JP3856527B2 - 壁面照明方法及びその設備 - Google Patents
壁面照明方法及びその設備 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3856527B2 JP3856527B2 JP15058197A JP15058197A JP3856527B2 JP 3856527 B2 JP3856527 B2 JP 3856527B2 JP 15058197 A JP15058197 A JP 15058197A JP 15058197 A JP15058197 A JP 15058197A JP 3856527 B2 JP3856527 B2 JP 3856527B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wall
- opening
- ceiling
- natural light
- adjacent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、屋外の自然光を用いて室内の天井表面や壁面を照明するようにした壁面照明方法及びその設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昼間における住宅の室内照明は、できる限り屋外の自然光(太陽光)を取り入れて行うことが健康的な居住空間をつくる上で好ましく、また、自然光を利用することにより照明用の消費電力を削減できる省エネルギー効果もある。ところが、近年、都市部の住宅密集地域等では、隣接する棟によって自然光が遮断される等の事情で、自然光を充分に室内に取り込めない状況が発生しがちである。そのため、例えば、屋外の屋根上等にレンズ等の集光装置を配置して自然光を集光し、これをファイバーケーブルで室内へ伝送して照明光として用いる集光伝送装置が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記集光伝送装置は高価な装置であるので、未だ、一般住宅に普及するには至っていない。また、隣接する棟による自然光の遮断がない場合でも、自然光は人工照明とは異なり、天候や季節、時刻の変化に応じて光量や色温度が変化するばかりでなく、特に直射日光が屋内に差し込むと眩しさの原因となるので、カーテンやブランイド等で遮光することが多く、室内照明として自然光を有効に利用できない問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記の課題を解決して、自然光を室内の壁面に向けて入射させることにより、直射日光による眩しさを回避しつつ、室内照明として有効利用することのできる壁面照明方法及びその設備を提供することを目的としている。
【0005】
そのため、本発明の請求項1の壁面照明方法は、天井に隣接する外壁の上端部近傍に水平方向へ延びる細長い開口を設けるとともに、この開口の下端縁に沿って上記外壁から天井と大略平行に外方へ突出する反射板を設け、屋外の自然光を上記反射板で反射させ上記開口を通して天井表面へ入射させるようにしたことを特徴とするものである。
また、外壁の側端部に垂直方向へ延びる細長い開口と、該開口を設けた側の側端部に隣接する壁部に、上記外壁より外方へ延長される延長部とを設け、屋外の自然光を上記開口を通して、上記外壁に隣接する壁部の内表面へ入射あるいは遮断させるようにしたことを特徴とするものである。
ここで、上記延長部は直射日光を含む自然光を室内に向けて反射する役割を果たすとともに、太陽が上記壁部の外側方に位置している時間帯には、上記開口を通して直射日光が室内に差し込むのを遮断する役割を果たす。
なお、本明細書において、壁面とは天井表面を含む概念であり、また、自然光とは、直射日光と、いわゆる天空光(空の拡散光)との双方を含んでいる。
【0007】
請求項2の壁面照明設備は、天井に隣接する外壁の上端部近傍に水平方向へ延びるように設けた細長い開口と、この開口の下端縁に沿って上記外壁から天井と大略平行に外方へ突出するように設けられた反射板とを備えたことを特徴とするものである。
また、外壁の側端部に垂直方向へ延びる細長い開口と、該開口を設けた側の側端部に隣接する壁部に、上記外壁より外方へ延長される延長部とを設けたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。垂直断面説明図である図1に示すように、本発明の第1の実施の形態では、住宅の部屋1における屋外に面した外壁、好ましくは南向き等の日当たりのよい方位の外壁である前壁2の上端部近傍に、天井3に隣接して水平方向へ延びる細長い開口4を形成している。また、この開口4の下端縁に沿って、天井3と大略平行に前壁2から前方、つまり、外方へ突出する反射板5を設けている。反射板5は、耐候性が良好であるとともに、反射率が高く、光沢のない材料で形成するのが好ましい。具体的には、例えば、外壁パネルを白ペンキで仕上げたものや、アルミニウム板に表面処理を施したもの等を反射板5として使用できる。
【0012】
