JP3859244B2 - 化粧シート - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、建材用の樹脂化粧シート、詳しくは木質系基材の表面に貼り合わせて使用されるのに好適な化粧シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、木目柄等を印刷した建材用の樹脂化粧シートとして種々のものが知られているが、印刷、貼り合わせ、型押し等の各工程、木質基材との接着等の観点からこれらに適したポリ塩化ビニルシートを用いたものが主流になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近の廃棄物問題の一つとして、塩化ビニルの焼却時における有害ガス発生の問題があり、建材の分野においても大気汚染防止法に適用可能な化粧シートを使用することが望まれている。そこで、廃棄段階に問題のないオレフィン系樹脂シートを使用すれば良いとも思われるが、材料変更に伴って製造方法が変わると、既存の生産設備が使用できなくなるという問題点がある。すなわち、ポリ塩化ビニルシートの場合、シートの接着と凹陥形状の形成を同時に行うダブリングエンボス法が最も効率が良くしかも安定するために一般的に採用されているが、オレフィン系樹脂シートの貼り合わせは通常ドライラミネーション法やサンドラミネーション法により行われるので、ダブリングエンボス法を行う設備をそのまま使用することができない。また、オレフィン系樹脂シートと木質基材との接着は二液硬化型接着剤を使用して行われるため、ポリ塩化ビニルシートで従来使用している酢酸ビニル系エマルジョン型接着剤を用いた設備を使用することができない。
【0004】
また、オレフィン系樹脂シートは通常インフレーション法や溶融押出し成形法により作成されていることから、インフレーション法により作成されたシートは延伸がかかっているためダブリングエンボス時にかなり収縮し、一方、溶融押出し成形されたシートはフィッシュアイによる印刷インキ抜けが発生するといった問題点もある。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、廃棄段階にて発生する問題を解決でき、既存の生産設備をそのまま使用して作成でき、しかも欠点のない化粧シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る化粧シートは、カレンダー法により製膜されたポリオレフィン系合成紙又はアクリルシートの何れかである着色熱可塑性樹脂シートの表面に印刷模様層及び透明熱可塑性樹脂シートとしてアクリルシートが順次積層されてなり、ダブリングエンボス法により着色熱可塑性樹脂シートと透明熱可塑性樹脂シートとが熱融着されると同時に透明熱可塑性樹脂シートの表面に凹陥模様が施されたことを特徴としている。
【0007】
上記の着色熱可塑性樹脂シートは、例えば木目柄の場合には、木材表面の明るい部分の色調と類似若しくは同一の色調を有するものが用いられ、また石目柄の場合には、石材表面の明るい部分の色調と類似若しくは同一の色調を有するものが用いられる。一方、透明熱可塑性樹脂シートには必要に応じて無色透明又は着色透明のものを用いることができる。また、着色熱可塑性樹脂シートの両面に易接着処理を施しておくのが好ましい。印刷面側は印刷適性の向上、裏面側は酢ビエマルジョン接着剤との接着強度を確保するために有効である。
【0008】
上記印刷模様層は、通常ボケ版と称される版を用いてグラビア印刷、フレキソ印刷、シルク印刷等の方法で印刷する。印刷に使用するインキとしては公知のもの、例えば、ビヒクルに染料又は顔料等の着色剤、体質顔料を添加し、さらに、例えば、可塑剤、安定剤、ワックス、グリース、乾燥剤、補助乾燥剤、硬化剤、増粘剤、分散剤、充填剤等の公知の添加剤を任意に添加して、溶剤、希釈剤等で充分混練してなるインキ組成物等を使用することができる。また、このインキ組成物においてビヒクルとしては、公知のもの、例えば、アマニ油、大豆油、合成乾性油等の各種の油脂類、ロジン、コパールダンマル、硬化ロジン、ロジンエステル又は重合ロジン等の天然樹脂及び加工樹脂類、ロジン変成フェノール樹脂、100%フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキッド樹脂、石油系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキッド樹脂等の合成樹脂類、ニトロセルロース、エチルセルロース等の繊維素誘導体、塩化ゴム、環化ゴム誘導体、その他、膠、カゼイン、デキストリン、ゼイン等の固体バインダーと溶剤とよりなるビヒクルを使用することができる。そして、この印刷模様層は、例えば、木目柄の場合には木材の木肌と同一又は類似の模様と色調に設けられ、また石目柄の場合には石の地色と同一又は類似の模様と色調に設けられる。
