JP3856112B2 - リニアモータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、推力の反力(ディテント力)を低減すると共に推力の向上も可能としたリニアモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
リニアモータの固定子又は可動子として用いられる電機子は、鉄製の長寸の棒材の長手方向に、角柱の磁極歯部を夫々スロットを隔てて複数並設して電機子コアとなし、該電機子コアの相異なるスロットに挿入保持し、磁極歯部を周回するようにしてコイルを巻装してなる。
【0003】
図18は、従来のリニアモータに備えられている電機子の模式的縦断面図である。
図中13は鉄製の電機子コアであり、該電機子コア13は、矩形断面を有する長寸の棒状である基部の一面に、所定の深さを有する矩形溝型のスロット130,130,…を夫々隔てる四角柱の磁極歯部13a,13a,…を突出して複数並設してあり、対応する該磁極歯部13a,13aに導線を夫々整列巻きに巻き付けてコイルを構成してなる。又は、対応する該磁極歯部13a,13aを周回するようにして、相異なるスロット130,130に挿入保持して、あらかじめ整列巻きに成形されているコイル20,20,…を巻装してなる。また、スロット130,130,…には、前記コイル又はコイル20,20,…の抜け止めとして図示しない合成樹脂が夫々充填してある。
【0004】
以上のような電機子は、コイル又はコイル20が整列巻きに形成されているため、コイル又はコイル20を構成する導線のスロット130内の占積率が高く、該電機子を備えるリニアモータの効率を向上する。また、あらかじめ成形されているコイル20,20,…をスロット130,130,…に巻装する場合は、磁極歯部13a,13a,…に導線を巻き付けてコイルを形成する必要がないため導線の占積率を容易に向上することができる。なお、図18のリニアモータは三相(U相、V相、W相)モータとして構成され、計6個の各コイル20毎に三相の何れか一相を順次割り当てることで、電機子全体では「120°一層配置」の巻き方により三相を形成している。
【0005】
また、図19に示すように、ブロック状の電機子コア13からなる電機子との対向側をS極にする磁石55sと該対向側をN極にする磁石55nとを交互に隔離配置して界磁部を構成するリニアモータ50で、電機子コア13の長手方向における一端側の磁極歯部13aから他端側の磁極歯部13aまでの歯先側全長Lが、
L=P×(Z+1/2) …(1)
(Pは磁石55sと磁石55nとの磁石ピッチ、Zは自然数)
の関係を満たす場合、リニアモータのディテント力が最小になることが経験的に知られており、歯先側全長Lが磁石ピッチPの1.5倍、2.5倍、3.5倍…等になる場合、ディテント力が最小になる。
【0006】
例えば、図20のグラフに示すように、ディテント力は、電機子を可動子にすると共に界磁部側を固定子51としたリニアモータ50において、歯先側全長L/磁石ピッチPを変更すると、一定の周期で変更し、上述した歯先側全長Lが磁石ピッチPの1.5倍、2.5倍、3.5倍…等になる位相箇所でグラフの谷となり、ディテント力が最小になる。なお、ブロック状の電機子コア13からなる電機子の代わりにダミー鉄心として一枚板を用いた場合も、一枚板の全長Lが数式(1)の関係を満たす場合、ディテント力が最小になる。
【0007】
さらに、図21に示すように、固定子51の各磁石55s、55nに、リニアモータの進行方向と直交する方向に対する角度K(以下、スキュー角度Kと称す)が付与された場合、ディテント力自体の数値が全体に低減されることも知られている。図20のグラフでは、曲線Aはスキュー角度Kが0度の場合を示し、以下、曲線Bはスキュー角度Kが15度、曲線Cはスキュー角度Kが30度の場合であり、スキュー角度Kが大きくなる程、ディテント力が低減されることを示している。
【0008】
図22は、従来のリニアモータに備えられている半閉型スロットを有する電機子の模式的縦断面図である。
図中14は鉄製の電機子コアであり、該電機子コア14は、矩形断面を有する長寸の棒状である基部の一面に、所定の深さを有する矩形溝型のスロット140,140,…を夫々隔てる四角柱の磁極歯部14a,14a,…を突出して複数並設してあり、対応する該磁極歯部14a,14aに導線を夫々集中巻きに巻き付けてコイル21,21,…を構成してなる。各磁極歯部14aの歯先には、磁極歯部14a,14a,…の並設方向に突出して突出部14b,14bが夫々設けられており、突出部14b,14b,…によってスロット140,140,…の開口部の一部が夫々塞がれて、スロット140,140,…は半閉型になっている。また、スロット140,140,…には、コイル21,21,…の抜け止めとして図示しない合成樹脂が夫々充填してある。
【0009】
以上のような電機子は、スロット140,140,…の夫々の開口部の一部が突出部14b,14b,…によって塞がれており、そのため隣り合う磁極歯部14a,14aの歯先と歯先との間の距離が小さくなり、磁界に対する歯先の影響が小さくなるため、該電機子を備えるリニアモータのディテント力を低減する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
突出部14b,14b,…を有する電機子を備える従来のリニアモータを用いる場合、ディテント力を低減できても、スロット140,140,…の開口部の面積が狭く、電機子コア14に整列巻きのコイルを形成する作業、又は、あらかじめ成形されているコイルのスロットへの巻装や組込を行う作業が困難であるという問題がある。そのため、電機子コア14には集中巻きのコイルを形成してあるが、集中巻きはスロット内の導線の占積率が低く、このためリニアモータの効率を向上することができないという問題があった。また、突出部14b,14b,…を持たない電機子を備える図18、19に示す従来のリニアモータを用いる場合、スロット130,130,…の開口部の面積が広いため、磁極歯部13a,13a,…の歯先の磁界に対する影響が大きくなって、ディテント力が増大するという問題があった。更に、ディテント力が増大すると無効電流が大きくなり、コイル20,20,…での発熱量が増大するという問題もあった。
【0011】
