JP3854466B2 - 凝集剤及び凝集方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上水道分野、食品製造分野、発酵工業分野、下水処理分野、廃水処理分野などに利用される凝集剤に関し、更に詳細には、γ―ポリグルタミン酸又はγ―ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体を主成分とし、被処理液への小量投入により高効率の凝集活性を示し、しかも環境や生物、特に人体に害を与えない凝集剤又は凝集方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、下廃水処理などに使用される凝集剤としては、ポリアクリルアミド等の合成高分子凝集剤が多用されていた。しかし、この凝集剤は環境に放出されると分解され難いため環境内に蓄積される傾向があると共に、そのモノマーには毒性があることも指摘されていた。
【0003】
従って、この合成高分子凝集剤は下廃水処理に使用されるだけで、上水道、食品産業、発酵工業などの分野にはとても使用できる凝集剤ではなかった。また、環境浄化の傾向の中で、下廃水処理に対してもより安全で新規な凝集剤が研究されつつある。
【0004】
このような中で、特開平8−257306号によりγ―ポリグルタミン酸からなる凝集剤が提案されるに到った。このγ―ポリグルタミン酸は納豆の糸引き成分として知られる物質で、言い換えればそれ自体が食品である。従って、このγ―ポリグルタミン酸は人体に対して無害であると同時に、バクテリアにより生分解性を有する極めて安全な物質でもある。
【0005】
この安全なγ―ポリグルタミン酸が凝集活性を有するという発見は凝集分野においては極めて画期的なことである。γ―ポリグルタミン酸はそれ自体が食品であるから、下廃水処理のみならず、上水道・食品産業・発酵工業など人体に摂取される分野の凝集剤としても利用することができる。
【0006】
γ―ポリグルタミン酸は生分解性を有するから、環境に放出されても、バクテリアによって水と炭酸ガスにまで生分解され、環境に蓄積されない。しかも、γ―ポリグルタミン酸が水道水・食品・発酵物の中に残留しても、人体には無害であるから極めて安全である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
γ―ポリグルタミン酸はこのような優れた性質を有するが、前記特開平8−257306号公報から判断すると、凝集剤としての投入量及び凝集活性においてまだまだ不十分な点が残されている。
【0008】
特に、前記公開公報の図2は、γ―ポリグルタミン酸の濃度が20mg/Lの近傍で凝集活性がピークになることを示している。このことは、1リットルの被処理液に対し20mgのγ―ポリグルタミン酸を投入しなければならないことを意味している。γ―ポリグルタミン酸は現状ではまだまだ高価であるから、下廃水処理のように大量の被処理液を凝集しなければならない場合には、凝集処理費用が高騰することになる。
【0009】
また、図2によれば、γ―ポリグルタミン酸の濃度を20mg/Lに設定しても、凝集活性は4程度にしか達していない。この公開公報では凝集活性は1/OD550で表現され、より具体的には1/サンプル値―1/ブランク値で定義される量である。サンプル値は凝集後の上澄み液のOD550であり、ブランク値は未凝集液、つまり汚濁液のOD550である。ここで、OD550とは波長が550nmの光を用いた場合においてlog10(I0/I)で定義される光学濃度である。
【0010】
従って、凝集活性が4の場合には、1/log10(I0/I)=4となるから、I=I0/1.8=0.55I0が得られる。つまり、凝集活性が4では、透過光量Iが入射光量I0の1/2程度に減衰することを示している。つまり、凝集処理を行なった後でも、光量が半減する程度にまだ濁っていることを示している。このことは、γ―ポリグルタミン酸の凝集力の不十分性を示している。
【0011】
また、凝集活性を求める場合に、汚濁成分としてカオリンを使用している。カオリンは粘土状物質で、初期濃度が高い場合には自己凝集を自然に起こす物質でもある。前記公報には、測定されているカオリン懸濁液の濃度は5g/Lと記載され、かなり高濃度の白濁状態であることが分かる。つまり、最高条件で凝集活性が4であっても、測定中に自己凝集を生起していれば、実際の凝集活性は4より小さくなることも考えられる。
