JP3861664B2 - Frp製パネル同士の接合構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、FRP(繊維強化プラスチック)製パネル同士の接合構造に関し、とくに、一方がサンドイッチ構造部を有するFRP製パネルからなり、他方がFRP単板からなるFRP製パネルからなるパネル同士の端部接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば自動車用の各種パネルとして、軽量で剛性が高く、耐久性や断熱性等に優れたFRP製パネルが注目をあびつつある。とくに高い剛性が要求される場合にはサンドイッチ構造、たとえば、FRPスキン層/コア材/FRPスキン層からなるサンドイッチ構造が採用されるが、パネルの端部においては、他部材との取り合いや、結合のため、FRP単板構造とされることが多い。また、部分的にサンドイッチ構造とされたFRP製パネルの全体の剛性を高めるために、このFRP製パネルとは別のFRP単板からなるスチフナを接着剤等を介して接合する構造が知られており、このような構造を採用する場合には、通常、サンドイッチ構造部を有するFRP製パネルの端部のFRP単板構造のフランジ部に、スチフナを構成するFRP単板からなるパネル材が接合される。
【0003】
たとえば図4に示すように、コア材101(たとえば、発泡体からなるコア材)の両面にFRP板102、103(FRPスキン板)を配置し、その端部を傾斜FRP板104で閉じたてサンドイッチ構造部105を形成し、サンドイッチ構造部105の端部に外方に向けて延びるFRP単板からなる端部フランジ部106が連設された第1のFRP製パネル107と、FRP単板からなり、端部フランジ部106に対向するフランジ対向板部108とサンドイッチ構造部105の端部を形成する傾斜FRP板104に対向する傾斜FRP板対向板部109とを有する第2のFRP製パネル110とが、接着剤111を介して接合される。
【0004】
しかしながら、このような接合構造には、以下のような問題がある。
まず、接着剤111を介して接合する際には、たとえば図5に示すように、圧接される際に接着剤111が端部からはみ出すので、このはみ出し部112を含めて端部を機械加工等により切削する必要がある。切削は、切削加工面13にて、たとえば図6に示すような形状や範囲(切削部114)にわたって行われるが、機械加工時に切削端面部において、両FRP単板、つまり端部フランジ部106とフランジ対向板部108とが剥離しやすいという問題がある。これは、両FRP単板の接合方向と切削力が加わる方向が実質的に同じ方向となってしまうことによると考えられる。
【0005】
また、図7に示すように、サンドイッチ構造部105の端部の傾斜FRP板104の立ち上がり点となるコーナ部115と、第2のFRP製パネル110の傾斜FRP板対向板部109の立ち上がり点となるコーナ部116とは、極力位置合わせされる必要があるが、FRP製パネル107、110の成形精度に限界があるため、また、作業上の位置合わせ精度にも限界があるため、毎回、両コーナ部115、116を正確に位置合わせすることは非常に困難である。
【0006】
さらに、接着剤111が接合部奥側においても十分均一に充満されていることを確認するために、傾斜FRP板104と傾斜FRP板対向板部109との間から傾斜FRP板104の最奥端部にはみ出してきた接着剤111(はみ出し部117)を確認するようにしているが、この確認が難しいとともに、傾斜FRP板104と傾斜FRP板対向板部109との間に接着剤111の層が均一に形成されているか否かの確認ができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記のような問題点に着目し、接合端部を機械加工する際にも剥離のおそれがなく、問題なく端部修正加工ができるようになるとともに、サンドイッチ構造部の傾斜FRP板とそれに対向される傾斜FRP板対向板部との立ち上がりコーナ部同士の位置合わせを容易化し接合作業を大幅に容易化できると同時に、接合部における接着剤充満の状態を容易に確認できる、FRP製パネル同士の接合構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るFRP製パネル同士の接合構造は、サンドイッチ構造部を有し、該サンドイッチ構造部の端部に外方に向けて延びるFRP単板からなる端部フランジ部が連設された第1のFRP製パネルと、FRP単板からなり、前記端部フランジ部に対向するフランジ対向板部と前記サンドイッチ構造部の端部を形成する傾斜FRP板部に対向する傾斜FRP板対向板部とを有する第2のFRP製パネルとを、接着剤を介して接合する構造であって、前記端部フランジ部が前記フランジ対向板部よりも外方まで延設されているとともに、該延設部が前記フランジ対向板部を覆うように湾曲していることを特徴とするものからなる(第1の形態)。
【0009】
