JP3855308B2 - ナビゲーションシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地上移動体の移動経路を地図情報に基づいて探索し、この移動経路を移動体操作者に情報伝達するナビゲーション装置に関し、特に、移動経路の学習機能を備えたナビゲーションシステムに関する。
【0002】
【従来技術】
従来のナビゲーション装置としては、例えば特開昭61−194473号に示される車載用ナビゲーション装置がある。この車載用ナビゲーション装置では、ディスプレイ装置に使用者が希望するエリアの地図が、不揮発性情報記憶装置に記憶された地図情報を基に表示される。その地図表示に伴って、目的地として設定される施設を検索する条件が画面上に提示される。そして、その検索条件の段階的な選択により、使用者が希望する施設が目的地として特定される。
【0003】
この特定された施設の所在位置が、地図画面中に識別マークで表示される。さらに、現在位置から、その特定された施設までの推奨移動経路が、上記地図情報を基に、ナビゲーション装置によって探索され、画面上に表示される。なお、移動体が、その推奨移動経路上を移動している間、必要な地上環境情報(進出道路情報)が音声等の聴取手段によって使用者に報知される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この様なナビゲーション装置に於いて、探索される推奨移動経路は、不揮発生情報記憶装置に記憶された道路情報で構成される。よって、不揮発性情報記憶装置に記憶されている道路に基づいて探索される推奨移動経路は、例えば、できるだけ短い走行距離で到達するような最短距離の経路、比較的幅広い道を中心に右左折回数を少なくした迂回経路等であった。しかし、運転者が普段走行している道路を活用した探索経路や、好みの道路を織り混ぜた経路を要求する場合があっても、必ずしも探索された推奨移動経路上に反映されるとは限らなかった。また、不揮発性情報記憶装置に記憶されていない道路は、ナビゲーション装置によって探索される推奨移動経路には、含まれないことになる。ところが、実際の各道路では、新規な道路が順次建設されており、不揮発性情報記憶装置の道路情報では、最も優れた推奨移動経路が探索できない場合が生じている。
【0005】
すなわち、不揮発性情報記憶装置に記憶されていない道路が、新規に建設された場合、その新規道路を利用した経路が、より迅速かつ良好に所望目的地まで移動できる場合がある。しかし、ナビゲーション装置では、この様な新規道路を推奨移動経路に含められない。よって、従来のナビゲーション装置では、既存道路の車線増加、減少または、新規道路の建設に伴う道路環境の変化に、柔軟に対応できない場合がある。また、使用者にとっての、最適な経路が探索できない場合もある。
【0006】
特に、車両の走行軌跡を表す各道路情報保存できると共に、この保存される各道路情報を活用した経路探索ができれば、より使用者の好む経路形成が可能となる。しかも、一定量蓄積された各道路情報について、情報整理ができれば、より最適な経路探索が可能になる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、車両の現在位置を検出する手段と、この検出された現在位置に対応する道路または交差点に関する軌跡データを記憶する手段と、前記記憶された軌跡データを、当該軌跡データにおける道路または交差点の通過時間帯に応じて削除する削除手段と、をナビゲーションシステムに具備させる。
請求項2に記載の発明では、車両の現在位置を検出する手段と、この検出された現在位置に対応する道路または交差点に関する軌跡データを記憶する手段と、前記記憶された軌跡データを、当該軌跡データにおける道路または交差点の通過時間制限に応じて削除する削除手段と、をナビゲーションシステムに具備させる。
請求項3に記載の発明では、車両の現在位置を検出する手段と、この検出された現在位置に対応する道路または交差点に関する軌跡データを記憶する手段と、前記記憶された軌跡データを、当該軌跡データにおける道路または交差点の通過平均車速に応じて削除する削除手段と、をナビゲーションシステムに具備させる。
【0009】
請求項に記載した発明では、請求項1から請求項のうちのいずれか1の請求項に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記軌跡データは、新たな軌跡データが記憶される時、車両が目的地付近に到達した時、前記軌跡データを記憶する手段の記憶容量が不足した時、または操作者が削除を選択した時に削除されることを特徴とする。
請求項に記載した発明では、請求項1から請求項のうちのいずれか1の請求項に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記軌跡データに含まれる道路毎に前記軌跡データを記憶する手段から削除するか否かを選択する手段を備えたことを特徴とする。
請求項に記載した発明では、請求項1から請求項のうちのいずれか1の請求項に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記軌跡データに基づいて目的地までの経路を算出する手段を備えたことを特徴とする。
請求項に記載した発明では、請求項記載のナビゲーションシステムにおいて、前記現在位置に基づいて前記経路を誘導する手段とを備え、前記軌跡データを記憶する手段は、道路または交差点に関する過去の軌跡データを記憶する第1記憶手段と、経路誘導時に道路または交差点に関する軌跡データを記憶する第2記憶手段とからなり、前記第2記憶手段に記憶された軌跡データに基づいて前記第1記憶手段に記憶された軌跡データを変更することを特徴とする。
請求項に記載した発明では、請求項または記載のナビゲーションシステムにおいて、経路案内時に走行した軌跡データと前記経路とを比較して不一致の部分の軌跡データを削除することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
1.実施例の要約
以下に説明する本発明に係る実施例は、車両の現在位置を検出するようにし(ステップSA3、SA9)、この検出された現在位置に対応するデータと道路または交差点に関するデータを記憶するようにし(ステップSC21、SD3、SD7、SD11、SD15、SD17、SE5、SE9、SE13、SE17、SE19)、これらの記憶された新しい道路または交差点を所定条件に応じて削除する(ステップSA19)ようにしたことを特徴とするナビゲーションシステムである。
【0011】
また、上記ナビゲーションシステムは、更に、上記検出された現在位置に関するデータ(図3の位置データPQ1、位置データPQ2)と、この道路(リンクデータ60)または交差点(交差点データ65)に関するデータとを比較するようにし、この比較結果に基づいて当該道路または交差点の通過量を変更する(ステップSC9、SC13)ようにし、この通過量(走行回数SEK、走行回数ESK、走行回数NVC)または/及び上記新たな道路または交差点の記憶時点(日時データSND、走行日時DTS)とに基づいて、上記記憶された新たな道路または交差点を削除する(ステップSK49)ようにしたことを特徴とする。
【0012】
さらにまた、上記新たな道路または交差点を選択して削除することは、上記新たな道路または交差点が記憶される時、上記車両が目的地付近に到達した時、上記道路又は交差点の記憶容量が不足した時(ステップSK1、SK3)、または操作者が上記削除を選択指定した時(ステップSK31)に実行されることを特徴とする。
【0013】
また、上記ナビゲーションシステムは、上記道路もしくは交差点の通過量または上記新たな道路もしくは交差点の通過量を、当該道路の進入方向、進出方向、進行方向または走行方向ごと、または当該交差点の進入方向、進出方向、進行方向または走行方向ごとに分けて変更し(図12のステップSC13、図13のステップSD9、図14のステップSE11)、この変更された道路または交差点の通過量を出力する(図9のステップSA21)ことを特徴とする。
【0014】
以下に説明する本発明に係る実施例は、指定された地点から車両が移動したときの現在位置を検出するようにし、この検出された現在位置が上記指定地点に基づく所定範囲内にあれば、上記検出された現在位置に関するデータと移動する道路または交差点に関するデータとを比較するようにし、この比較において当該現在位置と当該道路または交差点とが対応しているか否かを判定して当該現在位置を新たな道路または交差点として記憶するようにし、または上記比較結果に基づいて当該道路または交差点の通過量を変更するようにしたことを特徴とする。
【0015】
なお、ここでの「通過量」とは、道路若しくは交差点(道路をリンクという最小単位の直線に分断したとき、そのリンク同士を接続する点であるノードを含み、3以上のリンクが接続するノードが交差点である)を車両が通過したときの情報である。具体的には、道路(リンク)又は交差点(ノード)の走行回数、平均車速、走行日時、通過所用時間に関するデータである(図6、7参照及び図12のステップSC9、SC13参照)。また、車両が、軌跡データ記憶装置40に保存されていない道路(リンク)若しくは交差点(ノード)を初めて通過した場合も、軌跡データ記憶装置40にその道路又は交差点に関する情報を新たに記憶することも、「通過量」の変化である(図12のステップSC5、SC19、SC21、SC23参照)。また、上記指定地点は、操作者が指定した地点、または車両の駆動源の駆動開始または終了を検出するようにし、この検出された車両の駆動源の駆動開始/終了地点とする。
【0016】
さらに、上記実施例は、上記指定地点ごとに車両の通過回数または車両の駆動源の駆動開始の検出回数を記憶するようにし、この検出回数に応じて上記指定地点に基づく所定範囲の大きさを変更するようにした。
【0017】
さらにまた、上記新たな道路または交差点の記憶、または上記道路または交差点の通過量の変更は、上記指定地点の通過以降若しくは以前において実行される、上記車両の駆動源の駆動開始以降若しくは以前において実行される、または上記車両の駆動源の駆動終了以前若しくは以降において実行される。
【0018】
2.全体回路
図1は、本発明に係るナビゲーション装置の全体回路を示す。中央処理部1は、ナビゲーション装置全体の動作を制御する。この中央処理部1は、CPU(中央処理装置)2、フラッシュメモリ3、第2ROM4、第1RAM(Random Access Memory)5、第2RAM6、センサ入力インターフェイス7、通信インターフェイス8、画像プロセッサ9、画像メモリ10、音声プロセッサ11及び時計14によって構成されている。各CPU2〜時計14は、CPUローカルバス15によって相互に接続されており、CPU2の制御のもと、各種情報データの授受が各デバイス間で行われる。
【0019】
フラッシュメモリ3は、電気的な消去及び書き込みが可能なメモリ(EEPROM)等で構成される。このフラッシュメモリ3に記憶されるプログラムは、情報記憶部37に記憶されているプログラム38bが複写される。このプログラム38bとしては、後述する各フローチャートに応じ、CPU2で実行される各種処理のプログラムが含まれている。例えば、情報の表示制御と音声案内制御等がある。
【0020】
また、フラッシュメモリ3に記憶される情報には、ナビゲーション動作(ルートの探索、ルートの案内)で用いられる、各種パラメータ等が含まれている。第2ROM4には、表示図形データ及び各種汎用データが記憶されている。表示図形データとは、ディスプレイ33上に表示されるルート案内及び地図表示に必要な各データである。各種汎用データとは、案内音声用の合成または肉声を録音した音声波形データ等のナビゲーション時に使用される各データである。
【0021】
第1RAM5には、外部から入力されたデータ及び、演算のために用いられる各種パラメータや演算結果及びナビゲーション用のプログラム等が記憶される。時計14は、カウンタ及びバッテリバックアップRAMまたはEEPROM等から構成されており、時間情報が随時出力される。
【0022】
センサ入力インターフェイス7は、A/D変換回路またはバッファ回路等で構成されている。このセンサ入力インターフェイス7は、現在位置検出装置20の各センサと接続され、アナログ信号またはデジタル信号で伝達されるセンサデータが入力される。この現在位置検出装置20のセンサには、絶対方位センサ21、相対方位センサ22、距離センサ23及び速度センサ24がある。
【0023】
絶対方位センサ21は、例えば、地磁気センサであり、絶対方位が検出される。この絶対方位センサ21から、絶対方位となる南北方向を示すデータが出力される。相対方位センサ22は、例えば、操舵角センサであり、光ファイバジャイロや圧電振動ジャイロ等のジャイロ装置によって車輪の操舵角が検出される。そして、絶対方位センサ21で検出される絶対方位に対する、自車両進出方向の相対角度が、相対方位センサ22から出力される。
【0024】
距離センサ23は、例えば、走行距離メータに連動したカウンタ等で構成されている。この距離センサ23からは、自車両の走行距離を示すデータが出力される。速度センサ24は、速度メータに接続されたカウンタ等で構成されている。この速度センサ24からは、自車両の走行速度に比例するデータが出力される。
【0025】
中央処理部1の通信インターフェイス8には、I/Oデータバス28が接続されている。このI/Oデータバス28には、現在位置検出装置20のGPS受信装置25、ビーコン受信装置26及びデータ受信装置27が接続されている。さらに、このI/Oデータバス28には、入出力装置30のタッチスイッチ34、プリンタ35及び情報記憶部38が接続されている。つまり、通信インターフェイス8により、各付属装置と、CPUローカルバス15との間で、各種データの授受が行われる。
【0026】
現在位置検出装置20からは、上述されたように、自車両の現在位置を検出するためのデータが出力される。つまり、絶対方位センサ21で、地磁気で示される絶対方位が検出される。相対方位センサ22で、この絶対方位に対する相対方位が検出される。さらに、距離センサ23で走行距離が検出される。速度センサ24で自車両の走行速度が検出される。GPS受信装置25により、GPS(Global Positioning System)の信号(複数の地球周回軌道衛星からのマイクロ波)が受信され、自車両の緯度・経度等の地理的な位置データが検出される。
【0027】
なお、自車両の現在位置検出には、GPS受信装置25と、絶対方位センサ21または相対方位センサ22の少なくとも一つがあれば良い。例えば、GPS受信装置25と、絶対方位センサ21とがあれば、自車両の現在位置が検出可能である。また、GPS受信装置25及び、相対方位センサ22のみでも自車両の現在位置検出は可能である。さらにまた、GPS受信装置25、絶対方位センサ21及び、相対方位センサ22の全てを備えても、自車両の現在位置検出が可能である。
【0028】
同じように、ビーコン受信装置26により、VICS(道路交通情報通信システム)等の情報提供システムからのビーコン波が受信され、近隣道路情報データまたはGPSの補正データ等がI/Oデータバス28へ出力される。データ送受信装置27では、セルラフォーンやFM多重信号、電話回線等を利用した双方向方式の現在位置情報提供システムや、ATIS(交通情報サービス)等との間で現在位置情報または自車両近隣の道路状況に関する情報が送受信される。これらの情報は、自車両の位置検出情報または運行補助情報として利用される。なお、これらビーコン受信装置26及びデータ送受信装置27は、無くても良い。
【0029】
入出力装置30は、ディスプレイ33、透明なタッチパネル34、プリンタ35及びスピーカ13から構成される。ディスプレイ33には、ナビゲーション動作中に案内情報が表示される。タッチパネル34は、ディスプレイ33の画面上に付着され、透明タッチスイッチ(透明電極で構成された接触スイッチまたは、圧電スイッチ等がある)が複数、平面マトリクス状に配置されている。このタッチパネル34からは、ナビゲーション装置に対して、出発地、目的地、通過地点等の目的地設定に必要な情報が選択され、入力される。
【0030】
プリンタ35では、通信インターフェイス8を介して出力される地図や施設ガイド等の各種情報が印刷される。スピーカ13からは音声で使用者に各情報が伝達される。なお、プリンタ35は、無くても良い。
【0031】
また、ディスプレイ33としては、CRT、液晶ディスプレイまたはプラズマディスプレイ等の画像情報を表示可能なものが利用される。しかし、消費電力が少なく、視認性が高くしかも軽量な、液晶ディスプレイがディスプレイ33として好ましい。このディスプレイ33に接続される画像プロセッサ9には、DRAM(Dynamic RAM)またはデュアルポートDRAM等の画像メモリ10が接続されている。画像プロセッサ9によって、画像メモリ10への画像データの書き込み制御が行われる。さらに、画像プロセッサ9の制御のもとで、画像メモリ10からデータが読み出されてディスプレイ33への画像表示が行われる。
【0032】
なお、画像プロセッサ9は、CPU2からの描画コマンドに従って、地図データ及び文字データを表示用画像データに変換し、画像メモリ10に書き込む。このとき、画面のスクロールのために、ディスプレイ33に表示される、画面周囲の画像も形成されて、画像メモリ10に同時に書き込まれる。
【0033】
スピーカ13には、音声プロセッサ11が接続されている。この音声プロセッサ11は、CPUローカルバス15を介してCPU2及び第2ROM4と接続されている。そして、CPU2によって、第2ROM4から読み出された案内音声用の音声波形データが、音声プロセッサ11に入力される。この音声波形データは、音声プロセッサ11によりアナログ信号に変換され、スピーカ13から出力される。この音声プロセッサ11及び上記画像プロセッサ9は、汎用のDSP(デジタルシグナルプロセッサ)等で構成されてもよい。
【0034】
I/Oデータバス28に、データ送受信部39を介して接続された、情報記憶部37には、ディスク管理情報38a、上述した各ナビゲーション動作を制御するためのプログラム38b及び地図情報などのデータ38cが記憶されている。ディスク管理情報38aには、この情報記憶部37内に記憶されているデータ及びプログラムに関する情報が保存されている。例えば、プログラム38bのバージョン情報等である。データ38cには、道路地図データなどのナビゲーション動作に必要なデータが不揮発性的に記録されている。この情報記憶部37には、I/Oデータバス28との間で、データの読み出し制御を行う、データ送受信部39が設けられている。プログラム38bは実施例記載のフローチャートに示すプログラム等が格納されている。
【0035】
また、本発明の情報記憶部37としては、CD−ROM等の光メモリのみならず、次のようなデバイスを利用してもよい。例えば、ICメモリ、ICメモリカード等の半導体メモリ、光磁気ディスク、ハードディスク等の磁気メモリ等の記憶データ書き換え可能な記録媒体でもよい。なお、データ送受信部39は、情報記録部37の記録媒体が変更された場合、その変更された記録媒体に適合するデータピックアップが備えられる。例えば、記録媒体がハードディスクであれば、コアーヘッド等の磁気信号書き込み、読み取り装置がデータ送受信部39に具備される。
【0036】
情報記憶部37のデータ38cには、ナビゲーション動作に必要な、地図データ、交差点データ、ノードデータ、道路データ、写真データ、目的地点データ、案内地点データ、詳細目的地データ、目的地読みデータ、家形データ、その他のデータが記憶されている。また、情報記憶部37に記憶されたプログラム38bにより、データ38cの道路地図データを用いてナビゲーション動作が実行される。なお、このナビゲーション用のプログラムは、データ送受信部39によって情報記憶部37から読み出され、フラッシュメモリ3内に書き込まれロードされる。その他のデータには、表示案内用データ、音声案内用データ、簡略案内経路画像データ等がある。
【0037】
なお、情報記憶部37のデータ38cに記録されている地図データには、複数の縮尺率に対応した地図データが記憶されていたり、最小縮尺率の地図データが記憶されている。したがって、ディスプレイ33に縮尺率の大きな地図が表示される場合、この情報記憶部37におけるデータ38cの最小縮尺率の地図データから情報が間引かれて表示されてもよい。この情報記憶部37のデータ38cの地図データの縮尺表示においては、各道路等の地理的距離が小さくされるのみならず、施設等の表示記号情報の間引きも、ともに行われる。
【0038】
また、I/Oデータバス28には、後述されるプログラムによって形成される軌跡データが記憶保存される軌跡データ記憶装置40が接続されている。この軌跡データ記憶装置40とは、記憶されるデータの書き換えが可能であると共に、装置に供給される電力が停止されても、その記憶されているデータが消失しない情報記憶装置のことである。この軌跡データ記憶装置40としては、例えば、ICメモリカード、ハードディスク、書き換え可能な光ディスクまたは、EEPROM等の不揮発性メモリが用いられる。
【0039】
この軌跡データ記憶装置40に記憶される軌跡データとは、自車両が通行してきた道路を地図上で識別するためのデータで構成されている。つまり、ナビゲーション装置が積載された自車両の走行してきた、各道路や各交差点等の情報データが軌跡データとして記憶される。この軌跡データには、ノードデータ55、リンクデータ60及び交差点データ65が含まれる。そして、情報記憶部37に記憶されたプログラム38bにより、軌跡データ記憶装置40に記憶されている軌跡データを利用して、新たな案内経路探索が本発明のナビゲーション装置で行われる。
【0040】
3.情報記憶部37のデータ38cのデータファイル
図2は、情報記憶部37のデータ38cに記憶されている各データファイルの内容を示す。地図データファイルF1には、全国道路地図、1地方の道路地図または住宅地図等の地図データが記憶されている。交差点データファイルF2には、交差点の地理的位置座標や名称等の交差点に関するデータが記憶されている。ノードデータファイルF3には、地図上において経路探索に利用される各ノードの地理座標データ等が記憶されている。道路データファイルF4には、道路の位置と種類及び車線数及び各道路間の接続関係等の道路に関するデータが記憶されている。写真データファイルF5には、各種施設や観光地、または主要な交差点等の視覚的表示が要求される場所を写した写真の画像データが記憶されている。
【0041】
目的地データファイルF6は、主要観光地や建物、電話帳に記載されている企業・事業所等の目的地になる可能性の高い場所や、施設等の位置と名称等のデータが記憶されている。案内地点データファイルF7には、道路に設置されている案内表示板の内容や分岐点の案内等の案内が必要とされる地点の案内データが記憶されている。詳細目的地データファイルF8には、上記目的地データファイルF6に記憶されている目的地に関する詳細なデータが記憶されている。道路名称データファイルF10には、上記道路データファイルF4に記憶されている道路の中で、主要な道路の名称データが記憶されている。分岐点名称データファイルF11には、主要な分岐点の名称データが記憶されている。住所データファイルF11には、上記目的地データファイルF6に記憶されている目的地を住所から検索するためのリストデータが記憶されている。
【0042】
市外・市内局番リストファイルF12には、上記目的地データファイルF6に記憶されている目的地の市外・市内局番のみのリストデータが記憶されている。登録電話番号ファイルF13には、使用者のマニュアル操作によって登録された、仕事上の取引先等の覚えておきたい電話番号データが記憶されている。目印データファイルF14には、使用者がマニュアル操作によって入力した走行途上の目印になる地点や覚えておきたい場所の位置と名称等のデータが記憶されている。地点データファイルF15には、目印データファイルF14に記憶されている目印地点の詳細なデータが記憶されている。施設データファイルF16には、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア或いは駐車場等の目的地以外に立ち寄りたい場所等の目標物の位置や説明等のデータが記憶されている。
【0043】
4.第1RAM5のデータ内容
図3は第1RAM5内に記憶されるデータ群の一部を示す。現在位置データMPは、現在位置検出装置20によって検出される、自車両の現在位置を表すデータである。絶対方位データZDは、地磁気による南北方向を示すデータであり、絶対方位センサ21からの情報に基づいて求められる。相対方位角データDθは、自車両の進出方向が絶対方位データZDに対してなす角度データである。この相対方位角データDθは、相対方位センサ22からの情報に基づいて求められる。
【0044】
走行距離データMLは、自車両の走行距離であり、距離センサ23からのデータに基づいて求められる。現在位置情報PIは、現在位置に関するデータであり、ビーコン受信装置26またはデータ送受信装置27から入力される。VICSデータVDとATISデータADは、ビーコン受信装置26またはデータ送受信装置27から入力されるデータである。このVICSデータVDを利用して、GPS受信装置25で検出される自車両位置の誤差補正が実行される。また、ATISデータADにより、地域の交通規制、交通混雑状況が判別される。
