JP3859283B2 - エアゾール容器の遅延噴射装置及びこれを備えたエアゾール製品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はエアゾール容器の遅延噴射装置及びこれを備えたエアゾール製品に関し、噴射操作後一定の時間が経過した後にエアゾール内容物の噴射が行われるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
人体への接触や吸入などが好ましくない殺虫剤などをエアゾール内容物とする場合には、噴射操作と同時にエアゾール内容物を噴射させずに、一定の退避時間が経過した後に噴射するようにする必要があり、従来から種々の遅延噴射装置が提案されている。
【0003】
例えば実開昭56−80257号に開示されている遅延噴射装置は、エアゾール容器の上部にシリンダを取付け、このシリンダ内にステムを動作させる方向に付勢されたピストンを装着し、ピストンの外周に取付けたOリングとシリンダ内周との摩擦力を利用してピストンがステムを押すまでの退避時間を得るようにしている。
【0004】
また、特開昭62−19275号に開示された遅延噴射装置では、エアゾール容器の上部に固定体を取付け、この固定体内に設けたエアゾール内容物の導入室に制御通路を形成し、制御通路にエアゾール内容物の噴射による圧力で変形したり、破壊する遅延物を取付けておき、この遅延物の変形や破壊によって制御通路が開放されるまでの時間を退避時間とするようにしている。
【0005】
さらに、特開平1−176467号に開示された遅延噴射装置では、上下2室に仕切られた密閉状容器に天板及び底板とわずかな隙間をあけて連通するパイプを取付け、この密閉状容器の下室に高粘度液体を充填し、エアゾール内容物を下室の上部から導入するようにし、エアゾール内容物で高粘度液体をパイプを介して上室に移動させた後、上室の噴射口から噴射させることで遅延時間を得るようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の遅延噴射装置では、Oリングによる摩擦力を利用して退避時間を得る場合や遅延物の変形や破壊を利用して退避時間を得る場合には、退避時間にバラツキが起こり易く、一定に保つことが難しいという問題がある。
【0007】
また、高粘度液体を用いた遅延噴射装置の場合には、退避時間の調整は比較的容易にできるものの、高粘度液体が充填される密閉状容器の下室がパイプ及び噴射口を介して外部に連通しているため、時間の経過とともに、蒸発して少なくなったり、保管状態によっては高粘度液体が下室から移動してしまうという問題がある。
【0008】
この発明はかかる従来技術の有する課題を解決するためになされたもので、退避時間にバラツキがなく、一定にすることができるとともに、遅延液体が保管中に蒸発したり、移動することがないエアゾール容器の遅延噴射装置及びこれを備えたエアゾール製品を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術が有する課題を解決するため、この発明の請求項1記載のエアゾール容器の遅延噴射装置は、エアゾール容器に取付けられたシリンダ内の遅延液体をストッパで係止されるとともにステム押圧方向に常時付勢された遅延ピストンのステム押圧方向への移動により遅延液体流通部により僅かずつ移動させた後、ステムを押圧して噴射させるエアゾール容器の遅延噴射装置において、前記シリンダの前記遅延ピストン動作前位置に当該遅延ピストンがシール状態で接触して前記遅延液体を密閉し得る環状突部を形成するとともに、当該遅延ピストンのステム押圧方向前方の前記シリンダと当該ピストン外周との隙間を環状の遅延液体流出部としたことを特徴とするものである。
【0010】
このエアゾール容器の遅延噴射装置によれば、遅延液体が入れられるシリンダの遅延ピストンが常時停止している動作前位置にシール状態にする環状突部を形成する一方、動作後には遅延ピストンとシリンダとの間に環状の隙間が形成されるようにしており、保管時には遅延液体を密閉状態にでき、蒸発や移動を防止して退避時間を一定に保つことができるようにしている。
【0011】
