JP2004144382A - 太陽熱利用温水器 - Google Patents
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Abstract
【課題】凍結防止を確実に行うことができる太陽熱利用温水器を提供する。
【解決手段】蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽10と、集熱した太陽熱によって蓄熱媒体を加熱する集熱器20と、蓄熱槽10と水道本管Pとを直結する給水回路30と、蓄熱槽10と集熱器20との間で蓄熱媒体を循環させる循環回路40と、蓄熱槽10の上部及び給水回路30に接続された出湯回路50とを備えており、水道本管Pの水圧によって蓄熱槽10内に導入された水道水を蓄熱媒体として、集熱器20に循環供給することで温水が生成され、この温水が蓄熱槽10に貯留されるようになっている。蓄熱媒体として導入された水道水に凍結のおそれがあるときは、高温作動電磁弁47を強制的に開弁し、給水回路30を介して水道本管Pから供給される凍結しにくい水道水を、集熱器20を通して、逃がし管46から排水することによって、凍結防止を図るようになっている。
【選択図】 図3
【解決手段】蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽10と、集熱した太陽熱によって蓄熱媒体を加熱する集熱器20と、蓄熱槽10と水道本管Pとを直結する給水回路30と、蓄熱槽10と集熱器20との間で蓄熱媒体を循環させる循環回路40と、蓄熱槽10の上部及び給水回路30に接続された出湯回路50とを備えており、水道本管Pの水圧によって蓄熱槽10内に導入された水道水を蓄熱媒体として、集熱器20に循環供給することで温水が生成され、この温水が蓄熱槽10に貯留されるようになっている。蓄熱媒体として導入された水道水に凍結のおそれがあるときは、高温作動電磁弁47を強制的に開弁し、給水回路30を介して水道本管Pから供給される凍結しにくい水道水を、集熱器20を通して、逃がし管46から排水することによって、凍結防止を図るようになっている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、給水圧によって蓄熱槽内に導入された水を、集熱器に直接循環供給することによって蓄熱槽内に温水を生成する、直接集熱方式の太陽熱利用温水器、特に、凍結防止機能に優れた太陽熱利用温水器に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の太陽熱利用温水器としては、例えば、図4に示すようなものがある。この太陽熱利用温水器60は、同図に示すように、給水回路64を介して水道本管に直結された蓄熱槽61と、家屋の屋根面等に設置され、太陽熱を集熱する集熱器62と、蓄熱槽61と集熱器62とを接続する、循環ポンプ63aを有する循環回路63とを備えており、水道本管の水圧によって蓄熱槽61内に導入された水道水(以下、蓄熱媒体という)を、集熱器62に循環供給することで温水が生成され、この温水が蓄熱槽61に貯留されるようになっている。なお、蓄熱槽61に貯留された温水は、蓄熱槽61の上部及び給水回路64に接続された出湯回路65を介して出湯されるようになっている。
【0003】
ところで、こういった太陽熱利用温水器60は屋外に設置されるので、冬場に外気温が著しく低下する寒冷地等においては、集熱運転を行わない夜間に集熱器62や循環回路63内に滞留している蓄熱媒体が凍結するおそれがあり、凍結防止策を講じる必要がある。
【0004】
しかしながら、上述したような直接集熱方式の太陽熱利用温水器60では、蓄熱槽内に設けた熱交換器と集熱器との間で蓄熱媒体を循環させる間接集熱方式の太陽熱利用温水器とは異なり、蓄熱媒体に不凍液を混合することができないので、以下のような凍結防止策を講じるのが一般的である。
【0005】
まず、集熱器62内に滞留している蓄熱媒体が凍結危険温度以下に低下すると、循環回路63の循環ポンプ63aを起動して、昼間集熱運転を行うことによって蓄熱槽61に貯留されている温水(比較的温度の高い蓄熱媒体)を集熱器62に強制的に循環供給することで、蓄熱媒体の凍結を防止することができる。
【0006】
ところが、蓄熱槽61に貯留されている蓄熱媒体が、既に、凍結危険温度付近まで低下しているような場合は、蓄熱槽61に貯留されている蓄熱媒体を集熱器62に単に循環供給しても、十分な凍結防止効果を得ることができないので、こういった太陽熱利用温水器60では、図4に示すように、循環回路63に凍結予防ヒータ66を設け、蓄熱槽61に貯留されている蓄熱媒体が凍結危険温度以下に低下したような場合は、凍結予防ヒータ66によって、循環回路63内の蓄熱媒体を加熱しながら、蓄熱槽61に貯留されている蓄熱媒体を集熱器62に強制的に循環供給することが考えられる。
【0007】
【特許文献1】
特開平08−219556号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、凍結予防ヒータ66によって、循環回路63内の蓄熱媒体を加熱しながら、蓄熱槽61に貯留されている蓄熱媒体を集熱器62に強制的に循環供給することによって、蓄熱媒体の凍結防止を行う場合、断線等によって、凍結予防ヒータ66が作動しない場合は、蓄熱槽61、集熱器62、循環回路63内に滞留している蓄熱媒体が凍結してしまうといった問題がある。
【0009】
そこで、この発明の課題は、凍結防止を確実に行うことができる太陽熱利用温水器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽と、集熱した太陽熱によって蓄熱媒体を加熱する集熱器と、前記蓄熱槽と入水管とを直結する給水回路と、前記蓄熱槽と前記集熱器との間で蓄熱媒体を循環させる循環回路とを備え、前記給水回路を介して前記蓄熱槽に導入された蓄熱媒体としての水を前記集熱器に循環供給することによって温水を生成し、この温水を前記蓄熱槽に貯留するようにした太陽熱利用温水器であって、蓄熱媒体として導入された水に凍結のおそれがあるときは、前記給水回路を介して供給される水を、前記集熱器を通して排水する凍結防止運転を行うようになっていることを特徴とする太陽熱利用温水器を提供するものである。