【0045】
なお、VICSデータVDまたはATISデータADによって当該ナビゲーション装置と地域監視センタとの間で、地図データが授受される場合、それらのデータを用いて案内経路の探索が行われるようにしても良い。
【0046】
登録目的地データTPには、使用者によって登録された、目的地の座標位置や名称等の目的地に関するデータが記憶される。案内開始地点データSPには、ナビゲーション動作が開始される地点の地図座標データが記憶される。同様に、最終案内地点データEDには、ナビゲーション動作が終了される地点の地図座標データが記憶される。
【0047】
なお、案内開始地点データSPには、自車両の現在地または出発地からもっとも近い案内道路上のノード座標が利用される。この案内開始地点データSPが記憶される理由は、現在位置データMPに応じた自車両の現在地が、例えば、ゴルフ場または駐車場等の敷地内等であり、必ずしも案内道路上にないからである。同じように、案内最終地点データEDも、登録目的地データTPにもっとも近い案内道路上のノード座標が記憶される。この案内最終地点データEDが記憶される理由も、登録目的地データTPの座標が、案内道路上にないことがあるからである。
【0048】
第1RAM5に記憶される案内経路データMWは、目的地までの最適な経路、または推奨される経路を示すデータであり、後述されるプログラムのルート探索処理で求められる。なお、情報記憶部37のデータ38cに記憶された道路地図内の各道路には、固有の道路番号が付されている。上記案内経路データMWは、案内開始地点データSPから最終案内地点データEDまでの上記道路番号または後述されるリンク番号等で構成される。
【0049】
位置データPQ1、PQ2には、後述されるプログラムで用いられる、自車両の地理的な位置座標データと、その自車両の位置が検出された絶対時間とが記憶される。角度変化データRZには、上述された相対方位角データDθの増減値の絶対値が記憶される。始点コストVA、終点コストVB、リンク走行コストVL及び交差点走行コストVCには、後述される周辺リンク探索処理において用いられる汎用データが一時的に記憶される。ここで、コストとは、記憶された軌跡データの各リンクまたは交差点を、自車両が通過するのに要する時間または、使用頻度等を表す重みづけ関数値である。このコストの大小値によって、案内経路を構成するリンクが選択される。なお、詳細な内容については後述する。
【0050】
軌跡ルートKT(S)、軌跡ルートKR(P)、軌跡ルートKU(H)は、複数のリンク番号で構成される上記案内経路の順路を表す。ルート距離KTL(S)、ルート距離KRL(S)、ルート距離KUL(S)は、上記各軌跡ルートKT(S)、KR(P)、KU(H)それぞれの距離値を表す。計算レジスタUWは、このルート距離の計算において、計算結果を一時的に保存するための記憶領域として用いられる。評価値KCS(GM)は、後述される軌跡データ削除処理において削除される軌跡データの選択用数値として用いられる。
【0051】
5.道路データ
図4は、上記情報記憶部37に記憶されている道路データファイルF4中の道路データの一部を示す。この道路データファイルF4には、地図データファイルに記憶されている全地域範囲内に存在する一定幅以上の道路の全てに関する情報が含まれる。この道路データファイルF4に含まれる道路数をnとすれば、n本の道路に関する各道路の道路データが情報記憶部37に記憶されている。各道路データは、道路番号データ、案内対象フラグ、道路属性データ、形状データ、案内データ、長さデータから構成されている。
【0052】
道路番号データは、地図データに含まれる道路の全てを交差点等の分岐点毎に分断し、この分断された道路毎に付した識別番号である。案内対象フラグには案内対象道路であれば“1”、非案内対象道路であれば“0”が記憶される。この案内対象道路とは、主幹道路や一般道路等の所定幅以上の道路であり、経路探索対象とされる道路である。非案内対象道路とは、あぜ道や路地等の所定幅以下の狭い細街路で、経路探索の対象に含むことが、あまり好ましくない道路である。
【0053】
道路属性データは、高架道路、地下道、高速道路、有料道路等の属性を示すデータである。形状データは、道路の形状を示すデータであり、道路の始点、終点、及び始点から終点間の各ノードの座標データを記憶したものである。そして、各ノードの座標データが、始点、終点の座標データと共に形状データとして記憶されている。
【0054】
案内データは、交差点名称データ、注意点データ、道路名称データ、道路名称音声データ及び行き先データから構成されている。交差点名称データは、道路の終点が交差点である場合に、その交差点の名称を表すデータである。注意点データは、踏切、トンネル入り口、トンネル出口、幅員減少点等の道路上の注意点に関するデータである。道路名称音声データは、音声案内に使用される道路名称を表す音声データである。
【0055】
行き先データは、道路の終点に接続する道路(これを、行き先とする)に関するデータであり、行き先数kと、行き先毎のデータから構成されている。行き先に関するデータは、行き先道路番号データ、行き先名称データ、行き先名称音声データ、行き先方向データ及び走行案内データから構成される。
【0056】
行き先道路番号データによって行き先の道路番号が示される。行き先名称データによって行き先の道路の名称が示される。行き先名称音声データには、この行き先名称を音声案内するための音声データが記憶されている。行き先方向データにより、行き先の道路が向いている方向が示される。走行案内データには、行き先の道路に入るために、当該道路において右車線に寄ったり、左車線に寄ったり、中央を走行したりすることを案内するための案内データが記憶されている。長さデータは、道路の始点から終点までの長さと、始点から各ノードまでの長さ、及び各ノードの間の長さのデータである。
【0057】
6.ノードデータ
図5は、軌跡データ記憶装置40に記憶されるノードデータ55の構成を示す。上記道路データファイルF4の形状データは、このノードデータ55と同じ構成である。このノードデータ55とは、地図上の各道路を直線近似したときの各接合点を表している。このノードデータは、本発明のナビゲーション装置が積載された自車両が走行した道路について、順次形成され記憶される。図32には、各ノードと、この各ノードをそれぞれ繋ぐ直線のリンクと、地図上の実際の道路との相対的な関係が示されている。
【0058】
この図32に示される道路70は、曲率半径RSCの湾曲道路とする。この道路70を直線で近似表現する場合、複数の直線が、折れ線グラフのように、接続される。この各直線がリンクRB1、RB2、・・・であり、各リンク同士の接続点がノードNOD12、NOD14、・・である。つまり、図32に示される実際の道路70は、リンクRB1、RB2、RB3という軌跡データで構成される。そして、各リンクRB1、RB2、RB3が、ノードNOD12、NOD14によって互いに接続される。
【0059】
軌跡データ記憶装置40に記憶されるノードデータ55は、上記各ノードに関するデータの集合体である。つまり、ノード数nnが軌跡データ記憶装置40に記憶されたノードの数を表す。
【0060】
そして、一つのノードデータは、ノード番号NB、東経座標NPE、北緯座標NPN及び、後述される交差点番号NPBによって構成される。ノード番号NBは、各ノードを、各々識別するために用いられる。東経座標NPE、北緯座標NPNは、ノードの地理的な座標を表す。このノードデータの座標値は、情報記憶部37に記憶されている地図とともに、上記各リンクによって構成される道路が画面表示される際に用いられる。
【0061】
つまり、各リンクは、ノードによって接続されるので、各ノードの座標位置が特定されれば、地図上にリンクで近似表現される道路が表示できる。上記交差点番号NPBには、後述される交差点データ65の各交差点の番号NPB(図7参照)と同じ番号が用いられる。従って、当該ノードが交差点でなければ、この交差点番号NPBは“0”の、交差点番号無しと表現される。逆に、“0”以外の数値である交差点番号NPBを持つノードは、交差点ノードということになる。なお、交差点とは、3本以上のリンクが接続されたノードを意味する。
【0062】
また、実際の道路70を複数の直線で近似表現する場合の各リンクの長さは、次のようにして決められる。例えば、道路70に沿って自車両が移動している場合、この自車両の進出方向の角度変化が所定値以上になったとき、新たなノードと、リンクが形成される。
【0063】
つまり、二つの隣接するリンクRB1とリンクRB2との間のなす角度RMθ1が、常に一定となるように、ノードNOD12が形成される。よって、リンクRB2とリンクRB3との間の角度RMθ2と、上記角度RMθ1とは等しい。この様に、曲線道路が複数のリンクで表されるとき、各隣接リンク間の仰角が常に一定となるように、リンクとノードが形成される。また、各リンクの長さが常に一定となるように表されても良い。この場合、同一長さのリンクを複数用いて曲線道路が近似表現される。
【0064】
7.リンクデータ
図6は、軌跡データ記憶装置40に記憶されるリンクデータ60の構成を示す。一つのリンクデータ60は、リンク番号RB、始点ノード番号SNB、終点ノード番号ENB、始点→終点方向の走行回数SEK、終点→始点方向の走行回数ESK、ユーザ操作による登録回数YT、リンクの長さLR、平均車速AS、走行した日時データSND、道路識別情報LD、地図データ中の道路番号MB、開始位置MSP、及び地図データの道路中の終了位置MEPから構成されている。
【0065】
リンクデータ60におけるリンク数NLは、軌跡データ記憶装置40に記憶されるリンクの数を表している。リンク番号RBは、各リンクを互いに識別するための番号として用いられる。始点ノード番号SNBは、当該リンクの一端に繋がるノードの番号、すなわち、ノードデータ55のノード番号NBである。このノード番号NBを基にして上記ノードデータ55から、東経座標NPE、北緯座標NPN及び交差点番号NPBが読み出される。
【0066】
終点ノード番号ENBは、当該リンクの他端に繋がるノードデータ55のノード番号NBである。なお、リンク両端のノードに於いて、何れが始点、終点かは特に定めない。従って、リンク両端の何れか一方が始点ノードとされ、他方が終点ノードと自由に定められる。
【0067】
始点→終点方向への走行回数SEKは、便宜的に定められた上記始点ノード番号SNBから終点ノード番号ENB方向までの当該リンクを、自車両が走行した回数の累算値である。同じように、終点→始点方向への走行回数ESKは、上記終点ノード番号ENBから始点ノード番号SNB方向までの当該リンクを、自車両が走行した累算回数値である。ユーザ操作による登録回数YTとは、ユーザの指定によって目的地までの経路として、当該リンクが利用された指定累積値である。この登録回数YTに基づいて、後述される経路探索に於いて、特定のリンクが優先的探索される。リンクの長さLRは、当該リンクの地理的な長さ、すなわち、リンクの距離を表す。
【0068】
平均車速ASは、当該リンクを走行した際の自車両の平均スピードであり、速度センサ24からのデータを基に算出される。よって、この平均車速ASは、当該リンクを自車両が複数回走行していれば、その複数回全体の平均値となる。なお、この平均車速ASは、リンクの距離と、当該リンクの通過所用時間の除算によって求めるようにしてもよい。走行した日時データSNDは、当該リンクを自車両が走行した全ての日時である。
【0069】
道路識別情報LDは、形成された当該リンクの道路種別であり、後述される道路番号MBを基に道路データファイルF4から検出される。この種別には、情報記憶部37に記憶された道路データにおける案内経路として用いられる道路、または案内経路に利用されない道路(細街路)、または情報記憶部37に全く記憶されていない道路等を識別するための情報が含まれる。この情報記憶部37に記憶されていない道路とは、新規に建設された道路、拡張された道路等が該当する。
【0070】
地図データ中の道路番号MBとは、情報記憶部37に記憶されている各道路固有の番号である。従って、この道路番号MBにより、当該リンクを含む道路が、情報記憶部37に記憶されているか否かが判別される。
【0071】
開始位置MSPは、上記道路番号MBで指定される情報記憶部37の道路データの開始点座標に対する、当該リンクの始点ノードの地理的位置関係を表す。同じように、終了位置MEPは、上記道路番号MBで指定される道路データの終了点座標に対する、当該リンクの終点ノードの地理的位置を表す。この開始位置MSP、終了位置MEPは、例えば地理的な距離等である。
【0072】
この開始位置MSP及び終了位置MEPの関係を図33に示す。この図33に示される道路72は、情報記憶部37に記憶されている道路を表している。この道路72の一部がリンクRB4に該当する。そして、始点ノードNOD18と、道路72の開始点74との距離間隔データが開始位置MSPである。終点ノードNOD20と道路72の終点76との距離間隔が終了位置MEPである。これら開始位置MSP及び終了位置MEPにより、道路番号MBの道路における当該リンクの相対的な位置が判別される。
【0073】
8.交差点データ
図7は、軌跡データ記憶装置40に記憶される交差点データ65のデータ構造を示す。交差点数ncにより、軌跡データ記憶装置40に記憶される交差点の数が表される。各交差点には、その交差点固有の番号、つまり、交差点番号NPBが付されている。この交差点番号NPBは、ノードデータ55の交差点番号NPBに一致する。この交差点データは、ノードデータ55の中で道路データまたはリンクデータが分岐または合流するものを表わしている。
【0074】
一つの交差点データは、その交差点に進入できる進入リンクの各リンク番号IRBと、その交差点から他のノードへと進出できる進出リンクのリンク番号ORBとの組み合わせによって構成されている。つまり、当該交差点に於いて、進入できるリンクと、その進入リンクによって当該交差点に進入した場合において、この交差点から進出できる進出リンクとの関係を示すデータで構成されている。
【0075】
図34は、各リンクと各ノードとの相対的な関係を示す図である。図34に示されるノードNOD1が交差点であるが、この交差点に進入できるリンクは、リンクIRB6、IRB7、IRB8がある。例えば、進入リンクIRB8によって、交差点ノードNOD1に自車両が進入したとする。この場合、交差点ノードNOD1を経て進出できるリンクが、例えば進出リンクORB6、ORB7のみであった場合、進出リンク数NOUT=“2”と、交差点データ65に記憶される。つまり、交差点ノードNOD1に於ける、進入リンクIRB8に対しては、右折禁止となる。
【0076】
この様に、各交差点において、各進入リンクから進出できる各々の進出リンクの番号が記憶されている。交差点データ65に含まれる進入リンク数NIMにより、その交差点に進入できるリンクの数が表される。図34に示される交差点ノードNOD1は、“3”になる。進出リンク数NOUTにより、一つの進入リンクから進出可能な進出リンクの数が表される。
【0077】
進出リンク番号ORBは、一つの進入リンクIRBからこの交差点ノードを経て進出できるリンクの番号が表される。進入→進出方向への走行回数NVCには、その進入リンクIRBから進出リンクORBへの走行回数が累算的に記憶される。例えば、図34の進入リンクIRB8から進出リンクORB7への累積走行回数が、走行回数NVCである。通過所用平均時間TSUとは、例えば、進出リンクIRB8から進出リンクORB7方向への走行に於いて、その交差点NOD1を通過するのに要した時間の累算平均値である。
【0078】
なお、この通過所用平均時間TSUは、次のようにして求められる。自車両が進入リンクIRB8を走行しているときの相対方位角データDθ1が、相対方位センサ22からのデータで求められる。また、自車両が進出リンクORB7を走行しているときの相対方位角データDθ2も、同じように相対方位センサ22によって求められる。
【0079】
そして、自車両が交差点ノードNOD1通過に際し、相対方位センサ22による相対方位角データDθの変化が逐次監視される。そして、相対方位角データDθが、相対方位角データDθ1から相対方位角データDθ2へと変化することに要した時間が計測される。この相対方位角データDθの変化に要した時間が、交差点ノードNOD1における進入リンクIRB8から進出リンクORB7への通過時間に相当する。
【0080】
この相対方位角データDθの変化に要する時間、つまり交差点ノードNOD1通過時間が、交差点ノードNOD1通過に際して常に計測される。そして、過去の、通過所用時間との総平均が、随時算出され通過所用平均時間TSUとして記憶される。走行日時DTSには、各進入リンク→進出リンク方向への通過日時であって、全ての通過日時が保存される。
【0081】
なお、上記通過所用平均時間TSUは次のようにして求めても良い。例えば、進入リンクIRB8の始点ノードNOD5から、進出リンクORB7の終点ノードNOD4まで走行した全時間から、各リンクを走行するのに要した時間を減算して求めても良い。なお、各リンクの走行所用時間は、平均車速AS算出の際に計測される。
【0082】
この様に、各交差点データ65は、その交差点に進入できる各進入リンクの番号IRBと、それら各進入リンクから当該交差点ノードを経て進出できる進出リンク番号ORBとの組み合わせを表すデータで構成されている。従って、交差点データ65を参照すれば、その交差点ノードにおける進入可能な方向と、進出可能な方向とが判別可能である。これらの情報は、後述される周辺リンク探索処理で利用される。
【0083】
9.地点リストPT
図8は、後述される軌跡データ削除処理で用いられる地点リスト66のデータ構造を示す。なお、地点リスト66は、第1RAM5内または軌跡データ記憶装置40内等に記憶される。この地点リスト66は、複数の地点PTで構成されている。各地点PTは、地点ナンバ67を有しており、記憶範囲RP、東経座標PTE、北緯座標PTN及び位置認識回数HTPで構成される。この地点PTとは、自車両のイグニッション鍵等がオンされた地理的位置に関するデータである。
【0084】
また、この地点PTには、使用者が、登録した地理的な位置をも含まれる。例えば、会社近傍の駐車場など、特定位置がある。さらに、自動的に登録される地点としては、自宅のガレージなど、頻繁にイグニッション鍵がオン、オフされる地点がある。
【0085】
上記記憶範囲RPは、後述される軌跡データの記憶確定処理(ステップSA21)で用いられる数値である。具体的には、任意の地理的位置と、地点PTとの直線距離における遠近判定の閾値として用いられる。東経座標PTE、北緯座標PTNは、ディスプレイ33に表示される地図上において、地点PTの相対的位置を特定するために用いられる。位置認識回数HTPは、イグニッション鍵がオンされた地理的位置が、地点PTと識別された、その識別回数である。
【0086】
10.全体処理
図9は、本発明にかかるナビゲーション装置のCPU2によって実行される、全体処理のフローチャートを示す。この処理は、電源投入によってスタートし、電源オフによって終了される。この電源投入及びオフは、ナビゲーション装置の電源自体がオン・オフされるか、または車両のエンジンスタートキー(イグニッションスイッチ)のオン・オフで実行される。
【0087】
初めに、イニシャライズ処理が実行される(ステップSA1)。このイニシャライズ処理とは次のようなものである。情報記憶部37のデータ38cからナビゲーション用プログラムが読み出され、フラッシュメモリ3に複写される。この後、フラッシュメモリ3のプログラムが実行される。この後、CPU2によって、第1RAM5のワークメモリ、画像メモリ10等の各RAM内の汎用データ記憶エリアがクリアされる。
【0088】
ステップSA1に続いて、現在位置処理(ステップSA3)以降の各処理が実行される。現在位置処理(ステップSA3)では、本ナビゲーション装置が積載された地上移動体である自車両の地理座標(緯度、経度及び高度等)が検出される。つまり、GPS受信装置25によって、地球の回りを周回している複数の衛星から、信号が受信される。この各衛星からの電波により、各衛星の座標位置、衛星における電波発信時間、及びGPS受信装置25での電波受信時間が検出される。これらの情報から、各衛星との距離が演算によって求められる。
【0089】
この各衛星との距離から、自車両の座標位置が算出され、自車両の現在位置が取得される。この求められた自車両の地理座標データは、現在位置データMPとして第1RAM5に記憶される。なお、この現在位置データMPは、ビーコン受信装置26またはデータ受信装置27から入力される情報によって修正される場合もある。
【0090】
また、現在位置処理(ステップSA3)に於いて、絶対方位データZDと、相対方位角データDθと、走行距離データMLとが、絶対方位センサ21、相対方位センサ22及び距離センサ23を利用して同時に求められる。これらの絶対方位データZD、相対方位角データDθ及び走行距離データMLから、自車両位置を特定する演算処理が行われる。この演算処理によって求められた自車両位置は、情報記憶部37のデータ38cに記憶される地図データと照合され、地図画面上の現在位置が正確に表示されるように補正が行われる。この補正処理によって、トンネル内等のGPS信号が受信できないときでも自車両の現在位置が正確に求められる。
【0091】
ステップSA3の現在位置処理によって求められた現在位置を示すデータは、第1RAM5に、位置データPQ1として記憶される(ステップSA5)。なお、この位置データPQ1には、時間情報も含まれる。つまり、位置データPQ1には、自車両の位置情報と、時間情報とが関連づけて記憶される。次に、地点登録処理が実行される(ステップSA6)。この地点登録処理とは、自車両の現在位置が、地点リスト66の各地点PTに該当するか否かの判断等が実行される。
【0092】
この後、ルート探索処理が実行される(ステップSA7)。このルート探索処理では、目的地の設定(図15のステップSF1)、ルートを構成するためのリンク探索処理(ステップSF9)等が実行される。
【0093】
目的地の設定では、使用者の希望する目的地の地理座標が登録目的地データTPとしてセットされる。例えば、ディスプレイ33上に表示される道路地図若しくは住宅地図において、使用者によって座標位置が指定される。または、ディスプレイ33上に表示される目的地の項目別リストから、使用者によって目的地が特定される。この使用者による目的地指定操作が行われると、中央処理装置1において、目的地の地理座標等の情報データが登録目的地データTPとして第1RAM5に記憶される。
【0094】
さらに、ルート探索処理では、案内開始地点データSPから、最終案内地点データEDまでの最適な経路が探索される。なお、ここでいう最適な経路とは、例えば、最短時間または最短距離で、目的地に到達できる経路、または、使用者が過去によく利用してきた道路を優先的に使用した経路等である。また、高速道路を使用する場合、その高速道路を使用して、最短時間または最短距離で目的地に到達できる経路、または国道等のより広い道路を優先的に用いた経路等もある。このルート探索処理(ステップSA7)については後ほど、詳述する。
【0095】
このステップSA7のルート探索処理が終了されると、再度、自車両の現在位置が現在位置検出装置20が利用されて検出される(ステップSA9)。そして、自車両の現在位置から、ステップSA7によって探索された経路の目的地に自車両が到着したかが判断される(ステップSA11)。
【0096】
なお、ステップSA3で検出された自車両の位置と、ステップSA9で検出された自車両の最新位置との変移量に基づいて、走行位置処理(ステップSA15)で様々な処理が実行される。このステップSA9における現在位置処理では、自車両の相対方位角も、相対方位センサ22を用いて計測される。この相対方位角は、後述される図11のステップSB5の処理で用いられる。上記ステップSA11の判断においては、案内経路移動途中において目的地の設定変更が行われたか否かも判断される。
【0097】
ステップSA11の判断により、自車両が目的地に到着したか、目的地の設定変更が実行されたと判断された場合、あらためてステップSA1以降の処理が開始される。しかし、ステップSA11の判断結果により、自車両が目的地に到着していないか、目的地の設定変更が行われていない場合、次のルート案内・表示処理(ステップSA13)が実行される。
【0098】
このルート案内・表示処理では、上記ルート探索処理で検索された案内経路が、自車両の現在位置を中心としてディスプレイ33に表示される。なお、このディスプレイ33に表示される案内経路は、表示地図上において識別可能なように表示される。例えば、案内経路以外の道路と、この案内経路とが識別可能なように、異なる色彩で表示される。さらに、この案内経路にしたがって、自車両が良好に走行できるよう、案内情報がスピーカ13から音声によって発音されたり、案内情報がディスプレイ33に随時表示される。なお、案内経路を表示するための画像データは、情報記憶部37にあるデータ38cの現在位置周辺の道路地図データか、または現在位置周辺の住宅地図データが用いられる。
