JP3855091B2 - 半田付け装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半田付け装置に係わり、特に、電子回路部品を実装したプリント基板等における半田付けに好適に用いられる半田付け装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば、電子回路部品を実装したプリント基板の半田付けに用いられる半田付け装置は、ワーク、すなわちプリント基板を搬送するコンベアと、このコンベアの搬送方向の上流側から下流側へ向かって、上記ワークにフラックスを塗布するフラックス塗布手段と、このフラックスが塗布されたワークを加熱して上記フラックスを活性化させる加熱手段と、このフラックスが活性化されたワークのフラックス塗布部位に半田を付着させる噴流式半田槽とが順次設けられている。
そして、上記フラックス塗布手段側に位置した作業員によって、上記ワークが挿入されてコンベアによって搬送される間に、上記ワークへフラックスの塗布処理、加熱処理、および、半田付け処理が順次行われて、ワークへの半田付けが行われるとともに、この半田付けされたワークが上記コンベアの下流側の端部から排出されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の半田付け装置においては、つぎのような改善すべき問題点が残されている。
【0004】
すなわち、ワークに対する半田付けの処理工程の流れが一方向であることから、大量生産の場合には有効であるが、多種少量生産の場合には、作業員を削減しなければならず、半田付け装置から排出されるワークを、挿入側にいる作業員の位置まで戻す必要が生じ、そのために、半田付け装置の排出部から挿入部にかけて、ワークの戻し経路を併設しなければならず、これに起因して装置が複雑化してしまうといった問題点である。
【0005】
本発明は、前述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、大量生産時におけるワークの一方向搬送機能を保持しつつ、多種少量生産時におけるワーク戻し機能を少ない構造変更で達成することのできる半田付け装置を提供することを解決すべき課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明は、ワークにフラックスを塗布するフラックス塗布手段と、上記ワークを加熱して上記フラックスを活性化する加熱手段と、この加熱されたワークのフラックス塗布部位に半田を噴流付着させる噴流式半田槽と、これらのフラックス塗布手段、加熱手段、および、噴流式半田槽間に、上記ワークを搬送するコンベアとを備えた半田付け装置であって、上記コンベアが、搬送方向を反転可能とされ、上記噴流式半田槽と加熱手段とが隣接して設置されているとともに、上記フラックス塗布手段が、上記噴流式半田槽の、上記加熱手段が設けられた側と反対側、あるいは、上記加熱手段の、上記噴流式半田槽が設けられた側と反対側との2位置に選択的に取り付け可能であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、ワークにフラックスを塗布するフラックス塗布手段と、上記ワークを加熱して上記フラックスを活性化する加熱手段と、この加熱されたワークのフラックス塗布部位に半田を噴流付着させる噴流式半田槽と、これらのフラックス塗布手段、加熱手段、および、噴流式半田槽間に、上記ワークを搬送するコンベアとを備えた半田付け装置であって、上記コンベアが、搬送方向を反転可能とされ、上記噴流式半田槽と加熱手段とが隣接して設置されているとともに、上記フラックス塗布手段が、上記噴流式半田槽の、上記加熱手段が設けられた側と反対側、および、上記加熱手段の、上記噴流式半田槽が設けられた側と反対側との2位置に設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記両フラックス塗布手段は、択一的に起動させられるように構成されていることを特徴としている。
また、本発明は、上記コンベアは、上記噴流式半田槽における半田の噴流方向に対して所定角度傾斜して設けられていることを特徴としている。
また、本発明は、上記コンベアの搬送方向は、反転可能に構成されていることを特徴としている。
また、本発明は、上記ワークが回路部品を実装したプリント基板で構成されていることを特徴としている。
【0009】
本発明に係わる半田付け装置によれば、フラックス塗布手段が、噴流式半田槽の、加熱手段が設けられた側と反対側に設けられる場合、ワークがフラックス塗布手段においてフラックスの塗布がなされた後に、この噴流式半田槽を通過させて加熱手段へ送り込まれて加熱され、この加熱後に逆送されて半田塗布部手段へ送り込まれて半田付けが行われ、しかる後に、上記フラックス塗布手段を通過させられて、挿入位置へ戻される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図1ないし図6に基づき説明する。
これらの図において符号2は、本実施形態に係わる半田付け装置を示し、この半田付け装置2は、ワークとしての電子回路部品を実装したプリント基板(以下、基板と略称する)Wにフラックスを塗布するフラックス塗布手段4と、上記基板Wを加熱して上記フラックスを活性化する加熱手段6と、この加熱された基板Wのフラックス塗布部位に半田を噴流付着させる噴流式半田槽8と、これらのフラックス塗布手段4、加熱手段6、および、噴流式半田槽8間に、上記基板Wを搬送するコンベア10とを備える。
上記噴流式半田槽8と加熱手段6とが隣接して設置され、上記フラックス塗布手段4が、上記噴流式半田槽8の、上記加熱手段6が設けられた側と反対側、あるいは、上記加熱手段6の、上記噴流式半田槽8が設けられた側と反対側に選択的に取り付けられる構成になっている。
【0011】
ついで、これらの詳細について説明すれば、上記フラックス塗布手段4は、図1に示す例においては、加熱手段6および噴流式半田槽8が内装されたハウジング12の側部で、上記加熱手段6が設けられた側の外側部に装着されており、上記ハウジング12の外側面に着脱可能に取り付けられたケーシング14と、このケーシング14内に装着され、上記フラックスが貯留された外容器16と、この外容器16の内部に設置された内容器18と、この内容器18内に設置され、上記フラックスを泡状にして上方へ吹き上げる多孔性プラスチックからなる吹き上げ筒20と、この吹き上げ筒20内にフラックス吹き上げ用の圧縮空気を送り込むエアホース22(図2参照)とによって構成されている。
【0012】
また、上記ケーシング14の上記ハウジング12との対向面には、図3に示すように、真円状の貫通部2402と、この貫通孔2402の内径よりも小さな幅を有し、この貫通部2402から上方へ延設された係止部2404とからなる係止孔24が所定間隔をおいて複数形成されている。
【0013】
さらに、上記ハウジング12の上記ケーシング14が取り付けられる部分には、図4に示すように、このケーシング14に形成されている上記複数の係止孔24の貫通部2402の内径よりも若干小さな外径を有する頭部2602と、この頭部2602に一体に形成されるとともに、この頭部2602を上記ハウジング12の外側面から処置距離離間した状態で、上記ハウジング12に固定する脚部2604とからなる係合突起26が、上記複数の係止孔24の配列状態と同一の配列状態で突設されている。
【0014】
そして、上記ケーシング14、すなわちフラックス塗布手段4は、上記ケーシング14に形成されている各係止孔24の貫通部2402に上記ハウジング12に突設されている各係合突起26の頭部2602が挿通された後に、ケーシング14が下降されることによって、上記各係合突起26の脚部2604が上記各係止孔24の係止部2404に嵌合され、これにより、上記ハウジング12に固定されるようになされているとともに、逆の操作によって、このハウジング12から取り外されるようになされている。
【0015】
また、上記複数の係合突起26は、上記ハウジング12の、上記噴流式半田槽8が設けられた側の外側面にも同様に設けられて、上記フラックス塗布手段4が、上記ハウジング12の両側面に選択的に装着可能になっている。
【0016】
上記加熱手段6は、図1に示すように、上記コンベア10の下方に、その搬送方向に沿って所定間隔をおいて設けられた複数のヒータ602と、これらのヒータ602を支持するステー604とによって構成されており、このステー604が後述する噴流式半田槽8を構成する半田容器28の側部に固定されることにより、この噴流式半田槽8と隣接して位置されている。
【0017】
そして、上記噴流式半田槽8は、上記半田容器28と、この半田容器28内に設置され溶融半田を吹き上げて、その上部に搬送される基板Wに半田付けを行うようにした噴流式のものであり、上記ステー604が上記噴流式半田槽8における半田の噴流方向に対して傾斜して取り付けられている。
【0018】
上記コンベア10は、図5に示すように、2組のスプロケット30と、これらのスプロケット30間に巻回されたチェーン32とによって構成されており、これらの各チェーン32は、相互に平行となるように設置され、それぞれのチェーン32には、相互に対向する方向へ向かって突設された多数のフック34がチェーン32の長さ方向に所定間隔をおいて多数設けられており、対向させられた上記フック34間に上記基板Wが載置されるようになっている。
【0019】
そして、このコンベア10も上記ステー604の傾斜と同様の傾斜が与えられており、搬送する基板Wを、上記噴流式半田槽8における半田の噴流方向に対して、有効な半田付け角度に保持されている。
【0020】
一方、上記コンベア10の一端部は、図1に示すように、上記フラックス塗布手段4の内部まで延設されているとともに、他端部は、上記ハウジング12の外部へ突出させられており、この突出部分に、上記チェーン32を所定方向に回転移動させる駆動機構36が設けられている(図1参照)。
【0021】
この駆動機構36は、駆動源となるモータ38と、このモータ38の回転を、上記コンベア10のスプロケット30へ伝達する回転伝達機構40とによって構成されているとともに、上記モータ38を逆転させることにより、上記コンベア10の搬送方向を反転させ得るようになっている。
【0022】
ついで、このように構成された本実施形態に係わる半田付け装置2の作用について説明する。
まず、図1に示すように、フラックス塗布手段4を加熱手段6側に取り付けた場合について説明すれば、コンベア10をその搬送方向がフラックス塗布手段4から噴流式半田槽8へ向かうように上記コンベア10が駆動されるとともに、フラックス塗布手段4、加熱手段6、および、噴流式半田槽8がそれぞれ駆動される。
【0023】
この状態において、基板Wが上記フラックス塗布手段4側から上記コンベア10上に載置されると、この基板Wが、フラックス塗布手段4から噴流式半田槽4へ向けて搬送されるが、この基板Wがフラックス塗布手段4を通過させる際にフラックスが塗布され、また、加熱手段6を通過させる際に加熱されて、塗布されているフラックスの活性化が行われ、さらに、噴流式半田槽8を通過させる間に、上記基板Wに半田付けが行われ、この半田付けが完了した後に、上記コンベア10の搬送方向下流側の端部から排出される。
【0024】
このような操作によって、基板Wが半田付け装置2において一方向へ搬送され、半田付け装置2の一側部が基板Wの挿入部となり、かつ、他端部が基板Wの排出部となる。
したがって、基板Wに対する大量処理に適した半田付けが行われる。
【0025】
一方、基板の半田付け処理量が少ない場合は、図6に示すように、上記フラックス塗布手段4を噴流式半田槽8側に取り付けることによって挿入部と排出部とを同一位置とすることが可能となる。
【0026】
この作動について説明すれば、まず、噴流式半田槽8および加熱手段6が停止されるとともに、フラックス塗布手段4が作動状態となり、かつ、コンベア10が、その搬送方向が噴流式半田槽8からフラックス塗布手段4へ向かうように作動される。
【0027】
この状態において、基板Wが噴流式半田槽8側から上記コンベア10上に挿入され、この基板Wがフラックス塗布手段4から加熱手段6へ向けて搬送され、上記フラックス塗布手段4を通過させる間に上記基板Wにフラックスが塗布され、その後、この基板Wが、待機状態にある噴流式半田槽8および加熱手段6を通過して、コンベア10の搬送方向下流側の端部まで搬送される。
【0028】
このように、基板Wが加熱手段6の端部まで搬送されると、一定時間経過後このコンベア10が反転駆動され、これと同時に、あるいは、先立って加熱手段6および噴流式半田槽8が作動される。
これによって、上記フラックスが塗布された基板Wが、上記加熱手段6から噴流式半田槽8を経て、上記コンベア10の基板Wの挿入位置へ向けて搬送されるが、上記作動状態にある加熱手段6を通過させる間に加熱されることにより、塗布されたフラックスが活性化され、また、噴流式半田槽8を通過する間に上記基板Wへの半田付けが行われ、さらに、この半田付けが完了した後に、コンベア10の基板Wの挿入位置へ搬送されて、この挿入位置から装置外へ排出される。
【0029】
このような操作により、基板Wへの半田付けが行われるとともに、基板Wが同一位置において挿入排出される。
したがって、基板Wの処理量が少ない場合において、半田付け装置2の一カ所において基板Wの挿入排出が可能となり、単に、フラックス塗布手段4の装着位置の切り替えのみで多量処理と多種少量処理とのそれぞれに適した搬送が実現され、搬送形態の変更に伴う構成の煩雑化が抑制される。
【0030】
なお、上述した実施形態において示した各構成部材の位置関係や形状等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
たとえば、上記実施形態においては、フラックス塗布手段4の取り付け位置を変更することによって基板Wの搬送形態を変更するようにした例について示したが、これに限定されるものではなく、たとえば、図7に示すように、フラックス塗布手段4をコンベア10の両端部に設けておき、これらのフラックス塗布手段4を選択的に駆動することにより、両搬送形態の切り替えを行うことも可能である。
このような構成とすることにより、搬送形態の切り替え時における諸作業が、電気的な処理によって行うことが可能となって、作業時間が短縮されるとともに、作業自体の簡素化が図られるという利点がある。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、単にフラックス塗布手段の装着位置の切り替えのみで多量処理と少量処理とのそれぞれに適した搬送を実現することができ、新たな付加構造伴うことなく、搬送形態の変更を可能にし、これによって、搬送形態の変更に伴う構成の煩雑化を抑制することができる。
また、本発明によれば、搬送形態の切り替え時における諸作業を、電気的な処理によって行うことを可能にし、これによって搬送形態の切り替えに要する作業時間を短縮することができるとともに、この作業自体の簡素化を図ることができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に用いられるフラックス塗布手段の要部を示す外観斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に用いられるフラックス塗布手段のケーシングの側面図である。
【図4】本発明の一実施形態に用いられるフラックス塗布手段のケーシングの側面図である。
【図5】本発明の一実施形態に用いられるコンベアの要部の平面図である。
【図6】本発明の一実施形態を示す正面図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す正面図である。
【符号の説明】
2 半田付け装置
4 フラックス塗布手段
6 加熱手段
8 噴流式半田槽
10 コンベア
W (基板)ワーク
Claims (5)
- ワークにフラックスを塗布するフラックス塗布手段と、
上記ワークを加熱して上記フラックスを活性化する加熱手段と、
この加熱されたワークのフラックス塗布部位に半田を噴流付着させる噴流式半田槽と、
これらのフラックス塗布手段、加熱手段、および、噴流式半田槽間に、上記ワークを搬送するコンベアとを備えた半田付け装置であって、
上記コンベアは、搬送方向が反転可能とされ、
上記噴流式半田槽と加熱手段とが隣接して設置されているとともに、
上記フラックス塗布手段が、上記噴流式半田槽の、上記加熱手段が設けられた側と反対側、あるいは、上記加熱手段の、上記噴流式半田槽が設けられた側と反対側との2位置に選択的に取り付け可能であることを特徴とする半田付け装置。 - ワークにフラックスを塗布するフラックス塗布手段と、
上記ワークを加熱して上記フラックスを活性化する加熱手段と、
この加熱されたワークのフラックス塗布部位に半田を噴流付着させる噴流式半田槽と、
これらのフラックス塗布手段、加熱手段、および、噴流式半田槽間に、上記ワークを搬送するコンベアとを備えた半田付け装置であって、
上記コンベアは、搬送方向が反転可能とされ、
上記噴流式半田槽と加熱手段とが隣接して設置されているとともに、
上記フラックス塗布手段が、上記噴流式半田槽の、上記加熱手段が設けられた側と反対側、および、上記加熱手段の、上記噴流式半田槽が設けられた側と反対側との2位置に設けられていることを特徴とする半田付け装置。 - 上記両フラックス塗布手段が択一的に起動させられるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の半田付け装置。
- 上記コンベアが、上記噴流式半田槽における半田の噴流方向に対して所定角度傾斜して設けられていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の半田付け装置。
- 上記ワークが回路部品を実装したプリント基板である請求項1、2、3または4に記載の半田付け装置。
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---|---|---|---|
JP01829396A JP3855091B2 (ja) | 1996-01-08 | 1996-01-08 | 半田付け装置 |
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JP01829396A JP3855091B2 (ja) | 1996-01-08 | 1996-01-08 | 半田付け装置 |
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JPH09191175A JPH09191175A (ja) | 1997-07-22 |
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JP01829396A Expired - Fee Related JP3855091B2 (ja) | 1996-01-08 | 1996-01-08 | 半田付け装置 |
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JP (1) | JP3855091B2 (ja) |
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1996
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