JP3858109B2 - 蓄熱カプセル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、対向配置される第1壁面と第2壁面との間に、蓄熱材充填用の内部空間を形成して成る蓄熱カプセルに係り、詳しくは、蓄熱カプセル外壁面の経時変化等による変形が生じても、隣合う蓄熱カプセルとの間に有効な送風路が確保できるようにする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、前記蓄熱カプセルは、特開2000−18864号公報にて知られたように、内部空間側に窪んだ凹溝と、内部空間とは反対側に膨出した凸条とを交互に形成してあり、これら凹溝と凸条とは、熱交換用流体の流れ方向に並べられていた。そして、第1壁面の凹溝と第2壁面の凸条及び第1壁面の凸条と第2壁面の凹溝は、第1壁面又は第2壁面の法線方向における位置が一致する状態に形成してあった。
【0003】
このように、互いに面する壁面における凹溝と凸条とが互い違いとなるように設定して熱交換用流体の流れ方向に並べることにより、互いに隣り合う蓄熱カプセル間に形成される風の通り道が左右に蛇行したほぼ均一な幅を有した状態になり、熱交換用流体との有効な接触面積を得て、部分的な偏りなくカプセル全体から良好に熱交換できるように工夫されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
蓄熱カプセルの第1並びに第2壁面は、PE(ポリエチレン)等の厚さの薄い板材で構成されているので、内部に充填されている蓄熱材の重みにより、時間が経つと壁面が外方に膨張変形することがある。そうなると、互いに膨張変形した第1壁面と第2壁面とにおける凹溝と凸条どうしが嵌まり合って風の通り道が無くなってしまい、壁面に凹凸を施すことによって熱交換効率を向上させよう、という工夫が台無しになるものであり、改善の余地が残されているものであった。
【0005】
本発明の目的は、第1と第2壁面に互い違いに凹溝と凸条とを形成して風の通り道を蛇行させるように構成した蓄熱カプセルにおいて、蓄熱材の重みによる第1、第2壁面の外方への経時的膨張変形が生じても、風の通り道が確保されて良好な熱交換作用が維持できるよう、更なる工夫を行う点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の構成は、図7に例示する如く、対向配置される第1壁面1と第2壁面2との間に、蓄熱材充填用の内部空間3を形成し、第1及び第2壁面1,2の夫々に、内部空間側に窪んだ凹溝7aと、内部空間3とは反対側に膨出した凸条7bとの夫々を、熱交換用流体の流れ方向に沿わせた状態でそれらの長手方向と交差する方向に並べて形成するとともに、第1壁面1の凹溝7aと第2壁面2の凸条7b及び第1壁面1の凸条7bと第2壁面2の凹溝7aは、第1壁面1又は第2壁面2の法線方向視における位置が一致する状態に形成し、凸条7bの先端の幅寸法を凹溝7aの底面の幅寸法よりも大に設定してあることを特徴とする。
【0007】
請求項1の構成によれば、凹溝と凸条との夫々を、それらの長手方向が熱交換用流体の流れ方向に沿う状態に並べてあり、かつ、隣合う蓄熱カプセルどうしにおいて互いに対面する第1壁面と第2壁面における凹溝の底面幅よりも、凸条の先端幅を大に設定してあるから、蓄熱カプセルが膨張変形することで凸条が凹溝に入り込むことが生じたとしても、従来のように熱交換用流体が流れなくなるということは無く、面積が幾分絞られるに止るものであって熱交換作用は生じるようになる。そして、凹溝が凸条によって完全に埋まる状態にはならないから、必ず凹溝の底面と凸条の先端との間には空間部が存在することになり、蓄熱カプセルの膨張変形が生じても、熱交換用流体の最低限の通り道を確保することが可能になって、蓄熱カプセルとしての機能が麻痺する事態を回避できるようになる。
【0008】