上記の構成によれば、太陽6からの直射日光を含む自然光は、反射板5で反射されて天井3の表面(壁面)に入射し、天井3表面を明るくすることにより、間接的に室内を照明する。開口4は前壁2の上端部近傍のみに設けられているので、開口4を通して室内に入射する直射日光の量はさほど多くはなく、眩しさの原因となる恐れは少ないものである。
【0013】
なお、図示しないが、開口4には、窓サッシを介して窓ガラスを装着するのが好ましく、その場合、上記窓ガラスは開閉可能とすることもできるが、前壁2の上端部近傍に位置する明かり取り用窓であるので、通常は固定式で充分である。
【0014】
図2に開口4以外の部位を密閉した上記部屋1の縮小模型と人工天空、つまり、太陽6に代わる人工照明器具を用いて、部屋1内の明るさを測定した結果を模式的に示す。図2は、前壁2と対向する後壁(図示せず)側から部屋1内を概略の投影図として示したもので、ハッチングで示す領域S1は最も暗く、斑点を付した領域S2は領域S1よりやや明るく、白紙の領域S3は最も明るかった。なお、図示しない上記人工照明器具は、前壁2の中央部の斜め上方に位置させた。
【0015】
図2から明らかなように、前壁2の内表面は暗いものの、天井3の中央部や床面7の中央部は明るく、また、両側壁8の内表面もかなり明るくなっている。天井3の中央部の明るさは反射板5(図2では図示省略)による反射光によるものであり、床面7の中央部の明るさは直射日光を含む自然光が開口4から直接入射したことによるものである。なお、天井3、床面7、側壁8のいずれにおいても、前壁2に近い領域程明るく、後壁側に近付く程暗くなる。
【0016】
図3は第1の実施の形態の変形例であり、前記反射板5に加えて、開口4の下端縁に沿って前壁2から天井3と平行に室内側へ延びる反射板9を設けたものである。これにより、開口4から室内に直接入射する直射日光の量を更に少なくするとともに、天井3の表面に対する反射量を多くすることによって、直射日光による眩しさの問題を一層確実に回避することができる。
【0017】
図4に本発明の第2の実施の形態を示す。図4は水平断面説明図であって、部屋1aの一方の側壁8(壁部)に隣接した前壁2(外壁)の側端部に、上下方向へ延びる細長い開口10を設けるとともに、側壁8の前端部に、前壁2より前方、つまり、外方へ延長される延長部8aを設けている。
【0018】
これにより、太陽6の直射日光を含む自然光は、開口10を介して側壁8の内表面に入射し、側壁8内表面を明るくすることにより、眩しさのないソフトな照明空間を演出する。延長部8aが屋外の自然光を室内側へ反射することにより、室内に取り込まれる自然光の量が増すとともに、点線で示すように、太陽6が側壁8の外側方に位置している時間帯には、延長部8aが直射日光を遮断して、室内に直射日光が差し込むことを防止する。なお、図示しないが、この場合も、開口10に窓サッシを介して窓ガラスを装着することが好ましい。
【0019】
図5に部屋1aの縮小模型と人工天空を用いて部屋1a内の明るさを測定した結果を模式的に示す。側壁8近傍の前壁2に縦長の開口10を設けた場合は、白紙で示す明るい領域S4は開口10の近傍の側壁8と床面7の一部領域のみであり、それ以外のハッチングで示す領域S5は暗いものであり、領域S5は図2に示す領域S1より更に暗かった。開口10の横幅を大きくすれば、照明効果はそれだけ向上するものの、第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態と比較すれば、自然光の入射する範囲が開口10の近傍のみに限定される傾向がある。但し、開口10を前壁2の両側端部に設けたり、開口10を単独で使用する代わりに、第1の実施の形態の開口4と併用することにより、全体として良好な照明効果を奏することができる。
【0020】
次に、応用例を示す。図6は前壁2を室内側から見た概略正面図であって、ここでは、前壁2の中央部に設けた開口11に、サッシ12にガラス13を嵌着してなる通常の開き戸14を開閉自在に取り付けるとともに、この開き戸14の上方における前壁2の上端部に上記第1の実施の形態の開口4を、前壁2の左右両側端部に上記第2の実施の形態の開口10を形成している。開口4及び10には、各々窓サッシ15、16を介して窓ガラス17、18を固定式に装着する。
【0021】
開き戸14や窓ガラス17、18に、図示しないカーテンやブラインド等の遮光部材を開閉自在に設ける場合、開き戸14と窓ガラス17、18とに対して、上記遮光部材を各々独立に設けて、例えば、開き戸14のみを遮光して直射日光が大量に室内に入射するのを防止するとともに、窓ガラス17、18を通して天井表面や側壁の内表面に自然光を入射させることができるように構成するのが好ましい。なお、上記の実施の形態等では、一つの外壁、例えば、前壁2のみに開口4、10を設けたが、部屋1、1aの配置によっては、相異なる複数の外壁に開口4、10を設けることにより、更に、良好な照明効果を得ることができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の請求項1の壁面照明方法は、天井に隣接する外壁の上端部近傍に水平方向へ延びる細長い開口を設けるとともに、この開口の下端縁に沿って上記外壁から天井と大略平行に外方へ突出する反射板を設け、屋外の自然光を上記反射板で反射させ上記開口を通して天井表面へ入射させるようにしたので、天井表面を介して室内が自然光により間接的に照明されるようになり、直射日光による眩しさを回避しつつ自然光を室内照明に有効利用できる利点がある。