【0011】
以上のように、この太陽熱利用温水器は、蓄熱媒体として導入された水に凍結のおそれがあるときは、入水管から供給される凍結しにくい水を、入水管の水圧を利用して集熱器に供給し、集熱器から送出される水をそのまま排水するようになっているので、凍結予防ヒータ等によって、蓄熱媒体を加熱しなくても、蓄熱媒体の凍結を確実に防止することができる。
【0012】
従って、請求項2にかかる発明のように、蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽と、集熱した太陽熱によって蓄熱媒体を加熱する集熱器と、前記蓄熱槽と入水管とを直結する給水回路と、前記蓄熱槽と前記集熱器との間で蓄熱媒体を循環させる循環回路と、前記循環回路内の蓄熱媒体を加熱する凍結予防ヒータとを備え、前記給水回路を介して前記蓄熱槽に導入された蓄熱媒体としての水を前記集熱器に循環供給することによって温水を生成し、この温水を前記蓄熱槽に貯留するようにした太陽熱利用温水器であって、蓄熱媒体として導入された水に凍結のおそれがあるときは、前記凍結予防ヒータによって、前記循環回路内の蓄熱媒体を加熱しながら、前記蓄熱槽に貯留されている蓄熱媒体を前記集熱器に強制的に循環供給する第1の凍結防止運転を行うようになっており、前記凍結予防ヒータによって、前記循環回路内の蓄熱媒体を加熱することができない場合は、前記給水回路を介して供給される水を、前記集熱器を通して排水する第2の凍結防止運転を行うようにしておくと、断線等の異常によって、凍結予防ヒータが作動しない場合でも、蓄熱媒体の凍結を確実に防止することができ、凍結防止に対する信頼性が向上するという効果が得られる。
【0013】
特に、請求項3にかかる発明の太陽熱利用温水器のように、前記循環回路を構成している、蓄熱媒体を前記集熱器から前記蓄熱槽に送出する戻り配管には、蓄熱媒体の温度が所定温度以上に上昇すると開弁する高温作動電磁弁が設置された逃がし管が接続されており、前記凍結防止運転または前記第2の凍結防止運転を行うときは、前記高温作動電磁弁を強制的に開弁させることによって、前記逃がし管を通して水を排水するようにしておくと、凍結防止のために専用の排水路を設ける必要がなく、太陽熱利用温水器に通常設置されている高温作動電磁弁の開閉制御を行うだけで、こういった凍結防止運転を簡単に行うことができる。
【0014】
また、こういった太陽熱利用温水器では、停電時、長期未使用時、極低温時には、集熱器、蓄熱槽及び循環回路から蓄熱媒体を排出するのが一般的であるので、請求項4にかかる発明の太陽熱利用温水器のように、前記集熱器は、前記集熱器内に滞留している蓄熱媒体を排出するための排出路を備えており、前記排出路には、受ける圧力が、作動圧力を上回ると閉弁し、作動圧力以下に低下すると開弁する自力開閉弁が設置されているものにあっては、自力開閉弁の作動圧力を、給水圧より低く、かつ、蓄熱槽内の蓄熱媒体を排出する際、排出しきれない集熱器の残水分に相当する水頭圧より高い圧力に設定しておくと、給水圧がかかっている通常時には自力開閉弁が閉弁するので、集熱器から蓄熱媒体が排出されることはなく、給水圧がかからない、蓄熱媒体の排出時には、自力開閉弁が開弁するので、特別な操作を行うことなく、集熱器内の蓄熱媒体を自動的に排出することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、この太陽熱利用温水器1は、蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽10と、集熱した太陽熱によって蓄熱媒体を加熱する集熱器20と、蓄熱槽10と水道本管(入水管、例えば水道本管)Pとを直結する給水回路30と、蓄熱槽10と集熱器20との間で蓄熱媒体を循環させる循環回路40と、蓄熱槽10の上部及び給水回路30に接続された出湯回路50とを備えており、水道本管Pの水圧によって蓄熱槽10内に導入された水道水(水、例えば水道水)を蓄熱媒体として、集熱器20に循環供給することで温水が生成され、この温水が蓄熱槽10に貯留されるようになっている。なお、蓄熱槽10に貯留された温水は、出湯回路50を介して出湯されるようになっている。
【0016】
前記蓄熱槽10は、ステンレス鋼板等によって形成された密閉容器であり、その底部には、蓄熱槽10内に貯留された蓄熱媒体を排出するために、排水弁12が設置された排水管11が接続されていると共に、その頂部及び下部において、貯留された蓄熱媒体の温度を検出する頂部蓄熱温度センサ13及び下部蓄熱温度センサ14がそれぞれ設置されている。
【0017】
前記集熱器20は、往きヘッダ21と戻りヘッダ22とを多数の通水管23によって接続すると共に通水管23にアルミフィン(図示せず)を取り付けたものであり、往きヘッダ21が下方側に位置するように、日射を受けやすい家屋の屋根面等に傾斜させた状態で設置されている。
【0018】
前記戻りヘッダ22には、戻りヘッダ22内の蓄熱媒体の温度を集熱温度として検出する集熱温度センサ24と、圧力安全弁25とが設置されており、この圧力安全弁25によって、戻りヘッダ22内の圧力が所定圧力(例えば、5kgf/cm2)を上回らないようになっている。
【0019】
また、往きヘッダ21には、その両端部に、集熱器20内に滞留している蓄熱媒体を排出するための排出管26が接続されており、この排出管26には、受ける圧力に応じて、自力で開閉する自力開閉弁27が設置されている。
【0020】
この自力開閉弁27は、設定された作動圧力を上回る圧力を受けると閉弁し、作動圧力以下の圧力を受けると開弁するように構成されており、この場合、その作動圧力は、給水圧より低く、かつ、蓄熱槽10内の蓄熱媒体を排水管11を介して排出する際、図2に示すように、排出しきれずに残る集熱器20側の残水高さhの水頭圧より高い圧力(例えば、0.5kgf/cm2)に設定されている。