【0009】
上記の着色熱可塑性樹脂シートと透明熱可塑性樹脂シートとの積層は、ダブリングエンボス法による熱融着によって行うようにする。ダブリングエンボスするのに使用するエンボス版は、例えば木材表面の如き凹凸の状態を電鋳法により写し取って導管のエンボス模様を形成してなるもの、或いは、例えば木材表面の如き凹凸の状態を写真製版法により写し取って作成した原版を用いてフォトエッチング法により導管のエンボス模様を形成してなるものが好ましい。また、例えば石目柄の場合には割れ目等を含む石材表面の凹凸の状態を同様に写し取ることができる。このようなエンボス版を用いて加熱加圧成形して凹陥模様を形成するものである。
【0010】
透明熱可塑性樹脂シート表面における凹陥模様の凹部に充填される着色剤としては、例えば、セラック、コーバル、ダンマル、ロジン、ロジンエステル等の天然樹脂又はその変成樹脂類、ニトロセルロース、アセチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース等のセルロース誘導体類、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、フタル酸系樹脂、マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エポキシ系樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、その他等の合成樹脂類、その他塩化ゴム、環化ゴム、合成ゴム等ゴム誘導体等をビヒクルの構成材料とし、ビヒクル中に着色剤、沈降性硫酸バリウム等の体質顔料、可塑剤等を添加してなる塗料若しくはインキが用いられる。そして、透明熱可塑性樹脂シートとしてアクリルシートを用いているので、アクリル系又はウレタン系水性エマルジョンタイプの透明乃至不透明着色インキを使用するのが好ましい。
【0011】
この着色塗料或いはインキは、ロールコート或いはナイフコートにてシート表面凹部にコーティングした後、ドクターブレード或いはワイピングペーパー等で掻き取ることにより、シート凸部のコーティングした着色塗料若しくはインキを除去し、凹部にのみ着色塗料若しくはインキを残すようにして充填する。ここにおいて、凹部の部分にのみ塗料若しくはインキ組成物が残るように塗料若しくはインキ組成物の粘度、ロールの回転数、ドクターの刃先角度、厚み、シートスピード、ワイピングペーパーのスピード、ゴムロールの硬度等を調製することが必要である。この着色塗料若しくはインキの色調は、例えば木目柄の場合には導管と同一若しくは類似であり、また、例えば石目柄の場合には割れ目と同一若しくは類似であることが望ましい。
【0012】
また、化粧シートの耐磨耗性、耐薬品性等を付与するとともに表面の艶の調整を行うため、表面にトップコート層を設けることが好ましい。このトップコート層としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの透明又は半透明な樹脂が使用され、透明熱可塑性樹脂シートとしてアクリルシートを用いているので、アクリル系又はウレタン系水性エマルジョンタイプのものを使用するのが好ましい。そして、グラビアコート、或いはロールコート、ナイフコート、エアーナイフ等の方法で塗工する。
【0013】
【作用】
上述の構成からなる本発明の化粧シートは、カレンダー法により製膜化された着色熱可塑性樹脂シートを使用することにより、印刷適性が良好となり、ダブリングエンボス法による熱融着時の熱収縮が少ない上にエンボス加工が可能となる。また、木質基材との接着は酢酸ビニル系エマルジョン型接着剤を用いて行うことができる。
【0014】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
【0015】
図1に示す化粧シートを説明する。まず、着色熱可塑性樹脂シート1として厚さ0.15mm、巾1050mmの両面易接着処理した着色ポリエチレン合成紙(タツノ化学製、商品名:タフパー)を使用し、その片面にグラビア印刷により木目印刷を施して印刷模様層2を形成した。なお、この着色ポリエチレン合成紙はポリエチレンをカレンダー製膜機によりシート化したものである。また、印刷インキとしては「昭和インク工業製、商品名:化X改」を使用した。
【0016】
次に、片面処理した厚さ12μm、巾1050mmのEVAフィルム(クラレ製、商品名:エバール)を透明熱可塑性樹脂シート3として使用し、この処理面と着色ポリエチレン合成紙の印刷面とを合わせ、ダブリングエンボス機を用いて貼り合わせを行うと同時に木目導管形状の凹陥模様をエンボス加工した。