以上のような問題を解決するために、特開平6−165469号公報では、各磁極歯部の歯先に、該歯先の面に対して直角に、歯先近傍に切り欠き部分を有する突起部を形成し、コイルを巻装した後で前記突起部を歯先に対して平行になるよう切り欠き部分で折り曲げてスロットの開口部を塞ぐ電機子を備えるリニアモータが開示されている。しかしながら、突起部は切り欠き部分の剛性が弱く、破損しやすいという問題があった。
また、特開2000−262035公報では、歯先と歯先との間の距離を低減する突出部が形成された単数の磁極歯部を有する電機子コアを、複数、屈曲可能に夫々連結して、コイルを巻き付けるときは電機子コアと電機子コアとの間を屈曲させてスロットの開口部を広く開けておき、コイルを巻き付けた後で電機子コアを棒状にして形成してある電機子が開示されている。しかしながら、該電機子を用いる場合、電機子コアに屈曲部があるため、磁気結合が弱くなり、また、構造が複雑になるという問題があった。
【0012】
さらに、図18の電機子は三相モータ用として構成されるため、コイル20を3の倍数の個数分、配置する必要があることから、磁極歯部13aやスロット130等の寸法が制限され、電機子コア13の歯先側全長Lを上述した数式(1)の関係を満たすように設定するのが難しいという問題がある。また、この数式(1)の関係を満たすことができなければ、図20のグラフに示すように、ディテント力が大きくなりリニアモータの滑らかな動作を確保するのが困難となる。
【0013】
さらに、また、図19のリニアモータ50は、固定子51と対向する電機子の箇所は、磁極歯部13aの歯先面に限定されるため、強大な磁気結合力を得ることはできない上、電機子コアの長手方向の端部では外側に磁路を構成できないので磁気抵抗が生じ、これらを要因としてリニアモータ自体の推力を向上できにくいという問題もある。
【0014】
本発明は斯かる問題を解決するためになされたものであり、電機子コアのスロット内に、反力抑止板を磁極歯部の歯先近傍に密着配置等することにより、電機子コアを理想的なブロック形状又は一枚板形状に近付けて、ディテント力を低減し性能を向上できるリニアモータを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、穴部を有する反力抑止板を隣り合う磁極歯部に密着配置することにより、電機子の剛性を向上し、歯先を保護し、また、取り付けられた反力抑止板の安定性を向上するリニアモータを提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、反力抑止板は凸部を有し、該凸部を、磁極歯部に設けられた凹部に挿入して着脱可能に固着してあることにより、反力抑止板の取付け又は取外し作業性を容易にし、整列巻きのコイルの装着を簡易化して組立作業性の向上及び装着したコイルの脱落の防止を図るリニアモータを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係るリニアモータは、スロットを隔てて複数並設してある磁極歯部を有する電機子コアと、前記磁極歯部に巻装してあるコイルとを備える電機子を用いてなるリニアモータにおいて、前記電機子は、前記磁極歯部が直方体形状であり、前記スロット内に、前記磁極歯部の歯先近傍に密着配置してある磁性体製の複数の反力抑止板を備え、該反力抑止板は穴部を有し、該反力抑止板の両端部が、前記スロットの開口部を隔てて隣り合う磁極歯部に、夫々密着していることを特徴とする。
【0018】
第1発明にあっては、リニアモータの可動子又は固定子として用いられる電機子は、磁極歯部が直方体形状であり、該電機子の磁極歯部側に対向して固定子又は可動子が配置され、該固定子又は可動子は磁極歯部に対向して界磁部を有する。界磁部は、例えば対向側をS極にする永久磁石と対向側をN極にする永久磁石とを、磁極歯部の並設方向に、交互に離隔配置してなる。界磁部と電機子とが前記並設方向に相対移動するとき、磁界が磁極歯部の歯先の端部の影響を受け、界磁部から電機子に対して作用する吸引力が、前記歯先の端部の影響を受けることによって、吸引力の前記並設方向の成分が、相対移動方向の逆方向に大きくなる場合、前記成分はディテント力と呼ばれるリニアモータの推力の反力として作用する。歯先と歯先との間の距離が大きいほど前記影響は顕著になるが、複数の反力抑止板は磁極歯部の歯先近傍に密着してスロット内に配置してあり、該反力抑止板によって歯先と歯先との間の距離を小さくして、前記影響を小さくするため、ディテント力を低減することができる。
また、各反力抑止板を、該反力抑止板の両端部が隣り合う磁極歯部に密着し、該磁極歯部の歯先に隣り合うように配置することによって、隣り合う磁極歯部同士が反力抑止板によって一体化することとなり、磁極歯部の並設方向の外力が磁極歯部に加えられた場合、該外力を複数の磁極歯部に分散して支えることができるため、電機子の剛性を向上する。また、歯先に直接外力が加わることを防止できるため、歯先を保護することができる。また、隣り合う磁極歯部に反力抑止板を固定することができるため、取り付けられた反力抑止板の安定性を向上する。
【0019】
また、ディテント力が減少することによって推力の低下が抑制され、無効電流が小さくなってリニアモータの発熱量を低減し、また、前記影響が小さいため、該影響の度合が相対移動に伴って変動し、ディテント力が変動することによって推力が大きく変動することを抑制できるため、リニアモータの性能を向上することができる。
また、反力抑止板と磁極歯部とを密着しているため、歯先と反力抑止板との磁気的結合を向上することができる。
【0020】
また、反力抑止板を配置する前に、磁極歯部に導線を整列巻きに巻き付けてコイルを形成することによって、スロット内の導線の占積率を向上できるため、リニアモータの効率を向上することができる。又は、磁極歯部に、あらかじめ導線を整列巻きにして成形されているコイルを巻装することができるため、導線の占積率を容易に向上することができて、リニアモータの効率を向上することができる。
また、反力抑止板が開口部の面積を減少するため、コイルの脱落を防止することができる。
【0023】
なお、前記反力抑止板は、コの字型の板状に形成すると共に前記磁極歯部を挟むように配置するようにしてもよい。このようにすることで、反力抑止板により歯先へ直接外力が加わることを防止し、歯先を保護できる上、磁極歯部の並設方向の両側面に反力抑止板の固定が可能となり、取付状態の反力抑止板の安定性を向上できる。更に、反力抑止板により、前記並設方向に突出する突出部を歯先に設けた場合と同様に歯先と歯先との間の距離を低減できるため、第1発明に係るリニアモータと同様の効果を得ることができる。