【0021】
前記給水回路30は、水道本管Pと蓄熱槽10の底部とを接続する給水管31と、この給水管31に設置された元水栓32、逆止弁33及び減圧弁34とを備えており、水道本管Pの水圧(17.5kgf/cm2)が、減圧弁34によって4kgf/cm2程度に減圧されるので、蓄熱槽10、集熱器20、循環回路40及び出湯回路50には、常時、4kgf/cm2程度の給水圧がかかることになる。
【0022】
前記循環回路40は、給水回路30の給水管31と集熱器20の往きヘッダ21とを接続する往き配管41と、集熱器20の戻りヘッダ22と蓄熱槽10の頂部とを接続する戻り配管42とを備えており、往き配管41には、蓄熱槽10に貯留された水道水(蓄熱媒体)を集熱器20に循環供給するための循環ポンプ43が設置されている。
【0023】
また、往き配管41には、集熱器20に循環供給される蓄熱媒体を加熱するための凍結予防ヒータ44が設置されており、戻り配管42には、逆止弁45が設置されていると共に頂部蓄熱温度センサ13によって検出される蓄熱媒体の温度が所定温度(例えば、90℃)以上に上昇すると開弁する高温作動電磁弁47が設置された逃がし管46が接続されている。さらに、往き配管41及び戻り配管42には、手動開閉弁48及びエアチャージ栓49がそれぞれ設置されている。
【0024】
前記出湯回路50は、蓄熱槽10に貯留された温水(蓄熱媒体)を、蓄熱槽10の頂部から送出する温水配管51と、給水回路30の給水管31に接続された給水配管52と、蓄熱槽10から温水配管51を介して供給される温水と、給水配管52を介して供給される水道水とを、必要に応じて混合する混合調節弁53と、この混合調節弁53の出口側に接続された出湯配管54とを備えており、出湯配管54と給水配管52とは、通電状態で流路を遮断する電磁弁55aが設置されたバイパス管55を介して接続されている。なお、温水配管51の立下がり部分には、圧力安全弁56が設置されており、この圧力安全弁56によって、出湯回路50内の圧力が所定圧力(例えば、5kgf/cm2)を上回らないようになっている。
【0025】
また、温水配管51、給水配管52及び出湯配管54には、蓄熱槽10から送出される温水の温度を検出するための温水温度センサ57、給水配管52を介して供給される水道水の温度を検出するための給水温度センサ58及び混合調節弁53から送出される混合温水の温度を検出するための出湯温度センサ59がそれぞれ設置されており、これらの温度センサによって検出された温度に基づいて、設定温度の混合温水が出湯されるように、混合調節弁53の開度が制御されるようになっている。
【0026】
なお、この太陽熱利用温水器1には、その運転動作を統括的に制御するコントローラ(図示せず)が搭載されており、具体的には、頂部蓄熱温度センサ13、下部蓄熱温度センサ14、集熱温度センサ24、温水温度センサ57、給水温度センサ58及び出湯温度センサ59からの温度検出信号に基づいて、循環ポンプ43の運転及び停止の制御、凍結予防ヒータ44のON、OFF制御や高温作動電磁弁47及び混合調節弁53等の開閉制御を行うようになっている。
【0027】
以上のように構成された太陽熱利用温水器1では、上述したように、蓄熱槽10、循環回路40及び出湯回路50と水道本管Pとが給水回路30を介して直結されているので、給水回路30の元水栓32を開くと、水道本管Pから蓄熱槽10、集熱器20、循環回路40及び出湯回路50内に水道水(蓄熱媒体)が導入される。このとき、集熱器20には、自力開閉弁27の設定圧力より高い、4kgf/cm2程度の給水圧がかかっているので、自力開閉弁27が閉弁した状態となっており、集熱器20内に導入された水道水(蓄熱媒体)が排出されることはない。
【0028】
この状態で、太陽熱利用温水器1の運転スイッチをONすると、コントローラが、集熱温度センサ24によって検出される集熱温度と、下部蓄熱温度センサ14によって検出される蓄熱槽10の下部蓄熱温度とを比較して、集熱温度が下部蓄熱温度より6℃以上高くなると、循環ポンプ43を起動して、蓄熱槽10内に貯留された水道水(蓄熱媒体)を集熱器20に循環供給し、集熱器20で加熱されることによって生成された温水が蓄熱槽10に貯留されることになる。なお、集熱温度と下部蓄熱温度との差が3℃以下に低下すると、ほとんど蓄熱槽10内に温水を生成することができない状態になるので、循環ポンプ43の運転を停止させる。
【0029】
このようにして蓄熱槽10に貯留された温水の温度が設定温度を上回っている場合において、出湯回路50における出湯配管54の下流側に接続されたカラン等を開くと、4kgf/cm2程度の給水圧によって、温水及び水道水が温水配管51及び給水配管52を介して混合調節弁53に送出され、混合調節弁53が温水に水道水を適宜混合することによって、設定温度の温水を生成するので、設定温度の温水がカラン等から出湯されることになる。
【0030】
次に、この太陽熱利用温水器1の凍結防止方法について説明する。まず、集熱温度センサ24によって検出される集熱温度(集熱器20内の蓄熱媒体の温度)が凍結危険温度(例えば、5℃)以下に低下すると、下部蓄熱温度センサ14によって検出される下部蓄熱温度(蓄熱槽10の下部に貯留されている蓄熱媒体の温度)が3℃以上であるか否かを判断し、下部蓄熱温度が3℃以上である場合は、循環ポンプ43を強制的に起動して、蓄熱槽10内に貯留されている温水(比較的温度の高い蓄熱媒体)を集熱器20に循環供給することによって、集熱器20や循環回路40の凍結防止を図ることになる。
【0031】
一方、集熱温度センサ24によって検出される集熱温度が凍結危険温度以下に低下した時点で、下部蓄熱温度センサ14によって検出される下部蓄熱温度が3℃を下回っている場合は、蓄熱槽10に貯留されている蓄熱媒体を集熱器20に単に循環供給しても、十分な凍結防止効果を得ることができないので、凍結予防ヒータ44によって、循環回路40内の蓄熱媒体を加熱しながら、蓄熱槽10に貯留されている蓄熱媒体を集熱器20に強制的に循環供給することにより、集熱器20、循環回路40及び蓄熱槽10の凍結防止を図ることになる。