請求項2の構成は、図7に例示する如く、請求項1の構成において、凸条7bはその膨出方向下手側ほど幅寸法が小となる先窄まり状に形成され、かつ、凹溝7aはその窪み方向下手側ほど幅寸法が小となる先窄まり状に形成してあることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の構成によれば、凸条及び凹溝は共に先窄まり状に形成されているから、蓄熱カプセルが膨張変形した際における凸条の凹溝への嵌まり込みが、隣合う蓄熱カプセル双方の凸条どうしが互いに接当することなく円滑に行われるようになり、無理な応力が蓄熱カプセルに作用することを回避できるようになる。加えて、膨張変形によって凸条が凹溝に嵌まり込んでも、その嵌まり込み量が凸条と凹溝とが互いに接当しない範囲では、隣合う第1壁面と第2壁面との間には全面に亘る隙間、即ち風の通り道が確保されるようになり、良好な熱交換効率を維持することが可能になる[図7(ロ)に仮想線で示す凸条と凹溝参照]。
【0010】
請求項3の構成は、図9、図10に例示する如く、請求項1の構成において、凸条7bの膨出方向下手側端の幅寸法を、凹溝7aの窪み方向上手側端の幅寸法よりも大に設定してあることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3の構成によれば、凹溝の窪み方向上手側端の幅寸法よりも凸条の膨出方向下手側端の幅寸法の方が大であるから、蓄熱カプセルが膨張変形しても、第1壁面の凸条と第2壁面の凸条とが接当することになって凸条が凹溝に入り込むことがないから、凹溝による熱交換用流体の通り道が十分に確保されるようになる。
【0012】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に蓄熱空調システムの概略図が、図2に蓄熱槽部分が夫々示されている。この蓄熱空調システムAは、エアコン(空調装置)16を用いた個人住宅用のものであり、エアコン16及び蓄熱槽14が1階の床下に配置されている。即ち、蓄熱槽14の一端がエアコン16の吹き出し側に、他端及び室内からの戻りダクト17とがエアコン16の吸い込み側に夫々連結し、1階及び2階の各天井裏に装備された複数の空調ファン18と蓄熱槽14の出口側とを連通するための主ダクト19を、床下23から立ち上がる縦型のものとして設けてある。
【0014】
図1,図2に示すように、エアコン16の送風は接続ダクト25を介して全て蓄熱槽14に供給されるようにしてあり、蓄熱槽14の出口側ダクト20、室内からの戻り風を取り込む所であるエアリターン口22に連通する戻りダクト17、及び各空調ファン18に連通する主ダクト19を結ぶとともに、エアコン16の吸込み側ダクトとなる連結ダクト21を設けてある。連結ダクト21内には、軸心P周りに回動して戻りダクト17を開閉自在で、連結ダクト21の遮断及び解放も可能な開閉弁24を設けてある。そして、運転モードとしては、蓄熱空調モード、放熱モード、蓄熱モードとがある。
【0015】
蓄熱空調モードは、図6(イ)に示すように、連結ダクト21が遮断され、かつ、戻りダクト17が開かれる位置に開閉弁24を回動操作し、エアコン16を空調作動させ、いずれかの空調ファン18を回転作動させる運転モードであり、エアコン16から出る冷風(又は温風)によって蓄熱槽14の蓄熱と、冷風(又は温風)による室内空調との双方が行えるとか、エアコン16と蓄熱槽14の放熱との双方によって室内空調が行えるといった状態が得られる。
【0016】
例えば、蓄熱槽14の温度が希望冷房温度よりも低いときには、エアコン16と蓄熱槽14との双方によって室内を素早く冷房でき、蓄熱槽14の温度が希望冷房温度以上であるときには、エアコン16の冷風によって蓄熱槽14の冷熱蓄熱と室内の冷房との双方が行われるようになる。
【0017】
放熱モードは、図6(ロ)に示すように、連結ダクト21及び戻りダクト17が共に開かれる位置に開閉弁24を回動操作し、エアコン16を送風作動(単なる送風ファンとして用いる空作動)させ、いずれかの空調ファン18を回転作動させる運転モードであり、エアコン16から出る常温風によって蓄熱槽14で熱交換させて、蓄熱槽14に貯められた熱エネルギーのみによって空調されたエアを室内に供給する状態が得られる。
【0018】
例えば、蓄熱槽14の温度が希望冷房温度よりも十分に低いときに、蓄熱槽14に貯められた熱エネルギーのみによって希望冷房温度まで室内冷房させるとか、蓄熱槽14の温度が希望冷房温度より高いときには、取り敢えず蓄熱槽14の温度までは蓄熱槽14に貯められた熱エネルギーのみによって室内冷房させるといった状態が得られる。この運転モードでは、エアコン16のコンプレッサー又はコンデンサが作動しない(即ちエアコン16が空調作動しない)分、蓄熱空調モードに比べて電力が少なくて済み、廉価に空調を行うことができる。
【0019】
尚、戻りダクト17と主ダクト19とが連結ダクト21部位では互いに離れているとともに、戻りダクト17の風下方向の近傍にエアコン16が位置し、かつ、出口側ダクト20の風下方向近傍に主ダクト19の吸込み口が位置する構造上、連結ダクト21部位において給排風が混ざることが実質的に生じないので、開閉弁24を前述の位置(戻りダクト17内面に沿う位置)にすることが可能であるが、連結ダクト21を遮断する位置[ 図6(イ)に示された位置] に開閉弁24を回動操作しても良い。
【0020】
蓄熱モードは、図6(ハ)に示すように、戻りダクト17を閉じ、かつ、連結ダクト21は解放する位置に開閉弁24を回動操作し、エアコン16を空調作動させ、全ての空調ファン18を停止させる運転モードであり、エアコン16と蓄熱槽14とによる閉鎖ループ状態で運転させるものである。この場合、すべての空調ファン18が停止していて主ダクト19は負圧にも正圧にもならないので、主ダクト19には風が流れないのである。
【0021】
この運転モードは、電力料金が安くなる深夜等において用いるモードであり、例えば、エアコン16を冷房運転して夏場の夜中に蓄熱槽14に冷熱を蓄えさせたり、エアコン16を暖房運転して冬場の日中に蓄熱槽14に温熱を蓄えたりする。そして、蓄熱槽14に蓄えた冷熱により、夏場の日中に放熱モードで室内冷房するとか、蓄熱槽14に蓄えた温熱により、冬場の夜に放熱モードで室内暖房を行うことにより、電気代を節約しながら良好な空調が行えるのである。
【0022】
そして、図示しないが、開閉弁24を図6(ロ)に示された位置に回動操作し、エアコン16を停止し、空調ファン18を回転作動させる送風モードも可能であり、これによれば単に室内に循環送風するだけの状態が得られる。次に、蓄熱槽14に多数装備される蓄熱カプセルCについて説明する。
【0023】
図3、図4に示すように、蓄熱カプセルCは、対向配置される第1壁部1と第2壁部2と、これら両壁部1,2の間に形成される蓄熱材充填用の内部空間3と、両壁部1,2の外周縁どうしが気密状に互いに相対連結された状態の外周シール部5とを備えて構成されている。両壁部1,2の正面視形状は、上下高さが左右長さよりも長い縦長の矩形形状に設定され、内部空間3が上下3箇所の部分空間4に分割されるように、両壁部1,2どうしがそれらの上下中間部において気密状に連結された中間シール部6を2箇所に形成してある。つまり、蓄熱カプセルCは、部分空間4を備えた部分カプセル8の3組が上下に連結一体化されたような構造を採るものである。
【0024】
第1及び第2壁部1,2の夫々は、内部空間3を形成するべく外側に膨出した凸面部7が3箇所形成された平板状の合成樹脂材によって構成されており、凸面部7以外の部分が外周シール部5及び中間シール部6である。蓄熱カプセルCは、両壁部1,2を、夫々の外周シール部5及び中間シール部6どうしの融着による一体化によって構成されている。部分カプセル8として見た場合、その上部の両端部に形成された一対の丸孔9と、上1カ所、下2カ所の計3カ所に形成された溝孔10の夫々において、第1壁部1と第2壁2とがスポット的に融着されている。各部分空間4には、固化温度が18℃である蓄熱材11が充填されている。
【0025】
