JP3858246B2 - 給湯器用循環型熱交換システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部熱源として大容量の熱媒タンクに貯留された熱媒体を給湯器用の熱交換器に循環する給湯器用循環型熱交換システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、熱媒体を給湯器用の熱交換器に循環する給湯装置は、熱媒加熱器で加熱した80℃程度の熱媒体を大容量の熱媒タンクに貯留するもので、この熱媒体を給湯器の熱交換器に強制的に循環させると共に、水道からの給水を熱交換器に循環させて加熱し、給湯時に給水と混合して一定の温度で使用する装置である。
【0003】
図3に示す給湯器は、従来の熱交換器70を使用した給湯装置を示すもので、止水時に配管内部に停滞する湯が冷めないようにするため、止水時の配管内部の水をポンプ50で強制的に循環させながら、この循環水を加熱器60で加熱するものである。
【0004】
一方、集合住宅等に利用される住棟セントラルの給湯装置として、特許文献1に記載された給湯装置が提案されている。この給湯装置は、外部熱源とする熱媒体を給湯装置の熱交換器に循環するもので、出湯栓を開くとすぐに湯が出るようにするため、熱源側熱媒の流動する力で即湯循環ポンプを駆動して循環路内の湯を循環させるものである。このため、駆動側流体通路に設けた駆動羽根車と被動側流体通路に設けた被動羽根車とを動力伝達可能に連結した即湯循環ポンプを設けている。
【0005】
【特許文献1】
特許第3211368号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図3に示す従来の給湯器では、配管内部に停滞する湯を加熱するための加熱器60が必要になる。そのため、加熱器60で使用される熱エネルギーなどが熱交換器とは別途必要になり、装置全体の製造コストやランニングコストなどを高めていた。しかも、この加熱器60を設置するための設置スペースも必要としている。
【0007】
一方、特許文献1に記載された給湯装置では、駆動側流体通路に設けた駆動羽根車と被動側流体通路に設けた被動羽根車とを動力伝達可能に連結する特殊な即湯循環ポンプを使用するものである。このため、特殊な即湯循環ポンプを使用するために設備コストが高くなる不都合がある。
【0008】
また、特許文献1の給湯装置では、常に同量の熱媒体を熱交換器に循環せしめる構成になっている。すなわち、給湯時に熱交換器を循環する熱媒体の循環量と止水時に配管内部の湯を保温するために使用する熱媒体の循環量とが常に一定になっている。しかしながら、配管内部の湯を保温する際の熱量は、給湯時の熱量に比べて極めて少なくて済み、このような保温時に給湯時と同量の熱媒体を循環させた場合は、熱エネルギーの損失が極めて大きくなる。
【0009】
そこで本発明は上述の課題を解消すべく創出されたもので、製造コスト及びランニングコストの低減化を図ると共に、設置スペースにおいても省スペース化することができる給湯器用循環型熱交換システムの提供を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成すべく本発明の第1の手段は、外部熱源から熱媒体が循環する熱交換器1と、該熱交換器1によって加熱された温水を排出する混合水栓Pとを有し、混合水栓Pの開閉操作にリンクして開閉する開閉バルブ2を介して熱媒体と給水とが熱交換器を循環するように設ける。
【0011】
また、混合水栓P止水時に、熱交換器1から混合水栓Pに至る配水管内部の温水を熱交換器1に戻す温水循環路3と循環用ポンプ4とを設けると共に、閉塞された開閉バルブ2を迂回して熱交換器1内の熱媒体の一部を外部熱源に循環せしめる熱媒循環路5と該熱媒循環路5を開閉する循環サーモ装置6とを設け、混合水栓P止水時における配水管内部の温水を熱交換器1に循環させて保温すると共に、熱媒循環路5内の熱媒体が一定の温度以下になったときに循環サーモ装置6が熱媒循環路5を開放することにある。
【0012】
更に、開閉バルブ2は、前記熱交換器1に給水する側の給水管10と、前記熱交換器1から排出される側の熱媒復管40とを同時に開閉する位置に設ける。
【0013】
そして、前記開閉バルブ2と前記熱交換器1との間に配された給水管10と熱媒復管40との配管に、それぞれの管路を分岐する循環アダプタ7を配し、前記温水循環路3と前記熱媒循環路5とを該循環アダプタ7に連結したことを課題解消のための手段とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
本発明は、例えば熱媒加熱器(図示せず)で、およそ80℃程度に加熱して大容量の熱媒タンク(図示せず)に貯留した熱媒体を使用する給湯器システムであり、この熱媒体を給湯器の熱交換器1に強制的に循環させると共に、水道からの給水をこの熱交換器1で加熱して混合水栓Pから給湯するものである(図1参照)。図示の熱交換器1はプレート型熱交換器1を使用しているが、他の熱交換器1に変更することも可能である。
【0016】
混合水栓Pは、熱交換器1に給水する給水管10と熱媒体を送る熱媒往管30とを同時に開閉する開閉バルブ2にリンクするもので、混合水栓Pの開放時に開閉バルブ2が連動して開放され(図1参照)、混合水栓Pを止水すると開閉バルブ2も閉塞するように設けてある(図2参照)。図示の開閉バルブ2は、熱交換器1に給水する側の給水管10と、前記熱交換器1から排出される側の熱媒復管40とを同時に開閉する位置に設けている。
【0017】
符号3は、配水管内部の温水を熱交換器1に循環させる温水循環路である。この温水循環路3には循環用ポンプ4を設けてあり、混合水栓P止水時に、配管内部に停滞する湯を循環させる(図2参照)。すなわち、熱交換器1から混合水栓Pに至る温水を、熱交換器1に強制的に循環させて保温する。
【0018】
符号5は、混合水栓P止水時に、閉塞された開閉バルブ2を迂回して熱交換器1内の熱媒体の一部を外部熱源に循環せしめる熱媒循環路である(図2参照)。混合水栓P止水時には、開閉バルブ2も閉塞されるので、熱媒復管40に熱媒体が戻らない状態になる。そこで、温水循環路3を循環する温水が熱交換器1にて保温されると、熱交換器1内で停止した熱媒体が次第に温度低下する。
【0019】
そこで、この熱媒循環路5に設けた循環サーモ装置6が、熱媒体の温度を検知し、温水循環路3の内の熱媒体が一定の温度以下になると、この温水循環路3を開放するようにしている。温水循環路3が開放された結果、外部熱源から熱媒体が熱交換器1を循環して温水循環路3に達すると、循環サーモ装置6が熱媒体の温度を再び検知して温水循環路3を遮断するものである。循環サーモ装置6の設定温度は、例えば、家庭用の給湯器の場合、循環する熱媒体の温度を80℃とすると、75℃で開放し80℃で再び遮断するように設定するなど、使用目的に応じて適宜に変更するものである。
【0020】
符号7は、温水循環路3と熱媒循環路5とを連結する循環アダプタである。この循環アダプタ7は、開閉バルブ2と熱交換器1との間に配されており、この間にある給水管10と熱媒復管40とをそれぞれ分岐する分岐管8、9を設けている。一方の分岐管8は給水管10を分岐し、他方の分岐管9は熱媒復管40を分岐している。
【0021】
給水管10を分岐する分岐管8は、混合水栓P開放時において、開閉バルブ2が開放されているので、この開閉バルブ2に連通する開放路8Aに給水される(図1参照)。また、混合水栓P止水時には、開閉バルブ2が閉塞されるので、温水循環路3に連通する循環路8Bに温水が供給される(図2参照)。
【0022】
一方、熱媒復管40を分岐する分岐管9は、混合水栓P開放時に開閉バルブ2が開放されるので、この開閉バルブ2に連通する開放路9Aに熱媒体が送られる(図1参照)。また、混合水栓P止水時には、開閉バルブ2が閉塞されるので、開閉バルブ2を迂回する熱媒循環路5に連通する循環路9Bに熱媒体が送られる。尚、図示例の循環アダプタ7は、分岐管8、9を一体に形成したものを記載しているが、分岐管8、9をそれぞれ個々に設けることも可能である。
