JP3857845B2 - 光ヘッド装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDやDVDなどのディスクの記録、再生動作を行う光ヘッド装置に関するものである。更に詳しくは、再生対象のディスクに応じて対物レンズを切り換えて使用する形式の光ヘッド装置において、何れの対物レンズが作動位置に切り換わっているのかを検出する使用レンズ検出機構の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CDやDVDなどの異なるディスクを再生可能な光ヘッド装置としては、複数の対物レンズを再生対象のディスクに応じて切り換えて使用する形式のものが知られている。
【0003】
図6には、CD用対物レンズおよびDVD用対物レンズを備えた光ヘッド装置において、軸摺動回動方式と呼ばれる対物レンズ駆動機構における一部断面を示してある。この図に示すように、対物レンズ駆動機構100は、CD用対物レンズ101およびDVD用対物レンズ(図示せず)を保持したレンズホルダ102と、このレンズホルダ102を軸線方向に移動可能かつ軸線回りに回転可能に支持した摺動軸104を備えたホルダ支持ユニット105とを備えている。レンズホルダ102とホルダ支持ユニット105の間には、フォーカシング用磁気駆動回路およびトラッキング用磁気駆動回路(共に図示せず)が構成されている。
【0004】
レンズホルダ102の上面102aには、摺動軸104が差し込まれた軸孔102bを中心として例えば90度の角度間隔でCD用対物レンズ101およびDVD用対物レンズが保持されている。トラッキング用磁気駆動回路を利用して、レンズホルダ102を回転させて、一方の対物レンズを図に示すようにレーザ光の光路上の作動位置に位置決めすることにより、対物レンズの切り換えが行われる。
【0005】
対物レンズを切り換えた後は、フォーカシング用磁気駆動回路を駆動することにより、レンズホルダ102を摺動軸104の軸線方向に摺動させて、レンズホルダ102に保持されている対物レンズのフォーカシングを行うことができる。また、トラッキング用磁気駆動回路を駆動することにより、レンズホルダ102を摺動軸104の軸線回りに回転させて、レンズホルダ102に保持されている対物レンズのトラッキングを行うことができる。
【0006】
レンズホルダ102を支持しているホルダ支持ユニット105は、光ヘッド装置本体の側の取り付け用フレーム110に取り付け固定されている。そして、光ヘッド装置本体側のレーザ光源からのレーザ光Lが、全反射ミラー111、コリメータレンズ112等を含む光ピックアップ光学系を経由して、対物レンズ駆動装置100のレンズホルダ102に保持されている対物レンズ(図においてはCD用対物レンズ101)に導かれ、対物レンズを介して、再生対象のディスク記録面上に集光するようになっている。
【0007】
ここで、このように2個の対物レンズを切り換えて使用する対物レンズ駆動機構100には、何れの対物レンズが使用されているのかを検出するための使用レンズ検出機構120が備わっている。
【0008】
使用レンズ検出機構120は、レーザ光の一部を反射可能な光反射面121と、この光反射面121で反射されたレーザ光を受光可能な受光素子122とを備えた光学式検出機構である。光反射面121はCD用対物レンズ101の直下におけるレンズホルダ102に形成された鏡筒側面に形成され、受光素子122はフレーム110の側に取り付けられている。CD用対物レンズ101が使用される状態では、ここに入射するレーザ光の一部は、当該光反射面121によって反射され、ホルダ支持ユニット105の外周壁106に開けた開口107を通って、受光素子122を照射する。
【0009】
しかるに、DVD用対物レンズの取り付け位置の直下には光反射面が形成されていないので、DVD用対物レンズ使用時には、受光素子122において反射光が検出されることはない。従って、受光素子がレーザ光を受光しているか否かに基づき、使用されている対物レンズを検出可能である。
【0010】
ここで、この構成の使用レンズ検出機構は次のような問題点がある。すなわち、光反射面121が形成されたレンズホルダ102を支持しているホルダ支持ユニット105は、光ヘッド装置本体側のフレーム110に取り付け固定されている。従って、フレーム110に対するホルダ支持ユニット105の取り付け位置あるいは取り付け角度が変化すると、レンズホルダ102の側の光反射面121とフレーム110側の受光素子122の受光面との相対位置が変化してしまう。
【0011】
例えば、対物レンズの加工誤差等に起因する収差を補正するために、対物レンズのレーザ光軸L0に対する角度を微調整する必要がある。対物レンズのみを光軸L0に対して傾斜させることはできないので、この対物レンズを保持したレンズホルダ102を支持しているホルダ支持ユニット105のフレーム110に対する取り付け角度を微調整している。
【0012】
このようにホルダ支持ユニット105のフレーム110に対する取り付け角度を微調整すると、使用レンズ検出機構を構成している光反射面121と受光素子122の相対位置が僅かにずれてしまう。すなわち、適正な相対位置関係にある場合の反射光L2に対して、反射面121の傾斜角度が上下方向に変化すると、反射光の方向はL21、L22で示すように上下に移動する。反射光の方向が変動すると、固定した位置にある受光素子122での受光量が減少する。反射面121の傾斜角度の変化が大きいと、反射光の受光量の低下も大きくなり、受光素子の受光量に基づく対物レンズの切り換え検出が不可能になるおそれもある。
【0013】