【0032】
このように、蓄熱槽10に貯留されている蓄熱媒体の温度が低下した場合は、凍結予防ヒータ44を作動させることになるが、断線等の異常によって、凍結予防ヒータ44が作動しなかった場合、これを検出したコントローラは、図3に示すように、高温作動電磁弁47を強制的に開弁させることによって、給水回路30を介して水道本管Pから供給される凍結しにくい水道水を、その給水圧によって、循環回路40の往き配管41を利用して集熱器20に供給しながら、集熱器20から送出される水道水を、循環回路40の戻り配管42を利用して、逃がし管46から排水することによって、集熱器20、循環回路40及び蓄熱槽10の凍結防止を図ることになる。
【0033】
また、この太陽熱利用温水器1を長期間使用しない場合や停電時、極低温時には、蓄熱槽10、集熱器20及び循環回路40に滞留している蓄熱媒体を全て、外部に排出することによって、凍結防止を図ることになる。具体的には、給水回路30の元水栓32を閉止した後、排水弁12を開いて排水管11から蓄熱媒体を排水することになるが、この時点で、集熱器20の自力開閉弁27は、給水圧(4kgf/cm2程度)を受けておらず、図2に示すように、蓄熱槽10側から排水することができない集熱器20側の残水高さhの水頭圧だけを受けている状態であり、自力開閉弁27の作動圧力はその水頭圧より高く設定されているので、自力開閉弁27は自然に開弁し、集熱器20側に滞留している蓄熱媒体が排出管26から排出されることになる。
【0034】
以上のように、この太陽熱利用温水器1では、断線等の異常によって、凍結予防ヒータ44が作動しない場合は、給水回路30を介して水道本管Pから供給される凍結しにくい水道水を、集熱器20を通して排水するようにしたので、凍結予防ヒータ44が作動しない場合でも、蓄熱媒体の凍結を確実に防止することができ、凍結防止に対する信頼性が向上するという効果が得られる。
【0035】
特に、この太陽熱利用温水器1では、こういった凍結防止運転を行う際、循環回路40の戻り配管42に接続されている逃がし管46に設置された高温作動電磁弁47を強制的に開弁させることによって、逃がし管46から水道水を排水するようにしたので、凍結防止のために専用の排水路を設ける必要がなく、太陽熱利用温水器に通常設置されている高温作動電磁弁47の開閉制御を行うだけで、こういった凍結防止運転を簡単に行うことができる。
【0036】
また、この太陽熱利用温水器1では、集熱器20内の蓄熱媒体を排出するための排出管26に、作動圧力を上回る圧力で閉弁し、作動圧力以下の圧力で開弁する自力開閉弁27を設けたので、その作動圧力を適宜設定することによって、排水管11から蓄熱媒体を排出する際、集熱器20側の蓄熱媒体を排出管26から自動的に排出させることができる。これによって、蓄熱媒体を排出する際、集熱器20側において特別な弁操作等を行う必要がなく、使い勝手が向上すると共に、高価な自動制御を採用する必要もないので、同等の機能を低コストで実現することができる。
【0037】
なお、上述した実施形態では、凍結予防ヒータ44が作動しない場合にだけ、水道本管Pから供給される水道水を集熱器20に通して排水する凍結防止運転を行うようになっているが、これに限定されるものではなく、例えば、凍結予防ヒータを使用せずに、蓄熱温度が低下すると、こういった凍結防止運転を行ったり、集熱温度が凍結危険温度以下に低下した時点で、直ちに、こういった凍結防止運転を行うことも可能である。
【0038】
また、上述した実施形態では、凍結防止運転を行う際、集熱器20から送出される水道水を、循環回路40の戻り配管42に接続されている逃がし管46に設置された高温作動電磁弁47を強制的に開弁させることによって排水するようにしているが、これに限定されるものではなく、凍結防止運転を行う際に使用する専用の排水路を設け、この排水路に電磁弁を設置することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる太陽熱利用温水器の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】同上の太陽熱利用温水器に使用されている自力開閉弁の作動圧力の設定方法を説明するための説明図である。
【図3】同上の太陽熱利用温水器において、凍結防止運転を行ったときの運転状態を示す状態図である。
【図4】従来の太陽熱利用温水器を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 太陽熱利用温水器
10 蓄熱槽
11 排水管
12 排水弁
13 頂部蓄熱温度センサ
14 下部蓄熱温度センサ
20 集熱器
24 集熱温度センサ
25 圧力安全弁
26 排出管
27 自力開閉弁
30 給水回路
31 給水管
32 元水栓
33 逆止弁
34 減圧弁
40 循環回路
41 往き配管
42 戻り配管
43 循環ポンプ
44 凍結予防ヒータ
46 逃がし管
47 高温作動電磁弁
50 出湯回路
51 温水配管
52 給水配管
53 混合調節弁
54 出湯配管
【発明の属する技術分野】
この発明は、給水圧によって蓄熱槽内に導入された水を、集熱器に直接循環供給することによって蓄熱槽内に温水を生成する、直接集熱方式の太陽熱利用温水器、特に、凍結防止機能に優れた太陽熱利用温水器に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の太陽熱利用温水器としては、例えば、図4に示すようなものがある。この太陽熱利用温水器60は、同図に示すように、給水回路64を介して水道本管に直結された蓄熱槽61と、家屋の屋根面等に設置され、太陽熱を集熱する集熱器62と、蓄熱槽61と集熱器62とを接続する、循環ポンプ63aを有する循環回路63とを備えており、水道本管の水圧によって蓄熱槽61内に導入された水道水(以下、蓄熱媒体という)を、集熱器62に循環供給することで温水が生成され、この温水が蓄熱槽61に貯留されるようになっている。なお、蓄熱槽61に貯留された温水は、蓄熱槽61の上部及び給水回路64に接続された出湯回路65を介して出湯されるようになっている。