また、外壁の側端部に垂直方向へ延びる細長い開口と、該開口を設けた側の側端部に隣接する壁部に、上記外壁より外方へ延長される延長部とを設け、屋外の自然光を上記開口を通して、上記外壁に隣接する壁部の内表面へ入射あるいは遮断させるようにしたので、直射日光による眩しさを回避しつつ自然光を室内照明に有効利用できるものである。
また、上記延長部は直射日光を含む自然光を室内に向けて反射することにより照明効果を高める一方、太陽が上記壁部の外側方に位置している時間帯には、上記開口を通して直射日光が室内に差し込むのを遮断し、直射日光による眩しさを防止する役割を果たし、好適である。
【0024】
請求項2の壁面照明設備は、天井に隣接する外壁の上端部近傍に水平方向へ延びるように設けた細長い開口と、この開口の下端縁に沿って上記外壁から天井と大略平行に外方へ突出するように設けられた反射板とを備えたものであるから、屋外の自然光が反射板で反射された後、天井表面に入射するようになり、直射日光による眩しさを回避しつつ、天井表面を明るくして自然光を室内照明に有効利用することにより、照明用の電力消費を削減することができる。更に、開口と反射板のみで安価に構成できる利点もある。
また、外壁の側端部に垂直方向へ延びる細長い開口と、該開口を設けた側の側端部に隣接する壁部に、上記外壁より外方へ延長される延長部とを設けたものであるから、直射日光による眩しさを回避しつつ壁部の内表面を明るくして、ソフトな照明空間を演出することができるとともに、自然光を室内照明に利用することにより、照明用の電力消費を削減することができる。また、開口のみで安価に構成できる利点がある。
また、上記延長部は直射日光を含む自然光を室内に向けて反射することにより照明効果を高める一方、太陽が上記壁部の外側方に位置している時間帯には、上記開口を通して直射日光が室内に差し込むのを遮断し、直射日光による眩しさを防止する役割を果たし、好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における壁面照明設備を示す垂直断面説明図。
【図2】上記第1の実施の形態における室内の照明状況を模式的に示す投影図。
【図3】上記第1の実施の形態の変形例を示す垂直断面説明図。
【図4】本発明の第2の実施の形態の壁面照明設備を示す水平断面説明図。
【図5】上記第2の実施の形態における室内の照明状況を模式的に示す投影図。
【図6】本発明の応用例における前壁を室内側から示す概略正面図。
【符号の説明】
2 前壁(外壁)
3 天井
4、10 開口
5 反射板
8 側壁(壁部)
8a 延長部
Claims (2)
- 天井に隣接する外壁の上端部近傍に水平方向へ延びる細長い開口と、
該開口の下端縁に沿って上記外壁から天井と大略平行に外方へ突出する反射板とを設け、屋外の自然光を上記反射板で反射させ上記開口を通して天井表面へ入射させるようにすると共に、
外壁の側端部に垂直方向へ延びる細長い開口と、
該開口を設けた側の側端部に隣接する壁部に、上記外壁より外方へ延長される延長部とを設け、屋外の自然光を上記延長部で反射あるいは遮断させ、上記開口を通して、上記外壁に隣接する壁部の内表面へ入射あるいは遮断させるようにしたことを特徴とする壁面照明方法。 - 天井に隣接する外壁の上端部近傍に水平方向へ延びるように設けた細長い開口と、
該開口の下端縁に沿って上記外壁から天井と大略平行に外方へ突出するように設けられた反射板とを設けると共に、
外壁の側端部に垂直方向へ延びる細長い開口と、
該開口を設けた側の側端部に隣接する壁部に、上記外壁より外方へ延長される延長部とを設けたことを特徴とする壁面照明設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15058197A JP3856527B2 (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 壁面照明方法及びその設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15058197A JP3856527B2 (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 壁面照明方法及びその設備 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10340608A JPH10340608A (ja) | 1998-12-22 |
JP3856527B2 true JP3856527B2 (ja) | 2006-12-13 |
Family