【0099】
この道路地図データと住宅地図データとの切り換えは次の条件によって行われる。例えば、現在位置から案内地点(目的地、立ち寄り地または交差点等)までの距離、自車両の速度、表示可能エリアの大小、または操作者のスイッチ操作等により切り換えられる。さらに、案内地点(目的地、立ち寄り地または交差点等)付近では、当該地点周辺の拡大地図がディスプレイ33上に表示される。なお、道路地図の代わりに、地理的情報表示を省略して、案内経路と目的地または立ち寄り地の方向と現在位置等の、必要最小限の情報のみを表示する、簡略案内経路画像がディスプレイ33に表示されてもよい。
【0100】
上記ルート案内・表示処理の後、走行位置処理(ステップSA15)、その他の処理(ステップSA17)、軌跡データ削除処理(ステップSA19)及び、軌跡データの記憶確定処理(ステップSA21)が順次実行される。
【0101】
走行位置処理(ステップSA15)とは、軌跡データ記憶装置40に記憶されている軌跡データの新規追加、若しくは情報の更新処理である。なお、新規に記憶される軌跡データは、一時的に、第2RAM6に蓄えられる。ここで、軌跡データとは、自車両が走行してきたリンク、ノード及び交差点に関する情報である。この走行位置処理(ステップSA15)については後述する。
【0102】
その他の処理(ステップSA17)では、例えば、操作者のスイッチ操作による目的地の変更命令が入力されたか否かの判断等も行われる。軌跡データ削除処理(ステップSA19)では、次のような処理が実行される。例えば、軌跡データ記憶装置40に記憶される、新たな軌跡データの情報量、または更新される軌跡データの増加する情報量が算出される。そして、この増加する情報量が、軌跡データ記憶装置40に記憶可能か否かが判断される。つまり、軌跡データ記憶装置40の空きメモリ領域の大きさが、増加する情報量以上か否かが判断される。不足している場合、後述される各削除条件にしたがって、所定の軌跡データが選択的に削除される。
【0103】
この後、軌跡データの記憶確定処理(ステップSA21)が実行される。この軌跡データの記憶確定処理とは、第2RAM6に一時的に、蓄えられた新規軌跡データが、軌跡データ記憶装置40に格納される処理である。この後、再び現在位置処理(ステップSA9)からの処理が繰り返される。
【0104】
なお、自車両が目的地に到達した場合には、ステップSA1のイニシャライズ処理からの一連の処理が再び実行される。また、自車両の現在走行位置が、案内経路から外れた場合には、この外れた現在位置から最終案内地点までの最適な経路がステップSA7のルート探索処理により、自動的に再探索される。
【0105】
11.地点登録処理
図10は、図9における地点登録処理のフローチャートを示す。この図10において、はじめに、図9のステップSA3、5により決定された位置データPQ1の座標値と、地点リスト66の各地点PTの座標とが比較される(ステップSM1)。この座標値同士の比較において、位置データPQ1の示す座標位置に、該当する地点PTが存在するか否かが判断される(ステップSM3)。該当する地点PTが存在した場合は、位置データPQ1の座標位置は、地点リスト66に、既に登録されていることになる。
【0106】
しかし、位置データPQ1の座標位置に該当する地点PTがない場合は、位置データPQ1の座標値で示される地点が、新たな地点PTとして地点リスト66に登録される(ステップSM5)。なお、ステップSM1の比較処理では、位置データPQ1の座標と、地点リスト66の各地点PTの座標との、地図上の直線距離間隔が算出される。そして、その直線距離が所定誤差範囲内と判断されると、位置データPQ1で示される地点は、地点リスト66に登録された地点と判断されることになる。
【0107】
ステップSM3により、位置データPQ1が地点リスト66に登録された地点PTと判断されると、該当する地点PTの位置認識回数HTPに“1”が加算される(ステップSM7)。
【0108】
次に、使用者による、地点リスト66への新規地点の登録要求が発生しているか否かが判断される(ステップSM9)。この登録要求は、タッチスイッチ34の操作によって発生される。例えば、ディスプレイ33上に表示される地図上において、カーソルが移動され、特定のポイントが指定される。この特定されたカーソル位置が、登録要求された地点PTとして、本ナビゲーション装置に入力される。
【0109】
この様に、使用者によって指定された座標が新たな地点PTとして、地点リスト66に登録される(ステップSM11)。この新地点の登録が完了するか、または使用者による新規地点の登録要求がない場合は、次のステップSM13が実行される。このステップSM13では、使用者が希望する特定地点PTの記憶範囲RPの数値増大または数値減少要求がなされたか否かが判断される。
【0110】
記憶範囲RPは、軌跡データの記憶確定処理(ステップSA21)において、各リンク、ノード等の軌跡データを軌跡データ記憶装置40に記憶させるか否かの判定条件として用いられる。つまり、地点PTから記憶範囲RPの円内にある各軌跡データのみが、軌跡データ記憶装置40に格納されるよう処理される。また、この記憶範囲RPは、軌跡データ削除処理(ステップSA19)の第3実施例でも用いられる。これら、ステップSA19、SA21の詳細な内容については、後ほど説明する。
【0111】
よって、記憶範囲RP値が増減されることは、軌跡データ記憶装置40に記憶される軌跡データの数量が増減されることになる。ステップSM13において、記憶範囲RPの数値変更要求が入力されたと判断されると、地点PTを中心に、その記憶範囲RPの半径で囲まれる地図上の円内地域が、ディスプレイ33上に表示される(ステップSM15)。ディスプレイ33に円内地域の表示が行われると、上記記憶範囲RP値の増減が再度、所望されたか否か判断される(ステップSM19)。
【0112】
ステップSM19において、記憶範囲RPの増減要求があると判断されると、新たに設定された数値の記憶範囲RPによる円内地域が、ディスプレイ33上に再表示される(ステップSM15)。なお、記憶範囲RP値の増減量の指定は、タッチスイッチ34によって行われる。例えば、タッチスイッチ34に設けられた上昇鍵が押されると、記憶範囲RPの数値が増加される。しかし、タッチスイッチ34に設けられた減少鍵が押されると、記憶範囲RPの数値が減少される。
【0113】
また、ステップSM13において、記憶範囲RP値の増減要求がなされなかった場合、この記憶範囲RPには、既に使用者によって任意の数値が設定されているか否かが判断される(ステップSM17)。使用者によって、記憶範囲RPの値が全く設定されていない場合、次のステップSM21の処理が実行される。
【0114】
ステップSM21では、記憶範囲RPに、地点PTにおける位置認識回数HTPの値によって定められる数値が設定される。つまり、位置認識回数HTPの値がより大きければ、記憶範囲RPの数値が大きくされる。逆に、位置認識回数HTPの値が小さい場合、記憶範囲RPには、より小さな値が設定される。
【0115】
この位置認識回数HTPの値が大きいということは、その位置認識回数HTPを持つ地点PTにおいて、自車両のイグニッション鍵のオン、オフが頻繁に行われていることを示す。これは、その地点PTへの往来頻度が高いことを示す。それ故、その地点PT周辺が、使用者のよく移動する地域ということになる。
【0116】
したがって、より大きな数値の位置認識回数HTPを持つ地点PT周辺の軌跡データを集中して、軌跡データ記憶装置40に保存するため、位置認識回数HTPに応じた数値が記憶範囲RPに設定される。このように、使用者によって記憶範囲RPの数値指定が、過去に於いて全くされていない場合は、位置認識回数HTPによって定められる数値が、自動的に記憶範囲RPに設定される(ステップSM21)。逆に、使用者によって、記憶範囲RPに特定数値が設定されていると、その数値が保持され続ける。つまり、ステップSM21の処理は無視される。また、使用者によって一度、記憶範囲RPに特定数値が設定されると、その記憶範囲RPの数値は、新たに使用者によって変更されない限り、恒久的に保持され続ける。
【0117】
このように、記憶範囲RPに、使用者の希望数値か、又は位置認識回数HTPの数値に応じた値が設定されると、図9の全体処理にフローが回帰される(ステップSM23)。
【0118】
12.走行位置処理
この走行位置処理とは、上述されたように、自車両の走行軌跡を検出し、軌跡データ記憶装置40に軌跡データとして記憶する一連の処理である。但し、更新軌跡データまたは新規軌跡データは、一度第2RAM6に蓄えられる。その後、軌跡データ記憶装置40の空きメモリ領域の大きさが確認された後(ステップSA19)、初めて、軌跡データ記憶装置40に記憶するか否かの処理が行われる(ステップSA21)。
【0119】
図11は、走行位置処理全体を示すフローチャート図である。この走行位置処理(ステップSA15)では、初めに走行時間の増分が所定値以上か否かが判断される(ステップSB1)。この走行時間の変化量は、図9のステップSA3、SA5により、位置データPQ1に記憶された自車両位置の絶対時間から、現在の絶対時間までの経過時間によって計測される。なお、この経過時間の計測には、時計14またはGPS受信装置25に内蔵される時計が用いられる。
【0120】
走行時間の増分が所定値以上でない場合、ステップSB5以降の処理が無視され、図9の全体処理に回帰される。しかし、走行時間の経過が所定値以上になっていたら、ステップSB1の判断結果がYESとなり、次のステップSB5が実行される。ところで、図9のステップSA3、SA9の現在位置処理では、自車両の相対方位角が、相対方位センサ22を用いて計測されている。そこで、位置データPQ1に自車両位置に関する情報が記憶された時点での、自車両の相対方位角と、現時点での相対方位角とが比較される(ステップSB5)。この相対方位角の比較は、第1RAM5に記憶されている相対方位角データDθと、ステップSA9によって検出された最新の相対方位角データとの差分検出によって行われる。
【0121】
この第1RAM5に記憶された相対方位角データDθと、自車両の現在位置における最新の相対方位角データとの差分絶対値が所定値以上なら、ステップSB7以降の処理が実行される。ステップSB7では、この差分絶対値が、第1RAM5の角度変化データRZに記憶される。また、図9のステップSA9において検出された、自車両の現在位置座標データと、現在位置検出が行われた絶対時間とが、位置データPQ2に記憶される(ステップSB9)。
【0122】
次に軌跡記憶処理が実行される(ステップSB11)。このステップSB11の処理により、新たに発生されたリンクなどの自車両の走行軌跡データが、第2RAM6に一時的に蓄えられる。第2RAM6に蓄えられた軌跡データは、図9の軌跡データ削除処理(ステップSA19)後の、軌跡データの記憶確定処理(ステップSA21)において、軌跡データ記憶装置40に取捨選択されて記憶される。
【0123】
ステップSB11の軌跡記憶処理が実行された後、位置データPQ2のデータが位置データPQ1に複写される(ステップSB13)。そして、図11の処理が終了されて、図9の全体処理に復帰される(ステップSB15)。上記ステップSB11の軌跡記憶処理とは、自車両の走行方向の変化を検出して、その走行軌跡を軌跡データとして第2RAM6に蓄える処理である。なお、上記ステップSB5の判断において、相対方位角の変化量が所定値以下と検出された場合、図11の処理はジャンプされて、図9の処理に回帰される。
【0124】
尚、上記ステップSB1の判断条件では、車両の走行時間を用いたが、これを走行距離としてもよい。つまり、車両が一定距離走行したか否かを検出判断し、車両が一定距離移動した時にステップSB5以降の処理が実行されるようにしてもよい。なお、この場合、走行距離の検出には、距離センサ23が用いられる。そして、距離センサ23から出力される数値が所定量変化した時に、車両が一定距離移動したと判断される。
【0125】
13.軌跡記憶処理
図12は、軌跡記憶処理を示すフローチャート図である。この図12の軌跡記憶処理において、初めに、位置データPQ2に記憶された位置座標は、軌跡データ記憶装置40に記憶されたリンク上の座標に適合するか否かが判断される(ステップSC1)。つまり、自車両が現在走行している道路に関するリンクデータまたはノードデータが、軌跡データ記憶装置40に記憶されているか否かが判断される。
【0126】
位置データPQ2の位置座標が、軌跡データ記憶装置40に記憶された軌跡上の座標であるならば、位置データPQ1に記憶された自車両の位置座標が、同じく軌跡データ記憶装置40に記憶された軌跡上に適合するか否かが判断される(ステップSC3)。つまり、位置データPQ1に自車両位置が記憶された時点において、自車両が軌跡データ記憶装置40の軌跡上を走行していたか否かが判断される。
【0127】
位置データPQ1に記憶された位置座標が、軌跡データ記憶装置40に記憶された軌跡上の座標でないならば、第1交差点登録処理が実行される(ステップSC5)。しかし、位置データPQ1の位置座標が、軌跡データ記憶装置40に記憶された軌跡上に一致すると判断された場合、自車両が軌跡データ記憶装置40に記憶されたノードを通過したか否かが、ノードデータ55及びリンクデータ60を利用して判断される(ステップSC7)。上記第1交差点登録処理の内容については後述する。
【0128】
このノードを通過したか否かの判断は、例えば、次のようにして行われる。すなわち、通過判断対象のノードの東経座標NPE、北緯座標NPNと、位置データPQ2(自車両の最新現在位置)の座標値との相対的な直線距離が、所定値以内になったか否かで判断される。
【0129】
このステップSC7の判断により、自車両が軌跡データ記憶装置40に記憶されているノードを通過したと判断された場合、自車両が一つのリンクを通過したことになる。そこで、通過したリンクの各データが更新される(ステップSC9)。このリンクデータの更新とは、走行回数SEKまたは走行回数ESKの加算、平均車速ASの更新、走行した日時データSNDの追加などが該当する(図6参照)。以上のように、ステップSC1、SC3の判断により、自車両は、短時間前においても、現時点でも、軌跡データ記憶装置40に記憶されたリンク上を走行していると判断された。この場合、ノードを通過したか否かにより、一つのリンクを走行したか否かが間接的に判断されている。
【0130】
なお、このリンクデータの更新においても、変更されるデータは、一度、第2RAM6に記憶される。そして、図9のステップSA19、ステップSA21の各処理により、軌跡データ記憶装置40の軌跡データ更新が選択的に実行される。ステップSC9による処理が終了されると、この通過したノードが、交差点ノードであるのか否かが判断される(ステップSC11)。この交差点ノードか否かの判断は、ノードデータ55の交差点番号NPBに“0”以外の数値が記憶されているか否かで判断される。
【0131】
つまり、“0”以外の数値の交差点番号NPBを持つノードを通過した場合は、交差点ノードを通過したことになる。よって、交差点ノードを通過したと判断された場合、その通過した交差点に関するデータの更新処理が実行される(ステップSC13)。この交差点データの更新処理も、変更される軌跡データが一度、第2RAM6に記憶される。その後、図9のステップSA19、SA21によって、軌跡データ記憶装置40のデータ更新が、この第2RAM6の蓄積データを基に選択的に行われる。なお、交差点データの更新とは、進入→進出方向への走行回数NVCの加算、通過所用平均時間TSUの更新、及び走行日時DTSの追加等である(図7参照)。
【0132】
上記、第1交差点登録処理(ステップSC5)終了後、又はステップSC7、SC11の判断結果がNOであった場合、図12の軌跡記憶処理が終了され、図11の走行位置処理にフローが戻される(ステップSC25)。
【0133】
また、ステップSC1の判断において、位置データPQ2に記憶された位置座標が、軌跡データ記憶装置40に記憶されたリンク上に合致しないと判断された場合、位置データPQ1の位置座標が軌跡データ記憶装置40に記憶されたリンク上に合致するか否かが判断される(ステップSC15)。
【0134】
位置データPQ1の位置座標が、軌跡データ記憶装置40のリンク上の座標に適合した場合、第2交差点登録処理が実行される(ステップSC23)。つまり、自車両の最新位置は、軌跡データ記憶装置40に既に記憶されたリンク上でないが、短時間前の自車両位置は、軌跡データ記憶装置40に記憶されたリンク上であった場合を意味する。
【0135】
つまり、自車両は、軌跡データ記憶装置40に記憶されているリンク、ノード上を走行してきて、そのリンクまたはノードから外れたことを示す。この場合、第2交差点登録処理が実行され、処理が図11の走行位置処理に回帰される(ステップSC25)。なお、第2交差点登録処理の内容については、後ほど説明する。
【0136】
しかし、位置データPQ1に記憶されている位置座標が、軌跡データ記憶装置40のリンク上に合致しない場合、角度変化データRZが所定値以上か否かが判断される(ステップSC17)。つまり、位置データPQ1、PQ2の各位置座標が、いずれも、軌跡データ記憶装置40のリンクデータに合致しない場合である。これは、自車両が未登録道路上を走行していることになる。
【0137】
そして、角度変化データRZが所定値以上であった場合、新たなノードデータの形成と記憶が実行される(ステップSC19)。つまり、図32に示すように、自車両の進出方向の変化が所定量以上になった場合、自車両は曲線道路を走行していることになる。そこで、位置データPQ1に記憶されている地理座標データを用いて新たなノードデータが形成される。
【0138】
そして、その新規に生成されたノードデータが第2RAM6に一時的に記憶される(ステップSC19)。さらに、この新たに生成されたノードデータで結ばれる新たなリンクデータ60が形成され、第2RAM6に記憶される(ステップSC21)。
【0139】
この後、処理が図11の走行位置処理に回帰される(ステップSC25)。なお、角度変化データRZが所定値より小さい場合、ステップSC19、SC21の処理は行われず、図11の処理に直ちに戻される。
【0140】
なお、上記ステップSC19、SC21において、新規に作成されたノードデータ及びリンクデータは、一度、第2RAM6に蓄えられる。その後、図9の軌跡データ削除処理(ステップSA19)及び軌跡データの記憶確定処理(ステップSA21)によって、軌跡データ記憶装置40に新規データとして選択して記憶される。
【0141】
14.第1交差点登録処理
図13は、図12における第1交差点登録処理(ステップSC5)のフローチャートを示す。この図13の処理は、自車両が未登録道路から、軌跡データ記憶装置40に記憶されたリンク上へと走行してきた場合に実行される。この第1交差点登録処理において、初めに、そのリンク上に乗った地理的位置が、ノードであるか否かが判断される(ステップSD1)。これは、図12のステップSC1の判断において、位置データPQ2の位置(自車両の最新現在位置)が、軌跡データ記憶装置40に記録されたリンク上と判断され、かつ、ステップSC3の判断により、位置データPQ1の位置が軌跡データ記憶装置40の記憶リンク上でないと判断された場合に該当する。
【0142】
つまり、位置データPQ1記録時においては、自車両が記録されたリンクを走行しておらず、位置データPQ2記録時では、記録されたリンク上を走行していると判断された場合である。具体的には、自車両が未登録道路から登録道路へと走行されてきた場合である。
【0143】
ステップSD1の判断により、軌跡データ記憶装置40に記録されたリンク上に、自車両が乗った地点がノードではない場合、軌跡データ記憶装置40に既に記録されているリンクの分割と、その分割に伴う、新たなノードデータの形成処理が実行される(ステップSD11)。つまり、自車両の乗った、記録済みリンクが、その乗った地点を境に、二つのリンクに分割される。さらに、自車両が走行する、その分割された記録済みリンクの各データが更新される(ステップSD13)。このデータの更新は、例えば、走行回数SEK、ESKの加算、平均車速ASの更新、走行日時データSNDの累算処理が行われる。
【0144】
なお、このリンクデータの更新も、第2RAM6に一度データが蓄積された後、図9の軌跡データの記憶確定処理(ステップSA21)によって、軌跡データ記憶装置40に選択的に記憶される。
【0145】
また、上例の場合、記録済みのリンク上に、自車両が乗る直前は、新規道路を走行してきたことになるので、その新規ノードまでの新たなリンクデータが形成される(ステップSD15)。さらに、上記ステップSD11で形成されたノードは、交差点になるので、交差点データ65が、この新規ノードについて新たに形成される(ステップSD17)。
【0146】
この新たに形成された交差点データ65に、新規作成された各リンク番号RBがそれぞれ、進入リンク番号IRB、進出リンク番号ORBとして登録される。しかも、走行回数NVC、通過所用平均時間TSU、走行日時DTSが記憶される(ステップSD9)。この後、処理が図12の軌跡記憶処理に回帰される(ステップSD19)。この新規に作成された交差点データも、第2RAM6に一度蓄えられたのち、軌跡データの記憶確定処理(ステップSA21)を介して軌跡データ記憶装置40に選択的に記録される。
【0147】
また、ステップSD1における判断により、自車両が乗った、記録済みリンク上の地理的な位置がノードであった場合、未登録道路に関する新たなリンクデータが形成される(ステップSD3)。つまり、軌跡データ記憶装置40の記憶リンクに、自車両が乗る直前まで走行してきた道路は、軌跡データ記憶装置40に全く記憶されていないので、その新規道路に関するリンクデータ60が形成される。
【0148】
そして、自車両が乗った、軌跡データ記憶装置40のリンク上のノードが、交差点ノードか否かが判断される(ステップSD5)。交差点ノードでない場合は、そのノードを交差点ノードとするべく、新たな交差点データ65が形成される(ステップSD7)。そして、その新規に形成された交差点ノードに関して、上記新規リンクデータのリンク番号RB等が、進入リンク番号IRB、進出リンク番号ORBとして登録される。さらに、新規交差点データ65の走行回数NVC、通過所用平均時間TSU、走行日時DTSが記憶される(ステップSD9)。この後、処理が図12の軌跡記憶処理に回帰される(ステップSD19)。
【0149】
なお、自車両が乗った、軌跡データ記憶装置40に記録済みノードが、交差点ノードであった場合、上記新規リンクデータのリンク番号RB等が、進入リンク番号IRB、進出リンク番号ORBとして登録される。これに加えて、交差点データ65の走行回数NVC、通過所用平均時間TSU、走行日時DTSが追加される(ステップSD9)。新規に作成されたリンクデータ及び交差点データ、または、記録済み軌跡データの更新データは、第2RAM6に一度蓄えられる。その後、図9の軌跡データ削除処理(ステップSA19)及び軌跡データの記憶確定処理(ステップSA21)によって、軌跡データ記憶装置40に選択的に記憶される。
【0150】
15.第2交差点登録処理
図14は、図12における第2交差点登録処理(ステップSC23)のフローチャートを示す。この図14において、初めに、軌跡データ記憶装置40に記憶された道路から、自車両が外れた地点は、ノードであるか否かが判断される(ステップSE1)。
【0151】
これは、図12のステップSC1の判断において、位置データPQ2(自車両の最新現在位置)の位置座標が、軌跡データ記憶装置40に記録されたリンク上にないと判断されたことに基づく。つまり未登録道路上を自車両が走行していると判断された場合である。しかも、図12のステップSC15の判断において、位置データPQ1の地理的な位置が、軌跡データ記憶装置40の記憶リンク上であったと判断された場合に該当する。
【0152】
つまり、位置データPQ1記録時においては、自車両は軌跡データ記憶装置40の記録済みリンク上を走行しており、位置データPQ2記録時においては、未登録道路上を走行していると判断された場合である。具体的には、自車両が、登録道路から未登録道路へと走行した場合である。
【0153】
ステップSE1の判断により、軌跡データ記憶装置40に記録されたリンク上から自車両が外れた地点は、ノードでないと判断されると、軌跡データ記憶装置40の記録済みリンクの分割と、その分割に伴う、新たなノードデータの形成処理が実行される(ステップSE13)。つまり、自車両が外れた、軌跡データ記憶装置40のリンクデータが、その外れた地点を境に、二つのリンクデータに分割される。そして、自車両が走行してきた、軌跡データ記憶装置40の記録済みリンクの各データが更新される(ステップSE15)。例えば、走行回数SEK、ESKの加算、平均車速ASの更新、走行日時データSNDの追加処理が行われる。
【0154】