【0003】
ところで、こういった太陽熱利用温水器60は屋外に設置されるので、冬場に外気温が著しく低下する寒冷地等においては、集熱運転を行わない夜間に集熱器62や循環回路63内に滞留している蓄熱媒体が凍結するおそれがあり、凍結防止策を講じる必要がある。
【0004】
しかしながら、上述したような直接集熱方式の太陽熱利用温水器60では、蓄熱槽内に設けた熱交換器と集熱器との間で蓄熱媒体を循環させる間接集熱方式の太陽熱利用温水器とは異なり、蓄熱媒体に不凍液を混合することができないので、以下のような凍結防止策を講じるのが一般的である。
【0005】
まず、集熱器62内に滞留している蓄熱媒体が凍結危険温度以下に低下すると、循環回路63の循環ポンプ63aを起動して、昼間集熱運転を行うことによって蓄熱槽61に貯留されている温水(比較的温度の高い蓄熱媒体)を集熱器62に強制的に循環供給することで、蓄熱媒体の凍結を防止することができる。
【0006】
ところが、蓄熱槽61に貯留されている蓄熱媒体が、既に、凍結危険温度付近まで低下しているような場合は、蓄熱槽61に貯留されている蓄熱媒体を集熱器62に単に循環供給しても、十分な凍結防止効果を得ることができないので、こういった太陽熱利用温水器60では、図4に示すように、循環回路63に凍結予防ヒータ66を設け、蓄熱槽61に貯留されている蓄熱媒体が凍結危険温度以下に低下したような場合は、凍結予防ヒータ66によって、循環回路63内の蓄熱媒体を加熱しながら、蓄熱槽61に貯留されている蓄熱媒体を集熱器62に強制的に循環供給することが考えられる。
【0007】
【特許文献1】
特開平08−219556号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、凍結予防ヒータ66によって、循環回路63内の蓄熱媒体を加熱しながら、蓄熱槽61に貯留されている蓄熱媒体を集熱器62に強制的に循環供給することによって、蓄熱媒体の凍結防止を行う場合、断線等によって、凍結予防ヒータ66が作動しない場合は、蓄熱槽61、集熱器62、循環回路63内に滞留している蓄熱媒体が凍結してしまうといった問題がある。
【0009】
そこで、この発明の課題は、凍結防止を確実に行うことができる太陽熱利用温水器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽と、集熱した太陽熱によって蓄熱媒体を加熱する集熱器と、前記蓄熱槽と入水管とを直結する給水回路と、前記蓄熱槽と前記集熱器との間で蓄熱媒体を循環させる循環回路とを備え、前記給水回路を介して前記蓄熱槽に導入された蓄熱媒体としての水を前記集熱器に循環供給することによって温水を生成し、この温水を前記蓄熱槽に貯留するようにした太陽熱利用温水器であって、蓄熱媒体として導入された水に凍結のおそれがあるときは、前記給水回路を介して供給される水を、前記集熱器を通して排水する凍結防止運転を行うようになっていることを特徴とする太陽熱利用温水器を提供するものである。
【0011】
以上のように、この太陽熱利用温水器は、蓄熱媒体として導入された水に凍結のおそれがあるときは、入水管から供給される凍結しにくい水を、入水管の水圧を利用して集熱器に供給し、集熱器から送出される水をそのまま排水するようになっているので、凍結予防ヒータ等によって、蓄熱媒体を加熱しなくても、蓄熱媒体の凍結を確実に防止することができる。
【0012】
従って、請求項2にかかる発明のように、蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽と、集熱した太陽熱によって蓄熱媒体を加熱する集熱器と、前記蓄熱槽と入水管とを直結する給水回路と、前記蓄熱槽と前記集熱器との間で蓄熱媒体を循環させる循環回路と、前記循環回路内の蓄熱媒体を加熱する凍結予防ヒータとを備え、前記給水回路を介して前記蓄熱槽に導入された蓄熱媒体としての水を前記集熱器に循環供給することによって温水を生成し、この温水を前記蓄熱槽に貯留するようにした太陽熱利用温水器であって、蓄熱媒体として導入された水に凍結のおそれがあるときは、前記凍結予防ヒータによって、前記循環回路内の蓄熱媒体を加熱しながら、前記蓄熱槽に貯留されている蓄熱媒体を前記集熱器に強制的に循環供給する第1の凍結防止運転を行うようになっており、前記凍結予防ヒータによって、前記循環回路内の蓄熱媒体を加熱することができない場合は、前記給水回路を介して供給される水を、前記集熱器を通して排水する第2の凍結防止運転を行うようにしておくと、断線等の異常によって、凍結予防ヒータが作動しない場合でも、蓄熱媒体の凍結を確実に防止することができ、凍結防止に対する信頼性が向上するという効果が得られる。
【0013】
特に、請求項3にかかる発明の太陽熱利用温水器のように、前記循環回路を構成している、蓄熱媒体を前記集熱器から前記蓄熱槽に送出する戻り配管には、蓄熱媒体の温度が所定温度以上に上昇すると開弁する高温作動電磁弁が設置された逃がし管が接続されており、前記凍結防止運転または前記第2の凍結防止運転を行うときは、前記高温作動電磁弁を強制的に開弁させることによって、前記逃がし管を通して水を排水するようにしておくと、凍結防止のために専用の排水路を設ける必要がなく、太陽熱利用温水器に通常設置されている高温作動電磁弁の開閉制御を行うだけで、こういった凍結防止運転を簡単に行うことができる。
【0014】
