JP3860384B2 - 自動製氷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷蔵庫に備えられ、氷を自動的に生成可能とする自動製氷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷蔵庫用の自動製氷装置としては、小型化、低コスト化を達成するために、製氷皿の原点位置と離氷位置の検知及び氷過不足の検知を一つのスイッチで行わせる駆動部が採用されている。
【0003】
従来の自動製氷装置としては特開平6−249556号公報、実開平6−78770号公報に示されているものがある。
【0004】
以下、図面を参照しながら上記従来の自動製氷装置を説明する。
【0005】
図22は従来の自動製氷装置の全体的な側面図であり、図23は製氷皿の駆動部の破断拡大平面図である。
【0006】
図22において、1は製氷皿2を回転させる駆動部、3は製氷皿2の回転と連動して回動する氷検知レバ−で、4は駆動部1と製氷皿2を保持するフレ−ムである。5は製氷皿2の回転を阻止することで捩りを与える阻止部である。
【0007】
図23において、6は動力源であるモ−タで、7は減速歯車群であり、最終段には製氷皿2を回転させる駆動軸を有するカム歯車8を配置している。
【0008】
カム歯車8は原点位置から1°逆転すると駆動部1の外郭ケ−ス1aと当たりロックして停止する様に構成されている。
【0009】
9は氷検知レバ−が取り付けられた検氷軸であり、カム歯車8の回転に連動して氷検知レバ−3と検知部材10を回動させる。
【0010】
11はカム歯車8が逆転し製氷皿2が復帰する過程でのみ検知部材10の回動を阻止する規制部材である。
【0011】
スイッチ信号は製氷皿2が原点位置、離氷位置に到達したときと、検知部材10の回動が阻止されたときに発生する。
【0012】
12は製氷皿2の下方に配置され、製氷皿2から離氷した氷を貯蔵しておく貯氷箱である。
【0013】
以上のように構成された従来の自動製氷装置について、以下その動作を説明する。
【0014】
まず、製氷皿2に氷が生成されると、モ−タ6への通電が開始されカム歯車8が正転し製氷皿2が離氷位置に向かって回転する。このとき貯氷箱12内の所定の高さまで氷が無いときは、検氷軸9が回動し氷検知レバ−3と検知部材10が回動することでスイッチ信号が発生せず氷不足と判断され、製氷皿2は離氷位置まで回転する。
【0015】
製氷皿2が離氷位置まで到達するとスイッチ信号が発生し、モ−タ6が一旦停止する。その後製氷皿2は原点方向に向かって復帰し始める。この復帰の過程で規制部材11は検知部材10の回動を阻止するのでスイッチ信号が発生する。そのスイッチ信号が原点位置を検知するための基準信号となり、そのスイッチ信号の後さらにカム歯車8が所定時間逆転すると原点位置を示すスイッチ信号が発生する。
【0016】
カム歯車8は原点位置のスイッチ信号発生後もさらに1°逆転しロックして停止した後、今度は1°正転し原点位置で停止する。
【0017】
一方、貯氷箱12内の所定の高さ以上に氷があるときは、検氷軸9が回動しようとしても氷検知レバ−3が氷に当たり回動を阻止されるため、検知部材10が回動せずスイッチ信号が発生し氷十分と判断し、製氷皿2は原点位置に向かって復帰し始める。そして原点信号発生後カム歯車がロックするまで1°逆転させ、その後1°正転させて停止させることで原点位置に停止することができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の自動製氷装置では、製氷皿2を原点位置に戻す際にカム歯車8をロックさせて機械的に停止させており駆動系の機械的ダメ−ジを最小限にするためにモ−タ電流を制限する抵抗器を介在させている。これはモ−タ6にとって適切な使用方法でなく耐久性を劣化させるという欠点があった。
【0019】