【0023】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成したことにより、当初の目的を達成した。
【0024】
すなわち、外部熱源から熱媒体が循環する熱交換器1と、該熱交換器1によって加熱された温水を排出する混合水栓Pとを有し、混合水栓Pの開閉操作にリンクして開閉する開閉バルブ2を介して熱媒体と給水とが熱交換器を循環するように設けたことで、混合水栓Pの操作と共に、熱交換器1の熱媒体の循環を操作できるので、熱媒体のエネルギーロスが少なくなり、ランニングコストの低減化を図ることができる。
【0025】
また、混合水栓P止水時における配水管内部の温水を熱交換器1に循環させて保温すると共に、熱媒循環路5内の熱媒体が一定の温度以下になったときに循環サーモ装置6が熱媒循環路5を開放するので、より効率的な使用が可能になる。
【0026】
また、開閉バルブ2を、前記熱交換器1に給水する側の給水管10と、前記熱交換器1から排出される側の熱媒復管40とを同時に開閉する位置に設けているので、混合水栓P止水時の熱交換器1を保温用の熱交換器1として利用することが可能になる。この結果、他の加熱装置等の必要はなくなり、製造コストを低減化し、設置スペースも省スペース化することができる。
【0027】
更に、前記開閉バルブ2と前記熱交換器1との間に配された給水管10と熱媒復管40との配管に、それぞれの管路を分岐する循環アダプタ7を配し、前記温水循環路3と前記熱媒循環路5とを該循環アダプタ7に連結しているので、極めて合理的な設置が可能になる。
【0028】
このように、本発明によると、製造コスト及びランニングコストの低減化を図ることができると共に、設置スペースを省スペース化することができるなどといった有効な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明システムの一実施例を示し、給湯時の状態を示す概略図である。
【図2】本発明システムの一実施例を示し、止水時の状態を示す概略図である。
【図3】従来の給湯器のシステム例を示す該略図である。
【符号の説明】
P 混合水栓
1 熱交換器
2 開閉バルブ
3 温水循環路
4 循環用ポンプ
5 搬送用レール
6 循環サーモ装置
7 循環アダプタ
8 分岐管 8A 開放路
8B 循環路
9 分岐管 9A 開放路
9B 循環路
10 給水管
20 給湯管
30 熱媒往管
40 熱媒復管
50 ポンプ
60 加熱器
70 熱交換器

Claims (1)

  1. 外部熱源から熱媒体が循環する熱交換器と、該熱交換器によって加熱された温水を排出する混合水栓とを有し、混合水栓の開閉操作にリンクして開閉する開閉バルブを介して熱媒体と給水とが熱交換器を循環するように設けた給湯器用循環型熱交換システムにおいて
    混合水栓止水時に、熱交換器から混合水栓に至る配水管内部の温水を熱交換器に戻す温水循環路と循環用ポンプとを設けると共に、閉塞された開閉バルブを迂回して熱交換器内の熱媒体の一部を外部熱源に循環せしめる熱媒循環路と該熱媒循環路を開閉する循環サーモ装置とを設け、混合水栓止水時における配水管内部の温水を熱交換器に循環させて保温すると共に、熱媒循環路内の熱媒体が一定の温度以下になったときに循環サーモ装置が熱媒循環路を開放するように設定し
    前記開閉バルブは、前記熱交換器に給水する側の給水管と、前記熱交換器から排出される側の熱媒復管とを同時に開閉する位置に設け
    前記開閉バルブと前記熱交換器との間に配された給水管と熱媒管との配管に、それぞれの管路を分岐する循環アダプタを配し、前記温水循環路と前記熱媒循環路とを該循環アダプタに連結したことを特徴とする給湯器用循環型熱交換システム。
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