また、こういった太陽熱利用温水器では、停電時、長期未使用時、極低温時には、集熱器、蓄熱槽及び循環回路から蓄熱媒体を排出するのが一般的であるので、請求項4にかかる発明の太陽熱利用温水器のように、前記集熱器は、前記集熱器内に滞留している蓄熱媒体を排出するための排出路を備えており、前記排出路には、受ける圧力が、作動圧力を上回ると閉弁し、作動圧力以下に低下すると開弁する自力開閉弁が設置されているものにあっては、自力開閉弁の作動圧力を、給水圧より低く、かつ、蓄熱槽内の蓄熱媒体を排出する際、排出しきれない集熱器の残水分に相当する水頭圧より高い圧力に設定しておくと、給水圧がかかっている通常時には自力開閉弁が閉弁するので、集熱器から蓄熱媒体が排出されることはなく、給水圧がかからない、蓄熱媒体の排出時には、自力開閉弁が開弁するので、特別な操作を行うことなく、集熱器内の蓄熱媒体を自動的に排出することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、この太陽熱利用温水器1は、蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽10と、集熱した太陽熱によって蓄熱媒体を加熱する集熱器20と、蓄熱槽10と水道本管(入水管、例えば水道本管)Pとを直結する給水回路30と、蓄熱槽10と集熱器20との間で蓄熱媒体を循環させる循環回路40と、蓄熱槽10の上部及び給水回路30に接続された出湯回路50とを備えており、水道本管Pの水圧によって蓄熱槽10内に導入された水道水(水、例えば水道水)を蓄熱媒体として、集熱器20に循環供給することで温水が生成され、この温水が蓄熱槽10に貯留されるようになっている。なお、蓄熱槽10に貯留された温水は、出湯回路50を介して出湯されるようになっている。
【0016】
前記蓄熱槽10は、ステンレス鋼板等によって形成された密閉容器であり、その底部には、蓄熱槽10内に貯留された蓄熱媒体を排出するために、排水弁12が設置された排水管11が接続されていると共に、その頂部及び下部において、貯留された蓄熱媒体の温度を検出する頂部蓄熱温度センサ13及び下部蓄熱温度センサ14がそれぞれ設置されている。
【0017】
前記集熱器20は、往きヘッダ21と戻りヘッダ22とを多数の通水管23によって接続すると共に通水管23にアルミフィン(図示せず)を取り付けたものであり、往きヘッダ21が下方側に位置するように、日射を受けやすい家屋の屋根面等に傾斜させた状態で設置されている。
【0018】
前記戻りヘッダ22には、戻りヘッダ22内の蓄熱媒体の温度を集熱温度として検出する集熱温度センサ24と、圧力安全弁25とが設置されており、この圧力安全弁25によって、戻りヘッダ22内の圧力が所定圧力(例えば、5kgf/cm2)を上回らないようになっている。
【0019】
また、往きヘッダ21には、その両端部に、集熱器20内に滞留している蓄熱媒体を排出するための排出管26が接続されており、この排出管26には、受ける圧力に応じて、自力で開閉する自力開閉弁27が設置されている。
【0020】
この自力開閉弁27は、設定された作動圧力を上回る圧力を受けると閉弁し、作動圧力以下の圧力を受けると開弁するように構成されており、この場合、その作動圧力は、給水圧より低く、かつ、蓄熱槽10内の蓄熱媒体を排水管11を介して排出する際、図2に示すように、排出しきれずに残る集熱器20側の残水高さhの水頭圧より高い圧力(例えば、0.5kgf/cm2)に設定されている。
【0021】
前記給水回路30は、水道本管Pと蓄熱槽10の底部とを接続する給水管31と、この給水管31に設置された元水栓32、逆止弁33及び減圧弁34とを備えており、水道本管Pの水圧(17.5kgf/cm2)が、減圧弁34によって4kgf/cm2程度に減圧されるので、蓄熱槽10、集熱器20、循環回路40及び出湯回路50には、常時、4kgf/cm2程度の給水圧がかかることになる。
【0022】
前記循環回路40は、給水回路30の給水管31と集熱器20の往きヘッダ21とを接続する往き配管41と、集熱器20の戻りヘッダ22と蓄熱槽10の頂部とを接続する戻り配管42とを備えており、往き配管41には、蓄熱槽10に貯留された水道水(蓄熱媒体)を集熱器20に循環供給するための循環ポンプ43が設置されている。
【0023】
また、往き配管41には、集熱器20に循環供給される蓄熱媒体を加熱するための凍結予防ヒータ44が設置されており、戻り配管42には、逆止弁45が設置されていると共に頂部蓄熱温度センサ13によって検出される蓄熱媒体の温度が所定温度(例えば、90℃)以上に上昇すると開弁する高温作動電磁弁47が設置された逃がし管46が接続されている。さらに、往き配管41及び戻り配管42には、手動開閉弁48及びエアチャージ栓49がそれぞれ設置されている。
【0024】
前記出湯回路50は、蓄熱槽10に貯留された温水(蓄熱媒体)を、蓄熱槽10の頂部から送出する温水配管51と、給水回路30の給水管31に接続された給水配管52と、蓄熱槽10から温水配管51を介して供給される温水と、給水配管52を介して供給される水道水とを、必要に応じて混合する混合調節弁53と、この混合調節弁53の出口側に接続された出湯配管54とを備えており、出湯配管54と給水配管52とは、通電状態で流路を遮断する電磁弁55aが設置されたバイパス管55を介して接続されている。なお、温水配管51の立下がり部分には、圧力安全弁56が設置されており、この圧力安全弁56によって、出湯回路50内の圧力が所定圧力(例えば、5kgf/cm2)を上回らないようになっている。
【0025】
また、温水配管51、給水配管52及び出湯配管54には、蓄熱槽10から送出される温水の温度を検出するための温水温度センサ57、給水配管52を介して供給される水道水の温度を検出するための給水温度センサ58及び混合調節弁53から送出される混合温水の温度を検出するための出湯温度センサ59がそれぞれ設置されており、これらの温度センサによって検出された温度に基づいて、設定温度の混合温水が出湯されるように、混合調節弁53の開度が制御されるようになっている。
【0026】
なお、この太陽熱利用温水器1には、その運転動作を統括的に制御するコントローラ(図示せず)が搭載されており、具体的には、頂部蓄熱温度センサ13、下部蓄熱温度センサ14、集熱温度センサ24、温水温度センサ57、給水温度センサ58及び出湯温度センサ59からの温度検出信号に基づいて、循環ポンプ43の運転及び停止の制御、凍結予防ヒータ44のON、OFF制御や高温作動電磁弁47及び混合調節弁53等の開閉制御を行うようになっている。
