これを記憶部14のテーブルに記憶させておく。本実施形態においては、駆動電流量=0のときに、管部31の断面積は最大面積となるようにする。
【0027】
次に、図6に従って、人工唇用ソレノイド32a,32bの具体的な動作状態について、説明する。図5(A),(B),(C)は、管部31の断面を示す図である。ここでは、説明を簡潔にするために、図5(A),(B),(C)において、管部31には同量の空気が流れるものとする。人工唇用ソレノイド32a、32bが突出していないと、図5(A)に示されるように、管部31は押圧されず、その断面積は最大となっている。人工唇用ソレノイド32a、32bの突出量が小さいと、図5(B)に示されるように、管部31は少し押圧されて少し撓み、従ってその断面の面積が小さくなり、トランペット2に流れる空気の速度が速くなる。人工唇用ソレノイド32a、32の突出量が大きくなると、図5(C)に示されるように、管部31はかなり押圧されて平たくなる。
従って、同じ流量の空気がトランペット2に流れる場合、図5(A)の状態の時には、高い音が発音可能であり、図5(C)の状態の時には、低い音が発音可能であり、図5(B)の状態の時には、高い音と低い音の間の音高の音が発音可能である。
【0028】
以上のようにして、人工唇3の管部31の断面積を変化させることにより、音高を調節する。
【0029】
<ピストン用ソレノイド22a、22b、22cに対する制御>
自動演奏電子回路12は、発音を指示するイベントが示す音高に従って、トランペット2の第1ピストンバルブ20a、第2ピストンバルブ20b、第3ピストンバルブ20cのうち押下すべきピストンバルブを決定する。音高に対応して、どのピストンバルブを押下すべきなのかは、記憶部14のテーブルに予め記憶されている。そして、決定したピストンバルブに対応するピストン用ソレノイド22a〜22cに駆動電流を流し、当該ピストンバルブを押下させる。
【0030】
(2)動作
図6は本実施形態に係る管楽器自動演奏装置1の動作を示すフローチャートである。
ユーザは、所望するMIDIデータが記録されたFDを、メディア駆動装置10にセットし、操作部13を操作して、トランペット2の自動演奏を指示する。そして、エアコンプレッサ6の電源を入れて、圧縮空気を生成させる。
管楽器自動演奏装置1のコントローラ11は、トランペット2の自動演奏の指示を操作部13から受け取ると、この指示に従って、MIDIデータの転送を指示する(ステップS10)。コントローラ11は、FDから転送されたMIDIデータを一旦記憶し、各イベントを順次読み出す(ステップS11)。この結果、MIDIデータ中のイベントが順次自動演奏電子回路12に供給される(ステップS13)。自動演奏電子回路12は、供給されたイベントを解析する処理を行う(ステップS14)。
【0031】
このイベント解析処理のフローチャートを図7に示す。まず、このイベントが発音を指示するイベントか否かを判定し、この判定結果が肯定的である場合には、ステップS141に移行する。ステップS141では、イベントに指示される音量値に対応する流量の空気が、エア配管4に流れるよう、電磁弁5に対して流すべき駆動電流量を決定する。
【0032】
次に、イベントに指示される音高に対応する駆動電流量を決定する(ステップS142)。これにより、人工唇用ソレノイド32a、32bに対して流すべき駆動電流量が決定される。
【0033】
また、イベントに指示される音高に対応して、トランペット2の第1ピストンバルブ20a、第2ピストンバルブ20b、第3ピストンバルブ20cのうち押下すべきピストンバルブを決定する(ステップS143)。そして、決定したピストンバルブに対応するピストン用ソレノイドに流すべき駆動電流量を決定する(ステップS144)。次いで、図6に示すステップS15へ移行する。
【0034】
ステップS15では、自動演奏電子回路12は、ステップS141において決定した量の駆動電流を電磁弁5に流し、ステップS142において決定した量の駆動電流を人工唇用ソレノイド32a、32bに流し、ピストン用ソレノイド22a,22b,22cに対して、ステップS144において決定した量の駆動電流を流す。
これにより、トランペット2から、当該イベントに対応する音が、空気の振動によって発せられる。
【0035】
なお、ステップS140において、判定結果が否定的である場合、即ち供給されたイベントが消音を指示するイベントであった場合は、ステップS148に移行する。ステップS148では、電磁弁5に流すべき駆動電流量を0とする(ステップS145)。
【0036】
以上のようにして、自動演奏電子回路12が、順次供給されるイベントに従って、電磁弁5,人工唇用ソレノイド32a,32b、ピストン用ソレノイド22a、22b、22cをそれぞれ駆動制御することにより、トランペット2によるMIDIデータに従った楽曲の演奏が行われる。
【0037】
従って、演奏家がいなくても、トランペット2を自動演奏させることができ、しかも電子音ではなく楽器本来の音を自動的に発生させることができる。
【0038】
(3)変形例
以上この発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまでも例示であり、以下のような様々な態様で実施することができる。
【0039】
<1>管楽器自動演奏装置1は、トランペット2と一体に形成されても良い。また、自動演奏される楽器は、トランペットに限らず、コルネット、テューバ、ユーフォニアム、バス、トロンボーン、フルート等の管楽器であっても良い。
【0040】
<2>本実施形態においては、FDに記録されるMIDIデータを用いて楽曲の自動演奏を行ったが、本発明はこれに限らない。例えば、CDや、メモリーカード等の記憶媒体に記憶されたMIDIデータを用いても良い。また、これらの記憶媒体を用いず、管楽器自動演奏用装置本体に、ROM等の記憶手段を設け、この記憶手段に記憶されるMIDIデータに従って、管楽器を自動演奏させるようにしても良い。
【0041】
<3>自動演奏電子回路12は、空気の流量決定、人工唇3に対する押圧調節、押下すべきピストンバルブの決定は、この順番で行ったが、この順番でなくても良いし、同時に行っても良い。
【0042】
<4>楽音発生用データはMIDIデータに限らず、音高、音量、発音時間などを指示するデータであれば良い。
【0043】
<5>上述の実施形態において、エアコンプレッサ6にて生成された空気の流量を調節するものは、電磁弁5に限らず、その他の構成であっても良い。また、電磁弁5の構成は、上述の構成に限らない。
【0044】
<6>キーボードからリアルタイムで入力される楽音発生用データを用いて、トランペット2を自動演奏させるようにしても良い。例えば、図8に示されるように、上述の実施形態におけるメディア駆動装置10に代えて、キーボード15をコントローラ11に接続させる。このキーボード15を演奏することにより、その演奏に対応したMIDIデータのイベントを、リアルタイムでコントローラ11に供給する。コントローラ11は、供給されたイベントを、自動演奏電子回路12に供給する。以降は、上述の実施形態と同様にして、トランペット2から、キーボード15から入力されたMIDIデータに対応する音が発せられる。
このような構成によれば、トランペット2が吹けない人であっても、キーボード15を弾くだけで、トランペット2から自由に音を出すことができる。
【0045】
<7>人工唇用ソレノイド32a,32bの配設位置は、上述の実施形態に限らない。例えば、人工唇3の管部31の横方向左右に配設しても良い。また、管部31内の空気の流れる方向に対して垂直ではなく、ある傾斜角度を有するように傾斜させるように配設しても良い。
また更に、人工唇用ソレノイド32a,32bを、管部31内の空気の流れる方向に対して傾斜角度を有するように動作させても良い。
このような構成において、傾斜角度に対応する音高を予め実験により定めておく。
【0046】
<8>人工唇用ソレノイドやピストン用ソレノイドに代えて、その他のアクチュエータを用いても良い。例えば、ギアドモータ、超音速モータ等であっても良い。
【0047】
<9>また、人工唇用ソレノイドは、図9に示されるように、人工唇3の管部31に複数配設しても良い。例えば、人工唇用ソレノイド32a、32bは、速い動きをするもので構成され、人工唇用ソレノイド32a、32bは、遅い動きをするもので構成されるようにしても良い。なお、動きの速さは、ソレノイドを構成するコイル、鉄心などの大きさや、ソレノイドに流す電流の量等によって調節される。
また、上下1組の人工唇用ソレノイドは、管部31内の空気の流れる方向に対して垂直に配設し、他の1組の人工唇用ソレノイドは、管部31内の空気の流れる方向に対してある傾斜角度を有するように傾斜させて配設しても良い。更に、他の1組の人工唇用ソレノイドを、管部31内の空気の流れる方向に対して傾斜角度を有するように動作させても良い。このような構成においては、傾斜角度と音高との対応関係を予め実験により求めておくと良い。
【0048】
<10>上述の実施形態においては、自動演奏回路12に、消音を指示するイベントが供給された場合に、電磁弁5を制御して、トランペット2に空気を流すのを止めた。この消音を指示するイベントとは、MIDI規格においては、通常、ノートオフメッセージのことである。しかし、イベントに、任意の処理を指示できるエクスクルーシブメッセージを含ませ、このクスクルーシブメッセージに、息継ぎ即ち空気を流すことを一時的に止める指示をさせるようにしても良い。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、楽音発生用データに従って、管楽器から当該楽音発生用データに対応する楽音を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る管楽器自動演奏装置1の機械的構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施形態に係る人工唇3及びトランペット2のマウスピース21の断面図である。
【図3】 同実施形態に係る管楽器自動演奏装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】 同実施形態に係るMIDIデータを模式的に示した図である。
【図5】 同実施形態に係る人工唇3の管部31の断面図である。
【図6】 本実施形態に係る管楽器自動演奏装置1の動作を示すフローチャートである。
【図7】 本実施形態に係る管楽器自動演奏装置1のイベント解析動作を示すフローチャートである。
【図8】 本実施形態の変形例に係る管楽器自動演奏装置1の構成を示すブロック図である。
【図9】 同実施形態の変形例に係る人工唇3及びトランペット2のマウスピース21の断面図である。
【図10】 本発明の一実施形態に係る電磁弁5の断面図である。
【図11】 本発明の一実施形態に係る電磁弁5の断面図である。
【図12】 本発明の一実施形態に係る電磁弁5の断面図である。
【符号の説明】
