JP3858179B2 - 位相反転消音装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は高速道路や高速鉄道などの防音壁、自動車のマフラーや送風ダクト、および、音波拡散防止フード付きスピーカなどと共に用いられる位相反転消音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高速道路や高速鉄道などの走行車両から発生される騒音は防音壁を設けたり、また自動車のエンジンの爆発音による排気騒音は消音マフラーを取り付けたりするなどして、騒音の発生による障害を軽減するための対策が施されている。
近年では、こうした受動的な騒音防止対策に止まらず、能動的な騒音防止対策が各方面で実施されるようになってきた。
【0003】
能動的な騒音防止方法としては、騒音源から放射される音波をマイクロホンで捕らえて音圧や位相を補正したり、あるいはA/D変換して処理したり、コンピュータで計算したりするなどして反騒音をスピーカから出し、元の音を物理的に打ち消す方法のものなどを上げることができる。しかし、これらの方法を用いた消音装置は、いずれも、ダクトや車の室内、ヘッドホンなど限られた空間を制御するものが多く、周期的に発生する低い周波数の音を対象に取り扱ったものが多い。
【0004】
【従来の技術の欠点】
前述の消音方法は、特定の周波数について、特に波長の長い周波数については位相誤差を吸収しやすいため有効な場合もあるが、波長の短い周波数は位相回転が早いので、位相の誤差や反射などによる影響が大きく出るため取り扱いが難しく、広帯域にわたる周波数を含む音波を効率よく消去するということになると更に難しくなり、解決されなければならない技術的課題は少なくない。
また、騒音発生源と消音スピーカの発音源の中心部とは当然のことながら位置が異なるため、騒音の進行波と消音用の音の進行波との干渉は複雑となり、周波数や位置によっては騒音が逆に増大してしまう場合も生ずることがある。こうした不具合を解消するためには、補助的な対策がいろいろと必要となり、電気的回路網も大きくなるなど、実用性が乏しくならざるを得ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、消音し得る音波の周波数の範囲を特に低い周波数と限定することなく、広い帯域の周波数成分から成る音波の一部をそのまま集め、集めた音波の位相を180゜回転させて逆相の音波に変換し、この逆相の音波に変換された音波と元の音波とを干渉させることによって、元の音波の一部を特に周波数帯域を限定することなく効率よく消去することのできる装置を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
例えば、同一音源から放射された音波が、回転放物軸に平行な気体柱を進行方向に2つに縦割りされたルートを進むとき、2つに分割された一方は回転放物鏡面で反射され、マイクロホンで集音され、電気的に増幅され、位相を180°回転された音波として再びスピーカにより放音されるルートを進む。他方は回転物鏡面で進行を遮られることなく直進する音波として進む。2つのルートを進む音波の疎密波が搬送媒体である気体の中を進むときの距離を等しくして、それぞれが距離相当分の位相の遅れを以て位相回転を行い、互いに逆相関係を保ちながら同期進行させ、位相が180°回転された音波を第1の音波反射鏡面で進行を遮られることなく直進した音波の伝搬状態と同じ状態になるようにして、これら2つのルートを進む音波を再び合流させ、それぞれ相互干渉させると、双方の波動エネルギーを効率よく消耗させることができる。
【0007】
本発明は、上述した原理に基づいて前記の課題を解決したものであって、本発明に係る位相反転消音装置は次のようなものである。
まず本発明に係る位相反転消音装置は、前方の音源Sから放射された音波を、回転放物面の一部を用いて反射させる第1の音波反射鏡1と、該第1の音波反射鏡1の焦点Fに収束された音波を集音する集音マイクロホン3と、該集音マイクロホン3に入力される入射波の位相を180゜回転させて入射波と逆相の音波を放射する逆相音波放射スピーカ5とを具備するものである。
【0008】
また、上記逆相音波放射スピーカ5から放射される球面波を焦点Fより出力し、反射平面波として後方へ放射する回転放物面の一部を用いた第2音波反射鏡13を具備するものもある。
【0009】
なお、上記第1および第2の音波反射鏡1、13の反射面の一部に音波が通過する通気部を設けてもよく、また、上記第1の音波反射鏡1に回転楕円面の一部を用いたものであってもよい。
【0010】
【作用】
上述した各発明の構成によれば、前方の音源Sから放射された音波を、位相の乱れの出ないように回転放物面の一部を用いた第1の音波反射鏡1により反射させ、焦点Fに集めることによって音波のエネルギーを高めて、位相ひずみの少ない良質な信号として集音マイクロホン3で集音し、集音マイクロホン3で集音された音波は、増幅器4によって増幅されたのち、逆相音波放射スピーカ5によって位相が180゜回転されて放音される。
【0011】
前方の音源Sから放射された音波のうち第1の音波反射鏡1によって進行を遮られずに直進した音波と、上記逆相音波放射スピーカ5より放射された逆相の音波とは、双方の搬送媒体となる気体中を伝わる距離を等しくとった位置では、互いに距離相当の位相遅れの位相回転関係にある。この伝搬距離を同じ距離に合わせた位置で、逆相音波放射スピーカ5より放射された逆相の音波を、第1の音波反射鏡1によって進行を遮られることなく直進した音波の伝搬状態に合わせて、双方の音波を再び合流させると、逆相関係にある音波を互いに干渉させることになって、前方の音源から放射された音波の波動エネルギーを合流点近傍で大きく低下させることができる。
【0012】
【実施例】
実施例1
本発明による位相反転消音装置を図1および図2A,図2Bによって説明する。図1は本発明による位相反転消音装置を半無限障壁上端に設置されている位相反転消音装置付き防音壁の動作原理図であり、1は第1の音波反射鏡、2は第1ホーン、3は集音マイクロホン、4は増幅器、5は逆相音波放音スピーカ、6はスピーカボックス、7は収納ケース、8は集音開口部、9は放音開口部、10は半無限障壁であり、Sは音源、Lは回転軸、Fは反射鏡の焦点、πは回転軸に垂直な面、Pは反射面上の点、Hは垂線の足を示すものであり、1〜9は本発明の位相反転消音装置を構成する。以下その動作について説明する。
【0013】
第1の音波反射鏡1は回転放物面の一部を用いた音波反射鏡であり、音波反射鏡面に対応する回転軸Lを前方音源Sの方向に向けて設置されている。第1の音波反射鏡1の焦点Fには集音マイクロホン3が取り付けられており、集音開口部8から入射された遠方前面の音源Sから放射された音波は、同相の平面波として第1の音波反射鏡1の反射面で反射され、同相の球面波に変換されて、第1ホーン2を通り収束されて、第1の音波反射鏡1の焦点Fに置かれた集音マイクロホン3に入射され、電気信号に変換される。
このように構成された集音器は、第1の音波反射鏡1の反射面上に音波を散乱するものがないので、広帯域にわたって周波数特性がよく、また、すぐれた集音性能を持つものである。
【0014】
増幅器4は、集音マイクロホン3に入射された音波を電気信号に変換して再び音波を放射させるための逆相音波放音スピーカ5を駆動する増幅器である。第1の音波反射鏡1に対応する回転軸Lに垂直な面πを、回転放物面によって分けられる焦点Fを含まない外側に置き、第1の音波反射鏡1の反射面上の点Pから面πに引いた垂線の足をHとして、点PからHに至る距離PHが点Pから焦点Fに至る距離Pと同じになるようにする。逆相音波放射スピーカ5は音を発生する音源の中心部が面π上のH部に設置され、放音開口部9より後方外部へ向けて第1の音波反射鏡1によって進行を遮られることなく直進してきた音源とは逆相の関係を有する音波を放射する。
【0015】
遠方前面の音源Sから放射された音波は、回折によって進行方向に立てられた垂直な半無限障壁10の裏側へも伝搬される。このときの音波の伝搬される様子を、図2A、図2Bによって説明する。図2Aは音源Sから放射された音波の進行を示す立面の動作原理図であり、図2Bは平面の動作原理図である。
【0016】
図2Aにおいて、音源Sから放射された音波は、音源Sを中心とする球面波となり空気中を伝搬していくが、半無限障壁10の上端の稜線Eを境にして半無限障壁10から遠いA付近では、平面波に近く、伝搬によって音圧はあまり減衰されずに拡がり、半無限障壁10の陰になる奥のC付近では、稜線E点が新たな音源となり、音波が球面波として伝搬し、回り込む。
【0017】