【0027】
以上のように構成された太陽熱利用温水器1では、上述したように、蓄熱槽10、循環回路40及び出湯回路50と水道本管Pとが給水回路30を介して直結されているので、給水回路30の元水栓32を開くと、水道本管Pから蓄熱槽10、集熱器20、循環回路40及び出湯回路50内に水道水(蓄熱媒体)が導入される。このとき、集熱器20には、自力開閉弁27の設定圧力より高い、4kgf/cm2程度の給水圧がかかっているので、自力開閉弁27が閉弁した状態となっており、集熱器20内に導入された水道水(蓄熱媒体)が排出されることはない。
【0028】
この状態で、太陽熱利用温水器1の運転スイッチをONすると、コントローラが、集熱温度センサ24によって検出される集熱温度と、下部蓄熱温度センサ14によって検出される蓄熱槽10の下部蓄熱温度とを比較して、集熱温度が下部蓄熱温度より6℃以上高くなると、循環ポンプ43を起動して、蓄熱槽10内に貯留された水道水(蓄熱媒体)を集熱器20に循環供給し、集熱器20で加熱されることによって生成された温水が蓄熱槽10に貯留されることになる。なお、集熱温度と下部蓄熱温度との差が3℃以下に低下すると、ほとんど蓄熱槽10内に温水を生成することができない状態になるので、循環ポンプ43の運転を停止させる。
【0029】
このようにして蓄熱槽10に貯留された温水の温度が設定温度を上回っている場合において、出湯回路50における出湯配管54の下流側に接続されたカラン等を開くと、4kgf/cm2程度の給水圧によって、温水及び水道水が温水配管51及び給水配管52を介して混合調節弁53に送出され、混合調節弁53が温水に水道水を適宜混合することによって、設定温度の温水を生成するので、設定温度の温水がカラン等から出湯されることになる。
【0030】
次に、この太陽熱利用温水器1の凍結防止方法について説明する。まず、集熱温度センサ24によって検出される集熱温度(集熱器20内の蓄熱媒体の温度)が凍結危険温度(例えば、5℃)以下に低下すると、下部蓄熱温度センサ14によって検出される下部蓄熱温度(蓄熱槽10の下部に貯留されている蓄熱媒体の温度)が3℃以上であるか否かを判断し、下部蓄熱温度が3℃以上である場合は、循環ポンプ43を強制的に起動して、蓄熱槽10内に貯留されている温水(比較的温度の高い蓄熱媒体)を集熱器20に循環供給することによって、集熱器20や循環回路40の凍結防止を図ることになる。
【0031】
一方、集熱温度センサ24によって検出される集熱温度が凍結危険温度以下に低下した時点で、下部蓄熱温度センサ14によって検出される下部蓄熱温度が3℃を下回っている場合は、蓄熱槽10に貯留されている蓄熱媒体を集熱器20に単に循環供給しても、十分な凍結防止効果を得ることができないので、凍結予防ヒータ44によって、循環回路40内の蓄熱媒体を加熱しながら、蓄熱槽10に貯留されている蓄熱媒体を集熱器20に強制的に循環供給することにより、集熱器20、循環回路40及び蓄熱槽10の凍結防止を図ることになる。
【0032】
このように、蓄熱槽10に貯留されている蓄熱媒体の温度が低下した場合は、凍結予防ヒータ44を作動させることになるが、断線等の異常によって、凍結予防ヒータ44が作動しなかった場合、これを検出したコントローラは、図3に示すように、高温作動電磁弁47を強制的に開弁させることによって、給水回路30を介して水道本管Pから供給される凍結しにくい水道水を、その給水圧によって、循環回路40の往き配管41を利用して集熱器20に供給しながら、集熱器20から送出される水道水を、循環回路40の戻り配管42を利用して、逃がし管46から排水することによって、集熱器20、循環回路40及び蓄熱槽10の凍結防止を図ることになる。
【0033】
また、この太陽熱利用温水器1を長期間使用しない場合や停電時、極低温時には、蓄熱槽10、集熱器20及び循環回路40に滞留している蓄熱媒体を全て、外部に排出することによって、凍結防止を図ることになる。具体的には、給水回路30の元水栓32を閉止した後、排水弁12を開いて排水管11から蓄熱媒体を排水することになるが、この時点で、集熱器20の自力開閉弁27は、給水圧(4kgf/cm2程度)を受けておらず、図2に示すように、蓄熱槽10側から排水することができない集熱器20側の残水高さhの水頭圧だけを受けている状態であり、自力開閉弁27の作動圧力はその水頭圧より高く設定されているので、自力開閉弁27は自然に開弁し、集熱器20側に滞留している蓄熱媒体が排出管26から排出されることになる。
【0034】
以上のように、この太陽熱利用温水器1では、断線等の異常によって、凍結予防ヒータ44が作動しない場合は、給水回路30を介して水道本管Pから供給される凍結しにくい水道水を、集熱器20を通して排水するようにしたので、凍結予防ヒータ44が作動しない場合でも、蓄熱媒体の凍結を確実に防止することができ、凍結防止に対する信頼性が向上するという効果が得られる。
【0035】
特に、この太陽熱利用温水器1では、こういった凍結防止運転を行う際、循環回路40の戻り配管42に接続されている逃がし管46に設置された高温作動電磁弁47を強制的に開弁させることによって、逃がし管46から水道水を排水するようにしたので、凍結防止のために専用の排水路を設ける必要がなく、太陽熱利用温水器に通常設置されている高温作動電磁弁47の開閉制御を行うだけで、こういった凍結防止運転を簡単に行うことができる。
【0036】
また、この太陽熱利用温水器1では、集熱器20内の蓄熱媒体を排出するための排出管26に、作動圧力を上回る圧力で閉弁し、作動圧力以下の圧力で開弁する自力開閉弁27を設けたので、その作動圧力を適宜設定することによって、排水管11から蓄熱媒体を排出する際、集熱器20側の蓄熱媒体を排出管26から自動的に排出させることができる。これによって、蓄熱媒体を排出する際、集熱器20側において特別な弁操作等を行う必要がなく、使い勝手が向上すると共に、高価な自動制御を採用する必要もないので、同等の機能を低コストで実現することができる。