本発明は、上記課題を解決するもので、歯車をロックさせずに製氷皿を原点位置で停止させることができる耐久性の高い且つ簡素な構造で安価な自動製氷装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明は、製氷皿を回転させるカム歯車に設けられたスイッチ操作カムと、前記スイッチ操作カムに操作されて信号を出力するスイッチとを有し、前記スイッチ操作カムには前記スイッチの出力信号をオン信号からオフ信号に変化させそのオフ信号を維持し再びオン信号に変化させる凸部を設け、前記製氷皿が水平となる原点位置にあるとき前記スイッチを前記凸部のオフ信号を維持する区間内で操作保持したものである。
【0021】
これにより、スイッチから発生させるべき原点位置到達までの信号を他の位置信号と差別化できるので、原点位置でカム歯車をロックさせることなく、製氷皿を原点位置で停止させることがことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、氷を生成する製氷皿と、前記製氷皿を回転させるカム歯車と前記カム歯車を駆動する駆動歯車とを内蔵し前記製氷皿を回転させ離氷位置で氷を離氷させる駆動部と、前記製氷皿の下方に位置し前記製氷皿から離氷した氷を貯蔵しておく貯氷箱と、前記駆動部を制御する制御部とで構成され、前記駆動部は前記カム歯車に設けられたスイッチ操作カムと、前記スイッチ操作カムに操作されて信号を出力するスイッチと、第1の突起と第2の突起を備えたスイッチレバーと、を有し、前記スイッチ操作カムには前記スイッチの出力信号をオン信号からオフ信号に変化させそのオフ信号を維持し再びオン信号に変化させる凸部を設け、前記スイッチレバーは、前記第2の突起が前記凸部と接触しているときには、前記第1の突起が前記スイッチのボタンから離れるものであり、前記製氷皿が水平となる原点位置にあるとき前記スイッチを前記凸部のオフ信号を維持する区間内で操作保持し、前記カム歯車が前記製氷皿を離氷位置まで回転させたあと前記製氷皿を離氷位置から原点位置に復帰させるとき、前記凸部が前記スイッチを操作しオン・オフ・オンの順序で信号が発生したときに前記カム歯車の回転を停止し、そのあと前記カム歯車を逆方向に回転させて前記凸部で前記スイッチからオフ信号を発生させ、そのオフ信号が発生してから所定時間経過後前記カム歯車を停止させるものである。
【0023】
以上の構成において、製氷皿を離氷位置から原点位置へ復帰させるときに、スイッチからの出力信号がオンになり、その後オフになり、そのオフが維持されたときは、スイッチがスイッチ操作カムの凸部で操作され製氷皿が原点位置近傍に到達した状態になったことが想定される。
【0024】
しかし、この区間では、制御部は原点位置を特定することができないので、カム歯車の回転をさらに継続させ、検知スイッチの出力信号が再びオンになったときに、「オン・オフ・オン」の信号順序から原点位置が存在する区間を過ぎたと判断し、カム歯車の回転を停止させる。次に、制御部はカム歯車を逆方向に回転させてスイッチからオフ信号を発生させ、そのオフ信号を基準として製氷皿が原点位置に到達することのできる所定時間だけカム歯車を継続回転させてから停止させる。これによって製氷皿を原点位置に到達させることができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明による自動製氷装置の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0026】
図1から図18において、110は駆動部で、内部にモ−タ111、モ−タ111の回転を減速するウォ−ム歯車112、ウォ−ムホイ−ル歯車113、駆動歯車114、カム歯車115を配置している。
【0027】
駆動歯車114には、カム歯車115と噛み合う歯の領域に、一つの正規歯114aとそれ以外の歯を噛み合いピッチ円の丈で切り取った形状の低歯114bとからなる特殊歯車領域114cと、完全な歯車からなる正規歯車領域114dを軸方向に隣接させて設けている。
【0028】
カム歯車115には、原点位置にあるとき駆動歯車114の正規歯車領域114dと噛み合わない欠歯部115aと,複数の低歯114bの歯先が摺動する凹面部115bと、完全な歯車部115cを設けている。欠歯部115aと凹面部115bは軸方向に隣接させて並べて設けており、円周方向左右は完全な歯車部115cに挟まれている。凹面部115bの幅は完全な歯車部115cの歯幅よりも短く形成している。