また、軌跡データ記憶装置40の記憶済みリンクから外れて、現在走行している道路は、新規道路になるので、上記新規作成ノードを始点ノードとする、新たなリンクデータが形成される(ステップSE17)。さらに、上記ステップSE13で形成されたノードは、交差点になるので、交差点データ65が、この新規ノードについて、新たに形成される(ステップSE19)。
【0155】
この新たに形成された交差点データ65に、新規作成された各リンク番号RBが、進入リンク番号IRB、進出リンク番号ORBとして登録されるとともに、走行回数NVC、通過所用平均時間TSU、走行日時DTSが記憶される(ステップSE11)。この後、処理が図12の軌跡記憶処理に回帰される(ステップSE21)。
【0156】
また、ステップSE1における判断により、自車両が外れた、軌跡データ記憶装置40の記憶済みリンク上の地理的な位置が、ノードであった場合、その外れた地点まで走行してきた、登録済みリンクの各データが更新される(ステップSE3)。また、外れた地点から現在走行している道路は、軌跡データ記憶装置40に記録されていないリンクであるので、新たなリンクデータが形成される(ステップSE5)。
【0157】
そして、自車両が外れた、軌跡データ記憶装置40のリンク上のノードが、交差点ノードか否かが判断される(ステップSE7)。交差点ノードでない場合は、そのノードを交差点ノードとする新たな交差点データ65が形成される(ステップSE9)。そして、その新規に形成された交差点ノードに関して、上記新規リンクデータのリンク番号RB等が、進入リンク番号IRB、進出リンク番号ORBとして登録される。さらに、交差点データ65の走行回数NVC、通過所用平均時間TSU、走行日時DTSが記憶される(ステップSE11)。この後、処理が図12の軌跡記憶処理に回帰される(ステップSE21)。
【0158】
なお、自車両が記録リンクから外れたノードが、軌跡データ記憶装置40の交差点ノードであった場合、上記新規リンクデータのリンク番号RB等が、進入リンク番号IRB、進出リンク番号ORBとして追加登録される。これに加えて、交差点データ65の走行回数NVC、通過所用平均時間TSU、走行日時DTSが追加される(ステップSE11)。この後、処理が図12の軌跡記憶処理に回帰される(ステップSE21)。
【0159】
上記新規に作成されたリンクデータ及び交差点データの記録処理または、軌跡データの更新処理も、第2RAM6に、一度軌跡データが蓄えられる。その後、図9の軌跡データ削除処理(ステップSA19)及び軌跡データの記憶確定処理(ステップSA21)によって、軌跡データ記憶装置40に新しい軌跡データが選択的に記憶される。
【0160】
16.ルート探索処理の第1実施例
図15は、図9の全体処理におけるルート探索処理(ステップSA7)の第1実施例のフローチャートを示す。このルート探索処理では、初めに、使用者が希望する目的地を設定する目的地設定処理が実行される(ステップSF1)。この目的地設定は、ディスプレイ33に表示された地図情報を基に、使用者によって行われる。この目的地設定処理が完了されると、図9の現在位置処理(ステップSA3)によって検出された自車両の現在位置に最も近い出発地ノードが、軌跡データ記憶装置40に記憶されたノードデータ55から検索される。
【0161】
なお、この出発地ノードに最も近い記録済みノードが、軌跡データ記憶装置40にない場合は、次の処理が同時に実行される。すなわち、情報記憶部37に記憶された道路データの座標において、現在位置に最も近い座標地点が、出発地点として検索される。
【0162】
そして、検索された出発地ノードが探索開始点として登録される(ステップSF3)。次に、上記ステップSF1によって設定された目的地に最も近いリンク上のノードが、軌跡データ記憶装置40から検索される(ステップSF5)。そして、この目的地に最も近いノードが、最終的な目的地ノードとして、第1RAM5の最終案内地点データEDとして登録される。
【0163】
なお、この目的地ノードの検索においても、軌跡データ記憶装置40に記憶された各ノードのうち、設定された目的地に最も近いノードが存在しない場合は、情報記憶部37に記憶されているノードデータから最も近いノードが検索される。
【0164】
この様にして、目的地ノードが検索されると、上記探索開始点を起点として、軌跡データ記憶装置40に記憶された全てのリンクデータについて、ルート探索処理が行われたか否かが判断される(ステップSF7)。軌跡データ記憶装置40に記憶されている軌跡データ全てについて、ルート探索処理が実行されていなければ、周辺リンク探索処理が実行される(ステップSF9)。
【0165】
この周辺リンク探索処理とは、一つのノードから延びる各リンクの探索コストが算出される。そして、この探索コストがより小さなリンクが選択され、その選択されたリンクの終点ノードが次のルートの探索開始点とされる。この周辺リンク探索処理については、後ほど詳細に説明する。ステップSF9の周辺リンク探索処理が行われると、次に、目的地ノードまでのルートが探索されたか否かが判断される(ステップSF13)。
【0166】
ルート探索が終了していなければ、再度ステップSF7の処理に戻される。しかし、目的地までのルート探索が終了されたと、判断されれば、図15の処理から図9の処理にフローが回帰される(ステップSF15)。この様に、ステップSF3〜SF13までの一連のルート探索は、軌跡データ記憶装置40に記憶された、ノードデータ55、リンクデータ60及び交差点データ65が用いられる。したがって、軌跡データ記憶装置40に十分な軌跡が記憶されていない場合は、自車両の現在位置から、設定された目的地までの経路が、軌跡データで繋がらない場合がある。
【0167】
この場合、不足経路を補うべく、情報記憶部37の各記憶情報を用いてルート探索処理が実行される(ステップSF11)。つまり、ステップSF7の判断により、軌跡データ記憶装置40の全てのリンクデータについて探索処理が完了されたが、ステップSF13の処理により、目的地までのルートが形成されていなと判断された場合である。そして、軌跡データで形成されたルートの終点部分から、目的地までは、情報記憶部37の道路データを用いた経路が探索されることになる。
【0168】
この様に、自車両の現在位置周辺については、軌跡データ記憶装置40に記憶された軌跡データを用いて経路探索が可能である。しかし、設定された目的地周辺については、軌跡データ記憶装置40に軌跡データが記憶されているとは限らない。そこで、軌跡データが存在しない地域については、情報記憶部37の記憶情報に基づいてルート探索が行われる。
【0169】
自車両の現在位置から目的地までのルート探索処理が終了されると、処理は図9の処理に回帰される(ステップSF15)。
【0170】
17.周辺リンク探索処理
図16は、図15における周辺リンク探索処理(ステップSF9)のフローチャート図である。初めに、探索開始ノードの探索コスト値が、始点コストVAに格納される(ステップSG1)。この探索開始ノードの探索コストとは、図15のルート探索によって、その探索開始ノードまで探索されてきた各リンクの探索コストの累算値である。各リンクの探索コストの大小比較により、最も小さな値のリンクが選択され、そのリンクが最適ルートとされる。このように、探索コストが最も小さなリンクがルートの一つとして順次選択されるが、このリンクの終点ノードの探索コストが、それまでに探索された各リンク、及びノード各々の探索コストの累算値とされる。
【0171】
つまり、ステップSG1において、始点コストVAに記憶される探索コストとは、既に探索されてきたルートを構成するリンク及びノードの各探索コストの累算値である。例えば、図34において、ノードNOD1が現時点での探索開始ノードとする。つまり、直前までのルート探索結果により、最小探索コストとなるルートは、リンクIRB11、IRB10、IRB8の順に決定されたとする。この場合、ステップSG1における始点コストVAは、リンクIRB11、IRB10、IRB8各々の走行コストと、各ノードNOD5、NOD7、NOD8の通過コストが累算された値とされる。
【0172】
ステップSG1の処理の後、この探索開始ノードが交差点ノードか否かが判断される(ステップSG3)。なお、図34のノードNOD1は、交差点ノードである。この探索開始ノードが交差点ノードである場合、次のステップSG5が実行される。しかし、探索開始ノードが交差点ノードでないならば、ステップSG21のリンクコスト算出処理が実行される。
【0173】
検索起点とされる探索開始ノードが交差点ノードである場合、その交差点ノードへの進入リンク番号IRBが、直前に実行されたルート探索結果から判別される。すなわち、今までのルート探索により、案内経路の一つとして選択されたリンクには、リンク番号RBが付されている。このリンク番号に一致する、進入リンク番号IRBが、交差点データ65から検出され、進入リンクが判別される。図34の場合、進入リンクは、リンクIRB8である。
【0174】
そして、この案内経路の一つである進入リンク番号IRBから、進出可能なリンク数noutが、交差点データ65から読み出される(ステップSG5)。図34の例では、進入リンクIRB8に対しての進出可能なリンク数noutは、“3”となる。この進出可能な各進出リンクそれぞれの、終点ノードにおける終点コストVB(nout)の値が無限値に初期設定される(ステップSG7)。つまり、ノードNOD2、NOD3、NOD4それぞれの終点コストVBが、初めに、無限値とされる。
【0175】
そして、ステップSG5で読み出された各進出リンク各々について、探索コストが計算されたか否かが判断される(ステップSG9)。全ての進出リンクについての探索コスト算出が完了されていなければ、上記交差点ノードにおける、進入リンクIRB8から、各進出リンクORB5、ORB6、ORB7への走行回数が読み出される(ステップSG11)。そして、進入リンクから各進出リンクへの走行回数が、“0”か否かが判断される(ステップSG13)。
【0176】
走行回数が、“0”でなければ、交差点ノードNOD1を介して、進入リンクIRB8から各進出リンクORB5、6、7へ進出するための各交差点走行コストVCが求められる(ステップSG25)。この交差点走行コストVCには、進入リンクIRB8から各進出リンクORB5、6、7各々への走行回数に反比例した値が代入される。つまり、走行回数が多い程、交差点走行コストVCが、より小さな値となるように決定される。
【0177】
この交差点走行コストVCと、上記始点コストVAとの和が、進出リンクORBの終点コストVB(nout)とされる(ステップSG27)。なお、走行回数が“0”ならば、ステップSG13の判断がYESとなり、ステップSG9の処理にフローが戻される。なお、この走行回数が“0”とは、当該進入リンクから進出リンクへの走行が不可能か、または過去において走行したことがないことを表している。
【0178】
次に、進出リンクORBのリンクの長さLRと、走行回数SEK若しくは走行回数ESKとが、リンクデータ60から読み出される(ステップSG29)。進出リンクORBの走行コストVLに、このリンク走行回数に反比例した値と、リンクの長さに比例した値との和が代入される(ステップSG15)。つまり、走行回数が多い程、進出リンクORBの走行コストVLは小さくなり、リンクの長さが長くなるほど高い走行コストVLとなるように定められる。尚、走行コストVL算出に用いる走行回数は、リンクの探索方向、すなわち、探索開始ノ−ドから終点ノ−ド方向に一致する走行方向の走行回数が用いられる。また、この走行回数として走行回数SEKと走行回数ESKを合わせた数値を用いても良い。
【0179】
この様にして求められた進出リンクORBの走行コストVLは、上記終点コストVB(nout)に加算される(ステップSG17)。この様にして求められた終点コストVB(nout)が、進出リンクORBの終点ノードにおける最終的な探索コストとされる(ステップSG19)。そして、ステップSG9の処理が再び実行される。
【0180】
ステップSG9の判断において、交差点ノードNOD1における全ての進出リンクORBについて、終点コストVB(nout)が各々計算されたと判断されると、ステップSG23の処理が実行される。このステップSG23では、交差点ノードにおいて、最も小さな終点コストVBを持つ進出リンクORBが次の探索経路として選択される。
【0181】
例えば、図34の交差点ノードNOD1において、進入リンクIRB8から進出リンクORB7への走行回数が最も多く、しかも進出リンクORB7のリンクの長さが最も短いとする。この場合、交差点ノードNOD1において、最終コストVBが最も小さいのは進出リンクORB7となる。よって、進出リンクORB7が次の案内経路として選択される。
【0182】
そして、進出リンクORB7の終点ノードNOD4が、次の探索開始ノードと定められる。したがって、次の周辺リンク探索処理においては、始点コストVAに、ノードNOD4の探索コストである終点コストVBの値が代入される(ステップSG1)。なお、最終コストVB(nout)の値が無限値のものは、案内経路に選択されないよう、強制排除される。
【0183】
また、ステップSG3の判断において、探索開始ノードが交差点ノードでないと判断されると、リンクコスト算出処理が実行される(ステップSG21)。図34では、ノードNOD7等が該当する。このリンクコスト算出処理が実行されると、ステップSG23の処理が実行される。この場合、算出される終点コストVBは一つだけなので、コスト値の大小比較は省略される。よって、ステップSG21の処理により、探索開始ノードがノードNOD7である場合、リンクIRB10の走行コストVLが算出され、ノードNOD5の終点コストVBのみが算出される。
【0184】
図16の周辺リンク探索処理が終了されて、最適ルートを構成するリンクが選択されると、図15のルート探索処理にフローが回帰される(ステップSG31)。なお、上記においては、探索コストが最も小さいリンクが選択されるようにしたが、探索コストの計算方法を逆に行うようにしてもよい。すなわち、リンクの走行回数が多いか、またはリンクの長さが短い程、リンクの走行コストVLの値を大きくする。そして、走行コストの最も大きいリンクを選択するようにしてもよい。
【0185】
さらにまた、上記の探索コスト算出において、交差点ノードの走行コストVC及びリンクの走行コストVLそれぞれに、走行日時DTS及び日時データSNDの日付を考慮させてもよい。つまり、日時データSNDの最新日付が、より新しいと、リンクの走行コストVLの値が小さくなるようにする。この結果、ルート探索において、過去の走行日時がより新しいリンクが優先して選択されることになる。
【0186】
さらに、交差点ノードの走行コストに、右折、左折を考慮させるようにしてもよい。つまり、右折して進行する走行コストがより大きく、直進して進行する走行コストがより小さくなるようにする。これは、一般的な交差点で右折進行するのは、直進より、進行状況が滑らかではない。特に右折の場合、対向車の数量によっては、極めて困難な場合がある。そこで、そのような交差点での右折進行をなるべく避けるため、交差点における進行方向を、走行コストVCの大小に影響を与えるようにしてもよい。
【0187】
18.リンクコスト算出処理
図17は、リンクコスト算出処理を示すフローチャート図である。初めに探索開始ノードに繋がるリンクに関するデータが、軌跡データ記憶装置40から読み出される(ステップSH1)。例えば、図34におけるノードNOD7が、今回の探索開始ノードである場合、ノードNOD7に繋がるリンクIRB10が軌跡データ記憶装置40から読み出される。
【0188】
この読み出されたリンクデータから、リンクIRB10のリンクの長さLRと、走行回数が読み出される(ステップSH3)。リンクIRB10の終点コストVBの値が、無限大値に初期設定される(ステップSH5)。次に、当該リンクの走行回数が“0”か否かが判断される(ステップSH7)。走行回数が“0”ならば、当該リンクコスト算出処理が終了されて、図16のステップSG23に処理が戻される(ステップSH15)。
【0189】
しかし、走行回数が“0”でないなら、当該リンクの走行コストVLが算出される(ステップSH9)。この走行コストVLは、上記走行回数に反比例した値と、リンクの長さLRに比例した値の和として求められる。この走行コストVLと、上記探索開始ノードの始点コストVAとの和が、終点コストVBとされる(ステップSH11)。この終点コストVBが、リンクIRB10の終点ノードNOD5の探索コストとされる(ステップSH13)。終点ノードの探索コストが求められると、図16のステップSG23に処理が戻される。
【0190】
図16、17の各処理によって、リンクの終点ノードにおける探索コストが算出される。そして、この探索コストがより小さな終点ノードへの経路が、案内経路として選択される。上記周辺リンク探索処理において、算出される交差点走行コストVCに、交差点ノードの通過所用平均時間TSUと、走行日時DTSを考慮させてもよい。すなわち、通過所用平均時間TSUが短い程、交差点走行コストVCの値を小さくする。また、走行日時DTSの最新日時が、より新しい日時である場合にも、交差点走行コストVCの値が小さくなるように定義してもよい。
【0191】
同じように、リンクの走行コストVLについても、当該リンクの平均車速AS、走行日時データSND、登録回数YT及び、道路識別情報LDによって増減させるようにしても良い。例えば、平均車速ASがより早い場合、走行コストVLの値がより小さくなるように定義する。走行日時データSNDの日時データがより新しい場合にも、走行コストVLが小さくなるように定義する。また、ルート探索処理が実行される時間に応じ、その時間に適合する時刻データをより多く持つリンクの走行コストVLが、より小さくなるように定義しても良い。
【0192】
なお、この日時データSNDに示される時間帯が、例えば、午前中の一定時間帯に集中していた場合、この日時データSNDに関係するリンクは、その時間帯においてのみ、利用されることが好ましい場合がある。したがって、ルート探索処理が実行される時間帯によって、特定の時間帯のデータが記憶された日時データSNDのリンクを優先的に用いるには、リンクの走行コストVLに、この日時データSNDの時間帯によって増減する関数値を加算するようにしてもよい。
【0193】
さらに、登録回数YTの数値が多い程、走行コストVLの値が小さくなるようにしてもよい。道路識別情報LDにより、当該リンクが情報記憶部37に記憶されていない道路である場合にも、走行コストVLの値が小さくなるように定義してもよい。特に、ユーザ操作による登録回数YTの値の大小によって、リンクの走行コストVLの値が大きく変化するように定義すれば、よりユーザの好む道路が集中的に案内経路として選択されることになる。
【0194】
また、上記目的地設定処理(図15のステップSF1)において、VICSやATIS等の信号授受による外部情報を取り込み、立ち寄り施設または目的地の選別条件としても良い。例えば、目的地周辺の駐車場を最終的な目的地として抽出させる場合、VICSやATIS等によって送信されてくる外部情報により、各駐車場の満車、空車状態または当該施設近傍の道路の混雑状況をも、考慮して施設を抽出させるようにする。これにより、施設選択の誤りをより少なくすることができる。なお、上記目的地設定処理の開始命令は、自車両が走行中では実行できないような処理がなされている。
【0195】
さらに、情報記憶部37の道路データ、交差点データ、ノードデータを全て軌跡データ記憶装置40に複写してもよい。しかも、これらの道路データが軌跡データ記憶装置に記憶される時、走行回数SEK、ESK、走行日時データSND、平均車速ASを付加させる。ただし、これらの値は、始め“0”として記憶される。そして、上記ルート探索処理において、これらの道路データ、交差点データを軌跡データと共に探索対象とする。これにより、軌跡データと道路データとが並存する、案内経路が探索できる。尚、軌跡データ記憶装置40に記憶された道路データの走行回数、走行日時データ等は次ぎの場合に書き換えられる。すなわち、車両の走行時中に、現在位置が検出されるが、この現在位置に該当する座標値を持つ道路データが検出される。そして、現在位置に該当する道路が、軌跡データ記憶装置から検出され、上記各データが更新される。
【0196】
さらにまた、上記図16、図17で用いられた探索コスト算出方法を、情報記憶部37(CD−ROM、光磁気ディスク等)に記憶されている道路データを用いて行われる案内経路探索処理(ステップSJ1)において利用しても良い。つまり、リンクデータ60に、情報記憶部37に記憶された道路の道路番号MBが記憶されている。そこで、道路データによる経路探索において、当該道路データの道路番号MBを持つリンクデータ60の走行回数SEK、ESKが参照される。そして、道路データの探索コストを、この走行回数SEK、ESKの値に応じて増減させる。これにより、道路データを用いて探索される案内経路でも、走行回数のより多い道路が優先されて選択される。
【0197】
また、道路データを用いた経路探索において、走行回数のみならず、平均車速AS、走行日時データSND、ユーザ操作による登録回数YT等を考慮して探索コストの値を決めてもよい。この場合、これらの値が演算処理されて、上記走行コスト(探索コスト)VL演算合成される。
【0198】
19.ルート探索処理の第2実施例
図18〜図25は、ルート探索処理の第2実施例のフローチャートを示す図である。初めに、使用者の希望目的地を設定する目的地設定処理が実行される(ステップSF1)。なお、この目的地設定処理は、図15の目的地設定処理と同じである。使用者によって、所望される目的地が、ディスプレイ33上に表示される施設リスト中から、各種検索条件に従って検索され指定される。
【0199】
上記目的地設定処理により、ルート案内の目的地が設定されると、出発地(自車両の現在位置)からこの目的地までの案内経路が探索される(ステップSJ1)。この案内経路の探索は、情報記憶部37に記憶された道路データファイルF4を用いて行われる。ステップSJ1において、出発地から目的地までの案内経路が、情報記憶部37の道路データを用いて全て探索されると、次のステップSJ3が実行される。なお、上記ステップSJ1における案内経路探索処理で、後ほど説明する周辺リンク探索処理(ステップSF9)と同じ探索方法を用いて経路を探索しても良い。なお、この場合、走行回数、平均車速等の書き換え可能なデータは用いないものとする。したがって、案内経路探索においては、道路の長さ、道路の道幅、国道等の主要幹線道路、高速道路等の道路環境等が、探索コストの大小を決める情報として用いられる。
【0200】
図35には、情報記憶部37の道路データのみで探索された案内経路88が示されている。この探索された案内経路88は、情報記憶部37に記憶された地図上の各道路に付された道路番号で構成される。そして、この案内経路データの各道路番号を備えるリンクデータが、軌跡データ記憶装置40に記憶された軌跡データ中から検索される(ステップSJ3)。なお、案内経路を構成する道路の道路番号を具備するリンクを、ここでは、重複リンクと定義する。
【0201】
次に、出発地(スタート時点の地理的位置)近傍のノードが探索開始ノードに設定される(ステップSJ5)。ここでのノードとは、軌跡データ記憶装置40に記憶された軌跡データのことである。そして、探索開始ノードから、上記重複リンクの始点ノードまでの軌跡ルート探索が以下のように行われる。
【0202】
初めに、検索された重複リンク各々について、軌跡ルート探索が終了されたか否かが判断される(ステップSJ7)。これは、図18の処理終了の条件判定である。終了されていなければ、上記重複リンクの始点ノードが交差点ノードか否かが判断される(ステップSJ9)。図35の案内経路88において、例えば、リンクRB20、RB22、RB24が重複リンクであると、重複リンクRB22のノードNOD26が交差点ノードか否かが判断される。重複リンクの始点ノードが交差点ノードであれば、この重複リンクから上記案内経路へと、進入可能か否かが判断される(ステップSJ11)。
【0203】
なお、上記ステップSJ7の始点ノードが交差点ノードか否かの判別は、次の理由によって行われる。始点ノードが交差点ノードでないと、上記重複リンクへ、他のリンクから進入できない場合がある。この場合、重複リンクから案内経路88への進路変更ができないおそれがある。よって、始点ノードが交差点ノードか否かの判別が行われる。
【0204】
ステップSJ11の判断、すなわち、重複リンクから案内経路への進行が可能か否かの判断は、次の理由によって行われるものである。すなわち、重複リンクの走行方向が、案内経路の目的地方向への走行方向と相反する場合がある。この場合、重複リンクから、道路データのみで構成された案内経路88へ進入するには、Uターンしなければならない場合がある。よって、この様な不都合を回避するため、ステップSJ11の処理が実行される。
【0205】
なお、ステップSJ7の判断により、全ての重複リンクについての処理が終了されたなら、図18の処理から図19の処理へ移行される。また、ステップSJ9、SJ11の判断において、重複リンクの始点ノードが交差点ノードでないか、または重複リンクから案内経路88への進出が困難な場合は、この重複リンクを用いた軌跡ルート探索は行われない。この場合、ステップSJ7の判断に処理が戻され、次の重複リンクについての処理が開始される。
【0206】
しかし、ステップSJ9、SJ11の判断において、重複リンクの始点ノードが交差点ノードであって、重複リンクから案内経路88の目的地方向への進入が可能と判断されると、この重複リンクを終点ノードとする、軌跡データを用いたルート探索が開始される。この軌跡ルート探索では、初めに、重複リンクの始点ノードが探索終了ノードに設定される(ステップSJ12)。
【0207】
次に、軌跡データ記憶装置40に記憶された軌跡データを全て用いて、上記軌跡ルート探索が行われたか否かが判断される(ステップSJ13)。全ての軌跡データについての探索が行われていなければ、既に探索された軌跡ルートの最後尾に繋がるリンクの終点ノードが、さらなる探索開始ノードに設定される。そして、此の新たな探索開始ノードを起点として、周辺リンク探索処理が行われる(ステップSJ15)。なお、この周辺リンク探索処理は、図16で示されたプログラムである。周辺リンク探索処理の結果、新たな探索リンクが、それまでに探索された軌跡ルートの末端に追加される。
【0208】
次に、この新たに追加された探索リンクが、上記重複リンクか否かが判断される(ステップSJ17)。探索リンクが重複リンクに一致しなければ、ステップSJ13以降の処理が再度実行される。しかし、上記追加探索リンクが、上記重複リンクと一致したなら、出発地から重複リンクまでの軌跡ルートが探索されたことになる。そこで、この探索された経路が、軌跡ルートKT(S)として第1RAM5に記憶される(ステップSJ21)。なお、軌跡ルートKT(S)の変数(S)は、第S番目の軌跡ルートKTであることを示す。この後、ステップSJ7の判断が再度実行され、次の重複リンクについての処理が改めて開始される。
【0209】
また、ステップSJ13の判断により、軌跡データ記憶装置40の軌跡データ全てについて、軌跡ルートの探索が終了されたなら、出発地から当該重複リンクまでの、軌跡データによる経路が完成されたか否かが判断される(ステップSJ19)。これは、軌跡データ記憶装置40に記憶された軌跡データが、重複リンク近傍と、出発地近傍のみしかない場合を想定している。つまり、出発地と、当該重複リンクとを接続する、軌跡データによる経路が存在しない場合があるので、その様な経路を軌跡ルートKT(S)としないためである。
【0210】
図35に、図18の一連の処理によって探索された軌跡ルートKT1の様子を示す。軌跡ルートKT1は、出発地ノード82から重複リンクRB22までの軌跡データのみで構成された経路である。つまり、図18の処理では、出発地ノード82から、案内経路88上の各重複リンクそれぞれまでの、軌跡ルートKT(S)が探索される。
【0211】
図18の軌跡ルートKT(S)の探索が終了されると、図19の軌跡ルートKR(P)の探索が開始される。図19において初めに、目的地に最も近い軌跡データ記憶装置40のノードが、目的地ノード80に設定される(ステップSJ23)。次に、上記ステップSJ3で検出された重複リンクの走行方向が、案内経路88の目的地方向への走行方向と一致するか否かが判断される(ステップSJ25)。なお、ここで用いられる重複リンクは、図18で用いられた重複リンクと同じである。
【0212】
リンクの走行方向と、案内経路88の走行方向が一致するかは、リンクデータ60の走行回数ESK、SEKが“0”でないことによって判断される。例えば、走行回数SEKが“0”なら、その重複リンクの始点ノードから終点ノード方向への走行が不可能と判断される。そして、この始点→終点方向への走行が、案内経路88における目的地方向への走行であるなら、ステップSJ25の判断結果がNOとなる。つまり、重複リンクの走行方向と、案内経路88の走行方向とが一致しなかったことになる。
【0213】
ステップSJ25の判断結果がYESならば、案内経路88からこの重複リンクへの進路変更可能か否かが、判断される(ステップSJ27)。進路変更可能か否かは、図18のステップSJ9と同じように、重複リンクの終点ノードが交差点ノードか否かが判断される。さらに、その交差点ノードにおいて、重複リンクから、他の軌跡データのリンクへ進出可能か否かが判断される。これらの判断は、軌跡データ記憶装置40に記憶された交差点データ65を利用して行われる。案内経路88から重複リンクを経て、他のリンクへの進出可能ならば、重複リンクの終点ノードが、探索開始ノードに設定される(ステップSJ29)。
【0214】
探索開始ノードが設定されると、軌跡データ記憶装置40に記憶されたリンクデータ全てについて、軌跡ルート探索処理が実行されたか否かが判断される(ステップSJ31)。リンクデータが全て調べられていなければ、上記探索開始ノードを起点とする、周辺リンク探索処理が実行される(ステップSJ35)。なお、ステップSJ31における全てのリンクデータに対する探索処理完了か否かの判断には、探索リンクに、新たに繋がる次のリンクがない場合も含まれる。つまり、軌跡データ記憶装置40には、出発地近傍の軌跡データのみが記憶されており、目的地周辺の軌跡データが全く記憶されていない場合を想定している。また、目的地ノードまでのリンク探索処理が終了された場合も、このステップSJ31の判断がYESとされる条件とする。
【0215】
ステップSJ31の判断結果がYESなら、それまでに探索された軌跡ルートの終点ノードを新たな探索開始ノードとして経路探索処理が実行される(ステップSJ33)。つまり、軌跡データ記憶装置40の軌跡データが不足しており、探索されてきた軌跡ルートが、目的地ノードまで達していない場合がある。そこで、その不足経路を、情報記憶部37の道路データを用いて探索しようとするものである。
【0216】
なお、重複リンクから目的地ノードまで繋がる軌跡ルート形成が不可能な場合、ステップSJ33による、道路データを用いた経路探索の続行を禁止してもよい。つまり、軌跡データ記憶装置40に記憶された軌跡データが、重複リンク近傍のみであった場合等では、目的地ノード80までの、軌跡データのみによる軌跡ルート探索が不可能なので、この様な、中途軌跡ルートを強制的に破棄しても良い。
【0217】
ステップSJ33またはステップS35の処理が行われると、現在探索されている軌跡ルートの最後の終点ノードが、目的地ノードに達したか否かが判断される(ステップSJ37)。また、このステップSJ37の判断では、探索中の軌跡ルートの最終リンクが、案内経路88上の重複リンクと再び一致したか否かも判断される。つまり、図35において、重複リンクRB24から、探索開始された軌跡ルートKR3が重複リンクRB20に達したか否かの判断が実行される。
【0218】
ステップSJ37の判断結果がYESならば、つまり、軌跡ルートの探索が完了されたと判断されると、この新たに探索された経路が軌跡ルートKR(P)として第1RAM5に記憶される(ステップSJ41)。この後、全ての重複リンクについて、軌跡ルートの探索が行われた否かが判断される(ステップSJ39)。完了していなければ、新たな重複リンクについての軌跡ルート探索を開始すべく、ステップSJ29に処理が戻される。しかして、全ての重複リンクについての軌跡ルート探索が完了されれば、次に、図20の処理が開始される。
【0219】
以上のように、図19の一連の処理により、図35に示される軌跡ルートKR1、KR3が探索される。つまり、情報記憶部37の道路データで構成される案内経路88の途中から始まる、軌跡ルートKR(P)が探索される。
【0220】
図20の軌跡データによるルート探索では、出発地から目的地ノード80までの経路が、全て軌跡データのみで構成される軌跡ルートが存在するか否かが判断される。初めに、出発地ノード82が探索開始ノードに設定される(ステップSJ43)。この探索開始ノードを起点として、最適な次のリンクが周辺リンク探索処理によって探索される(ステップSJ45)。此のステップSJ45で探索されたリンクが、図18の処理において、探索された各軌跡ルートKT(S)における第1番目のリンクと同じものがあるか否かが判断される(ステップSJ47)。
【0221】
つまり、ステップSJ45で探索された最初のリンクが、何れかの軌跡ルートKT(S)のスタートリンクと一致するなら、そのリンクから始まる軌跡ルートは、既に探索された軌跡ルートKTと一致してしまう。よって、重複探索処理を防止するためにステップSJ47の判断が実行される。
【0222】
そして、第1番目の探索リンクが、軌跡ルートKT(S)のスタートリンクに一致しなければ、ステップSJ49の処理が行われる。すなわち、この第1番目の探索リンクの終点ノードが、次の探索開始ノードに設定される。そして、軌跡データ記憶装置40に記憶されたリンクデータ全てについて、処理が終了されたか否か判断される(ステップSJ51)。完了されていなければ、最新探索リンクの終点ノードを、新たな探索開始ノードとして、周辺リンク探索処理が実行される(ステップSJ55)。
【0223】
次に、ステップSJ55の周辺リンク探索処理によって、新たに探索されたリンクの終点ノードが、目的地ノード80に達したか否かが判断される(ステップSJ57)。達していなければ、再度ステップSJ51からの処理が繰り返される。しかし、探索されたリンクの終点ノードが、目的地ノード80となっていれば、出発地ノード82から目的地ノード80までの軌跡ルートが探索されたことになるので、当該ルートが新たな軌跡ルートKR(P)として第1RAM5に記憶される(ステップSJ59)。
【0224】
しかし、探索リンクの終点が目的地ノード80に一致せず、しかも全てのリンクデータについての探索処理が終了している場合は、図20の処理が強制的に終了される。すなわち、ステップSJ57の判断結果がNOで、しかもステップSJ51の判断結果がYESの場合である。これは、出発地ノード82から目的地ノード80までの軌跡ルートが存在しないことになる。つまり、軌跡データ記憶装置40に記憶されたリンクデータが、出発地ノード82周辺のみと、または目的地ノード80周辺のみの場合を想定している。
【0225】
図20の処理により求められた軌跡ルートKR(P)は、図35の軌跡ルートKR2に該当する。このように、軌跡ルートKR2は、案内経路88と重複するリンクがない軌跡ルートである。
【0226】
図21の軌跡データによるルート探索では、次のようなルートが探索される。すなわち、出発地から目的地ノード80までの経路が、全て軌跡データのみで構成される軌跡ルートで、しかも、図20で探索された軌跡ルート以外の軌跡ルートが存在するか否かが判断される。
【0227】
初めに、出発地ノード82が探索開始ノードに設定される(ステップST1)。この探索開始ノードを起点として、最適な次のリンクが周辺リンク探索処理によって探索される(ステップST3)。此のステップST3で探索されたリンクが、図18〜図20の各処理によって探索された各軌跡ルートの第1番目のリンクと、同じものがあるか否かが判断される(ステップST5)。
【0228】
つまり、ステップST3で探索された最初のリンクが、何れかの軌跡ルートKR(P)、KT(S)のスタートリンクと一致するなら、そのリンクから始まる軌跡ルートは、既に探索された軌跡ルートと一致してしまう。よって、重複探索処理を防止するためにステップST5の判断が実行される。
【0229】
そして、第1番目の探索リンクが、他の軌跡ルートのスタートリンクに一致しなければ、ステップST7の処理が行われる。すなわち、この第1番目の探索リンクの終点ノードが、次の探索開始ノードに設定される。そして、軌跡データ記憶装置40に記憶されたリンクデータ全てについて、処理が終了されたか否か判断される(ステップST9)。完了されていなければ、最新探索リンクの終点ノードを、新たな探索開始ノードとして、周辺リンク探索処理が実行される(ステップST11)。
【0230】
次に、ステップST11の周辺リンク探索処理によって、新たに探索されたリンクが、やはり、既に探索済みの軌跡ルートのリンクと一致しないか否かが判断される(ステップST13)。一致した場合、この一致リンクが除外され(ステップST15)、残りのリンクによる周辺リンク探索処理が実行される。
【0231】
ステップST13の判断により、新たに探索されたリンクが、他の軌跡ルートで使用されていない場合、当該リンクの終点ノードが、目的地ノードに一致するか否かが判断される(ステップST17)。
【0232】
終点ノードが、目的地ノード80に達していなければ、再度ステップST9からの処理が繰り返される。しかし、探索されたリンクの終点ノードが、目的地ノード80となっていれば、出発地ノード82から目的地ノード80までの軌跡ルートが探索されたことになるので、当該ルートが新たな軌跡ルートKR(P)として第1RAM5に記憶される(ステップST19)。
【0233】
しかし、探索リンクの終点が目的地ノード80に一致せず、しかも全てのリンクデータについての探索処理が終了している場合は、図21の処理が強制的に終了される。すなわち、ステップST17の判断結果がNOで、しかもステップST9の判断結果がYESの場合である。これは、出発地ノード82から目的地ノード80までの軌跡ルートが存在しないことになる。この場合は、図21によって探索されてきた途中までの軌跡ルートは、破棄されることになる。
【0234】
図21の処理により求められた軌跡ルートKRは、図20で探索された軌跡ルートKRとは異なる。具体的には、周辺リンク探索処理(ステップSF9)において求められた各探索コストが、第2番目に小さなリンクが順に選択された軌跡ルートとなる。したがって、探索コストの算出方法で、各リンクの長さの長短が、最も走行コストVLの値の大小に影響するように設定されていた場合、出発地ノード82から目的地ノード80までの最短軌跡ルートが、図20の処理によって探索され、次に短い軌跡ルートが、図21の処理によって探索される。
【0235】
図18〜21の処理によって、各軌跡ルートKT(S)、軌跡ルートKR(P)が探索されると、図22の処理が実行される。初めに、各軌跡ルートKT(S)それぞれの重複リンクにおいて、軌跡ルートKR(P)の始点側の重複リンクと一致するものがあるか否かが調査される(ステップSJ61)。図35の例では、軌跡ルートKT1の重複リンクRB22は、軌跡ルートKR1の始点側の重複リンクでもある。このような軌跡ルートKT(S)、軌跡ルートKR(P)の組み合わせが存在するか否かが判断される(ステップSJ63)。
【0236】
適合する軌跡ルートKT(S)、軌跡ルートKR(P)が存在した場合、二つの軌跡ルートからなるルートが、新たな軌跡ルートKU(H)として第1RAM5に記憶される(ステップSJ65)。次に、この新たに形成された軌跡ルートKU(H)全体の距離計算が終了されたか否かが判断される(ステップSJ67)。ここで、軌跡ルートKU(H)の距離とは、この軌跡ルートKU(H)を構成する軌跡ルートKTの全距離と、軌跡ルートKRの全距離を合わせたものである。図35の例では、軌跡ルートKT1の長さ+軌跡ルートKR1の長さ=軌跡ルートKU(H)の距離になる。但し、重複リンク部分の距離が重ねて累算されないものとする。
【0237】
そして、全ての軌跡ルートKU(H)についての距離計算が終了していなければ、計算レジスタUWが“0”に初期設定される(ステップSJ69)。次に、軌跡ルートKU(H)の終点ノードが目的地ノード80と一致するか否か判断される(ステップSJ71)。軌跡ルートKU(H)の終点ノードとは、此の軌跡ルートKU(H)を構成する軌跡ルートKRの終点ノードでもある。したがって、この軌跡ルートKRの終点ノードが目的地ノード80でない場合は、その終点ノードから目的地ノード80までは、案内経路88を用いた経路となる。図35では、例えば、軌跡ルートKR3の終点ノードNOD29等が該当する。
【0238】
そこで、この軌跡ルートKU(H)の終点ノードから目的地ノード80までの距離が、案内経路88を用いて計算され、計算レジスタUWに格納される(ステップSJ73)。そして、各軌跡ルートKT及び軌跡ルートKRを構成する各リンクの距離が、軌跡データ記憶装置40のリンクデータ60から読み出され、累算される(ステップSJ75)。この軌跡ルートKT、KRの各リンク距離の総和が、ルート距離KUL(H)に格納される。
【0239】
さらに、ルート距離KUL(H)に計算レジスタUWの値が加算される(ステップSJ77)。これにより、出発地ノード82から目的地ノード80までの軌跡ルートKU(H)のルート距離KUL(H)が求められる。
【0240】
また、軌跡ルートKU(H)が存在しないか、または全ての軌跡ルートKU(H)の距離算出が完了されると、図22の処理が終了され、次の図23の処理が開始される。
【0241】
図23の処理では、各軌跡ルートKT(S)、軌跡ルートKR(P)それぞれと、案内経路88とが併用された場合のルート距離がそれぞれ算出される。すなわち、軌跡ルートKT(S)を構成する各リンクの長さが軌跡データ記憶装置40から読み出され、累算される。そして、軌跡ルートKT(S)のリンク部分の距離が、ルート距離KTL(S)に格納される(ステップSJ79)。
【0242】
次に、軌跡ルートKT(S)の終点ノードから目的地ノード80までの、案内経路88による距離が、情報記憶部37の道路データファイルF4を利用して算出される(ステップSJ81)。この終点ノードから目的地ノード80までの距離は、計算レジスタUWに格納される(ステップSJ81)。求められた計算レジスタUWの値は、上記ルート距離KTL(S)に加算される(ステップSJ83)。
【0243】
図35では、軌跡ルートKT1の重複リンクRB22のノードNOD24から目的地ノード80までの距離が、案内経路88を用いて算出される。この算出された距離は、計算レジスタUWに格納される。他方、軌跡ルートKT1の距離は、軌跡データ記憶装置40のリンクデータ60を用いて計算され、ルート距離KTL(1)に格納される。
【0244】
そして、全ての軌跡ルートKT(S)をそれぞれ用いた、出発地ノード82から目的地ノード80までのルート距離KTL(S)が算出されたか否か判断される(ステップSJ85)。終了していなければ、次の軌跡ルートKT(S)についての距離計算が開始されるべく、ステップSJ79から処理が繰り返される。
【0245】
全ての軌跡ルートKT(S)についてのルート距離KTL(S)が計算されれば、次に軌跡ルートKR(P)についてのルート距離KRL(P)が算出される。初めに、全ての軌跡ルートKR(P)についての距離計算が完了されたか否かが判断される(ステップSJ87)。
【0246】
完了ならば、図23の処理が終了したことになり、図24の処理が行われる。しかし、全ての軌跡ルートKR(P)の距離計算が終了していなければ、ステップSJ89以降の処理が繰り返し実行される。初めに、計算レジスタUWに“0”がセットされる(ステップSJ89)。
【0247】
続いて、軌跡ルートKR(P)の終点ノードが、目的地ノード80に一致しているか否かが判断される(ステップSJ91)。終点ノードが目的地ノード80でないと、軌跡ルートKR(P)の終点ノードから目的地ノード80までの距離が、案内経路88に基づく距離で算出される(ステップSJ93)。算出された終点ノードから目的地ノード80までの距離値は、計算レジスタUWに格納される。
【0248】
さらに、出発地ノード82から軌跡ルートKR(P)の終点ノードまでの距離が、ルート距離KRL(P)として算出される(ステップSJ95)。なお、この際、軌跡ルートKR(P)の始点ノードが、出発地ノード82に一致していなければ、出発地ノード82から軌跡ルートKR(P)の始点ノードまでは、案内経路88が利用される。したがって、出発地ノード82から、軌跡ルートKR(P)の始点ノードまでの距離は、案内経路88を用いて算出される。
【0249】
こうして求められたルート距離KRL(P)に上記計算レジスタUWの値が加算される。この後、ステップSJ87の判断が、再び実行される。このように、ステップSJ87〜SJ97の処理繰り返しにより、各軌跡ルートKR(P)をそれぞれ利用した、出発地ノード82から目的地ノード80までのルート距離KRL(P)が算出される。
【0250】
図18〜図23までの処理によって、軌跡データを用いた軌跡ルート探索が行われると共に、各軌跡ルートを利用した場合の、出発地ノード82から目的地ノード80までの距離が算出される。この後、図24の処理が開始される。図24において、初めに、使用者による軌跡ルートの選択モードがセットされたか否かが判断される(ステップSJ99)。使用者による軌跡ルート選択モードがセットされた場合、ステップSJ101の処理が実行される。しかし、軌跡ルートの選択モードがセットされない場合、ステップSJ109の処理が実行される。
【0251】
使用者による軌跡ルートの選択モードでは、上記各ルート距離KTL(S)、ルート距離KRL(P)、ルート距離KUL(H)が、案内経路88と共に全てディスプレイ33に表示される。しかも、各軌跡ルートの、リンク部分のみの距離と、当該リンク部分の走行に要する時間が表示される(ステップSJ101)。
【0252】
また、この軌跡ルートのディスプレイ33表示においては、第1番目の軌跡ルートが、点滅表示される。そして、軌跡ルートの選択が実行されたか否か判断される(ステップSJ103)。この選択の有無は、ディスプレイ33に設けられた、決定鍵が押されたか否かの判断によってなされる。そして、決定鍵が押された時点で、点滅されている軌跡ルートが選択される。この軌跡ルートの選択が行われると、図25のステップSJ111の処理が実行される。なお、選択された軌跡ルートは、軌跡ルートKVとされる。
【0253】
しかし、軌跡ルートの選択が行われないと、カーソルの操作が行われたか否かが判断される(ステップSJ105)。カーソル操作があると、次の軌跡ルートが点滅される。しかし、カーソル操作がない場合は、再度ステップSJ103の処理が繰り返される。したがって、カーソル操作が、順次繰り返されると、ディスプレイ33に点滅表示されている軌跡ルートが、サイクリックにチェンジされる。
【0254】
他方、ステップSJ99の処理において、使用者による軌跡ルートの選択モードがセットされない場合、ステップSJ109の処理が実行される。このステップSJ109では、図18〜図23によって探索された各軌跡ルートから一つ案内経路が自動的に選択される。例えば、上記ルート距離KTL(S)、ルート距離KRL(P)、ルート距離KUL(H)の各値において、最も距離が短いものが選択される(図24のステップSJ109)。そして、選択された最も距離値の小さい軌跡ルートが、軌跡ルートKVとされる。つまり、軌跡ルートKVは、探索された軌跡ルートKT(S)、軌跡ルートKR(P)、軌跡ルートKU(H)のうちの一つが代入される。
【0255】
次に、軌跡ルートKVを構成する各リンクが、情報記憶部37に記憶されている道路データの道路番号を具備するか否かが判断される(ステップSJ111、SJ113)。道路番号を持たないリンクは、案内対象道路ではないことになる。つまり、新規に建設された道路や、細街路ということになる。このため、ディスプレイ33上に表示される地図上に、軌跡ルートKVを道路データファイルF4を用いて表示できない。
【0256】
そこで、道路番号のない、軌跡ルートKVのリンクを、軌跡データ記憶装置40の軌跡データを用いて、地理座標点の並びに置き換える(ステップSJ115)。この後、ディスプレイ33に、軌跡ルートKVと案内経路88とが、共に表示される(ステップSJ119)。なお、軌跡ルートKV部分は、案内経路88と識別可能なように表示されてもよい。例えば、異なる色彩で二つの経路が表示される。
【0257】
上記ステップSJ113の判断結果がYESの場合、つまり、軌跡ルートKVの全てのリンクが、道路番号を有していれば、軌跡ルートKVを、情報記憶部37の道路データによって表示可能である。そこで、軌跡ルートKVの各リンクを道路番号で表現したデータ列に置き換えられる(ステップSJ117)。
【0258】
図35において、軌跡ルートKVが軌跡ルートKT1である場合、この軌跡ルートKT1と、案内経路88のノードNOD24から目的地ノード80部分とが、ディスプレイ33上に表示される。つまり、軌跡データ記憶装置40の軌跡データを用いた軌跡ルートが優先的に表示される。なお、このルート表示では、案内経路88を全て表示するようにしてもよい。この場合にも、軌跡ルートKVと、案内経路88とを識別可能なように表示させても良い。
【0259】
ディスプレイ33上に軌跡ルートKVと、案内経路88全体とが並列表示された場合、此の軌跡ルートKVを使用するか否かの決定が、ディスプレイ33の表示によって、使用者に問いかけられる(ステップSJ121)。軌跡ルートKVの使用が選択されれば、ルート案内表示において、軌跡ルートKVが用いられる。なお、この場合、軌跡ルートKV以外の残りルートは案内経路88が用いられる。図35では、ノードNOD24から目的地ノード80までの案内経路88部分である。なお、このステップSJ121において、軌跡ルートKVと案内経路88とが相違していた場合、軌跡ルートKVが優先的に選択されるようにしてもいよい。ただし、軌跡ルートKVのルート距離と、この軌跡ルートKVに対応する案内経路88の部分距離との大小比較において、案内経路88の距離が極めて短い場合にのみ案内経路88が、自動的に選択されるようにしてもよい。
【0260】
図25において、軌跡ルートKVが軌跡ルートKT1である場合、この軌跡ルートKVに対応する案内経路88の部分は、ノードNOD26から出発地ノード82までが、該当する。したがって、軌跡ルートKT1と案内経路88とは、相違するので、軌跡ルートKT1が強制的に選択される。
【0261】
以上詳述してきたように、図35の軌跡ルートKT1は、図18に示される処理によって探索される。図35の軌跡ルートKR1、KR3は、図19に示された処理によって探索される。図29の軌跡ルートKR2は、図20または図21に示された処理によって探索される。
【0262】
以上のように、ルート探索処理の第2実施例では、出発地ノード82から目的地ノード80までの経路として、情報記憶部37の道路データファイルF4を用いた案内経路88、または、軌跡データ記憶装置40の軌跡データを優先使用した軌跡ルートとが探索される。例えば、図35において、案内経路88は、図4の道路データファイルF4を用いて探索される。軌跡ルートKR1、KR2、KR3、KT1は、軌跡データ記憶装置40の軌跡データを用いて探索された結果である。
【0263】
そして、これら複数の軌跡ルートのうち、何れの軌跡ルートを用いた場合が、出発地ノード82から目的地ノード80までの距離が短いのか判別され、その最も短い距離の軌跡ルートが、積極的に用いられるようにした。したがって、使用者が頻繁に使用する未案内道路(情報記憶部37に記憶されていない道路)等を積極的に活用したルート探索が可能である。特に、周辺リンク探索処理では、リンクの走行コストに、そのリンクでの走行回数が加味されるので、より使用頻度の高いにリンクが積極的にルート経路に用いられる。
【0264】
さらにまた、情報記憶部37のデータ38cに記憶されている道路データを用いた案内経路探索処理(図18のステップSJ1)を複数回実行するようにしてもよい。しかも、この2回目以降の案内経路探索処理では、図21の軌跡ルートKR(P)探索で行われたように、一度、他の案内経路に用いられた道路を、この新たな案内経路探索に用いないようにする。なお、このように複数回実行される案内経路探索処理それぞれにおいて、経路の探索条件を変化させるようにしてもよい。
【0265】
すなわち、この情報記憶部37の道路データを用いた案内経路探索において、各道路の距離、道幅、右左折頻度等によって、値が上下される探索コストが定義される。つまり、この探索コストの値を決定するのに、各情報に付加する重みづけを大きく変える。例えば、第1番目の案内経路探索では、道路の長短によって探索コストを大きく上下動させる。これにより、探索された案内経路は、出発地から目的地までの全体距離が、より短くなる経路が探索される。第2番目の案内経路探索では、交差点において右左折進行する場合に、探索コストが高くなるようにする。この結果、案内経路には、自ずと右左折がより少ない道路が優先的に選択されることになる。つまり、直進路が案内経路に優先的に選択される。
【0266】
このように、情報記憶部37の道路データを用いた案内経路が複数回探索されたのち、上記図18〜図21によって、軌跡データ記憶装置40の軌跡データで構成される軌跡ルートが、それぞれ探索される。そして、各軌跡ルートが、先に探索された複数の案内経路と共に、ディスプレイ33に表示される。この軌跡ルートの表示の際に、各軌跡ルート及び案内経路同士が交わる点を分岐点とし、任意の分岐点から他の分岐点までを一つの順路として表示させる。しかも、このように分割された各順路を他の順路と識別するため、各々を異なる色彩で表示させる。
【0267】
例えば、図35において、ノードNOD27からノードNOD26を一つの順路とし、ノードNOD24からノードNOD22を別の順路とする。そして、1本の道として表現される各順路を、色彩を違えて表示させる。または、点線、1点鎖線、2点鎖線等というように、各順路の表示形態を変えても良い。そして、案内経路に、各順路を自由に選択できるようにする。つまり、さまざまな順路を経た案内経路が、使用者によって選択指定されるようにする。
【0268】
例えば、図35において、出発地ノード82からノードNOD27までは、案内経路88部分が使用され、ノードNOD27からノードNOD22までは、軌跡ルートKR3が用いられる。そして、ノードNOD22からは、一度ノードNOD24に戻る順路が選択され、ノードNOD24から目的地ノード80までは、軌跡ルートKR1が選択され、これらの順路で構成される経路がナビゲーション時に用いる案内経路とされる。上記走行コストの算出において、リンクの通過所用時間を算出し、その所用時間によって定めてもよい。そして、各リンクの走行所要時間と、各交差点の通過所用時間TSUとを累算することで、探索された軌跡ルート全体の走行所用時間を求める。そして、この走行所用時間を経路表示の際に画面に表示させてもよい。
【0269】
このように、情報記憶部37の道路データを用いて探索された複数の案内経路と、軌跡データ記憶装置40の軌跡データを用いたルート探索による複数の軌跡ルートとにおいて、自由な経路が使用者によって選択される。これにより、案内経路に様々順路が選択可能になり、より使用者の嗜好に合致した案内経路が形成可能になる。
【0270】
20.軌跡データ削除処理の第1実施例
図26は、図9における軌跡データ削除処理(ステップSA19)のフローチャートを示す図である。初めに、軌跡データ記憶装置40に記憶すべき新たな軌跡データの情報量が、計算される。この場合、第2RAM6に、新たに記憶すべき軌跡データが一時的に蓄えられている。そこで、この第2RAM6にストックされている情報量が測定されることで、新規データの量が計られる。
【0271】
次に、この計算結果に基づき、新規軌跡データが、軌跡データ記憶装置40の空きメモリ領域に格納可能か否かが判断される(ステップSK3)。つまり、新規に作成された軌跡データ、または軌跡データの更新に伴って増加する軌跡データが、軌跡データ記憶装置40に全て記憶できるか否かが判断される。新規データの軌跡データ記憶装置40への追加記憶が可能な場合、図26の軌跡データ削除処理は終了され、図9の処理に回帰される。
【0272】
しかし、軌跡データ記憶装置40に新規軌跡データを記憶するのに必要なメモリ空き領域が無い場合、ステップSK7の処理が実行される。ステップSK7では、閾値ZZに予め定められた値が、無条件に代入される。この閾値ZZは、軌跡データ記憶装置40に、既に記憶されている軌跡データの、自動的な選択削除処理における条件値として用いられる。
【0273】
ステップSK7の処理が行われると、次のステップSK11が実行される。軌跡データ記憶装置40に記憶されているリンクデータ60各々が、走行日時データSNDの古い順に並び換えられる。そして、日時データSNDの日付に応じた、重みづけ関数値CDが以下のようにして求められる。
【0274】
この関数値CDの、日時データSNDに対する変化の様子を図36に示す。この図36において、X軸の原点側は、日時データSNDの日付がより新しい場合を示す。関数値CDは、例えば、CD=定数PD÷日時データSNDで求められるものとする。なお、定数PDは、“0”以上の数値とする。また別の関数としては、CD=定数PEの(SND)乗といった指数関数などでも良い。なお、定数PEは、0<α<1を満足する数値とする。
【0275】
したがって、日時データSNDが新しいほど、関数値CDは大きくなる。この関数値CDを、その日時データSNDに対応するリンクの走行回数に乗じて、評価値KCS(SND)が求められる(ステップSK13)。この評価値KCSを求める際に使用される走行回数は、走行回数SEKと走行回数ESKとをプラスした値とする。
【0276】
関数値CDは、日時データSNDが新しい程、その値が大きい。ゆえに、走行回数の値が小さくても、走行日時データSNDが新しければ、評価値KCS(SND)は、相対的に大きな値となる。逆に、走行回数が多くても、走行日時データSNDが古ければ、評価値KCS(SND)は、相対的に小さくなる。各リンクデータ60について、評価値KCSが求められると、各評価値KCSと上記閾値ZZとの大小比較が行われる。
【0277】
そして、評価値KCSが閾値ZZより小さいリンクデータ60が、軌跡データ記憶装置40から削除される(ステップSK15)。ステップSK15により、リンクデータが削除されると、その削除されたリンクデータ60にのみ接続するノードデータ55が削除される(ステップSK17)。
【0278】
リンクは、図34に示されるように、二つのノードを結ぶ直線路である。したがって、任意のリンクが削除されれば、そのリンクの両端に繋がるノードは、不要なデータとなる。よって、不要なデータとなったノードデータが削除される。なお、リンクに繋がるノードは、リンクデータ60の構成データである始点ノード番号SNB、終点ノード番号ENBによって判別される。
【0279】
そして、始点ノード番号SNB及び終点ノード番号ENBで指定されたノードが、交差点ノードであるか否かが判断される。交差点ノードである場合、必要に応じて、一般のノードデータに変更される(ステップSK19)。なお、リンク両端のノードが、交差点ノードか否かは、ノードデータ55に含まれる交差点番号NPBによって判断される。つまり、ノードデータの交差点番号NPBには、当該ノードが交差点でなければ、“0”が記憶されている。
【0280】
逆に、当該ノードが交差点ならば、ノードデータ55の交差点番号NPBには、交差点データ65の番号が記憶されている。よって、交差点番号NPBの値により、当該ノードが交差点か否かが判断される。交差点ノードであるなら、交差点データ65の、進入リンク数(NIM)及び進出リンク数(NOUT)を基に、当該交差点ノードに接続される残存リンク数が計数される。ここで、残存リンク数とは、削除対象とされているリンク以外の、この交差点ノードに繋がれるリンクのことである。この残存リンク数が、“3”以上なら、このノードは、引き続き、交差点ノードとして、軌跡データ記憶装置40に保存される。
【0281】
しかし、残存リンクが“2”以下ならば、この交差点ノードは、一般ノードにデータ修正される。なお、交差点ノードが一般のノードへ変更されると、当該ノードに関する交差点データ65が、削除される。さらに、ノードデータ55の交差点番号NPBの値が“0”にされる。
【0282】
ステップSK19により、交差点ノードのデータ修正が完了されると、再び、軌跡データ記憶装置40の空きメモリ容量と、新規に追加される情報量との大小比較が行われる(ステップSK21)。このステップSK21の判断において、いまだ、軌跡データ記憶装置40の空きメモリ容量が十分確保されていないと判断されると、閾値ZZの値が変更される(ステップSK23)。
【0283】
つまり、上記ステップSK7において設定された、閾値ZZの値が増加される。そして、この新たな閾値ZZ以下の評価値KCSを持つリンクが、新たな削除対象とされる(ステップSK27)。このステップSK27によって、新たな削除対象リンクが選択されると、ステップSK17の処理が再び実行される。すなわち、当該削除対象リンク両端にあるノードについて、削除の適否が、ノードデータ55のデータ内容を基に判断される(ステップSK17)。そして、不要交差点データ65が削除される(ステップSK19)。
【0284】
この様に、第2RAM6に一時的に蓄えられた新規軌跡データが、軌跡データ記憶装置40に格納される度に、軌跡データ記憶装置40に十分な空きメモリ領域があるか否かが判断される。しかも、軌跡データ記憶装置40に十分な空きメモリ領域が無いと判断されると、走行日時の日付がより古く、しかも走行回数のより少ないリンクに関するデータが優先的に、軌跡データ記憶装置40から削除される。つまり、使用頻度が相対的に低い軌跡データが、軌跡データ記憶装置40から優先的に削除される。
【0285】
しかも、1度の軌跡データの削除による、軌跡データ記憶装置40の増加空きメモリ領域が十分でない場合、削除対象リンクの選択条件がより厳しくされて、更なる軌跡データの削除が行われる。
【0286】
このように、軌跡データ記憶装置40へ新規軌跡データの追加記憶処理が実行されるとき、軌跡データ記憶装置40の空きメモリ領域の大きさが、常にチェックされる。この結果、追加軌跡データの軌跡データ記憶装置40への記録漏れを容易に防止できる。
【0287】
21.軌跡データ削除処理の第2実施例
図27は、図9における軌跡データ削除処理(ステップSA19)の第2実施例のフローチャートを示す図である。この第2実施例の軌跡データ削除処理では、使用者による強制的な軌跡データ削除が要求される。つまり、タッチスイッチ34を介して、当該ナビゲーション装置に、軌跡データ記憶装置40の軌跡データ削除命令が入力されたか否かが判断される(ステップSK31)。
【0288】
軌跡データ削除命令が入力された場合、閾値ZZに、強制的削除処理に適合する値が代入される。ここで用いられる閾値ZZは、第1実施例において用いられた閾値ZZの値とは相違する。そして、軌跡データ記憶装置40に記憶されているリンクデータ60各々が、走行日時データSNDの古い順に並び換えられる(ステップSK35)。
【0289】
さらに、各リンクの走行日時データSND及び走行回数ESK、走行回数SEKに基づいて評価値KCS(SND)が求められる(ステップSK37)。この評価値KCSの算出では、初めに、日時データSNDの日付に応じた、重みづけ関数値CDが求められる。
【0290】
この関数値CDの、日時データSNDに対する変化の様子を図36に示す。この図36において、X軸の原点側は、日時データSNDの日付がより新しい場合を示す。関数値CDは、例えば、CD=定数PD÷日時データSNDで求められるものとする。なお、定数PDは、“0”以上の数値とする。また別の関数としては、CD=定数PEの(SND)乗といった指数関数などでも良い。なお、定数PEは、0<α<1を満足する数値とする。
【0291】
したがって、日時データSNDが新しいほど、関数値CDは大きくなる。この関数値CDを、その日時データSNDに対応するリンクの走行回数に乗じて、評価値KCS(SND)が求められる(ステップSK37)。なお、この評価値KCSを求める際に使用される走行回数は、走行回数SEKと走行回数ESKとをプラスした値とする。
【0292】
関数値CDは、日時データSNDが新しい程、その値が大きい。ゆえに、走行回数の値が小さくても、走行日時データSNDが新しければ、評価値KCS(SND)は大きな値となる。逆に、走行回数が大きくても、走行日時データSNDが古ければ、評価値KCS(SND)は、小さくなる。各リンクデータ60について評価値KCSが求められると、各評価値KCSと上記閾値ZZとの大小比較が行われる。
【0293】
そして、評価値KCSが、閾値ZZより小さい評価値KCSとなるリンク数が、ディスプレイ33に表示される(ステップSK39)。すなわち、強制的に削除されるリンクの数量が、ディスプレイ33上に表示される。この表示された削除予定のリンク数量に応じて、使用者がさらなる数のリンク削除を求めたか否かが判断される(ステップSK41)。つまり、削除されるリンク数量の増加が求められたか否かが判断される。なお、この数量の増減指令は、タッチスイッチ34のカーソル鍵等によって入力される。
【0294】
ステップSK41の判断により、削除予定のリンク数量の増加が選択されたと判断されると、ステップSK43の処理が実行される。しかし、ステップSK41の判断結果がNOの場合は、削除予定のリンク数量の減少が選択されたか否かが判断される(ステップSK45)。このステップSK45の判断結果により、削除予定リンクの数量減少が選択された場合、ステップSK47の処理が実行される。
【0295】
上記ステップSK43では、閾値ZZの値が増加される。これにより、閾値ZZ以下の評価値KCSを持つリンク数が増加することになる。よって、閾値ZZ以下の評価値KCSを持つリンクの数がディスプレイ33上に表示される(ステップSK39)。そして、再びステップSK41の処理が実行される。
【0296】
また、上記ステップSK47では、閾値ZZの値が減少される。これにより、閾値ZZ以下の評価値KCSを持つリンク数が減少することになる。そして、閾値ZZ以下の評価値KCSを持つ、リンクの数がディスプレイ33上に、再度表示される(ステップSK39)。その後、再びステップSK41の処理が実行される。
【0297】
さらにまた、ステップSK45の判断結果により、使用者による削除予定リンク数量の増減が指定されなかった場合、ステップSK49の処理が実行される。つまり、現在設定されている閾値ZZ以下の評価値KCSを持つリンクが削除される(ステップSK49)。閾値ZZ以下の評価値KCSを持つリンクデータが削除されると、その削除されたリンクにのみ接続するノードのデータ55が削除される(ステップSK51)。なお、リンクに繋がるノードは、リンクデータ60に含まれる始点ノード番号SNB、終点ノード番号ENBによって識別される。
【0298】
そして、始点ノード番号SNB及び終点ノード番号ENBで指定されたノードが、交差点ノードであるか否かが判断される。交差点ノードである場合、必要に応じて、一般のノードデータに変更される(ステップSK53)。なお、リンク両端のノードが、交差点ノードか否かは、ノードデータ55に含まれる交差点番号NPBによって判断される。つまり、ノードデータの交差点番号NPBには、当該ノードが交差点でなければ、“0”が記憶されている。
【0299】
逆に、当該ノードが交差点ならば、ノードデータ55の交差点番号NPBには、交差点データ65の番号が記憶されている。よって、交差点番号NPBの値により、当該ノードが交差点か否かが判断される。交差点ノードであるなら、交差点データ65の、進入リンク数(NIM)及び進出リンク数(NOUT)を基に、当該交差点ノードに接続される残存リンク数が計数される。ここで、残存リンクとは、削除対象とされているリンク以外の、この交差点ノードに繋がれるリンクのことである。この残存リンク数が、“3”以上なら、このノードは、引き続き、交差点ノードとして軌跡データ記憶装置40に記憶される。
【0300】
しかし、残存リンクが“2”以下ならば、この交差点ノードは、一般ノードにデータ修正される。一般ノードへのデータ修正は、着目されているノードに関する交差点データ65が、削除される。さらに、ノードデータ55の交差点番号NPBの値が“0”にされる。ステップSK53により、交差点ノードのデータ修正が完了されると、図27の軌跡データ削除処が終了される(ステップSK55)。
【0301】
このように、図27の軌跡データ削除処理の第2実施例では、軌跡データ記憶装置40のメモリ空き容量の多少に関わらず、使用者によるリンク削除命令の入力有無によって、リンク削除処理が開始される。なお、ステップSK39の削除予定となるリンク数のディスプレイ33表示に際し、軌跡データ記憶装置40に記憶されているリンクの総数をも同時に表示させるようにしてもよい。
【0302】
22.軌跡データ削除処理の第3実施例
図28は、図9における軌跡データ削除処理(ステップSA19)の第3実施例のフローチャートを示す図である。この第3実施例の軌跡データ削除処理では、軌跡データ記憶装置40に記憶される軌跡データの可否をその軌跡データの地理的な位置によって行うようにした。すなわち、各軌跡データであるリンクの一方のノードが、地点PT(Pn)を中心とした半径の記憶範囲RP(Pn)内にあるか否かで、軌跡データ記憶装置40への登録の許可を判断する。
【0303】
初めに、第2RAM6に一時的にストックされた軌跡データの情報量が計測される(ステップSR1)。そして、この情報量と、軌跡データ記憶装置40の空きメモリ容量とが比較される(ステップSR3)。軌跡データ記憶装置40の空きメモリ容量が、第2RAM6の情報量以上ならば、ステップSR5の処理が実行される。しかし、軌跡データ記憶装置40の空きメモリ容量が、第2RAM6のデータを記憶するのに十分でないと、ステップSR7の処理が実行される。
【0304】
ステップSR5では、軌跡データの削除処理の開始が、使用者によって入力されたか否かが判断される(ステップSR5)。このステップSR5の判断において、強制削除処理命令の入力がないと判断されると、図28の処理は、終了される。(ステップSR17)。
【0305】
しかし、強制削除処理命令が入力されるか、軌跡データ記憶装置40のメモリ空き容量が十分でないと、軌跡データ記憶装置40に記憶された各リンクの一方のノードが、地点リスト66の各地点PTから記憶範囲RPの半径以内にあるか否かが判断される(ステップSR7)。そして、各地点PT(Pn)から記憶範囲RP(Pn)の半径外の領域に存在するリンクが削除される(ステップSR9)。
【0306】
そして、削除されたリンクにのみ接続するノードのデータ55が削除される(ステップSR11)。なお、リンクに繋がるノードは、リンクデータ60に含まれる始点ノード番号SNB、終点ノード番号ENBによって識別される。
【0307】
そして、始点ノード番号SNB及び終点ノード番号ENBで指定されたノードが、交差点ノードであるか否かが判断される。交差点ノードである場合、必要に応じて、一般のノードデータに変更される(ステップSR13)。なお、リンク両端のノードが、交差点ノードか否かは、ノードデータ55に含まれる交差点番号NPBによって判断される。つまり、ノードデータの交差点番号NPBには、当該ノードが交差点でなければ、“0”が記憶されている。
【0308】
逆に、当該ノードが交差点ならば、ノードデータ55の交差点番号NPBには、交差点データ65の番号が記憶されている。よって、交差点番号NPBの値により、当該ノードが交差点か否かが判断される。交差点ノードであるなら、交差点データ65の、進入リンク数(NIM)及び進出リンク数(NOUT)を基に、当該交差点ノードに接続される残存リンク数が計数される。ここで、残存リンクとは、削除対象とされているリンク以外の、この交差点ノードに繋がれるリンクのことである。この残存リンク数が、“3”以上なら、このノードは、引き続き、交差点ノードとして軌跡データ記憶装置40に記憶される。
【0309】
しかし、残存リンクが“2”以下ならば、この交差点ノードは、一般ノードにデータ修正される。一般ノードへのデータ修正は、着目されているノードに関する交差点データ65が、削除される。さらに、ノードデータ55の交差点番号NPBの値が“0”にされる。ステップSR13により、交差点ノードのデータ修正が完了されると、軌跡データ記憶装置40に記憶されている全てのリンクについて処理が実施されたか否かが判断される(ステップSR15)。全てのリンクについて処理がされていなければ、ステップSR7の判断から再び実行される。
【0310】
なお、ステップSR7の判断で、着目リンクの一方のノードが、地点PTの記憶範囲RP半径以内にあると判断されると、そのリンクはそのまま、軌跡データ記憶装置40に保存される。そして、ステップSR15の判断が実行される。
【0311】
ステップSR15の判断により、軌跡データ記憶装置40に記憶された全てリンクについて図28の処理が実行されると、図9の処理にフローが戻される。このように、図28の処理においては、特定地点周辺のみの軌跡データが記憶されるが、その特定地点とは、イグニッションキーがオンまたはオフされた地点等がある。よって、イグニッションキーがオフされた地点周辺のみの走行軌跡データが記憶されるようにしてもよい。このイグニッションキーがオフされた地点とは、実質的にイグニッションキーがオンされる地点でもある。
23.軌跡データ削除処理の第4実施例
図30に、軌跡データ削除処理の第4実施例のフローチャートを示す。なお、この第4実施例の軌跡データ削除処理を含む全体処理は、上記実施例の場合と、若干相違する。図29に、当該第4実施例の軌跡データ削除処理を含む全体処理のフローチャートを示す。
【0312】
この図29の全体処理は、上記各実施例と同じように、電源投入によってスタートし、電源オフによって終了される。この電源投入及びオフは、ナビゲーション装置の電源自体がオン・オフされるか、または車両のエンジンスタートキー(イグニッションスイッチ)のオン・オフで実行される。なお、イグニッションスイッチのオフされた地点は、イグニッションスイッチがオンされる地点と、実質的に同じである。
【0313】
図29において、初めにイニシャライズ処理が実行される(ステップSA1)。このイニシャライズ処理では、情報記憶部37のデータ38cからナビゲーション用プログラムが読み出され、フラッシュメモリ3に複写される。この後、フラッシュメモリ3のプログラムが実行される。さらに、CPU2によって、第1RAM5のワークメモリ、画像メモリ10等の各RAM内の汎用データ記憶エリアがクリアされる。
【0314】
そして、自車両の現在位置が検出される現在位置処理が実行される(ステップSA3)。すなわち、GPS受信装置25等を用いて、自車両の地理的な現在位置が検出される。この自車両の地理座標データは、現在位置データMPとして第1RAM5に記憶される。なお、この現在位置データMPは、ビーコン受信装置26またはデータ受信装置27から入力される情報によって修正される場合もある。
【0315】
また、現在位置処理(ステップSA3)に於いて、絶対方位データZDと、相対方位角データDθと、走行距離データMLとが、絶対方位センサ21、相対方位センサ22及び距離センサ23を利用して同時に求められる。これらの絶対方位データZD、相対方位角データDθ及び走行距離データMLから、自車両位置を特定する演算処理が行われる。この演算処理によって求められた自車両位置は、情報記憶部37のデータ38cに記憶される地図データと照合され、地図画面上の現在位置が正確に表示されるように補正が行われる。この補正処理によって、トンネル内等のGPS信号が受信できないときでも自車両の現在位置が正確に求められる。
【0316】
ステップSA3の現在位置処理によって求められた現在位置を示すデータは、第1RAM5の位置データPQ1にも記憶される(ステップSA5)。なお、この位置データPQ1には、時間情報も共に記憶される。つまり、位置データPQ1には、自車両の位置情報と、時間情報とが関連づけて記憶される。次に、ルート探索処理が実行される(ステップSA7)。このルート探索処理では、目的地の設定(図15のステップSF1)、ルートを構成するためのリンク探索処理(ステップSF9)等が実行される。
【0317】
目的地の設定では、使用者の希望する目的地の地理座標が登録目的地データTPとしてセットされる。例えば、ディスプレイ33上に表示される道路地図若しくは住宅地図において、使用者によって座標位置が指定される。または、ディスプレイ33上に表示される目的地の項目別リストから、使用者によって目的地が特定される。この使用者による目的地指定操作が行われると、中央処理装置1において、目的地の地理座標等の情報データが登録目的地データTPとして第1RAM5に記憶される。
【0318】
上記ルート探索処理では、案内開始地点データSPから、最終案内地点データEDまでの最適な経路が探索される。なお、ここでいう最適な経路とは、例えば、最短時間または最短距離で、目的地に到達できる経路、または、使用者が過去によく利用してきた道路を優先的に使用した経路等である。また、高速道路を使用する場合、その高速道路を使用して、最短時間または最短距離で目的地に到達できる経路等もある。
【0319】
このステップSA7のルート探索処理が終了されると、再度、自車両の現在位置が現在位置検出装置20を利用して検出される(ステップSA9)。そして、自車両の現在位置から、ステップSA7によって探索されたルートの目的地に自車両が到着したかが判断される(ステップSA12)。
【0320】
このステップSA12の判断により、自車両が目的地に到着したと判断された場合、軌跡データ削除処理が実行される(ステップSA20)。しかし、ステップSA12の判断結果により、自車両が目的地に到着していないと判断されると、次のルート案内・表示処理(ステップSA13)が実行される。
【0321】
このルート案内・表示処理では、上記ルート探索処理で検索された案内経路が、自車両の現在位置を中心としてディスプレイ33に表示される。なお、このディスプレイ33に表示される案内経路は、表示地図上において他の道路から簡便に識別可能なように表示される。例えば、異なる色彩で道路が表示される。さらに、この案内経路にしたがって、自車両が良好に走行できるよう、案内情報がスピーカ13から音声によって発音されたり、案内情報がディスプレイ33に随時表示される。なお、案内経路を表示するための画像データは、情報記憶部37にあるデータ38cの現在位置周辺の道路地図データか、または現在位置周辺の住宅地図データが用いられる。
【0322】
この道路地図データと住宅地図データとの切り換えは次の条件によって行われる。例えば、現在位置から案内地点(目的地、立ち寄り地または交差点等)までの距離、自車両の速度、表示可能エリアの大小、または操作者のスイッチ操作等により切り換えられる。さらに、案内地点(目的地、立ち寄り地または交差点等)付近では案内地点付近の拡大地図がディスプレイ33上に表示される。なお、道路地図の代わりに、地理的情報の表示を省略して、案内経路と目的地または立ち寄り地の方向と現在位置等の、必要最小限の情報のみを表示する、簡略案内経路画像がディスプレイ33に表示されてもよい。
【0323】
ステップSA13のルート案内・表示処理の後、走行位置処理(ステップSA15)、その他の処理(ステップSA17)が実行される。走行位置処理(ステップSA15)とは、自車両が走行してきた軌跡を示すデータの第2RAM6への一時的な記憶処理である。つまり、自車両の走行軌跡が、軌跡データ記憶装置40に記憶されている軌跡データと比較される。そして、新たな軌跡データの追加、若しくは軌跡データの更新が必要と判断されると、それら新規軌跡データが、第2RAM6に蓄えられる。
【0324】
この第2RAM6に蓄えられた軌跡データは、ステップSA20、SA21の処理を経て、軌跡データ記憶装置40に記憶される。なお、ステップSA20では、第2RAM6に蓄えられた新規軌跡データが、取捨選択される。つまり、新規に作成されたか、または修正するために作成され、第2RAM6に蓄えられた軌跡データの削除が選択される。よって、新規に作成された軌跡データでも、軌跡データ記憶装置40に記憶されない場合がある。このステップSA20が、軌跡データ削除処理の第4実施例である。
【0325】
上記ステップSA15の走行位置処理が実行されると、その他の処理(ステップSA17)が次に実行される。このステップSA17では、例えば、操作者のスイッチ操作による目的地の変更命令が入力されたか否かの判断等も行われる。
【0326】
また、ステップSA21の処理により、第2RAM6に残存する、新規軌跡データの軌跡データ記憶装置40への記憶処理が行われると、ステップSA1からの処理が再び開始される。
【0327】
次に、第4実施例の軌跡データ削除処理を図30を用いて説明する。初めに、軌跡データ削除処理の開始命令が、使用者によって入力されたか否かが判断される(ステップSL1)。処理開始命令が入力された場合は、次のステップSL3の判断が実行される。しかし、使用者による処理開始命令が入力されなかった場合は、図30の処理は行われず、図29の全体処理にフローが戻される。
【0328】
ステップSL1の判断において、処理開始命令の入力があったと判断されると、自車両の走行軌跡と、案内経路とが一致するか否かが判断される(ステップSL3)。つまり、自車両が走行してきた軌跡を示す軌跡データが第2RAM6に蓄えられている。他方、図29のルート探索処理(ステップSA7)によって案内経路が探索されている。この案内経路は、情報記憶部37の道路及び軌跡データ記憶装置40に蓄えられた軌跡データの各リンクで構成されている。
【0329】
そこで、案内経路を構成する道路番号、またはリンク番号と、第2RAM6に記憶されている今回の走行軌跡データのリンク番号とが一致するか否かが判断される。一致していれば、今回の走行軌跡は、案内経路と一致していたことになる。しかし、案内経路を構成する道路及びリンク番号と、第2RAM6に記憶されたリンク番号とが一致しなければ、今回の走行軌跡は、案内経路と異なることになる。
【0330】
この様に、ステップSL3の判断により、自車両が走行してきた軌跡と、案内経路とが一致しないと判断されると、その不一致部分のリンクが調査される(ステップSL5)。この不一致部分のリンク調査とは、探索された案内経路を構成するリンク番号に一致しない、第2RAM6に記憶されたリンクを抽出することである。そして、この不一致部分のリンクと、案内経路とが、ディスプレイ33上に区別されて同時表示される(ステップSL7)。この区別表示は、例えば、異なる色彩で、案内経路と、不一致リンクとが表示される。
【0331】
ステップSL7によるリンク表示が行われるとき、その表示される各リンクの過去における累算走行数が、同時に表示される(ステップSL9)。そして、表示されている各リンクのデータを削除するか否かが指定される(ステップSL11)。この削除リンクの指定は、次のようにして行われる。例えば、出発地点から目的地までの走行軌跡中の各リンクが、一つずつ点滅表示される。
【0332】
そして、点滅中のリンクに対して、削除するか否かのコマンド入力を、促す表示がディスプレイ33上になされる。削除を許可するコマンド入力とは、例えば「削除OK=Y、N」といった表示である。削除を許可するコマンドが入力されると、その点滅されているリンクに関するデータが、第2RAM6から消去される。なお、使用者は、ディスプレイ33に表示される各リンクの走行回数によって、そのリンクに関する軌跡データを削除するか否かを判断できる。
【0333】
なお、案内経路と、今回の走行軌跡が一致しなかった場合で、しかもリンクの走行回数が、今回の走行1回のみと表示された場合、次のような処理が可能である。すなわち、この新たな軌跡データを、軌跡データ記憶装置40に登録するか否かの許諾として処理することができる。
【0334】
また、案内経路と異なる走行軌跡が第2RAM6に一時記憶されていた場合、その第2RAM6に記憶された走行軌跡に該当する軌跡データが軌跡データ記憶装置40から検索される。そして、該当する軌跡データが軌跡データ記憶装置40に記憶されていた場合、ステップSL9によるリンク表示の際に、その軌跡データ記憶装置40に記憶されている軌跡データに関する情報も表示されるようにしてもよい。しかも、ステップSL11によって、削除が選択されたリンクに関する軌跡データ記憶装置40の軌跡データも削除するようにしても良い。
【0335】
ステップSL3の判断結果により、案内経路と、今回走行してきた経路とが一致していると判断された場合、次のような処理が行われる。なお、この場合、案内経路が、全て走行軌跡データとして、一度、第2RAM6に蓄えられている。この第2RAM6に記憶されている軌跡データの各リンクが全て、ディスプレイ33上に表示される(ステップSL9)。すなわち、案内経路を構成することとなった各リンクが、ディスプレイ33上に表示されることになる。なお、この各リンクの表示の際、それぞれのリンク走行回数が、ディスプレイ33に同時に表示される。
【0336】
そして、表示されている各リンクのデータを削除するか否かが指定される(ステップSL11)。この削除リンクの指定は、例えば、出発地点から目的地までの走行軌跡中の各リンクが、一つずつ点滅表示される。そして、点滅中のリンクに対して、削除するか否かのコマンド入力を促す表示が、ディスプレイ33上になされる。これに応じて、削除を許可するコマンドが入力されると、その点滅されているリンクに関するデータが、第2RAM6から消去される。しかも、走行回数が2回以上の場合には、軌跡データ記憶装置40に記憶されている、そのリンクに関するリンクデータ60も消去される。
【0337】
こうして、第2RAM6に一時記憶されたリンクデータの消去が選択されると、その削除されるリンクにのみ繋がるノードに関するデータが第2RAM6から消去される。なお、このノードデータの消去においても、新規に通行されて形成されたノードデータならば、第2RAM6内のノードデータのみが消去される。しかし、軌跡データ記憶装置40にも、既に当該ノードに関するデータが記憶されている場合は、この軌跡データ記憶装置40のノードデータも消去される。
【0338】
なお、リンクに繋がるノードは、リンクデータ60に含まれる始点ノード番号SNB、終点ノード番号ENBによって識別される。
【0339】
そして、始点ノード番号SNB及び終点ノード番号ENBで指定されたノードが、交差点ノードであるか否かが判断される。交差点ノードである場合、必要に応じて、一般のノードデータに変更される(ステップSL15)。なお、リンク両端のノードが、交差点ノードか否かは、ノードデータ55に含まれる交差点番号NPBによって判断される。つまり、ノードデータの交差点番号NPBには、当該ノードが交差点でなければ、“0”が記憶されている。
【0340】
逆に、当該ノードが交差点ならば、ノードデータ55の交差点番号NPBには、交差点データ65の番号が記憶されている。よって、交差点番号NPBの値により、当該ノードが交差点か否かが判断される。交差点ノードであるなら、交差点データ65の、進入リンク数(NIM)及び進出リンク数(NOUT)を基に、当該交差点ノードに接続される残存リンク数が計数される。ここで、残存リンクとは、削除対象とされているリンク以外の、この交差点ノードに繋がれるリンクのことである。この残存リンク数が、“3”以上なら、このノードは、引き続き、交差点ノードとして第2RAM6に蓄えられる。
【0341】
しかし、残存リンクが“2”以下ならば、この交差点ノードは、一般ノードにデータ修正される。一般ノードへのデータ修正は、着目されているノードに関する交差点データ65が、削除される。さらに、ノードデータ55の交差点番号NPBの値が“0”にされる。ステップSL15により、交差点ノードのデータ修正が完了されると、図30の軌跡データ削除処が終了される(ステップSL19)。
【0342】
このように、図30の軌跡データ削除処理の第4実施例では、ナビゲーション動作終了点(目的地近傍)において、今回走行してきて形成された走行軌跡に関する軌跡データを、軌跡データ記憶装置40に登録するか否かの許諾が可能である。しかも、今回の走行軌跡に関する各リンクが、過去に走行したことがあるリンクであるならば、その従前までの累算走行回数が併記表示される。
【0343】
よって、軌跡データ記憶装置40から当該リンクに関するデータを消去させるか否かの判断を、その走行回数の数値をもとに、使用者が自由に行える。この結果、走行回数の少ない記憶する必要性の少ないリンクを積極的に消去させることができる。このため、軌跡データ記憶装置40には、使用者が希望するリンク(道路)のみを優先的に記憶させることができる。
【0344】
上記各軌跡データ削除処理におけるリンクの削除条件として、次のようなものもある。例えば、通行に時間制限のある道路が一般にあるが、このような通行時間制限のある道路を優先して削除するようにしても良い。つまり、走行日時データが特定時間のみか、または特定時間以外に集中しているリンクを優先的に削除するようにしてもよい。これにより、自車両の走行時間帯によって、この様な通行時間制限のある経路が、誤って探索されることを防止できる。さらに、平均車速ASが所定値以下か、または所定値以上であるリンクを優先的に削除してもよい。
【0345】
上述した記載データ削除処理によって、削除されたリンク及び交差点は経路探索の案内対象道路から除外される。しかし、この削除されたリンク及び交差点または通っていないリンク及び交差点は経路探索の案内対象道路に含められてもよい。この場合、上述の経路探索の走行コスト、走行距離または走行時間の計算で、「0」の走行回数は「0.5」「0.1」等「0」以外の値に変更される。
【0346】
24.軌跡データの記憶確定処理
図31は、図9における軌跡データの記憶確定処理(ステップSA21)のフローチャートを示す。この図31において、初めに、軌跡データ記憶装置40に記憶される軌跡データに制限を加える記憶地理範囲限定要求が、使用者によって設定されたか否かが判断される(ステップSQ1)。記憶地理範囲限定要求がない場合は、ステップSQ11の処理が実行される。
【0347】
しかし、記憶地理範囲の限定要求の設定がなされると、次のステップSQ3の判断処理が実行される。このステップSQ3では、第2RAM6に蓄えられている軌跡データである各リンクの始点ノードが、地点リスト66の各地点PTを中心とし、半径が記憶範囲RPで囲まれる園内にあるか否かが判断される。なお、ここでの始点ノードとは、各地点PTにより近い側のノードとする。
【0348】
そして、第2RAM6に蓄えられた各リンクの始点ノードが、各地点PTの半径(記憶範囲RP)以内にない場合、当該ノードが第2RAM6から削除される。したがって、図12の軌跡記憶処理によって検出された各軌跡データでも、各登録地点PTから半径RP(=記憶範囲RP)以内に存在しないと軌跡データ記憶装置40に記録されない場合がある。
【0349】
そして、ステップSQ5によって、第2RAM6から削除されたリンクにのみ関係するノードが、同じように第2RAM6から削除される(ステップSQ7)。削除リンクにのみ、関連するノードか否かの判断は、リンクデータの始点ノード番号SNB、終点ノード番号ENBによって行われる。
【0350】
そして、削除対象リンクの始点ノード番号SNB及び終点ノード番号ENBで指定されたノードが、交差点ノードであるか否かが判断される。交差点ノードである場合、必要に応じて、一般のノードデータに変更される(ステップSQ9)。なお、リンク両端のノードが、交差点ノードか否かは、ノードデータ55に含まれる交差点番号NPBによって判断される。
【0351】
当該ノードが、交差点ノードであるなら、交差点データ65の、進入リンク数(NIM)及び進出リンク数(NOUT)を基に、当該交差点ノードに接続される残存リンク数が計数される。ここで、残存リンクとは、削除対象とされているリンク以外の、この交差点ノードに繋がれるリンクのことである。この残存リンク数が、“3”以上なら、このノードは、引き続き、交差点ノードとして第2RAM6に蓄えられる。
【0352】
しかし、残存リンクが“2”以下ならば、この交差点ノードは、一般ノードにデータ修正される。一般ノードへのデータ修正は、着目されているノードに関する交差点データ65が、削除される。さらに、ノードデータ55の交差点番号NPBの値が“0”にされる。ステップSQ9により、交差点ノードのデータ修正が完了されると、ステップQ11の処理が実行される。
【0353】
ステップSQ11では、第2RAM6に蓄えられた各リンク両端のノード座標値が、第2RAM6から読み出される。そして、軌跡データ記憶装置40に記憶されている、該当ノードの座標値も、軌跡データ記憶装置40から読み出される。この、軌跡データ記憶装置40から読み出した座標値と、第2RAM6に蓄えられた座標値との地理的直線距離が計算される(ステップSQ11)。この二つの座標値間の地理的直線距離を、ずれΔLとする。また、ずれΔLの算出にともなって、当該ノードを始点、または終点ノードとするリンクの走行回数が、軌跡データ記憶装置40から読み出される(ステップSQ13)。
【0354】
そして、上記ずれΔLをこの(走行回数+1)で割った数値で、軌跡データ記憶装置40に記憶されているノードの地理的座標位置が補正される(ステップSQ15)。つまり、ノードの位置座標は、自車両の当該ノードの通過のたびに、現在位置検出装置20によって検出されるが、その検出される座標位置は、常に同じ値になるとは限らない。ノードの位置座標にばらつきがあると、ディスプレイ33にリンクが表示されるとき、常に最適な位置にリンク表示ができない場合がある。そこで、軌跡データ記憶装置40に記憶されている各ノードの座標位置が、自車両の当該ノードの通過のたびに、検出された座標値によって平均化される。また、その検出される座標位置は平均化される座標値とともに、全て記憶しても良い。すなわち、当該ノード通過の度に、検出される座標値が、このノードの座標値として、全て記憶される。ただし、座標値の平均値も共に記憶される。なお、検出された現在位置の座標値と、軌跡データ記憶装置40に記憶されている当該ノードの座標値とのずれΔLが所定値以上ならば、その現在位置を新たなノ−ドとして記憶すると共に、このノードに繋がる新たなリンクを形成させるようにしてもよい。
【0355】
ステップSQ15の処理が終了されると、第2RAM6に一時的に蓄えられた各リンク全てについての処理が行われたか否かが判断される(ステップSQ17)。未処理リンクが第2RAM6にある場合、そのリンクについての処理が、ステップSQ19を経て開始される。なお、ステップSQ17の判断結果により、第2RAM6の全てのリンクについて、処理が行われると、第2RAM6に一時保存された軌跡データが全て、軌跡データ記憶装置40に格納される(ステップSQ21)。そして、図29の全体処理にフローが戻される(ステップSQ23)。
【0356】
このように、図31の軌跡データの記憶確定処理では、第2RAM6に蓄えられた各リンクにおいて、各地点PTからの半径が記憶範囲RPの円内にあるリンクのみが、軌跡データ記憶装置40に記憶される。よって、軌跡データ記憶装置40に記憶される軌跡データが無制限に軌跡データ記憶装置40に記憶されることが防止できる。しかも、各地点PTと、記憶範囲RPは、図10の地点登録処理によって、自由に設定、登録可能である。これにより、ある特定地域、例えば、自宅周辺のみといった軌跡データの記憶範囲に地域限定を付与させることができる。
【0357】
このように、記憶される軌跡データに地域限定を付加すると、この軌跡データを用いたルート探索において、不要なリンクを含む経路が探索されることを防止できる。
【0358】
以上のように、本発明のナビゲーション装置は、自車両の走行経路が軌跡データとして軌跡データ記憶装置40に記憶されると共に、この軌跡データ記憶装置40に記憶された軌跡データを用いて案内経路が探索されるので、よりユーザの好む道路が優先的に、案内経路として探索される。また、情報記憶部37に記憶されていない道路が新規に建設されても、軌跡データ記憶装置40による経路記憶機能があるので、最新道路事情を考慮した案内経路探索が実現可能である。
【0359】
本発明は上記実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施例において、第1RAM5に記憶される各種データを記憶するための記録媒体は、フロッピーディスク等の書き込みが可能な記録媒体でも良い。さらに、上記ナビゲーション装置に、アナログ/デジタル変換器を備える音声入力装置を具備させるようにしても良い。そして、この音声入力装置によって入力された音声命令によって、ナビゲーション装置へのコマンド入力が実行されるようにしても良い。
【0360】
さらに、本発明に係るナビゲーション装置では、軌跡データ記憶装置40の機能を、データ送受信装置27によって通信されるVICS、ATIS等の情報管理センターに設けても良い。つまり、自車両が走行してきた経路に関する各軌跡データは、データ送受信装置27を介して情報管理センターのメイン記憶装置に送られ、順次記憶される。そして、上記ステップSA7のルート探索処理は、情報管理センターで、記憶保存された軌跡データを用いて行われるようにする。
【0361】
なお、最寄り施設等の目的地の検索条件、経路探索条件等の情報は、ナビゲーション装置から上記情報管理センターに送られる。情報管理センターでは、このナビゲーション装置から送られてきた検索条件または探索条件に基づき、所望の施設の検索または目的地までの経路の探索が実行される。そして、情報管理センターからナビゲーション装置へ検索・抽出・探索結果に関する情報が地図情報等と共に送信される。ナビゲーション装置では、この受信された検索・抽出・探索結果に基づき、検索施設がディスプレイ33上に表示される。このようにすれば、自車の現在位置周辺に関する各施設の詳細かつ最新情報に基づいて施設の検索、抽出、探索が行える。また、施設検索において、周辺道路の環境変化(一方通行道路の新設等)を考慮した検索が可能である。なお、この場合、情報管理センターに蓄積される各施設に関する情報は、常に更新される必要がある。
【0362】
また、図9のルート案内・表示処理(ステップSA13)を除く全ての処理が、情報記憶部37に記憶されたプログラム38bによって行われるのではなく、上記されたVICS等の情報管理センターに於いて実行されるようにしても良い。この場合、地図情報も、情報記憶部37のデータ38cではなく、情報管理センターに保存されている地図情報が用いられる。しかも、自車両の走行軌跡に関するデータも情報管理センターで記憶保存されるようにする。
【0363】
しかも、自車両の現在位置検出も、VICS等の情報管理センターとの間で送受信される情報信号によって、行われるようにする。従って、ナビゲーション装置では、情報管理センターから送られてくる地図情報等をもとにして、ルート案内・表示処理と、走行軌跡データの形成処理及び情報管理センターへの軌跡データ送信処理のみが実行される。このようにすれば、常に最新の道路情報、地図情報に基づいて経路探索等が実行可能であるとともに、より多くの軌跡データの蓄積が可能である。しかも、ナビゲーション装置全体の構成部材を削減することもできる。
【0364】
さらにまた、情報記憶部37と軌跡データ記憶装置40とが一つの情報書き換え可能な記憶媒体として使用されてもよい。例えば、PCカード、光磁気ディスク等の記憶媒体に予め、上記実施例の情報記憶部37に記憶されている道路データF4及びプログラムを記憶し、走行軌跡情報のうち予め書き換え可能な記憶媒体に記憶されているものは、データを更新し、書き換え可能な記憶媒体に記憶されていない軌跡データを作成する。
【0365】
さらに、本発明は、自動車以外の車両や、船舶、航空機、ヘリコプタ等のナビゲーション装置としても適用でき、ナビゲーションに用いられる地図は、道路地図の他に、海図や海底地図等でも良い。
【0366】
本願発明の他の実施の形態は以下のとうりである。(第1発明)[1]車両の現在位置を検出するようにし、この検出された現在位置に関するデータと交差点に関するデータとを比較するようにし、この比較結果に基づいて当該交差点の通過量を変更するようにし、この変更された交差点の通過量を出力するようにすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【0367】
[2]上記ナビゲーションシステムは、さらに、上記検出された現在位置に関するデータと道路に関するデータとも比較するようにし、この比較結果に基づいて当該道路の通過量をも変更するようにし、この変更された道路の通過量をも出力するようにし、上記交差点は当該道路の分岐点または合流点であることを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【0368】
[3]上記ナビゲーションシステムは、さらに、上記車両の出発地または車両の現在位置付近から目的地付近まで経路を探索するようにし、この探索にあたり、上記交差点の通過量または上記道路の通過量に基づき、この通過量の大きい交差点または道路を優先して当該経路を探索するようにすることを特徴とする請求項1または2記載のナビゲーションシステム。
【0369】
[4]車両の現在位置を検出するようにし、この検出された現在位置に関するデータと道路または交差点に関するデータとを比較するようにし、この比較において当該現在位置と当該道路または交差点とが対応しているか否かを判定するようにし、この判定結果に応じて当該現在位置を新たな道路または交差点として出力するようにすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【0370】
[5]上記ナビゲーションシステムは、さらに、上記車両の出発地または車両の現在位置付近から目的地付近まで経路を探索するようにし、この探索にあたり、上記道路または交差点のほか、上記新たな道路または交差点をも探索するようにすることを特徴とする請求項4記載のナビゲーションシステム。
【0371】
[6]上記ナビゲーションシステムは、さらに、上記検出された現在位置に関するデータと、上記道路または交差点のほか上記新たな道路または交差点に関するデータとも比較するようにし、この比較結果に基づいて当該道路または交差点の通過量を変更するようにし、この変更された道路または交差点の通過量をも出力するようにし、上記交差点は当該道路の分岐点または合流点であることを特徴とする請求項4または5記載のナビゲーションシステム。
【0372】
[7]上記ナビゲーションシステムは、さらに、上記車両の出発地または車両の現在位置付近から目的地付近まで経路を探索するようにし、この探索にあたり、上記道路または交差点の通過量のほか上記新たな道路または交差点の通過量にも基づき、この通過量の大きい道路または交差点を優先して当該経路を探索するようにすることを特徴とする請求項6記載のナビゲーションシステム。
【0373】
[8]上記ナビゲーションシステムは、上記判定を繰り返して行い、前回、現在位置と当該道路または交差点とが対応し、今回、現在位置と当該道路または交差点とが対応しなければ、前回または今回の現在位置を新たな交差点として出力するようにし、前回、現在位置と当該道路または交差点とが対応せず、今回も、現在位置と当該道路または交差点とが対応せず、しかも当該現在位置の方向の変化が所定量を越えれば、前回及び今回の現在位置を新たな道路として出力するようにすることを特徴とする請求項4、5、6または7記載のナビゲーションシステム。
【0374】
[9]上記ナビゲーションシステムは、上記道路もしくは交差点の通過量または上記新たな道路もしくは交差点の通過量を、当該道路の進入方向、進出方向、進行方向または走行方向ごと、または当該交差点の進入方向、進出方向、進行方向または走行方向ごとに別けて変更するようにし、この変更された道路または交差点の通過量を出力するようにすることを特徴とする請求項1、2、3、6または7記載のナビゲーションシステム。
【0375】
(第2発明)[1]予め記憶されている地図情報に基づいて、車両の出発地または車両の現在位置付近から目的地付近までの第1経路を探索するようにし、(上記地図情報及び)通ったことのある道路または交差点に関するデータに基づいて、車両の出発地または車両の現在位置付近から目的地付近までの第2経路を探索するようにし、これら第1経路と第2経路とが相違する場合、第2経路を優先して車両の出発地または車両の現在位置付近から目的地付近までの経路案内を行うようにすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【0376】
[2]予め記憶されている地図情報に基づいて、車両の出発地または車両の現在位置付近から目的地付近までの第1経路を探索するようにし、(上記地図情報及び)通ったことのある道路または交差点に関するデータに基づいて、車両の出発地または車両の現在位置付近から目的地付近までの第2経路を探索するようにし、これら第1経路と第2経路とが相違する場合、これらの両経路を異なる形態にて出力するようにしたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【0377】
[3]上記第1経路と第2経路との相違部分は、上記経路の探索の対象となる道路と上記経路の探索の対象とならない道路とをさらに区別して出力するようにしたことを特徴とする請求項2記載のナビゲーションシステム。
【0378】
[4]上記ナビゲーションシステムは、さらに、検出された現在位置に関するデータと、上記道路または交差点に関するデータとも比較するようにし、この比較結果に基づいて当該道路または交差点の通過量を変更するようにし、上記交差点は当該道路の分岐点または合流点であり、上記経路の探索で、上記道路または交差点の通過量にも基づき、この通過量の大きい道路または交差点を優先して当該経路を探索するようにしたことを特徴とする請求項1、2または3記載のナビゲーションシステム。
【0379】
[5]上記ナビゲーションシステムは、上記道路もしくは交差点の通過量または上記新たな道路もしくは交差点の通過量を、当該道路の進入方向、進出方向、進行方向または走行方向ごと、または当該交差点の進入方向、進出方向、進行方向または走行方向ごとに分けて変更し、この変更された道路または交差点の通過量を出力することを特徴とする請求項4記載のナビゲーションシステム。
【0380】
[6]記憶された道路または交差点に関するデータを異なる類に分けるようにし、この各類ごとの道路または交差点に関するデータにつき、車両の出発地または車両の現在位置付近から目的地付近まで経路を探索するようにし、この探索された各類ごとの経路が重なっていなければ、この各類ごとの経路を区別して出力するようにすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【0381】
[7]上記各類は、上記経路の探索の対象となる道路と上記経路の探索の対象とならない道路とに分けられる類、道路の幅に応じて分けられる類、通ったことのある道路または交差点に関するデータと通ったことのない道路とに分けられる類、または交差点に関するデータ予め記憶されていた道路または交差点に関するデータと新たに記憶された道路または交差点に関するデータとに分けられる類であり、上記各類ごとの道路または交差点に関するデータは少なくとも一部重複しているまたは重複していないことを特徴とする請求項6記載のナビゲーションシステム。
【0382】
[8]上記ナビゲーションシステムは、さらに、検出された現在位置に関するデータと、上記道路または交差点に関するデータとも比較するようにし、この比較結果に基づいて当該道路または交差点の通過量を変更するようにし、上記交差点は当該道路の分岐点または合流点であり、上記経路の探索で、上記道路または交差点の通過量にも基づき、この通過量の大きい道路または交差点を優先して当該経路を探索するようにすることを特徴とする請求項6または7記載のナビゲーションシステム。
【0383】
[9]上記ナビゲーションシステムは、さらに、上記区別して出力された各類ごとの経路を選択でき、この選択は、各探索経路の距離、時間もしくは上記通過量に基づく、または選択操作者の選択に基づくことを特徴とする請求項6、7または8記載のナビゲーションシステム。
【0384】
(第3発明)[1]車両の現在位置を検出するようにし、この検出された現在位置に対応するデータと道路または交差点に関するデータを記憶するようにし、これらの記憶された新しい道路または交差点を所定条件に応じて削除するようにしたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【0385】
[2]上記ナビゲーションシステムは、更に、上記検出された現在位置に関するデータと、この道路または交差点に関するデータとを比較するようにし、この比較結果に基づいて当該道路または交差点の通過量を変更するようにし、この通過量または/及び上記新たな道路または交差点の記憶時点とに基づいて、上記記憶された新たな道路または交差点を削除するようにしたことを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【0386】
[3]上記新たな道路または交差点を選択して削除することは、上記新たな道路または交差点が記憶される時、上記車両が目的地付近に到達した時、上記道路又は交差点の記憶容量が不足した時、または操作者が上記削除を選択指定した時に実行されることを特徴とする請求項1または2記載のナビゲーションシステム。
【0387】
[4]上記ナビゲーションシステムは、上記道路もしくは交差点の通過量または上記新たな道路もしくは交差点の通過量を、当該道路の進入方向、進出方向、進行方向または走行方向ごと、または当該交差点の進入方向、進出方向、進行方向または走行方向ごとに分けて変更し、この変更された道路または交差点の通過量を出力することを特徴とする請求項1、2、または3記載のナビゲーションシステム。
【0388】
(第4発明)[1]指定された地点から車両が移動したときの現在位置を検出するようにし、この検出された現在位置が上記指定地点に基づく所定範囲内にあれば、上記検出された現在位置に対応した道路または交差点に関するデータを軌跡情報として記憶する、またはこの検出された現在位置が上記指定地点に基づく所定範囲内にあれば、上記検出された現在位置に関するデータと移動する道路または交差点に関するデータとを比較するようにし、この比較において当該現在位置と当該道路または交差点とが対応しているか否かを判定して当該現在位置を新たな道路または交差点として記憶するようにし、または上記比較結果に基づいて当該道路または交差点の通過量を変更するようにしたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【0389】
[2]指定された地点から車両が移動したときの現在位置を検出するようにし、この検出された現在位置が上記指定地点に基づく所定範囲内にあれば、上記検出された現在位置に対応した道路または交差点の通過量を変更することを特徴とするナビゲーションシステム。
【0390】
[3]上記指定地点は、操作者が指定した地点、または車両の駆動源の駆動開始または終了を検出するようにし、この検出された車両の駆動源の駆動開始/終了地点であることを特徴とする請求項1または2記載のナビゲーションシステム。
【0391】
[4]上記ナビゲーションシステムは、上記指定地点ごとに車両の通過回数または車両の駆動源の駆動開始の検出回数を記憶するようにし、この検出回数に応じて上記指定地点に基づく所定範囲の大きさを変更するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載のナビゲーションシステム。
【0392】
[5]上記新たな道路または交差点の記憶、または上記道路または交差点の通過量の変更は、上記指定地点の通過以降若しくは以前において実行される、上記車両の駆動源の駆動開始以降若しくは以前において実行される、または上記車両の駆動源の駆動終了以前若しくは以降において実行されるものであることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のナビゲーションシステム。
【0393】
[6]上記ナビゲーションシステムは、上記道路もしくは交差点の通過量または上記新たな道路もしくは交差点の通過量を、当該道路の進入方向、進出方向、進行方向または走行方向ごと、または当該交差点の進入方向、進出方向、進行方向または走行方向ごとに分けて変更し、この変更された道路または交差点の通過量を出力することを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のナビゲーションシステム。
【0394】
(第5発明)[1]予め記憶されている地図情報に基づいて、車両の出発地または車両の現在位置付近から目的地付近までの第1経路を、少なくとも1つ探索するようにし、上記地図情報及び通ったことのある道路または交差点に関するデータに基づいて、車両の出発地または車両の現在位置付近から目的地付近までの第2経路を、少なくとも1つ探索するようにし、これら複数の経路を選択できるようにし、この選択された経路に基づいて、車両の出発地または車両の現在位置付近から目的地付近までの経路案内を行うようにすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【0395】
[2]上記複数の経路のそれぞれは、車両の出発地または車両の現在位置付近から目的地付近までの単一経路であることを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【0396】
[3]上記複数の経路の選択は、各経路の交点を結ぶ区間つまり分岐点から合流点までの各区間が選択されることを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【0397】
[4]上記経路の選択は、各探索経路の距離、時間もしくは通過量に基づく、または操作者の選択に基づくことを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【0398】
[5]上記ナビゲーションシステムは、上記道路もしくは交差点の通過量または上記新たな道路もしくは交差点の通過量を、当該道路の進入方向、進出方向、進行方向または走行方向ごと、または当該交差点の進入方向、進出方向、進行方向または走行方向ごとに分けて変更し、この変更された道路または交差点の通過量を出力することを特徴とする請求項1、2、3、または4記載のナビゲーションシステム。
【0399】
(第6発明)[1]車両の現在位置を検出するようにし、この検出された現在位置に関するデータと道路または交差点に関するデータとが対応しているか否かを判定するようにし、この判定結果に応じて当該現在位置を新たな道路または交差点として記憶するようにし、この記憶された新たな道路または交差点と検出された車両の現在位置との対応関係から、当該記憶された新たな道路または交差点の位置情報を修正するようにしたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【0400】
[2]上記位置情報の修正量は、修正する道路または交差点の通過量に応じていることを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【0401】
[3]上記修正される位置情報は、修正される道路または交差点の通過ごとに検出された車両の現在位置の平均位置に応じていることを特徴とする請求項1または2記載のナビゲーションシステム。
【0402】
[4]上記ナビゲーションシステムは、上記道路もしくは交差点の通過量または上記新たな道路もしくは交差点の通過量を、当該道路の進入方向、進出方向、進行方向または走行方向ごと、または当該交差点の進入方向、進出方向、進行方向または走行方向ごとに分けて変更し、この変更された道路または交差点の通過量を出力することを特徴とする請求項1、2、3、または4記載のナビゲーションシステム。
以上詳述したように、本実施形態は、自車両の走行経路を軌跡データとして随時記憶する。しかも、現在位置から目的地等までのルート探索に於いて、この記憶された軌跡データを、優先的に用いるようにできる。よって、使用者が頻繁に利用する道路が、優先的にルート探索経路に活用可能となる。また、新規道路が建設されても、当該新規道路を用いた案内経路が、柔軟に探索可能となる。しかも、ルート探索に於いて活用される探索コストに、リンクの走行頻度、リンクの長さ、リンクの走行平均車速、走行日時、道路種別等を考慮した関数によって決定されるようにした。これにより、時間帯によって混雑する道路が案内経路に用いられることを防止できる。また、情報記憶装置の空き容量が減少して軌跡データの記憶、追加が困難な場合には、走行日時が古いか、または走行回数がより少ない軌跡データが優先的に消去される。さらにまた、消去される軌跡データが選択可能である。これにより、情報記憶装置には、使用者にとってより重要か、または良く使用される軌跡データのみの保存が可能である。加えて、通行時間制限のある軌跡データを選択削除すれば、車両の走行時間に於いて、通行不可能な経路が誤って探索されることを防止できる。したがって、情報記憶装置の軌跡データを用いたルート探索処理によって求められる経路には、常に、使用者の意志がより強く反映された道路、すなわち、使用者が好む道路が多用される。この結果、ナビゲーション動作が、より快適なものとなる。走行軌跡の各軌跡データが随時記憶されるが、それとともに、不要となった道路または交差点情報が、所定条件判断に基づいて、削除される。これにより、有効かつ重要な軌跡情報のみを情報記憶装置に常に保存させることができる。さらに、情報記憶装置に記憶される軌跡データに、地理的な記憶限定手段を付加したので、記憶される軌跡データを厳選することができる。さらに、軌跡データを地理的に限定すると、限りある情報記憶装置のメモリ容量を最大限、有効に活用できる。この結果、情報記憶装置には、使用者の好む、より重要な軌跡データのみが記憶されるので、ルート探索による案内経路が、より使用者にとって最適な案内経路とされる。
【0403】
【発明の効果】
本発明によれば、検出された現在位置に対応する道路または交差点に関する軌跡データを記憶し、記憶された軌跡データを、当該軌跡データにおける道路または交差点の通過時間帯(請求項1)、通過時間制限(請求項2)、又は通過平均車速(請求項3)、に応じて削除する、ようにしたので、有効かつ重要な軌跡データを記憶する手段に保存させることができ、さらに、軌跡データを記憶する手段を最大限、有効に活用することができる。
この結果、軌跡データを記憶する手段には、使用者の好む、より重要な軌跡データが記憶されるので、例えば、ルート探索による案内経路が、より使用者にとって最適な案内経路とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ナビゲーション装置の全体回路図である。
【図2】 情報記憶部37のデータ38cに記憶されるデータ構造を示す図である。
【図3】 第1RAM5に記憶される各種データを示す図である。
【図4】 道路データファイルF4の構造を示す図である。
【図5】 ノードデータ55のデータ構造を示す図である。
【図6】 リンクデータ60のデータ構造を示す図である。
【図7】 交差点データ65のデータ構造を示す図である。
【図8】 地点リストPTのデータ構造を示す図である。
【図9】 全体処理のフローチャートを示す図である。
【図10】地点登録処理のフローチャートを示す図である。
【図11】走行位置処理のフローチャートを示す図である。
【図12】軌跡記憶処理のフローチャートを示す図である。
【図13】第1交差点登録処理のフローチャートを示す図である。
【図14】第2交差点登録処理のフローチャートを示す図である。
【図15】ルート探索処理の第1実施例のフローチャートを示す図である。
【図16】周辺リンク探索処理のフローチャートを示す図である。
【図17】リンクコスト算出処理のフローチャートを示す図である。
【図18】ルート探索処理の第2実施例のフローチャートを示す図である。
【図19】ルート探索処理の第2実施例のフローチャートを示す図である。
【図20】ルート探索処理の第2実施例のフローチャートを示す図である。
【図21】ルート探索処理の第2実施例のフローチャートを示す図である。
【図22】ルート探索処理の第2実施例のフローチャートを示す図である。
【図23】ルート探索処理の第2実施例のフローチャートを示す図である。
【図24】ルート探索処理の第2実施例のフローチャートを示す図である。
【図25】ルート探索処理の第2実施例のフローチャートを示す図である。
【図26】軌跡データ削除処理の第1実施例のフローチャートを示す図である。
【図27】軌跡データ削除処理の第2実施例のフローチャートを示す図である。
【図28】軌跡データ削除処理の第3実施例における全体処理のフローチャートを示す図である。
【図29】軌跡データ削除処理の第4実施例における全体処理のフローチャートを示す図である。
【図30】軌跡データ削除処理の第4実施例のフローチャートを示す図である。
【図31】軌跡データの記憶確定処理のフローチャートを示す図である。
【図32】曲線道路70が各リンクRBで近似表現された様子を示す図である。
【図33】情報記憶部37に記憶された道路と、軌跡データ記憶装置40に記憶されるリンクとの相対位置関係を示す図である。
【図34】各リンクと、ノードとの接続説明図である。
【図35】ルート探索処理の第2実施例によって探索された各軌跡ルートを示す図である。
【図36】軌跡データ削除処理で使用される重みづけ関数を示す図である。
【符号の説明】
1…中央処理装置、2…CPU、3…フラッシュメモリ、4…ROM、5…第1RAM、9…画像プロセッサ、10…画像メモリ、11…音声プロセッサ、13…スピーカ、20…現在位置検出装置、21…絶対方位センサ、22…相対方位センサ、23…距離センサ、25…GPS受信装置、26…ビーコン受信装置、27…データ送受信装置、30…入出力装置、33…ディスプレイ、34…タッチパネル、37…情報記憶部、38a…ディスク管理情報、39…データ送受信部、40…軌跡データ記憶装置。

Claims (8)

  1. 車両の現在位置を検出する手段と、
    この検出された現在位置に対応する道路または交差点に関する軌跡データを記憶する手段と、
    前記記憶された軌跡データを、当該軌跡データにおける道路または交差点の通過時間帯に応じて削除する削除手段と、
    を備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
  2. 車両の現在位置を検出する手段と、
    この検出された現在位置に対応する道路または交差点に関する軌跡データを記憶する手段と、
    前記記憶された軌跡データを、当該軌跡データにおける道路または交差点の通過時間制限に応じて削除する削除手段と、
    を備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
  3. 車両の現在位置を検出する手段と、
    この検出された現在位置に対応する道路または交差点に関する軌跡データを記憶する手段と、
    前記記憶された軌跡データを、当該軌跡データにおける道路または交差点の通過平均車速に応じて削除する削除手段と、
    を備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
  4. 前記軌跡データは、新たな軌跡データが記憶される時、車両が目的地付近に到達した時、前記軌跡データを記憶する手段の記憶容量が不足した時、または操作者が削除を選択した時に削除される
    ことを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1の請求項に記載のナビゲーションシステム。
  5. 前記軌跡データに含まれる道路毎に前記軌跡データを記憶する手段から削除するか否かを選択する手段
    を備えたことを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1の請求項に記載のナビゲーションシステム。
  6. 前記軌跡データに基づいて目的地までの経路を算出する手段
    を備えたことを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1の請求項に記載のナビゲーションシステム。
  7. 前記現在位置に基づいて前記経路を誘導する手段とを備え、
    前記軌跡データを記憶する手段は、道路または交差点に関する過去の軌跡データを記憶する第1記憶手段と、経路誘導時に道路または交差点に関する軌跡データを記憶する第2記憶手段とからなり、
    前記第2記憶手段に記憶された軌跡データに基づいて前記第1記憶手段に記憶された軌跡データを変更する
    ことを特徴とする請求項記載のナビゲーションシステム。
  8. 経路案内時に走行した軌跡データと前記経路とを比較して不一致の部分の軌跡データを削除する
    ことを特徴とする請求項または記載のナビゲーションシステム。
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