【0037】
なお、上述した実施形態では、凍結予防ヒータ44が作動しない場合にだけ、水道本管Pから供給される水道水を集熱器20に通して排水する凍結防止運転を行うようになっているが、これに限定されるものではなく、例えば、凍結予防ヒータを使用せずに、蓄熱温度が低下すると、こういった凍結防止運転を行ったり、集熱温度が凍結危険温度以下に低下した時点で、直ちに、こういった凍結防止運転を行うことも可能である。
【0038】
また、上述した実施形態では、凍結防止運転を行う際、集熱器20から送出される水道水を、循環回路40の戻り配管42に接続されている逃がし管46に設置された高温作動電磁弁47を強制的に開弁させることによって排水するようにしているが、これに限定されるものではなく、凍結防止運転を行う際に使用する専用の排水路を設け、この排水路に電磁弁を設置することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる太陽熱利用温水器の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】同上の太陽熱利用温水器に使用されている自力開閉弁の作動圧力の設定方法を説明するための説明図である。
【図3】同上の太陽熱利用温水器において、凍結防止運転を行ったときの運転状態を示す状態図である。
【図4】従来の太陽熱利用温水器を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 太陽熱利用温水器
10 蓄熱槽
11 排水管
12 排水弁
13 頂部蓄熱温度センサ
14 下部蓄熱温度センサ
20 集熱器
24 集熱温度センサ
25 圧力安全弁
26 排出管
27 自力開閉弁
30 給水回路
31 給水管
32 元水栓
33 逆止弁
34 減圧弁
40 循環回路
41 往き配管
42 戻り配管
43 循環ポンプ
44 凍結予防ヒータ
46 逃がし管
47 高温作動電磁弁
50 出湯回路
51 温水配管
52 給水配管
53 混合調節弁
54 出湯配管
Claims (4)
- 蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽と、
集熱した太陽熱によって蓄熱媒体を加熱する集熱器と、
前記蓄熱槽と入水管とを直結する給水回路と、
前記蓄熱槽と前記集熱器との間で蓄熱媒体を循環させる循環回路と
を備え、
前記給水回路を介して前記蓄熱槽に導入された蓄熱媒体としての水を前記集熱器に循環供給することによって温水を生成し、この温水を前記蓄熱槽に貯留するようにした太陽熱利用温水器であって、
蓄熱媒体として導入された水に凍結のおそれがあるときは、前記給水回路を介して供給される水を、前記集熱器を通して排水する凍結防止運転を行うようになっていることを特徴とする太陽熱利用温水器。 - 蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽と、
集熱した太陽熱によって蓄熱媒体を加熱する集熱器と、
前記蓄熱槽と入水管とを直結する給水回路と、
前記蓄熱槽と前記集熱器との間で蓄熱媒体を循環させる循環回路と、
前記循環回路内の蓄熱媒体を加熱する凍結予防ヒータと
を備え、
前記給水回路を介して前記蓄熱槽に導入された蓄熱媒体としての水を前記集熱器に循環供給することによって温水を生成し、この温水を前記蓄熱槽に貯留するようにした太陽熱利用温水器であって、
蓄熱媒体として導入された水に凍結のおそれがあるときは、前記凍結予防ヒータによって、前記循環回路内の蓄熱媒体を加熱しながら、前記蓄熱槽に貯留されている蓄熱媒体を前記集熱器に強制的に循環供給する第1の凍結防止運転を行うようになっており、
前記凍結予防ヒータによって、前記循環回路内の蓄熱媒体を加熱することができない場合は、前記給水回路を介して供給される水を、前記集熱器を通して排水する第2の凍結防止運転を行うようになっていることを特徴とする太陽熱利用温水器。 - 前記循環回路を構成している、蓄熱媒体を前記集熱器から前記蓄熱槽に送出する戻り配管には、蓄熱媒体の温度が所定温度以上に上昇すると開弁する高温作動電磁弁が設置された逃がし管が接続されており、
前記凍結防止運転または前記第2の凍結防止運転を行うときは、前記高温作動電磁弁を強制的に開弁させることによって、前記逃がし管を通して水を排水するようにした請求項1または2に記載の太陽熱利用温水器。 - 前記集熱器は、前記集熱器内に滞留している蓄熱媒体を排出するための排出路を備えており、
前記排出路には、受ける圧力が、作動圧力を上回ると閉弁し、作動圧力以下に低下すると開弁する自力開閉弁が設置されている請求項1、2または3に記載の太陽熱利用温水器。
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Cited By (4)
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CN101769654B (zh) * | 2009-01-04 | 2012-09-05 | 苏庆泉 | 压缩式热泵供热系统以及供热方法 |
KR101203033B1 (ko) | 2010-06-30 | 2012-11-20 | 경희대학교 산학협력단 | 태양열 온수시스템 |
CN102878704A (zh) * | 2012-09-28 | 2013-01-16 | 杭州电子科技大学 | 一种太阳能集热装置的检测及控制系统 |
CN111412668A (zh) * | 2020-05-17 | 2020-07-14 | 敬西涛 | 一种高原防爆防冻平板单机热水器 |
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2002
- 2002-10-24 JP JP2002309075A patent/JP2004144382A/ja active Pending
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