ここで半無限障壁10の上端に本発明の位相反転消音装置を、第1の音波反射鏡1の回転軸Lを音源Sに向けて設置し、前方の音源Sからの音波を集音開口部8に入射させ、逆相音波放射スピーカ5より入射音波と逆相の音波を放音開口部9より後方へ放射する。逆相音波放射スピーカ5は稜線Eと同一の位置に設置されているものとみることができるから、稜線Eを同一音源として、音源Sからの音波と、音源Sからの音波と逆相の音波とが同時に同じ方向に向けて放音された状態になり、半無限障壁10の後方B付近への音源Sの伝搬音圧、およびC付近へ稜線Eから回り込む回折波の音圧を低減することができる。
【0018】
次に図2Bにより、音源Sから放射された音波の平面的な波面の拡がりについて説明する。半無限障壁10の上端稜線上の各点E,E,E・・・に、それぞれ本発明の位相反転消音装置が設置されているとき、音源Sからの音波は同時には各点E,E,E・・・に到達しない。Eが最も早く、E,Eと順次おくれて到達するため、位相反転消音装置より放音される音源Sからの音波と逆相の音波の放射も、Eからが最も早く、E,E・・・と順次おくれて放射される。このため逆相の音波の伝搬はEの波面が最も大きく拡がり、E,E・・・は順次小さく、逆相の音波を合成した波面はB,B,B・・・上を拡がる。半無限障壁10の後方B,B,B・・・の各点では、ちょうど音源Sから逆相の音波が放射されたときと同じような波面となって拡がる。従ってB,B,B・・・周辺では、音源Sからの音波と、音源Sからの音波と逆相の音波とが干渉して、音波エネルギーが消耗されるため音圧が低減する。
【0019】
以上本発明の位相反転消音装置を半無限障壁10に取り付けた位相反転消音装置付き半無限障壁について説明したが、半無限障壁10のE,E,E・・・EのEとEを一致させると一定の地域を囲むことができることは言うまでもない。
【0020】
なお、逆相音波放射スピーカ5に折り返しホーンのようなスピーカ発音源の中心部とホーン開口面との距離が外形寸法よりも実質的に大きい構造を有する変則的なスピーカを使用する場合は、第1の音波反射鏡1の反射面上の点Pとスピーカ発音源の中心部との距離を大きくとり、音源Sからの音波と、音源Sからの音波と逆相の音波との搬送媒体の気体中を進む2つのルートの伝搬距離が合流点で等しくなるようにするとよい。
【0021】
実施例2
図3に基づいて実施例2を説明する。図3は本発明による位相反転消音装置を消音ダクト内に取り付けたもので、位相反転消音装置付き消音ダクトの動作原理図であり、図1と共通の部分は、同一符号を付してある。11は第2ホーン、12は音波障壁、13は第2音波反射鏡、14は消音ダクト、15は第1の音波反射鏡1の通気部、16は第2音波反射鏡13の通気部、17は通気管であり、Fは第2音波反射鏡13の焦点、Pは第2音波反射鏡13の反射面上の点を示すものであり、Lはダクト14の中心軸、Lは第2音波反射鏡13に対応する回転軸である。以下、位相反転消音ダクトの動作について説明する。
【0022】
第1および第2の音波反射鏡1,13は、回転放物面の一部を用いた音波反射鏡で、反射面を互いに背にする位置関係にあり、第1および第2の音波反射鏡1,13に対応する回転軸L,Lを消音ダクト14の中心軸Lと平行に置く。回転軸LとLに垂直な面πは第1および第2の音波反射鏡1,13の反射面上の点PとPの中間にあり、点P,Pから面πへ引いた垂線の足がそれぞれ1点Hで重なり合う位置とし、点Pから焦点Fに至る距離をP、点Pから焦点Fに至る距離をP、点Pから面π上のHに至る距離をPH、点Pから面π上のHに至る距離をPHとするとき、PとPの和とPHとPHの和とが等しくなるような位置に第1および第2の音波反射鏡1,13を設置し、第1および第2の音波反射鏡1,13の中央部には、消音ダクト14の前方の音源Sより放射され、集音開口部8を通過した音波が進行を遮られることなく直進することのできる通気部15,16が設けられており、通気部15,16は吸音材料を用いた通気管17によって連結されている。
【0023】
音源Sより放音された音波は、消音ダクト14内を伝搬し、集音開口部8を通過したのち第1の音波反射鏡1の反射面で反射され、同相の球面波に変換され、第1ホーン2を通り収束され、第1の音波反射鏡1の焦点Fに置かれたマイクロホン3に入射され、電気信号に変換される。増幅器4は、音波の電気信号を増幅して逆相音波放射スピーカ5を駆動する。逆相音波放射スピーカ5は、音を発生する音源の中心部が第2音波反射鏡13の焦点Fに置かれている。逆相音波放射スピーカ5より発せられた音波は、第2ホーン11と音波障壁12の間を通過し、第2音波反射鏡13の反射面で反射され、平面波に変換されて、放音開口部9より第1および第2の音波反射鏡1,13によって進行を遮られることなく直進してきた音波とは逆相の関係を有する音波として放射される。第1および第2の音波反射鏡1,13によって進行を遮られることなく通気管17内を通過した音波と、第1の音波反射鏡1の反射面で反射されたのち、入射された元の音波と位相が180°回転されて第2音波反射鏡13の反射面より出力された音波とは、媒体となる気体中を伝搬する距離が等しいから2つのルートを進む双方の音波の位相回転は逆相関係が保たれたまま進行する。消音ダクト14内の通気管17の延長面を境にして双方の音波を合流し、互いに干渉させると、双方の波動エネルギーを大きく低下させることができる。
【0024】
消音ダクト14の径が大きい場合や、消音ダクト14の径に対する音波の波長の大きさの割合が十分に大きくないなどの場合は、消音ダクト14に取り付けられる本発明による位相反転消音装置の設置箇所を必要に応じて増やし、それぞれの位相反転消音装置が受け持つ空間の範囲を狭めることによって位相回転誤差から生ずる影響を少なくできる。
【0025】
ダクトの径が大きく、発音源Sと第1の音波反射鏡1との距離が近い場合は、第1の音波反射鏡1は回転楕円面の一部を用いた方がよい。回転楕円面の一部を用いた場合は回転軸Lと消音ダクト14の中心軸Lとは平行にはならない。
【0026】
消音ダクト14内の音波伝搬の媒体となる気体が速い速度をもつ場合は、気体の流れの向きによって、通気管17内の音波の伝搬速度が増加したり減少したりした場合と等価となる。気体の流れの向きが、集音開口部8から放音開口部9の方向へ流れる場合は、第1の音波反射鏡1の反射面上の点Pと第2の音波反射鏡13の反射面上の点Pとの距離を大きく、また気体の流れの向きが逆の方向の場合は点P間の距離を小さくするなど補正して、音源Sからの音波と、音源Sからの音波と逆相の音波との、搬送媒体となる気体中を進む2つのルートの音波の位相回転の関係を、互いに逆相回転の状態で同期させて合流点へ導くようにする。
【0027】
実施例3
図4に基づいて実施例3を説明する。図4は本発明による複数の位相反転消音装置が音源となるスピーカの周囲に設けられた音波拡散防止フードの端部に並べて設置されている位相反転消音装置付き音波拡散防止スピーカの動作原理図であり、図1と共通の部分は、同一符号を付してある。18は発音源となるスピーカ、19はスピーカ18の前面に取り付けられた第1フード、20は第1フード19と同軸上に第1フード19より内側へ段差ができるようにして取り付けられた第2フード、21は囲いであり、πは音源Sを中心とする球面、Qは球面π上の1点を示すものであり、本発明による位相反転消音装置は、第1フード19と第2フード20との段差間に集音開口部8が、第2フード20の外周端部に放音開口部9が取り付けられ、音波拡散防止スピーカを構成する。以下その動作について説明する。
【0028】
第1の音波反射鏡1は回転楕円面の一部を用いた音波反射鏡であり、スピーカ18の音を発生する音源の中心部Sを第1の音波反射鏡1の一方の焦点に置き、もう一方の焦点Fには集音マイクロホン3が取り付けられており、集音開口部8から入射されたスピーカ18の発音源の中心部Sから放射された音波は、同相の球面波として第1の音波反射鏡1の反射面で反射され、第1ホーン2を通り収束され、第1の音波反射鏡1の焦点Fに置かれたマイクロホン3に入射され、電気信号に変換される。
増幅器4は、音波の電気信号を増幅して逆相音波放射スピーカ5を駆動する。球面πは、回転楕円面に対応する長軸を2aとしたときの音源Sを中心とする半径2aの球面であり、音源Sおよび第1の音波反射鏡1の反射面上の点Pを通る直線が反射面の裏側の球面πと交わる点をQとすると、距離PSと距離Pの和は2aであるから、点Pから点Qに至る距離PQは点Pから焦点Fに至る距離Pと等しい。
逆相音波放射スピーカ5は、音を発生する音波の中心部を球面π上の点Qに設置され、放音開口部9より後方外部へ向けて第1の音波反射鏡1によって進行を遮られることなく直進してきた音波とは逆相の関係を有する音波を放射する。
【0029】