また、本発明に係るFRP製パネル同士の接合構造は、サンドイッチ構造部を有し、該サンドイッチ構造部の端部に外方に向けて延びるFRP単板からなる端部フランジ部が連設された第1のFRP製パネルと、FRP単板からなり、前記端部フランジ部に対向するフランジ対向板部と前記サンドイッチ構造部の端部を形成する傾斜FRP板部に対向する傾斜FRP板対向板部とを有する第2のFRP製パネルとを、接着剤を介して接合する構造であって、前記傾斜FRP板対向板部の傾斜立ち上がり点が前記傾斜FRP板部の傾斜立ち上がり点よりも外側に位置し、かつ、前記傾斜FRP板対向板部の傾斜立ち上がり角度が前記傾斜FRP板部の傾斜立ち上がり角度よりも大きいことを特徴とするものからなる(第2の形態)。
【0010】
さらに本発明は、上記第1の形態と第2の形態を組み合わせた構造、すなわち、サンドイッチ構造部を有し、該サンドイッチ構造部の端部に外方に向けて延びるFRP単板からなる端部フランジ部が連設された第1のFRP製パネルと、FRP単板からなり、前記端部フランジ部に対向するフランジ対向板部と前記サンドイッチ構造部の端部を形成する傾斜FRP板部に対向する傾斜FRP板対向板部とを有する第2のFRP製パネルとを、接着剤を介して接合する構造であって、前記端部フランジ部が前記フランジ対向板部よりも外方まで延設されているとともに、該延設部が前記フランジ対向板部を覆うように湾曲しており、前記傾斜FRP板対向板部の傾斜立ち上がり点が前記傾斜FRP板部の傾斜立ち上がり点よりも外側に位置し、かつ、前記傾斜FRP板対向板部の傾斜立ち上がり角度が前記傾斜FRP板部の傾斜立ち上がり角度よりも大きいことを特徴とする、FRP製パネル同士の接合構造を提供する(第3の形態)。
【0011】
上記のような本発明に係るFRP製パネル同士の接合構造においては、たとえば第1のFRP製パネルは意匠面を形成する外側パネル(アウターパネル)からなり、第2のFRP製パネルが反意匠面を形成する内側パネル(インナーパネル)からなる。とくに、第2のFRP製パネルは、第1のFRP製パネルのスチフナを構成する形態とすることができる。このような本発明に係るFRP製パネル同士の接合構造は、たとえば、自動車用FRP製パネルを構成する際に好適なものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明におけるFRP製パネルのうち、第1のFRP製パネルは、サンドイッチ構造部を有するものである。サンドイッチ構造部は、たとえばコア材の両面にFRPスキン板が配置されたものからなり、本発明では、サンドイッチ構造部の端部が傾斜FRP板部で閉じられて、その外側に、外方に向けて延びるFRP単板からなる端部フランジ部が連設されている。第2のFRP製パネルは、FRP単板からなり、第1のFRP製パネルの端部フランジ部に対向するフランジ対向板部と、サンドイッチ構造部の端部を形成する傾斜FRP板部に対向する傾斜FRP板対向板部とを有するパネル、たとえば、第1のFRP製パネルに対するスチフナとして構成されている。そして、これら両FRP製パネルが、接着剤を介して接合される。
【0013】
上記サンドイッチ構造部におけるコア材としては、たとえば、軽量化のために発泡され、あるレベル以上の剛性を有する発泡体からなるコア材を使用できる。このような発泡体からなるコア材の材質としては特に限定されず、たとえば、ポリウレタンやアクリル、ポリスチレン、ポリイミド、塩化ビニル、フェノールなどの高分子材料のフォーム材などを使用できる。また、本発明におけるFRPとは、強化繊維により強化された樹脂を指し、強化繊維としては、たとえば、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維や、ケブラー繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる強化繊維が挙げられる。パネル全体の剛性を高く保つ面から、とくに炭素繊維が好ましい。FRPのマトリックス樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、さらには、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂も使用可能である。
【0014】
本発明の一実施態様に係るFRP製パネル同士の接合構造を図1に示す。
第1のFRP製パネル1は、サンドイッチ構造部2を有しており、サンドイッチ構造部2は、発泡体からなるコア材3の両面に配置されたFRPスキン板4、5と、端部に配置された傾斜FRP板6とを備えている。サンドイッチ構造部2の外側には、外方に向けて延びるFRP単板からなる端部フランジ部7が連設されている。これらFRP部分は、たとえばRTM法(Resin Transfer Molding)により一体に成形することができる。第2のFRP製パネル8は、FRP単板からなり、第1のFRP製パネル1の端部フランジ部7に対向するフランジ対向板部9と、サンドイッチ構造部2の端部を形成する傾斜FRP板6に対向する傾斜FRP板対向板部10とを有しており、本実施態様では、第1のFRP製パネル1に対するスチフナとして構成されている。これら両FRP製パネル1、8が、接着剤11を介して接合されている。
【0015】
上記第1のFRP製パネル1の端部フランジ部7は、その外方端部が、第2のFRP製パネル8のフランジ対向板部9よりも外方まで延設されており、この延設部12が、フランジ対向板部9の端部を覆うように湾曲されている。接合に際しては、この湾曲延設部12とフランジ対向板部9の端部との間から、接着剤11が若干干盛り上がってはみ出すように、両FRP製パネル1、8が圧接される。この接着剤はみ出し部13により、接着剤11のブリード状態を容易に外部から確認でき、端部近傍において、両FRP製パネル1、8間に、それらの端部方向に向けて十分に接着剤11が行き渡ったことを確認できる。
【0016】
また、第2のFRP製パネル8の傾斜FRP板対向板部10の傾斜立ち上がり点14(コーナ部)は、第1のFRP製パネル1の傾斜FRP板6の傾斜立ち上がり点15(コーナ部)よりも外側に位置し、かつ、傾斜FRP板対向板部10の傾斜立ち上がり角度θ1 は、傾斜FRP板6の傾斜立ち上がり角度θ2 よりも大きくなるように設定されている。傾斜FRP板対向板部10の傾斜立ち上がり点14と、傾斜FRP板6の傾斜立ち上がり点15との距離Lは、たとえば3〜10mm程度とされ、多少の成形誤差や、接合作業時の位置合わせ誤差があったとしても、両FRP製パネル1、8間に干渉の生じるおそれがない寸法に設定されている。
【0017】
上記傾斜立ち上がり角度θ1 、θ2 による開き角の関係から、傾斜FRP板対向板部10と傾斜FRP板6は奥側にいくにつれ間隔が広がるように配置されることになり、接着剤11は、両者の間隙部を全面にわたって埋めることなく、傾斜立ち上がり点14、15から少し奥に入った箇所まで充填されており、この部分に接着剤充填端部16が形成されている。
【0018】
このように構成されたFRP製パネル同士の接合構造においては、端部修正加工のために切削を行う際、その切削加工面を、図2に示すように、第1のFRP製パネル1の端部フランジ部7の湾曲延設部12の外面を削る切削加工面21と、湾曲延設部12の先端部を接着剤はみ出し部13とともに削る切削加工面22とすることができる。これら切削加工面21、22は、第1のFRP製パネル1の端部フランジ部7と第2のFRP製パネル8のフランジ対向板部9との接合部を削るものではないから、これら両者の接合強度には影響を及ぼさず、両者間に剥離が生じるおそれは除去される。しかも、意匠面となるFRP製パネル1の端部フランジ部7の外面部23にも実質的に影響を及ぼさないから、意匠性も損なわれない。したがって、何ら問題を発生させることなく、所定の端部修正加工を施すことができる。
【0019】
ちなみに、図1に示した本発明に係る接合構造と、図4に示した接合構造とについて、炭素繊維織物(3プライ)とエポキシ樹脂からなる第1のFRP製パネルの端部フランジ部と、同様に炭素繊維織物(3プライ)とエポキシ樹脂からなる第2のFRP製パネルのフランジ対向板部とを、ウレタン系の接着剤で接合し、図2に示したような端部切削加工と図5、図6に示したような端部切削加工とをそれぞれ施した後、繰り返し荷重を加える試験を行った結果、図1に示した本発明に係る接合構造では端部剥離は全く発生しなかったが、図4に示した接合構造では、端部に剥離が発生した。
【0020】
また、上記本発明に係るFRP製パネル同士の接合構造においては、第2のFRP製パネル8の傾斜FRP板対向板部10の傾斜立ち上がり点14(コーナ部)が、第1のFRP製パネル1の傾斜FRP板6の傾斜立ち上がり点15(コーナ部)よりも外側に位置し、傾斜FRP板対向板部10の傾斜立ち上がり点14と傾斜FRP板6の傾斜立ち上がり点15との間に適切な距離L(たとえば3〜10mm程度)が与えられているので、傾斜FRP板対向板部10と傾斜FRP板6との間に干渉を発生させることなく、両点14、15を容易に適当な位置関係に配置することができる。すなわち、図4に示した構造に比べ、位置合わせが大幅に容易化され、接合作業が大幅に容易化される。
【0021】
そして、傾斜FRP板対向板部10の傾斜立ち上がり角度θ1 が、傾斜FRP板6の傾斜立ち上がり角度θ2 よりも大きくなるように設定されているので、立ち上がり角度θ1 、θ2 による開き角の大小関係から、傾斜FRP板対向板部10と傾斜FRP板6は奥側にいくにつれ間隔が広がるように、つまり、テーパ状の間隔が形成されるように配置されることになり、この面からも、傾斜FRP板対向板部10と傾斜FRP板6との間に干渉を発生させることなく、第1のFRP製パネル1と第2のFRP製パネル8との位置合わせが容易に行われることになり、接合作業が大幅に容易化されることになる。
【0022】
さらに、上記間隙部においては、接着剤11は間隙部全体に広がる必要はなく、傾斜立ち上がり点14、15から少しはみ出る位置まで充填されれば、この方向において第1のFRP製パネル1の端部フランジ部7と第2のFRP製パネル8のフランジ対向板部9とは奥端部まで確実に接着剤11を介して接合されたことを確認できる。傾斜FRP板対向板部10と傾斜FRP板6はテーパ状に間隔が広がるように配置されているから、上記接着剤11がはみ出した接着剤充填端部16は、たとえば検棒(図示略)などで容易に確認できるようになり、この部分およびこの方向における接着剤充満の状態(ブリード状態)を容易に確認できるようになる。所定の接着剤充満状態を確認できる結果、確実に所定の接合状態になっていることを確認できる。
【0023】
ちなみに、図1に示した本発明に係る接合構造について、両FRP製パネルのFRP部分を炭素繊維織物(3プライ)とエポキシ樹脂から構成し、傾斜FRP板対向板部10の傾斜立ち上がり角度θ1 を45度、傾斜FRP板6の傾斜立ち上がり角度θ2 を30度とした場合と、図4に示した接合構造について、同様のFRP構成とし、傾斜FRP板対向板部と傾斜FRP板の傾斜立ち上がり角度をともに45度とした場合とを比較した結果、後者では位置合わせが難しいとともに接着剤の充満状態の確認が困難であったが、前者では、容易に位置合わせを行うことができたとともに、検棒挿入により容易に接着剤の充満状態を確認でき、所定の接合状態になっていることを容易に確認できた。
【0024】
上記のような構成を有する第1のFRP製パネル1と第2のFRP製パネル8との接合構造は、たとえば自動車用FRP製パネルとして好適なものであり、第1のFRP製パネル1をその外面が意匠面を形成するアウターパネルとして、第2のFRP製パネル8をそのアウターパネルを補強するスチフナとして構成できる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るFRP製パネル同士の接合構造によれば、接合端部を機械加工する際および加工後にも端部剥離のおそれを除去して、問題なく端部修正加工ができるようになるとともに、サンドイッチ構造部の傾斜FRP板とそれに対向される傾斜FRP板対向板部との立ち上がりコーナ部同士の位置合わせの条件が大幅に緩和されるので位置合わせを容易に行うことができ、両FRP製パネル同士の接合作業を大幅に容易化でき、かつ、接合部における接着剤充満の状態を容易に確認できるようになる。その結果、接合作業を容易化することと確実に所定の状態に接合することとを、ともに達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るFRP製パネル同士の接合構造の断面図である。
【図2】図1の構造の外側先端部の拡大部分断面図である。
【図3】図1の構造のFRP板立ち上がり部の拡大部分断面図である。
【図4】従来のFRP製パネル同士の接合構造の断面図である。
【図5】図4の構造の外側先端部の拡大部分断面図である。
【図6】図5の外側先端部を切削した場合の断面図である。
【図7】図4の構造のFRP板立ち上がり部の拡大部分断面図である。
【符号の説明】
1 第1のFRP製パネル
2 サンドイッチ構造部
3 コア材
4、5 FRPスキン板
6 傾斜FRP板
7 端部フランジ部
8 第2のFRP製パネル
9 フランジ対向板部
10 傾斜FRP板対向板部
11 接着剤
12 湾曲延設部
13 接着剤はみ出し部
14 傾斜FRP板対向板部の傾斜立ち上がり点(コーナ部)
15 傾斜FRP板の傾斜立ち上がり点(コーナ部)
16 接着剤充填端部
21、22 切削加工面
23 端部フランジ部の外面部
【発明の属する技術分野】
本発明は、FRP(繊維強化プラスチック)製パネル同士の接合構造に関し、とくに、一方がサンドイッチ構造部を有するFRP製パネルからなり、他方がFRP単板からなるFRP製パネルからなるパネル同士の端部接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば自動車用の各種パネルとして、軽量で剛性が高く、耐久性や断熱性等に優れたFRP製パネルが注目をあびつつある。とくに高い剛性が要求される場合にはサンドイッチ構造、たとえば、FRPスキン層/コア材/FRPスキン層からなるサンドイッチ構造が採用されるが、パネルの端部においては、他部材との取り合いや、結合のため、FRP単板構造とされることが多い。また、部分的にサンドイッチ構造とされたFRP製パネルの全体の剛性を高めるために、このFRP製パネルとは別のFRP単板からなるスチフナを接着剤等を介して接合する構造が知られており、このような構造を採用する場合には、通常、サンドイッチ構造部を有するFRP製パネルの端部のFRP単板構造のフランジ部に、スチフナを構成するFRP単板からなるパネル材が接合される。
【0003】
たとえば図4に示すように、コア材101(たとえば、発泡体からなるコア材)の両面にFRP板102、103(FRPスキン板)を配置し、その端部を傾斜FRP板104で閉じたてサンドイッチ構造部105を形成し、サンドイッチ構造部105の端部に外方に向けて延びるFRP単板からなる端部フランジ部106が連設された第1のFRP製パネル107と、FRP単板からなり、端部フランジ部106に対向するフランジ対向板部108とサンドイッチ構造部105の端部を形成する傾斜FRP板104に対向する傾斜FRP板対向板部109とを有する第2のFRP製パネル110とが、接着剤111を介して接合される。
【0004】
しかしながら、このような接合構造には、以下のような問題がある。
まず、接着剤111を介して接合する際には、たとえば図5に示すように、圧接される際に接着剤111が端部からはみ出すので、このはみ出し部112を含めて端部を機械加工等により切削する必要がある。切削は、切削加工面13にて、たとえば図6に示すような形状や範囲(切削部114)にわたって行われるが、機械加工時に切削端面部において、両FRP単板、つまり端部フランジ部106とフランジ対向板部108とが剥離しやすいという問題がある。これは、両FRP単板の接合方向と切削力が加わる方向が実質的に同じ方向となってしまうことによると考えられる。
【0005】
また、図7に示すように、サンドイッチ構造部105の端部の傾斜FRP板104の立ち上がり点となるコーナ部115と、第2のFRP製パネル110の傾斜FRP板対向板部109の立ち上がり点となるコーナ部116とは、極力位置合わせされる必要があるが、FRP製パネル107、110の成形精度に限界があるため、また、作業上の位置合わせ精度にも限界があるため、毎回、両コーナ部115、116を正確に位置合わせすることは非常に困難である。
【0006】
さらに、接着剤111が接合部奥側においても十分均一に充満されていることを確認するために、傾斜FRP板104と傾斜FRP板対向板部109との間から傾斜FRP板104の最奥端部にはみ出してきた接着剤111(はみ出し部117)を確認するようにしているが、この確認が難しいとともに、傾斜FRP板104と傾斜FRP板対向板部109との間に接着剤111の層が均一に形成されているか否かの確認ができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記のような問題点に着目し、接合端部を機械加工する際にも剥離のおそれがなく、問題なく端部修正加工ができるようになるとともに、サンドイッチ構造部の傾斜FRP板とそれに対向される傾斜FRP板対向板部との立ち上がりコーナ部同士の位置合わせを容易化し接合作業を大幅に容易化できると同時に、接合部における接着剤充満の状態を容易に確認できる、FRP製パネル同士の接合構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るFRP製パネル同士の接合構造は、サンドイッチ構造部を有し、該サンドイッチ構造部の端部に外方に向けて延びるFRP単板からなる端部フランジ部が連設された第1のFRP製パネルと、FRP単板からなり、前記端部フランジ部に対向するフランジ対向板部と前記サンドイッチ構造部の端部を形成する傾斜FRP板部に対向する傾斜FRP板対向板部とを有する第2のFRP製パネルとを、接着剤を介して接合する構造であって、前記端部フランジ部が前記フランジ対向板部よりも外方まで延設されているとともに、該延設部が前記フランジ対向板部を覆うように湾曲していることを特徴とするものからなる(第1の形態)。
【0009】
また、本発明に係るFRP製パネル同士の接合構造は、サンドイッチ構造部を有し、該サンドイッチ構造部の端部に外方に向けて延びるFRP単板からなる端部フランジ部が連設された第1のFRP製パネルと、FRP単板からなり、前記端部フランジ部に対向するフランジ対向板部と前記サンドイッチ構造部の端部を形成する傾斜FRP板部に対向する傾斜FRP板対向板部とを有する第2のFRP製パネルとを、接着剤を介して接合する構造であって、前記傾斜FRP板対向板部の傾斜立ち上がり点が前記傾斜FRP板部の傾斜立ち上がり点よりも外側に位置し、かつ、前記傾斜FRP板対向板部の傾斜立ち上がり角度が前記傾斜FRP板部の傾斜立ち上がり角度よりも大きいことを特徴とするものからなる(第2の形態)。
【0010】
さらに本発明は、上記第1の形態と第2の形態を組み合わせた構造、すなわち、サンドイッチ構造部を有し、該サンドイッチ構造部の端部に外方に向けて延びるFRP単板からなる端部フランジ部が連設された第1のFRP製パネルと、FRP単板からなり、前記端部フランジ部に対向するフランジ対向板部と前記サンドイッチ構造部の端部を形成する傾斜FRP板部に対向する傾斜FRP板対向板部とを有する第2のFRP製パネルとを、接着剤を介して接合する構造であって、前記端部フランジ部が前記フランジ対向板部よりも外方まで延設されているとともに、該延設部が前記フランジ対向板部を覆うように湾曲しており、前記傾斜FRP板対向板部の傾斜立ち上がり点が前記傾斜FRP板部の傾斜立ち上がり点よりも外側に位置し、かつ、前記傾斜FRP板対向板部の傾斜立ち上がり角度が前記傾斜FRP板部の傾斜立ち上がり角度よりも大きいことを特徴とする、FRP製パネル同士の接合構造を提供する(第3の形態)。
【0011】
上記のような本発明に係るFRP製パネル同士の接合構造においては、たとえば第1のFRP製パネルは意匠面を形成する外側パネル(アウターパネル)からなり、第2のFRP製パネルが反意匠面を形成する内側パネル(インナーパネル)からなる。とくに、第2のFRP製パネルは、第1のFRP製パネルのスチフナを構成する形態とすることができる。このような本発明に係るFRP製パネル同士の接合構造は、たとえば、自動車用FRP製パネルを構成する際に好適なものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明におけるFRP製パネルのうち、第1のFRP製パネルは、サンドイッチ構造部を有するものである。サンドイッチ構造部は、たとえばコア材の両面にFRPスキン板が配置されたものからなり、本発明では、サンドイッチ構造部の端部が傾斜FRP板部で閉じられて、その外側に、外方に向けて延びるFRP単板からなる端部フランジ部が連設されている。第2のFRP製パネルは、FRP単板からなり、第1のFRP製パネルの端部フランジ部に対向するフランジ対向板部と、サンドイッチ構造部の端部を形成する傾斜FRP板部に対向する傾斜FRP板対向板部とを有するパネル、たとえば、第1のFRP製パネルに対するスチフナとして構成されている。そして、これら両FRP製パネルが、接着剤を介して接合される。
【0013】
上記サンドイッチ構造部におけるコア材としては、たとえば、軽量化のために発泡され、あるレベル以上の剛性を有する発泡体からなるコア材を使用できる。このような発泡体からなるコア材の材質としては特に限定されず、たとえば、ポリウレタンやアクリル、ポリスチレン、ポリイミド、塩化ビニル、フェノールなどの高分子材料のフォーム材などを使用できる。また、本発明におけるFRPとは、強化繊維により強化された樹脂を指し、強化繊維としては、たとえば、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維や、ケブラー繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる強化繊維が挙げられる。パネル全体の剛性を高く保つ面から、とくに炭素繊維が好ましい。FRPのマトリックス樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、さらには、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂も使用可能である。
【0014】
本発明の一実施態様に係るFRP製パネル同士の接合構造を図1に示す。
第1のFRP製パネル1は、サンドイッチ構造部2を有しており、サンドイッチ構造部2は、発泡体からなるコア材3の両面に配置されたFRPスキン板4、5と、端部に配置された傾斜FRP板6とを備えている。サンドイッチ構造部2の外側には、外方に向けて延びるFRP単板からなる端部フランジ部7が連設されている。これらFRP部分は、たとえばRTM法(Resin Transfer Molding)により一体に成形することができる。第2のFRP製パネル8は、FRP単板からなり、第1のFRP製パネル1の端部フランジ部7に対向するフランジ対向板部9と、サンドイッチ構造部2の端部を形成する傾斜FRP板6に対向する傾斜FRP板対向板部10とを有しており、本実施態様では、第1のFRP製パネル1に対するスチフナとして構成されている。これら両FRP製パネル1、8が、接着剤11を介して接合されている。
【0015】
上記第1のFRP製パネル1の端部フランジ部7は、その外方端部が、第2のFRP製パネル8のフランジ対向板部9よりも外方まで延設されており、この延設部12が、フランジ対向板部9の端部を覆うように湾曲されている。接合に際しては、この湾曲延設部12とフランジ対向板部9の端部との間から、接着剤11が若干干盛り上がってはみ出すように、両FRP製パネル1、8が圧接される。この接着剤はみ出し部13により、接着剤11のブリード状態を容易に外部から確認でき、端部近傍において、両FRP製パネル1、8間に、それらの端部方向に向けて十分に接着剤11が行き渡ったことを確認できる。
【0016】
また、第2のFRP製パネル8の傾斜FRP板対向板部10の傾斜立ち上がり点14(コーナ部)は、第1のFRP製パネル1の傾斜FRP板6の傾斜立ち上がり点15(コーナ部)よりも外側に位置し、かつ、傾斜FRP板対向板部10の傾斜立ち上がり角度θ1 は、傾斜FRP板6の傾斜立ち上がり角度θ2 よりも大きくなるように設定されている。傾斜FRP板対向板部10の傾斜立ち上がり点14と、傾斜FRP板6の傾斜立ち上がり点15との距離Lは、たとえば3〜10mm程度とされ、多少の成形誤差や、接合作業時の位置合わせ誤差があったとしても、両FRP製パネル1、8間に干渉の生じるおそれがない寸法に設定されている。
