JP3856036B2 - 液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は液滴吐出ヘッドの製造方法に係り、特に圧電体の変形によって液に吐出力を与えることでノズルから液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドの製造方法に関する。
インクジェット記録装置は、インク吐出用のノズルを備えた記録ヘッドに対して記録紙等の記録媒体を相対的に移動させながら、印字信号に応じて記録ヘッドからインクを吐出させることにより記録媒体上にインク滴を着弾させ、そのインクドットによって画像を形成する。
特許文献1乃至5は、円筒状の圧電アクチュエータを利用するインクジェット記録ヘッドを開示している。特許文献1に示された記録ヘッドは、インク噴射口(オリフィス)を有する複数の円筒管が台座上で一列に並べられ、該円筒管列を挟んで台座面と対向配置された電歪振動子の電歪現象によって各円筒管を変形させることにより管内のインクを加圧してオリフィスからインク滴を吐出させる構造になっている。また、同文献においては、円筒管の側面に円筒状の電歪素子を取り付ける方式(振動子円筒型)も紹介されている。
特許文献2は、円柱状の圧力室形成部を含んだ空孔パターン部材を電極材溶液と圧電材溶液とに交互に複数回浸した後、焼成工程を行うことにより、円筒状の積層型圧電素子を製造する方法を提案している。
特許文献3は、金属円筒の表面に水熱合成法で圧電体を形成することを提案している。
特許文献4は、インク供給部となる中空フレームに複数の孔を等間隔で一直線上に形成するとともに、各孔に樹脂ワイヤ等(高温環境化で気化して消失する材料)からなるピンを固定し、これらピンの周囲及びその基端部を支持するフレームの一部にスラリ浸漬工程によって圧電材料を塗膜し、乾燥後の焼成工程によりピンを消失させ、めっき工程によって圧電体の内面に共通電極、外面に個別電極を形成する製造方法を提案している。
また、特許文献5は、インク供給部となる中空フレームに複数の孔を等間隔で一直線上に形成するとともに、各孔に管状電極を固定し、これら管状電極及びその基端部を支持するフレームの一部にスラリ浸漬工程によって圧電材料を塗膜し、乾燥後の焼成工程を経てめっき工程により圧電体外周面に個別電極を形成する製造方法を提案している。
特開平6−23987号公報 特開平8−20109号公報 特開平8−336967号公報 特開平9−277528号公報 特開平9−300614号公報
しかしながら、特許文献1に示されているように、円筒管(ガラス管)にグリーンシートを巻き付ける方式の場合、製造工程における管全体のハンドリング性を考慮すると、管径を太くせざるを得ず、このためノズルを高密度に作成することができなかった。
また、特許文献2,4,5に示されているように、浸漬によって圧電体を形成した後に焼成する方法では、所望の圧電体厚及び電極厚を得るために複数回の浸漬を繰り返さなければならず、工程が長時間となり実用的でない。また、焼成温度をステンレス綱(SUS)やニッケル(Ni )の融点或いは酸化変質を伴う温度以上に設定する必要があるため、焼成前に電極材料を付ける方式では電極材料が限定される。このため、電極をめっき等の簡便な方法で作成することができない場合もあり、プロセスの制約になる。
一方、特許文献3に開示されている水熱合成法は、使用できる基体がほぼチタンに限定されるため、基体材料の自由度が無く、また着膜速度も遅いため実用的ではない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、液滴吐出口(ノズル)の高密度化を実現できるとともに、材料選択の自由度が高い実用的な液滴吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数の液滴吐出口と、各液滴吐出口に連通する圧力室内の液に圧力変化を生じさせて前記液滴吐出口から液滴を吐出させる圧電アクチュエータと、を有する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、前記圧力室を構成する中空の筒形状を有する型部材を用い、前記型部材の内壁に噴射堆積法によって圧電材料の粒子を堆積させて筒形状の圧電体を形成する工程と、前記筒形状の圧電体の内壁に電極を形成する工程と、を含み、前記圧電体を形成する工程は、前記型部材の内側に微粒子噴射用のスプレーノズルを挿入し、前記スプレーノズルから少なくとも前記圧電材料の粒子を噴射して前記型部材の軸方向に順次前記圧電体を形成するとともに、前記圧電体の組成を前記軸方向に沿って段階的又は連続的に変化させることを特徴とする。
本発明によれば、中空の筒形状を成す型部材を用意し、その型部材の内側に噴射堆積法を利用して圧電体を付着させることで当該型部材の内壁形状に沿った筒形状の圧電体層を形成する。型部材が樹脂その他の非導電性材料で形成されている場合は、圧電体形成工程の前に、当該型部材の内周面に電極(第1の電極)を形成する工程が付加される。ただし、型部材が金属など導電性材料で形成されている場合は、当該型部材自体が電極(第1の電極)として機能し得るため、第1の電極の形成工程を省略できる。
噴射堆積法は、材料の粉体を高速で基板に吹き付けて堆積させることにより膜を形成する技術であり、エアロゾルデポジション法又はガスデポジション法とも呼ばれる(以下「AD法」という)。AD法は、スパッタリングなどの他の堆積法に比べて厚膜化が容易であり、また、原料の粉体の結晶構造を維持することができる利点がある。
本発明における圧電アクチュエータは、AD法を利用して型部材の内側に形成される。
また、AD法によって型部材の内壁に圧電体を形成した後、更にその圧電体内周面に電極(第2の電極)が形成される。こうして、型部材の内側に筒形状の圧電アクチュエータが形成される。なお、圧電体を挟む電極は、めっきや蒸着など周知の手法によって形成してもよいし、AD法によって形成してもよい。
本発明によれば、型部材の厚さを比較的薄く形成することが可能であるとともに、筒形状の型部材の内側から圧電体及び電極を形成するため、圧電アクチュエータの細管化も可能であり、液滴吐出口及びこれに対応する圧力室並びに圧電アクチュエータからなる吐出素子を高密度で配置することが可能となる。なお、液滴吐出口の配列形態としては、一次元配列(ライン状配列)、2次元配列(マトリックス状配列)など、多様な配列形態が可能である。
更に、本発明は、AD法を利用するため、使用可能な材料の自由度が大きく、製造上の制約が少ないという利点がある。
また、本発明は、前記型部材の内側に微粒子噴射用のスプレーノズルを挿入し、前記スプレーノズルから少なくとも前記圧電材料の粒子を噴射して前記型部材の軸方向に順次前記圧電体を形成する特徴とする。
例えば、型部材の一方の端部から軸方向に沿って順次圧電体を形成して行く態様が好ましい。
AD法によって圧電体を軸方向に順次形成する製造方法を用いることにより、圧電体の組成を軸方向に異ならせることができる。圧電アクチュエータを構成している圧電体の材料の組成(成分及びその混合比)を変えることにより圧電定数を変えることができ、所望の変位特性を得ることが可能である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の液滴吐出ヘッドの製造方法の一態様に係り、前記型部材は、前記液滴吐出口の配列形態に応じて2次元的に配置されることを特徴とする。
各圧力室に対応する中空の型部材を2次元マトリックス構造で並べて配置することにより、液滴吐出口の一層の高密度化を実現できる。
請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の液滴吐出ヘッドの製造方法に係り、前記圧電体の厚さを前記軸方向に沿って段階的又は連続的に変化させることを特徴とする。
圧電材料の組成を異ならせる態様と併用して、圧電体層の厚さを変えることにより、変位特性を変える態様もある。
圧電アクチュエータの変位特性を筒形状の軸方向に異ならせた構造により、駆動電圧印加時の変位量、変形位置、変位タイミングなどを軸方向に異ならせ、所望の変位分布(すなわち、加圧分布)を得ることが可能となる。
これにより、圧力室の側面を均一に変形させる構成と比較して、軸方向への液の流れを一層促進し得る圧力室壁の振動を実現でき、吐出力の向上やリフィルの高速化を達成できる。したがって、高粘度液の吐出や高速吐出が可能となる。
請求項記載の発明は、請求項1乃至の何れか1項記載の液滴吐出ヘッドの製造方法の一態様に係り、前記型部材の軸方向の端部に接合されるプレート部材に前記複数の液滴吐出口を形成をすることを特徴とする。
プレート部材は、AD法による圧電体形成時に型部材を支持する支持プレートとして利用されるものであってもよいし、支持プレートとは別に作成されるノズルプレートであってもよい。
請求項記載の発明は、請求項記載の液滴吐出ヘッドの製造方法の一態様に係り、前記筒形状の圧電体の内側に形成される前記圧力室の流路断面は略円形であり、当該圧力室の内径は前記軸方向の端部の前記液滴吐出口に向かって次第に小さくなる構造を有していることを特徴とする。
圧力室の軸方向端部に形成されている液滴吐出口に向かって圧力室の内径(すなわち、流路断面積)が次第に小さくなる構造とし、よどみのない流路を構成する態様が好ましい。これにより、気泡残留による圧力損失、吐出不良を回避できる。
請求項8記載の発明は、前記目的を達成する画像形成装置を提供する。すなわち、請求項8に係る画像形成装置は、請求項1乃至7の何れか1項記載の液滴吐出ヘッドの製造方法によって製造された液滴吐出ヘッドを有し、前記液滴吐出口から吐出した液滴によって記録媒体上に画像を形成することを特徴とする。
例えば、当該画像形成装置に適用される液滴吐出ヘッドは、画像データに基づいて圧電アクチュエータを制御することで液滴吐出口(ノズル)から液滴が吐出され、所望のドット配置が実現される。
液滴吐出ヘッドの構成例として、記録媒体の全幅に対応する長さにわたってインク吐出用の複数のノズルを配列させたノズル列を有するフルライン型のインクジェットヘッドを用いることができる。
この場合、記録媒体の全幅に対応する長さに満たないノズル列を有する比較的短尺の吐出ヘッドブロックを複数個組み合わせ、これらを繋ぎ合わせることで全体として記録媒体の全幅に対応するノズル列を構成する態様がある。
フルライン型のインクジェットヘッドは、通常、記録媒体の相対的な送り方向(相対的搬送方向)と直交する方向に沿って配置されるが、搬送方向と直交する方向に対して、ある所定の角度を持たせた斜め方向に沿ってインクジェットヘッドを配置する態様もあり得る。
「記録媒体」は、液滴吐出ヘッドの作用によって画像の記録を受ける媒体(被吐出媒体、印字媒体、被画像形成媒体、被記録媒体、受像媒体など呼ばれ得るもの)であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、配線パターン等が形成されるプリント基板、中間転写媒体、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
記録媒体と液滴吐出ヘッドを相対的に移動させる搬送手段は、停止した(固定された)液滴吐出ヘッドに対して記録媒体を搬送する態様、停止した記録媒体に対して液滴吐出ヘッドを移動させる態様、或いは、液滴吐出ヘッドと記録媒体の両方を移動させる態様の何れをも含む。
本発明によれば、中空の筒形状を成す型部材の内側にAD法を利用して圧電体を形成するため、型部材の高密度配置及び圧電アクチュエータの細管化が可能であり、液滴吐出口の高密度化を達成できる。また、本発明は、使用可能な材料の選択の自由度が大きく、製造上の制約が少ないという利点があり、生産性の向上を実現できる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係る液滴吐出装置を用いたインクジェット記録装置の全体構
成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、ヘッドという。)12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録媒体たる記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
インク貯蔵/装填部14は、各ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンクを有し、各タンクは所要の管路を介してヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによって記録紙16がベルト33上に吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図9中符号188)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12の各ヘッド12K,12C,12M,12Yは、当該インクジェット記録装置10が対象とする記録紙16の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録媒体の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。
ヘッド12K,12C,12M,12Yは、記録紙16の送り方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのヘッド12K,12C,12M,12Yが記録紙16の搬送方向と略直交する方向に沿って延在するように固定設置される。
吸着ベルト搬送部22により記録紙16を搬送しつつ各ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド12K,12C,12M,12Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
図1に示した印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサを含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各ヘッド12K,12C,12M,12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列と、からなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が2次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
各色のヘッド12K,12C,12M,12Yにより印字されたテストパターン又は実技画像が印字検出部24により読み取られ、各ヘッドの吐出判定が行われる。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。
印字検出部24の後段には後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッドの構造について説明する。色別の各ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図3(a) はヘッド50のノズル配列例を示す平面図であり、図3(b) はヘッド50の他の構造例を示す平面図である。記録紙16上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド50は、図3(a) に示したように、インク滴の吐出口であるノズル51を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直
交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録紙16の送り方向と略直交する方向に記録紙16の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図3(a) の構成に代えて、図3(b) に示すように、複数のノズル51が2次元に配列された短尺のヘッドブロック50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録紙16の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
図4はヘッド50の内部構造を示す要部斜視図である。図4において符号52はノズルプレートであり、該ノズルプレート52には、図3で例示したように多数のノズル51が所定の2次元配列形態により形成されている。図4における符号53は各ノズル51に対応したインク室ユニット(液滴吐出素子)である。
図示のとおり、各インク室ユニット53を構成している圧電アクチュエータ54は略円筒形状を有し、その軸方向がノズルプレート52に略直交するようにノズルプレート52の面上で2次元的に配置されている。圧電アクチュエータ54の配列形態はノズルプレート52に穿設されているノズル51の配列形態に対応しており、各圧電アクチュエータ54の中空部(内側空間部)は、ノズル51と連通する圧力室56となる。
図5は、インク室ユニット53の構造を示す断面図である。なお、同図は互いに隣接する2つのインク室ユニット53の中心軸を含む面で切断した断面図を示している。
図中符号58は圧電アクチュエータ54を支持する樹脂型、60は外周電極、62は圧電体、64は内周電極である。なお、本例では、外周電極60を複数の圧電アクチュエータ54の電極と導通のある共通電極とし、内周電極64を各圧電アクチュエータ54毎に独立した個別電極とするが、これらの関係を入れ替えた構成も可能である。また、樹脂型58に代えて金属製の型を用いる場合には、金属型自体を電極として兼用することが可能であり、外周電極60を省略できる。また、内周電極64の内側に耐インク処理された処理層を持つことが好ましい。
樹脂型58は略円筒型のくり抜き構造を有し、ノズル51近傍部分はノズル51に向かって内径が徐々に小さくなるように構成されている。また、樹脂型58は、圧電体62の変形に従って変形可能なように十分柔らかい素材で形成されることが好ましい。
隣接し合うインク室ユニット53の樹脂型58同士は、互いに一部(符号66で示した部分)が接触しているが、ノズル51に近い部分には空洞部68が形成されている。この空洞部68により、隣接ノズル間の動作干渉を抑制することができる。なお、符号66で示した接触部は、一体的に連結されていていてもよいし、分離されていてもよい。
円筒状の圧電アクチュエータ54のノズルプレート52と反対側の端部には、供給孔70を有する供給孔プレート72が配設されている。各圧力室56は供給孔70を介して共通流路75と連通している。共通流路75はインク供給源たるインクタンク(図5中不図示、図8中符号160として記載)と連通しており、インクタンク160から供給されるインクは図5の共通流路75を介して各圧力室56に分配供給される。
外周電極60と内周電極64の電極間に駆動電圧を印加することによって圧電体62が変形して圧力室56の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル51からインクが吐出される。インク吐出後、共通流路75から供給孔70を通って新しいインクが圧力室56に供給される。
図6は、圧電体62の構造例を模式的に描いた断面図である。図示のように、圧電体62は軸方向に沿って圧電材料の組成が段階的に変更された構造を有している。同図では、ノズル51に近い側から順に、第1の組成材料から成る第1圧電体部62A、第2の組成材料から成る第2圧電体部62B、第3の組成材料から成る第3圧電体部62Cとなっている。もちろん、組成の変更形態は特に限定されず、段階的な変更における領域の分割数、各領域の大きさのバランスや圧電定数の大小関係については適宜設計可能である。また、圧電体62の組成を軸方向に連続的に変化させてもよい。
圧電材料には、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛などを用いることができる。
個別電極(ここでは、内周電極64)は、第1圧電体部62A,第2圧電体部62B,第3圧電体部62Cに対して共通する一体型の電極となっているが、各圧電体部(62A〜C)に対応させた分離型の電極とすることもできる。
図4乃至図6で説明した構造を有するインク室ユニット53を図7に示すように、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンで格子状に2次元配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
すなわち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってノズル51を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズル51のピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図7に示すようなマトリクス状に配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。すなわち、ノズル51-11 、51-12 、51-13 、51-14 、51-15 、51-16 を1つのブロックとし(他にはノズル51-21 、…、51-26 を1つのブロック、ノズル51-31 、…、51-36 を1つのブロック、…として)、記録紙16の搬送速度に応じてノズル51-11 、51-12 、…、51-16 を順次駆動することで記録紙16の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。すなわち、本実施形態では、記録紙16の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
〔インク供給系の構成〕
図8はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インクタンク160はヘッド50にインクを供給する基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インクタンク160の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図8のインクタンク160は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図8に示したように、インクタンク160とヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ162が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。図8には示さないが、ヘッド50の近傍又はヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ164と、ノズル面50Aの清掃手段としてのクリーニングブレード166とが設けられている。これらキャップ164及びクリーニングブレード166を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によってヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置からヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ164は、図示せぬ昇降機構によってヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ164を所定の上昇位置まで上昇させ、ヘッド50に密着させることにより、ノズル面50Aをキャップ164で覆う。
クリーニングブレード166は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構によりヘッド50のインク吐出面(ノズルプレート52表面)に摺動可能である。ノズルプレート52にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード166をノズルプレート52に摺動させることでノズルプレート52表面を拭き取り、ノズルプレート52表面を清浄する。
印字中又は待機中において、特定のノズルの使用頻度が低くなり、ノズル近傍のインク粘度が上昇した場合、その劣化インクを排出すべくキャップ164に向かって予備吐出が行われる。
また、ヘッド50内のインク(圧力室56内)に気泡が混入した場合、ヘッド50にキャップ164を当て、吸引ポンプ167で圧力室内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク168へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッド50への装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。
ヘッド50は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用の圧電アクチュエータ54が動作してもノズル51からインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(圧電アクチュエータ54の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かって圧電アクチュエータ54を動作させ、粘度が上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面50Aの清掃手段として設けられているクリーニングブレード166等のワイパーによってノズル板表面の汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
また、ノズル51や圧力室56に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなるため、以下に述べる吸引動作を行う。
すなわち、ノズル51や圧力室56のインク内に気泡が混入した場合、或いはノズル51内のインク粘度があるレベル以上に上昇した場合には、圧電アクチュエータ54を動作させてもノズル51からインクを吐出できなくなる。このような場合、ヘッド50のノズル面に、圧力室56内のインクをポンプ等で吸い込む吸引手段を当接させて、気泡が混入したインク又は増粘インクを吸引する動作が行われる。
ただし、上記の吸引動作は、圧力室56内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きい。したがって、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。
〔制御系の説明〕
次に、インクジェット記録装置10の制御系について説明する。図9はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース170、システムコントローラ172、画像メモリ174、メディア検出部175、モータドライバ176、ヒータドライバ178、プリント制御部180、画像バッファメモリ182、ヘッドドライバ184等を備えている。
通信インターフェース170は、ホストコンピュータ186から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース170にはUSB、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ186から送出された画像データは通信インターフェース170を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ174に記憶される。画像メモリ174は、通信インターフェース170を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ172を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ174は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ172は、通信インターフェース170、画像メモリ174、モータドライバ176、ヒータドライバ178等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ172は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ186との間の通信制御、画像メモリ174の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ188やヒータ189を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ176は、システムコントローラ172からの指示に従ってモータ188を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ178は、システムコントローラ172からの指示に従って後乾燥部42その他各部のヒータ189を駆動するドライバである。
メディア検出部175は、記録紙16の紙種やサイズ(紙幅)などを検出する手段である。例えば、給紙部のマガジンに付されたバーコード等の情報を読み込む手段、用紙搬送路中の適当な場所に配置されたセンサ(用紙幅検出センサ、用紙の厚みを検出するセンサ、用紙の反射率を検出するセンサなど)が用いられ、これらの適宜の組み合わせも可能である。また、これら自動検出の手段に代えて、若しくはこれと併用して、所定のユーザインターフェースからの入力によって紙種やサイズ等の情報を指定する構成も可能である。
メディア検出部175により取得された情報はシステムコントローラ172に通知され、インク吐出制御等に利用される。
プリント制御部180は、システムコントローラ172の制御に従い、画像メモリ174内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(ドットデータ)をヘッドドライバ184に供給する制御部である。プリント制御部180において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ184を介してヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部180には画像バッファメモリ182が備えられており、プリント制御部180における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ182に一時的に格納される。なお、図9において画像バッファメモリ182はプリント制御部180に付随する態様で示されているが、画像メモリ174と兼用することも可能である。また、プリント制御部180とシステムコントローラ172とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ184はプリント制御部180から与えられる印字データに基づいて各色ヘッド50の吐出駆動用の圧電アクチュエータ54を駆動する。ヘッドドライバ184にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース170を介して外部から入力され、画像メモリ174に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの画像データが画像メモリ174に記憶される。画像メモリ174に蓄えられた画像データは、システムコントローラ172を介してプリント制御部180に送られ、該プリント制御部180において既知のディザ法、誤差拡散法などの手法によりインク色ごとのドットデータに変換される。
こうして、プリント制御部180で生成されたドットデータに基づき、ヘッド50が駆動制御され、ヘッド50からインクが吐出される。記録紙16の搬送速度に同期してヘッド50からのインク吐出を制御することにより、記録紙16上に画像が形成される。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサを含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部180に提供する。なお、ラインセンサの読み取り開始タイミングは、センサとノズル間の距離及び記録紙16の搬送速度から決定される。
プリント制御部180は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいてヘッド50に対する各種補正を行う。また、プリント制御部180は、印字検出部24を通じて得られた検出情報に基づいてノズル51の吐出/不吐出を判断し、不吐出ノズルが検出された場合には所定の回復動作を実施する制御を行う。
〔噴射堆積法による成膜方法〕
次に、ヘッド50の製造方法について説明する。本実施形態では、略円筒型の圧電体群をAD法よって作成するため、まず、AD法による成膜方法について概説する。AD法は、原料の粉体からエアロゾルを生成し、そのエアロゾルを基板に噴射し、その際の衝突エネルギーにより粉体を堆積させて膜を形成する成膜技術である。
図10はAD法による成膜装置を示す模式図である。この成膜装置は、原料の粉体201を収容するエアロゾル生成容器202を有している。ここで、エアロゾルとは、気体中に浮遊している固体や液体の微粒子のことをいう。
エアロゾル生成容器202には、キャリアガス導入部203、エアロゾル導出部204、振動部205が設けられている。キャリアガス導入部203から窒素ガス(N2 )等の気体を導入することによってエアロゾル生成容器202内に収容された原料の粉体が噴き上げられ、エアロゾルが生成される。その際に、振動部205によってエアロゾル生成容器202に振動を与えることにより、原料の粉体が攪拌され、効率よくエアロゾルが生成される。生成されたエアロゾルは、エアロゾル導出部204を通って成膜チャンバ206に導かれる。
成膜チャンバ206には、排気管207、スプレーノズル208、可動ステージ209が設けられている。排気管207は、図示せぬ真空ポンプに接続されており、成膜チャンバ206内を排気する。エアロゾル生成容器202において生成され、エアロゾル導出部204を通って成膜チャンバ206に導かれたエアロゾルは、スプレーノズル208から基板210に向けて噴射される。これにより、原料の粉体が基板210上に衝突して堆積する。基板210は、3次元に移動可能な可動ステージ209に載置されており、可動ステージ209を制御することにより、基板210とスプレーノズル208との相対的位置が調節される。
〔ヘッドの製造工程〕
本例のヘッド50は下記に示す工程手順(工程1〜5)に従って製造される。図11はヘッド50の製造工程を示す図であり、以下、その工程の順を追って説明する。
(工程1)支持プレート(支持基板)212上に外周電極60の「型」となる円筒くり抜き構造の樹脂型58を準備する(図11(a))。なお、本例では樹脂製の型部材を用いているが、金属製の型を用いる態様も可能である。
(工程2)樹脂型58の内壁に無電解メッキや蒸着で外周電極60を形成する(図11(b))。ただし、型部材が金属の場合には、型部材自体が共通電極となり得るため、外周電極の形成工程は不要である。
(工程3)外周電極60の内壁にAD法で圧電材料を付着させ、円筒状の圧電体62層を形成する(図11(c))。
図12はAD法により圧電体層を形成する様子を示した拡大断面図である。同図のように、微粒子噴射用のスプレーノズル208を樹脂型58の中空部に挿入し、外周電極60の内壁に圧電材料の微粒子を付着させる。このとき、支持プレート212に支持されている樹脂型58及びスプレーノズル208のうち少なくとも一方を図12の上下方向(円筒くり抜き構造から成る樹脂型58の軸方向)に移動させ、両者の相対的な位置関係を変えることにより、外周電極60の端部(図12上で下端部)から軸方向に沿って順次、外周電極60の内壁に圧電体62を付着させる。
また、スプレーノズル208から噴射する粉体の材料を切り換え、或いは、複数種類の粉体の混合比を段階的に又は連続的に変化させることにより、圧電体62の組成を軸方向に変化させる。こうして、軸方向に圧電定数を異ならせた円筒形状の圧電体層が形成される。
(工程4)圧電体層の形成後、図11(d)に示したように、当該円筒圧電体62の内壁に無電解メッキや蒸着、或いはAD法で内周電極64を形成する。
(工程5)樹脂型58を支持している支持プレート212にインク吐出口となるノズル51孔を形成する(図11(e))。または、ノズル孔を穿設したノズルプレート52を別途作成しておき、前記(工程4)の後に支持プレート212を剥離後、ノズルプレート52を接着剤等によって接合するようにしてもよい。なお、ノズル孔が形成されているノズルプレート52を前記(工程1)における支持プレート212として使用する態様も可能であり、この場合、ノズル孔をマスクした状態でAD法による堆積を行い、前記(工程4)の後にマスクを除去する。また、内周電極64の内側に耐インク処理液を塗布し、処理層を形成することが好ましい。
以上述べたように、本発明の実施形態によれば、簡便な電極形成方法、及び圧電体形成方法を採用することができるため、ヘッド50の生産性が向上する。
また、円筒くり抜き構造を有する「型」の製作に際し、樹脂成形等によって、例えば、直径300μm、長さ2mm程度に形成することができ、その型の内側にメッキや蒸着により電極形成、或いはAD法のスプレーノズル208を挿入して圧電体を形成することが可能である。したがって、図4で説明したように、中空のくり抜き構造物を2次元配置することにより、ノズル51の高密度化が可能である。
更には、円筒端部のノズル51に向かって最終的な圧力室56内径をノズル径近傍まで緩やかに変化させながら狭めることができるので、ノズル51に向かってよどみのない流路構造を作成することができる。これにより、気泡残留による圧力損失、吐出不良を回避できる。
〔圧電アクチュエータの他の構造例〕
図13(a)〜(d)に圧電アクチュエータの他の構造例を示す。同図中図5と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図13(a)は、圧力室56の内径(流路断面)が軸方向の端部のノズル51部に向かって徐々に小さくなるテーパー状の構造を有している。同図によれば、樹脂型58の内周面によってその形状が規定され、当該内周面に一様な厚さ(膜厚)の圧電体62が形成されている。
図13(b)は、圧電体62の膜厚が部分的に異なる構造を有し、圧力室56の内径も徐々に変化する構造を有している。圧電体62の組成を変更することに代えて、又はこれと併用して圧電体層の厚みを変えることにより、圧電アクチュエータ54の変位特性を軸方向に異ならせることができる。同図によれば、圧力室56の内径はインク供給側から軸方向の圧力室56中心部に向かって徐々に広がり、その後ノズル51に向かって徐々に狭まるように構成されている。
図13(c)は、圧電体層の厚みは一定(実質的に一定と見なせる程度に略一定の場合も含む)であるが、樹脂型58の形状によって圧力室56の内径が軸方向に変化した構造を有している。
図13(d)は、圧電体層の厚みは一定(実質的に一定と見なせる程度に略一定の場合も含む)であるが、樹脂型58の厚みを軸方向に変化させた構造となっている。圧電アクチュエータ54を支持する型部材の剛性は、圧電アクチュエータ54の変位に影響を与えるため、樹脂型58の厚みを変化させることにより、圧電アクチュエータ54の変位特性を変化させることができる。
以上説明したように、円筒形状の軸方向に沿って圧電体62の組成及び/又は厚みを変化させ、更には、圧力室56の内壁面をノズル51に向かってテーパー状に形成したり、型の厚みやその内径を変化させる構成により、電圧印加時の収縮量や収縮タイミングを軸方向に異ならせることができる。これにより、インクを絞り出すような圧力室56の変形(しなり運動)が可能となり、吐出力の向上及びリフィルの高速化を達成できる。
〔変形例〕
図5に示した樹脂型58の構成に代えて、図14のような構成も可能である。図14中図5と同一又は類似の部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。すなわち、図14に示したように、互いに隣接し合う樹脂型58同士は、連結部67を介して互いに連結されている。この連結部67は、隣接ノズル間の動作干渉が起きない程度に小さく、或いは、十分に柔軟性のある素材で形成されることが好ましい。
連結部67によって多数の樹脂型58を一体的に連結する構造により、製造時の取り扱い(ハンドリング)が容易となる。
上記実施形態では、圧電アクチュエータ54の内周面(内周電極64又は内周電極64を覆う耐インク処理層)がそのまま圧力室56の側壁面を構成している構造(圧電アクチュエータが圧力室形成部材を兼ねた一体構造方式)を例示したが、本発明の実施に際してはこの例に限定されない。例えば、圧電アクチュエータの内周面に更に樹脂などの材料によって筒形状の圧力室側壁層(圧力室形成部材)を形成する形態(圧力室形成部材の外周に圧電アクチュエータが配設される別構造方式)も可能である。
また、上述の説明では、画像形成装置の一例としてインクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。例えば、印画紙に非接触で現像液を塗布する写真画像形成装置等についても本発明の液滴吐出ヘッドを適用できる。また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの適用範囲は画像形成装置に限定されず、吐出ヘッドを用いて処理液その他各種の液体を被吐出媒体に向けて噴射する各種の装置(塗装装置、塗布装置、配線描画装置など)について本発明を適用することができる。
本発明の実施形態に係る液滴吐出ヘッドを用いたインクジェット記録装置の全体構成図 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 ヘッドのノズル配列例を示す平面図 フルライン型ヘッドの他の構造例を示す平面図 ヘッドの内部構造を示す要部斜視図 液滴吐出素子(各ノズルに対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図 圧電アクチュエータの構造例を模式的に描いた断面図 ノズルの配列構造を示す拡大図 本例のインクジェット記録装置におけるインク供給系の構成を示した概要図 本例のインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 AD法による成膜装置を示す模式図 本例のヘッドの製造工程を説明するために用いた説明図 AD法による圧電体の形成工程を示した要部断面図 圧電アクチュエータの他の構造例を示す断面図 各ノズルに対応したインク室ユニットの他の構造例を示す断面図
符号の説明
10…インクジェット記録装置、12…印字部、12K,12C,12M,12Y…ヘッド、14…インク貯蔵/装填部、16…記録紙、18…給紙部、22…吸着ベルト搬送部、50…ヘッド、50A…ノズル面、51…ノズル、52…ノズルプレート、53…インク室ユニット、54…圧電アクチュエータ、56…圧力室、58…樹脂型、60…外周電極、62…圧電体、62A…第1圧電体部、62B…第2圧電体部、62C…第3圧電体部、64…内周電極、75…共通流路、212…支持プレート

Claims (5)

  1. 複数の液滴吐出口と、各液滴吐出口に連通する圧力室内の液に圧力変化を生じさせて前記液滴吐出口から液滴を吐出させる圧電アクチュエータと、を有する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記圧力室を構成する中空の筒形状を有する型部材を用い、前記型部材の内壁に噴射堆積法によって圧電材料の粒子を堆積させて筒形状の圧電体を形成する工程と、
    前記筒形状の圧電体の内壁に電極を形成する工程と、
    を含み、
    前記圧電体を形成する工程は、前記型部材の内側に微粒子噴射用のスプレーノズルを挿入し、
    前記スプレーノズルから少なくとも前記圧電材料の粒子を噴射して前記型部材の軸方向に順次前記圧電体を形成するとともに、
    前記圧電体の組成を前記軸方向に沿って段階的又は連続的に変化させることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記型部材は、前記液滴吐出口の配列形態に応じて2次元的に配置されることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記圧電体の厚さを前記軸方向に沿って段階的又は連続的に変化させることを特徴とする請求項1又は2記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記型部材の軸方向の端部に接合されるプレート部材に前記複数の液滴吐出口を形成をすることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記筒形状の圧電体の内側に形成される前記圧力室の流路断面は略円形であり、当該圧力室の内径は前記軸方向の端部の前記液滴吐出口に向かって次第に小さくなる構造を有していることを特徴とする請求項記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
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