凸面部7は、横方向に伸びる比較的小規模な凹溝7a及び凸条7bが繰り返し形成された凹凸状に構成されている。即ち、凹溝7aは内部空間3の側に窪んだ形状であり、凸条7bは内部空間3とは反対側に膨らんだ形状をなしている。そして、第1壁部1に形成した凹溝7aと第2壁部2に形成した凸条7bとが、及び、第1壁部1に形成された凸条7bと第2壁部2に形成された凹溝7aとが、第1壁部1或いは第2壁部2の法線方向視において一致するように形成してある。つまり、第1壁部1に凸条7bが形成してある位置に対しては、その裏側に位置する第2壁部2には凹溝7aが形成されている構造である。つまり、凹溝7aと凸条7bとの夫々は、熱交換用流体である風の流れ方向に沿わせた状態でそれらの長手方向と交差する方向に交互に並べられた状態に形成されている。
【0026】
そして、凸条7bはその膨出方向下手側ほど幅寸法が小となる先窄まり状に形成し、かつ、凹溝7aはその窪み方向下手側ほど幅寸法が小となる先窄まり状に形成するとともに、凸条7bの先端の幅寸法d2を凹溝7aの底面の幅寸法d1よりも大に設定してある。これにより、内部空間3に充填されている蓄熱材4の重みによって凸面部7が外方に膨らむように膨張変形すると、第1壁部1の凸条7bが隣り合う第2壁部2の凹溝7aに嵌まり込むことがあるが、図7(ロ)に仮想線で示すように、凸条7bは凹溝7aにその深さの半分程度しか入り込めないので、風の通り道がある程度確保された状態が維持されるようになる。
【0027】
図7に示すように、第1壁部1と第2壁部2との夫々の凸面部7における外周シール部5及び中間シール部6からの立ち上がり部分には、凸面部7としての基準外表面27よりも僅かに外側に膨出したスペーサ部28が、短い長さでもって形成されている。因みに、両基準外表面27,27間の厚さ14mmに対して、両スペーサ部28,28間の厚さは15mmに設定されている。これにより、隣り合う蓄熱カプセルC、Cどうしを互いに接触させて並べても、各蓄熱カプセルCのスペーサ部28どうしが接当してそれ以上の接近が阻止されるので、基準外表面27どうしの間でも1mmの隙間が確保されるようになっている。
【0028】
凸条7bと凹溝7aとが共に先窄まり状であるときの寸法関係如何による作用効果を参考に記載する。先ず、凹溝7aの根元端における幅寸法が凸条7b先端の幅寸法よりも小さい場合には、蓄熱カプセルが膨張変形しても、第1壁面の凸条と第2壁面の凸条とが接当して、凸条は凹溝に入り込むことがないから、凹溝による風の通り道が確保されるようになる(図10参照)。又、凹溝の根元端における幅寸法が凸条先端の幅寸法よりも大きい場合には、蓄熱カプセルが膨張変形によって凸条が凹溝に入り込むことは可能になるが、凹溝が埋まり切るまで凸条が入り込むことは無く、必ず凹溝には空間部が存在することになるので、熱交換用流体の通り道が最低限といった程度は確保されるようになり、蓄熱カプセルとしての機能を維持することが可能になる[図7(イ)参照]。
【0029】
中間シール部5,5とその上下の第1及び第2壁部1,2とによって形成される凹入溝12に、凹入溝12としての断面積を縮小させる規制部材13を配置してある。図4に示すように、蓄熱槽14内では、第1及び第2壁部1,2が接近する状態で隣合う蓄熱カプセルC、Cが配列されており、前述したように、これら蓄熱カプセルC、C間の空間部を熱交換のための風が流れることになる。
【0030】
この場合、凹入溝12を開放したままでは、隣合う凹入溝12,12が重なって比較的大きな空間部となって風が集中して流れ込み、風を多く流すべき隣合う第1及び第2壁部1,2の間の狭い空間部にはあまり流れなくなることになる。そこで、それを防止するべくスポンジパッド等の比重の軽い材料で成る規制部材13を凹入溝12に入れ込んで接着してあり、側面視でほぼ凹入溝12が規制部材13で埋まるような状態としてある。規制部材13としては、ウレタン、PP、PE、アルミ合金、ゴム等、種々の材料によるものが可能である。
【0031】
図5に示すように、上及び下の部分カプセル8,8における一対の丸孔9,9に通したインシュバンド15によって、6個の蓄熱カプセルCが一体化されており、この一体化された6個一組の蓄熱カプセルC群の多数を蓄熱槽14内に配列してある。尚、中間の部分カプセル8においても、丸孔9,9を用いてインシュバンド15を通しても良い。
【0032】
尚、図8(イ)、(ロ)に示すように、蓄熱槽14を、エアコン16を内臓する構造のものに構成しても良い。即ち、29はエアリターン口、30はエア吹き出し口、31は蓄熱槽14内の結露水を外部排出するためのドレンポンプ孔である。