1・・・管楽器自動演奏装置、1A・・・筐体、1B・・・スタンド、1C・・・スタンド、2・・・トランペット、20a・・・第1ピストンバルブ、20b・・・第2ピストンバルブ、20c・・・第3ピストンバルブ、21・・・マウスピース、22a・・・ピストン用ソレノイド、22b・・・ピストン用ソレノイド、22c・・・ピストン用ソレノイド、3・・・人工唇、30・・・筒部、31・・・管部、32a・・・人工唇用ソレノイド、32b・・・人工唇用ソレノイド、4・・・エア配管、5・・・電磁弁、50・・・ソレノイド、51・・・ピストン、51a・・・フランジ、51b・・・フランジ、51c・・・シリンダ、51d・・・バネ、52・・・排出管、6・・・エアコンプレッサ、10・・・メディア駆動装置、11・・・コントローラ、12・・・自動演奏電子回路、13・・・操作部、14・・・記憶部、15・・・キーボード。
Claims (2)
- 管楽器のマウスピースに装着され、流入する空気に応じて人間の唇を模写した振動を発生する人工唇と、
空気流を吐出し、吐出した前記空気流を前記人工唇に流入させる空気流吐出手段と、
楽音の音高と強さを示す楽音発生用データに応じて、前記人工唇における空気の流路の断面積および前記空気流吐出手段の流量を制御する制御手段
とを具備することを特徴とする管楽器自動演奏装置。 - 前記制御手段は、楽音の音高と強さを示す楽音発生用データに応じて、前記管楽器に設けられた演奏用の操作子を操作する演奏操作手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の管楽器自動演奏装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002346418A JP3861802B2 (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 管楽器自動演奏装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002346418A JP3861802B2 (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 管楽器自動演奏装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004177828A JP2004177828A (ja) | 2004-06-24 |
JP3861802B2 true JP3861802B2 (ja) | 2006-12-27 |
Family
ID=32707327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002346418A Expired - Fee Related JP3861802B2 (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 管楽器自動演奏装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3861802B2 (ja) |
Families Citing this family (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3938070B2 (ja) * | 2003-02-27 | 2007-06-27 | トヨタ自動車株式会社 | 管楽器の演奏用アクチュエータと演奏装置と演奏方法 |
JP4618053B2 (ja) * | 2005-08-30 | 2011-01-26 | ヤマハ株式会社 | 自動演奏装置 |
JP4618052B2 (ja) * | 2005-08-30 | 2011-01-26 | ヤマハ株式会社 | 木管楽器演奏用アクチュエータおよび木管楽器演奏装置 |
JP4506619B2 (ja) | 2005-08-30 | 2010-07-21 | ヤマハ株式会社 | 演奏アシスト装置 |
JP4552809B2 (ja) * | 2005-08-30 | 2010-09-29 | ヤマハ株式会社 | 金管楽器演奏用アクチュエータおよび金管楽器演奏装置 |
EP1804236B1 (en) | 2005-12-27 | 2008-06-11 | Yamaha Corporation | Performance assist apparatus of wind instrument |
JP4742935B2 (ja) | 2006-03-24 | 2011-08-10 | ヤマハ株式会社 | 管楽器の演奏補助構造 |
JP5023528B2 (ja) | 2006-03-24 | 2012-09-12 | ヤマハ株式会社 | 管楽器の演奏補助構造 |
JP4475248B2 (ja) | 2006-03-31 | 2010-06-09 | ヤマハ株式会社 | 管楽器の演奏補助構造 |
JP4207063B2 (ja) | 2006-07-20 | 2009-01-14 | ヤマハ株式会社 | 演奏補助装置および楽器 |
JP4894448B2 (ja) | 2006-10-12 | 2012-03-14 | ヤマハ株式会社 | 演奏補助装置および楽器 |
JP4518068B2 (ja) * | 2006-10-26 | 2010-08-04 | ヤマハ株式会社 | 金管楽器演奏用アクチュエータ |
JP4265664B2 (ja) | 2007-02-09 | 2009-05-20 | ヤマハ株式会社 | 演奏装置 |