そこで、本願人の一方は先に、特開平10−154337号公報において、受光素子122をホルダ支持ユニット105に取り付ける構成を提案している。この構成によれば、ホルダ支持ユニット105のフレーム110に対する取付け角が変わっても、使用レンズ検出機構を構成している光反射面121と受光素子122の相対位置が変化することがないため、光反射面121による反射光の、受光素子122上での移動量は小さい。よって、対物レンズの収差を補正する等のためにレンズホルダを支持しているホルダ支持ユニットの取り付け角度を微調整しても、常に対物レンズの切り換えを正確に検出できる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる使用レンズ検出機構においては、更に改善すべき点がある。すなわち、レンズホルダは摺動軸に沿って摺動可能となっているので、CD・DVD再生装置等に対する光ヘッド装置の取付け姿勢によって、レンズホルダに作用する重力方向が異なる。このために、例えば、摺動軸が水平となるように光ヘッド装置が取り付けられた場合と、摺動軸が鉛直となるように光ヘッド装置が取り付けられた場合では、レンズホルダが摺動軸に沿って自重落下する量は、前者では実質的に零であるのに対して、後者では無視できない量となる。
【0015】
この結果、レンズホルダに形成されている使用レンズ検出用の光反射面の位置が、受光素子に対して相対的に変化してしまう。特に、レーザー光のファーフィールドパターンは楕円形をしているので、例えば、光反射面が楕円形の短軸方向に位置する場合等では、光反射面に対して十分な量のレーザー光が照射されず、また、光反射面の移動によって受光素子の側ではレンズ検出のために必要な量の光を受取ることができなくなるおそれが高い。このような事態が発生すると、検出感度が低下して、正確な検出を期待できなくなる。
【0016】
本発明の課題は、取付け姿勢によって使用レンズ検出機構の検出感度が変動することのない光ヘッド装置を提案することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、レーザー光源と、当該レーザー光源からの出射光を光記録媒体上に収束させる複数の対物レンズと、これらの対物レンズを保持したレンズホルダと、このレンズホルダを軸線方向に移動可能かつ軸線回りに回転可能に支持している摺動軸を備えたホルダ支持ユニットと、前記複数の対物レンズの何れが作動位置にあるのかを検出する使用レンズ検出機構とを有する光ヘッド装置において、前記使用レンズ検出機構は、前記対物レンズの切り換えに伴う前記レンズホルダの回転角度位置に応じて、前記レーザー光源からの出射レーザー光を反射可能な位置および反射不可能な位置の間を移動するように、前記レンズホルダに形成された光反射面と、当該光反射面で反射された反射光を受光する受光部とを備えており、前記出射レーザー光のファーフィールドパターンの広幅方向が前記摺動軸に沿った前記レンズホルダの移動方向に一致していることを特徴としている。
【0018】
典型的な構成では、前記レンズホルダの回転位置が前記出射レーザ光を反射可能な位置であるとき、前記光反射面は対物レンズの有効光束は反射せず、周辺光束を反射する位置であり、前記出射レーザ光のファーフィールドパターンの広幅方向が前記光反射面のある方向に一致している。
【0019】
ここで、前記光反射面を曲面および拡散面のうちのいずれかとすれば、当該光反射面での反射光を発散光束として受光部に導くことができる。この結果、平行光を受光部に導く場合に比べて、光反射面と受光部の相対位置の変化に起因した検出感度の変動を抑制できる。
【0020】
また、前記光反射面を、前記複数の対物レンズのうち最も小径の対物レンズに前記出射レーザー光を導くための鏡筒内に配置することが望ましい。このようにすれば、光反射面をレーザ出射光束の中心側に近づけることができ、光反射面の有効面積を大きくでき、かつ、レーザ出射光の周辺光量減衰に対してより多くの反射光量を得ることができる。このため、光反射面が移動しても、当該光反射面が出射レーザー光束から外れることを防止できる。
【0021】
さらに、本発明においても、前記受光部を前記ホルダ支持ユニットに取り付けることが望ましい。
【0022】
また、前記受光素子の受光部面積を、前記光反射面による反射光の断面積よりも小さくすれば、前記光反射面が前記レーザ出射光を反射しない位置である場合に、前記受光素子に迷光が入射しにくくなり、不要な受光量の増大による誤検出を抑制できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したCD・DVD再生用の光ヘッド装置を説明する。対物レンズ駆動機構の全体構成は前述した軸摺動回動方式のもの(図3参照)と同一であるので、対応する部分には同一の番号を付し、そられらの説明は省略する。
【0024】
図1、図2に示すように、本例の光ヘッド装置1における対物レンズ駆動機構2も軸摺動回動方式のものであり、CD用対物レンズ101およびDVD用対物レンズ103を保持したレンズホルダ102と、このレンズホルダ102を軸線方向に移動可能かつ軸線回りに回転可能に支持した摺動軸104を備えたホルダ支持ユニット105とを備えている。レンズホルダ102とホルダ支持ユニット105の間には、フォーカシング用磁気駆動回路およびトラッキング用磁気駆動回路(共に図示せず)が構成されている。
【0025】
レンズホルダ102の上面102aには、摺動軸104が差し込まれた軸孔102bを中心として例えば90度の角度間隔でCD用対物レンズ101およびDVD用対物レンズ103が保持されている。トラッキング用磁気駆動回路を利用して、レンズホルダ102を回転させて、一方の対物レンズを図に示すようにレーザ光Lの光路上の作動位置に位置決めすることにより、対物レンズの切り換えが行われる。再生動作時には、フォーカシング用磁気駆動回路を駆動することにより、レンズホルダ102を摺動軸104の軸線方向に摺動させてレンズホルダ102に保持されている対物レンズのフォーカシングが行なわれる。また、トラッキング用磁気駆動回路を駆動して、レンズホルダ102を摺動軸104の軸線回りに回転させて、レンズホルダ102に保持されている対物レンズのトラッキングが行われる。
【0026】
本例の光ヘッド装置1においても、レンズホルダ102を支持しているホルダ支持ユニット105が、光ヘッド装置本体の側の取り付け用フレーム(ヘッドベース)110に対して、取り付け角度(傾角)調整ねじ等を介して、取り付け固定されている。
【0027】
また、光ヘッド装置本体側のレーザ光源4からのレーザ光Lが、コリメートレンズ112、立ち上げミラー111等を含む光ピックアップ光学系を経由して、対物レンズ駆動装置1のレンズホルダ102に保持されている対物レンズ101、103のうち、作動位置に保持されている側の対物レンズに導かれ、当該対物レンズを介して、再生対象のディスクCDあるいはDVDの記録面上に集光する。
【0028】
2個の対物レンズ101、103のうち何れの対物レンズが使用されているのかを検出するための使用レンズ検出機構20は、レーザ光の一部を反射可能な光反射面21と、この光反射面21で反射されたレーザ光を受光可能な受光素子22とを備えた光学式のものである。
【0029】
図2に示すように、光反射面21は、小径の対物レンズ、本例ではDVD用対物レンズ103の直下におけるレンズホルダ102に形成したレーザ光通過経路を規定する鏡筒23の端面の一部に形成されており、レーザー光の光軸に対して45度傾斜した傾斜面とされている。
【0030】
これに対して、受光素子22は、ホルダ支持ユニット105の構成要素であるカップ状ヨーク24の周壁24aに取り付けられている。すなわち、光反射面21で反射されたレーザ光L21が照射するヨーク周壁部分に開けた開口24bの外側から光反射面21に対峙する高さ位置の所に受光素子22が取り付けられている。
【0031】
従って、レーザ光Lが対物レンズ103に導かれると、その一部の光が光反射面21に当たり、ここでほぼ直角に反射されて受光素子22に向かい、当該受光素子22の受光面22aに照射する。このようにして、DVD用対物レンズ103を使用している間は、受光素子22からは反射光を受光している旨の検出信号が得られる。
【0032】
これに対して、レンズホルダ102におけるCD用対物レンズ101の直下には、このような光反射面は形成されていない。すなわち、図2に示すようにDVD用対物レンズ103が作動位置にある状態から、レンズホルダ102を90度回転させると、CD用対物レンズ101が作動位置に切り換わり、図3に示す状態になる。
【0033】
図3はCD用対物レンズ101が作動位置にある場合の断面図である。この図から分かるように、CD用対物レンズ101の直下のレンズホルダ102の部分には光反射面が形成されていない。従って、CD用対物レンズ101が作動位置にある場合には、レンズ保持ユニット105の周壁24に取り付けた受光素子22では反射光が受光されない。従って、受光素子22の受光の有無に基づき、使用されている対物レンズが何れであるのかを検出できる。
【0034】
ここで、本例の光ヘッド装置1では、レーザー光源4の偏光方向を調整することにより、その出射レーザー光Lのファーフィールドパターン(以下、FFPと呼ぶ。)の広幅方向が光反射面のある方向に一致するように設定されている。
【0035】
このように、本例の光ヘッド装置1において、その取付け姿勢が変わると、摺動軸104に対して軸線方向104aに沿って摺動可能に支持されているレンズホルダ102は、重力の作用方向および作用量が変化し、それに応じて、レンズホルダ102の軸線方向104aにおける初期位置も僅かに変動する。この結果、レンズホルダ102に形成されている使用レンズ検出機構20の光反射面21も移動して、受光素子22の受光面に対する相対位置が変化する。
【0036】
しかし、本例では、図4(a)に示すように、レーザー光LのFFPの長軸方向MJを光反射面21のある方向に一致させてあるので、光反射面21をレーザー光Lの通過領域内に十分に入れておくことができる。すなわち、レンズホルダ102に形成されているDVD用開口絞り27とFFPの縁までの距離を広く取れるので、広い幅でレーザー光を反射して受光素子22の側に導くことができる。
【0037】
この結果、光反射面21が図4(a)において一点鎖線で示すように上下に移動しても、受光素子22に対して、正確な検出動作を行うために必要とされる光量のレーザー反射光を導くことができる。よって、光ヘッド装置1の取付け姿勢に影響されることなく、使用レンズ検出機構20は常に正確な使用レンス検出を行うことができる。
【0038】
これに対して、図4(b)に示すように、レーザー光Lの楕円形FFPの短軸方向MIが光反射面21のある方向に一致する場合には、光反射面21をレーザー光通過領域内に十分に入れることができないので、ここで反射されるレーザー光は狭い幅となる。このために、光反射面21が上下に移動すると、反射レーザー光が受光素子22の受光面22aから外れるおそれが高い。よって、所定の検出感度を確保するために必要な受光量が得られないおそれがあり、正確な使用レンズ検出ができないおそれがある。本例では上記のように、このような弊害は発生しない。
【0039】
また、本例では、小径の対物レンズ、すなわちDVD用対物レンズ103の直下に使用レンズ検出機構20の光反射面21を配置してある。小径レンズの開口絞りは小さいので、その分、光反射面21をレーザー光の中心側に近い位置に配置できる。この結果、図4を参照して説明した場合と同様に、光ヘッド装置の取付け姿勢が変化してレンズホルダ104が移動しても、そこに取り付けられている光反射面21により十分な光量のレーザー光を受光素子22に反射できる。
【0040】
さらに、本例では、使用されている対物レンズを検出するための検出機構を構成している受光素子22を、ホルダ支持ユニット105に取り付けてある。従って、例えば、対物レンズの収差を補正するために当該対物レンズの光軸に対する傾角調整を行なっても、検出機構20を構成している光反射面21と受光素子22の相対位置関係に変動はない。
【0041】
例えば、ホルダ支持ユニット105は、球座を介してフレーム110の側に取り付け固定され、傾角調整ねじを調整することにより、球座を支点としてホルダ支持ユニット105のフレーム110に対する傾角を調整可能となっている。対物レンズの収差を補正するために傾角調整ねじを調整すると、ホルダ支持ユニット105のフレーム110に対する傾角が変わる。従って、ホルダ支持ユニット105に支持されているレンズホルダ102に保持されている対物レンズ101、103の傾角も変わるので収差補正が行われる。このようなホルダ支持ユニット105の傾角調整を行っても、検出機構20を構成している光反射面21と受光素子22の相対位置関係に変動はない。この結果、光反射面21で反射された反射光が受光素子22の受光面22aに入射する位置の変動は小さく、常に正確に照射するので、受光量が不足して誤検出を行ってしまうといった不具合は発生しない。