ID=15500021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15058197A Expired - Fee Related JP3856527B2 (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 壁面照明方法及びその設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3856527B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2229872B1 (es) * | 2002-12-09 | 2006-07-01 | Alfonso Canela Batlle | Dispositivo para la iluminacion de interiores mediante la luz solar. |
-
1997
- 1997-06-09 JP JP15058197A patent/JP3856527B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10340608A (ja) | 1998-12-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN102770617B (zh) | 用于结合外部照明和人工照明的系统 | |
Edmonds et al. | Daylighting in the tropics | |
US4989122A (en) | Light box | |
US5293305A (en) | Light guidance system for the illumination of an interior area | |
US6550937B2 (en) | Louvered screen to control light | |
JP2000129792A (ja) | 建 物 | |
JP3856527B2 (ja) | 壁面照明方法及びその設備 | |
AU775070B2 (en) | Improvements in light fittings | |
KR100759860B1 (ko) | 고성능 채광용 평판형 광선반 장치 | |
DE59900450D1 (de) | Beschattungs- und Lichtlenksystem | |
JP3881571B2 (ja) | 外壁をダブルスキンのガラスカーテンウォールとした建築物 | |
RU2236652C1 (ru) | Устройство для освещения солнечным светом помещений многоэтажного жилого дома | |
JPH1048615A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP6861909B2 (ja) | 照明ユニットを有する窓 | |
CN217714684U (zh) | 天窗灯及照明系统 | |
RU4990U1 (ru) | Окно | |
JPS6337684Y2 (ja) | ||
Coch et al. | The Mediterranean blind: Less light, better vision | |
Floyd et al. | Daylighting: measuring the performance of light shelves and occupant-controlled blinds on a dimmed lighting systems | |
KR100257994B1 (ko) | 조명차단막장치 | |
KR100806571B1 (ko) | 고성능 채광용 경사형 광선반 장치 | |
JPS58158801A (ja) | 採光構造 | |
CN105135358A (zh) | 天然光和人工光源并用的光通道构造及室内采光结构 | |
JPH1150586A (ja) | 建屋の採光構造 | |
JPH0635031Y2 (ja) | 庇 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060124 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060327 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060912 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060912 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090922 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120922 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150922 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |