JP3857385B2 - 間欠及び連続搬送手段間の中継装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、間欠搬送手段からの物品を連続搬送手段へ連続的に移送するための間欠及び連続搬送手段間の中継装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
薬の分包機などから間欠的に排出される分包等の物品を連続カートニングマシン等へ供給して連続的に箱詰め作業を行う場合などには、その分包機などから間欠的に排出される分包等の物品をバケットコンベヤ等からなる間欠搬送コンベヤに移載し、更に連続搬送コンベヤへ移してカートニングマシン等へ連続的に供給することが効率的な搬送方法である。しかしながら、特に薬の分包のように薄く変形しやすい物品を、しかも積層状態で搬送する場合には、間欠搬送コンベヤから連続搬送コンベヤ側へ移送する際のコンベヤ制御がきわめて困難であり移送ミスも多かったため直ちには採用できなかった。そこで、従来技術においては、所定数の分包をまとめてバンド掛けをしたり、ハカマに挿入した形で搬送することにより改良が図られていた。しかしながら、この改良策は、バンド掛け作業という面倒かつ余分な作業が追加されたり、多数のハカマが必要とされるだけでなく、ハカマの連続搬送コンベヤへの挿入機構が必要となり、騒音もうるさいといった問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の事情に鑑みてなされたもので、間欠搬送手段から間欠的に供給される物品を連続搬送手段へ連続的かつスムースに移送するための間欠及び連続搬送手段間の中継装置を提供し、薬の分包のように薄く変形しやすい物品を積層状態で搬送する場合などにも、そのまま状態で物品を支障なく中継し得る、より効率的な搬送ラインの可能性を図ることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、無端状の中継用バケットコンベヤと、該中継用バケットコンベヤを移動可能に支持した支持機構と、前記中継用バケットコンベヤの各バケット内の物品を押出す押出し機構を備え、前記中継用バケットコンベヤの一側を導入側として間欠搬送手段と接続するとともに、他側を送出側として連続搬送手段と平行に配設し、さらに前記中継用バケットコンベヤの導入側に間欠駆動手段を連係するとともに、送出側に連続駆動手段を連係し、その導入側の間欠駆動手段の停止中に前記間欠搬送手段から物品を導入するとともに、送出側は前記連続駆動手段により常に連続搬送手段と並進させながら前記押出し機構を介して物品を連続搬送手段側へ連続的に送出するように構成し、かつ前記間欠駆動手段の停止中は前記中継用バケットコンベヤが前記支持機構を介して連続搬送手段に沿って下流側に移動し、同間欠駆動手段が次のバケットを物品の導入位置へ進める送り動作中に前記中継用バケットコンベヤが上流側に移動して元の位置に復帰することにより、導入側と送出側との相対的な移動差を吸収するという技術手段を採用した。なお、本発明は、間欠搬送手段及び連続搬送手段をバケットコンベヤより構成した場合に好適である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、前述のように、薬の分包のように薄く変形しやすい物品を積層状態のまま間欠搬送手段及び連続搬送手段を介して分包機から連続カートニングマシンに供給する場合などにきわめて好適であるが、これに限らず種々の物品の搬送手段として適用することが可能であることはいうまでもない。また、間欠搬送手段及び連続搬送手段がバケットコンベヤから構成された場合に好適であるが、他の形式の搬送手段であっても適用が可能である。要は、間欠搬送手段及び連続搬送手段を介して物品を搬送する搬送ラインであれば、広く適用が可能である。なお、中継用バケットコンベヤとしては、物品を仕切って搬送するものであればよく、種々の構成のバケットのものが使用可能である。また、前記間欠搬送手段としては、物品を間欠的に供給するものであればよく、搬送コンベヤが間欠的に駆動される場合だけでなく、搬送コンベヤ自体は連続的に駆動される場合でも、その排出部、すなわち中継用バケットコンベヤの導入部において間欠的に供給されるものであればよい。
【0006】
本発明においては、中継用バケットコンベヤの導入側を間欠運転することにより間欠搬送手段側からの間欠的な物品の導入動作に適応するとともに、同中継用バケットコンベヤの送出側を常に連続搬送手段と同速で連続運転することにより物品を連続的に送出できるように構成している。そして、その中継用バケットコンベヤの導入側と送出側との相対的な移動差は、前記支持機構を介して中継用バケットコンベヤを全体的に移動することにより吸収するという技術手段が採用されている。なお、この場合、中継バケットコンベヤの導入側の間欠運転における停止時間と送り動作時間との配分割合や、その送り動作時の動作スピードを調整することにより、中継バケットコンベヤの全体としての下流側及び上流側への移動量を調整することができる。したがって、その調整作業を介して、中継用バケットコンベヤが導入側の間欠運転ごとに元の位置に復帰するように設定すれば、継続的な中継運転が可能である。なお、中継用バケットコンベヤの下流側に下限用センサ、上流側に上限用センサを設置し、何らかの原因で中継用バケットコンベヤの下限あるいは上限に達した場合には装置を停止するように構成することができる。
【0007】
【実施例】
以下、図面を用いて本発明の実施例に関して説明する。図1は本発明の一実施例におけるレイアウトを示した概略平面図である。図中、1は本発明に係る中継装置で、その導入側には、前記間欠搬送手段としての間欠搬送コンベヤ2が接続され、物品3が間欠的に導入されるように構成されている。その間欠搬送コンベヤ2としては、本実施例ではバケットコンベヤが用いられ、集積部4において例えば薬の分包機から送られた分包などを所定段数に積層した状態の物品3を所定数、同時に間欠搬送コンベヤ2の各バケットに挿入し、それを1個ずつ積層状態のまま中継装置1の導入側へ間欠的に供給するように構成されている。また、前記中継装置1の送出側には、前記連続搬送手段としての連続搬送コンベヤ5が平行して配設されており、その中継装置1の送出側の上部に配設された詳細を省略した公知の押出し機構6の押出し部材7を介して物品3を連続的に連続搬送コンベヤ5側に送出し得るように構成されている。前記連続搬送コンベヤ5は、本実施例ではバケットコンベヤから構成され、その下流側には連続カートニングマシン8が接続されており、物品3を連続的に供給し得るように構成されている。なお、図中、9は能書等を各物品3に添付するための作業用ロボットである。
【0008】
次に、前記中継装置1に関して詳細に説明する。図2〜図5は中継装置1に関する実施例を示したもので、それぞれ、図2はその平面図、図3は正面図、図4は駆動系の概略説明図、図5は部分拡大図、図6は図3中に指示したA−A断面図を示したものである。図示のように、中継装置1は、前後のフィンガ片から構成されるバケット10を前記連続搬送コンベヤ5のバケットと同じピッチで配列した無端状の中継用バケットコンベヤ11を備えている。この中継用バケットコンベヤ11は、図3、図5、図6に示したように、回転自在に支持された上側のスプロケット12,13間に掛渡された無端状のチェーン14に前記バケット10を所定ピッチで装着したものから構成されている。スプロケット12,13はガイドレール15,16に摺動可能に係合したスライドベース17,18上に立設された支軸19,20に回転自在に支持されている。その支軸19,20のスプロケット12,13の下方には更に別のスプロケット21,22が回転自在に支持されており、両者間には駆動用のチェーン23が掛渡されている。両支軸19,20の上方部は連結部材24を介して相互に連結され、また下方部は連結部材25及び支持板26,27を介して相互に連結されている。さらに、支持板26,27にはバケット10を支持案内する支持ガイド28,29が装着されている。以上のように、両側のスプロケット12,21及び13,22は、それぞれ支軸19,20に回転自在に支持されているとともに、連結部材24,25を介して一体的に相互に連結されており、ガイドレール15,16に沿って一体的に自由に摺動できるように構成されており、前記中継用バケットコンベヤ11を移動可能に支持する支持機構を構成している。なお、上下のスプロケット12と21及び13と22は、図5に示したようにそれぞれ固定具30により一体的に連結されている。図中、31,32は固定具である。
【0009】
図4は前記中継用バケットコンベヤ11の駆動系を示した概略説明図である。前述のように、中継用バケットコンベヤ11用のスプロケット12,13の下方に配設され、それらのスプロケット12,13と一体的に連結されたスプロケット21,22間には駆動用のチェーン23が掛渡されており、その導入側と送出側には別個の駆動手段が連結されている。すなわち、前記間欠搬送コンベヤ2が連結される物品3の導入部33が形成された導入側のチェーン23の中間には、間欠駆動用のスプロケット34が配設されており、また反対側の前記連続搬送コンベヤ5に面する送出側のチェーン23の中間には、連続駆動用のスプロケット35が配設されている。前記スプロケット34は、図3に示したように中継装置1の機枠側に固定されたサーボモータ36に連結され、定位置において間欠駆動されるように構成されている。他方、前記スプロケット35は、図3及び図5に示したように前記連続搬送コンベヤ5と同期駆動される連続駆動手段37に対して自在継手38及び機枠側に固定された軸受部39に支持されたギヤ40を介して連結され、定位置において連続駆動されるように構成されている。なお、図4中、41はテンション調整用のスプロケット、42〜44はガイド用のスプロケットを示したものである。
【0010】
次に、以上の中継装置1の動作に関して説明する。図1に示した間欠搬送コンベヤ2を介して物品3が中継装置1の導入部33に送られると、その導入部33の手前で待機した状態で停止する。そして、中継用バケットコンベヤ11の導入側では、間欠搬送コンベヤ2の次の動作時までの間に、前記サーボモータ36を介して次のバケット10が導入部33に送られ、停止される。すなわち、次のバケット10が導入部33に送られた状態で中継用バケットコンベヤ11の導入側が停止される。しかる後、これに同期して、間欠搬送コンベヤ2側の搬送動作が開始され、その間欠搬送コンベヤ2のバケットを構成するフィンガ片等により待機中の物品3を導入部33を介して中継用バケットコンベヤ11側の待機中の当該バケット10内に積層状態のまま押込むと同時に、次の物品3を導入部33の手前まで進めて停止する。なお、この間にも送出側のスプロケット35は、連続駆動手段37を介して連続搬送コンベヤ5と同期して連続駆動され、中継用バケットコンベヤ11の送出側を連続搬送コンベヤ5と同期して並進させながら物品3を連続的に同連続搬送コンベヤ5側へ送出する。この場合の送出作業は、図1に示したように、中継用バケットコンベヤ11の送出側の上部に配設された公知の押出し機構6、例えば中継用バケットコンベヤ11と同ピッチで配列された押出し部材7が搬送方向に同期移動しながら溝カム等に案内されて徐々に突出し、物品3を連続搬送コンベヤ3側へ押出しながらその水平移動部の終端部において上方側に反転してエンドレスに回転を続ける押出し機構等を介して行われる。
【0011】
そして、以上の行程においては、中継用バケットコンベヤ11の導入側は停止状態にあるにも関わらず、送出側が連続駆動される結果、その間に当然、相対的な移動差が生じることになる。ところで、この場合、スプロケット12,21及び13,22は、前述のようにそれぞれスライドベース17,18を介して一体的にガイドレール15,16上を自由に摺動し得るように構成されているので、中継用バケットコンベヤ11は、その移動差を吸収するようにコンベヤ全体として送出側の移動の半分の速度で同方向へ自動的に移動する。すなわち、中継用バケットコンベヤ11の導入側の停止状態と送出側の駆動状態との相対的な移動差は、その中継用バケットコンベヤ11が全体として自動的に下流側へ移動することにより吸収されることになる。
【0012】
次に、中継用バケットコンベヤ11の導入側が次のバケット10を前記導入部33へ進めるための送り動作を実行する。この行程では、前記サーボモータ36を介してスプロケット34がバケット10の1ピッチ分駆動され、これにより中継用バケットコンベヤ11の導入側が駆動され、次のバケット10を前記導入部33へ進めて停止する。この行程中においても、中継用バケットコンベヤ11の送出側では、前述の行程と同様に、連続駆動手段37を介してスプロケット35が連続搬送コンベヤ5と同期して連続駆動され、送出側を前記連続搬送コンベヤ5と同期して並進させながら前記押出し機構6を介して物品3を連続的に同連続搬送コンベヤ5側へ送出することになる。なお、この間、前記間欠搬送コンベヤ2は停止している。
【0013】
そして、以上の行程においては、中継用バケットコンベヤ11の導入側の送り動作時における動作スピードを送出側の連続移動スピードより大きく設定することにより、導入側と送出側との間に相対的な移動差を積極的に形成して、前段の停止時の行程において中継用バケットコンベヤ11が全体として下流側に移動して生じた変位を元の位置に復帰させるようにする。すなわち、中継用バケットコンベヤ11の導入側と送出側との間に逆方向の相対的な移動差を発生させることにより、前述と同様に、スライドベース17,18とガイドレール15,16との間の摺動を介してそれらの速度差の半分の速度で上流側へ移動させることになる。なお、この場合、元の位置に復帰させるため、中継用バケットコンベヤ11の下流側への移動量と上流側への移動量を調整するには、前述のように、導入側の間欠運転における停止時間と送り動作時間との配分割合や、その送り動作時の動作スピードを調整することによって可能である。
【0014】
以上のように、中継用バケットコンベヤ11の導入側の間欠駆動に基づく送出側との相対的な移動差を中継用バケットコンベヤ11自体の移動により吸収するとともに、その下流側への移動量と上流側への移動量を等しくして元の位置に復帰できるように設定すれば、導入側を前記間欠搬送コンベヤ2と同期させて間欠運転しながら、送出側は前記連続搬送コンベヤ5と同期させて連続運転する中継動作を継続することが可能である。
【0015】
【発明の効果】
本発明は、以上の構成に基づいて次の効果を得ることができる。
(1)中継用バケットコンベヤの導入側を停止した状態で、間欠搬送手段からの物品の導入を行うことができるので、その動作に時間的な余裕ができ、より確実な物品の導入動作が容易に得られる。
(2)同時に、前記中継用バケットコンベヤの送出側においては、連続搬送手段と同期させ、その連続搬送手段側と並進させながら物品を連続的に送出することができるので、より確実かつスムーズな物品の連続的な送出動作が容易に得られる。
(3)したがって、薬の分包のように薄く変形しやすい物品を積層状態で搬送する場合などに適用すれば、その積層状態のまま支障なく中継することが可能になり、より効率的な搬送ラインを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例のレイアウトを示した概略平面図である。
【図2】 本発明に係る中継装置の実施例を示した平面図である。
【図3】 同平面図である。
【図4】 駆動系を示した概略説明図である。
【図5】 図3の部分拡大図である。
【図6】 図3中に指示したA−A断面図である。
【符号の説明】
1…中継装置、2…間欠搬送コンベヤ、3…物品、5…連続搬送コンベヤ、6…押出し機構、7…押出し部材、8…連続カートニングマシン、10…バケット、11…中継用バケットコンベヤ、12,13…スプロケット、14…チェーン、15,16…ガイドレール、17,18…スライドベース、19,20…支軸、21,22…スプロケット、23…チェーン、24,25…連結部材、33…導入部、34…間欠駆動用のスプロケット、35…連続駆動用のスプロケット、36…サーボモータ、37…連続駆動手段
Claims (2)
- 無端状の中継用バケットコンベヤと、該中継用バケットコンベヤを移動可能に支持した支持機構と、前記中継用バケットコンベヤの各バケット内の物品を押出す押出し機構を備え、前記中継用バケットコンベヤの一側を導入側として間欠搬送手段と接続するとともに、他側を送出側として連続搬送手段と平行に配設し、さらに前記中継用バケットコンベヤの導入側に間欠駆動手段を連係するとともに、送出側に連続駆動手段を連係し、その導入側の間欠駆動手段の停止中に前記間欠搬送手段から物品を導入するとともに、送出側は前記連続駆動手段により常に連続搬送手段と並進させながら前記押出し機構を介して物品を連続搬送手段側へ連続的に送出するように構成し、かつ前記間欠駆動手段の停止中は前記中継用バケットコンベヤが前記支持機構を介して連続搬送手段に沿って下流側に移動し、同間欠駆動手段が次のバケットを物品の導入位置へ進める送り動作中に前記中継用バケットコンベヤが上流側に移動して元の位置に復帰することにより、導入側と送出側との相対的な移動差を吸収するようにしたことを特徴とする間欠及び連続搬送手段間の中継装置。
- 前記間欠搬送手段及び連続搬送手段をバケットコンベヤより構成した請求項1記載の間欠及び連続搬送手段間の中継装置。
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