【0017】
上記傾斜立ち上がり角度θ1 、θ2 による開き角の関係から、傾斜FRP板対向板部10と傾斜FRP板6は奥側にいくにつれ間隔が広がるように配置されることになり、接着剤11は、両者の間隙部を全面にわたって埋めることなく、傾斜立ち上がり点14、15から少し奥に入った箇所まで充填されており、この部分に接着剤充填端部16が形成されている。
【0018】
このように構成されたFRP製パネル同士の接合構造においては、端部修正加工のために切削を行う際、その切削加工面を、図2に示すように、第1のFRP製パネル1の端部フランジ部7の湾曲延設部12の外面を削る切削加工面21と、湾曲延設部12の先端部を接着剤はみ出し部13とともに削る切削加工面22とすることができる。これら切削加工面21、22は、第1のFRP製パネル1の端部フランジ部7と第2のFRP製パネル8のフランジ対向板部9との接合部を削るものではないから、これら両者の接合強度には影響を及ぼさず、両者間に剥離が生じるおそれは除去される。しかも、意匠面となるFRP製パネル1の端部フランジ部7の外面部23にも実質的に影響を及ぼさないから、意匠性も損なわれない。したがって、何ら問題を発生させることなく、所定の端部修正加工を施すことができる。
【0019】
ちなみに、図1に示した本発明に係る接合構造と、図4に示した接合構造とについて、炭素繊維織物(3プライ)とエポキシ樹脂からなる第1のFRP製パネルの端部フランジ部と、同様に炭素繊維織物(3プライ)とエポキシ樹脂からなる第2のFRP製パネルのフランジ対向板部とを、ウレタン系の接着剤で接合し、図2に示したような端部切削加工と図5、図6に示したような端部切削加工とをそれぞれ施した後、繰り返し荷重を加える試験を行った結果、図1に示した本発明に係る接合構造では端部剥離は全く発生しなかったが、図4に示した接合構造では、端部に剥離が発生した。
【0020】
また、上記本発明に係るFRP製パネル同士の接合構造においては、第2のFRP製パネル8の傾斜FRP板対向板部10の傾斜立ち上がり点14(コーナ部)が、第1のFRP製パネル1の傾斜FRP板6の傾斜立ち上がり点15(コーナ部)よりも外側に位置し、傾斜FRP板対向板部10の傾斜立ち上がり点14と傾斜FRP板6の傾斜立ち上がり点15との間に適切な距離L(たとえば3〜10mm程度)が与えられているので、傾斜FRP板対向板部10と傾斜FRP板6との間に干渉を発生させることなく、両点14、15を容易に適当な位置関係に配置することができる。すなわち、図4に示した構造に比べ、位置合わせが大幅に容易化され、接合作業が大幅に容易化される。
【0021】
そして、傾斜FRP板対向板部10の傾斜立ち上がり角度θ1 が、傾斜FRP板6の傾斜立ち上がり角度θ2 よりも大きくなるように設定されているので、立ち上がり角度θ1 、θ2 による開き角の大小関係から、傾斜FRP板対向板部10と傾斜FRP板6は奥側にいくにつれ間隔が広がるように、つまり、テーパ状の間隔が形成されるように配置されることになり、この面からも、傾斜FRP板対向板部10と傾斜FRP板6との間に干渉を発生させることなく、第1のFRP製パネル1と第2のFRP製パネル8との位置合わせが容易に行われることになり、接合作業が大幅に容易化されることになる。
【0022】
さらに、上記間隙部においては、接着剤11は間隙部全体に広がる必要はなく、傾斜立ち上がり点14、15から少しはみ出る位置まで充填されれば、この方向において第1のFRP製パネル1の端部フランジ部7と第2のFRP製パネル8のフランジ対向板部9とは奥端部まで確実に接着剤11を介して接合されたことを確認できる。傾斜FRP板対向板部10と傾斜FRP板6はテーパ状に間隔が広がるように配置されているから、上記接着剤11がはみ出した接着剤充填端部16は、たとえば検棒(図示略)などで容易に確認できるようになり、この部分およびこの方向における接着剤充満の状態(ブリード状態)を容易に確認できるようになる。所定の接着剤充満状態を確認できる結果、確実に所定の接合状態になっていることを確認できる。
【0023】
ちなみに、図1に示した本発明に係る接合構造について、両FRP製パネルのFRP部分を炭素繊維織物(3プライ)とエポキシ樹脂から構成し、傾斜FRP板対向板部10の傾斜立ち上がり角度θ1 を45度、傾斜FRP板6の傾斜立ち上がり角度θ2 を30度とした場合と、図4に示した接合構造について、同様のFRP構成とし、傾斜FRP板対向板部と傾斜FRP板の傾斜立ち上がり角度をともに45度とした場合とを比較した結果、後者では位置合わせが難しいとともに接着剤の充満状態の確認が困難であったが、前者では、容易に位置合わせを行うことができたとともに、検棒挿入により容易に接着剤の充満状態を確認でき、所定の接合状態になっていることを容易に確認できた。
【0024】
上記のような構成を有する第1のFRP製パネル1と第2のFRP製パネル8との接合構造は、たとえば自動車用FRP製パネルとして好適なものであり、第1のFRP製パネル1をその外面が意匠面を形成するアウターパネルとして、第2のFRP製パネル8をそのアウターパネルを補強するスチフナとして構成できる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るFRP製パネル同士の接合構造によれば、接合端部を機械加工する際および加工後にも端部剥離のおそれを除去して、問題なく端部修正加工ができるようになるとともに、サンドイッチ構造部の傾斜FRP板とそれに対向される傾斜FRP板対向板部との立ち上がりコーナ部同士の位置合わせの条件が大幅に緩和されるので位置合わせを容易に行うことができ、両FRP製パネル同士の接合作業を大幅に容易化でき、かつ、接合部における接着剤充満の状態を容易に確認できるようになる。その結果、接合作業を容易化することと確実に所定の状態に接合することとを、ともに達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るFRP製パネル同士の接合構造の断面図である。
【図2】図1の構造の外側先端部の拡大部分断面図である。
【図3】図1の構造のFRP板立ち上がり部の拡大部分断面図である。
【図4】従来のFRP製パネル同士の接合構造の断面図である。
【図5】図4の構造の外側先端部の拡大部分断面図である。
【図6】図5の外側先端部を切削した場合の断面図である。
【図7】図4の構造のFRP板立ち上がり部の拡大部分断面図である。
【符号の説明】
1 第1のFRP製パネル
2 サンドイッチ構造部
3 コア材
4、5 FRPスキン板
6 傾斜FRP板
7 端部フランジ部
8 第2のFRP製パネル
9 フランジ対向板部
10 傾斜FRP板対向板部
11 接着剤
12 湾曲延設部
13 接着剤はみ出し部
14 傾斜FRP板対向板部の傾斜立ち上がり点(コーナ部)
15 傾斜FRP板の傾斜立ち上がり点(コーナ部)
16 接着剤充填端部
21、22 切削加工面
23 端部フランジ部の外面部
Claims (6)
- サンドイッチ構造部を有し、該サンドイッチ構造部の端部に外方に向けて延びるFRP単板からなる端部フランジ部が連設された第1のFRP製パネルと、FRP単板からなり、前記端部フランジ部に対向するフランジ対向板部と前記サンドイッチ構造部の端部を形成する傾斜FRP板部に対向する傾斜FRP板対向板部とを有する第2のFRP製パネルとを、接着剤を介して接合する構造であって、前記端部フランジ部が前記フランジ対向板部よりも外方まで延設されているとともに、該延設部が前記フランジ対向板部を覆うように湾曲していることを特徴とする、FRP製パネル同士の接合構造。
- サンドイッチ構造部を有し、該サンドイッチ構造部の端部に外方に向けて延びるFRP単板からなる端部フランジ部が連設された第1のFRP製パネルと、FRP単板からなり、前記端部フランジ部に対向するフランジ対向板部と前記サンドイッチ構造部の端部を形成する傾斜FRP板部に対向する傾斜FRP板対向板部とを有する第2のFRP製パネルとを、接着剤を介して接合する構造であって、前記傾斜FRP板対向板部の傾斜立ち上がり点が前記傾斜FRP板部の傾斜立ち上がり点よりも外側に位置し、かつ、前記傾斜FRP板対向板部の傾斜立ち上がり角度が前記傾斜FRP板部の傾斜立ち上がり角度よりも大きいことを特徴とする、FRP製パネル同士の接合構造。
- サンドイッチ構造部を有し、該サンドイッチ構造部の端部に外方に向けて延びるFRP単板からなる端部フランジ部が連設された第1のFRP製パネルと、FRP単板からなり、前記端部フランジ部に対向するフランジ対向板部と前記サンドイッチ構造部の端部を形成する傾斜FRP板部に対向する傾斜FRP板対向板部とを有する第2のFRP製パネルとを、接着剤を介して接合する構造であって、前記端部フランジ部が前記フランジ対向板部よりも外方まで延設されているとともに、該延設部が前記フランジ対向板部を覆うように湾曲しており、前記傾斜FRP板対向板部の傾斜立ち上がり点が前記傾斜FRP板部の傾斜立ち上がり点よりも外側に位置し、かつ、前記傾斜FRP板対向板部の傾斜立ち上がり角度が前記傾斜FRP板部の傾斜立ち上がり角度よりも大きいことを特徴とする、FRP製パネル同士の接合構造。
- 前記第1のFRP製パネルが意匠面を形成する外側パネルからなり、前記第2のFRP製パネルが半意匠面を形成する内側パネルからなる、請求項1〜3のいずれかに記載のFRP製パネル同士の接合構造。
- 前記第2のFRP製パネルが、前記第1のFRP製パネルのスチフナを構成している、請求項4のFRP製パネル同士の接合構造。
- 自動車用FRP製パネルを構成する、請求項1〜5のいずれかに記載のFRP製パネル同士の接合構造。
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