【0012】
正確な凝集活性を測定するには、カオリンを用いたとしても低濃度の被処理液とする必要がある。更に、正確に測定するには、自然界にある低濃度の汚濁水を被処理液として凝集実験することが必要である。
【0013】
従って、本発明の目的は、γ―ポリグルタミン酸を物理的に構造改変することによって、小量の凝集剤投入量で、言い換えればより低い凝集剤濃度でより高効率の凝集活性を示す凝集剤及び凝集方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、分子量が1000万以上であるγ−ポリグルタミン酸又はγ−ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体を主成分とすることを特徴とする凝集剤である。
【0015】
請求項2の発明は、γ−ポリグルタミン酸又はγ−ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体にアルミニウム、カルシウム、鉄、マグネシウムから選ばれた1種以上の金属イオンを添加することを特徴とする凝集剤である。。
【0016】
請求項3の発明は、γ−ポリグルタミン酸又はγ−ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体を0.1〜10mg/Lの濃度になるように被処理液に添加することを特徴とする凝集方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る凝集剤及び凝集方法の実施形態を詳細に説明する。
【0021】
本発明者等は、凝集活性の高効率化を目指して鋭意研究した結果、γ―ポリグルタミン酸又はγ―ポリグルタミン酸塩を放射線照射して得られる放射線架橋体がγ―ポリグルタミン酸よりも高効率の凝集活性を示すことを発見して本発明を完成したものである。
【0022】
γ―ポリグルタミン酸は鎖状ポリペプチドの一種で、その凝集メカニズムについては未だ分からない点が多い。一般の無機金属イオンが陽イオン性によって凝集力を発揮することと対比して考えると、γ―ポリグルタミン酸が構造的にプラス極性基を有し、このプラス極性基が凝集作用を発現するという考え方も提案されている。しかし、その実際は明白ではない。
【0023】
このγ―ポリグルタミン酸又はγ―ポリグルタミン酸塩を放射線照射して得られる放射線架橋体が更に高効率の凝集力を発現することは本発明者等によって初めて発見された。しかし、その放射線架橋体の凝集メカニズムについては未だに不明である。
【0024】
放射線架橋体はγ―ポリグルタミン酸又はγ―ポリグルタミン酸塩の鎖状長分子が相互に架橋することによって形成されるから、内部に大きな袋状空間が多数形成されることになる。本発明者等の想像では、この袋状空間に被処理液が吸収され、袋状空間に汚濁物質が吸収蓄積されるのではないかと考えているが、これも現在のところ想像の域を脱していない。特に、汚濁物質を選択的に吸収するメカニズムの解明が急務である。
【0025】
本発明に係るγ―ポリグルタミン酸は、種々の製造方法により生産されたものが用いられる。製法としては、例えば微生物による培養方法、化学合成法などがある。化学合成法で合成した場合には、安全性の観点から下廃水処理が中心になる。
【0026】
微生物培養法では、バチルス属のバチルス・スブチリス、バチルス・アントラシス、バチルス・メガテリウム、バチルス・ナットウ等の菌が利用できるが、特にバチルス・スブチリスのF−2−01株が生産量において好適である。この菌株は分子量が数十万〜数100万のγ―ポリグルタミン酸を産生し、その分子量が比較的大きいから、放射線によって効率よく架橋体を製造できる。
【0027】
微生物が産生するγ―ポリグルタミン酸は、古くより納豆の粘物質の主成分として食されているように、人畜無害な天然物であり、生分解性を有するという大きな特徴を有する。つまり、このγ―ポリグルタミン酸は単に生分解性を有するだけでなく、誤って食べてしまっても害が全く無く、逆に栄養分になるという点で優れている。従って、下廃水処理は勿論、上水道分野・食品分野・発酵分野の凝集剤原料として好適である。
【0028】
前記微生物が産生するγ―ポリグルタミン酸は、枝分れのない直鎖状のγ―ペプチドで、L−グルタミン酸とD−グルタミン酸の共重合体、即ちヘテロポリマーである。このヘテロポリマー構造のγ―ポリグルタミン酸が本発明に係る凝集剤の原料として最適のものである。
【0029】
微生物産生のγ―ポリグルタミン酸は、所要の養分を混入した液体培地に微生物を植種し、所要温度で所要時間培養して、培養液からγ―ポリグルタミン酸を単離して得られる。固形培地を利用しても良い。凝集剤としては、γ―ポリグルタミン酸単体のみならず、培養液から沈殿させて得られたγ―ポリグルタミン酸を含む培養物、或いは培養液自体でも構わない。更に、固形培地を凝集剤として利用することもできる。
【0030】
化学合成されるγ―ポリグルタミン酸には、L−グルタミン酸のホモポリマー、D−グルタミン酸のホモポリマー、これら両ホモポリマーの混合物など種々の構造のポリマーが生成される。これらの化学合成されたγ―ポリグルタミン酸も本発明に係る凝集剤原料になる。
【0031】
また、本発明で用いられるγ―ポリグルタミン酸塩は、γ―ポリグルタミン酸と塩基性化合物の中和反応により塩として生成される。γ―ポリグルタミン酸と塩基性化合物を水などの溶媒に室温で溶解させ、加熱しながら攪拌すると効率的に生成される。塩基性化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等や、アミンなどの有機性の塩基性化合物がある。
【0032】
γ―ポリグルタミン酸と塩基性化合物の反応条件において、加熱温度は5〜100℃が望ましい。5度以下では反応が遅くなり、100度を超えると溶媒の一種である水が沸騰し反応が安定しない場合がある。また、pHは中性〜塩基性の範囲が好ましく、特にpHは5〜10の範囲が好ましい。また、γ―ポリグルタミン酸と塩基性化合物の分量は過不足のない化学量論的反応量が適当である。
【0033】
本発明で用いられるγ―ポリグルタミン酸又はγ―ポリグルタミン酸塩は、分子量が数十万〜数百万に分布しているものが適当である。微生物産生の場合には、その分子量は数10万〜数100万に分布している。化学合成の場合でも、数十万以上に重合させたものが適当である。原料分子の分子量が小さいと、放射線架橋体の分子量が小さくなって凝集剤として不適当になる。
【0034】
本発明では、前記のγ―ポリグルタミン酸又はγ―ポリグルタミン酸塩を放射線で架橋させて分子量が1000万以上の架橋体を生成する。γ―ポリグルタミン酸は(―NH(COOH)CH−CH2−CH2−CO―)nで表され、添字nが重合度を与える。この重合度nによって原料として好適な数十万〜数百万の分子量を与えている。
【0035】
このγ―ポリグルタミン酸に放射線を照射すると、脱水素反応によりCH2がCH−となり、2本のγ―ポリグルタミン酸の直鎖がCH−HCを介して連結し、[(―NH(COOH)CH−CH−CH2−CO―)n]2のように架橋すると考えられている。この架橋度が更に大きくなると、[(―NH(COOH)CH−CH−CH2−CO―)n]mのような分子量の大きな放射線架橋体が生成される。ここで、mは架橋度を示し、架橋連結されるγ―ポリグルタミン酸の直鎖の本数を与える。
【0036】
架橋度mを大きくすることによって、γ―ポリグルタミン酸放射線架橋体の分子量を1000万以上にする。γ―ポリグルタミン酸はポリペプチド鎖であるから、−CH−HC−の連結により内部に多数の大きな空間が形成された網目構造となる。前述したように、この多数の内部空間に汚濁水を吸収して、汚濁物質を内部蓄積すると考えられている。
【0037】
本発明では、γ―ポリグルタミン酸を架橋させるのに放射線を利用することが特徴である。化学合成により架橋させると、高温が必要となり、このため原料としてのγ―ポリグルタミン酸が熱変性を受ける。放射線架橋を利用すると、低温で架橋できるので、γ―ポリグルタミン酸を変質させることなく架橋を実現できる。従って、放射線架橋によって、変性物を含まないγ―ポリグルタミン酸架橋体を得ることができる。
【0038】
特に、微生物産生のγ―ポリグルタミン酸はポリペプチドの一種であり、アミノ酸の弱熱性から判断すると、加熱架橋を採用することは難しい。納豆の粘性物質がγ―ポリグルタミン酸であることを考えると、納豆を加熱した場合の熱変性の事情がよく分かるであろう。従って、本発明では低温架橋を実現するために、放射線架橋を利用している点に特徴を有する。
【0039】
γ―ポリグルタミン酸又はγ―ポリグルタミン酸塩の単体を放射線照射するだけでなく、培養液・培養物・固形培地などを放射線照射して、γ―ポリグルタミン酸又はγ―ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体の単体や放射線架橋体の混入物を得ることができる。いずれも本発明に係る凝集剤として使用できる。特に、培養液に放射線照射した場合には、放射線架橋体含有液が生成され、被処理液に添加する場合に、取扱方法や濃度調整が容易である。
【0040】
架橋用の放射線としては、α線、β線、γ線、X線、電子線、中性子線、中間子線、イオン線などが利用できる。この中でも、操作性の良好さからγ線、X線、電子線が好適である。X線はX線管球又は非管球式の両者が利用でき、近年普及している電子リングから放射される放射光も利用できる。電子線はビームエネルギーに応じて公知の電子線照射装置が利用できる。
【0041】
γ線は放射線源を利用できる点で優れている。γ線源としてはコバルト60、ストロンチウム90、ジルコニウム95、セシウム137、セリウム141、ルテニウム177等があるが、半減期やエネルギーの観点からコバルト60やセシウム137が好適である。
【0042】
本発明では、γ―ポリグルタミン酸を放射線架橋することによって、分子量が1000万以上のγ―ポリグルタミン酸放射線架橋体を生成する。分子量を1000万以上に架橋すると、γ―ポリグルタミン酸架橋体の凝集特性が急増し、γ―ポリグルタミン酸単体の凝集特性と比較して格段に優れた凝集効果を発揮するようになる。
【0043】
γ―ポリグルタミン酸を分子量1000万以上に架橋するには、γ―ポリグルタミン酸原料に吸収線量で1〜500kGyの放射線照射が必要で、1kGy以下では架橋がなかなか進行せず、また500kGyを超えると架橋が進行し過ぎるため、架橋体の網目構造によって形成される内部空間が小さくなり、逆に凝集活性が低下するようになる。架橋性及び凝集活性の観点から、吸収線量としては5〜100kGyが更に好適である。
【0044】
γ―ポリグルタミン酸及びγ―ポリグルタミン酸塩それ自体はアルコールやアセトンなどの有機溶媒に溶解しない性質を有している。また、γ―ポリグルタミン酸塩は水に溶解するが、γ―ポリグルタミン酸は水に溶解しない性質を有する。ところが、これに放射線架橋を施すと、放射線架橋体の表面が水や、含水アルコール・含水アセトンなどの含水有機溶媒に対して親和性を有するように改質される。
【0045】
本発明は放射線架橋によるγ―ポリグルタミン酸及びγ―ポリグルタミン酸塩の表面改質の特性に着目してなされたものでもある。即ち、放射線架橋体となることによって、γ―ポリグルタミン酸及びγ―ポリグルタミン酸塩の両者が、水や含水有機溶媒に親和性を持つようになり、具体的には被処理水に溶解するようになる。この表面改質のメカニズムはよく分かっていないが、本発明はこの事実に基づきなされたものである。
【0046】
従って、本発明に係るγ―ポリグルタミン酸又はγ―ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体は、下廃水、上水道水、食品含有水、発酵水などの被処理水に溶解して、含有物質の凝集剤として凝集効果を発揮する。即ち、下廃水や上水道水からは汚濁物質を凝集沈殿させて清浄水を得ることができ、食品含有水や発酵水からは凝集沈殿によって食品や発酵物を得ることができる。
【0047】
本発明に係るγ―ポリグルタミン酸又はγ―ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体は、被処理液1リットルに対し0.1〜20mg程度添加されると効率よく凝集効果を発揮する。従って、凝集剤濃度は0.1〜20mg/Lの範囲がよく、更に好適には0.5〜10mg/Lである。0.1mg/L以下では凝集効果が低下し、20mg/L以上では凝集効果がやや低下すると同時に凝集コストが高価になり過ぎる。
【0048】
本発明に係るγ―ポリグルタミン酸又はγ―ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体は凝集剤として単独に使用されるだけでも十分な凝集効果を発揮するが、特に金属イオンと共に使用されるときには、金属イオンの凝集効果と相乗して優れた凝集効果を発揮する。金属イオンとしては、例えばアルミニウム、カルシウム、鉄、マグネシウム等から選ばれた1種以上の金属イオンが選択されて被処理水に添加される。金属イオンを添加する場合は、安全性の観点から食品加工などの分野には不向きであり、汚濁濃度が高い下廃水処理などに好適である。
【0049】
【実施例】
[実施例1:γ―ポリグルタミン酸の放射線架橋体の製造]
γ―ポリグルタミン酸生産菌として、バチルス・スブチリスF―2―01が選ばれた。大量生産するため、1×103m3の容器の中に、液体培地を配置した。培地組成は以下のように構成された。
【0050】
この液体培地の中に前記菌株を植菌し、pHを7.5に調整して上で、37℃の恒温状態に保持した。通気攪拌しながら6日間培養を続けると、培養液中にγ―ポリグルタミン酸及びその塩類が蓄積されてゆく。培養液を遠心分離して培養液から菌体を分離し、更に前記γ―ポリグルタミン酸類を単離した。
【0051】
γ―ポリグルタミン酸の生産量は、培養条件にも依存するが、培養液中において5〜50(g/L)に達することが分かり、γ―ポリグルタミン酸類の工業的大量生産が可能であることが立証された。また、生産されたγ―ポリグルタミン酸類の分子量は50万〜200万に分布していることが分かった。
【0052】
このγ―ポリグルタミン酸類の5重量%水溶液にコバルト60線源によりガンマ線を20kGy照射し、γ―ポリグルタミン酸放射線架橋体を生成した。この放射線照射により水溶液はゲル化し、γ―ポリグルタミン酸放射線架橋体の分子量は約1500万と推定された。このゲル状物質を脱水してγ―ポリグルタミン酸放射線架橋体の粉末得た。この粉末は白色であった。
【0053】
前述したように、γ―ポリグルタミン酸塩は水溶性であるが、γ―ポリグルタミン酸は水に不溶であるため、得られたγ―ポリグルタミン酸類をそのまま汚濁水に添加しても凝集効果を発揮し難い。しかし、γ―ポリグルタミン酸類の放射線架橋体は水に対して親和性を示すようになり、水に対し可溶であるから凝集剤としてそのままの形態で利用できる。
【0054】
[実施例2:凝集試験]
自然水の浄化を試みるため、K市を代表する城の外堀の汚濁水を浄化する試験を行なった。5.4×9.0×1.3(m3)の容積を有する約27トンの試験槽に外堀の汚濁水を投入した。この試験槽に実施例1で得られたγ―ポリグルタミン酸放射線架橋体を40g投入し攪拌して溶解させた。最終投入濃度は1.5mg/Lであった。その後2時間静置させたところ目視で沈殿が生じた。
【0055】
投入から3時間かけて沈殿させた後、その清浄化された上澄み水と沈殿前の汚濁水の光学濃度(OD)を測定した。500nmと700nmの波長の光を用いたため、夫々のOD値を表1に表示する。
【0056】
公知文献である特開平8−257306号公報のデータと対比するため、700nmと500nmの凝集活性値を算出した。凝集活性値は1/OD700と1/OD500で与えられ、それぞれ1/サンプル値―1/ブランク値で定義される。
サンプル値は上澄み水の値、ブランク値は沈殿前の汚濁水の値である。従って、1/OD700=1/0.015−1/0.065=51また1/OD500=1/0.022−1/0.072=32となる。
【0057】
前記公報の凝集活性値(1/OD550)が最大で4であるのに対して、この試験で凝集活性値は1/OD700=51、1/OD500=32となり、いずれにしても、凝集活性値は10倍以上に増大していることが分かる。しかも、凝集剤の投入濃度は、従来が20mg/Lであるのに対し、この実施例では1.5mg/Lで済み、投入量が15分の1に減量できることが分かった。
【0058】
前述したように、γ―ポリグルタミン酸はそれ自体が安全な食品であるから、その放射線架橋体も安全であり、食品加工、発酵工業、上水道処理など人体に吸収される分野の凝集剤として活用することができる。
【0059】
[実施例3:陽イオンを併用した凝集試験]
陽イオンを凝集助剤として併用した場合の凝集効果を見るため、実施例1のγ―ポリグルタミン酸放射線架橋体40gと共に、AlCl3・6H2Oを35g投入した。γ―ポリグルタミン酸放射線架橋体の投入濃度は最終的に1.5mg/L、塩化アルミニウムの投入濃度は1.3mg/Lとなった。その他の試験条件は実施例2と全く同様である。
【0060】
アルミニウムイオンを添加しているため、凝集沈殿はきわめて早く出現し、凝集剤を投入して攪拌すると同時に沈殿が開始し、即効性が極めて高いことが分かった。1時間静置して沈殿が終了するのを待ち、700nmと500nmの光学濃度を測定した。結果は表2に示されている。
【0061】
凝集活性値を求めると、1/OD700=1/0.012−1/0.065=68また1/OD500=1/0.019−1/0.072=39となる。前記公報の凝集活性値(1/OD550)が最大4であるのに対して、この実施例では凝集活性値は1/OD700=68、1/OD500=39となり、10倍以上の凝集活性を示すことが分かった。また、γ―ポリグルタミン酸放射線架橋体と塩化アルミニウムの総投入濃度は2.8mg/Lであり、従来技術の最高条件の投入濃度20mg/Lの7分の1以下に押えることができることが分かった。
【0062】
陽イオンを添加すると、即効性の高い凝集沈殿を実現でき、陽イオンが混入しているため、人体に吸収される分野の凝集剤としては不向きである。従って、下廃水処理における凝集剤として活用することができる。しかも、その凝集活性値は従来の100倍以上の性能を有する高活性凝集剤である。
【0063】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、分子量が1000万以上のγ−ポリグルタミン酸又はγ−ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体を主成分とする凝集剤であるから、下廃水処理に利用できるだけでなく、人体や生物に全く害悪を与えず、上水道分野・食品分野・発酵分野などの凝集剤として活用できる。しかも、その凝集活性値はきわめて高く、投入量を減量できるため、高効率で安価な凝集効果を発揮できる。
また、分子量が1000万以上であるγ−ポリグルタミン酸又はγ−ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体を主成分とするから、γ−ポリグルタミン酸自体が水に不溶であっても放射線架橋体は水溶性を有し、非処理水に添加した場合に容易に溶解させることができる。従って、γ−ポリグルタミン酸と比較して凝集処理操作が容易になる。
【0064】
請求項2の発明によれば、γ−ポリグルタミン酸又はγ−ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体を主成分とするから、安全性が高く、上水道分野・食品分野・発酵分野などの凝集剤として積極的に利用できる。
また、γ−ポリグルタミン酸又はγ−ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体にアルミニウム、カルシウム、鉄、マグネシウムから選ばれた1種以上の金属イオンを添加するから、凝集効果の即効性を発揮でき、凝集効果の時間性能を向上でき、大量の被処理水を浄化でき、例えば下廃水処理などに効果的に適用できる。
【0065】
請求項3の発明によれば、γ−ポリグルタミン酸又はγ−ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体を0.1〜10mg/Lの濃度になるように被処理液に添加するから、γ−ポリグルタミン酸からなる凝集剤と比較して、凝集剤添加量を低減でき、しかも高効率の凝集活性値を有する凝集剤を提供できる。
Claims (3)
- 分子量が1000万以上であるγ−ポリグルタミン酸又はγ−ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体を主成分とすることを特徴とする凝集剤。
- γ−ポリグルタミン酸又はγ−ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体にアルミニウム、カルシウム、鉄、マグネシウムから選ばれた1種以上の金属イオンを添加することを特徴とする凝集剤。
- γ−ポリグルタミン酸又はγ−ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体を0.1〜10mg/Lの濃度になるように被処理液に添加することを特徴とする凝集方法。
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