【0024】
また、隣り合う前記反力抑止板は、前記スロットの開口部の外部で、一端又は他端が一体化していることも好適である。このような形態を適用することで、隣り合う磁極歯部同士が磁極歯部の並設方向に一体化されることとなり、磁極歯部の並設方向の外力が磁極歯部に加えられた場合、該外力を複数の磁極歯部へ分散支持でき電機子の剛性を向上できる。また、一体化した反力抑止板を、隣り合う磁極歯部に固定することができるため、取り付けられた反力抑止板の安定性を更に向上できる。更に、反力抑止板は、スロットの開口部の外部で一体化していると共に磁極と直接的に対向しないため、一体化している部分が磁界に大きな影響を与えることはない。
【0025】
第2発明に係るリニアモータは、前記反力抑止板は、前記磁極歯部の並設方向の端部に、該並設方向に突出する凸部を有し、前記磁極歯部は、前記並設方向の側面の歯先近傍に、該歯先に略平行となる位置に、前記凸部を嵌合すべき凹部を有し、該凹部に前記凸部を挿入して、前記反力抑止板を前記磁極歯部に着脱可能に固着してあることを特徴とする。
第2発明にあっては、反力抑止板は、歯先近傍に設けられた凹部に挿入して着脱可能に固着する。このため、例えば、コイルの組み込み、コイルの巻きなおし又はコイルの交換を行なう必要がある場合に、反力抑止板の着脱が容易であるため、反力抑止板の取り付け又は取り外しの作業性が向上する。
また、反力抑止板と磁極歯部とを、凸部及び凹部を用いて密着しているため、歯先と反力抑止板との磁気的結合を向上することができる。
【0026】
また、隣り合う反力抑止板が、非磁性体を用いてなる補強部材で一体化してあることが好ましい。外力が反力抑止板に加えられた場合、該外力を複数の反力抑止板に分散して支えることができる上、反力抑止板に外力が直接加えられることを補強部材で防止でき、取り付けられた反力抑止板の安定性が向上し、反力抑止板を保護できる。なお、補強部材は非磁性体を用いてなるため、補強部材が磁界に影響を与えることはない。
【0027】
第3発明に係るリニアモータは、スロットを隔てて複数並設してある磁極歯部を有する電機子コアと、前記磁極歯部に巻装してあるコイルとを備える電機子を用いてなるリニアモータにおいて、前記電機子は、前記磁極歯部が直方体形状であり、前記スロットの開口部の一部を覆うべく、前記歯先近傍に密着配置してある磁性体製の複数の反力抑止板を備え、該反力抑止板は、コの字型の板状であり、前記磁極歯部の並設方向の端部に、該並設方向に突出する凸部を有し、前記磁極歯部は、前記並設方向の側面の歯先近傍に、該歯先に略平行となる位置に、前記凸部を嵌合すべき凹部を有し、該凹部に前記凸部を挿入して、前記反力抑止板が前記磁極歯部を挟むようにして着脱可能に固着してあることを特徴とする。
第3発明にあっては、磁極歯部が直方体形状であり、開口部の一部を反力抑止板で覆い、該反力抑止板は磁極歯部に密着配置してあるため、複数の反力抑止板によって、歯先と歯先との間の距離を減少して、磁界に対する歯先の影響を小さくするため、第1発明に記載のリニアモータと同様の効果を得ることができる。
更に、歯先に直接外力が加わることを防止できるため、歯先を保護することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態 1.
図1は本発明の実施の形態1に係るリニアモータに備えられる電機子の構成を示す模式的斜視図、図2は前記電機子の模式的縦断面図であり、図3は電機子のコイルを省略して電機子コアへの反力抑止板の取付状態を示す模式的平面配置図である。
図中1は鉄製の電機子コアであり、該電機子コア1は、矩形断面を有する長寸の棒状である基部1dの一面に、所定の深さを有する矩形溝型のスロット10,10,…を夫々隔てる四角柱の磁極歯部1a,1a,…を突出して複数並設してあり、該磁極歯部1a,1a,…は夫々突出方向の長さが等しい。また、各磁極歯部1aには、隣り合うスロット10,10に挿入保持して、あらかじめエナメル線を整列巻きに成形し、保護及び絶縁強化のための絶縁紙を巻き付けてなるコイル2を巻装してある。
【0044】
各スロット10の開口部10aには、鉄製の反力抑止板3が、該反力抑止板3の一面が、磁極歯部1a,1aの歯先1c,1cの面と略同一平面上に位置し、他面がスロット10内部側に位置するように、前記開口部10aを塞いで配置してある。
各反力抑止板3は、中央に長円型の穴部3bを有する矩形の板状であり、幅(磁極歯部1a,1a,…の並設方向の長さ)は開口部10aの幅に等しく、長さ(前記並設方向の直交方向の長さ)は開口部10aの長さ、即ち歯先1c,1cの長さより充分に長く、厚さ(前記突出方向の長さ)は、該反力抑止板3を配置したときに、前記他面がスロット10内のコイル2,2に接触しない厚さである。また、前記並設方向の両端部に、夫々前記並設方向に突出する凸部3a,3aを有する。
【0045】
磁極歯部1aは、前記並設方向の側面の歯先1c,1c近傍に、前記凸部3a,3aを嵌合すべき溝状の凹部1b,1bを夫々該歯先1c,1cに平行に有する。
各反力抑止板3は、凸部3a,3aを、開口部10aを挟んで隣り合う磁極歯部1a,1aの対応する凹部1b,1bに前記直交方向から挿入して、前記磁極歯部1a,1aに着脱可能に固着してある。
【0046】
以上のような電機子4は、反力抑止板3の一面と歯先1cとが略同一平面上に位置し、また、反力抑止板3と磁極歯部1aとを密着しているため、歯先1cと反力抑止板3との磁気的結合を向上できる。
また、隣り合う磁極歯部1a,1a同士が反力抑止板3によって一体化することとなるため、電機子4の剛性を向上し、また、歯先1cに直接外力が加わることを防止できるため、歯先1cを保護することができる。
また、前記磁極歯部1a,1aに反力抑止板3を固定するため、取り付けられた反力抑止板3の安定性を向上する。また、反力抑止板3,3,…の取り付け又は取り外しが容易であるため、必要に応じて容易にコイル2,2,…を交換することができると共に、コイル2,2,…の組込作業性も向上できる。
また、反力抑止板3,3,…がスロット10,10,…の開口部10aの面積を減少するため、コイル2,2,…の脱落を防止できる。また、あらかじめ成形されているコイル2,2,…を巻装するため、導線の占積率を容易に向上することができる。
【0047】
図4及び図5は前記リニアモータの側面及び正面の構成を示す模式図である。前記電機子4を可動子として用い、磁極歯部1a,1a,…の並設方向に移動可能に配置し、該電機子4の磁極歯部1a,1a,…側に、適宜の空隙を介して固定子5を対向配置してあり、固定子5は磁極歯部1a,1a,…に対向し、この対向側をS極にする永久磁石5s,5s,…と、該対向側をN極にする永久磁石5n,5n,…とを、前記並設方向に交互に離隔配置してなる。
各永久磁石5s,5nの長さL1 は、各歯先1cの長さ(即ち各磁極歯部1aの長さ)と略等しく、各反力抑止板3の穴部3bの長さL2 は、L1 より充分に長い。
【0048】
以上のようなリニアモータを用いる場合、電機子4と固定子5とが前記並設方向に相対移動するとき、磁界が磁極歯部1a,1a,…の歯先1c,1c,…の端部の影響を受け、永久磁石5s,5s,…又は永久磁石5n,5n,…から電機子4に対して作用する吸引力の前記並設方向の成分がディテント力として作用するが、反力抑止板3,3,…によって、歯先1cと歯先1cとの間の距離を小さくしてあるため、ディテント力を低減でき、リニアモータの性能が向上する。また、コイル2,2,…は占積率が高い整列巻きであるため、リニアモータの効率が向上する。
また、前記L2 が前記L1 より充分に長いため、漏れ磁束の影響は少ない。
【0049】
なお、各スロット10の反力抑止板3とコイル2,2との間の空隙を合成樹脂で充填しても良い。この場合、コイル2,2,…は更に抜け落ち難くなる。
また、各コイル2を、相異なるスロット10,10に挿入保持して、複数の磁極歯部1a,1a,…を周回するようにして電機子コア1に巻装してあっても良い。また、隣り合うコイル2,2はスロット10の内部で前記並設方向に隣り合うようにして巻装しても良く、また、スロット10の内部で前記突出方向に積層するようにして巻装しても良い。
また、反力抑止板3を設計する際に、許容可能なディテント力に応じて各反力抑止板3の穴部3bの幅を調節することによって所要の性能を有するリニアモータを得ることができる。穴部3bの形状は、長円形のみならず、矩形であっても良く、また、漏れ磁束の影響が許容可能な大きさである場合は、複数の穴部を前記長さ方向に並設しても良い。
また、反力抑止板は、突出部を凹部に挿入するのみならず、反力抑止板を磁極歯部と磁極歯部との間に圧入、ネジ止め、接着、又はモールド等の方法で固定しても良い。さらに、反力抑止板は、コスト低減や軽量化等のため必ず全てのスロット10に取り付ける必要はなく、所要のスロット10のみに反力抑止板を取り付けるようにしてもよい。
【0050】
次に、本出願人は、反力抑止板の有無によりディテント力が低減されるかを確認するために、従来の反力抑止板を有しないリニアモータと、実施の形態1に係る反力抑止板を有するリニアモータとを比較する実験1を行った。
【0051】
実験1では、従来のリニアモータに、図19の電機子コア13で全長L3を基準寸法として、全長L3と歯先側全長Lの比がL3:L=1:0.85となる電機子コア13を用い、各スロット130にエナメル線を整列巻きして成形したコイル20を巻装して120°一層配置の巻き方の三相の電機子を形成して可動子にした。
【0052】
一方、実施の形態1に係るリニアモータは、上述した電機子コア13と同等の寸法の電機子コア1に上述のコイル20と同等のコイル2を巻装して構成された電機子4を可動子として使用した。
なお、両方のリニアモータ共、固定子の界磁部を形成する各永久磁石には、直方体形状の各角部が直角のものを使用し、各永久磁石の磁石ピッチPは、電機子コア1、13の磁極歯部1a、13aのピッチの3倍に夫々設定した。
【0053】
上述した各リニアモータを、他力の送り機構により可動側を一定の低速で送り、ディテント力の最大値と平均値を夫々測定した。この測定結果を表1に示す。また、電機子と固定子の相対位置とディテント力の関係を図6、7に示す。なお、図6は従来のリニアモータを用いた場合のグラフであり、図7は実施の形態1に係るリニアモータを用いた場合のグラフであり、各グラフにおいて、横軸は電機子と固定子との相対位置であり、縦軸はディテント力(×100N)である。
【0054】
【表1】
【0055】
表1より従来のリニアモータに比べて、実施の形態1に係るリニアモータは、ディテント力の最大値を約25%低減でき、平均値では約35%もディテント力を低減できた。また、図6より従来のリニアモータに作用するディテント力はP−P60Nであり、図7より実施の形態1のリニアモータに作用するディテント力はP−P30Nであった。よって、これらの結果より反力抑止板を電機子に設けることで、確実にディテント力を低減できることが確認できた。
【0056】
実施の形態 2.
図8は本発明の実施の形態2に係るリニアモータに備えられる電機子においてコイルを省略して電機子コアへの反力抑止板の取付状態を示す模式的平面配置図であり、図9は前記電機子の模式的縦断面図である。
反力抑止板31,31,…はコの字型の板状であり、各反力抑止板31は、前記並設方向の端部のうち、内側の端部に、夫々前記並設方向に突出する凸部3a,3aを有し、該凸部3a,3aを磁極歯部1aの歯先1c近傍に設けられている溝状の凹部1b,1bに挿入して、磁極歯部1aを挟むようにして着脱可能に固着してある。このとき、該反力抑止板31と、隣り合う磁極歯部1aに配置してある反力抑止板31とは接触しない。
その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0057】
以上のような電機子は、反力抑止板31の一面と歯先1cとが略同一平面上に位置し、また、反力抑止板31と磁極歯部1aとを密着しているため、歯先1cと反力抑止板31との磁気的結合を向上できる。また、歯先1cに直接外力が加わることを防止できるため、歯先1cを保護することができる。また、反力抑止板1cを前記並設方向の両側面に固定することができるため、取り付けられた反力抑止板31の安定性を向上する。また、反力抑止板31,31,…の取り付け又は取り外しが容易であるため、必要に応じて容易にコイル2,2,…を交換することができる。また、反力抑止板31,31,…がスロット10,10,…の開口部10aの面積を減少するため、コイル2,2,…の脱落を防止できる。更に、あらかじめ成形されているコイル2,2,…を巻装するため、導線の占積率を容易に向上することができる。
【0058】
また、前記電機子を備えるリニアモータは、反力抑止板31,31,…によって歯先1cと歯先1cとの間の距離を減少するため、実施の形態1のリニアモータと同様の効果を得ることができる。
【0070】
実施の形態 3.
図10は本発明の実施の形態3に係るリニアモータに備えられる電機子の構成を示す模式的斜視図、図11は実施の形態3に係るリニアモータの模式的縦断面図である。電機子コア15は、長手方向の両端部を除けば実施の形態1等のリニアモータの電機子コア1等と同様の構成であり、基部15dの一面にスロット150,150…を夫々隔てる磁極歯部15a,15a…を突出しており、各磁極歯部15aにコイル2を巻装すると共に各磁極歯部15aの凹部15bに反力抑止板35を固着してある。実施の形態1等の電機子コア1等との相異点は、基部15dの各磁極歯部15aの並設方向の端部に壁部15eを突出させると共に、壁部15eと隣り合う磁極歯部15aとの間に形成される空間160の開口部160aにも磁性体製の反力抑止板35を固着していることである。
【0071】
壁部15eは基部15dと同等の幅寸法を有しており、先端15fの高さを磁極歯部15aの歯先15cの高さと同等の寸法に設定している。また、壁部15eの基部15dからの突出位置及び各磁極歯部15aの並設方向の壁部15eの厚みは、電機子コア15の歯先側全長Lが数式(2)を満たすことができる寸法に設定している。
【0072】
即ち、図11のリニアモータ30は、電機子24を可動子とし、この電機子24と対向する固定子26に、交互に隔離配置される永久磁石25sと永久磁石25nとを設けて界磁部を構成し、電機子コア15の一方の壁部15eから他方の壁部15eまでの歯先側全長Lが、永久磁石25s、25nの磁石ピッチPの2.5倍に磁石ピッチPに係数βを掛けた数値を加えた寸法となるように、壁部15eの突出位置及び厚み寸法を設定している。
【0073】
なお、永久磁石25sは電機子24の磁極歯部15aの歯先15cとの対向側をS極にして固定子26の基部26a側をN極にする一方、永久磁石25nは磁極歯部15aの歯先15cとの対向側をN極にして基部26a側をS極にしている。また、各永久磁石25s、25nには面取りを施していないので、本実施形態では、数式(2)において係数αは影響しなくなり、係数βのみが反力抑止板35の枚数に応じて影響を及ぼすことになる。
【0074】
これら両側の壁部15eは、磁束のバランスを考慮して電機子コア15の長手方向の中心に対して対称な位置に突出させると共に、同等の厚み寸法に設定している。さらに、各壁部15eは、磁極歯部15aと対向する側の先端15f近傍に、磁極歯部15aの凹部15bと同様の壁凹部15gを形成し、空間160の開口部160aに穴部35bを有する反力抑止板35を固着している。なお、このように反力抑止板35を固着することで、電機子コア15の壁部15eを設けた端部の剛性を確保している。また、電機子コア15の各スロット150及び壁部15eと磁極歯部15aで形成される空間160に、自己融着線のエナメル線で整列巻きに成形したコイル2を収め、「120°一層配置」の巻き方の三相(U相、V相、W相)を形成している。
【0075】
上述したように形成されたリニアモータ30は、電機子24の歯先側全長Lが数式(2)の関係を満たしているので、ディテント力が最小になり、スムーズな動作を実現している。また、電機子24は、両端の壁部15eにより両端箇所でも磁路が構成されて磁気抵抗が減少している。さらに、壁部15eは、高さを各磁極歯部15aと同等の高さにしているので、壁部15eの先端面と各磁極歯部15aの歯先面は同一面になり、固定子26との対向面積が増加して磁気結合力が増大し、リニアモータの推力は向上している。また、壁部15eの存在により電機子コア15の体積が増大して熱容量が増加しているので、使用により発熱するコイルの温度上昇を緩和し、安定した動作を確保している。
【0076】
なお、実施の形態3に係るリニアモータは、上記形態以外にも種々の変形が可能であり、例えば、電機子24の歯先側全長Lは、種々の制限等により数式(2)の関係を満たすことができない場合でも、数式(2)を満たす寸法に近い値に設定したほうがよい。このようにすることで、ディテント力も最小値に近付き、ディテント力を低減できる。
【0077】
また、両端の壁部15eは、必ずしも各所を同等の寸法に設定する必要はなく、何れか一方の壁部15eの厚み寸法を他方の壁部15eの厚み寸法と相異させるようにしてもよく、高さ寸法も磁極歯部15aの歯先高さを基準にして適宜増減させてもよい。なお、壁部15eの高さは、磁極歯部15aの歯先高さと同等にするのが界磁部へ均等に対向させる観点から好ましいが、壁部15eと磁極歯部15aの高さの差が数ミリメートル以内であれば、壁部15eと磁極歯部15aの高さが同一の場合と、ほぼ同等の程度でリニアモータの推力を向上できる。また、壁部15eは必ずしも電機子コア15の両方に設ける必要はなく、磁束のバランスは悪くなるが、数式(2)の関係を満たす場合、又は、数式(2)を満たす値に近似すれば、何れか一方の端部のみに壁部15eを設けるようにしてもよい。
【0078】
また、電機子コア15に固着する反力抑止板35は、図11に示す中央に穴部35bを有する形態以外にも、実施の形態2のリニアモータに使用される各種反力抑止板を適用することも可能である。さらに、軽量化や反力抑止板35に対するコスト低減等の観点から、壁部15eと磁極歯部15aで形成される空間160に固着する反力抑止板35は省略するようにしてもよい。このように端部側の反力抑止板を省略した場合、電機子コア15の形態が相異することになり、数式(2)の係数βの数値も変化する。
【0079】
さらに、また、各磁極歯部15a間に固着する反力抑止板35の枚数を低減して、反力抑止板35の影響が低減された場合は、電機子コア15の歯先側全長Lが数式(2)ではなく、数式(1)を満たすように、壁部15eの厚みを設定して、ディテント力を低減するようにしてもよい。
【0080】
次に、本出願人は、壁部15eによるディテント力の低減を確認するため、壁部の無い実施の形態1に係るリニアモータと、壁部を有する実施の形態3に係るリニアモータとを比較する実験2を行った。
【0081】
実験2では、壁部の無いリニアモータには、実験1で使用した反力抑止板を固着した電機子を可動子にするものを用いた。
一方、壁部の有るリニアモータは、図11に示す電機子24であって、電機子コア15には、全長及び歯先側全長Lが、実験1の壁部の無いリニアモータの電機子の全長L3の1.27倍、基部15dの外面から壁部15eの先端15fまでの高さHが磁極歯部15aの歯先と同一の高さに揃えたものを用いた。
【0082】
また、固定子26の界磁部を形成する各永久磁石25n、25sは、直方体形状で各角部が直角であり、電機子24との対向側からの平面視で各辺の比が5:4のものを用いると共に、短辺側を電機子24の進行方向に一致させて、磁石ピッチPを各磁極歯部15aのピッチの3倍となるように配置した。上述した2種類のリニアモータを実験1と同一の条件で一定時間作動させた場合のディテント力の最大値及び平均値を測定した。以下、この測定結果を表2に示す。
【0083】
【表2】
【0084】
壁部の有るリニアモータは、ディテント力の最大値が37.5Nとなり、壁部の無いリニアモータに対して25%、ディテント力が低減された。また、ディテント力の平均値に関しても、壁部の有るリニアモータは30.0Nとなり、壁部の無いリニアモータに対して25%、ディテント力が低減された。なお、壁部の有るリニアモータは、実験1における表1の反力抑止板の無い従来のリニアモータと比べると、ディテント力の最大値及び平均値が約30.0N以上も低減されたことも確認できた。
【0085】
このようにディテント力を低減できた理由としては、壁部の有るリニアモータの方が、壁部を設けることで歯先側全長Lが数式(2)の関係を満たす数値に近付けることができたためと考えられる。即ち、壁部の有るリニアモータは、歯先側全長L/磁石ピッチPの値が2.63となる一方、壁部の無いリニアモータは歯先側全長L/磁石ピッチPの値は1.77となるので、壁部の有るリニアモータの方が一段と数式(2)の関係を近似できるためと考えられる。
【0086】
また、本出願人は、壁部15eによるリニアモータの推力の向上を確認するため、壁部の無い実施の形態1に係るリニアモータと、壁部の有る実施の形態3に係るリニアモータとを比較する実験3を行った。実験3では、実験2で使用したものと同様の2種類のリニアモータ、即ち、壁部の無いリニアモータと、壁部の有るリニアモータとで比較した。
【0087】
上述した2種類のリニアモータの電機子に通電する最大電流が、夫々250%(定格100%)、300%、350%となる計3通りの場合に、電機子の速度が0、2、3メートル毎秒において推力(N)がどのように変化するかを測定した。この測定結果を表3に示す。
また、上述した2種類のリニアモータに接続するリニアモータ用ドライブを操作し、電流の比率を0%から上昇させた場合に、発生した推力(N)を測定した。この測定結果を図12のグラフに示す。なお、図12のグラフにおいて線Dは壁部の無いリニアモータのものであり、線Eは壁部の有るリニアモータのものである。
【0088】
【表3】
【0089】
表3より、壁部の有るリニアモータの推力は、壁部の無いリニアモータに対して、あらゆる最大電流の全速度域で上回った。詳しくは、速度が0メートル毎秒、即ち、リニアモータが発進しようとする際の最大電流が300%及び350%の場合では、壁部の有るリニアモータの推力が約30N以上も壁部の無いリニアモータより大きくなった。
【0090】
また、リニアモータが一旦動き出した後、速度が2メートル毎秒及び3メートル毎秒になった場合は、あらゆる最大電流で壁部を有するリニアモータの推力が約34N以上、壁部の無いリニアモータより大きくなった。このように壁部を設けることでリニアモータの推力が確実に向上することが判明した。
【0091】
一方、図12のグラフにおいても、リニアモータ用ドライバの電流をどのような比率に設定しても、壁部の有るリニアモータは、壁部の無いリニアモータに比べて発生する推力が大きくなっており、特に、リニアモータ用ドライバによる電流の比率が大きくなるほど、発生する推力の差は大きくなった。
【0092】
即ち、電流の比率が100%の場合、壁部の有るリニアモータの推力は約65Nである一方、壁部の無いリニアモータの推力は約50Nであり、その差は約15Nであった。また、電流の比率が200%の場合、壁部の有るリニアモータの推力は約125Nである一方、壁部の無いリニアモータの推力は約100Nであり、その差は約25Nに広がった。さらに、電流の比率が300%の場合では、壁部の有るリニアモータの推力は約190Nである一方、壁部の無いリニアモータの推力は約150Nであり、その差は約40Nに広がった。
【0093】
このように、電機子コアに壁部を設けることにより、リニアモータの推力が向上することが確認でき、また、電流の比率が大きくなるほど、向上する度合いも大きくなることが確認できた。なお、本出願人は、壁部を有する実施の形態3に係るリニアモータとして、電機子コア15の歯先側全長Lが、実験1の従来のリニアモータにおける電機子コア13の全長の1.29倍の電機子コアを製作し、上述した実験3と同様に推力を測定した結果、全ての場合において、壁部のあるリニアモータの推力が、壁部の無いリニアモータの推力を上回ることも確認した。
【0094】
実施の形態 4.
図13は本発明の実施の形態4に係るリニアモータの模式的縦断面図である。実施の形態4のリニアモータ40は、電機子に実施の形態3に係る電機子24と同等の構成の電機子24′を用いると共に、電機子24′と対向配置される固定子41の界磁部を、電機子24′の磁極歯部15a′の歯先15c′との対向側をS極にする永久磁石45と、該対向側をN極にする永久磁石46とを交互配置することで構成している。また、各永久磁石45、46のモータ進行方向の端部45c、46cを面取りした形状にしている。
【0095】
具体的には、図14(a)に示すように、各永久磁石45(46)は直方体状であり、リニアモータ40の電機子24′の進行方向と同方向の断面を想定した場合において、歯先15c′と対向する面45a(46a)の両側の端部45b(46b)を平面45c(46c)で面取りした形状にしている。この実施の形態4に係るリニアモータ40の電機子24′の歯先側全長Lも数式(2)の関係を満たす寸法に設定し、ディテント力を低減するようにしている。
【0096】
なお、実施の形態4に係るリニアモータ40は、上記形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、可動子として適用するのは、実施の形態3に係るリニアモータの電機子24′に限定されるものではなく、他の実施の形態に係るリニアモータの電機子を、数式(2)を満たす寸法に設定して適用するようにしてもよい。また、各電機子の歯先側全長は、数式(2)の関係を満たす数値に近い寸法を設定しても、ディテント力をある程度、低減できる。
【0097】
さらに、界磁部を構成する永久磁石45、46は、電機子24′と対向する面45a(46a)の全周を面取りするようにしてもよく、その他にも、図14(c)に示すように、端部45b(46b)を曲面Rで面取りするようにしてもよい。
【0098】
次に、本出願人は、界磁部を構成する永久磁石に面取りを施した場合に、面取りを施さないものと比べて、ディテント力を最小にできる電機子の歯先側全長がどのように相異するかを確かめるため、実験4を行った。実験4では、固定子側の永久磁石に面取りを施していないリニアモータと、2種類の固定子側の永久磁石に面取りを施したリニアモータとに対して、電機子コアの歯先側全長と固定子の各永久磁石との比を適宜変更して、ディテント力の変化を測定し、その結果を図15のグラフに示す。
【0099】
図15のグラフにおいて、(2:1)面取りとは、図14(b)においてY方向の面取り寸法yを基準寸法として1に設定すると共に、X方向の面取り寸法xとY方向の面取り寸法yとの比が2:1であることを意味し、(4:1)面取りは、(2:1)面取りの基準寸法に対して、X方向の面取り寸法xが4倍、Y方向の面取り寸法yが1倍であることを意味する。
【0100】
図15のグラフにおいて、面取りの無い永久磁石のリニアモータは、数式(1)の関係を満たす場合、即ち、歯先側全長/磁石ピッチが1.5、2.5になる場合、ディテント力が最小になる。また、(2:1)面取りの永久磁石のリニアモータ及び(4:1)面取りの永久磁石のリニアモータは、ディテント力が最小になる歯先側全長/磁石ピッチは、面取りの無い永久磁石のリニアモータに比べて大きくなり、ディテント力の変化周期の位相がずれることが分かった。
【0101】
さらに、本出願人は、歯先側全長が同一の電機子を有する各リニアモータにおいて、固定子側の永久磁石に面取りを施すことによりディテント力がどのように変化するかを確認するため、固定子の永久磁石の各角部が直角のリニアモータと、固定子の永久磁石を面取りしたリニアモータとのディテント力を比較する実験5を行った。
【0102】
実験5では、各電機子の歯先側全長を、実験1の電機子コア13の全長L3の1.26倍に統一し、実験4と同様に固定子側の永久磁石が面取り無しのもの、(2:1)の面取りをしたもの、(4:1)の面取りをしたものの計3種類のリニアモータを比較した。これら各リニアモータは、固定子側の永久磁石を、磁石ピッチを電機子の各磁極歯部のピッチの3倍で配置した。また、各リニアモータの可動子の電機子には実験2の壁部の有るものと同等のものを使用した。これらのリニアモータを実験1及び実験2と同一条件で一定時間作動させた場合のディテント力の最大値(N)と平均値(N)とを測定した。この測定結果を表4に示す。
【0103】
【表4】
【0104】
表4より、(2:1)面取りのリニアモータは、面取り無しのリニアモータに対し、ディテント力の最大値及び平均値の両方が半減された。また、(4:1)面取りのリニアモータは、面取り無しのリニアモータに対し、ディテント力の最大値は僅かに低減され、平均値は半減された。
【0105】
このように同一長の歯先側全長を有する電機子に対して、固定子側の永久磁石に面取りを施すことで、ディテント力を低減できたのは、面取りの有無で図15に示すようにディテント力の変化周期の位相がずれるため、実験5に係る電機子の歯先側全長が、(2:1)面取りのリニアモータにおけるディテント力の最小となる周期箇所に合致あるいは近接したためと考えられる。
【0106】
なお、(2:1)面取りのリニアモータ及び(4:1)面取りのリニアモータは、実験1における表1の反力抑止板の無い従来のリニアモータと比べると、ディテント力の最大値及び平均値共、大幅に低減されており、特に平均値においては、従来のリニアモータの4分の1以下に低減されたことが確認できた。
【0107】
また、本出願人は、壁部を有しない電機子に対しても、界磁部を構成する永久磁石に面取りを施すことでディテント力を低減できるかを確認するために、壁部を有しない電機子のリニアモータを用いて実験6を行った。
【0108】
実験6では、実験5と同様に3種類のリニアモータの比較を行った。各3種類のリニアモータの固定子の永久磁石の面取りの有無及び面取りの程度、磁石ピッチは、実験4と同様にした。一方、各リニアモータの可動子の電機子には実験1の壁部の無い電機子コアと同一寸法の歯先側全長で、反力抑止板を固着したものを使用した。
【0109】
これら各リニアモータを実験1、2及び5と同一条件で一定時間作動させた場合のディテント力の最大値(N)と平均値(N)とを測定した。この測定結果を表5に示す。
【0110】
【表5】
【0111】
表5より、(2:1)面取りのリニアモータ及び(4:1)面取りのリニアモータの両者は、面取り無しのリニアモータに対して、ディテント力の最大値及び平均値が低減され、特に、(4:1)面取りのリニアモータの方が低減される程度が大きかった。このように実験6から、電機子コアの壁部の有無に関わらず、界磁部を形成する永久磁石に面取りを施すことで、ディテント力を大幅に低減できることが判明した。
【0112】
さらに、本出願人は、永久磁石の面取り寸法が、数式(2)の係数αにどのような変化を及ぼすかを確認するために実験7を行った。実験7では2種類のリニアモータを使用し、一方のリニアモータには固定子側の永久磁石に、実験4で適用した(2:1)面取りのものを用い、他方のリニアモータは固定子側の永久磁石に(4:1)面取りのものを用いた。また、両方のリニアモータは、電機子に図11の電機子24と同等の反力抑止板35を7枚固着した構成で、両端の壁部15eの厚みを調整可能にしたものを用いた。
【0113】
実験7では、壁部15eの厚みを適宜変更することで、電機子コアの歯先側全長と、永久磁石が配置される一定の磁石ピッチとの割合を適宜変化させた場合のディテント力を夫々測定した。この結果を図16のグラフに示す。
【0114】
図16のグラフに示すように、(2:1)面取りのリニアモータは、歯先側全長/磁石ピッチが2.67の時にディテント力が最小になったが、(4:1)面取りのリニアモータは、歯先側全長/磁石ピッチが2.7の時にディテント力が最小になった。このことより、数式(2)において界磁部を構成する永久磁石の面取り寸法が大きいほど係数αの数値も大きくなり、ディテント力を最小にする電機子コアの歯先側全長が長くなることを確認した。
【0115】
さらに、また、本出願人は、電機子コアに固着される反力抑止板の枚数が、数式(2)の係数βにどのような変化を及ぼすかを確認するために実験8を行った。実験8でも2種類のリニアモータを使用し、一方のリニアモータの電機子には実験7と同様の構成であり反力抑止板35を7枚固着したものを用い、他方のリニアモータの電機子には反力抑止板の枚数以外は同様の構成であり反力抑止板35を5枚固着したものを用いた。なお、固定子側の永久磁石には、共に(4:1)面取りのものを用いた。実験8でも、実験7と同様に歯先側全長/磁石ピッチを適宜変化させた場合のディテント力を夫々測定した。この結果を図17のグラフに示す。
【0116】
図17のグラフに示すように、7枚の反力抑止板を固着したリニアモータは、歯先側全長/磁石ピッチが2.7の時にディテント力が最小になったが、5枚の反力抑止板を固着したリニアモータは、歯先側全長/磁石ピッチが2.6の時にディテント力が最小になった。このことより、数式(2)において電機子の反力抑止板の枚数が多いほど係数βの数値も大きくなり、ディテント力を最小にする電機子コアの歯先側全長が長くなることを確認した。
【0117】
【発明の効果】
本発明のリニアモータによれば、電機子コアのスロット内に、反力抑止板を磁極歯部の歯先近傍に密着配置して備えることにより、リニアモータの可動子又は固定子として用いられる電機子は、該電機子の磁極歯部側に対向して固定子又は可動子が配置され、該固定子又は可動子は磁極歯部に対向して界磁部を有する。界磁部は、例えばS極の永久磁石とN極の永久磁石とを、磁極歯部の並設方向に、交互に離隔配置してなる。界磁部と電機子とが前記並設方向に相対移動するとき、磁界が磁極歯部の歯先の端部の影響を受け、界磁部から電機子に対して作用する吸引力が、前記歯先の端部の影響を受けることによって、吸引力の前記並設方向の成分が、相対移動方向の逆方向に大きくなる場合、前記成分はディテント力と呼ばれるリニアモータの推力の反力として作用する。歯先と歯先との間の距離が大きいほど前記影響は顕著になるが、反力抑止板は磁極歯部の歯先近傍に密着してスロット内に配置してあり、該反力抑止板によって歯先と歯先との間の距離を小さくして、前記影響を小さくするため、ディテント力を低減することができる。