【0042】
また、一般には、ホルダ支持ユニット105の開口側は、対物レンズ101、103の回転駆動範囲を残して封鎖され、内部に塵等が侵入しないように構成される。従って、ホルダ支持ユニット105の周壁105cに取り付けた受光素子22の受光面22aに、外光が侵入することも確実に回避できる。
【0043】
さらには、本例のように検出機構20の構成部品が対物レンズ駆動装置1の側にのみ取り付けられている構成の場合には、レンズホルダ102をホルダ支持ユニット105に組み付けた段階で検出機構20の検査を行うことができる。従って、従来のように、ホルダ支持ユニット105を光ヘッド装置本体側のフレーム110に取り付け固定した後でなければ検出手段の検査を行うことができなかった場合とは異なり、光ヘッド装置の製造工程の上流側で当該検出機構20の不良等を見つけることができるという利点もある。
【0044】
(その他の実施の形態)
上記の例では、検出機構20の光反射面21を、図5(a)に示すように平面としている。この代わりに、図5(b)に示すような凹曲面の光反射面21Aとしてもよい。このようにすれば、光反射面21Aで反射された反射レーザー光L21を拡散光として受光素子22の受光面22aに照射できる。この結果、受光面22aでの反射レーザー光の幅Aを平面状の光反射面21での反射幅aよりも広くでき、光反射面21と受光面22aの相対位置の変動に起因する検出感度の劣化を抑制できる。
【0045】
勿論、凹曲面の代わりに凸曲面をした光反射面を採用してもよい。あるいは、拡散面を反射面としている光反射面を用いて反射レーザー光を拡散光とすることもできる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ヘッド装置では、出射レーザー光のファーフィールドパターンの広幅方向を、使用レンズ検出用の光反射面の方向に一致させてある。従って、摺動軸に沿って摺動するレンズホルダに形成されている使用レンズ検出用の光反射面が摺動軸に沿って移動して、使用レンズ検出用の受光素子との相対位置が変動しても、常に必要とされる光量のレーザー光を受光素子に反射することができる。よって、光ヘッド装置の取付け姿勢に起因してレンズホルダ位置が変動しても、常に検出感度良く使用レンズ検出を行うことができる。
【0047】
また、本発明では、小径の対物レンズにレーザー光を導く鏡筒内に使用レンズ検出用の光反射面を配置している。この構成を採用した場合においても、光反射面が形成されているレンズホルダの位置が摺動軸に沿って変動しても、使用レンズ検出機構の検出感度を良好に保持することができる。
【0048】
さらに、本発明では、使用レンズ検出機構の光反射面を曲面あるいは拡散面とすることにより、当該光反射面でのレーザー光反射幅よりも広い幅の拡散光を受光素子に照射できるようしている。このように使用レンズ検出用の反射レーザー光を広幅とすれば、レンズホルダに形成されている光反射面と、受光素子の相対位置が変動しても、使用レンズ検出機構の検出感度の低下を抑制できる。
【0049】
さらに、本発明では、光反射面の断面積よりも、受光素子の受光部面積を小さくしている。このため、光反射面が出射レーザ光を反射しない位置である場合に、前記受光素子に迷光が入射しにくく、不要な受光量の増大による誤検出を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光ヘッド装置における対物レンズ駆動機構の部分を示す部分斜視図である。
【図2】図1の対物レンズ駆動機構において、DVD用対物レンズ使用時の状態を示す断面構成図である。
【図3】図1の対物レンズ駆動機構において、CD用対物レンズ使用時の状態を示す断面構成図である。
【図4】図1の光ヘッド装置におけるレーザー光のFFPと使用レンズ検出用の光反射面の移動方向の関係、およびそれによる作用効果を示す説明図である。
【図5】図1の光ヘッド装置における使用レンズ検出機構の光反射面の変形例を説明するための説明図である。
【図6】従来の対物レンズ駆動装置における使用中の対物レンズが何れの対物レンズであるのかを検出するための検出機構の部分を中心に示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 光ヘッド装置
2 対物レンズ駆動機構
101 CD用対物レンズ
102 レンズホルダ
102c レンズホルダの移動方向(光反射面の移動方向)
103 DVD用対物レンズ
104 摺動軸
104a 軸線
105 ホルダ支持ユニット
20 使用レンズ検出機構
21 光反射面
22 受光素子
22a 受光面
110 光ヘッド装置本体側のフレーム
L レーザ光
L21 反射光
MJ レーザー光のFFPの長軸方向
MI レーザー光のFFPの短軸方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDやDVDなどのディスクの記録、再生動作を行う光ヘッド装置に関するものである。更に詳しくは、再生対象のディスクに応じて対物レンズを切り換えて使用する形式の光ヘッド装置において、何れの対物レンズが作動位置に切り換わっているのかを検出する使用レンズ検出機構の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CDやDVDなどの異なるディスクを再生可能な光ヘッド装置としては、複数の対物レンズを再生対象のディスクに応じて切り換えて使用する形式のものが知られている。
【0003】
図6には、CD用対物レンズおよびDVD用対物レンズを備えた光ヘッド装置において、軸摺動回動方式と呼ばれる対物レンズ駆動機構における一部断面を示してある。この図に示すように、対物レンズ駆動機構100は、CD用対物レンズ101およびDVD用対物レンズ(図示せず)を保持したレンズホルダ102と、このレンズホルダ102を軸線方向に移動可能かつ軸線回りに回転可能に支持した摺動軸104を備えたホルダ支持ユニット105とを備えている。レンズホルダ102とホルダ支持ユニット105の間には、フォーカシング用磁気駆動回路およびトラッキング用磁気駆動回路(共に図示せず)が構成されている。