JP4301325B2 (ja) | 2007-05-28 | 2009-07-22 | ヤマハ株式会社 | 楽器演奏用アクチュエータ、演奏補助マウスピース、金管楽器、自動演奏装置および演奏補助装置 |
JP4998186B2 (ja) * | 2007-10-03 | 2012-08-15 | ヤマハ株式会社 | 管楽器の吹鳴装置および管楽器の吹鳴方法 |
JP5173383B2 (ja) * | 2007-12-05 | 2013-04-03 | トヨタ自動車株式会社 | 管楽器演奏装置、及び管楽器の自動演奏方法 |
JP5821166B2 (ja) | 2010-07-23 | 2015-11-24 | ヤマハ株式会社 | 発音制御装置 |
CN104424934A (zh) * | 2013-09-11 | 2015-03-18 | 威海碧陆斯电子有限公司 | 乐器型扬声器 |
CN105845108B (zh) * | 2016-04-29 | 2023-04-14 | 通辽经济技术开发区农产品粗加工技术研究所 | 机动吹奏乐器 |
WO2020188150A1 (fr) * | 2019-03-18 | 2020-09-24 | Jose Buendia | Isolant phonique |
-
2002
- 2002-11-28 JP JP2002346418A patent/JP3861802B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004177828A (ja) | 2004-06-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3861802B2 (ja) | 管楽器自動演奏装置 | |
US7528318B2 (en) | Musical tone control apparatus and method | |
US5315060A (en) | Musical instrument performance system | |
US7683246B2 (en) | Musical instrument playing actuator, play assisting mouthpiece, brass instrument, automatic playing apparatus, and play assisting apparatus | |
JP4265664B2 (ja) | 演奏装置 | |
EP1752966A2 (en) | Electronic accordion | |
CN107408374A (zh) | 发声设备、键盘乐器和发声控制方法 | |
JP4618052B2 (ja) | 木管楽器演奏用アクチュエータおよび木管楽器演奏装置 | |
JP3938070B2 (ja) | 管楽器の演奏用アクチュエータと演奏装置と演奏方法 | |
CA2258856A1 (en) | Keyed free-reed instruments scope | |
JP4882630B2 (ja) | 楽器演奏用アクチュエータ、マウスピース及び管楽器 | |
JP4552809B2 (ja) | 金管楽器演奏用アクチュエータおよび金管楽器演奏装置 | |
JPH04204697A (ja) | 電子楽器 | |
JP4644893B2 (ja) | 演奏装置 | |
JPH07181965A (ja) | 電子楽器 | |
JP4882616B2 (ja) | 楽器演奏用アクチュエータ、マウスピース及び演奏代行装置 | |
JP2006003581A (ja) | 管楽器の演奏用アクチュエータ | |
JP2007010771A (ja) | 音源制御装置及びそのプログラム | |
JP2007322467A (ja) | 管楽器の演奏システム | |
KR20170094825A (ko) | 색소폰 연주 로봇 | |
JP2001175252A (ja) | 発音装置 | |
JP2003280639A (ja) | 演奏装置 | |
JP2009139554A (ja) | 管楽器演奏装置、及び管楽器の自動演奏方法 | |
KR100488484B1 (ko) | 팬플루트 연주 시스템 | |
JP5023536B2 (ja) | 鍵駆動装置及び鍵盤楽器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050728 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060824 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060905 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060918 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101006 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101006 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111006 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111006 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131006 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |