JP3858375B2 - シリンダライナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼル機関などの往復摺動する内燃機関のシリンダライナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8はディーゼルエンジンの部分断面図である。
図において、aはディーゼルエンジンである。bはシリンダヘッドであり、cはシリンダライナである。dはシリンダジャケット、eはピストン、fは排気弁である。
【0003】
図9は従来のシリンダライナの摺動面の展開図である。
図において、gはシリンダライナcの摺動面である。この摺動面gには、研削加工によりピストンの運動方向iに対して、90°よりも小さい角度で、2方向から交差するように加工目hが付けられている(以下「交差加工目」という)。交差加工目hは、従来のホーニング機械などで研削加工する場合、砥石を回転させ、上下方向に移動させながら研削加工する関係で生じるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したシリンダライナにおいては、シリンダライナの摺動面に、交差加工目が付いているため、ピストンリングとシリンダライナとの間の油膜形成能力が低く、油膜が破断されやすい。従来、研削加工後の初期表面粗さの突起部も油膜を破断させやすく、いずれも、シリンダライナの過大摩耗や焼き付きを誘発する。また、粗さの突起部を除去するにはピストンリングとシリンダライナとのすり合わせ運転を長時間かけて慎重に行わなければならずコスト高になるなどの問題がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決するために創案されたもので、シリンダライナの潤滑性能を向上させ、かつ、すり合わせ運転時間の短縮化を図ることができるシリンダライナを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、内燃機関のシリンダライナであって、該シリンダライナの摺動面は、研削加工によりピストンの運動方向に対して、直角方向の加工目が付けられており、加工目の突起を仕上加工により除去して中心線平均粗さ(Ra)が、0.4μm以下となるようにしたシリンダライナが提供される。
【0007】
次に本発明の作用について説明する。
実機におけるシリンダライナの摺動面の中心線平均粗さ(Ra)は、一般に、0.5μm〜0.6μm程度であるが、これをすり合わせ運転により0.4μm程度までに仕上げている。そこで、本願発明の発明者らは、すり合わせ運転に先だち加工目の突起を除去すれば、研削加工の時間はかかるがすり合わせ運転時間を短縮することができ、しかも、焼き付き防止になることに着目した。そして、本願発明の発明者らが実験した結果、前記シリンダライナの摺動面の表面粗さについては、シリンダライナの摺動面の加工目を、ピストンの運動方向に対して、直角方向に付けるとともに、中心線平均粗さ(Ra)が、0.4μm以下となるように加工目の突起を除去するように仕上げるとシリンダライナの油膜形成能力の向上を図ることができることがわかった。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は本発明のシリンダライナの断面図である。図2はシリンダライナの摺動面の表面粗さの拡大図で、図2(A)は研削加工後の初期表面粗さを示す図であり、図2(B)は図2(A)の初期表面粗さから突起を除去した後の粗さを示す図である。
【0009】
図1において、1はシリンダライナである。2はシリンダライナ1の摺動面であり、摺動面2には、ホーニング機械などの研削加工によりピストンの運動方向4に対して、直角方向の加工目3が付けられている。
図2において、R1,R2はシリンダライナの摺動面の表面粗さで、(A)の研削加工後の鋭角の初期表面粗さ(R1)を、サンドペーパ付きのハンドグラインダにより仕上げて突起を除去し、(B)の粗さ(R2)、すなわち、中心線平均粗さ(Ra)が、0.4μm以下になるように加工目の突起を除去するように仕上げたものである。なお、3aは初期表面粗さの加工目であり、3bは突起除去後の加工目である。(A)では鋭角な突起がみられるが、(B)ではRaが小さくなっているのみならず鋭角な突起が除去されている。
【0010】
次に実施形態に基づく作用について説明する。
シリンダライナ1の摺動面2の加工目3をピストンの運動方向4に対して、直角方向に付けるとともに、加工目3の突起を上記のように除去して仕上げたことによりシリンダライナの油膜形成能力の向上を図ることができる。なお、加工目をピストンの運動方向に対して、直角方向に付ける研削加工方法として、従来の砥石を回転させ、上下方向に移動させながら研削する研削加工に代えて、送りを小さくして砥石を一方向にだけ移動させて研削する研削加工を行った。
【0011】
【実施例】
本発明の効果を実証するため、本願発明の発明者らはシリンダライナの研削方向の影響について、ピストンリングを模擬したバレル形状の可動片とシリンダライナを模擬した平坦な固定片を組み合わせて試験を行った。なお、この可動片と固定片は、いずれも実機に使用されている鋳鉄製ピストンリングとシリンダライナから切り出したものを使用した。この試験では、所定の温度,速度に設定した後、面圧をステップ状に上昇させ、摩擦力または可動片温度が急上昇した時点をスカッフィング(焼き付きにくさ)と判定し、その時点の面圧をスカッフィング面圧と定義した。以下、図面に基づいてその試験結果について説明する。
【0012】
図3は試験に使用したピストンリングとシリンダライナの試験片の組立図である。
図において6はピストンリングを模擬した摺動試験片であり、ホルダ9に保持され、アーム9aを介して可動テーブル10に固着されている。11はアーム9aに取り付けた荷重測定用ゲージである。7はシリンダライナを模擬した固定片であり、ライナ受台12に固着されている。13は熱電対であり、14はヒータである。なお、固定片7には、図示しない給油孔から給油される。
【0013】
図4は試験に使用した上記固定試験片の形状を示す図で、図4(A)は正面図である。図4(B)は側面図である。なお、固定試験片の寸法は、縦390mm,横120mm,高さ15mmのものを使用した。
【0014】
図5は試験結果を示す図である。
この試験では、鏡面加工の粗さのタイプA、通常のホーニング機械などの研磨加工の粗さのタイプB、初期の表面仕上げが研削加工で、表面粗さがRa=1.0μm以上のもので、表面粗さの突起部を徐々に削り取ったものをタイプCとし、これら3っつのタイプについて行った。
【0015】
図5において、縦軸にスカッフィング発生面圧(kgf/cm2 )を、横軸に表面の中心線平均粗さ(Ra)を示している。また、□印はタイプAを、◇印はタイプBを、△印はタイプCを示す。
【0016】
この試験の結果、タイプAはRa:0.05μmでスカッフィング発生面圧(kgf/cm2 )が170kgf/cm2 、タイプBはRa:0.25μm〜0.3μmでスカッフィング発生面圧が130〜180kgf/cm2 、タイプCはRa:0.25μm〜1.05μmでスカッフィング発生面圧が20〜150kgf/cm2 とばらつきがある。タイプCはRaが0.4μm以下では概ねスカッフィング発生面圧が100kgf/cm2 以上あり、満足すべき水準にあるが、Raが0.35μmあってもスカッフィング発生面圧が40kgf/cm2 と低いものがあった。これはRaが小さくても鋭角な突起が残っていたためと考えられる。
【0017】
図6は表面仕上げの評価試験結果を示す図で、図6(A)はタイプAの表面粗さを、図6(B)はタイプBの表面粗さを、図6(C)はタイプCの表面粗さの突起部を削り取る前の表面粗さを示す図である。なお、AはタイプAを、BはタイプBを、CはタイプCをそれぞれ示している。スカッフィング発生面圧の低いCタイプは、鋭角な突起が多数あることがわかる。
【0018】
図7は研削方向の影響試験結果を示す図である。
図7において、縦軸にスカッフィング発生面圧(kgf/cm2 )を、横軸に研削方向を示している。なお、ここで横研とはシリンダライナの摺動面の加工目をピストンの運動方向に対して、直角方向に付けたものであり、クロスとは交差加工目である。
【0019】
この試験の結果、横研ではスカッフィング発生面圧が180kgf/cm2 と高い傾向にあるが、クロスではスカッフィング発生面圧が60kgf/cm2 と面圧が低く、焼き付きやすいことがわかる。
【0020】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】
上述した本発明のシリンダライナによれば、シリンダライナの摺動面に、研削加工によりピストンの運動方向に対して、直角方向の加工目を付け、かつ、中心線平均粗さ(Ra)が、0.4μm以下になるように加工目の突起を除去するように仕上げたので、シリンダライナの油膜形成能力の向上を図ることができるとともに、すり合わせ運転時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリンダライナの断面図である。
【図2】シリンダライナの摺動面の表面粗さの拡大図で、図2(A)は研削加工後の初期表面粗さを示す図であり、図2(B)は図2(A)に示す初期表面粗さからサンドペーパ仕上げによる突起除去後の粗さを示す図である。
【図3】試験に使用したピストンリングとシリンダライナの試験片の組立図である。
【図4】試験に使用した固定試験片の形状を示す図で、図4(A)は正面図である。図4(B)は側面図である。
【図5】試験結果を示す図である。
【図6】シリンダライナの摺動面の表面粗さを示す図で、図6(A)はタイプAの表面粗さを、図6(B)はタイプBの表面粗さを、図6(C)はタイプCの表面粗さを示す図である。
【図7】研削方向の影響試験結果を示す図である。
【図8】2サイクルディーゼルエンジンの部分断面図である。
【図9】従来のシリンダライナの摺動面の展開図である。
【符号の説明】
1 シリンダライナ
2 摺動面
3 加工目
4 ピストンの運動方向
Claims (1)
- バレル形状のピストンリングを有するピストンが往復摺動可能に嵌挿される内燃機関のシリンダライナであって、該シリンダライナの摺動面は、一様な送りを持つ切削工具によってつる巻き状に形成された断面が所要の曲率半径の円弧状の細溝を有しておらず、研削加工によりピストンの運動方向に対して、直角方向の加工目が付けられており、加工目の突起をサンドペーパ付きのハンドグラインダで仕上げて除去し、中心線平均粗さ(Ra)が、0.4μm以下になるようにしたことを特徴とするシリンダライナ。
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JP25497897A JP3858375B2 (ja) | 1997-09-19 | 1997-09-19 | シリンダライナ |
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-
1997
- 1997-09-19 JP JP25497897A patent/JP3858375B2/ja not_active Expired - Fee Related
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