【0033】
〔別実施形態〕
《1》 図9に示すように、凹溝7a、凸条7bを、共に型製作時における型の抜き勾配を最小角度として、ほぼ直角に陥没又は隆起する形状に形成するとともに、凸条7bの膨出方向下手側端の幅寸法d2を、凹溝7aの窪み方向上手側端の幅寸法d3よりも大に設定した構造の蓄熱カプセルCでも良い。この構造では、蓄熱カプセルCが膨張変形しても、凸条7bは凹溝7aに入り込まないので、十分な風の通路面積が確保できる利点がある。
【0034】
《2》 図10に示すように、図7に示す傾斜した側面を有した凹溝7a、凸条7bにおいて、凹溝7aの窪み方向上手側端の幅寸法d3よりも、凸条7bの膨出方向下手側端の幅寸法d2を大に設定した構造の蓄熱カプセルCでも良い。この構造でも前記別実施形態《1》と同様に、蓄熱カプセルCが膨張変形しても、凸条7bは凹溝7aに入り込まなず、十分な風の通路面積が確保できる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の蓄熱カプセルによれば、第1壁面及び第2壁面の凸面部において、凸条の先端の幅寸法を凹溝の底面の幅寸法よりも大に設定してあるので、内蔵された蓄熱材の重みによって蓄熱カプセルが膨張変形しても、凸条が凹溝に完全に嵌り合うことが回避されて、熱交換用流体の通り道を確保することができるようになり、良好な熱交換機能を維持することができるようになった。
【0036】
凸条及び凹溝を先窄まり状とすれば、隣合う蓄熱カプセルの凸条どうしがぶつかり合うことなく円滑に凸条と凹溝とが嵌まり込み作動できる。そして、蓄熱カプセル下部が膨張変形して凸条が凹溝に嵌まり込んでも、互いに接当するまでの範囲では隣合う第1壁面と第2壁面との間には全面に亘る熱交換用流体の通り道が確保され、良好な熱交換効率が維持される利点がある。
【0037】
又、凸条先端の幅寸法を凹溝の入口幅寸法よりも大に設定すれば、凸条と凹溝との嵌まり込み自体が回避され、熱交換用流体の通り道をあるレベル以上は確保することができて、良好な熱交換効率を所定レベル以上に維持できることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓄熱空調システムの概略構造を示す斜視図
【図2】蓄熱槽部分を示す一部切欠きの平面図
【図3】(イ)は蓄熱カプセルの正面図、(ロ)は蓄熱カプセルの側面図
【図4】規制部材を示す蓄熱カプセルの部分拡大断面図
【図5】6枚の蓄熱カプセルによる束状態を示す斜視図
【図6】蓄熱空調システムの各種運転モードを示す作用図
【図7】蓄熱カプセルの構造を示し、(イ)は部分拡大断面図、(ロ)は拡大側面図
【図8】別構造の蓄熱槽を示し、(イ)は平面図、(ロ)は側面図
【図9】別形状の蓄熱カプセルを示す部分断面図
【図10】別形状の蓄熱カプセルを示す部分断面図
【符号の説明】
1 第1壁面
2 第2壁面
3 内部空間
7a 凹溝
7b 凸条
Claims (3)
- 対向配置される第1壁面と第2壁面との間に、蓄熱材充填用の内部空間を形成し、前記第1及び第2壁面の夫々に、前記内部空間側に窪んだ凹溝と、前記内部空間とは反対側に膨出した凸条との夫々を、熱交換用流体の流れ方向に沿わせた状態でそれらの長手方向と交差する方向に並べて形成するとともに、前記第1壁面の凹溝と前記第2壁面の凸条及び前記第1壁面の凸条と前記第2壁面の凹溝は、前記第1壁面又は前記第2壁面の法線方向視における位置が一致する状態に形成し、前記凸条の先端の幅寸法を前記凹溝の底面の幅寸法よりも大に設定してある蓄熱カプセル。
- 前記凸条はその膨出方向下手側ほど幅寸法が小となる先窄まり状に形成され、かつ、前記凹溝はその窪み方向下手側ほど幅寸法が小となる先窄まり状に形成してある請求項1に記載の蓄熱カプセル。
- 前記凸条の膨出方向下手側端の幅寸法を、前記凹溝の窪み方向上手側端の幅寸法よりも大に設定してある請求項1に記載の蓄熱カプセル。
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