スピーカ18の音源Sから放射された音波は、回折によって第2フード20の外周端Eが新たな音源となり、音波が球面波として囲い21の外部側面へも伝搬され、回り込む。C付近へ回り込んだ回折波は、逆相音波放射スピーカ5から放射される逆相の音波と干渉し、音圧が低減される。回折波の音圧が低減される様子は実施例1で説明したものと同様であり、第2フード20の外周端Eを図2Aの半無限障壁10の上端の稜線Eと置き替えてみることによって容易に理解できるものである。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、音源から放射された音波を、特に周波数帯域の制限をすることなく位相の乱れの少ない良質な音波としてマイクロホンに集音し、位相を180°回転した逆相の音波を得るとともに、音波の伝搬距離の違いから生ずる位相回転誤差による影響を受けないようにして、逆相の音波と元の音波とを合流し、互いに干渉させることにより合流点近傍の波動エネルギーを効率よく低減するとができる。
【0031】
従って、本発明による装置を利用することによって、回折音による音波の回り込みを抑制したり、限られた空間を伝搬する音波の波動エネルギーを低減したりすることができるため、高速道路や高速鉄道などの防音壁の遮音、自動車のマフラーや送風ダクトなどの消音、および、スピーカの指向特性などの、機能や性能をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を示す動作原理図である。
【図2】(A)音波の進行を示す立面の動作原理図である。
(B)音波の進行を示す平面の動作原理図である。
【図3】実施例2を示す動作原理図である。
【図4】実施例3を示す動作原理図である。
【符号の説明】
1 第1の音波反射鏡
2 第1ホーン
3 集音マイクロホン
4 増幅器
5 逆相音波放射スピーカ
6 スピーカボックス
7 収納ケース
8 集音開口部
9 放音開口部
10 半無限障壁
11 第2ホーン
12 音波障壁
13 第2音波反射鏡
14 消音ダクト
15,16 通気部
17 通気管
18 スピーカ
19 第1フード
20 第2フード
21 囲い
S 音源
,L 回転軸
,F 反射鏡の焦点
π 回転軸に垂直な面
,P 反射面上の点
H 垂線の足
E 稜線または外周端
A,B,C 波面の位置
L ダクトの中心軸
π 球面
Q 球面上の点

Claims (2)

  1. 前方の音源(S)から放射された音波を回転放物面の一部を用いて反射させる第1の音波反射鏡(1)と、該第1の音波反射鏡(1)の焦点(F)に収束された音波を集音する集音マイクロホン(3)と、該集音マイクロホン(3)に入力される入射波の位相を180°回転させて入射波と逆位相の音波を放射する逆相音波放射スピーカ(5)と、を具備し、上記第1の音波反射鏡(1)の回転放物面に対応する回転軸(L)を上記前方の音源(S)の方向へ向け、該回転軸(L)に垂直で回転放物面によって分けられる焦点(F)を含まない外側に設定される面(π)上に上記逆相音波放射スピーカ(5)の中心部を配置し、上記逆相音波放射スピーカ(5)より入射波と逆位相の音波を放射する放音開口部(9)の開口方向を上記音源(S)から放射された音波の進行方向へ向けて設置し、上記第1の音波反射鏡(1)の反射面上の点(P)から面(π)に引いた垂線の足を(H)として、点(P)から(H)に至る距離(PH)と、点(P)から焦点(F)に至る距離(P)を等しくすることによって、上記集音マイクロホン(3)と上記逆相音波放射スピーカ(5)とを音響的に隔離した状態で、上記音源(S)から見た上記集音マイクロホン(3)までの音波の伝搬距離と、上記音源(S)から見た上記逆相音波放射スピーカ(5)の中心部までの音波の伝搬の音響的距離を等しくしたことを特徴とする位相反転消音装置。
  2. 請求項1記載の第1の音波反射鏡(1)と、集音マイクロホン(3)と、逆相音波放射スピーカ(5)と、該逆相音波放射スピーカ(5)の中心部を焦点(F)とする回転放物面の一部を用いた第2の音波反射鏡(13)と、該第2の音波反射鏡(13)と上記第1の音波反射鏡(1)とを連結する通気管(17)と、を消音ダクト(14)内に設け、上記第1および第2の音波反射鏡(1)、(13)によって進行を遮られることなく上記通気管(17)内を通過した音波と上記第2の音波反射鏡(13)の反射面より出力された音波が互いに逆相関係が保たれたまま同一方向へ進行するような構成として、双方の音波の波動エネルギーを低減することを特徴とする位相反転消音装置。
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