【0004】
レンズホルダ102の上面102aには、摺動軸104が差し込まれた軸孔102bを中心として例えば90度の角度間隔でCD用対物レンズ101およびDVD用対物レンズが保持されている。トラッキング用磁気駆動回路を利用して、レンズホルダ102を回転させて、一方の対物レンズを図に示すようにレーザ光の光路上の作動位置に位置決めすることにより、対物レンズの切り換えが行われる。
【0005】
対物レンズを切り換えた後は、フォーカシング用磁気駆動回路を駆動することにより、レンズホルダ102を摺動軸104の軸線方向に摺動させて、レンズホルダ102に保持されている対物レンズのフォーカシングを行うことができる。また、トラッキング用磁気駆動回路を駆動することにより、レンズホルダ102を摺動軸104の軸線回りに回転させて、レンズホルダ102に保持されている対物レンズのトラッキングを行うことができる。
【0006】
レンズホルダ102を支持しているホルダ支持ユニット105は、光ヘッド装置本体の側の取り付け用フレーム110に取り付け固定されている。そして、光ヘッド装置本体側のレーザ光源からのレーザ光Lが、全反射ミラー111、コリメータレンズ112等を含む光ピックアップ光学系を経由して、対物レンズ駆動装置100のレンズホルダ102に保持されている対物レンズ(図においてはCD用対物レンズ101)に導かれ、対物レンズを介して、再生対象のディスク記録面上に集光するようになっている。
【0007】
ここで、このように2個の対物レンズを切り換えて使用する対物レンズ駆動機構100には、何れの対物レンズが使用されているのかを検出するための使用レンズ検出機構120が備わっている。
【0008】
使用レンズ検出機構120は、レーザ光の一部を反射可能な光反射面121と、この光反射面121で反射されたレーザ光を受光可能な受光素子122とを備えた光学式検出機構である。光反射面121はCD用対物レンズ101の直下におけるレンズホルダ102に形成された鏡筒側面に形成され、受光素子122はフレーム110の側に取り付けられている。CD用対物レンズ101が使用される状態では、ここに入射するレーザ光の一部は、当該光反射面121によって反射され、ホルダ支持ユニット105の外周壁106に開けた開口107を通って、受光素子122を照射する。
【0009】
しかるに、DVD用対物レンズの取り付け位置の直下には光反射面が形成されていないので、DVD用対物レンズ使用時には、受光素子122において反射光が検出されることはない。従って、受光素子がレーザ光を受光しているか否かに基づき、使用されている対物レンズを検出可能である。
【0010】
ここで、この構成の使用レンズ検出機構は次のような問題点がある。すなわち、光反射面121が形成されたレンズホルダ102を支持しているホルダ支持ユニット105は、光ヘッド装置本体側のフレーム110に取り付け固定されている。従って、フレーム110に対するホルダ支持ユニット105の取り付け位置あるいは取り付け角度が変化すると、レンズホルダ102の側の光反射面121とフレーム110側の受光素子122の受光面との相対位置が変化してしまう。
【0011】
例えば、対物レンズの加工誤差等に起因する収差を補正するために、対物レンズのレーザ光軸L0に対する角度を微調整する必要がある。対物レンズのみを光軸L0に対して傾斜させることはできないので、この対物レンズを保持したレンズホルダ102を支持しているホルダ支持ユニット105のフレーム110に対する取り付け角度を微調整している。
【0012】
このようにホルダ支持ユニット105のフレーム110に対する取り付け角度を微調整すると、使用レンズ検出機構を構成している光反射面121と受光素子122の相対位置が僅かにずれてしまう。すなわち、適正な相対位置関係にある場合の反射光L2に対して、反射面121の傾斜角度が上下方向に変化すると、反射光の方向はL21、L22で示すように上下に移動する。反射光の方向が変動すると、固定した位置にある受光素子122での受光量が減少する。反射面121の傾斜角度の変化が大きいと、反射光の受光量の低下も大きくなり、受光素子の受光量に基づく対物レンズの切り換え検出が不可能になるおそれもある。
【0013】
そこで、本願人の一方は先に、特開平10−154337号公報において、受光素子122をホルダ支持ユニット105に取り付ける構成を提案している。この構成によれば、ホルダ支持ユニット105のフレーム110に対する取付け角が変わっても、使用レンズ検出機構を構成している光反射面121と受光素子122の相対位置が変化することがないため、光反射面121による反射光の、受光素子122上での移動量は小さい。よって、対物レンズの収差を補正する等のためにレンズホルダを支持しているホルダ支持ユニットの取り付け角度を微調整しても、常に対物レンズの切り換えを正確に検出できる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる使用レンズ検出機構においては、更に改善すべき点がある。すなわち、レンズホルダは摺動軸に沿って摺動可能となっているので、CD・DVD再生装置等に対する光ヘッド装置の取付け姿勢によって、レンズホルダに作用する重力方向が異なる。このために、例えば、摺動軸が水平となるように光ヘッド装置が取り付けられた場合と、摺動軸が鉛直となるように光ヘッド装置が取り付けられた場合では、レンズホルダが摺動軸に沿って自重落下する量は、前者では実質的に零であるのに対して、後者では無視できない量となる。
【0015】
この結果、レンズホルダに形成されている使用レンズ検出用の光反射面の位置が、受光素子に対して相対的に変化してしまう。特に、レーザー光のファーフィールドパターンは楕円形をしているので、例えば、光反射面が楕円形の短軸方向に位置する場合等では、光反射面に対して十分な量のレーザー光が照射されず、また、光反射面の移動によって受光素子の側ではレンズ検出のために必要な量の光を受取ることができなくなるおそれが高い。このような事態が発生すると、検出感度が低下して、正確な検出を期待できなくなる。
【0016】
本発明の課題は、取付け姿勢によって使用レンズ検出機構の検出感度が変動することのない光ヘッド装置を提案することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、レーザー光源と、当該レーザー光源からの出射光を光記録媒体上に収束させる複数の対物レンズと、これらの対物レンズを保持したレンズホルダと、このレンズホルダを軸線方向に移動可能かつ軸線回りに回転可能に支持している摺動軸を備えたホルダ支持ユニットと、前記複数の対物レンズの何れが作動位置にあるのかを検出する使用レンズ検出機構とを有する光ヘッド装置において、前記使用レンズ検出機構は、前記対物レンズの切り換えに伴う前記レンズホルダの回転角度位置に応じて、前記レーザー光源からの出射レーザー光を反射可能な位置および反射不可能な位置の間を移動するように、前記レンズホルダに形成された光反射面と、当該光反射面で反射された反射光を受光する受光部とを備えており、前記出射レーザー光のファーフィールドパターンの広幅方向が前記摺動軸に沿った前記レンズホルダの移動方向に一致していることを特徴としている。
【0018】
典型的な構成では、前記レンズホルダの回転位置が前記出射レーザ光を反射可能な位置であるとき、前記光反射面は対物レンズの有効光束は反射せず、周辺光束を反射する位置であり、前記出射レーザ光のファーフィールドパターンの広幅方向が前記光反射面のある方向に一致している。
【0019】
ここで、前記光反射面を曲面および拡散面のうちのいずれかとすれば、当該光反射面での反射光を発散光束として受光部に導くことができる。この結果、平行光を受光部に導く場合に比べて、光反射面と受光部の相対位置の変化に起因した検出感度の変動を抑制できる。
【0020】
また、前記光反射面を、前記複数の対物レンズのうち最も小径の対物レンズに前記出射レーザー光を導くための鏡筒内に配置することが望ましい。このようにすれば、光反射面をレーザ出射光束の中心側に近づけることができ、光反射面の有効面積を大きくでき、かつ、レーザ出射光の周辺光量減衰に対してより多くの反射光量を得ることができる。このため、光反射面が移動しても、当該光反射面が出射レーザー光束から外れることを防止できる。
【0021】
さらに、本発明においても、前記受光部を前記ホルダ支持ユニットに取り付けることが望ましい。
【0022】
また、前記受光素子の受光部面積を、前記光反射面による反射光の断面積よりも小さくすれば、前記光反射面が前記レーザ出射光を反射しない位置である場合に、前記受光素子に迷光が入射しにくくなり、不要な受光量の増大による誤検出を抑制できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したCD・DVD再生用の光ヘッド装置を説明する。対物レンズ駆動機構の全体構成は前述した軸摺動回動方式のもの(図3参照)と同一であるので、対応する部分には同一の番号を付し、そられらの説明は省略する。
【0024】
図1、図2に示すように、本例の光ヘッド装置1における対物レンズ駆動機構2も軸摺動回動方式のものであり、CD用対物レンズ101およびDVD用対物レンズ103を保持したレンズホルダ102と、このレンズホルダ102を軸線方向に移動可能かつ軸線回りに回転可能に支持した摺動軸104を備えたホルダ支持ユニット105とを備えている。レンズホルダ102とホルダ支持ユニット105の間には、フォーカシング用磁気駆動回路およびトラッキング用磁気駆動回路(共に図示せず)が構成されている。
【0025】
レンズホルダ102の上面102aには、摺動軸104が差し込まれた軸孔102bを中心として例えば90度の角度間隔でCD用対物レンズ101およびDVD用対物レンズ103が保持されている。トラッキング用磁気駆動回路を利用して、レンズホルダ102を回転させて、一方の対物レンズを図に示すようにレーザ光Lの光路上の作動位置に位置決めすることにより、対物レンズの切り換えが行われる。再生動作時には、フォーカシング用磁気駆動回路を駆動することにより、レンズホルダ102を摺動軸104の軸線方向に摺動させてレンズホルダ102に保持されている対物レンズのフォーカシングが行なわれる。また、トラッキング用磁気駆動回路を駆動して、レンズホルダ102を摺動軸104の軸線回りに回転させて、レンズホルダ102に保持されている対物レンズのトラッキングが行われる。
【0026】
本例の光ヘッド装置1においても、レンズホルダ102を支持しているホルダ支持ユニット105が、光ヘッド装置本体の側の取り付け用フレーム(ヘッドベース)110に対して、取り付け角度(傾角)調整ねじ等を介して、取り付け固定されている。
【0027】
また、光ヘッド装置本体側のレーザ光源4からのレーザ光Lが、コリメートレンズ112、立ち上げミラー111等を含む光ピックアップ光学系を経由して、対物レンズ駆動装置1のレンズホルダ102に保持されている対物レンズ101、103のうち、作動位置に保持されている側の対物レンズに導かれ、当該対物レンズを介して、再生対象のディスクCDあるいはDVDの記録面上に集光する。
【0028】
2個の対物レンズ101、103のうち何れの対物レンズが使用されているのかを検出するための使用レンズ検出機構20は、レーザ光の一部を反射可能な光反射面21と、この光反射面21で反射されたレーザ光を受光可能な受光素子22とを備えた光学式のものである。
【0029】
図2に示すように、光反射面21は、小径の対物レンズ、本例ではDVD用対物レンズ103の直下におけるレンズホルダ102に形成したレーザ光通過経路を規定する鏡筒23の端面の一部に形成されており、レーザー光の光軸に対して45度傾斜した傾斜面とされている。
【0030】
これに対して、受光素子22は、ホルダ支持ユニット105の構成要素であるカップ状ヨーク24の周壁24aに取り付けられている。すなわち、光反射面21で反射されたレーザ光L21が照射するヨーク周壁部分に開けた開口24bの外側から光反射面21に対峙する高さ位置の所に受光素子22が取り付けられている。
【0031】
従って、レーザ光Lが対物レンズ103に導かれると、その一部の光が光反射面21に当たり、ここでほぼ直角に反射されて受光素子22に向かい、当該受光素子22の受光面22aに照射する。このようにして、DVD用対物レンズ103を使用している間は、受光素子22からは反射光を受光している旨の検出信号が得られる。
【0032】
これに対して、レンズホルダ102におけるCD用対物レンズ101の直下には、このような光反射面は形成されていない。すなわち、図2に示すようにDVD用対物レンズ103が作動位置にある状態から、レンズホルダ102を90度回転させると、CD用対物レンズ101が作動位置に切り換わり、図3に示す状態になる。
【0033】
図3はCD用対物レンズ101が作動位置にある場合の断面図である。この図から分かるように、CD用対物レンズ101の直下のレンズホルダ102の部分には光反射面が形成されていない。従って、CD用対物レンズ101が作動位置にある場合には、レンズ保持ユニット105の周壁24に取り付けた受光素子22では反射光が受光されない。従って、受光素子22の受光の有無に基づき、使用されている対物レンズが何れであるのかを検出できる。
【0034】
ここで、本例の光ヘッド装置1では、レーザー光源4の偏光方向を調整することにより、その出射レーザー光Lのファーフィールドパターン(以下、FFPと呼ぶ。)の広幅方向が光反射面のある方向に一致するように設定されている。
【0035】
このように、本例の光ヘッド装置1において、その取付け姿勢が変わると、摺動軸104に対して軸線方向104aに沿って摺動可能に支持されているレンズホルダ102は、重力の作用方向および作用量が変化し、それに応じて、レンズホルダ102の軸線方向104aにおける初期位置も僅かに変動する。この結果、レンズホルダ102に形成されている使用レンズ検出機構20の光反射面21も移動して、受光素子22の受光面に対する相対位置が変化する。
【0036】
しかし、本例では、図4(a)に示すように、レーザー光LのFFPの長軸方向MJを光反射面21のある方向に一致させてあるので、光反射面21をレーザー光Lの通過領域内に十分に入れておくことができる。すなわち、レンズホルダ102に形成されているDVD用開口絞り27とFFPの縁までの距離を広く取れるので、広い幅でレーザー光を反射して受光素子22の側に導くことができる。
【0037】
この結果、光反射面21が図4(a)において一点鎖線で示すように上下に移動しても、受光素子22に対して、正確な検出動作を行うために必要とされる光量のレーザー反射光を導くことができる。よって、光ヘッド装置1の取付け姿勢に影響されることなく、使用レンズ検出機構20は常に正確な使用レンス検出を行うことができる。
【0038】
これに対して、図4(b)に示すように、レーザー光Lの楕円形FFPの短軸方向MIが光反射面21のある方向に一致する場合には、光反射面21をレーザー光通過領域内に十分に入れることができないので、ここで反射されるレーザー光は狭い幅となる。このために、光反射面21が上下に移動すると、反射レーザー光が受光素子22の受光面22aから外れるおそれが高い。よって、所定の検出感度を確保するために必要な受光量が得られないおそれがあり、正確な使用レンズ検出ができないおそれがある。本例では上記のように、このような弊害は発生しない。
【0039】
また、本例では、小径の対物レンズ、すなわちDVD用対物レンズ103の直下に使用レンズ検出機構20の光反射面21を配置してある。小径レンズの開口絞りは小さいので、その分、光反射面21をレーザー光の中心側に近い位置に配置できる。この結果、図4を参照して説明した場合と同様に、光ヘッド装置の取付け姿勢が変化してレンズホルダ104が移動しても、そこに取り付けられている光反射面21により十分な光量のレーザー光を受光素子22に反射できる。
【0040】
さらに、本例では、使用されている対物レンズを検出するための検出機構を構成している受光素子22を、ホルダ支持ユニット105に取り付けてある。従って、例えば、対物レンズの収差を補正するために当該対物レンズの光軸に対する傾角調整を行なっても、検出機構20を構成している光反射面21と受光素子22の相対位置関係に変動はない。
【0041】
例えば、ホルダ支持ユニット105は、球座を介してフレーム110の側に取り付け固定され、傾角調整ねじを調整することにより、球座を支点としてホルダ支持ユニット105のフレーム110に対する傾角を調整可能となっている。対物レンズの収差を補正するために傾角調整ねじを調整すると、ホルダ支持ユニット105のフレーム110に対する傾角が変わる。従って、ホルダ支持ユニット105に支持されているレンズホルダ102に保持されている対物レンズ101、103の傾角も変わるので収差補正が行われる。このようなホルダ支持ユニット105の傾角調整を行っても、検出機構20を構成している光反射面21と受光素子22の相対位置関係に変動はない。この結果、光反射面21で反射された反射光が受光素子22の受光面22aに入射する位置の変動は小さく、常に正確に照射するので、受光量が不足して誤検出を行ってしまうといった不具合は発生しない。
【0042】
また、一般には、ホルダ支持ユニット105の開口側は、対物レンズ101、103の回転駆動範囲を残して封鎖され、内部に塵等が侵入しないように構成される。従って、ホルダ支持ユニット105の周壁105cに取り付けた受光素子22の受光面22aに、外光が侵入することも確実に回避できる。
【0043】
さらには、本例のように検出機構20の構成部品が対物レンズ駆動装置1の側にのみ取り付けられている構成の場合には、レンズホルダ102をホルダ支持ユニット105に組み付けた段階で検出機構20の検査を行うことができる。従って、従来のように、ホルダ支持ユニット105を光ヘッド装置本体側のフレーム110に取り付け固定した後でなければ検出手段の検査を行うことができなかった場合とは異なり、光ヘッド装置の製造工程の上流側で当該検出機構20の不良等を見つけることができるという利点もある。
【0044】
(その他の実施の形態)
上記の例では、検出機構20の光反射面21を、図5(a)に示すように平面としている。この代わりに、図5(b)に示すような凹曲面の光反射面21Aとしてもよい。このようにすれば、光反射面21Aで反射された反射レーザー光L21を拡散光として受光素子22の受光面22aに照射できる。この結果、受光面22aでの反射レーザー光の幅Aを平面状の光反射面21での反射幅aよりも広くでき、光反射面21と受光面22aの相対位置の変動に起因する検出感度の劣化を抑制できる。
【0045】
勿論、凹曲面の代わりに凸曲面をした光反射面を採用してもよい。あるいは、拡散面を反射面としている光反射面を用いて反射レーザー光を拡散光とすることもできる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ヘッド装置では、出射レーザー光のファーフィールドパターンの広幅方向を、使用レンズ検出用の光反射面の方向に一致させてある。従って、摺動軸に沿って摺動するレンズホルダに形成されている使用レンズ検出用の光反射面が摺動軸に沿って移動して、使用レンズ検出用の受光素子との相対位置が変動しても、常に必要とされる光量のレーザー光を受光素子に反射することができる。よって、光ヘッド装置の取付け姿勢に起因してレンズホルダ位置が変動しても、常に検出感度良く使用レンズ検出を行うことができる。
【0047】
また、本発明では、小径の対物レンズにレーザー光を導く鏡筒内に使用レンズ検出用の光反射面を配置している。この構成を採用した場合においても、光反射面が形成されているレンズホルダの位置が摺動軸に沿って変動しても、使用レンズ検出機構の検出感度を良好に保持することができる。
【0048】
さらに、本発明では、使用レンズ検出機構の光反射面を曲面あるいは拡散面とすることにより、当該光反射面でのレーザー光反射幅よりも広い幅の拡散光を受光素子に照射できるようしている。このように使用レンズ検出用の反射レーザー光を広幅とすれば、レンズホルダに形成されている光反射面と、受光素子の相対位置が変動しても、使用レンズ検出機構の検出感度の低下を抑制できる。
【0049】
さらに、本発明では、光反射面の断面積よりも、受光素子の受光部面積を小さくしている。このため、光反射面が出射レーザ光を反射しない位置である場合に、前記受光素子に迷光が入射しにくく、不要な受光量の増大による誤検出を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光ヘッド装置における対物レンズ駆動機構の部分を示す部分斜視図である。
【図2】図1の対物レンズ駆動機構において、DVD用対物レンズ使用時の状態を示す断面構成図である。
【図3】図1の対物レンズ駆動機構において、CD用対物レンズ使用時の状態を示す断面構成図である。
【図4】図1の光ヘッド装置におけるレーザー光のFFPと使用レンズ検出用の光反射面の移動方向の関係、およびそれによる作用効果を示す説明図である。
【図5】図1の光ヘッド装置における使用レンズ検出機構の光反射面の変形例を説明するための説明図である。
【図6】従来の対物レンズ駆動装置における使用中の対物レンズが何れの対物レンズであるのかを検出するための検出機構の部分を中心に示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 光ヘッド装置
2 対物レンズ駆動機構
101 CD用対物レンズ
102 レンズホルダ
102c レンズホルダの移動方向(光反射面の移動方向)
103 DVD用対物レンズ
104 摺動軸
104a 軸線
105 ホルダ支持ユニット
20 使用レンズ検出機構
21 光反射面
22 受光素子
22a 受光面
110 光ヘッド装置本体側のフレーム
L レーザ光
L21 反射光
MJ レーザー光のFFPの長軸方向
MI レーザー光のFFPの短軸方向
Claims (6)
- レーザー光源と、当該レーザー光源からの出射光を光記録媒体上に収束させる複数の対物レンズと、これらの対物レンズを保持したレンズホルダと、このレンズホルダを軸線方向に移動可能かつ軸線回りに回転可能に支持している摺動軸を備えたホルダ支持ユニットと、前記複数の対物レンズの何れが作動位置にあるのかを検出する使用レンズ検出機構とを有する光ヘッド装置において、
前記使用レンズ検出機構は、前記対物レンズの切り換えに伴う前記レンズホルダの回転角度位置に応じて、前記レーザー光源からの出射レーザー光を反射可能な位置および反射不可能な位置の間を移動するように、前記レンズホルダに形成された光反射面と、当該光反射面で反射された反射光を受光する受光部とを備えており、
前記出射レーザー光のファーフィールドパターンの広幅方向が前記摺動軸に沿った前記レンズホルダの移動方向に一致していることを特徴とする光ヘッド装置。 - 請求項1において、
前記レンズホルダの回転位置が前記出射レーザ光を反射可能な位置であるとき、前記光反射面は対物レンズの有効光束は反射せず、周辺光束を反射する位置であり、前記出射レーザ光のファーフィールドパターンの広幅方向が前記光反射面のある方向に一致していることを特徴とする光ヘッド装置。 - 請求項1または2において、
前記光反射面は曲面および拡散面のうちのいずれかであることを特徴とする光ヘッド装置。 - 請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記光反射面は、前記複数の対物レンズのうち最も小径の対物レンズに前記出射レーザー光を導く鏡筒内に配置されていることを特徴とする光ヘッド装置。 - 請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記受光部は前記ホルダ支持ユニットに取り付けられていることを特徴とする光ヘッド装置。 - 請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記受光部の光検出部の有効面積が、前記光反射面の断面積よりも小さい事を特徴とする光ヘッド装置。
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