【0029】
複数の低歯114bと凹面部115bが向かい合ったときは、お互いに外周がすべり接触するだけで動力は伝達されない。そして、凹面部115bの側面に正規歯114aが接触したときから動力が伝達され、駆動歯車114の正規歯車領域114dとカム歯車115の完全な歯車部115cが噛み合う。
【0030】
116は回動軸で、駆動部110の外側に位置する取り付け部116aと、駆動部110の内側に位置する従動部116bと、従動部116bに連動して変位する従動突起116cからなる。取り付け部116aには氷検知レバ−3が取り付けられる。
【0031】
117は回動軸116を回動させる回動許容カムで、カム歯車115上に設けられる。回動許容カム117は、凸部117aと凹部117bから成り、回動軸116の従動部116bが、凸部117aと接触しているときは氷検知レバ−3は貯氷箱12の上方に静止しており、従動部116bが凹部117bに入り込んだときに、従動部116bは所定角度だけ回動することができる。このとき氷検知レバ−3は貯氷箱12の内部へ進入する。
【0032】
ただし、貯氷箱12の内部に氷が所定の高さ以上存在するときは、氷検知レバ−3が氷に当たり進入を阻止されるので、回動軸116の回動が阻止される。
【0033】
そして、従動部116bが再び凸部117aに到達したとき、回動軸116が氷検知レバ−3を貯氷箱12から退出させる方向に回動する。
【0034】
118はスイッチ部であり、スイッチ119とスイッチレバ−120からなる。スイッチレバ−120は、軸部120a、バネ保持部120b、第1の突起120c、第2の突起120d、第3の突起120eからなる。
【0035】
軸部120aは駆動部110の外郭ケ−ス110aに設けられた軸受110bに保持され、第1の突起120cはスイッチ119のボタン119aに向かい合う位置に配置され、第2の突起120dは後述のスイッチ操作カム121に接触する位置に配置され、第3の突起120eは回動軸116が所定角度以上回動したときに従動突起116cと接触する位置に配置されている。
【0036】
スイッチ操作カム121はカム歯車115上に設けられており、凸部121aと、凹部121bからなる。スイッチ操作カム121にはスイッチレバ−120の第2の突起120dが接触する。
【0037】
122は一端を外郭ケ−ス110aのバネ保持棒110cに保持され、他端をスイッチレバ−120のバネ保持部120bに保持されたバネであり、スイッチレバ−120の第1の突起120cがスイッチ119のボタン119aを押しきる方向に付勢している。
【0038】
第2の突起120dがスイッチ操作カム121の凸部121aに接触しているときには第1の突起120cはスイッチ119のボタン119aから離れおり、第2の突起120dがスイッチ操作カムの凹部121bに接触したときには、第1の突起120cはスイッチ119のボタン119aを押しきる。
【0039】
なお、回動軸116の従動部116bが回動許容カム117の凹部117bに至り回動軸116が所定角度以上回動したときは、第2の突起120dがスイッチ操作カム121の凸部121aとの接触から凹部121bとの接触にかわる前に、従動突起116cがスイッチレバ−120の第3の突起120eを押さえるので、第1の突起120cはスイッチ119のボタン119aを押しきることはできない。
【0040】
123は一端を回動軸116のバネ保持部116dに保持され、他端を外郭ケ−ス110aのバネ保持棒110dに保持されたバネであり、回動軸116の従動部116bを常に回動許容カム117に押しつける方向に付勢している。
【0041】
以上の様に構成された自動製氷装置について、図21を参照しながら以下その動作を説明する。
【0042】
まず、貯氷箱12の所定高さまで氷がない(氷不足)場合の動作(図19参照)について説明する。
【0043】
製氷の完了を検知すると、モ−タ111に通電が開始され、モ−タ111が正転し、駆動歯車114が回転する(ステップ1)。だだし原点位置では、図2、図6に示すように複数の低歯114bと凹面部115bが向かい合い外周で滑り接触しているだけなので、駆動歯車114の回転がカム歯車115に伝達されない。
【0044】
このときのスイッチレバ−120の第2の突起120dは、図8に示すようにスイッチ操作カム121の凸部121aの頂部と接触しているため、第1の突起120cがスイッチ119のボタン119aから離れているのでスイッチ信号はHiである。
【0045】
一方、制御部は、モ−タ回転開始時間を起点にスイッチ信号がHi信号を出力している時間のカウントを開始する(ステップ2)。
【0046】
そして、駆動歯車114が所定角度回転して、特殊歯車領域114cの中の正規歯114aが、凹面部115bの側面と噛み合うと、カム歯車115に回転が伝達され、カム歯車115は正転を開始し、カム歯車115の正転に連動して製氷皿2が離氷方向に回転し始める。
【0047】
カム歯車115が所定角度(10°)回転したところで、回動軸116の従動部116bが回動許容カム117の凸部117aの頂部から凹部117bに向かう傾斜面に移動し回動し始め、氷検知レバ−3が貯氷箱12内に進入する。
【0048】
カム歯車115が所定角度以上回転して、回動軸116の回動が所定角度(25°)を超えると図10に示すように従動突起116cがスイッチレバ−120の第3の突起120eを押さえるので、第1の突起120cがスイッチ119のボタン119aを押すことができず、回動軸116の角度が25°未満になるまでスイッチ信号はHiの状態を続ける。
【0049】
なお、カム歯車115の角度が20°〜80°の間は、回動軸116の従動部116bが回動許容カム117の凹部117bの位置にきて、氷検知レバ−3の回動が貯氷箱12内の氷との当接により止められなければ回動軸116の回動角度が35°になる。
【0050】
カム歯車115が約84°正転したところで、回動軸116の角度が25°未満になり、従動突起116cが第3の突起120eから離れるので、第1の突起120cがスイッチ119のボタン119aを押し、スイッチ信号はLoに反転する(ステップ3をYes側に分岐)。
【0051】
これにより、制御部は、スイッチ信号がHi信号を出力している時間のカウントを終了する(ステップ4)。今回の場合、スイッチ信号のHi状態が、カム歯車115が30°回転するのに十分な所定時間(例えば3秒)を越えていることから、氷不足と判断し(ステップ5をYes側に分岐)、モ−タ111への通電を継続することでカム歯車115の正転を継続させる。
【0052】
カム歯車115が90°正転したところで、図11、図12に示すように、回動軸116の従動部116bが回動許容カムの凹部117bから凸部117aの頂部へ移り、氷検知レバ−3が元の待機位置にもどる。
【0053】
そして、製氷皿2の最大回動位置の少し手前から製氷皿2は阻止部5に当たり、製氷皿2の最大回動位置で十分捩られて製氷皿2内の氷を貯氷箱12内へ落下させる。
【0054】
カム歯車115の正転が160°を超えると、スイッチレバ−120の第2の突起120dがスイッチ操作カム121の凸部121aと当接し、第1の突起120cがスイッチ119のボタン119aから離れ、スイッチ信号がHiへ反転する(ステップ6をYes側に分岐)。制御部はスイッチ信号のHiへの反転で、製氷皿2が離氷位置に到達したと判断し、モ−タ111を所定時間停止させる(ステップ7)。この状態を示すのが図13、図14である。その後、今度はモ−タ111の回転方向をかえて製氷皿2を復帰させ始める(ステップ8)。
【0055】
復帰後すぐに(カム歯車115の角度が160°以下になると)、第2の突起120dが、スイッチ操作カム121の凸部121aの頂部から凹部121bに移動しスイッチ信号はLoに反転する(ステップ9をYes側に分岐)。
【0056】
製氷皿2の復帰過程で、回動軸116の従動部116bが回動許容カム117の凸部117aから凹部117bへ移動した際に所定角度以上回動し、従動突起116cが第3の突起120eを押さえるため、今度はスイッチ信号がHiに反転する(ステップ10をYes側に分岐)。
【0057】
さらに製氷皿2は回転して原点位置に到達し、再び特殊歯車領域114cの低歯114bと凹面部115bが向かい合い外周で滑り接触するだけとなり、駆動歯車114の回転がカム歯車115に伝達されなくなりカム歯車115は原点位置で停止した状態となる。
【0058】
さらにモ−タ111への通電を継続しカム歯車115の停止状態が解除されると、図15、図16に示すように、カム歯車115が原点位置を20°越えたところでスイッチ信号はLoに反転する(ステップ11をYes側に分岐)。ここで制御部はモ−タ111の回転を所定時間停止し、カム歯車115の回転を一旦止め(ステップ12)、そして再びモ−タ111の回転方向を変えて(ステップ13)カム歯車115を約20°戻し水平とする。この場合、スイッチ信号がHiになったことを確認して(ステップ14をYes側に分岐)、カム歯車115が水平に戻るのに必要十分な時間である1秒後にモ−タ111への通電を停止する(ステップ15、ステップ16)。
【0059】
次に、貯氷箱12の所定高さ以上に氷が存在する(氷十分)場合の動作(図20参照)について説明する。
【0060】
製氷の完了を検知すると、モ−タ111に通電が開始され駆動歯車114が回転する(ステップ1)。ただし原点位置では低歯114bと凹面部115bが向かい合い外周で滑り接触しているだけなので、駆動歯車114の回転がカム歯車115に伝達されない。
【0061】
このときのスイッチレバ−120の第2の突起120dは、図8に示すようにスイッチ操作カム121の凸部121aの頂部と接触しているため、第1の突起120cがスイッチ119のボタン119aから離れているのでスイッチ信号はHiである。
【0062】
一方、制御部は、モ−タ回転開始時間を起点にスイッチ信号がHi信号を出力している時間のカウントを開始する(ステップ2)。
【0063】
そして、駆動歯車114が所定角度回転して、特殊歯車領域114cの中の正規歯114aが、凹面部115bの側面と噛み合うと、カム歯車115に回転が伝達され、カム歯車115は正転を開始し、カム歯車115の正転に連動して製氷皿2が離氷方向に回転し始める。カム歯車115が所定角度(20°)回転したところで、回動軸116の従動部116bが回動許容カム117の凸部117aから凹部117bに移動し回動し始め、氷検知レバ−3が貯氷箱12内に進入する。
【0064】
カム歯車115が所定角度(10°)回転したところで、回動軸116の従動部116bが回動許容カム117の凸部117aの頂部から凹部117bに向かう傾斜面に移動し回動し始め、氷検知レバ−3が貯氷箱12内に進入する。
【0065】
しかし、氷検知レバ−3は貯氷箱12内の氷に当たり、それ以上進入できず回動軸116の回動を阻止する。
【0066】
回動軸116の回動が所定角度(25°)に到達しないため、図18に示すように従動突起116cがスイッチレバ−120の第3の突起120eを押さえることができず、第2の突起120dがスイッチ操作カム121の凸部121aの頂部から凹部121bに移動した瞬間に、第1の突起120cがスイッチ119のボタン119aを押し切り、スイッチ信号をLoへ反転させる(ステップ3)。
【0067】
これにより、制御部は、スイッチ信号がHi信号を出力している時間のカウントを終了する(ステップ4)。今回の場合、スイッチ信号のHi状態が、カム歯車115が30°回転するのに十分な所定時間(例えば3秒)以内であることから、氷十分と判断し(ステップ5をNo側に分岐)、製氷皿2の回転を停止し(ステップ17)、モ−タ111の回転方向を変えて、カム歯車115を原点方向へ向かって復帰させる(ステップ18)。
【0068】
復帰後すぐに(カム歯車115の角度が30°以下になると)、第2の突起120dが、スイッチ操作カム121の凹部121bから凸部121aに移動しスイッチ信号はHiに反転する(ステップ19をYes側に分岐)。
【0069】
さらに製氷皿2は回転して原点位置に到達し、再び特殊歯車領域114cの低歯114bと凹面部115bが向かい合い外周で滑り接触するだけとなり、駆動歯車114の回転がカム歯車115に伝達されなくなりカム歯車115は原点位置で停止した状態となる。
【0070】
さらにモ−タ111への通電を継続しカム歯車115の停止状態が解除されると、図15、図16に示すように、カム歯車115が原点位置を20°越えたところでスイッチ信号はLoに反転する(ステップ11をYes側に分岐)。ここで制御部はモ−タ111の回転を所定時間停止し、カム歯車115の回転を一旦止め(ステップ12)、そして再びモ−タ111の回転方向を変えて(ステップ13)カム歯車115を約20°戻し水平とする。この場合、スイッチ信号がHiになったことを確認して(ステップ14をYes側に分岐)、カム歯車115が水平に戻るのに必要十分な時間である1秒後にモ−タ111への通電を停止する(ステップ15、ステップ16)。
【0071】
以上のように本実施例の自動製氷装置は、カム歯車115に設けられたスイッチ操作カム121と、スイッチ操作カム121に操作されて信号を出力するスイッチ119とを有し、スイッチ操作カム121にスイッチ119の出力信号をオン信号からオフ信号に変化させそのオフ信号を維持し再びオン信号に変化させる凸部121aを設け、製氷皿2が水平となる原点位置にあるときスイッチ119を凸部121aのオフ信号を維持する区間内で操作するようにしたので、制御部が製氷皿2の原点位置を検知する際に、スイッチ119からの信号順序を確認しながらカム歯車115を回転させ、「オン・オフ・オン」の順序で信号を確認できた時点でカム歯車115を停止し、その位置からカム歯車115を反転させてスイッチ119からオフ信号を発生させ、そのオフ信号発生時点からさらに所定時間カム歯車115を継続回転させることによって製氷皿2を原点位置に復帰させる。
【0072】
それゆえ、原点位置でカム歯車115をロックさせて信号発生時間の長さを確認する必要がなく、駆動部への機械的負荷が軽減され耐久性が向上する。
【0073】
また、従来例のようなモータ111への電流制限が不必要になるので、抵抗器を内蔵する必要もなく安価な自動製氷装置を提供することができる。
【0074】
さらに、製氷皿2の原点位置は信号発生ポイントで停止させたものではないので、製氷皿2やカム歯車115の自然振れによってスイッチ119が誤作動することがなく、信頼性が向上する。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、氷を生成する製氷皿と、前記製氷皿を回転させるカム歯車と前記カム歯車を駆動する駆動歯車とを内蔵し前記製氷皿を回転させ離氷位置で氷を離氷させる駆動部と、前記製氷皿の下方に位置し前記製氷皿から離氷した氷を貯蔵しておく貯氷箱と、前記駆動部を制御する制御部とで構成され、前記駆動部は前記カム歯車に設けられたスイッチ操作カムと、前記スイッチ操作カムに操作されて信号を出力するスイッチと、第1の突起と第2の突起を備えたスイッチレバーと、を有し、前記スイッチ操作カムには前記スイッチの出力信号をオン信号からオフ信号に変化させそのオフ信号を維持し再びオン信号に変化させる凸部を設け、前記スイッチレバーは、前記第2の突起が前記凸部と接触しているときには、前記第1の突起が前記スイッチのボタンから離れるものであり、前記製氷皿が水平となる原点位置にあるとき前記スイッチを前記凸部のオフ信号を維持する区間内で操作保持し、前記カム歯車が前記製氷皿を離氷位置まで回転させたあと前記製氷皿を離氷位置から原点位置に復帰させるとき、前記凸部が前記スイッチを操作しオン・オフ・オンの順序で信号が発生したときに前記カム歯車の回転を停止し、そのあと前記カム歯車を逆方向に回転させて前記凸部で前記スイッチからオフ信号を発生させ、そのオフ信号が発生してから所定時間経過後前記カム歯車を停止させるようにしたので、制御部が製氷皿の原点位置を検知する際に、スイッチからの信号順序を確認しながらカム歯車を回転させ、「オン・オフ・オン」の順序で信号を確認できた時点でカム歯車を停止し、その位置からカム歯車を反転させてスイッチからオフ信号を発生させ、そのオフ信号発生時点からさらに所定時間カム歯車を継続回転させることによって製氷皿を原点位置に復帰させる。
【0076】
それゆえ、原点位置でカム歯車をロックさせて信号発生時間の長さを確認する必要がなく、駆動部への機械的負荷が軽減され耐久性が向上する。
【0077】
また、従来例のようなモータへの電流制限が不必要になるので、抵抗器を内蔵する必要もなく安価な自動製氷装置を提供することができる。
【0078】
さらに、製氷皿の原点位置は信号発生ポイントで停止させたものではないので、製氷皿やカム歯車の自然振れによってスイッチが誤作動することがなく、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による自動製氷装置の全体を示す側面図
【図2】同実施例の自動製氷装置における駆動部の平面図
【図3】同実施例の自動製氷装置における駆動部からカム歯車を取り去った状態を示す平面図
【図4】同実施例の自動製氷装置における駆動部のカム歯車を示す斜視図
【図5】同実施例の自動製氷装置におけるカム歯車の回動許容カムとスイッチ操作カムを示す斜視図
【図6】同実施例の自動製氷装置における駆動部の駆動歯車とカム歯車の噛み合いを示す斜視図
【図7】同実施例の自動製氷装置におけるカム歯車の原点位置にあるときの要部平面図
【図8】同実施例の自動製氷装置におけるカム歯車の原点位置にあるときの要部正面図
【図9】同実施例の自動製氷装置におけるカム歯車の30°正転時の要部平面図
【図10】同実施例の自動製氷装置におけるカム歯車の30°正転時の要部正面図
【図11】同実施例の自動製氷装置におけるカム歯車の90°正転時の要部平面図
【図12】同実施例の自動製氷装置におけるカム歯車の90°正転時の要部正面図
【図13】同実施例の自動製氷装置におけるカム歯車の165°正転時の要部平面図
【図14】同実施例の自動製氷装置におけるカム歯車の165°正転時の要部正面図
【図15】同実施例の自動製氷装置におけるカム歯車の20°逆転時の要部平面図
【図16】同実施例の自動製氷装置におけるカム歯車の20°逆転時の要部正面図
【図17】同実施例の自動製氷装置における氷充分の場合のカム歯車の30°正転時の要部平面図
【図18】同実施例の自動製氷装置における氷充分の場合のカム歯車の30°正転時の要部正面図
【図19】同実施例の自動製氷装置における氷不足時の動作モ−ドを示すタイムチャ−ト
【図20】同実施例の自動製氷装置における氷充分時の動作モ−ドを示すタイムチャ−ト
【図21】同実施例の自動製氷装置の制御部の動作を示すフロ−チャ−ト
【図22】従来の自動製氷装置の全体を示す側面図
【図23】従来の自動製氷装置の駆動部の一部破断拡大平面図
【符号の説明】
2 製氷皿
12 貯氷箱
110 駆動部
114 駆動歯車
114a 正規歯
114b 低歯
114c 特殊歯車領域
114d 正規歯車領域
115 カム歯車
115a 欠歯部
115b 凹面部
115c 完全な歯車部

Claims (1)

  1. 氷を生成する製氷皿と、前記製氷皿を回転させるカム歯車と前記カム歯車を駆動する駆動歯車とを内蔵し前記製氷皿を回転させ離氷位置で氷を離氷させる駆動部と、前記製氷皿の下方に位置し前記製氷皿から離氷した氷を貯蔵しておく貯氷箱と、前記駆動部を制御する制御部とで構成され、前記駆動部は前記カム歯車に設けられたスイッチ操作カムと、前記スイッチ操作カムに操作されて信号を出力するスイッチと、第1の突起と第2の突起を備えたスイッチレバーと、を有し、前記スイッチ操作カムには前記スイッチの出力信号をオン信号からオフ信号に変化させそのオフ信号を維持し再びオン信号に変化させる凸部を設け、前記スイッチレバーは、前記第2の突起が前記凸部と接触しているときには、前記第1の突起が前記スイッチのボタンから離れるものであり、前記製氷皿が水平となる原点位置にあるとき前記スイッチを前記凸部のオフ信号を維持する区間内で操作保持し、前記カム歯車が前記製氷皿を離氷位置まで回転させたあと前記製氷皿を離氷位置から原点位置に復帰させるとき、前記凸部が前記スイッチを操作しオン・オフ・オンの順序で信号が発生したときに前記カム歯車の回転を停止し、そのあと前記カム歯車を逆方向に回転させて前記凸部で前記スイッチからオフ信号を発生させ、そのオフ信号が発生してから所定時間経過後前記カム歯車を停止させることを特徴とする自動製氷装置。
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