JP3855658B2 - 電動機 - Google Patents

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宏樹 永井
哲朗 藤垣
身佳 高橋
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Description

技術分野
この発明は、軸方向および径方向に冷却風を導くための通風ダクトを鉄心に備えた電動機に関するものである。
背景技術
従来の電動機は、実開昭61−156447号公報に記載のような通風構造を備えていた。すなわち、軸方向に連続な軸方向通風ダクトを、固定子鉄心と固定子枠との間および回転子鉄心内部に複数設けていた。また、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙、いわゆるエアギャップと軸方向通風ダクトとを連通する径方向通風ダクトを、固定子鉄心および回転子鉄心に設けていた。しかも、エアギャップを流れる冷却風の下流側にあたる鉄心部分に複数配置していた。従来の電動機は、このような通風構造を有することにより、エアギャップを流れる冷却風の下流側にあたる鉄心部の冷却効率の向上を図ろうとしていた。
電動機内部において最も高温になる部分は、上述したエアギャップ近傍の鉄心部分である。これは、エアギャップ近傍の鉄心部分に高調波等の損失が集中して発生するからである。従って、電動機の冷却効率の向上を図るためには、エアギャップ近傍の鉄心部分の冷却が重要となる。特に、冷却風の冷却効率が低下するエアギャップを流れる冷却風の下流側にあたる鉄心部分の冷却が重要となる。
これに対して、従来の電動機は、上述したようにエアギャップを流れる冷却風の下流側にあたる鉄心部分に径方向通風ダクトを複数配置し、比較的温度の低い回転子鉄心の軸方向通風ダクトを流れる冷却風をその部分に導こうとしていたので、大変有効に思えた。
ところが、エアギャップを流れる冷却風の下流側にあたる鉄心部分に径方向通風ダクトを複数配置しただけでは、エアギャップを流れる冷却風の下流側にあたる鉄心部分の冷却効率の向上を図ることができないと判った。すなわち、これは、回転子鉄心に設けた径方向通風ダクトを流れる冷却風がエアギャップを流れる冷却風を遮り、冷却風のほとんどが固定子鉄心に設けた径方向通風ダクトを介して固定子鉄心と固定子枠との間の軸方向通風ダクトに至ってしまい、エアギャップの下流側にほとんど冷却風が流れなくなってしまうためであった。
発明の開示
この発明は、エアギャップ近傍の鉄心部分に集中する高調波等の損失の発生を抑えて電動機の冷却効率の向上を図ることができる電動機の提供を第1の目的とするものである。また、電動機特性の低下を抑えつつ、電動機の冷却効率の向上を図ることができる電動機の提供を第2の目的とするものである。
本発明に係る第1の電動機は、固定子粋の内側に設けた固定子鉄心と、間隙を介して固定子鉄心の内側に設けた回転子鉄心とを有し、固定子枠と固定子鉄心との間には、軸方向に連続した複数の第1の通風ダクトを設け、回転子鉄心には、軸方向に連続した複数の第2の通風ダクトと、第2の通風ダクトと、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙とを連通する第3の通風ダクトとを設け、固定子鉄心の複数のスロットには、磁性を有する楔を挿入している。
この第1の電動機によれば、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙を流れる冷却風よりも比較的温度の低い第2の通風ダクトを流れる冷却風が、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙に導かれ、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙の吸熱を効果的に行えると共に、磁性を有する楔によってギャップ磁束の高調波成分が低減し、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙近傍の温度上昇を低減できる。これにより、電動機の冷却効率の向上を図ることができる。
また、第1の電動機においては、第1の通風ダクトと、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙とを連通する第4の通風ダクトを固定子鉄心に設けることが望ましい。
また、第1の電動機においては、1200rpmを超える回転速度で運転される場合、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙を流れる冷却風の下流側40%の範囲にあたる回転子鉄心部分に第3の通風ダクトを設けることが望ましい。
ここで、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙を流れる冷却風の下流側40%とは、間隙の軸方向の全長に対する間隙の冷却風下流側端部から冷却風上流側への長さの割合のことである。また、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙とは、鉄心の端部間の固定子鉄心と回転子鉄心とに挟まれた空間のことである。
また、第1の電動機においては、1200rpm以下の回転速度で運転される場合、軸方向に複数、かつ、ほぼ均等間隔で回転子鉄心に第3の通風ダクトを設けることが望ましい。
本発明に係る第2の電動機は、固定子粋の内側に設けた固定子鉄心と、間隙を介して固定子鉄心の内側に設けた回転子鉄心とを有し、固定子枠と固定子鉄心との間には、軸方向に連続した複数の第1の通風ダクトを設け、回転子鉄心には、軸方向に連続した複数の第2の通風ダクトと、第2の通風ダクトと、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙とを連通する第3の通風ダクトとを設け、固定子鉄心には、第1の通風ダクトと、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙とを連通する第4の通風ダクトを設けていると共に、電動機の極数をP,固定子鉄心の内径をDsi,固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙の寸法をgとしたとき、
0.015≦g/Dsi×P≦0.040
の関係が成り立つように固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙の寸法gを設定している。
この第2の電動機によれば、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙を流れる冷却風と第3の通風ダクトを流れる冷却風との風圧がほぼ等しくなり、第3の通風ダクトを流れる冷却風は、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙において、第4の通風ダクトを流れる冷却風と、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙を流れる冷却風とに分流し、第3の通風ダクト以降にあたる固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙部分の冷却を行えると共に、上記関係式を満足するように回転子鉄心との間の間隙の寸法gを設定していることによって、電動機の最大トルクを160%以上,電動機の機内温度上昇を100K以下,電動機の力率を78%以上とすることができる。すなわち、電動機特性の低下を抑えつつ、電動機の冷却効率の向上を図ることができる。
また、第2の電動機においては、1200rpmを超える回転速度で運転される場合、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙を流れる冷却風の下流側40%の範囲にあたる回転子鉄心部分および固定子鉄心部分に第3の通風ダクトおよび第4の通風ダクトを設けることが望ましい。
ここで、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙を流れる冷却風の下流側40%とは、間隙の軸方向の全長に対する間隙の冷却風下流側端部から冷却風上流側への長さの割合のことである。また、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙とは、鉄心の端部間の固定子鉄心と回転子鉄心とに挟まれた空間のことである。
また、第2の電動機においては、1200rpm以下の回転速度で運転される場合、軸方向に複数、かつ、ほぼ均等間隔で回転子鉄心および固定子鉄心に第3の通風ダクトおよび第4の通風ダクトを設けることが望ましい。
本発明に係る第3の電動機は、固定子粋の内側に設けた固定子鉄心と、間隙を介して固定子鉄心の内側に設けた回転子鉄心とを有し、回転子鉄心の回転軸の一端側に冷却ファンを備え、回転子鉄心には、径方向に冷却風を導く通風ダクトを設け、固定子鉄心の複数のスロットには、磁性を有する楔を挿入している。
この第3の電動機によれば、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙を流れる冷却風よりも比較的温度の低い冷却風が、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙に導かれ、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙の吸熱を効果的に行えると共に、磁性を有する楔によってギャップ磁束の高調波成分が低減し、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙近傍の温度上昇を低減できる。これにより、電動機の冷却効率の向上を図ることができる。
また、第3の電動機においては、径方向に冷却風を導く通風ダクトを固定子鉄心に設けることが望ましい。
本発明に係る第4の電動機は、固定子粋の内側に設けた固定子鉄心と、間隙を介して固定子鉄心の内側に設けた回転子鉄心とを有し、回転子鉄心の回転軸の一端側に冷却ファンを備え、回転子鉄心および固定子鉄心には、径方向に冷却風を導く通風ダクトを設けていると共に、電動機の極数をP,固定子鉄心の内径をDsi,固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙の寸法をgとしたとき、
0.015≦g/Dsi×P≦0.040
の関係が成り立つように固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙の寸法gを設定している。
この第4の電動機によれば、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙を流れる冷却風と回転子鉄心に設けた径方向に冷却風を導く通風ダクトを流れる冷却風との風圧がほぼ等しくなり、回転子鉄心に設けた径方向に冷却風を導く通風ダクトを流れる冷却風は、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙において、固定子鉄心に設けた径方向に冷却風を導く通風ダクトを流れる冷却風と、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙を流れる冷却風とに分流し、回転子鉄心に設けた径方向に冷却風を導く通風ダクト以降にあたる固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙部分の冷却を行えると共に、上記関係式を満足するように回転子鉄心との間の間隙の寸法gを設定していることによって、電動機の最大トルクを160%以上,電動機の機内温度上昇を100K以下,電動機の力率を78%以上とすることができる。すなわち、電動機特性の低下を抑えつつ、電動機の冷却効率の向上を図ることができる。
本発明に係る第5の電動機は、固定子粋の内側に設けた固定子鉄心と、間隙を介して固定子鉄心の内側に設けた回転子鉄心とを有し、外気を一端部より取り入れ、かつ、他端部より排出する端部構造を備え、回転子鉄心には、径方向に冷却風を導く通風ダクトを設け、固定子鉄心の複数のスロットには、磁性を有する楔を挿入している。
この第5の電動機によれば、上述した第3の電動機と同様に、電動機の冷却効率の向上を図ることができる。
また、第5の電動機においては、径方向に冷却風を導く通風ダクトを固定子鉄心に設けることが望ましい。
本発明に係る第6の電動機は、固定子粋の内側に設けた固定子鉄心と、間隙を介して固定子鉄心の内側に設けた回転子鉄心とを有し、外気を一端部より取り入れ、かつ、他端部より排出する端部構造を備え、回転子鉄心および固定子鉄心には、径方向に冷却風を導く通風ダクトを設けていると共に、電動機の極数をP,固定子鉄心の内径をDsi,固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙の寸法をgとしたとき、
0.015≦g/Dsi×P≦0.040
の関係が成り立つように固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙の寸法gを設定している。
この第6の電動機によれば、上述した第4の電動機と同様に、電動機特性の低下を抑えつつ、電動機の冷却効率の向上を図ることができる。
本発明に係る第7の電動機は、固定子粋の内側に設けた固定子鉄心と、間隙を介して固定子鉄心の内側に設けた回転子鉄心とを有し、回転子鉄心には、径方向に冷却風を導く通風ダクトを設け、固定子鉄心の複数のスロットには、磁性を有する楔を挿入していると共に、スロット開口部の径方向寸法を0〜0.8mmの範囲となるように設定している。
ここで、スロット開口部とは、固定子鉄心の内周表面部がら楔までのスロット空間をいい、スロット開口部の径方向寸法とは、固定子鉄心の内周表面部から楔まで寸法をいう。
この第7の電動機によれば、ギャップ磁束の高調波成分を上述した第3の電動機よりも低減でき、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙近傍の温度上昇も上述した第3の電動機より低減できる。これにより、電動機の冷却効率の向上を上述した第3の電動機よりも図ることができる。
また、第7の電動機においては、径方向に冷却風を導く通風ダクトを固定子鉄心に設けることが望ましい。
また、第7の電動機においては、スロット開口部の径方向寸法を0〜0.3mmの範囲に設定することが望ましい。
本発明に係る第8の電動機は、電動機の最大トルクが160%以上,電動機の機内温度上昇が100K以下の電動機であって、固定子粋の内側に設けた固定子鉄心と、間隙を介して固定子鉄心の内側に設けた回転子鉄心とを有し、回転子鉄心には、径方向に冷却風を導く通風ダクトを設け、固定子鉄心の複数のスロットには、磁性を有する楔を挿入している。
この第8の電動機によれば、上述した第3の電動機と同様に、電動機の冷却効率の向上を図ることができる。
また、第8の電動機においては、径方向に冷却風を導く通風ダクトを固定子鉄心に設けることが望ましい。
本発明に係る第9の電動機は、電動機の最大トルクが160%以上,電動機の機内温度上昇が100K以下の電動機であって、固定子粋の内側に設けた固定子鉄心と、間隙を介して固定子鉄心の内側に設けた回転子鉄心とを有し、回転子鉄心および固定子鉄心には、径方向に冷却風を導く通風ダクトを設けていると共に、電動機の力率を78%以上としている。
この第9の電動機によれば、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙を流れる冷却風と回転子鉄心に設けた径方向に冷却風を導く通風ダクトを流れる冷却風との風圧がほぼ等しくなり、回転子鉄心に設けた径方向に冷却風を導く通風ダクトを流れる冷却風は、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙において、固定子鉄心に設けた径方向に冷却風を導く通風ダクトを流れる冷却風と、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙を流れる冷却風とに分流し、回転子鉄心に設けた径方向に冷却風を導く通風ダクト以降にあたる固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙部分の冷却を行えると共に、電動機の最大トルクを160%以上,電動機の機内温度上昇を100K以下,電動機の力率を78%以上とすることができる。すなわち、電動機特性の低下を抑えつつ、電動機の冷却効率の向上を図ることができる。
本発明に係る第10の電動機は、固定子粋の内側に設けた固定子鉄心と、間隙を介して固定子鉄心の内側に設けた回転子鉄心とを有し、固定子枠と固定子鉄心との間には、軸方向に連続した複数の第1の通風ダクトを設け、回転子鉄心には、軸方向に連続した複数の第2の通風ダクトと、第2の通風ダクトと、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙とを連通する第3の通風ダクトとを設け、固定子鉄心には、第1の通風ダクトと、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙とを連通する第4の通風ダクトを設け、固定子鉄心の複数のスロットには、磁性を有する楔を挿入していると共に、電動機の極数をP,固定子鉄心の内径をDsi,固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙の寸法をgとしたとき、
0.015≦g/Dsi×P≦0.040
の関係が成り立つように固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙の寸法gを設定している。
この第10の電動機によれば、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙を流れる冷却風よりも比較的温度の低い第2の通風ダクトを流れる冷却風が、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙に導かれ、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙の吸熱を効果的に行えると共に、磁性を有する楔によってギャップ磁束の高調波成分が低減し、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙近傍の温度上昇を低減できる。しかも、固定鉄心と回転子鉄心との間の間隙を流れる冷却風と第3の通風ダクトを流れる冷却風との風圧がほぼ等しくなり、第3の通風ダクトを流れる冷却風は、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙において、第4の通風ダクトを流れる冷却風と、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙を流れる冷却風とに分流し、第3の通風ダクト以降にあたる固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙部分の冷却を行えると共に、上記関係式を満足するように回転子鉄心との間の間隙の寸法gを設定していることによって、電動機の最大トルクを160%以上,電動機の機内温度上昇を100K以下,電動機の力率を78%以上とすることができる。従って、固定子鉄心と回転子鉄心との間の間隙近傍の鉄心部分に集中する高調波等の損失の発生を抑えて電動機の冷却効率の向上を図ることができると共に、電動機特性の低下を抑えつつ、電動機の冷却効率の向上を図ることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明に係る実施例を図面に基づいて説明する。
この発明の第1の実施例のかご形誘導電動機の構造を第1図〜第4図に基づいて説明する。1は、円筒形状の固定子枠であり、その内周側には、円筒形状の固定子鉄心2を設けている。固定子鉄心2の内周側には、間隙、いわゆるエアギャップ10を介して回転子鉄心3を設けている。4は、回転子鉄心3を外周に嵌合した回転子軸である。
固定子鉄心2には、軸方向に連続した複数のスロット15を、周方向に所定の間隔で配設している。複数のスロット15には、固定子巻線5を収めている。また、複数のスロット15には、第3図に示すように、T字形状の楔16を挿入し、固定子巻線5が脱落しないようにしている。楔16には、例えば、電気学会,マグネティックス研究会資料,MAG−85−160(1985年発行)第33頁〜第39頁に記載されているように、透磁率10〜50μH/m程度の磁性を有している楔を使用している。
ここで、スロット15の開口幅をw,固定子鉄心2の内周表面部から楔16までの距離をh,スロット15の開口幅wと固定子鉄心2の内周表面部から楔16までの距離hとの積で表されるスロット15の開口部の断面積をShwとしたとき、固定子鉄心2の内周表面部から磁性楔16までの距離hを0〜0.8mm、好ましくは、0〜0.3mmの範囲に設定し、スロット15の開口部の断面積Shwを小さくしている。これは、スロット15に挿入した磁性を有する楔16により、ギャップ磁束の高調波成分を低減するためである。
すなわち、スロット15の開口幅wに応じて生じるギャップパーミアンスの脈動成分により、ギャップ磁束の高調波成分は顕著になる。このギャップ磁束の高調波成分が顕著になると、磁束の表皮効果によってエアギャップ10近傍に高調波損失が集中し、エアギャップ10近傍の温度が高くなり、電動機内部の温度が上昇する。このため、スロット15に磁性を有する楔16を挿入し、ギャップ磁束の高調波成分の低減を図っている。
しかし、固定子鉄心2の内周表面部から楔16までの距離hを小さくしなければ、その効果は小さい。また、そうしなければ、スロット漏れ磁束の増加を招き電動機特性が悪化する。このため、本実施例においては、固定子鉄心2の内周表面部から楔16までの距離hを0〜0.8mm、好ましくは、0〜0.3mmの範囲に設定している。
回転子鉄心3には、軸方向に連続な複数のスロット18を、周方向に所定の間隔で配設している。複数のスロット18には、回転子巻線6を収めている。
固定子枠1と固定子鉄心2との間には、軸方向に連続な複数の軸方向通風ダクト7を、周方向に所定の間隔で配設している。固定子鉄心2には、複数の軸方向通風ダクト7とエアギャップ10とを連通する複数の径方向通風ダクト9aを、周方向に所定の間隔で配設している。しかも、エアギャップ10を流れる冷却風の下流側40%の範囲にあたる固定子鉄心部分の2ケ所に設けている。
回転子鉄心3には、軸方向に連続な複数の軸方向通風ダクト8を、周方向に所定の間隔で配設している。また、回転子鉄心3には、複数の軸方向通風ダクト8とエアギャップ10とを連通する複数の径方向通風ダクト9bを、周方向に所定の間隔で配設している。しかも、エアギャップ10を流れる冷却風の下流側40%の範囲にあたる回転子鉄心部分の2ケ所に設けている。尚、径方向通風ダクト9aと径方向通風ダクト9bとは、互いに対向する配置となっている。
ここで、エアギャップ10を流れる冷却風の下流側40%とは、エアギャップ10の軸方向の全長に対するエアギャップ10の冷却風下流側端部から冷却風上流側への長さの割合のことである。
回転子鉄心3に設けた複数の径方向通風ダクト9bは、第4図に示すように、スロット16とほぼ同形状の環状のダクト間スペーサ17を、軸方向に複数分割した回転子鉄心3間の各スロット16間に設けて形成している。回転子巻線6は、その内周部を貫通している。
また、本実施例では、電動機の特性の低下を抑えつつ、エアギャップ10を流れる冷却風の冷却効率の向上を図るために、エアギャップ10の寸法を次式が成り立つように設定している。
0.015≦g/Dsi×P≦0.040 …(数1)
尚、gはエアギャップ10の寸法、Dsiは固定子鉄心2の内径、Pは電動機の極数を示している。
すなわち、スロット15に挿入した磁性を有する楔16の効果が激減しないように、また、スロット漏れ磁束の増加を招き電動機の特性が悪化しないように、固定子鉄心2の内周表面部から楔16までの距離hを0〜0.8mm、好ましくは、0〜0.3mmの範囲に設定した場合、それに合わせて、エアギャップ10の寸法gを変える必要がある。さもないと、エアギャップ10の通風容量が小さくなって、エアギャップ10を流れる冷却風の風量,風圧が径方向通風ダクト9bを流れる冷却風よりも小さくなり、径方向通風ダクト9bを流れる冷却風がエアギャップ10を流れる冷却風を遮るようになる。この結果、エアギャップ10の下流側には、ほとんど冷却風が流れず、エアギャップ10の下流側の冷却効率が低下する。
従って、エアギャップ10の寸法gを大きくすればよいが、単に大きくしただけでは、励磁アンペアターンの増大を招き電動機の特性が悪化する。このため、本実施例においては、数1の関係が成り立つように、エアギャップ10の寸法gを設定し、電動機の特性の低下を抑えつつ、エアギャップ10を流れる冷却風の冷却効率の向上を図っている。
固定子枠1の両端には、通風口12aを備えたドーナッツ形状のブラケット12を設け、固定子枠1を両側から塞いでいる。ブラケット12の内周部には、軸受装置13を設け、回転子軸4を回転自在に支承している。回転子軸4の一端部には、冷却ファン11を設けている。冷却ファン11を設けた電動機の端部は、入気口14aを備えたファンカバー14により覆われている。
次に、本実施例のかご形誘導電動機内における冷却風の流れを第1図に基づいて説明する。第1図中の矢印は、その冷却風の流れを示している。
回転子軸4の回転により冷却ファン11が回転すると、ファンカバー14の入気口14aから冷却風として外気が取り込まれ、ブラケット12の通風口12aから電動機内部に送り込まれる。電動機内部に送り込まれた冷却風は、軸方向通風ダクト7,軸方向通風ダクト8,エアギャップ10の3つに分かれ、固定子鉄心2,回転子鉄心3を冷却する。
軸方向通風ダクト8を流れる冷却風は、回転子鉄心3の内部を冷却しながら流れ、径方向通風ダクト9bとの分岐部分において軸方向と径方向とに分かれる。軸方向の冷却風は、回転子鉄心3の内部を冷却しながら軸方向通風ダクト8を下流側に流れ、電動機内部に流れ出る。一方、径方向の冷却風は、回転子鉄心3の内部を冷却しながら径方向通風ダクト9bを流れ、エアギャップ10に流れ出る。エアギャップ10に流れ出た冷却風は、エアギャップ10の上流よりその近傍を冷却しながら流れてきた冷却風と合流する。
この時、径方向通風ダクト9bを流れる冷却風とエアギャップ10を流れる冷却風は、ほぼその風圧が等しいので、径方向通風ダクト9bを流れる冷却風がエアギャップ10を流れる冷却風を遮ることがない。また、径方向通風ダクト9bを流れる冷却風は、回転子鉄心3と共に回転する径方向通風ダクト9bおよびダクト間スペーサ17によってファン効果が得られる。
エアギャップ10の下流側において合流した冷却風は、その合流部分において軸方向と径方向に分かれる。軸方向の冷却風は、エアギャップ10近傍を冷却しながらエアギャップ10を下流側に流れ、電動機内部に流れ出る。
この時、エアギャップ10を流れる冷却風よりも比較的温度の低い軸方向通風ダクト8の冷却風を、径方向通風ダクト9bを介してエアギャップ10の比較的高温部分である下流側に導くことができるので、エアギャップ10の高温部分の吸熱を効果的に行うことができ、エアギャップ10の下流側の冷却効率の向上が図れる。
一方、径方向の冷却風は、固定子鉄心2の内部を冷却しながら径方向通風ダクト9aを流れ、軸方向通風ダクト7に流れ出る。軸方向通風ダクト7に流れ出た冷却風は、軸方向通風ダクト7の上流より固定子鉄心2の外周側を冷却しながら流れてきた冷却風と合流する。合流した冷却風は、固定子鉄心2の外周側を冷却しながら軸方向通風ダクト7を下流側に流れ、電動機内部に流れ出る。そして、軸方向通風ダクト7,軸方向通風ダクト8,エアギャップ10から電動機内部に流れ出た冷却風は、ブラケット12の通風口12aから電動機外部に流れ出る。
次に、数1に示した数値範囲を第6図〜第9図に基づいて説明する。
本発明者らは、電動機の特性の低下を抑えつつ、エアギャップ10を流れる冷却風の冷却効率の向上が図れるエアギャップ10の寸法を得るために、実験を行った。まず、本発明者らは、数1の関係式に対する電動機の温度上昇,最大トルク,力率および電動機の総損失とその定格出力との比の関係を実験より求めた。次に、実験により求めた特性と、電動機が満足しなければならない規定値等とをつき合わせた。そして、いずれの規定値等をも満足できる数1に示した数値範囲を得た。
第6図〜第9図は、実験により得られた数1の関係式に対する電動機の温度上昇,最大トルク,力率および電動機の総損失とその定格出力との比の関係をまとめたものであり、横軸に数1の関係式の数値をとり、縦軸にそれぞれの特性の数値をとっている。尚、第6図〜第9図の特性図には、2極,4極,6極,8極の電動機の特性を示した。
第6図は、数1の関係式に対する電動機の温度上昇の関係を示す特性図である。電動機は、JEC37(電気学会電気規格調査会標準規格「誘導機」)等の規格より、その温度上昇を100K以下としなければならない。このことから、本発明者らは、第6図とその規格値とをつき合わせてみた。この結果、数1の関係式の数値範囲を0.05〜0.040とすれば、2極,4極,6極,8極の電動機の全てにおいて上記温度上昇の規定値を満足できるということを発見した。
第7図は、数1の関係式に対する電動機の最大トルクの関係を示す特性図である。電動機は、JEC37等の規格より、その最大トルクを160%以上としなければならない。このことから、本発明者らは、第7図とその規定値とをつき合わせてみた。この結果、数1の関係式の数値範囲を0.015以上とすれば、2極,4極,6極,8極の電動機の全てにおいて上記最大トルクの規定値を満足できるし、上記電動機の温度上昇の規定値も満足できるということを発見した。
第8図は、数1の関係式に対する電動機の力率の関係を示す特性図である。電動機は、電動機の極数と出力によって異なるが、JEM1381(日本電機工業会規格「高圧(3KV級)三相かご形誘導電動機(一般用F種)の特性及び騒音レベル」)等の規格より、その力率を少なくとも73.5%より大きくしなければならない。このことから、本発明者らは、第8図とその規定値とをつき合わせてみた。この結果、数1の関係式の数値範囲を0.040以下とすれば、2極,4極,6極,8極の電動機の全てにおいて上記力率の規定値を満足できるし、上記電動機の温度上昇の規定値も満足できるということを発見した。ちなみに、0.040以下では、78%以上の力率を得ることができた。
第9図は、数1の関係式に対する電動機の総損失とその定格出力との比の関係を示す特性図である。電動機は、省エネルギーの観点からその総損失を小さくすることが好ましい。従って、電動機の総損失とその定格出力との比の関係も小さくなることが好ましい。このことから、本発明者らは、第9図に上記電動機の温度上昇,最大トルク,力率の各規定値を満足できる数値範囲、すなわち、0.015〜0.040をつき合わせてみた。この結果、0.015〜0.040の数値範囲内であれば、上記の要求を十分に満足できるということを発見した。
このように、本発明者らは、数1の関係式の数値範囲を0.015〜0.040とし、この数値範囲を満足するようにエアギャップ10の寸法を設定すれば、電動機の特性の低下を抑えつつ、エアギャップ10を流れる冷却風の冷却効率の向上を図ることができることを発見したのである。尚、第6図〜第9図の特性図においては、2極,4極,6極,8極の電動機の特性のみを示したが、上記数値範囲は、この他の極数であっても有効である。
次に、本実施例のかご形誘導電動機と、他の構造を有するかご形誘導電動機との性能の比較結果を第10図に基づいて説明する。
本発明者らは、本実施例のかご形誘導電動機と、他の構造を有するかご形誘導電動機との性能を比較するために、固定子鉄心のスロット開口部断面積Shw,固定子鉄心のスロットに挿入する楔の材質,ラジアルダクト(径方向通風ダクト)の有無をパラメータとし、エアギャップの寸法gに対する電動機特性(効率,力率)と電動機内の最高温度を、定格出力の120%出力条件において測定した。この結果、第10図に示す特性図が得られた。
ここで、エアギャップのある寸法g1における特性を比較してみた。ラジアルダクト無,スロット開口部断面積Shw小,磁性を有する楔使用の第1の電動機は、ラジアルダクト価 スロット開口部断面積Shw小,非磁性楔使用の第2の電動機よりも電動機特性が向上し、電動機内の最高温度も低いが、両電動機とも電動機内の最高温度が規格値を超えてしまう。
ラジアルダクト無,スロット開口部断面積Shw大,磁性を有する楔使用の第3の電動機は、電動機特性が規格値を満足しているものの第2の電動機よりも低下してしまう。これは、スロット開口部断面積Shw大により、漏れ磁束が著しく増加してしまうためである。また、電動機内の最高温度は、第1の電動機よりも低いものの、ラジアルダクト無,スロット開口部断面積Shw大,非磁性楔使用の第4の電動機より大きく、かつ、規定値を超えてしまう。これは、第4の電動機の場合、スロット開口部断面積Shwの大小変化に対して電動機特性の変化が小さいが、第3の電動機の場合、スロット開口部断面積Shwの大小変化に対して電動機特性の変化が大きくなってしまうためである。
これに対して、本実施例のかご形誘導電動機、すなわち、ラジアルダクト有,スロット開口部断面積Shw小,磁性を有する楔使用のかご形誘導電動機は、電動機特性および電動機内の最高温度が規定値を満足すると共に、電動機特性が第1の電動機よりも向上し、電動機内の最高温度が第4の電動機よりも低下した。
従って、本実施例のかご形誘導電動機では、電動機の特性の低下を抑えつつ、電動機の冷却効率の向上が図れると共に、上述したいずれの電動機よりも電動機特性,電動機の冷却効率の向上が図れる。
以上説明した第1の実施例によれば、固定子鉄心2に設けたスロット15に磁性を有する楔16を挿入しているので、ギャップ磁束の高調波成分が低減し、エアギャップ10近傍の温度上昇が低減でき、エアギャップ10近傍の冷却効率を向上できる。また、固定子鉄心2の内周表面部から楔16までの距離hを0〜0.8mm、好ましくは、0〜0.3mmの範囲に設定し、スロット15の開口部の断面積Shwを小さくしているので、上記効果をより一層向上できる。
また、第1の実施例によれば、数1の関係が成り立つように、エアギャップ10の寸法を設定しているので、径方向通風ダクト9bを流れる冷却風とエアギャップ10を流れる冷却風の風圧をほぼ等しくなり、径方向通風ダクト9bを流れる冷却風がエアギャップ10を流れる冷却風を遮ることがなく、エアギャップ10の下流側の冷却効率の向上が図れる。しかも、励磁アンペアターンの増大を招き電動機の特性が悪化することなく冷却効率の向上が図れる。ちなみに、最大トルクは160%以上、機内温度上昇は100K以下、力率は78%以上を満足できた。
次に、この発明に係る他の実施例について説明する。
この発明の第2の実施例のかご形誘導電動機の構造を第5図に基づいて説明する。本実施例のかご形誘導電動機は、前例のかご形誘導電動機と同様に、スロット15に磁性を有する楔16を挿入し、固定子鉄心2の内周表面部から楔16までの距離hを0〜0.8mm、好ましくは、0〜0.3mm範囲に設定し、数1の関係が成り立つようにエアギャップ10の寸法を設定しているが、1200rpm以下の回転速度で運転されることから、径方向通風ダクト9aおよび径方向通風ダクト9bを、固定子鉄心2および回転子鉄心3の複数部分にほぼ均等間隔に設けている。
すなわち、1200rpmを超える回転速度で運転される場合は、前例の構成でよいが、1200rpm以下の回転速度で運転される場合は、回転速度の低速に伴って回転子軸4の一端部に設けた冷却ファン11の回転も低速になり、電動機内に送り込まれる冷却風の風圧が低下する。このため、電動機内に送り込まれた冷却風の多くは、軸方向通風ダクト7,8を流れ、エアギャップ10には、少しの冷却風しか流れなくなる。これにより、エアギャップ10を流れる冷却風の冷却効率が低下する。
このようなことから、本実施例では、径方向通風ダクト9aおよび径方向通風ダクト9bを、固定子鉄心2および回転子鉄心3の複数部分にほぼ均等間隔に設けている。このような構成によれば、軸方向通風ダクト8を流れる冷却風の一部が、径方向通風ダクト9bを介してエアギャップ10の上流側に供給され、エアギャップ10を流れる冷却風の冷却効率が低下することがない。
しかも、固定子鉄心2に設けたスロット15に磁性を有する楔16を挿入しているので、ギャップ磁束の高調波成分が低減し、エアギャップ10近傍の温度上昇が低減でき、エアギャップ10近傍の冷却効率を向上できる。また、固定子鉄心2の内周表面部から楔16までの距離hを0〜0.8mm、好ましくは、0〜0.3mmの範囲に設定し、スロット15の開口部の断面積Shwを小さくしているので、上記効果をより一層向上できる。
また、数1の関係が成り立つように、エアギャップ10の寸法を設定しているので、径方向通風ダクト9bを流れる冷却風とエアギャップ10を流れる冷却風の風圧をほぼ等しくなり、径方向通風ダクト9bを流れる冷却風がエアギャップ10を流れる冷却風を遮ることがなく、エアギャップ10の下流側の冷却効率の向上が図れる。しかも、励磁アンペアターンの増大を招き電動機の特性が悪化することなく冷却効率の向上が図れる。ちなみに、前例と同様に最大トルクは160%以上、機内温度上昇は100K以下、力率は78%以上を満足できた。
産業上の利用可能性
この発明に係る電動機によれば、エアギャップ近傍の鉄心部分に集中する高調波等の損失の発生を抑えて電動機の冷却効率の向上を図ることができる電動機を提供できる。また、電動機特性の低下を抑えつつ、電動機の冷却効率の向上を図ることができる電動機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の第1の実施例であるかご形誘導電動機を示した縦断面図である。第2図は、第1図のII−II断面図である。第3図は、第2図のIII部分を拡大した拡大断面図である。第4図は、第1図の〜VI部分を拡大した拡大斜視図である。第5図は、この発明の第2の実施例であるかご形誘導電動機を示した縦断面図である。第6図は、g/Dsi×Pの関係式に対する電動機の温度上昇の関係を示した図面である。第7図は、g/Dsi×Pの関係式に対する電動機の最大トルクの関係を示した図面である。第8図は、g/Dsi×Pの関係式に対する電動機の力率の関係を示した図面である。第9図は、g/Dsi×Pの関係式に対する電動機の総損失とその定格出力との比の関係を示した図面である。第10図は、エアギャップ寸法に対する電動機特性(効率,力率)および電動機内最高温度の関係を示した図面である。

Claims (9)

  1. 固定子枠の内側に設けられた固定子鉄心と、該固定子鉄心の内側に間隙を介して設けられた回転子鉄心と、該回転子鉄心に設けられた軸方向の第1通風ダクトと、前記回転子鉄心に設けられ前記第1通風ダクトと前記間隙とを連通する第2通風ダクトと、前記固定子枠と前記回転子鉄心との間に複数設けられた軸方向の第3通風ダクトと、前記固定子鉄心に設けられ前記第3通風ダクトと前記間隙とを連通してなる第4通風ダクトとを備え、電動機の極数をP、前記固定子鉄心の内径をDsi、前記間隙の寸法をgとしたとき、
    0.015≦g/Dsi×P≦0.040
    の関係が成り立つように前記間隙の寸法gを設定してなる電動機。
  2. 前記第2通風ダクト及び前記第4通風ダクトは、前記間隙を流れる冷却風の下流側40%の範囲にあたる部分に設けられている請求項1記載の電動機。
  3. 前記第2通風ダクト及び前記第4通風ダクトは、軸方向に複数、かつほぼ均等間隔に設けられている請求項1記載の電動機。
  4. 1200rpm を超える回転速度で運転される請求項2記載の電動機。
  5. 1200rpm 以下の回転速度で運転される請求項3記載の電動機。
  6. 固定子鉄心と、該固定子鉄心の内側に間隙を介して設けられた回転子鉄心と、該回転子鉄心及び前記固定子鉄心に設けられ冷却風を径方向に流通する通風ダクトと、前記回転子鉄心の回転軸の一端側に設けられた冷却ファンとを備え、電動機の極数をP、前記固定子鉄心の内径をDsi、前記間隙の寸法をgとしたとき、
    0.015≦g/Dsi×P≦0.040
    の関係が成り立つように前記間隙の寸法gを設定してなる電動機。
  7. 固定子鉄心と、該固定子鉄心の内側に間隙を介して設けられた回転子鉄心と、該回転子鉄心及び前記固定子鉄心に設けられ冷却風を径方向に流通する通風ダクトと、外気を一端部より取り入れ他端部より排出する端部構造とを備え、電動機の極数をP、前記固定子鉄心の内径をDsi、前記間隙の寸法をgとしたとき、
    0.015≦g/Dsi×P≦0.040
    の関係が成り立つように前記間隙の寸法gを設定してなる電動機。
  8. 固定子枠の内側に設けられた固定子鉄心と、該固定子鉄心の内側に間隙を介して設けられた回転子鉄心と、該回転子鉄心に設けられた軸方向の第1通風ダクトと、前記回転子鉄心に設けられ前記第1通風ダクトと前記間隙とを連通する第2通風ダクトと、前記固定子枠と前記回転子鉄心との間に複数設けられた軸方向の第3通風ダクトと、前記固定子鉄心に設けられ前記第3通風ダクトと前記間隙とを連通してなる第4通風ダクトと、前記固定子鉄心の複数のスロットに挿入された磁性を有する楔とを備え、電動機の極数をP、前記固定子鉄心の内径をDsi、前記間隙の寸法をgとしたとき、
    0.015≦g/Dsi×P≦0.040
    の関係が成り立つように前記間隙の寸法gを設定してなる電動機。
  9. 固定子鉄心と、該固定子鉄心の内側に間隙を介して設けられた回転子鉄心と、該回転子鉄心及び前記固定子鉄心に設けられ冷却風を径方向に流通する通風ダクトとを備え、電動機の極数をP、前記固定子鉄心の内径をDsi、前記間隙の寸法をgとしたとき、
    0.015≦g/Dsi×P≦0.040
    の関係が成り立つように前記間隙の寸法gを設定してなる電動機。
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