【0017】
次いで、ウレタン系2液硬化型不透明着色インキ(昭和インキ工業製、商品名:PW−001)にてワイピング加工を行い、凹陥模様の凹部4に当該インキ5を埋め込んだ。そして、この上部にマット剤が混入されたウレタン系2液硬化型樹脂(昭和インキ工業製、商品名:OP−81)を塗布してトップコート層6を形成し、表面性能及び艶調整を行い、木目化粧シートを製造した。
【0018】
(第1実施例)
図2を参照して本実施例を説明する。まず、着色熱可塑性樹脂シート1として前記したのと同じ着色ポリエチレン合成紙を使用し、その片面に前記したのと同じ印刷インキを用いてグラビア印刷により木目印刷を施して印刷模様層2を形成した。次に、透明熱可塑性樹脂シート3として厚さ50μm、巾1050mmのアクリルフィルムを使用し、これを着色ポリエチレン合成紙の印刷面と合わせ、ダブリングエンボス機を用いて貼り合わせ行うと同時に表面に梨地形状の凹陥模様を形成する凹部4を施すことにより化粧シートを製造した。
【0019】
(第2実施例)
図3を参照して本実施例を説明する。まず、着色熱可塑性樹脂シート1として厚さ0.1mm、巾1300mmのカレンダー製膜機にて製造した着色アクリルシートを使用し、その片面に前記したのと同じ印刷インキを用いてグラビア印刷により木目印刷を施して印刷模様層2を形成した。次に、透明熱可塑性樹脂シート3として厚さ0.1mm、巾1300mmのアクリルフィルムを使用し、これを着色アクリルシートの印刷面と合わせ、ダブリングエンボス機を用いて貼り合わせを行うと同時に表面に木目導管形状の凹陥模様を形成する凹部4を施すことにより化粧シートを製造した。
【0020】
(第3実施例)
第2実施例において、凹部4にウレタン系2液硬化型エマルジョンタイプの着色インキをワイピング加工し、さらにウレタン系2液硬化型エマルジョンタイプの透明インキを用いて全面にコートして化粧シートを製造した。
【0021】
上記各実施例で製造された化粧シートは、それぞれダブリングエンボス時において収縮することがなく、印刷抜け等の欠点もなかった。また、酢酸ビニル系エマルジョン型接着剤により木質基材への接着ができた。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の化粧シートは、素材にポリオレフィン系合成紙又はアクリルシートの何れかである着色熱可塑性樹脂シート及びアクリルシートからなる透明熱可塑性樹脂シートを使用したことにより、廃棄段階での焼却時に発生する問題を解決することができ、さらにカレンダー法により製膜した着色熱可塑性樹脂シートを使用したことにより、ポリ塩化ビニルシートで使用している既存の生産設備をそのまま使用して作成でき、しかも印刷抜け等の欠点のない化粧シートを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考となる化粧シートの部分断面図である。
【図2】本発明に係る化粧シートの第1実施例を説明するための部分断面図である。
【図3】同じく第2実施例を説明するための部分断面図である。
【符号の説明】
1 着色熱可塑性樹脂シート
2 印刷模様層
3 透明熱可塑性樹脂シート
4 凹部
5 インキ
6 トップコート層
Claims (5)
- カレンダー法により製膜されたポリオレフィン系合成紙又はアクリルシートの何れかである着色熱可塑性樹脂シートの表面に印刷模様層及び透明熱可塑性樹脂シートとしてアクリルシートが順次積層されてなり、ダブリングエンボス法により着色熱可塑性樹脂シートと透明熱可塑性樹脂シートとが熱融着されると同時に透明熱可塑性樹脂シートの表面に凹陥模様が施されたことを特徴とする化粧シート。
- 透明熱可塑性樹脂シート表面における凹陥模様の凹部に着色剤が充填されていることを特徴とする請求項1記載の化粧シート。
- 透明熱可塑性樹脂シート表面における凹陥模様の凹部にアクリル系又はウレタン系水性エマルジョンタイプの透明乃至不透明着色インキからなる着色剤が充填されていることを特徴とする請求項1記載の化粧シート。
- 表面にトップコート層が設けられていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の化粧シート。
- 表面にアクリル系又はウレタン系水性エマルジョンタイプのトップコート層が設けられていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の化粧シート。
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Family Applications (1)
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