また、この発明の請求項2記載のエアゾール容器の遅延噴射装置は、前記請求項1記載の前記シリンダの環状突部と前方の環状の隙間による前記遅延液体流通部に替え、前記シリンダの前記遅延ピストン動作前位置を当該遅延ピストンがシール状態で接触して前記遅延液体を密閉し得る内径とするとともに、当該遅延ピストンのステム押圧方向前方のシリンダ内径を前方ほど大径の円すい面に形成して遅延液体流通部としたことを特徴とするものである。
【0012】
このエアゾール容器の遅延噴射装置によれば、遅延液体が入れられるシリンダの遅延ピストンが常時停止している動作前位置の内径をシール状態にできるようにするとともに、動作方向前方の内径を円すい面としてあり、これによっても保管時には遅延液体を密閉状態にでき、蒸発や移動を防止して退避時間を一定に保つことができるようになる。
【0013】
さらに、この発明の請求項3記載のエアゾール容器の遅延噴射装置は、前記シリンダの前記遅延液体流通部に、ステム押圧方向に平行な突条を形成して流通部断面積を変更可能としたことを特徴とするものである。
【0014】
このエアゾール容器の遅延噴射装置によれば、遅延ピストンの動作する前方のシリンダとの間に形成される遅延液体流通部に突条を形成するようにしており、突条の大きさや本数によりピストンとシリンダとの間に形成される隙間の断面積を変えることができ、退避時間の調整ができるようになる。
【0015】
また、この発明の請求項4記載のエアゾール容器の遅延噴射装置を備えたエアゾール製品は、前記エアゾール容器の内容物を殺虫剤、消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防虫剤、冷却剤のいずれかとしたことを特徴とするものである。
【0016】
このエアゾール容器の遅延噴射装置を備えたエアゾール製品によれば、エアゾール容器の内容物を殺虫剤、消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防虫剤、冷却剤のいずれかとしており、保管状態にかかわらず、一定の退避時間を確保して噴射することができ、操作者に接触したり、吸入したりすることが防止できるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のエアゾール容器の遅延噴射装置の一実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0018】
図1及び図2はこの発明のエアゾール容器の遅延噴射装置の一実施の形態にかかり、図1は縦断面図、図2は平面図であり、それぞれの左側が噴射状態を、右側が操作前状態を示す。
【0019】
このエアゾール容器の遅延噴射装置10は、エアゾール容器1のマウンテンカップ2に装着固定されて使用されるものであり、合成樹脂等で作られた略二重円筒状のシリンダ11を備え、その下端部の外筒部分に設けた固定部12を介してエアゾール容器1のマウンテンカップ2に嵌合することで固定される。
【0020】
このシリンダ11には、その中央部の内筒底部に貫通孔が形成されてエアゾール容器1のステム3の挿通口13とされるとともに、固定部12の上方の外筒底部と内筒底部との間がシリンダ底板14で塞がれて環状の遅延液体収納室15が形成されている。
【0021】
そして、シリンダ11の遅延液体収納室15の上部に相当する外筒の内周に環状突部16が形成されてこの部分の外筒内径が小さくしてある。
【0022】
このような外筒内周の一部に環状突部16が形成されたシリンダ11には、内外筒間の遅延液体収納室15に遅延ピストン17が摺動可能に装着される。
【0023】
この遅延ピストン17は底面が閉じられ、上面が開口した2重筒状のピストン部18を備え、このピストン部18の外筒外径がシリンダ11の環状突部16とシール状態で接する大きさとしてあり、遅延ピストン17が下方に移動すると環状突部16の突起の高さ分だけシリンダ11との間に隙間Cが形成されるようにしてある。
【0024】
この遅延ピストン17には、ピストン部18の中心部にエアゾール容器1のステム3に押圧されて連結されるノズル部19が一体に形成され、シリンダ11の内筒の内側を移動するようになっており、ノズル部19の先端部に噴射口20が形成されるとともに、基端部に円すい状の連結口21が形成されて流路で連通されている。
【0025】
このような遅延ピストン17が装着されたシリンダ11の上部を覆うように略2重筒状のカバー22が配置されてシリンダ11の外筒部に連結されるようになっており、カバー22の上面中央部にノズル部19が突き出す開口23が形成されるとともに、内筒内側が遅延ピストン17のガイド面となるようにしてある。
【0026】
そして、このカバー22と遅延ピストン17との間にスプリング24が介装されて遅延ピストン17を常時ステム押圧方向(図示例では下方)に付勢するようになっている。
【0027】
一方、この遅延ピストン17をスプリング24に抗して動作前位置Aであるシリンダ11の環状突部16とシール状態となる位置に保持するため、カバー22の開口23から突き出した遅延ピストン17と一体のノズル部19に係止溝25が形成され、この係止溝25にカバー22の開口23より外周側が大きく内周側がくさび状の係止部26とハンドル部27が形成されたストッパ28を嵌め込むことで係止することができるようにしてある。
【0028】
そして、このような遅延噴射装置10のシリンダ11の遅延液体収納室15内に遅延液体29が入れられる。この遅延液体29としては、例えば水やシリコンオイルなどの液体が用いられ、必要な退避時間に応じて粘度が調整された液体が用いられる。また、この遅延液体収納室15内の遅延液体29は、エアゾール内容物と直接接触することがないので、エアゾール内容物との反応性などを考慮せずに必要な退避時間に応じて選定することができる。
【0029】
このように構成したエアゾール容器の遅延噴射装置10では、保管状態や使用前の状態では、遅延ピストン17と一体のノズル部19の係止溝25にストッパ28の係止部26が嵌め込まれて係止され、遅延ピストン17がスプリング24に抗してシリンダ11の環状突部16とシール状態となる動作前位置Aに保持される。
【0030】
したがって、シリンダ11の遅延液体29が入れられた遅延液体収納室15が遅延ピストン17で密閉された状態となり、遅延液体29の外部への漏洩や蒸発を防止することができ、エアゾール容器1を倒した状態等で保管されても遅延液体29が移動することがない。
【0031】
一方、エアゾール内容物を遅延噴射させる場合には、遅延ピストン17と一体のノズル部19の係止溝25に嵌め込んで係止しているストッパ28のハンドル部27をつかんで取り外すと、遅延ピストン17がスプリング24の力でステム3の押圧方向(図示例では下方)に押される。
【0032】
このスプリング24によって遅延ピストン17がシリンダ11の環状突部16から離れた後、さらにステム押圧方向に移動しようとするが、遅延液体29によって移動が制約され、遅延ピストン17の外周のシリンダ11との隙間Cで構成される遅延液体流通部30からわずかずつゆっくりと遅延液体29が移動するのに合わせて遅延ピストン17が移動し、一定時間経過後に遅延ピストン17と一体のノズル部19の基端部の連結口21がステム3に連結され、さらにノズル部19を介してステム3を押し下げることで、エアゾール内容物の噴射が開始され、ノズル部19先端部の噴射口20から噴射される。
【0033】
したがって、遅延ピストン17の周囲の隙間Cで構成される遅延液体流通部30の断面積と遅延液体29の粘度を適当に選ぶことで、ストッパ28を取り外す噴射操作開始から遅延ピストン17がステム押圧方向に移動して一体のノズル部19でステム3を押してエアゾール内容物の噴射が開始されるまでの退避時間を各エアゾール容器でバラツクこと無く一定にすることができるとともに、遅延時間の設定を簡単に変えることができる。
【0034】
また、遅延ピストン17の外周を遅延液体流通部30とするようにしているので、万一、遅延液体29中にゴミ等が混入していてもこれによって遅延液体29の流れが全く起こらず、噴射不能となることがない。
【0035】
次に、この発明のエアゾール容器の遅延噴射装置の他の一実施の形態について図3により説明するが、既に説明したエアゾール容器の遅延噴射装置10と同一部分には同一番号を記し説明は省略する。
【0036】
このエアゾール容器の遅延噴射装置40では、遅延ピストン41とステム3に連結されるノズル42とが別体に形成してあり、ノズル42が予めステム3に装着された状態にしてある。
【0037】
このノズル42は先端部の噴射口43がカバー22から僅かに突き出る高さとされ、中間部外周に段差部44が形成され、この段差部44を遅延ピストン41で押すようになっている。