【0118】
また、ディテント力が減少することによって推力の低下が抑制され、無効電流が小さくなってリニアモータの発熱量を低減し、また、前記影響が小さいため、該影響の度合が相対移動に伴って変動し、ディテント力が変動することによって推力が大きく変動することを抑制できるため、リニアモータの性能を向上することができる。
また、反力抑止板と磁極歯部とを密着しているため、歯先と反力抑止板との磁気的結合を向上することができる。
また、反力抑止板を配置する前に、磁極歯部に導線を整列巻きに巻き付けてコイルを形成することによって、スロット内の導線の占積率を向上できるため、リニアモータの効率を向上することができる。又は、磁極歯部に、あらかじめ導線を整列巻きにして成形されているコイルを巻装することができるため、導線の占積率を容易に向上することができて、リニアモータの効率を向上することができる。
また、反力抑止板が開口部の面積を減少するため、コイルの脱落を防止することができる。
【0119】
また、穴部を有する反力抑止板を隣り合う磁極歯部に密着配置することにより、各反力抑止板を、該反力抑止板の両端部が隣り合う磁極歯部に密着し、該磁極歯部の歯先に隣り合うように配置することによって、隣り合う磁極歯部同士が反力抑止板によって一体化することとなり、磁極歯部の並設方向の外力が磁極歯部に加えられた場合、該外力を複数の磁極歯部に分散して支えることができるため、電機子の剛性を向上する。また、歯先に直接外力が加わることを防止できるため、歯先を保護することができる。また、隣り合う磁極歯部に反力抑止板を固定することができるため、取り付けられた反力抑止板の安定性を向上する。
更に、反力抑止板の穴部はスロットの開口部として作用するため、請求項1に記載のリニアモータと同様の効果を得ることができる。
【0120】
また、反力抑止板は凸部を有し、該凸部を、磁極歯部に設けられた凹部に挿入して着脱可能に固着してあることにより、反力抑止板は、歯先近傍に設けられた凹部に挿入して着脱可能に固着する。このため、例えば、コイルの組み込み、コイルの巻きなおし又はコイルの交換を行なう必要がある場合に、反力抑止板の着脱が容易であるため、反力抑止板の取り付け又は取り外しの作業性が向上する。また、反力抑止板と磁極歯部とを、凸部及び凹部を用いて密着しているため、歯先と反力抑止板との磁気的結合を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るリニアモータに備えられる電機子の構成を示す模式的斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係るリニアモータに備えられる電機子の模式的縦断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係るリニアモータに備えられる電機子のコイルを省略した状態の模式的平面配置図である。
【図4】 本発明の実施の形態1に係るリニアモータの側面の構成を示す模式図である。
【図5】 本発明の実施の形態1に係るリニアモータの正面の構成を示す模式図である。
【図6】 従来のリニアモータを用いた場合のディテント力を示すグラフである。
【図7】 本発明の実施の形態1に係るリニアモータを用いた場合のディテント力を示すグラフである。
【図8】 本発明の実施の形態2に係るリニアモータに備えられる電機子のコイルを省略した状態の模式的平面配置図である。
【図9】 本発明の実施の形態2に係るリニアモータに備えられる電機子の模式的縦断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態3に係るリニアモータに備えられる電機子の構成を示す模式的斜視図である。
【図11】 本発明の実施の形態3に係るリニアモータに備えられる電機子の模式的縦断面図である。
【図12】 本発明の実施の形態3に係るリニアモータを用いた場合の推力を示すグラフである。
【図13】 本発明の実施の形態4に係るリニアモータに備えられる電機子の模式的縦断面図である。
【図14】 本発明の実施の形態4に係るリニアモータの界磁部を構成する永久磁石であり、(a)は斜視図、(b)は要部拡大図、(c)は変形例の要部拡大図である。
【図15】 本発明の実施の形態4に係るリニアモータを用いた場合のディテント力を示すグラフである。
【図16】 実験7に係るグラフである。
【図17】 実験8に係るグラフである。
【図18】 従来のリニアモータに備えられている電機子の模式的縦断面図である。
【図19】 従来のリニアモータの側面の構成を示す模式図である。
【図20】 リニアモータに対して経験的に知られるディテント力の変化を示すグラフである。
【図21】 リニアモータにおける固定子の永久磁石に係るスキュー角度を示す模式図である。
【図22】 従来のリニアモータに備えられている半閉型スロットを有する電機子の模式的縦断面図である。
【符号の説明】
1 電機子コア
10 スロット
10a 開口部
1a 磁極歯部
1c 歯先
2 コイル
3 反力抑止板
3b 穴部
4 電機子
15e 壁部
25n、25s 永久磁石
26 固定子
30 リニアモータ
Claims (3)
- スロットを隔てて複数並設してある磁極歯部を有する電機子コアと、前記磁極歯部に巻装してあるコイルとを備える電機子を用いてなるリニアモータにおいて、
前記電機子は、前記磁極歯部が直方体形状であり、前記スロット内に、前記磁極歯部の歯先近傍に密着配置してある磁性体製の複数の反力抑止板を備え、該反力抑止板は穴部を有し、該反力抑止板の両端部が、前記スロットの開口部を隔てて隣り合う磁極歯部に、夫々密着していることを特徴とするリニアモータ。 - 前記反力抑止板は、前記磁極歯部の並設方向の端部に、該並設方向に突出する凸部を有し、前記磁極歯部は、前記並設方向の側面の歯先近傍に、該歯先に略平行となる位置に、前記凸部を嵌合すべき凹部を有し、該凹部に前記凸部を挿入して、前記反力抑止板を前記磁極歯部に着脱可能に固着してあることを特徴とする請求項1記載のリニアモータ。
- スロットを隔てて複数並設してある磁極歯部を有する電機子コアと、前記磁極歯部に巻装してあるコイルとを備える電機子を用いてなるリニアモータにおいて、
前記電機子は、前記磁極歯部が直方体形状であり、前記スロットの開口部の一部を覆うべく、前記歯先近傍に密着配置してある磁性体製の複数の反力抑止板を備え、該反力抑止板は、コの字型の板状であり、前記磁極歯部の並設方向の端部に、該並設方向に突出する凸部を有し、前記磁極歯部は、前記並設方向の側面の歯先近傍に、該歯先に略平行となる位置に、前記凸部を嵌合すべき凹部を有し、該凹部に前記凸部を挿入して、前記反力抑止板が前記磁極歯部を挟むようにして着脱可能に固着してあることを特徴とするリニアモータ。
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