JP3856666B2 - フィルタ - Google Patents
フィルタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3856666B2 JP3856666B2 JP2001235012A JP2001235012A JP3856666B2 JP 3856666 B2 JP3856666 B2 JP 3856666B2 JP 2001235012 A JP2001235012 A JP 2001235012A JP 2001235012 A JP2001235012 A JP 2001235012A JP 3856666 B2 JP3856666 B2 JP 3856666B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resonators
- arc portion
- filter
- portions
- arc
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に共振器が形成されてなるフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のフィルタを構成する共振器のパターンは、図6(a)に示すようなヘアピン型のもの、あるいは図6(b)に示すようなフォワードカップル型のものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した共振器パターンでは、フィルタを多段化する場合、非常に横長のレイアウトとなり、大きな基板を必要とする。あるいは一定面積の基板内での段数が制約されるなどの問題がある。
【0004】
このような問題を解決するため、本出願人は、フィルタを構成する共振器として、そのパターン形状が、図7に示すように、円弧部分121と、その一端124、他端125から円弧部分121の接線方向にそれぞれ延びて延長線上の交点Pで交差する第1の直線部分122、第2の直線部分123にて構成し、このような共振器を、複数、各々の円弧部分121の中心O1が同一円Cの周上にあるように基板上に配列したフィルタを先に出願した(特願2000−122657)。
【0005】
本発明は、先に出願したフィルタを改良し、フィルタを構成する共振器の小型化を図ることができるフィルタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、先に出願したフィルタにおける共振器において、2つの直線部分による容量を利用すれば、同じ共振周波数で共振器の全長を小さくでき、小型化を図ることができることを見い出した。すなわち、図8(a)に示す先に出願した共振器に対し、図8(b)に示すように、共振器の2つの直線部分を平行に配置して両者間の距離を短くすると、2つの直線部分の間に形成される容量を大きくすることができる。共振器の等価回路は、図9で示される。ここで、C1、C2は直線部分と基板の裏面に形成されたグランドプレーンとの間にそれぞれ形成される容量、C’は2つの直線部分の間に形成される容量、Lはインダクタンスである。容量C1と容量C2の合成容量をCとすると、この共振器の共振周波数fは、数式1で表される。
【0007】
【数1】
【0008】
この数式1からわかるように、容量C’を大きくすれば、共振周波数fが小さくなる。また、2つの直線部分の長さを短くすると、容量C’およびインダクタンスLが小さくなり、共振周波数fが大きくなる。従って、同じ共振周波数に設定した場合には、図8(a)に示す共振器の全長L1に対し、図8(b)に示す共振器ではその全長をL2(<L1)とすることができ、共振器の全長を短くすることができる。また、図8(c)に示すように、開放端に向かう第1、第2の部分(上記した2つの直線部分に相当する部分)がインターディジタルになっていれば、その間の容量C’を図8(b)のものよりも大きくできるため、共振器の全長をL3(<L2)とさらに短くすることができ、一段と小型化を図ることができる。
【0009】
本発明は上記した検討を基になされたもので、請求項1に記載の発明では、基板上に共振器が複数形成されてなるフィルタにおいて、前記共振器のパターン形状が、円弧部分と、この円弧部分の外側に形成され円弧部分から想定される円の直径よりも小さい間隔で互いに平行な第1、第2の直線部分と、前記円弧部分の両側と前記第1、第2の直線部分との間にそれぞれ設けられた第1、第2の接続部分とを有するものとなっていることを特徴としている。
【0010】
この発明によれば、第1、第2の直線部分が、円弧部分から想定される円の直径よりも小さい間隔で互いに平行となっているため、図8(a)に示すものよりも、円弧部分に近い位置から2つの直線部分の間に形成される容量を大きくすることができ、共振器の全長を短くして、その小型化を図ることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、基板上に共振器が複数形成されてなるフィルタにおいて、前記共振器のパターン形状が、円弧部分と、この円弧部分の外側に形成されインターディジタルになっている第1、第2のインターディジタル構成部分と、前記円弧部分の両側と前記第1、第2のインターディジタル構成部分との間にそれぞれ設けられた第1、第2の接続部分とを有するものとなっていることを特徴としている。
【0012】
この発明によれば、インターディジタル構成とすることにより、第1、第2のインターディジタル構成部分の間に形成される容量を大きくすることができ、共振器の全長を短くして、その小型化を図ることができる。
【0013】
上記した第1、第2の接続部分は、請求項3に記載の発明のように、前記前記円弧部分から想定される円の外側に中心を持つ円弧形状のものとすることができる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明のように、前記複数の共振器を、各々の円弧部分から想定される円の中心が同一円周上にあるように前記基板上に配列すれば、小面積化を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の一実施形態に係るフィルタの平面構成を示す。
【0016】
このフィルタ10は、分布定数型のフィルタであって、誘電体基板(以下、単に基板という)11の上に複数の共振器12a〜12sが形成され、基板11の裏面にグランドプレーンが形成されたマイクロストリップライン型の構造となっているものである。
【0017】
共振器12a〜12sは、例えば円形状の基板11上に1つの円に沿って配列されている。共振器12a〜12sのそれぞれは、長さが波長(λ)の1/2に設定されており、図に示すように一部が開放された形状となっている。共振器12a〜12sのうち共振器12a、12sには、配線12a1、12s1がタップ接続されている。配線12a1は信号入力(IN)として用いられ、配線12s1は信号出力(OUT)として用いられる。
【0018】
なお、共振器12a〜12s、配線12a1、12s1、およびグランドプレーンを構成する膜は、いずれも超伝導材料を用いて形成されており、図1に示すフィルタ10は、いわゆる超伝導フィルタとなっている。
【0019】
図2に、共振器12a〜12sのうち隣接する2つの共振器の詳細な構成を示す。共振器12a〜12sは、共振器12a、12sに配線12a1、12s1が形成されている点を除き、全て同一形状となっており、それぞれのパターン形状は、円弧部分221と、この円弧部分221から想定される円の直径よりも小さい間隔で互いに平行な第1、第2の直線部分222、223と、円弧部分221の両側と第1、第2の直線部分222、223との間にそれぞれ設けられた第1、第2の接続部分224、225とを有するものとなっている。また、第1の接続部分224は、円弧部分221から想定される円の外側で第1の直線部分222より図の左側に中心を持つ円弧形状のものであり、第2の接続部分225は、円弧部分221から想定される円の外側で第2の直線部分223より図の右側に中心を持つ円弧形状のものである。なお、上記した円弧部分221、第1、第2の直線部分222、223、第1、第2の接続部分224、225のそれぞれの間の区切りを図中で点線で示しているが、それらは別々に形成されたものでなく、1つの連続したパターンとして形成されたものであり、そのパターン形状は、図に示すように左右対称(線対称)のものとなっている。
【0020】
また、円弧部分221の中心O1は、同一円Cの周上にあって、共振器12a〜12sは、各々の円弧部分221の中心O1が同一円Cの周上にあるように基板10上に配列される。
【0021】
また、隣接する2つの共振器は、各々の円弧部分221の中心O1を同一円Cの円弧としたときその円弧に対する中心角θの関係を有して配置されている。ここで、中心角θを変化させたとき、2つの共振器間の結合係数は、図3に示すシュミレーション結果のように変化する。共振器を複数配列した場合には、隣接する共振器との間の結合以外に、隣接しない共振器との間の結合も存在するため、共振器間の中心角の設定によって、飛び越し結合度(結合量)を制御することが可能になり、フィルタ特性を所望のものにすることができる。
【0022】
また、第1、第2の直線部分222、223は、等しい長さでなく、異なる長さにすることもできる。図4(a)に、第1、第2の直線部分222、223の長さを等しくした場合の中心角θに対する結合係数のシュミレーション結果を示し、図4(b)に、第1、第2の直線部分222、223の長さを異ならせた場合の中心角θに対する結合係数のシュミレーション結果を示し、図4(c)に、第1、第2の直線部分222、223の長さをさらに大きく異ならせた場合の中心角θに対する結合係数のシュミレーション結果を示す。なお、上記したシュミレーション結果において、点線は結合の符号が正であることを示し、実線は結合の符号が負であることを示している。
【0023】
これらのシュミレーション結果からわかるように、第1、第2の直線部分222、223の長さの比率を変えることによって、中心角θに対する結合係数の特性を種々に変化させることができる。
【0024】
従って、第1、第2の直線部分222、223の長さの比率を変えたものについて、中心角θに対する結合係数のシュミレーション結果を種々把握しておけば、複数の共振器における隣接する2つの共振器間の結合係数、隣接する共振器以外の共振器との間に存在する越し結合の経路(パス)での飛び越し結合度、およびそれらの結合の符号を考慮することにより、所望のフィルタ特性を設定することができる。
(第2実施形態)
この第2実施形態では、第1実施形態における第1、第2の直線部分222、223に変えて、図5に示すように、インターディジタルになっている第1、第2のインターディジタル構成部分226、227を備え、第1のインターディジタル構成部分226が第1の接続部分224に接続され、第2のインターディジタル構成部分227が第2の接続部分225に接続されている。第1、第2の接続部分224、225および円弧部分221の構成は、第1実施形態と同じである。
【0025】
なお、第1、第2のインターディジタル構成部分226、227は、それぞれ対向しない側が直線形状で、対向する側が櫛歯形状となっている。このようなインターディジタル構成とすることにより、第1、第2のインターディジタル構成部分226、227の間に形成される容量を第1実施形態のものよりも大きくすることができるため、第1実施形態のものよりも、共振器の全長を短くし、小型化することができる。
【0026】
なお、この第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、図5に示す共振器が、複数、各々の円弧部分221の中心O1が同一円Cの周上にあるように基板上に配列される。
【0027】
上記した第1、第2実施形態では、第1、第2の接続部分224、225を円弧形状のものとしたが、他の形状、例えば直線形状としてもよい。また、上記した第1、第2実施形態では、フィルタを構成する共振器の全てを同一形状とするものを示したが、異なる形状のものの組み合わせとしてもよい。また、第1、第2実施形態では、複数の共振器を各々の円弧部分221の中心O1が同一円Cの周上にあるように基板上に配列するものを示したが、従来のものと同じく横長に複数の共振器を配列するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るフィルタの平面構成を示す図である。
【図2】図1中の共振器12a〜12sのうち隣接する2つの共振器の詳細な構成を示す図である。
【図3】中心角θと2つの共振器間の結合係数の関係をシュミレーションした結果を示す図である。
【図4】共振器の第1、第2の直線部分222、223の長さの比率を変えた場合の中心角θに対する結合係数のシュミレーション結果を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る共振器のパターン形状を示す図である。
【図6】従来のフィルタの構成を示す図である。
【図7】本出願人が先に出願したフィルタを構成する共振器のパターン形状を示す図である。
【図8】発明が解決しようとする課題を説明するための説明図である。
【図9】図8(b)で示す共振器の等価回路を示す図である。
【符号の説明】
10…フィルタ、11…基板、12a〜12s…共振器、
221…円弧部分、222、223…第1、第2の直線部分、
224、225…第1、第2の接続部分、
226、227…第1、第2のインターディジタル構成部分。
Claims (4)
- 基板上に共振器が複数形成されてなるフィルタにおいて、前記共振器のパターン形状が、円弧部分と、この円弧部分の外側に形成され前記円弧部分から想定される円の直径よりも小さい間隔で互いに平行な第1、第2の直線部分と、前記円弧部分の両側と前記第1、第2の直線部分との間にそれぞれ設けられた第1、第2の接続部分とを有するものとなっていることを特徴とするフィルタ。
- 基板上に共振器が複数形成されてなるフィルタにおいて、前記共振器のパターン形状が、円弧部分と、この円弧部分の外側に形成されインターディジタルになっている第1、第2のインターディジタル構成部分と、前記円弧部分の両側と前記第1、第2のインターディジタル構成部分との間にそれぞれ設けられた第1、第2の接続部分とを有するものとなっていることを特徴とするフィルタ。
- 前記第1、第2の接続部分は、前記円弧部分から想定される円の外側に中心を持つ円弧形状のものであることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタ。
- 前記複数の共振器が、各々の円弧部分から想定される円の中心が同一円周上にあるように前記基板上に配列されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のフィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001235012A JP3856666B2 (ja) | 2001-08-02 | 2001-08-02 | フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001235012A JP3856666B2 (ja) | 2001-08-02 | 2001-08-02 | フィルタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003046304A JP2003046304A (ja) | 2003-02-14 |
JP3856666B2 true JP3856666B2 (ja) | 2006-12-13 |
Family
ID=19066523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001235012A Expired - Fee Related JP3856666B2 (ja) | 2001-08-02 | 2001-08-02 | フィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3856666B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4171015B2 (ja) | 2005-09-29 | 2008-10-22 | 株式会社東芝 | フィルタ及びこれを用いた無線通信装置 |
JP5464545B2 (ja) * | 2009-12-08 | 2014-04-09 | 独立行政法人国立高等専門学校機構 | 高周波帯域フィルタ及び通信装置並びにその調整方法 |
-
2001
- 2001-08-02 JP JP2001235012A patent/JP3856666B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003046304A (ja) | 2003-02-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20040251992A1 (en) | Multilayer waveguide filter employing via metals | |
US8717125B2 (en) | Transmission line with left-hand characteristics including an interdigital capacitor with partially overlapping fingers | |
JPH08181505A (ja) | 螺旋共振器からなる高周波フィルター | |
US5150084A (en) | Power divider | |
JP4770718B2 (ja) | 高周波フィルタ | |
JP7127460B2 (ja) | バンドパスフィルタ | |
JPH03212001A (ja) | 誘電体フィルタ | |
JPH0637502A (ja) | 平行線路帯域通過濾波器 | |
JP3856666B2 (ja) | フィルタ | |
JPH10145104A (ja) | 分布定数線路型フィルタ | |
WO2006134874A1 (ja) | 伝送線路装置 | |
EP0301789B1 (en) | 1/2 wavelength side coupling filter | |
US7119633B2 (en) | Compensated interdigitated coupler | |
US6194981B1 (en) | Slot line band reject filter | |
JP2009260698A (ja) | 高周波結合線路および高周波フィルタ | |
US6023206A (en) | Slot line band pass filter | |
JP2001308603A (ja) | フィルタ | |
JP3395753B2 (ja) | バンドパスフィルタの製造方法及びバンドパスフィルタ | |
KR101160560B1 (ko) | 결합 선로 필터 및 이의 배치 방법 | |
JP2002344213A (ja) | 方向性結合器 | |
JP3948281B2 (ja) | バンドパスフィルタ | |
JP2007208686A (ja) | リング共振器型フィルタ | |
JP2768411B2 (ja) | 誘電体導波管型方向性結合器 | |
JP2005018627A (ja) | データ転送回路基板 | |
KR100459146B1 (ko) | 고주파 필터 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040907 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060511 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060523 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060718 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060912 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060912 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |