JP3855689B2 - レギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機 - Google Patents

レギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4(A)(B)〜図6は特開2000−224821号に示された従来のレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機の構成を示したもので、図4(A)(B)はこのレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機の縦断面図及び底面図、図5はこの磁石発電機で用いているレギュレータの正面図、図6はこの磁石発電機で用いているレギュレータをステータ取付けプレートに取付けた状態の底面図である。
【0003】
このレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機は、環状のステータコア1の外周の各突極1aに発電コイル2を巻装したステータ3と、該ステータ3の外周をロータヨーク4の筒部4aが包囲していて該筒部4aの内周に永久磁石5を支持させたロータ6と、環状のステータコア1を外周に固定している筒状のボス7と、ロータヨーク4の底部4bの中心に取り付けられてボス7の内周を複数の軸受8を介して回転自在に貫通する回転軸9と、ロータヨーク4の開口端側で回転軸9に直交する向きで且つ回転軸9を回転自在に貫通させてボス7の端部に一体に設けられているステータ取付けプレート10と、ロータヨーク4の筒部4a内に回転軸9の方向に冷却風が通り抜けるようにステータ取付けプレート10とロータヨーク4とにそれぞれ周方向に所定の間隔で複数設けられた通風口11a,11bと、各通風口11a,11bを経てロータヨーク4の筒部4a内を冷却風が通り抜けるようにロータヨーク4の内周部に複数の羽根部12を固定して設けられたファン13と、ロータヨーク4の底部4b側でその外に突出されているボルト構造の回転軸9にその頭部9aを利用して固定されているプーリ14と、ステータ取付けプレート10側にアルミニウム等の金属製のレギュレータホルダー15を介して取付けられて発電コイル2からの発電出力を調整して図示しないバッテリーに充電するレギュレータ16とを備えた構造になっている。
【0004】
ステータコア1は、図示しないがネジでステータ取付けプレート10に固定されている。各軸受8は、複数のカラー22で回転軸9の外周に位置決めされている。ボルト構造の回転軸9の先端は、ステータ取付けプレート10の凹部23に突出していて平ワッシャ24,バネワッシャ25を介してヘキサゴンナット26でボス9の基端に締結されている。ステータ取付けプレート10は、ロータヨーク4の筒部4aの外周を包囲する筒部10aと、ロータヨーク4の筒部4aの開口部側で筒部10aの一端を塞ぐ底部10bと、筒部10aの外周に突設された取付け鍔部10cとを備えた構造になっていて、底部10bには一方側の複数の通風口11aが周方向の所定の間隔で放射状に設けられている。これら通風口11aは、底部10bに設けられた複数のリブ27の間のスリットによりそれぞれ形成されている。他方の各通風口11bは、ロータヨーク4の底部10b寄り筒部4aの末端にそれぞれ設けられている。
【0005】
この磁石発電機では、ステータ取付けプレート10の底部10bの中央に複数のリブ27a1と複数の通風口11a1とが平行に設けられ、これらリブ27a1と通風口11a1とが設けられてない両側の部分の一方に、これらリブ27a1と通風口11a1とに対して直交する向きに複数のリブ27a2と複数の通風口11a2とが平行に設けられている。即ち、通風口11aは、この磁石発電機では通風口11a1と通風口11a2とで構成されている。また、リブ27は、この磁石発電機ではリブ27a1とリブ27a2とで構成されている。
【0006】
レギュレータ16は、レギュレータホルダー15と、レギュレータホルダーに設けられた凹部15a内に収容されて樹脂18でモールドされたレギュレータ本体17とからなっている。レギュレータホルダー15の凹部15aとは反対側の面には複数の放熱フィン28が形成され、これら放熱フィン28間にステータ取付けプレート10の通風口11a2に冷却風を送り込む複数の放熱フィン間通風通路29が形成され、各放熱フィン28と平行する側面には取付け鍔30が突設された構造になっている。このようなレギュレータ16は、レギュレータホルダー15の凹部15aをステータ取付けプレート10側に向けて該ステータ取付けプレート10の底部10bに、取付け鍔30を貫通するネジ19で固定されている。このレギュレータホルダー15には、外向きになっている各放熱フィン28を覆うカバー31が被せられて固定されている。
【0007】
このようなレギュレータ16には、発電コイル2の出力を入力する複数の入力端子20と、このレギュレータ16から出力を取り出す複数の出力コード21とが設けられている。
【0008】
かかるレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機は、ロータヨーク4の回転につれてファン13の各羽根部12を回転させ、これら羽根部12の回転による送風作用により、ステータ取付けプレート10に設けられた各11a1,11a2から外気を吸い込んで、この外気をロータヨーク4の筒部4a内に回転軸9に沿って各突極1a間の隙間を通し、これによりステータ3及び永久磁石5を冷却し、筒部4a内を通り抜けた排気をロータヨーク4の底部10b寄りの筒部4aの末端の各通風口11bから外部に排出する。
【0009】
レギュレータ16は、そのレギュレータホルダー15に形成された複数の放熱フィン28間の通風通路29を通る冷却風で直接冷却されることになり、効率よく該レギュレータ15の冷却を行うことができる。この場合、レギュレータホルダー15には各放熱フィン28を覆うカバー31が被せられているので、各放熱フィン28が外向きに開放されていても、カバー31で覆うことにより各放熱フィン28間の通風通路29の周囲が閉じられて冷却風をレギュレータホルダー15の表面に沿ってステータ取付けプレート10の通風口11a2に確実に送り込むことができる。レギュレータ16を冷却する冷却風は、ステータ3等を冷却する前の冷却風なので、温度が上昇していず、レギュレータの冷却を良好に行うことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の如きレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機では、レギュレータ15の発熱は、内蔵するダイオード又はサイリスタに電流が流れ、これらの素子の内部抵抗によって発生するが、前述した構造ではダイオード又はサイリスタの発熱を直接冷却するものではなく、レギュレータホルダー15の各放熱フィン28を介して冷却するものであり、冷却効率がよくない問題点があった。
【0011】
本発明の目的は、レギュレータの放熱特性をより向上させることができるレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、環状のステータコアに発電コイルを巻装したステータと、該ステータの外周をロータヨークの筒部が包囲していて該筒部の内周に永久磁石を支持させたロータと、環状のステータコアを外周に固定している筒状のボスと、ロータヨークの底部の中心に取り付けられて前記ボスの内周を軸受を介して回転自在に貫通する回転軸と、ロータヨークの開口端側で回転軸に直交する向きで且つ回転軸を回転自在に貫通させてボスの端部に一体に設けられているステータ取付けプレートと、ロータヨークの筒部内に回転軸の方向に冷却風が通り抜けるようにステータ取付けプレートとロータヨークとにそれぞれ設けられた通風口と、各通風口を経てロータヨークの筒部内を冷却風が通り抜けるようにロータヨーク側に設けられたファンと、ステータ取付けプレート側に設けられて発電コイルからの発電出力を調整するレギュレータとを備え、レギュレータは、レギュレータホルダーと該レギュレータホルダーに設けられた凹部内に組み込まれて樹脂でモールドされたレギュレータ本体とからなっていてステータ取付プレートに固定され、レギュレータホルダーの前記 凹部と反対側の面に複数の放熱フィンが形成されて、これら放熱フィン間にステータ取付けプレートの通風口に冷却風を送り込む複数の放熱フィン間通風通路が形成されているレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機にかかわるものである。
【0013】
本発明に係るレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機では、レギュレータが、レギュレータホルダーの凹部をステータ取付プレート側に向けて配置されていて、レギュレータ本体をモールドしている樹脂の外面がステータ取付けプレートに対向配置され、樹脂の外面とステータ取付プレートとの間に、樹脂の外面を横切ってステータ取付けプレートの通風口に至るモールド樹脂側通風通路が設けられている。
【0014】
このようにレギュレータの両面に通風通路が設けられていると、レギュレータはこれらの通風通路を通る風により両面から冷却され、該レギュレータの放熱特性をより向上させることができる。それ故、小形で高出力化が可能なレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機を得ることができる。
【0015】
上記の構成では、レギュレータホルダーの凹部をステータ取付プレート側に向けて配置しているが、複数の放熱フィンをステータ取付けプレートに対向させた状態で配置して、レギュレータ本体をモールドしている樹脂の外面を覆うようにカバーを被せ、樹脂の外面と該カバーとの間に樹脂の外面を横切ってステータ取付けプレートの通風口に至るモールド樹脂側通風通路を設けるようにしてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1(A)(B)〜図3は本発明に係るレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機の実施の形態の一例を示したもので、図1(A)(B)は本例のレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機の縦断面図及び底面図、図2は本例で用いているレギュレータの正面図、図3は本例で用いているレギュレータをステータ取付けプレートに取付けた状態の底面図である。なお、前述した図4(A)(B)〜図6と対応する部分には、同一符号を付けて示している。
【0017】
本例のレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機では、レギュレータ16には放熱フィン28間を通ってステータ取付けプレート10の通風口11a2に至る通風通路29の他に、モールドされた樹脂18の外面18aを横切ってステータ取付けプレート10の通風口11a2に至る通風通路32が設けられている。レギュレータ16は、本例ではモールドされた樹脂18の面18aがステータ取付けプレート10に対向して両者の間に通風通路32が設けられ、外向きの各放熱フィン28にはこれらを覆うカバー31が被せられて通風通路29が設けられている構造となっている。
【0018】
このようにレギュレータ16の両面に通風通路29,32が設けられていると、レギュレータ16はこれらの通風通路29,32を通る風により両面から冷却され、該レギュレータ16の放熱特性をより向上させることができる。それ故、小形で高出力化が可能なレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機を得ることができる。
【0019】
なお、本発明のレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機は、このような構造に限定されるものではなく、各放熱フィン28がステータ取付けプレート10に対向して該放熱フィン28間に通風通路29が設けられ、樹脂18の外面18a側を覆ってカバー31が被せられて該樹脂18の面18aと該カバー31との間に通風通路32が設けられている構造でも、前述した例と同様な効果を得ることができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明に係るレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機では、レギュレータの両面に通風通路を設けているので、レギュレータはこれらの通風通路を通る風により両面から冷却され、該レギュレータの放熱特性をより向上させることができる。それ故、小形で高出力化が可能なレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)(B)は本発明に係るレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機の実施の形態の一例を示した縦断面図及び底面図である。
【図2】 本例で用いているレギュレータの正面図である。
【図3】 本例で用いているレギュレータをステータ取付けプレートに取付けた状態の底面図である。
【図4】 (A)(B)は従来のレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機の構成を示した縦断面図及び底面図である。
【図5】 この磁石発電機で用いているレギュレータの正面図である。
【図6】 この磁石発電機で用いているレギュレータをステータ取付けプレートに取付けた状態の底面図である。
【符号の説明】
1 ステータコア
1a 突極
2 発電コイル
3 ステータ
4 ロータヨーク
4a 筒部
4b 底部
5 永久磁石
6 ロータ
7 ボス
8 軸受
9 回転軸
9a 頭部
10 ステータ取付けプレート
10a 筒部
10b 底部
10c 取付け鍔部
11a,11b 通風口
11a1,11a2 通風口
12 羽根部
13 ファン
14 プーリ
15 レギュレータホルダー
15a 凹部
16 レギュレータ
17 レギュレータ本体
18 樹脂
18a 面
19 ネジ
20 入力端子
21 出力コード
22 カラー
23 凹部
24 平ワッシャ
25 バネワッシャ
26 ヘキサゴンナット
27 リブ
27a1,27a2 リブ
28 放熱フィン
29 通風通路
30 取付け鍔
31 カバー
32 通風通路

Claims (2)

  1. 環状のステータコアに発電コイルを巻装したステータと、該ステータの外周をロータヨークの筒部が包囲していて該筒部の内周に永久磁石を支持させたロータと、前記環状のステータコアを外周に固定している筒状のボスと、前記ロータヨークの底部の中心に取り付けられて前記ボスの内周を軸受を介して回転自在に貫通する回転軸と、前記ロータヨークの開口端側で前記回転軸に直交する向きで且つ前記回転軸を回転自在に貫通させて前記ボスの端部に一体に設けられているステータ取付けプレートと、前記ロータヨークの筒部内に前記回転軸の方向に冷却風が通り抜けるように前記ステータ取付けプレートと前記ロータヨークとにそれぞれ設けられた通風口と、前記各通風口を経て前記ロータヨークの筒部内を前記冷却風が通り抜けるように前記ロータヨーク側に設けられたファンと、前記ステータ取付けプレート側に設けられて前記発電コイルからの発電出力を調整するレギュレータとを備え、前記レギュレータは、レギュレータホルダーと該レギュレータホルダーに設けられた凹部内に組み込まれて樹脂でモールドされたレギュレータ本体とからなっていて前記ステータ取付プレートに固定され、前記レギュレータホルダーの前記凹部と反対側の面に複数の放熱フィンが形成されて、これら放熱フィン間に前記ステータ取付けプレートの前記通風口に冷却風を送り込む複数の放熱フィン間通風通路が形成されているレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機において、
    前記レギュレータは、前記レギュレータホルダーの凹部を前記ステータ取付プレート側に向けて配置されていて、前記レギュレータ本体をモールドしている樹脂の外面が前記ステータ取付けプレートに対向配置され、
    前記樹脂の外面と前記ステータ取付プレートとの間に、前記樹脂の外面を横切って前記ステータ取付けプレートの前記通風口に至るモールド樹脂側通風通路が設けられているレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機。
  2. 環状のステータコアに発電コイルを巻装したステータと、該ステータの外周をロータヨークの筒部が包囲していて該筒部の内周に永久磁石を支持させたロータと、前記環状のステータコアを外周に固定している筒状のボスと、前記ロータヨークの底部の中心に取り付けられて前記ボスの内周を軸受を介して回転自在に貫通する回転軸と、前記ロータヨークの開口端側で前記回転軸に直交する向きで且つ前記回転軸を回転自在に貫通させて前記ボスの端部に一体に設けられているステータ取付けプレートと、前記ロータヨークの筒部内に前記回転軸の方向に冷却風が通り抜けるように前記ステータ取付けプレートと前記ロータヨークとにそれぞれ設けられた通風口と、前記各通風口を経て前記ロータヨークの筒部内を前記冷却風が通り抜けるように前記ロータヨーク側に設けられたファンと、前記ステータ取付けプレート側に設けられて前記発電コイルからの発電出力を調整するレギュレータとを備え、前記レギュレータは、レギュレータホルダーと該レギュレータホルダーに設けられた凹部内に組み込まれて樹脂でモールドされたレギュレータ本体とからなっていて前記ステータ取付プレートに固定され、前記レギュレータホルダーの前記凹部と反対側の面に複数の放熱フィンが形成されて、これら放熱フィン間に前記ステータ取付けプレートの前記通風口に冷却風を送り込む複数の放熱フィン間通風通路が形成されているレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機において、
    前記レギュレータは、前記複数の放熱フィンを前記ステータ取付けプレートに対向させた状態で配置され、
    前記レギュレータ本体をモールドしている樹脂の外面を覆うようにカバーが被せられて該樹脂の外面と該カバーとの間に前記樹脂の外面を横切って前記ステータ取付けプレートの前記通風口に至るモールド樹脂側通風通路が設けられているレギュレータ付きアウターロータ型磁石発電機。
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