【0038】
一方、遅延ピストン41は内筒部45がカバー22より突き出すように形成されるとともに、内周側にノズル42の段差部44を押すことができる突出部46が形成してあり、内筒部45の外周側に係止溝47が形成されてストッパ48を嵌め込んで係止するようになっている。
【0039】
このように構成したエアゾール容器の遅延噴射装置40では、既に説明したエアゾール容器の遅延噴射装置10と同一の動作で退避時間を経たのち、遅延ピストン41の突出部46がノズル42の段差部44を押すことでステム3を押し下げてエアゾール内容物が噴射される。
【0040】
このようなエアゾール容器の遅延噴射装置40では、既に説明したエアゾール容器の遅延噴射装置10と同一の効果を奏するほか、遅延噴射装置40自体の高さを低くしてコンパクトにすることができる。
【0041】
次に、この発明のエアゾール容器の遅延噴射装置のさらに他の一実施の形態について図4により説明する。
【0042】
このエアゾール容器の遅延噴射装置50では、シリンダ51の形状が変えてあり、環状突部16の下側のステム押圧方向の遅延液体流通部30となる部分にステム押圧方向と平行に突条52が形成され、突条52の高さが環状突部16と同一面となるようにしてある。
【0043】
なお、他の構成は既に説明したエアゾール容器の遅延噴射装置10,40と同一である。
【0044】
したがって、このようなシリンダ51を備えたエアゾール容器の遅延噴射装置50によれば、突条52の分だけ遅延液体の流路断面積を小さくすることができ、遅延液体の移動時間を長くすることができる。
【0045】
これにより、突条52の幅や本数を変えることで退避時間を変えることができるとともに、遅延液体の選択範囲を拡大することができる。
【0046】
また、既に説明したエアゾール容器の遅延噴射装置10,40のいずれかの構成を採用することで、それぞれの装置10,40の効果も奏する。
【0047】
次に、この発明のエアゾール容器の遅延噴射装置の他の一実施の形態について図5により説明するが、既に説明したエアゾール容器の遅延噴射装置10と同一部分には同一番号を記し説明は省略する。
【0048】
このエアゾール容器の遅延噴射装置60では、シリンダ61の形状が変えてあり、遅延ピストン17がストッパ28で係止された動作前位置Aに対応する部分のシリンダ61の内径部62を遅延ピストン17とシール状態で接する内径(環状突部16の内径と同一)としてあり、このシール状態で接する内径部62に続くシリンダ61の下側のステム押圧方向の遅延液体流通部30となるシリンダ下方部63を下側ほど大径となる円すい面に形成してある。
【0049】
なお、他の構成は既に説明したエアゾール容器の遅延噴射装置10と同一である。
【0050】
したがって、このようなシリンダ61を備えたエアゾール容器の遅延噴射装置60によれば、噴射前や保管状態では、遅延ピストン17がシリンダ61の内径部62とシール状態で接して遅延液体収納部15が密閉状態になる一方、遅延ピストン17がステム押圧方向に移動すると、遅延ピストン17とシリンダ61のシリンダ下方部63との間に隙間が形成されて遅延液体流通部30となり、遅延液体29をゆっくり移動して退避時間を作ることができる。
【0051】
このようなエアゾール容器の遅延噴射装置60では、既に説明したエアゾール容器の遅延噴射装置10と同一の効果を奏するほか、遅延液体流通部30が遅延ピストン17の移動にともなって広くなるので、万一の遅延液体へのゴミなどの混入があっても挾まることがなく、噴射不能となることを一層確実に防止することができる。
【0052】
また、この円すい面として遅延液体流通部30を形成するようにしたシリンダ61の構造は、既に説明したエアゾール容器の遅延噴射装置40のシリンダ11に替えて用いることができ、高さを低くしてコンパクトにすることができる。
【0053】
次に、この発明のエアゾール容器の遅延噴射装置のさらに他の一実施の形態について図6により説明する。
【0054】
このエアゾール容器の遅延噴射装置70では、シリンダ71の形状が変えてあり、シール状態で接する内径部72に続くシリンダ71の下側のステム押圧方向の遅延液体流通部30となる円すい面で形成されたシリンダ下方部73にステム押圧方向と平行に突条74が形成され、突条74の高さがシール状態で接する内径部と同一面とされて円筒面の一部をなすようにしてある。
【0055】
なお、他の構成は既に説明したエアゾール容器の遅延噴射装置60と同一である。
【0056】
したがって、このようなシリンダ71を備えたエアゾール容器の遅延噴射装置70によれば、突条74の分だけ遅延液体の流路断面積を小さくすることができ、遅延液体の移動時間を長くすることができる。
【0057】
これにより、突条74の幅や本数を変えることで退避時間を変えることができるとともに、遅延液体の選択範囲を拡大することができる。
【0058】
また、このシリンダ71を既に説明したエアゾール容器の遅延噴射装置40のノズル42を別体にする場合のシリンダ11として用いることもできる。
【0059】
次に、これまでに説明したエアゾール容器の遅延噴射装置10,40,50,60,70を用いたエアゾール製品について説明する。
【0060】
既に説明した遅延噴射装置10,40,50,60,70のエアゾール容器に充填される内容物としては、操作者が接触したり、吸入することが好ましくないもの、例えば殺虫剤、消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防虫剤、冷却剤のいずれかが充填されてエアゾール製品とされる。
【0061】
また、内容物によっては金属製のエアゾール容器に直接充填すると、エアゾール容器自体を腐蝕するなどの恐れがある場合には、樹脂バックなどで二重構造とされたエアゾール容器が用いられ、特に腐蝕性の強い内容物の場合には、エアゾール容器のバルブが取付けられるマウンテンカップ部分にも合成樹脂カバーを取付けて直接内容物が金属と接触しないようにしたエアゾール容器を使用するようにする。
【0062】
このような内容物を充填したエアゾール製品では、遅延噴射装置のストッパを取り外して噴射操作することで、簡単に遅延噴射することができ、保管状態などに拘らず、予め設定した退避時間の後に噴射させることができる。
【0063】
【実施例】
次に、この発明のエアゾール製品の内容物の成分を示す。
殺虫剤としては、例えば空間用殺虫剤やゴキブリ用殺虫剤が内容物と充填されてエアゾール製品とされ、それぞれの成分の一例は表1に示す通りである。
【0064】
また、消臭剤としては、例えば表1に示す成分が充填されてエアゾール製品とされる。
【0065】
【表1】
【0066】
さらに、芳香剤を内容物とするエアゾール製品の成分の一例は、表2に示す通りであり、殺菌剤を内容物とするエアゾール製品としては、例えば表面殺菌剤や空間殺菌剤があり、それぞれの成分の一例は、表2に示す通りである。
【0067】
【表2】
【0068】
また、防虫剤とする場合には、例えば表3に示す成分が充填されてエアゾール製品とされ、冷却剤とする場合には、例えば表3に示す成分が充填されて自動車用の冷却剤のエアゾール製品とされる。
【0069】
【表3】
【0070】
このような各エアゾール製品では、十分な退避時間を確保して噴射が開始されたので、操作者が接触したり、吸引することがなかった。
【0071】
【発明の効果】
以上実施の形態とともに具体的に説明したように、この発明の請求項1記載のエアゾール容器の遅延噴射装置によれば、遅延液体が入れられるシリンダの遅延ピストンが常時停止している動作前位置にシール状態にする環状突部を形成する一方、動作後には遅延ピストンとシリンダとの間に環状の隙間が形成されるようにしたので、保管時には遅延液体を密閉状態にでき、蒸発や移動を防止することができるとともに、使用時には遅延液体の移動時間を一定にでき、退避時間のバラツキを無くして一定に保つことができる。
【0072】
また、この発明の請求項2記載のエアゾール容器の遅延噴射装置によれば、遅延液体が入れられるシリンダの遅延ピストンが常時停止している動作前位置の内径をシール状態にできるようにするとともに、動作方向前方の内径を円すい面としたので、これによっても保管時には遅延液体を密閉状態にでき、蒸発や移動を防止して退避時間を一定に保つことができる。
【0073】
さらに、この発明の請求項3記載のエアゾール容器の遅延噴射装置によれば、遅延ピストンの動作する前方のシリンダとの間に形成される遅延液体流通部に遅延ピストンが摺接する突条を形成するようにしたので、突条の大きさや本数によりピストンとシリンダとの間に形成される隙間の断面積を変えることができ、退避時間の設定が簡単にできる。
【0074】
また、この発明の請求項4記載のエアゾール容器の遅延噴射装置を備えたエアゾール製品によれば、エアゾール容器の内容物を殺虫剤、消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防虫剤、冷却剤のいずれかとしたので、保管状態にかかわらず、一定の退避時間を確保して噴射することができ、操作者に接触したり、吸入したりすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のエアゾール容器の遅延噴射装置の一実施の形態にかかる縦断面図であり、左側が噴射状態を、右側が操作前状態を示す。
【図2】この発明のエアゾール容器の遅延噴射装置の一実施の形態にかかる平面図であり、左側が噴射状態を、右側が操作前状態を示す。
【図3】この発明のエアゾール容器の遅延噴射装置の他の一実施の形態にかかる縦断面図であり、左側が噴射状態を、右側が操作前状態を示す。
【図4】この発明のエアゾール容器の遅延噴射装置のさらに他の一実施の形態にかかるシリンダの一部のみを示す斜視図である。
【図5】この発明のエアゾール容器の遅延噴射装置の他の一実施の形態にかかる縦断面図であり、左側が噴射状態を、右側が操作前状態を示す。
【図6】この発明のエアゾール容器の遅延噴射装置のさらに他の一実施の形態にかかるシリンダの一部のみを示す斜視図である。
【符号の説明】
10,40,50,60,70 エアゾール容器の遅延噴射装置
11 シリンダ
12 固定部
15 遅延液体収納室
16 環状突部
17 遅延ピストン
19 ノズル部
22 カバー
24 スプリング
25 係止溝、
28 ストッパ
29 遅延液体
30 遅延液体流通部
A 動作前位置
C 隙間
1 エアゾール容器
3 ステム
Claims (4)
- エアゾール容器に取付けられたシリンダ内の遅延液体をストッパで係止されるとともにステム押圧方向に常時付勢された遅延ピストンのステム押圧方向への移動により遅延液体流通部により僅かずつ移動させた後、ステムを押圧して噴射させるエアゾール容器の遅延噴射装置において、
前記シリンダの前記遅延ピストン動作前位置に当該遅延ピストンがシール状態で接触して前記遅延液体を密閉し得る環状突部を形成するとともに、当該遅延ピストンのステム押圧方向前方の前記シリンダと当該ピストン外周との隙間を環状の遅延液体流出部としたことを特徴とするエアゾール容器の遅延噴射装置。 - 前記請求項1記載の前記シリンダの環状突部と前方の環状の隙間による前記遅延液体流通部に替え、前記シリンダの前記遅延ピストン動作前位置を当該遅延ピストンがシール状態で接触して前記遅延液体を密閉し得る内径とするとともに、当該遅延ピストンのステム押圧方向前方のシリンダ内径を前方ほど大径の円すい面に形成して遅延液体流通部としたことを特徴とする請求項1記載のエアゾール容器の遅延噴射装置。
- 前記シリンダの前記遅延液体流通部に、ステム押圧方向に平行な突条を形成して流通部断面積を変更可能としたことを特徴とする請求項1または2記載のエアゾール容器の遅延噴射装置。
- 前記エアゾール容器の内容物を殺虫剤、消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防虫剤、冷却剤のいずれかとしたことを特徴とする請求項1〜4のずれかに記載のエアゾール容器の遅延噴射装置を備えたエアゾール製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33283196A JP3859283B2 (ja) | 1996-11-28 | 1996-11-28 | エアゾール容器の遅延噴射装置及びこれを備えたエアゾール製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP33283196A JP3859283B2 (ja) | 1996-11-28 | 1996-11-28 | エアゾール容器の遅延噴射装置及びこれを備えたエアゾール製品 |
Publications (2)
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